JP4125151B2 - Manufacturing method of structure - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナノスケールの凹凸構造を有する構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
被加工物を陽極として、酸性溶液中で電圧を印加(陽極酸化)すると、ナノスケールの細孔を有する陽極酸化皮膜が得られる。このように、自然に形成される、すなわち自己組織的に形成されるナノ構造体は、半導体プロセスなどで使用されるフォトリソグラフィー、電子線露光、X線露光など人工的なナノ構造技術を上回る、微細で特殊な構造を実現できる可能性を秘めており、新たなナノ構造技術として注目を集めている。
【0003】
例えばAlを主成分とする基板を硫酸、シュウ酸、リン酸などの酸性溶液中で陽極酸化すると、無数の細孔を有するポーラス状の陽極酸化皮膜が形成されることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。このポーラス皮膜の特徴は、直径が数nm〜数百nmの極めて微細な円柱状細孔(アルミナナノホール)が数十nm〜数百nmの間隔で平行に配列するという特異的な幾何学構造を有することにある。そして、この細孔は高いアスペクト比を有し、断面の径の一様性にも優れている。
【0004】
また、ポーラス皮膜の構造は陽極酸化の条件を変えてやることにより、ある程度の制御が可能である。例えば、陽極酸化電圧で細孔間隔を、陽極酸化時間で細孔の深さを、ポアワイド処理により細孔の径をある程度制御可能であることが知られている。ここでポアワイド処理とはアルミナのエッチング処理であり、通常リン酸でのウェットエッチング処理を用いることが多い。
【0005】
更に、ポーラス皮膜の細孔の垂直性、直線性及び独立性を改善するために、二段階の陽極酸化を行う方法、すなわち陽極酸化を行って形成したポーラス皮膜を一旦除去した後に再び陽極酸化を行って、より良い垂直性、直線性、独立性を示す細孔を有するポーラス皮膜を作製する方法が提案されている(例えば、非特許文献2参照。)。ここで、この方法では最初の陽極酸化により形成した陽極酸化皮膜を除去するときに出来るAlを主成分とする基板の窪みが、二度目の陽極酸化の細孔形成開始点となることを用いている。
【0006】
上述のような、陽極酸化で得られる細孔内に金属や半導体等を充填することで、磁気記録媒体、磁気センサ、EL発光素子、エレクトロクロミック素子、光学素子、太陽電池、ガスセンサを始めとする様々なナノデバイスへの応用が期待されている。このためにはポーラス皮膜の細孔を所望のパターンで規則的に配置する技術が必要とされ、細孔の形状、間隔及びパターンの制御性を改善するために、多くのパターニング方法が検討されている。特に特許文献1で提案されているような、被加工物となる基板上に凹凸構造を有したスタンパを圧着させることで、スタンパの構造を基板上に転写して細孔形成開始点を作製する手法は、スタンパの構造次第ではフォトリソグラフィーや電子線露光よりも微細なパターンをより簡易に作製することが可能であり、更にスタンパを繰り返して使用できることもあり、非常に有力なパターニング方法と考えられている。
【0007】
上記の特許文献1に代表されるスタンパを使用するパターニングにおいては、強度の高いSiC基板などを電子線露光でパターニングした後ドライエッチングすることで凹凸を形成して、これをスタンパとしている。しかしながら、電子線露光で規則的なパターンを描画するには数十nmが限界であり、更に大面積に加工を施すには長時間を要するため、より簡易なスタンパの作製方法が求められている。
【0008】
