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JP4130139B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

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JP4130139B2
JP4130139B2 JP2003075799A JP2003075799A JP4130139B2 JP 4130139 B2 JP4130139 B2 JP 4130139B2 JP 2003075799 A JP2003075799 A JP 2003075799A JP 2003075799 A JP2003075799 A JP 2003075799A JP 4130139 B2 JP4130139 B2 JP 4130139B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
洗浄室内において洗浄タンク内の洗浄水を洗浄ノズルから被洗浄物に噴射する洗い工程を実行し、すすぎタンク内の高温のすすぎ水をすすぎノズルから被洗浄物に噴射するすすぎ工程を実行する食器洗浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の食器洗浄機は、洗浄室の上下に洗浄ノズルとすすぎノズルをそれぞれ回転自在に配置し、これらの間に配置した皿などの被洗浄物の洗浄とすすぎとを行う。即ち、この種食器洗浄機は洗浄タンク内の洗浄水を洗浄ポンプによって洗浄室の上下の洗浄ノズルに循環し、上部に設けた洗浄ノズルから下向きに噴射される洗浄水と、下部に設けた洗浄ノズルから上向きに噴射される洗浄水によって被洗浄物の洗浄運転を行う。
【0003】
その後、ブースタータンク内のすすぎ水を、すすぎポンプによって同じく洗浄室上下に設けたすすぎノズルに給送し、上部に設けたすすぎノズルから下向きに噴射されるすすぎ水と、下部に設けたすすぎノズルから上向きに噴射されるすすぎ水によって被洗浄物に付着した洗剤を含む洗浄水を洗い流すすすぎ運転を行って一サイクルの動作を終了する。そして、すすぎノズルから噴射されたすすぎ水は洗浄水として洗浄タンクに回収するものである。
【0004】
この場合、ブースタータンク内のすすぎ水の温度は、被洗浄物の殺菌と仕上げ後の自然乾燥効果を得るためにできるだけ高温(例えば+80℃程)とする必要がある。そのため、ブースタータンクには瞬間湯沸器や給湯器等の給湯装置から給湯弁を介して熱湯を供給している。他方、洗浄タンク内の洗浄水の温度も、被洗浄物の洗浄をより一層効果的に行うため、ある程度(例えば+60℃程に)加温されている必要がある。そのため、洗浄タンク内には、洗浄水を加温するための電気ヒータが設けられている(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特許第3022136号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、洗浄タンク内の洗浄水を電気ヒータにて加熱する場合には、当該電気ヒータの電気容量が多くなってしまう問題があるため、洗浄タンク内に電気ヒータを設けずに、ブースタータンクにて加熱されたすすぎ水の熱を利用して洗浄タンク内の洗浄水の加温を行うことが考えられている。
【0007】
この場合において、ブースタータンクには、すすぎ水を洗浄室内に供給するためのすすぎ水供給配管と、ブースタータンク内のすすぎ水と洗浄タンク内の洗浄水の熱交換を行うための補助加熱用配管との両者が接続されていた。そのため、配管構成が複雑化すると共に、本体内を占める配管の容積が拡大し、本体内のレイアウトが複雑となる問題があった。
【0008】
そのため、当該本体内における配管を簡素化するため、洗浄タンクにすすぎ水を給送する補助加熱用循環ポンプの上流側に、すすぎ水供給配管からの分岐配管を接続し、配管構成の簡素化を図っていた。
【0009】
しかしながら、補助加熱用循環ポンプは、すすぎポンプによって、ブースタータンクからすすぎノズルにすすぎ水を供給するすすぎ運転時を除いて、洗浄タンクに設けられた温度センサにより運転制御がなされていた。そのため、補助加熱用循環ポンプが運転することにより、分岐した後のすすぎ配管内のすすぎ水を当該循環ポンプにて吸い込んでしまう問題があった。これにより、すすぎポンプを運転した際に、規定量のすすぎ水をすすぎノズルに供給することができず、性能の低下を招く問題があった。
【0010】
他方、従来の食器洗浄機において、洗浄タンク内の水位検知は、水位センサにより行い、当該水位センサの出力に基づき、すすぎ水の供給や洗浄水の補助加熱を行っていた。しかしながら、水位センサはフロートを用いたものが多く、構成が複雑となると共に、比較的コストが高騰する問題があった。
