JP4129214B2 - 静電潜像現像用キャリア、静電潜像現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
従来から、二成分現像法は高速なプリントに適し、非磁性トナーの取り扱いが容易なため、フルカラー画像を形成する画像形成装置にも広く利用されてきた。しかし、フルカラー画像形成装置は装置内に複数の現像装置を備える必要があり、モノクロ画像形成装置に比べ、装置が大型化し、重量が大きくなるなどの欠点があった。特に二成分現像装置は、一成分現像装置に比べ、トナーとは別に現像剤の収納容積と、その攪拌機構を具備する必要があり、現像ユニットの小型化のためには、現像剤量の少量化が必須であった。
現像剤中のキャリアは現像装置内でトナーとの摩擦、スリーブやブレードなどの摺擦部材、規制部材やスクリュー、パドルなどの攪拌搬送部材により機械的な摩擦や衝撃を繰り返し受けている。現像剤を少量化することは、プリント枚数あたりのトナーとキャリアの摩擦機会の増加、キャリアが現像部を通過する頻度の増加を意味し、結果として現像装置内のキャリアの疲労が急速に進行する。
最近のデジタル複写機やプリンタでは負極性に帯電した感光体を用いて、ネガポジ現像を行なう場合が多く、負極性に帯電したトナーを用いる場合が多い。トナーを負に帯電するために、キャリア被覆層中に窒素を含有する有機化合物を含有させる例が多く知られている。
しかし、ナイロンに代表されるポリアミド樹脂は、一般にトナーに負帯電性を付与するには、好ましい材料であるが、その多くが溶媒溶解性に乏しいため、溶液を塗布するなど簡易な方法で層形成することが困難であり、またポリアミド自体の耐摩耗性が充分でないなどの問題点もあった。
また、N−メトキシメチル化ポリアミドを含有し、表面抵抗が108〜1013Ω・cm以下であることが開示されており、ポリアミドを一部メトキシメチル化することによって、被覆層抵抗を低抵抗化することが開示されている(例えば、特許文献9参照。)が、残留メトキシ基によるキャリアの低抵抗化はメトキシ基の高い水親和性によりもたらされるものであり、帯電量の環境変動性、現像剤帯電量の保存性低下が大きいなどの不具合があった。
これらの問題を解決するために、N−アルコキシアルキル化ポリアミドと、少なくともシラノール基および/または加水分解可能な基を有するシリコーンを含む1種類以上の該N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能な樹脂を含有するコート剤が検討されているが、帯電立上りの遅れや帯電量の経時変動性や帯電量の環境変動性という不具合が残っていた。
また、帯電立上り性を向上させ、帯電性の環境変動、放置帯電量低下を抑制し、さまざまな使用環境においても画像濃度変動、地肌汚れ、トナーによる装置内汚染などの不具合がなく、良質な画像を得ることができる静電潜像現像用キャリアを提供することにある。
さらに、この静電潜像現像用キャリアを用いた静電潜像用現像剤、およびプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
(1)本発明は、磁性を有する微粉体表面に被覆層を有する形態を有し、該被覆層が、(1)N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と、(2)シラノール基および/または加水分解可能な基を有し該N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能なシリコーン樹脂を含む樹脂との混合物から得られる縮合物を含有する静電潜像現像用キャリアであって、該シリコーン樹脂が平均分子量5000以上30000未満のメチルシリコーン樹脂を少なくとも含む静電潜像現像用キャリアである。
(2)また、本発明は、さらに、前記ポリアミド樹脂がメトキシ化率20〜70mol%のN−メトキシメチル化ポリアミド樹脂である静電潜像現像用キャリアである。
(3)また、本発明は、さらに、前記被覆層中に触媒として沸点が100℃以上である固体有機酸を含有する静電潜像現像用キャリアである。
(4)また、本発明は、さらに、前記被覆層中にメチロールメラミンを含有する静電潜像現像用キャリアである。
(5)また、本発明は、さらに、前記被覆層中にメチロールベンゾグアナミンを含有する静電潜像現像用キャリアである。
(7)また、本発明は、さらに、前記被覆層中に電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が−4以上7以下の低抵抗物質を含有する静電潜像現像用キャリアである。
(8)また、本発明は、さらに、前記低抵抗物質が導電性カーボンである静電潜像現像用キャリアである。
(9)また、本発明は、さらに、前記被覆層中に硬質微粒子を有する静電潜像現像用キャリアである。
(10)また、本発明は、さらに、前記被覆層中の硬質微粒子が金属酸化物粒子であり、該金属酸化物粒子がSi、Ti、Alの金属酸化物のうち少なくとも1種以上を含有する静電潜像現像用キャリアである。
(11)また、本発明は、さらに、前記被覆層の金属酸化物粒子の含有量が被覆層重量の5〜70%の範囲である静電潜像現像用キャリアである。
なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明において用いられるポリアミド樹脂としては、主鎖のアミド結合の水素原子をアルコキシアルキル化した、溶媒可溶化ポリアミド樹脂を用い、該ポリアミド樹脂の低級アルコール溶液と、該ポリアミド樹脂と反応性を有しシラノールおよび/または加水分解可能な基を含有する、メチルシリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂、さらに必要に応じて架橋を促進する触媒を混合溶解して調製したコート液を、磁性を有する静電潜像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と記す。)の芯材に塗布、乾燥し、加熱硬化することによって被覆層を形成する。
これによりポリアミド樹脂の優れた正帯電性を有し、特に、シラノールおよび/または加水分解可能な基を含有するメチルシリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂とを用いることで優れた被覆層強度と耐スペント性を有し、さらに帯電立ち上がり性が良く帯電性の環境変動が少ない、静電潜像現像用キャリアを得ることができる。
本発明に用いられるポリアミド樹脂の例を示すと、例えばジアミン成分としては1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,2−プロパンジアミンなどの直鎖アルカンジアミン、分岐型アルカンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N−フェニル−p−フェニルジアミン、4,4−ジアミノジフェニルアミンなどの芳香族ジアミン等が挙げられ、カルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン酸、マロン酸などの多価脂肪酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられ、これらジアミン成分とジカルボン酸成分の縮重合体、これら複数種のモノマーからなる共重合体、また、カプロラクタムなどの各種ラクタムの開環重合体や、アミノウンデカン酸などの各種アミノ酸の自己縮重合体、それら相互の共重合体などである。
被覆層の帯電量制御、および被覆層強度の向上の目的で、他の架橋型樹脂を混合させることも可能である。なかでもヘキサメチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミンに代表される各種のアルキロールメラミンおよびそのアルキルエーテルなどの誘導体は、被覆層強度と高い帯電量とを同時に得られるため、好ましく用いられる。これにより、被覆層の帯電性を向上させ、かつさらに高い被覆層強度を得ることができる。被覆層強度の向上の目的で、微量のフェノール樹脂を含有させることも好ましい。これにより、ポリアミドの一部に架橋構造を設けることにより、さらに摩耗性に優れた被覆層が得られる。フェノール樹脂の含有量は好ましくは、最表層を形成する樹脂中の2〜10重量%以下であり、好ましくは4〜8重量%である。2重量%以下では被覆層強度の向上効果が得られず、10重量%を超える場合、フェノールの負帯電性により、経時的な帯電性の低下が見られる。
(1)可溶化ポリアミド樹脂をメタノール中に、必要に応じて加熱しながら溶解する。
(2)溶解した溶液に、金属酸化物粒子を混合し、ホモジナイザーのような分散装置を用いて均一に分散する。
(3)分散溶液を別途用意したシラノール縮合性シリコーン樹脂の非水溶媒溶液と混合、同様にホモジナイザーで攪拌し、適宜帯電調整剤、抵抗調整剤を混合し、キャリア芯材に塗布する。
被覆層の充分な硬化を行なうために、酸性下で加温することが好ましいが、用いる酸触媒としては沸点が100℃以上の固体有機物酸をコート剤溶液に含有させることが好ましい。触媒の沸点が100℃未満では、被覆層乾燥時に触媒の蒸発を伴い、架橋形成のための追加熱によって被覆層の硬化が充分に行なうことができない。中でも二塩基酸以上の多価カルボン酸化合物は好ましく用いられる。
酸触媒の例としては、乳酸、ラウリン酸、クロトン酸、コハク酸、クエン酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、マロン酸、マレイン酸、イタコン酸、酒石酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ベンジルスルホン酸、トルエンスルホン酸などの代表的な有機酸、塩酸、硫酸、硝酸、次亜燐酸等の無機酸などを単独、もしくは、混合して用いることができるが、先の架橋反応を適切に進めるためには、少なくとも1種類の酸触媒が100℃以上の沸点を持つものを選択すればよい。
こうした微粒子としては、従来公知の材料を単独、もしくは、混合して用いることが可能であり、代表的にはシリカ、酸化チタン、アルミナなどがある。
被覆層中に含有させる硬質微粒子の含有量として5〜70重量%が好ましく、より好ましくは2〜40重量%の範囲である。含有量は用いる微粒子の粒子径、比表面積によって、適切に選ばれるが、5重量%未満では被覆層の耐摩耗効果が発現しにくく、70重量%を超えると、微粒子の脱離が生じやすくなる。
本発明の被覆樹脂の形成方法は、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法など公知の方法が使用できる。