また、特許文献2では陽極酸化膜などのポーラス皮膜を母型とし、細孔内に重合体を生成した後に母型を除去することでピラー状の重合体ネガ型を作製し、前記のネガ型に金属酸化物ゾルを浸透させ、ゲル化することで金属酸化物を生成し、更にネガ型を溶解除去することで母型と同一パターンの細孔を有した金属酸化物を作製する手法が提案されている。しかしこのような手法においても、母型となるポーラス皮膜として陽極酸化膜を利用する場合においては、電子線露光やスタンパによるパターニングが必要である上、ネガ型は構造転写の都度溶解除去されるため、スタンパのように繰り返し使用できるという利点もなく、スループットが良いとは言えない。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−121292号公報(第9頁)
【特許文献2】
特開平6−32675号公報(第6頁)
【非特許文献1】
R.C.Furneaux,W.R.Rigby&A.P.Davidoson”NATURE”Vol.337、p.147、1989年(アール シー フルノー、ダブル アール リグビー、エー ピー ダヴィットソン)
【非特許文献2】
”Japanese Journal of Applied Physics”、Vol.35、Part2、No1B、p.l126−l129、1996年1月15日
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、これらの問題点を解決することであり、規則的なナノスケールの凹凸構造を有する構造体を、従来よりも簡易且つ微細に製造する方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した従来の手法の問題点は、本発明による以下の手法により解決される。
本発明の第一の発明は、構造体の製造方法に関するものである。
【0012】
即ち、本発明は、Alを主成分とする被陽極酸化膜を陽極酸化する工程を含み得られる構造体の製造方法において、
下地層上に前記被陽極酸化膜を有する部材を用意する工程、
前記被陽極酸化膜上に規則的に配列した複数の窪みを形成する工程、
前記窪みを細孔形成の開始点として、前記被陽極酸化膜を陽極酸化処理して前記下地層に向かって分岐した細孔を形成する工程、
前記分岐した細孔の底部に露出した前記下地層上に突起物を形成する工程、
前記細孔の隔壁部分を除去する工程を含むことを特徴とする構造体の製造方法である。
【0014】
更に、上記の構造体の製造方法において、該細孔の形成後、被陽極酸化膜の下に設けた下地層より該細孔内に突起物を形成する工程を含むことを特徴とする構造体の製造方法である。
また、前記の下地層がNb,W,Ti,Ta,Mo,Zr,Hfのうち何れかを主成分とすることを特徴とする構造体の製造方法である。
そして、上記の構造体の製造方法において、下地層より細孔内に突起物を形成する工程が、該下地層の酸化であることを特徴とする構造体の製造方法である。
【0015】
または、前記の下地層が導電性の金属であることを特徴とする構造体の製造方法である。
また、前記の構造体の製造方法において、下地層より細孔内に突起物を形成する工程が、電着であることを特徴とする構造体の製造方法である。
そして、上記の構造体の製造方法において、該基板上に長方状或いは斜方状に配列した窪みを形成することを特徴とする構造体の製造方法である。
更に、前記の構造体の製造方法において、該基板上に、長い間隔が短い間隔の1.4〜2.0倍の長方状或いは斜方状に配列した窪みを形成することを特徴とする構造体の製造方法である。
【0016】
更に、上記の構造体の製造方法において、該基板上に形成した窪みの長方状或いは斜方状配列において、配列の短い間隔に対応した陽極酸化電圧を印加して陽極酸化を行うことを特徴とする構造体の製造方法である。
そして、上記の構造体の製造方法において、被陽極酸化層を除去する工程により、基板上に下地層より形成された該突起物及びAlを主成分とする残留突起物による凸構造を露出して形成することを特徴とする構造体の製造方法である。
また、上記の構造体の製造方法により作製される構造体上に、該構造体と異なる材料を堆積させることを特徴とする構造体の製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の構造体には、その代表的なものとしてナノ構造体が含まれるために、ナノ構造体について説明する。