【0011】
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、洗浄タンク内の洗浄水をブースタータンク内のすすぎ水にて加熱することができる食器洗浄機において、ブースタータンクに接続される配管を簡素化することができると共に、正常にすすぎポンプを作動させることができる食器洗浄機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の食器洗浄機は、洗浄室内において洗浄タンク内の洗浄水を洗浄ノズルから被洗浄物に噴射する洗い工程を実行し、すすぎタンク内の高温のすすぎ水をすすぎノズルから被洗浄物に噴射するすすぎ工程を実行するものであって、すすぎタンクからすすぎ水をすすぎノズルに給送するためのすすぎ配管と、該すすぎ配管から分岐し、洗浄タンク内を経てすすぎタンクに接続された補助加熱用配管と、該補助加熱用配管内にすすぎ水を循環させて洗浄タンク内の洗浄水を加熱するための補助加熱循環ポンプと、該補助加熱循環ポンプの運転を制御する制御装置とを備え、すすぎ工程及び当該すすぎ工程前の所定時間補助加熱循環ポンプを停止することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、洗浄室内において洗浄タンク内の洗浄水を洗浄ノズルから被洗浄物に噴射する洗い工程を実行し、すすぎタンク内の高温のすすぎ水をすすぎノズルから被洗浄物に噴射するすすぎ工程を実行する食器洗浄機において、すすぎタンクからすすぎ水をすすぎノズルに給送するためのすすぎ配管と、該すすぎ配管から分岐し、洗浄タンク内を経てすすぎタンクに接続された補助加熱用配管と、該補助加熱用配管内にすすぎ水を循環させて洗浄タンク内の洗浄水を加熱するための補助加熱循環ポンプと、該補助加熱循環ポンプの運転を制御する制御装置とを備え、すすぎ工程及び当該すすぎ工程前の所定時間補助加熱循環ポンプを停止するので、すすぎタンクに接続される配管構成を簡素化することができるようになると共に、補助加熱循環ポンプをすすぎ工程及び当該すすぎ工程前の所定時間停止することにより安定してすすぎタンク内のすすぎ水をすすぎ工程に使用することができるようになる。
【0014】
請求項2の発明の食器洗浄機は、上記発明において、洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、制御装置は、すすぎノズルからすすぎ水を噴射して洗浄タンクに給湯すると共に、該給湯時の温度センサが検出する温度変化に基づいて洗浄タンク内の洗浄水の有無を判断することを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明によれば、上記発明において、洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、制御装置は、すすぎノズルからすすぎ水を噴射して洗浄タンクに給湯するので、洗浄タンク内の洗浄水が所定水位以上ない場合には、給湯時に温度センサが検出する温度変化が大きくなり、洗浄タンク内の洗浄水が温度センサが設けられる位置よりも高い水位まである場合には、給湯時に温度センサが検出する温度変化は小さくなる。
【0016】
そのため、簡素な構成にて、給湯時に洗浄タンク内の洗浄水の有無を検出することができるため、格別に水位センサを設ける必要がなくなり、コストの削減を図ることができるようになる。
【0017】
請求項3の発明の食器洗浄機は、請求項1の発明において、洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、制御装置は、電源投入後の温度センサが検出する温度変化に基づいて洗浄タンク内の洗浄水の有無を判断することを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明において、洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、制御装置は、電源投入後の温度センサが検出する温度変化に基づいて洗浄タンク内の洗浄水の有無を判断するので、簡素な構成にて洗浄タンク内の洗浄水の有無を検出することができるようになり、従来用いられていた水位センサを設ける必要がなくなり、コストの削減を図ることができるようになる。
【0019】
請求項4の発明の食器洗浄機は、請求項1の発明において、洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、制御装置は、補助加熱循環ポンプを運転した際の温度センサが検出する温度変化に基づいて洗浄タンク内の洗浄水の有無を判断することを特徴とする。