バインダー樹脂としては、通常トナー用バインダー樹脂として用いられるものを全て使用することができ、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−o−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが単独あるいは混合して使用できる。
例えばクロロシラン類としては代表的にトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、エチルジクロロシラン、ジエチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、プロピルジクロロシラン、ジプロピルジクロロシラン、トリプロピルクロロシランなどのアルキルクロロシラン、フェニルクロロシランなど。そのフッ素置換体としてはフルオロアルキルクロロシラン、パーフルオロアルキルクロロシランなど。シリルアミン類としては、代表的にヘキサメチルジシラザン、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジエチルアミノトリメチルシランなど。シリルアミド類としては、代表的にN,O−ビストリメチルシリルアセトアミド、N−トリメチルシリルアセトアミド、ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミドなど。また、アルコキシシラン類として、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルアルコキシシラン、エチルジアルコキシシラン、ジエチルアルコキシシラン、トリエチルアルコキシシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ジプロピルジアルコキシシラン、トリプロピルアルコキシシランなど、アルキルクロロシランや、フェニル基を有するフェニルアルコキシシランなど。また、そのフッ素置換体としてはフルオロアルキルアルコキシシランの類、パーフルオロアルキルアルコキシシランなど。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、およびその誘導体、フッ素置換体、ジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサン類など。これらの一般に公知の疎水化剤として用いられる化合物が全て使用できる。
<キャリアの製造例>
(製造例1)
メトキシメチル化ポリアミド(ナガセケムテック株式会社製、EF30T、メトキシメチル化率30mol%)10部と、メチルシリコーン樹脂(平均分子量15000)10部を混合、溶解し、さらに酢酸を用いてpH4とし、50℃にて3時間還流した。この溶液の固形分量に対して、さらにカーボンブラック(EC600JD、電気抵抗率R(Ωcm)のLog値−1)5部、メタノール80部、アセトン80部、トルエン80部にて希釈した液体をホモジナイザーで攪拌、分散して、コート液を得た。この液体の固形分に対して5部のクエン酸を溶解し、流動床乾燥装置にてフェライト芯材に対して塗布し、ナイロン−シリコーン樹脂混合被覆層を設けた。得られた粉体は、210℃にて2時間加熱乾燥し、被覆層の厚さ0.6μmのキャリアAを得た。尚、キャリア被覆層の厚さの測定は、キャリアを破砕し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察することで求めた。
このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.2(50V/mm)、14.3(250V/mm)であった。
製造例1において、メチルシリコーン樹脂の平均分子量を7000とする以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアBを得た。このキャリアの電気抵抗率RのLog値(Ωcm)は15.1(50V/mm)、14.2(250V/mm)であった。
製造例1において、メチルシリコーン樹脂の平均分子量を4000とする以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアCを得た。このキャリアの電気抵抗率RのLog値(Ωcm)は15.0(50V/mm)、14.2(250V/mm)であった。
製造例1において、メチルシリコーン樹脂の平均分子量を20000とする以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアDを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.1(50V/mm)、13.9(250V/mm)であった。
製造例1において、メチルシリコーン樹脂の平均分子量を40000とする以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアEを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.1(50V/mm)、13.8(250V/mm)であった。
製造例1において、さらにヘキサブトキシメチル化メラミン、トルエン、ブタノール混合溶液の固形分量2部相当を添加し、同様に被覆層を形成して被覆層の厚さ0.6μmのキャリア粒子Fを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.3(50V/mm)、14.3(250V/mm)であった。