【0019】
<ナノ構造体の製造方法について>
本発明におけるナノ構造体の製造方法について、図面に基づいて説明する。
本発明のナノ構造体の製造方法における基板上に形成した窪みの模式図である。
【0020】
まず、図1に示すように、Alを主成分とする被陽極酸化物となる基板11上に、細孔形成開始点となる窪み12を長方状、或いは斜方状に形成する。窪み12の形成方法は、電子線露光によるパターニングや、FIB(集束イオンビーム)によるパターニング、或いは既にパターニングされた突起を有するスタンパを基板表面に押し付けて構造転写するなどの手法が挙げられるが、基板上に細孔形成開始点さえ形成できれば、これらの手法に特に限定されるものではない。
【0021】
また、陽極酸化による細孔の形成開始点は、被陽極酸化膜表面に窪みをつけたり、該表面上にマスクを形成したり、あるいは所定の凹凸を有する基板上に被陽極酸化膜を形成し、当該凹凸に対応した凹凸を該被陽極酸化膜に形成することにより、得られる。
【0022】
次に、開始点を形成した基板を陽極酸化して細孔を形成するが、この際図1で示した基板上に形成した窪みの長方状、或いは斜方状配列において、配列の短い間隔13に対応した陽極酸化電圧を印加することが望ましい。陽極酸化電圧V[Volt]と、形成される細孔の間隔2R[nm]には、概ね2R=2.5×Vなる関係が存在し、例えば窪みを長方状に100nm×150nmの周期で配列させた場合においては、陽極酸化電圧を40Vとすることが望ましい。これにより、形成される細孔は、形成過程において自己組織的に分岐し、図2で示す状態の二股に分岐した細孔が形成される。ここで図2における残留突起26とは、被陽極酸化層のうち陽極酸化工程により酸化されずに残る部分であり、B−B’で示す残留突起存在位置27に存在する。すなわち、分岐した後の細孔で形成される長方状配列と同様の周期で、長い間隔方向及び短い間隔方向にそれぞれ1/2周期ずれた位置に存在していることになる。
【0023】
また、このとき配列の長い間隔14に対応した陽極酸化電圧を印加すると、短い間隔13に対応した陽極酸化電圧を印加した場合よりも、形成される細孔が分岐しにくい傾向がある。
【0024】
ここに、配列の短い間隔13とは、ある一つの窪みと、それに対して第一近接にある窪みとの間隔であり、配列の長い間隔14とは、第二近接にある窪みとの間隔と定義する。また、長方状配列とは、前記の短い間隔13と長い間隔14の方向が90度の角度をなしている場合であり、90度以外の角度をなしている場合を斜方状配列と定義する。
【0025】
陽極酸化による細孔が自己組織的に分岐するか否かには、上記のような陽極酸化電圧以外に、基板上に形成する窪みの間隔にも依存する。窪みの長方状或いは斜方状配列において、短い間隔と長い間隔が大きく異なる場合には、細孔は分岐するものの、図3に示すように長い間隔の間の領域など、意図しない部分にも細孔31が形成され、規則性に乱れを生ずるので望ましくない。逆に短い間隔と長い間隔がほぼ等しい場合では、細孔は分岐することはなく、柱状の細孔が得られる。また、被陽極酸化層の膜厚にも関係しており、膜厚が薄い場合では、細孔が分岐する以前に細孔が被陽極酸化層の底部に到達するため、結果的に柱状の細孔が形成される傾向がある。本発明者らが検討した結果、陽極酸化条件や被陽極酸化層の膜厚、及び窪みの間隔によって多少の違いはあるが、およそ長い間隔が短い間隔の1.4倍よりも小さくなると、細孔は分岐しない傾向があることが確認された。また、長い間隔が短い間隔の2.0倍よりも大きくなると、意図しない部分に細孔の形成が始まり、規則性に乱れを生ずることも確認された。つまり、長い間隔が短い間隔の1.4〜2.0倍の範囲内にて意図しない部分に細孔が形成されることはなく、形成過程において自己組織的に分岐した細孔が得られることを確認した。また、長い間隔に対応した陽極酸化電圧を印加した場合では、長い間隔が短い間隔の1.7〜2.0倍のとき、上記のような細孔が得られることも確認した。
【0026】