【0020】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明において、洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、制御装置は、補助加熱循環ポンプを運転した際の温度センサが検出するので、洗浄タンク内の洗浄水が所定水位以上ない場合には、補助加熱用循環ポンプの運転により温度センサが検出する温度変化が大きくなり、洗浄タンク内の洗浄水が補助加熱用配管が設けられる位置よりも高い水位まである場合には、補助加熱用循環ポンプの運転により温度センサが検出する温度変化は小さくなる。
【0021】
そのため、簡素な構成にて、補助加熱用循環ポンプの運転により洗浄タンク内の洗浄水の有無を検出することができるため、格別に水位センサを設ける必要がなくなり、コストの削減を図ることができるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき本発明の実施例を詳述する。図1は本発明の食器洗浄機1の縦断正面図、図2は本発明の食器洗浄機1の制御装置31の電気回路のブロック図である。各図において、食器洗浄機1の本体ケース2内には洗浄室3が区画形成されており、この洗浄室3の上面、前面及び左右側面は扉として箱状のドア8によって開閉される。
【0023】
尚、ドア8の下縁部に対応する位置の本体ケース2縁部には、当該ドア8の開閉状態を検知するためのドアスイッチ30が設けられている。尚、このドア8は、把手8Aによって上下に開閉自在とされている。また、本体ケース2の前面には、図示しないコントロールパネルが設けられており、当該コントロールパネルには、電源スイッチ32が設けられている。
【0024】
洗浄室3の上部には洗浄水を下向きに噴射する複数の洗浄ノズル口4A・・を有する上洗浄ノズル4が回転可能に配設されると共に、この上洗浄ノズル4の若干下位には上洗浄ノズル4と同心上で回転する上すすぎノズル5が配設されている。この上すすぎノズル5はすすぎ水を下向きに噴射する複数のすすぎノズル口5A・・を有している。
【0025】
また、洗浄室3の下部には洗浄水を上向きに噴射する複数の洗浄ノズル口6A・・を有する下洗浄ノズル6が回転可能に配設され、この下洗浄ノズル6の若干上位にはすすぎ水を上向きに噴射する複数のすすぎノズル口7A・・を有する下すすぎノズル7が下洗浄ノズル6と同心上で回転可能に配設されている。
【0026】
一方、洗浄室3の下方にはフィルタ9によって洗浄室3と区画された比較的(後述するブースタータンク15に比較して)容量の大きい洗浄タンク12が設けられている。この洗浄タンク12内にはオーバーフロー管13が立設されており、洗浄タンク12の洗浄水面を所定水位に規制する位置にて、洗浄タンク12内に開口している。また、この洗浄タンク12の所定の水位には、当該洗浄タンク12内に貯留される洗浄水の温度を検出するための温度センサ28が設けられている。
【0027】
他方、上下洗浄ノズル4、6と洗浄タンク12の間には、洗浄タンク12に貯留される洗剤が混入した+60℃程の洗浄水を、洗浄配管18を介して上下洗浄ノズル4、6に循環するための洗浄ポンプ14が配設されている。また、本体ケース2には更に+80℃程の高温のすすぎ水を貯留するためのブースタータンク15が並設されている。
【0028】
このブースタータンク15は前記洗浄タンク12に比較して小さい容量のものであり、このブースタータンク15には瞬間湯沸器等から成る図示しない給湯装置から配管を介して前記すすぎ水が供給(給湯)される。また、このブースタータンク15には、すすぎ水供給配管21が接続され、このすすぎ水供給配管21には、すすぎ水分岐配管20を介して上下すすぎノズル5、7の間に設けられるすすぎ配管19が接続される。このすすぎ水供給配管21には、すすぎ配管19を介して上下すすぎノズル5、7に、ブースタータンク15に貯留する前記すすぎ水を、給送するためのすすぎポンプ16が配設されている。
【0029】
一方、すすぎ水分岐配管20の他方の接続口には、補助加熱用循環ポンプ22が設けられる補助加熱用配管23(補助加熱用循環配管の一部を構成する)の一端が接続され、当該補助加熱用配管23の他端は、継手24を介して前記洗浄タンク12内に配設された加熱用コイル(補助加熱用循環配管の一部を構成する)25が接続される。また、この加熱用コイル25の他端は、継手26を介して一端がブースタータンク15に接続された補助加熱用戻り配管27(補助加熱用循環配管の一部を構成する)が接続される。
【0030】