製造例1において、さらにテトラブトキシメチル化ベンゾグアナミンのトルエン、ブタノール混合溶液の固形分量2部相当を添加し、同様に被覆層を形成して被覆層の厚さ0.6μmのキャリア粒子Gを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.0(50V/mm)、14.1(250V/mm)であった。
製造例1において、クエン酸に代えてアジピン酸を用いる以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアHを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.2(50V/mm)、14.4(250V/mm)であった。
製造例1において、コート液に疎水性シリカR972をコート液固形分量に対して20部を添加し、ホモジナイザーで20分間分散して得られたコート液を用いて、被覆層を形成する以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアIを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.2(50V/mm)、14.3(250V/mm)であった。
製造例1において、コート液に粒子径0.3ミクロンのアルミナ微粒子をコート液固形分量に対して10部を添加し、これをホモジナイザーで同様に分散して得られたコート液を用い、被覆層を形成する以外はすべて同様にして被覆層の厚さ0.6μmのキャリアJを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は15.1(50V/mm)、14.2(250V/mm)であった。
製造例1において、シリコーン樹脂を用いない以外は全く同様にしてキャリアKを得た。このキャリアの電気抵抗率R(Ωcm)のLog値は13.7(50V/mm)、12.6(250V/mm)であった。
製造例1で作成したキャリアA93部とIPSIO Color8000用黒トナー7部を混合し、現像剤とし、これをIPSIO Color8000に装填して、画像面積率12%、文字画像チャートを用いて10万枚の連続プリント試験を行なった。
以下の評価を行ない、その結果を表1に示す。
(1)帯電量及び地肌汚れ
試験開始時、および、10万枚プリント終了時の現像剤を少量抜き出し、この現像剤中のキャリアの帯電量を測定した。また、10万枚プリント終了時の画像の地肌汚れ、現像剤の帯電量を同様に測定した。さらに、40℃、90%Rh下でのキャリアの帯電量、及び1週間放置後のキャリアの帯電量を同様に測定した。現像剤の帯電量は、現像装置のスリーブ上から少量の現像剤を採取し、或いは上記環境下のものを採取し、公知のブローオフ法に基づいて行なった。
地肌汚れの評価は目視評価で4段階の評価とした。
表中記載の記号は、◎:大変良好、○:良好、×:不良(×は許容不可のレベル)とした。
キャリアA93部とIPSIO Color8000用黒トナー7部を計量し、ステンレス製筒型容器に入れて15秒間および10分間振動攪拌して、帯電量立上り率測定サンプルを作成する。つぎにこのサンプルの帯電量を公知のブローオフ法に基づいて測定し、10分間振動攪拌したサンプルの帯電量を100としたときの、15秒間振動攪拌したサンプルの帯電量の比率を帯電量立上り率として求めた。
(3)被覆層摩耗率
被覆層摩耗率は、試験開始時のキャリア被覆層の厚さを100としたときの、10万枚ラン後におけるキャリア被覆層の厚さの比率を求め、試験開始時の厚さ(100)と比べたときの減少分であらわした。キャリア被覆層の厚さの測定は、破砕したキャリアの断面を走査型電子顕微鏡で観察して求めた。
(4)スペント量
スペント量は、現像剤から分離したキャリア1gをMEK、トルエンの1:1混合溶液10gに溶解し、その上澄み液を分光光度計にて320nm〜700nmの吸光度を測定し、その平均の吸光度を評価した。
また、比較例1は、40℃Rh90%の高温度高湿度下では、帯電量が低かった。実施例1〜10では、40℃Rh90%下でも、画像を形成する実用上問題のない帯電量であり、また、1週間放置しても大きな低下はなかった。
また、キャリアの被覆層の摩耗率も、実施例1〜10は小さいが、比較例1は非常に大きく、帯電性能が低下していることがわかる。また、スペントについても、実施例1〜10は小さいが、比較例1は非常に大きいことがわかる。
また、上述したキャリアを用いる静電潜像現像剤をプロセスカートリッジに用いることができる。これによって、少ないキャリアで、かつ小さい力による混合・攪拌でトナーの帯電立ち上がりを早くすることができ、プロセスカートリッジを軽くすることができる。また、その分多くのトナーを収納することができ、プロセスカートリッジの交換までの時間を長くすることができる。静電潜像現像剤にかける負担が少なくすることができ、キャリア被覆層の摩耗を少なくしてキャリアを長寿命にしてプロセスカートリッジの寿命を長くすることができる。また、環境変動によってトナー帯電量の変動の少ない静電潜像現像剤によって、地肌汚れのない高品位の画像を得ることができる。また、トナーの機内への飛散を抑えることができる。また、このプロセスカートリッジを用いた装置では、プロセスカートリッジの寿命が長いので、画像形成装置のプロセスカートリッジ交換サイクルを伸ばして、交換の手間を軽減することができる。また、これらのプロセスカートリッジを複数個用いた装置では、上記利点がさらに強調され、操作性、メンテナンス性を大幅に向上させることができる。