陽極酸化に使用するAlを主成分とする基板を作製するには、抵抗加熱による真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法など各種の成膜方法が可能であるが、ある程度平坦な表面を有する膜を形成できる方法が好ましい。また、被陽極酸化層となるAlを主成分とする膜の膜厚について特に限定はないが、膜厚が厚くなるにしたがって陽極酸化の処理時間が長くなるので、数十nm〜数μm程度とすることが好ましい。さらに好ましくは30nm〜1μmの範囲である。
【0027】
次に、上述のように作製した細孔内に下地層より形成される突起物について説明する。
Nb,W,Ti,Ta,Mo,Zr,Hfのうち何れかを主成分とする金属を下地層として使用し、図4に示すように、陽極酸化による細孔41により下地層42を露出した状態から、酸素を主成分とする気体中で下地層42を酸化する。或いは細孔の隔壁であるアルミナ43を侵さない溶液中にて、下地層42を陽極酸化することで下地層42を酸化する。これにより、酸化された下地層42は酸化物44となり体積が増加するため、細孔41の内部へと充填されるように成長し、下地層42からの突起物となる。溶液中において酸化を行う場合は、ホウ酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム水溶液などを使用することが好ましい。
【0028】
また、上記の手法以外にも、図5に示すように導電性の金属を下地層51として被陽極酸化層52の下に配置し、露出した下地層51を電極としてメッキにより金属を細孔53底部に充填することによって突起物54を作製することが可能である。
【0029】
最後に図6に示すように、リン酸水溶液などにより被陽極酸化層61のアルミナ62をウェットエッチングすることで除去すると、下地層63からの突起物64による凸型構造が形成される。このようにして形成された凸型構造は、陽極酸化の細孔形成開始点として基板上に電子線露光などにより作製した窪みの凹型パターンよりも2倍以上微細な凸型パターンとなっている。このように本発明においては、人工的なパターニングと自己組織化を組み合わせることにより、同様の突起密度(単位面積当たりの突起数)を有するナノスケールの凸型パターンを人工的なパターニングのみで得るよりも容易に形成するだけではなく、場合によっては電子線露光のような人工的なパターニングの限界を超えた微細なパターンを形成する可能性をも秘めている。
【0030】
また、フォトリソグラフィーで大面積に細孔形成開始点を形成したのちに、本発明の工程により自己組織的に細孔を分岐させ、下地層からの突起物により凸型パターンを形成することで、フォトリソグラフィーの限界を超えた電子線露光領域のパターンを大面積にわたり作製することも可能である。
【0031】
また図7に示すように、下地層71から突起物72を形成する際に、突起物72の高さを被陽極酸化層73の残留突起74の高さと同程度にし、前述のように被陽極酸化層73のアルミナ75をウェットエッチングなどで除去すると、より微細な凸型パターンが形成される。
【0032】
このように作製した凸型パターンをスタンパとして使用することも可能である。例えばAlを主成分とする被陽極酸化膜上、或いは被陽極酸化膜上に設けたレジストなどの上に圧着させ、場合によってはドライエッチングなどの処理を施すことで、被陽極酸化膜上に凸型パターンに対応した凹型パターンを形成し、これを陽極酸化の細孔形成開始点とすることで、作製した凸型パターンに対応した細孔が形成可能となる。
【0033】
また、スタンパとして使用するにあたって、突起物のみでは圧着の際に必要な強度が不足する場合においては、突起物の上にWなど強度の高い材料を成膜することで突起物を被覆することが望ましい。
【0034】
また、本発明により作製した凸型パターンはスタンパとして使用することのみならず、図8に示すように凸型パターン上に磁性体81を成膜することで、突起部分82を記録部分83としたパターンドメディアのような磁気記録媒体とすることも可能である。