次に、図2を参照して制御装置31について説明する。制御装置31は汎用のマイクロコンピュータにて構成されており、この制御装置31の入力側には前記洗浄タンク12内に設けられた温度センサ28と、ドアスイッチ30と、電源スイッチ32が接続されている。また、制御装置31の出力側には前記洗浄ポンプ14とすすぎポンプ16と補助加熱用循環ポンプ22が接続されている。
【0031】
以上の構成で次に図3のフローチャートを参照しながら、本発明の食器洗浄機1の動作を説明する。尚、上下すすぎノズル5、7(上下洗浄ノズル4、6)間の洗浄室3内に皿等の食器から成る図示しない被洗浄物を収納する。制御装置31は、ステップS1において、常時電源スイッチ32が投入されているか否かを監視し、電源スイッチ32が投入されると、制御装置31はステップS2に移行する。そして、制御装置31は、常時ドアスイッチ30がONであるか否かを監視し、作業者によりドア8が閉鎖され、ドアスイッチ30がONとされると、ステップS3に移行する。
【0032】
ステップS3では、前記温度センサ28により、洗浄タンク12内の温度を検出し、洗浄タンク12内の温度が+40℃以上であるか否かを判断する。ここで、洗浄タンク12内の温度が+40℃以上である場合には、ステップS4に進み、所定時間、本実施例では約50秒間休止する。その後、ステップS5に進みすすぎポンプ16を運転し、すすぎ配管19を介して上下すすぎノズル5、7にすすぎ水を給送し、約10秒間すすぎ水を洗浄室3内に噴射する。
【0033】
その後、ステップS6に進み、前記温度センサ28により、洗浄タンク12内の温度を検出し、制御装置31は、ステップS3において検出した温度と、ステップS6において検出された温度を比較し、+2℃以上温度が上昇したか否かを判断する。
【0034】
ここで、洗浄タンク12内に前記温度センサ28が設けられる高さよりも高い水位にまで洗浄水が貯留されている場合には、ステップS5においてすすぎ水が供給された場合であっても大きく温度変化を生じないため、+2℃以上温度が上昇しないこととなる。他方、ステップS3において検出された温度が+40℃以上であって、洗浄タンク12内に前記温度センサ28が設けられる高さよりも低い水位にまでしか洗浄水が貯留されていない場合に、若しくは、洗浄タンク12内に洗浄水が貯留されていない場合、例えば、排水直後などには、ステップS5において約+80℃のすすぎ水が温度センサ28に噴射されることにより、ステップS6において検出される温度は、ステップS3において検出される温度と比較して大きく、例えば+2℃以上上昇することとなる。
【0035】
そのため、ステップS6において、温度センサ28が検出した温度が+2℃以上上昇した場合には、洗浄タンク12内に所定量の洗浄水がないものと判断することができ、+2℃以上上昇しない場合には、洗浄タンク12内に所定量の洗浄水が貯留されているものと判断することができる。
【0036】
そのため、簡素な構成にて、給湯時に洗浄タンク12内の洗浄水の有無を検出することができるため、格別に水位センサを設ける必要がなくなり、コストの削減を図ることができるようになる。
【0037】
そして、ステップS6において、+2℃以上温度上昇したものと判断した場合、即ち、洗浄タンク12内に所定量以上の洗浄水がないものと判断した場合には、ステップS7に進み、給湯運転を実行する。尚、ステップS3において、温度センサ28により検出された温度が+40℃以下である場合には、この時点で、洗浄タンク12内に洗浄水はないものと判断されるため、直接ステップS7に移行する。
【0038】
この給湯運転では、制御装置31は、図示しない給湯装置からブースタータンク15へのすすぎ水の供給を開始する。このとき、給湯装置は、加熱された熱湯(+80℃以上)をブースタータンク15に供給するため、ブースタータンク15内には高温のすすぎ水が貯留されて行く。ブースタータンク15内に所定量のすすぎ水が貯留されると、制御装置31は、すすぎポンプ16を運転(動作)を開始する。すすぎポンプ16が運転を開始すると、ブースタータンク15内の高温(+80℃)のすすぎ水はすすぎ管19より上下すすぎノズル5、7に給送される。給送されたすすぎ水は上すすぎノズル5のすすぎノズル口5A・・から下向きに噴射されると共に、下すすぎノズル7のすすぎノズル口から上向きに噴射される。そして、噴射されたすすぎ水は落下して前記フィルタを通って洗浄タンク12内に回収され、貯留される。
【0039】
すすぎポンプ16の運転によってブースタータンク15内のすすぎ水がすすぎ管19に給送されて行くと、ブースタータンク15内の水位は低下するため、制御装置31は、本実施例では、約10秒間すすぎポンプの運転を行った後、約50秒間すすぎポンプ16を停止する。そして、このすすぎポンプ16の停止期間中に再び給湯装置からブースタータンク15へのすすぎ水の供給を再開する。以後これを繰り返して洗浄タンク12への給湯を行い、数回(例えば10回程)繰り返された段階で制御装置31はステップS8に進み、洗浄タンク12への給湯運転を終了する。