2 画像形成ユニット
3 転写装置
3a 転写ベルト
5 感光体(像担持体)
6 書込みユニット
7 両面ユニット
8 反転ユニット
9 定着装置
10 現像装置
11、12 給紙カセット
13 手差しトレイ
14 帯電装置
15 クリーニング手段
20 反転排紙路
25 ローラ対
26 排紙トレイ
45a、45b 搬送ガイド板
46 搬送ローラ
55、56 分離給紙部
58 紙吸着ローラ
59 レジストローラ対
101 セル
102a 平行平板電極
102b 平行平板電極
103 キャリア
Claims (14)
- 磁性を有する粉体表面に被覆層を有し、
該被覆層が、
(1)N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と、
(2)シラノール基および/または加水分解可能な基を有し、N−アルコキシアルキル化ポリアミド樹脂と反応可能なシリコーン樹脂を含む樹脂と
の混合物から得られる縮合物を含有する静電潜像現像用キャリアであって、
シリコーン樹脂が平均分子量5000以上30000未満のメチルシリコーン樹脂を少なくとも有する
ことを特徴とする静電潜像現像用キャリア。 - 前記ポリアミド樹脂がメトキシ化率20〜70mol%のN−メトキシメチル化ポリアミド樹脂である
ことを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。 - 前記被覆層中に触媒として沸点が100℃以上である固体有機酸を含有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜像現像用キャリア。 - 前記被覆層中にメチロールメラミンを含有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。 - 前記被覆層中にメチロールベンゾグアナミンを含有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。 - 前記静電潜像現像用キャリアが、印加電界50V/mmにおける電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が14以上であり、250V/mmにおける電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が16以下である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。 - 前記被覆層中に電気抵抗率R(Ωcm)のLog値が−4以上7以下の低抵抗物質を含有する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。 - 前記低抵抗物質が導電性カーボンである
ことを特徴とする請求項7に記載の静電潜像現像用キャリア。 - 前記被覆層中に硬質微粒子を有する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。 - 前記被覆層中の硬質微粒子が金属酸化物粒子であり、該金属酸化物粒子がSi、Ti、Alの金属酸化物のうち少なくとも1種以上を含有する
ことを特徴とする請求項9に記載の静電潜像現像用キャリア。 - 前記被覆層中の金属酸化物粒子の含有量が被覆層重量の5〜70%の範囲である
ことを特徴とする請求項9または10に記載の静電潜像現像用キャリア。 - 磁性を有する粉体表面に被覆層を有する静電潜像現像用キャリアと少なくとも結着樹脂と着色剤とからなる静電潜像現像用トナーとを含む静電潜像現像剤において、
前記静電潜像現像用キャリアが、請求項1〜11のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリアである
ことを特徴とする静電潜像現像剤。 - 少なくとも、像担持体と、像担持体に形成される静電潜像をトナーで現像する静電潜像現像剤を備える現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
前記プロセスカートリッジが、請求項12に記載の静電潜像現像剤を用いる
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 潜像を担持する像担持体と、帯電部材を像担持体表面に接触又は近接させて像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して像担持体に形成されたトナー像を表面移動部材との間に挟持される記録部材上又は表面移動部材上に転写する転写装置と、像担持体上のトナーをクリーニングするクリーニング装置と、記録部材上のトナー像を熱と圧力で定着する定着装置とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項12に記載の静電潜像現像剤を用いる
ことを特徴とする画像形成装置。
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