【0035】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
【0036】
<実施例1>
本実施例は陽極酸化による細孔の形成に関するものである。
Si基板上にスパッタリング法により下地層としてNbを100nm、更にNbの上にAlを1μm成膜した後、Al表面に陽極酸化による細孔形成開始点となる窪みを長方状に配列させて作製した。窪みの作製において本実施例では、SiCを電子線露光によりパターニングすることで長方状に配列した突起を有するスタンパを作製し、スタンパをAl表面に密着させた状態で、油圧プレス機によりスタンパをAl表面に押し付けることでスタンパの突起をAl表面に転写した。このとき、スタンパの突起の間隔を変化させたA〜Fの試料を用意した。
【0037】
A〜Fの試料に対して、0.3mol/Lシュウ酸水溶液中、16℃にて、40Vの陽極酸化電圧を印加して陽極酸化を行った。ここで、40Vの陽極酸化電圧は、2R=2.5×Vの関係式より、100nmすなわち窪みの配列の短い間隔に対応した陽極酸化電圧である。陽極酸化後、0.5wt%リン酸水溶液に40分間浸すポアワイド処理を行った。その後、試料の表面及び断面形状をFE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で観測した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1に示すように、基板上に形成した窪みの配列の短い間隔と長い間隔に大きな差がない場合においては、Aの試料のように陽極酸化による通常の細孔、すなわち直線性の良い柱状構造の細孔が得られた。一方、B〜Eの試料では細孔は形成過程において自己組織的に分岐し、試料の形状はおよそ図2で示す状態となった。また、Fの試料のように窪みの配列の短い間隔と長い間隔に大きな差がある場合においては、細孔は分岐するものの、図3に示すように基板上に形成した窪みの間を補間するように、意図しない細孔が形成されており、形成された細孔の配列の規則性が大きく乱れていることを確認した。
【0040】
以上の結果より、本発明のナノ構造体の製造方法における、陽極酸化による細孔を自己組織的に分岐させる工程には、被陽極酸化層であるAlの膜厚が1μmの場合においては長方状或いは斜方状に配列した、細孔形成開始点となる窪みの配列を、長い間隔が短い間隔の1.4〜2.0倍とすることが望ましいことを確認した。
【0041】
次に、試料B〜Eについて下地層からの突起物の形成を行った。
B〜Eの試料を陽極としてホウ酸アンモニウム溶液中でそれぞれ陽極酸化を行うと、細孔により露出した下地層のNbとホウ酸アンモニウム溶液の界面において、NbがNbイオンとなり、Nbイオンが酸素と反応してNb酸化物を形成する。このように酸化物が形成されることで露出した下地層部分は体積膨張し、図4に示すように細孔41内に充填されてNb酸化物44による突起物を細孔内に形成する。この際、酸化物42の高さは印加電圧に比例し、印加電圧50Vで突起物の高さは約60nm、70Vで約120nm、100Vで約180nmである。本実施例では、印加電圧50Vとし、約60nmの高さのNb酸化物による突起物を形成した。
【0042】
更に、リン酸とクロム酸の混合溶液に浸すことで、細孔の隔壁であるアルミナを全て溶解した。この状態で試料の断面をFE−SEMで観測すると、B〜E全ての試料において図9に示すようにNb酸化物による突起部91と、細孔間に存在する十数nm程度の被陽極酸化層の残留突起92による凸型構造が形成されていることが確認された。
【0043】
形成された凸型構造は、分岐した細孔の底部、及び分岐した後の細孔で形成される長方状配列と同様の周期で、長い間隔方向及び短い間隔方向にそれぞれ1/2周期ずれた位置に存在していることになるので、陽極酸化開始時にAl表面に形成した窪みよりも微細な間隔で存在しており、単位面積当たりに存在する突起の密度は、Al表面に形成した単位面積当たりに存在する窪みの密度の4倍となっている。
【0044】