【0040】
そして、給湯運転終了後、ステップS9に進み、補助加熱制御を開始する。尚、ステップS6において+2℃以上上昇しなかったものと判断した場合、即ち、洗浄タンク12内に所定量の洗浄水が貯留されているものと判断した場合には、上述した如き給湯運転を回避して直接ステップS9に移行する。尚、この補助加熱制御の詳細な制御については後述する。
【0041】
その後、制御装置31は、上述した如き給湯運転の終了後に、ステップS10に進み、再び前記ドアスイッチ30がONであるか否かを監視し、作業者によりドア8が閉鎖され、ドアスイッチ30がONとされると、ステップS10に移行し、洗浄運転を開始する。
【0042】
洗浄運転の洗浄工程においては、制御装置31は洗浄ポンプ14を運転して洗浄タンク12に貯留されている洗浄水を洗浄管18より上下洗浄ノズル4、6に循環する。循環された洗浄水は上洗浄ノズル4の洗浄ノズル口4A・・から下向きに噴射されると共に、下洗浄ノズル6の洗浄ノズル口から上向きに噴射され、被洗浄物に吹き付けられてそれらを洗浄すると共に、一部は上下洗浄ノズル4、6の回転推進力となるので、上下洗浄ノズル4、6は回転する。噴射された洗浄水は洗浄タンク12内に回収されて再び上下洗浄ノズル4、6に循環される。
【0043】
係る洗浄工程を例えば90秒間実行すると、制御装置31は洗浄ポンプ14を停止して洗浄工程を停止し、所定時間洗浄ポンプ14及びすすぎポンプ16の運転を停止する水切り工程を経て、すすぎ工程を開始する。
【0044】
制御装置31によりすすぎポンプ16が運転(動作)を開始すると、前述の給湯運転と同様ブースタータンク15内の高温(+80℃)のすすぎ水をすすぎ管19より上下すすぎノズル5、7に給送する。給送されたすすぎ水は上すすぎノズル5のすすぎノズル口5A・・から下向きに噴射されると共に、下すすぎノズル7のすすぎノズル口から上向きに噴射され、被洗浄物に吹き付けられてそれらのすすぎを行うと共に、一部は上下すすぎノズル5、7の回転推進力となるので、上下すすぎノズル5、7は回転する。
【0045】
噴射されたすすぎ水は同様に洗浄タンク12内に回収される。また、このすすぎ水は洗浄水に追加されるかたちとなるため、洗浄タンク12内の洗浄水位は上昇するが、オーバーフロー管13の上端よりも高くなると、洗浄水はオーバーフロー管13内に流入して外部に排出される。これによって、洗浄タンク12内の水位は一定値に規制される。
【0046】
すすぎポンプ16の運転によってブースタータンク15内のすすぎ水がすすぎ管19に給送されて行くと、ブースタータンク15内の水位は低下して行く。そのため、すすぎポンプ16の運転開始から約10秒が経過すると、制御装置31は、すすぎポンプ16の運転を約50秒間停止する。このすすぎポンプ16の停止期間中に再び給湯装置からブースタータンク15へのすすぎ水の供給を再開する。以後これを繰り返して洗浄室2への給湯を行い、数回(例えば10回程)繰り返された段階で制御装置31は洗浄運転のすすぎ工程を終了する。
【0047】
その後、制御装置31は、図示しないランプなどにより、洗浄運転が終了したことを作業者に報知する。洗浄室3内の被洗浄物を取り出すため、一旦ドア8が開放される。これにより、制御装置31は、ステップS12において、ドアスイッチ30がONからOFFに切り換えられた状態で、ステップS10に戻り、新たな被洗浄物の洗浄運転に移行する。
【0048】
ここで、上述した如き補助加熱制御の詳細な制御について図4に示す如きフローチャートを参照して説明する。先ず、補助加熱制御では、制御装置31は、ステップS21において現在、上記すすぎ工程又は水切り工程ではないか否かを常時、判断する。ここで、制御装置31は、現在すすぎ工程又は水切り工程ではないと判断した場合に、ステップS22に進み、前記洗浄タンク12に設けられた温度センサ28が検出する温度が規定温度、例えば+55℃以上であるか否かを判断する。ここで、規定温度以上である場合には、制御装置31は、再度ステップS21に戻り、規定温度以下である場合には、ステップS23に進む。尚、ステップS21において、制御装置31は、現在すすぎ工程又は水切り工程である場合には、ステップS22には進まず、ステップS21において、すすぎ工程又は水切り工程終了後、ステップS22に移行する。
【0049】