以上の結果より、形成過程において自己組織的に分岐する細孔を使用することで、細孔形成開始点を作製する際のパターンよりも、より高密度で微細なパターンを簡易に作製することが可能であることが示された。
【0045】
<実施例2>
本実施例は陽極酸化による細孔の形成に関するものである。特に、被陽極酸化層の膜厚を変化させることで、形成される細孔の形状の変化を観測したものに関する。
実施例1と同様にSi基板上にスパッタリング法により下地層としてNbを100nm、Nbの上にAlを成膜した。本実施例ではAlの膜厚を2μm,500nm,200nmとした3種類の基板を用意した。
【0046】
各膜厚の基板に対して、実施例1と同様に細孔形成開始点となる窪みを形成し、実施例1と同様に陽極酸化した後ポアワイド処理を行い、FE−SEMで試料を観測した。
その結果、Al膜厚が2μmの試料においては、実施例1と同様の結果であり、長方状に配列した細孔形成開始点となる窪みの配列の、長い間隔が短い間隔の1.4〜2.0倍の範囲において、図2に示すような形成過程において自己組織的に分岐した細孔が得られた。
【0047】
Alの膜厚が500nmの試料においては、実施例1の結果と同様の傾向であったが、長方状に配列した細孔形成開始点となる窪みの配列の、長い間隔が短い間隔の1.4倍の試料では、細孔は十分に分岐せず、主に柱状の細孔が形成された。1.5〜2.0倍の範囲の試料では、図2に示すような形成過程において自己組織的に分岐した細孔が得られた。
【0048】
Alの膜厚が200nmの試料においては、Alの膜厚が500nmの場合と同様の結果であり、長方状に配列した細孔形成開始点となる窪みの配列の、長い間隔が短い間隔の1.5〜2.0倍の範囲において、図2に示すような形成過程において自己組織的に分岐した細孔が得られた。
【0049】
以上の結果より、被陽極酸化層であるAlの膜厚が1μm以上である場合においては、長方状に配列した細孔形成開始点となる窪みの配列の、長い間隔が短い間隔の1.4〜2.0倍の試料において、形成される細孔は図2に示すような形成過程において自己組織的に分岐した細孔となることを確認した。また、Alの膜厚が500nm以下の場合においては、長方状に配列した細孔形成開始点となる窪みの配列の、長い間隔が短い間隔の1.5〜2.0倍の試料において、形成される細孔は図2に示すような形成過程において自己組織的に分岐した細孔となり、1.4倍の試料においては、細孔が分岐する以前に被陽極酸化層の底部まで細孔が形成されてしまい、結果として柱状の細孔となることを確認した。
【0050】
また、実施例1と同様に、分岐した細孔を有する試料において突起物の形成を行ったところ、実施例1と同様に図4に示すような下地層の酸化物による突起物の形成が確認された。
【0051】
<実施例3>
本実施例は下地層からの突起物形成に関する。特にメッキにより、細孔内へ突起物を形成することに関する。
Si基板上にメッキの電極となる下地層としてCuを50nm、更にCuの上に被陽極酸化層としてAlを1μmそれぞれスパッタリング法により成膜した。続いて実施例1と同様に、Al表面に100nm×160nmの間隔で長方状に配列した窪みを形成し、細孔がCu下地層に到達するまで陽極酸化を行った。これにより実施例1のCの試料と同様の形状の細孔が形成された。
【0052】
次に試料を陰極とし、硫酸銅5水和物とホウ酸の混合溶液中にてCuのメッキを行った。電着を行うことで、メッキ物のCuが細孔底部から充填されて突起物となる。突起物の高さは電解液の濃度やメッキの電位など電着条件と電着時間によって制御可能であり、本実施例では突起物の高さが約50nmとなるようにメッキを行った。
【0053】
続いて実施例1と同様に、リン酸とクロム酸の混合溶液に浸すことでアルミナを全て溶解し、試料の断面をFE−SEMで観測したところ、実施例1と同様にメッキ物のCuによる突起物と被陽極酸化層の残留突起による凸型構造が形成されていることが確認された。
以上の結果より、下地層からの突起物の形成においてメッキを利用することも可能であることが確認された。