ステップS23において、制御装置31は、補助加熱用循環ポンプ22を運転(動作)させ、ブースタータンク15内の高温のすすぎ水を、すすぎ水供給配管21、すすぎ水分岐配管20、補助加熱用配管23を介して洗浄タンク12内に配設された加熱用コイル25内に循環させる。そして、加熱用コイル25内のすすぎ水は、補助加熱用戻り配管27を介してブースタータンク15内に帰還する。
【0050】
これにより、配管構成が簡素化された補助加熱用循環配管により、高温のブースタータンク15内のすすぎ水を利用して、効果的に洗浄タンク12内の洗浄水の加熱を行うことができるようになる。
【0051】
また、補助加熱循環ポンプ22をすすぎ工程及び当該すすぎ工程前の所定時間、即ち水切り工程において、停止することにより、すすぎ水供給配管21内に常にすすぎ水が存在する状態を形成した後、すすぎ工程を行うことができるようになる。そのため、常に規定量のすすぎ水を確保した状態ですすぎ工程を実行することにより、安定してブースタータンク15内のすすぎ水をすすぎ工程に使用することができるようになる。
【0052】
次に、図5を参照して本実施例の食器洗浄機1のもう一つの制御方法について説明する。係る実施例において制御装置31は、ステップS31において、常時電源スイッチ32が投入されているか否かを監視し、電源スイッチ32が投入されると、制御装置31はステップS32に移行する。そして、制御装置31は、ドアスイッチ30がONである場合には、ステップS33に移行する。
【0053】
ステップS33では、温度センサ28により、洗浄タンク12内の温度を検出し、洗浄タンク12内の温度が+40℃以上であるか否かを判断する。ここで、洗浄タンク12内の温度が+40℃以上である場合には、ステップS34に進み、所定時間、本実施例では約50秒間休止する。
【0054】
その後、ステップS35に進み、前記温度センサ28により、洗浄タンク12内の温度を検出し、制御装置31は、ステップS33において検出した温度と、ステップS35において検出された温度を比較し、+2℃以上温度が降下したか否かを判断する。
【0055】
ここで、洗浄タンク12内に前記温度センサ28が設けられる高さよりも高い水位にまで洗浄水が貯留されている場合には、ステップS34において所定時間放置された場合であっても大きく温度変化を生じないため、+2℃以上温度が降下しないこととなる。他方、ステップS33において検出された温度が+40℃以上であって、洗浄タンク12内に前記温度センサ28が設けられる高さよりも低い水位にまでしか洗浄水が貯留されていない場合に、若しくは、洗浄タンク12内に洗浄水が貯留されていない場合、例えば、排水直後などには、ステップS34において所定時間放置されることにより、ステップS35において検出される温度は、ステップS33において検出される温度と比較して大きく、例えば+2℃以上降下することとなる。
【0056】
そのため、ステップS35において、温度センサ28が検出した温度が+2℃以上降下した場合には、洗浄タンク12内に所定量の洗浄水がないものと判断することができ、+2℃以上降下しない場合には、洗浄タンク12内に所定量の洗浄水が貯留されているものと判断することができる。
【0057】
これにより、制御装置31は、電源スイッチ32の投入後の温度センサ28が検出する温度変化に基づいて洗浄タンク12内の洗浄水の有無を判断することが可能となる。そのため、簡素な構成にて洗浄タンク12内の洗浄水の有無を検出することができるようになり、従来用いられていた水位センサを設ける必要がなくなり、コストの削減を図ることができるようになる。
【0058】
そして、ステップS35において、+2℃以上温度降下したものと判断した場合、即ち、洗浄タンク12内に所定量以上の洗浄水がないものと判断した場合には、ステップS36に進み、給湯運転を実行する。尚、ステップS33において、温度センサ28により検出された温度が+40℃以下である場合には、この時点で、洗浄タンク12内に洗浄水はないものと判断されるため、直接ステップS36に移行する。
【0059】
他方、ステップS32において、ドアスイッチ30がOFFである場合には、ステップS43に移行する。ステップS43では、温度センサ28により、洗浄タンク12内の温度を検出し、洗浄タンク12内の温度が+40℃以上であるか否かを判断する。ここで洗浄タンク12内の温度が+40℃以下である場合には、前述したステップS32に戻る。他方、洗浄タンク12内の温度が+40℃以上である場合には、ステップS44に進み、再びドアスイッチ30がONであるか否かを判断する。ここで、ステップS43からステップS44の間に、作業者によりドア8が閉鎖され、ドアスイッチ30がONとされている場合には、前述したステップS34に移行する。
【0060】
他方、ステップS44において、ドアスイッチ30がOFFである場合には、制御装置31は、ステップS45に移行し、本実施例では、50秒経過したか否かを判断する。尚、この間に作業者によりドア8が閉鎖され、ドアスイッチ30がONとされた場合には、ステップS34に移行する。
【0061】
ステップS45において50秒経過した場合には、制御装置31は、ステップS46に移行し、前記温度センサ28により、洗浄タンク12内の温度を検出し、ステップS43において検出した温度と、ステップS46において検出された温度を比較し、+2℃以上温度が降下したか否かを判断する。
【0062】
上記ステップS35と同様に、ステップS46において、温度センサ28が検出した温度が+2℃以上降下した場合には、洗浄タンク12内に所定量の洗浄水がないものと判断し、+2℃以上降下しない場合には、洗浄タンク12内に所定量の洗浄水が貯留されているものと判断する。
【0063】
そして、ステップS46において、+2℃以上温度降下したものと判断した場合、即ち、洗浄タンク12内に所定量以上の洗浄水がないものと判断した場合には、ステップS47に進み、再びドアスイッチ30がONされているか否かを判断し、ONである場合には、ステップS36に移行する。また、ドアスイッチ30がOFFである場合には、再びステップS36を繰り返す。
【0064】
その後、ステップS36において上記実施例と同様に、給湯運転を開始し、ステップS37において、給湯運転を終了する。そして、給湯運転終了後、ステップS38に進み、上記実施例と同様に補助加熱制御を開始する。尚、ステップS35及びステップS46において+2℃以上降下しなかったものと判断した場合、即ち、洗浄タンク12内に所定量の洗浄水が貯留されているものと判断した場合には、上述した如き給湯運転を回避して直接ステップS38に移行する。
【0065】
その後、制御装置31は、上述した如き給湯運転の終了後に、ステップS39に進み、再び前記ドアスイッチ30がONであるか否かを監視し、作業者によりドア8が閉鎖され、ドアスイッチ30がONとされると、ステップS41に移行し、詳細は上述した如き洗浄運転を開始する。
【0066】
その後、制御装置31は、図示しないランプなどにより、洗浄運転が終了したことを作業者に報知する。洗浄室3内の被洗浄物を取り出すため、一旦ドア8が開放される。これにより、制御装置31は、ステップS42において、ドアスイッチ30がONからOFFに切り換えられた状態で、ステップS39に戻り、新たな被洗浄物の洗浄運転に移行する。
【0067】
尚、上記実施例では、制御装置31により、すすぎノズル5、7からすすぎ水を噴射して洗浄タンク12に給湯し、当該給湯時の温度センサ28の温度変化に基づいて洗浄タンク12内の洗浄水の有無を判断しているが、これ以外にも、制御装置31は、前記補助加熱循環ポンプ22を運転した際の温度センサ28が検出する温度変化に基づいて洗浄タンク12内の洗浄水の有無を判断しても良いものとする。
【0068】
即ち、洗浄タンク12内の洗浄水が所定水位以上ない場合には、補助加熱用循環ポンプ22の運転により温度センサ28が検出する温度変化が大きくなり、洗浄タンク12内の洗浄水が加熱用コイル25が設けられる位置よりも高い水位まである場合には、補助加熱用循環ポンプ22の運転により温度センサ28が検出する温度変化は小さくなる。
【0069】
そのため、簡素な構成にて、補助加熱用循環ポンプ22の運転により洗浄タンク12内の洗浄水の有無を検出することができるため、格別に水位センサを設ける必要がなくなり、コストの削減を図ることができるようになる。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、洗浄室内において洗浄タンク内の洗浄水を洗浄ノズルから被洗浄物に噴射する洗い工程を実行し、すすぎタンク内の高温のすすぎ水をすすぎノズルから被洗浄物に噴射するすすぎ工程を実行する食器洗浄機において、すすぎタンクからすすぎ水をすすぎノズルに給送するためのすすぎ配管と、該すすぎ配管から分岐し、洗浄タンク内を経てすすぎタンクに接続された補助加熱用配管と、該補助加熱用配管内にすすぎ水を循環させて洗浄タンク内の洗浄水を加熱するための補助加熱循環ポンプと、該補助加熱循環ポンプの運転を制御する制御装置とを備え、すすぎ工程及び当該すすぎ工程前の所定時間補助加熱循環ポンプを停止するので、すすぎタンクに接続される配管構成を簡素化することができるようになると共に、補助加熱循環ポンプをすすぎ工程及び当該すすぎ工程前の所定時間停止することにより安定してすすぎタンク内のすすぎ水をすすぎ工程に使用することができるようになる。
【0071】
請求項2の発明によれば、上記発明において、洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、制御装置は、すすぎノズルからすすぎ水を噴射して洗浄タンクに給湯するので、洗浄タンク内の洗浄水が所定水位以上ない場合には、給湯時に温度センサが検出する温度変化が大きくなり、洗浄タンク内の洗浄水が温度センサが設けられる位置よりも高い水位まである場合には、給湯時に温度センサが検出する温度変化は小さくなる。
【0072】
そのため、簡素な構成にて、給湯時に洗浄タンク内の洗浄水の有無を検出することができるため、格別に水位センサを設ける必要がなくなり、コストの削減を図ることができるようになる。
【0073】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明において、洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、制御装置は、電源投入後の温度センサが検出する温度変化に基づいて洗浄タンク内の洗浄水の有無を判断するので、簡素な構成にて洗浄タンク内の洗浄水の有無を検出することができるようになり、従来用いられていた水位センサを設ける必要がなくなり、コストの削減を図ることができるようになる。
【0074】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明において、洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、制御装置は、補助加熱循環ポンプを運転した際の温度センサが検出するので、洗浄タンク内の洗浄水が所定水位以上ない場合には、補助加熱用循環ポンプの運転により温度センサが検出する温度変化が大きくなり、洗浄タンク内の洗浄水が補助加熱用配管が設けられる位置よりも高い水位まである場合には、補助加熱用循環ポンプの運転により温度センサが検出する温度変化は小さくなる。
【0075】
そのため、簡素な構成にて、補助加熱用循環ポンプの運転により洗浄タンク内の洗浄水の有無を検出することができるため、格別に水位センサを設ける必要がなくなり、コストの削減を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食器洗浄機の縦断正面図である。
【図2】制御装置の電気回路のブロック図である。
【図3】本実施例のフローチャート図である。
【図4】補助加熱制御のフローチャート図である。
【図5】他の実施例のフローチャート図である。
【符号の説明】
1 食器洗浄機
3 洗浄室
4 上洗浄ノズル
5 上すすぎノズル
6 下洗浄ノズル
7 下すすぎノズル
8 ドア
12 洗浄タンク
14 洗浄ポンプ
15 ブースタータンク
16 すすぎポンプ
22 補助加熱用循環ポンプ
23 補助加熱用配管
25 加熱用コイル
27 補助加熱用戻り配管
28 温度センサ
30 ドアスイッチ
31 制御装置
32 電源スイッチ

Claims (4)

  1. 洗浄室内において洗浄タンク内の洗浄水を洗浄ノズルから被洗浄物に噴射する洗い工程を実行し、すすぎタンク内の高温のすすぎ水をすすぎノズルから前記被洗浄物に噴射するすすぎ工程を実行する食器洗浄機において、
    前記すすぎタンクから前記すすぎ水を前記すすぎノズルに給送するためのすすぎ配管と、
    該すすぎ配管から分岐し、前記洗浄タンク内を経て前記すすぎタンクに接続された補助加熱用配管と、
    該補助加熱用配管内に前記すすぎ水を循環させて前記洗浄タンク内の洗浄水を加熱するための補助加熱循環ポンプと、
    該補助加熱循環ポンプの運転を制御する制御装置とを備え、
    前記すすぎ工程及び当該すすぎ工程前の所定時間前記補助加熱循環ポンプを停止することを特徴とする食器洗浄機。
  2. 洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、
    前記制御装置は、前記すすぎノズルからすすぎ水を噴射して前記洗浄タンクに給湯すると共に、該給湯時の前記温度センサが検出する温度変化に基づいて前記洗浄タンク内の洗浄水の有無を判断することを特徴とする請求項1の食器洗浄機。
  3. 洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、
    前記制御装置は、電源投入後の前記温度センサが検出する温度変化に基づいて前記洗浄タンク内の洗浄水の有無を判断することを特徴とする請求項1の食器洗浄機。
  4. 洗浄タンク内の洗浄水の温度を検出するための温度センサを備え、
    前記制御装置は、前記補助加熱循環ポンプを運転した際の前記温度センサが検出する温度変化に基づいて前記洗浄タンク内の洗浄水の有無を判断することを特徴とする請求項1の食器洗浄機。
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