【0054】
<実施例4>
本実施例は、実施例1で作製した凸型構造のパターンを利用したスタンパに関するものである。
実施例1で作製したCの試料を利用した凸型構造のパターンを有する試料に、Wを10nmスパッタリング法により成膜することで、図10に示すように突起部101の補強を行い、これをスタンパとした。
【0055】
次にパターンを転写する基板として、Al膜上にスピンコート法でレジストを70nmの厚さで配置した基板を用意し、レジスト上にWにて補強した試料を押し付けることで、試料の凸部をレジストの表面に凹部として転写した。このとき、レジストの凹部は概ねAlまで到達してAlが露出しており、露出したAlのドライエッチングを行うことでレジスト上の凹部をAlに転写した。
【0056】
レジストを除去した後、Al膜表面をFE−SEMで観測すると、スタンパの突起部のうち下地層Nb酸化物による突起部分のみ構造が転写されていることが確認された。
また、実施例1において、下地層のNb酸化物による突起部の高さを約20nmとした試料において同様の検討をおこなったところ、下地層のNb酸化物による突起部と、被陽極酸化層の残留突起による突起部の全てがAl膜の表面に凹部として転写されていた。
【0057】
以上の結果より、実施例1において作製した凸型構造を有するナノ構造体をスタンパとして利用可能であることを確認した。また、本実施例で作製したスタンパを利用して形成したAl膜表面の凹部を陽極酸化の細孔形成開始点とすることで、規則的に配列した細孔を形成することも可能である。
【0058】
<実施例5>
本実施例は、実施例1で作製した凸型構造のパターンを利用した磁気記録媒体に関するものである。
本実施例では、実施例1で作製したCの試料を利用した凸型構造のパターンを有する試料に、高い垂直磁気異方性を有する磁性体CoCrPtを50nmスパッタリング法により成膜することで、図8に示すように突起部分82の形状を反映した磁性層を形成した。このとき、突起部分82の密度は約80Gdot/in2であった。
【0059】
続いて試料の基板に対して垂直方向に8kOeの磁場を印加した後、ゼロ磁場の状態にし、記録部分83の残留磁化状態をMFM(磁気力顕微鏡)を使用して観測した。MFM像より、記録部分の磁化は全て印加磁場の方向に向いていることが確認された。更にこの状態から、逆方向に8kOeの磁場を印加した後、ゼロ磁場の状態にし、記録部分83の残留磁化状態をMFM(磁気力顕微鏡)を使用して観測したところ、記録部分の磁化は全て反転しており、印加磁場の方向に向いていた。また、これらのMFM像において、隣接する記録部分83間における磁気的干渉による磁化反転も確認されず、一つの突起部分82上に形成された記録部分83に対して1ビットを記録させるパターンドメディアとして利用することも可能であると確認できた。
【0060】
以上の結果より、本発明による凸型構造のパターンに磁性体を堆積させることで作製したナノ構造体に記録用磁気ヘッドを利用して記録部分に対して磁場を印加し、これを再生用ヘッドで読み取ることで磁気記録媒体として使用可能であることが確認された。
また、本発明によるナノ構造体を利用した磁気記録媒体の記録方式は、本実施例のように垂直記録方式に限定されるものではなく、面内記録方式であっても構わない。
【0061】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明により、自己組織的に分岐する細孔を利用することで、凹凸構造を有するナノ構造体を、より簡易に且つ微細に製造することが可能となる。
また、本発明による凹凸構造を有するナノ構造体を利用したスタンパ、及び磁気記録媒体も作製することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のナノ構造体の製造方法における基板上に形成した窪みの模式図である。
【図2】自己組織的に分岐した細孔の模式図である。
【図3】意図しない部分に形成された細孔の模式図である。
【図4】細孔内への突起物形成の模式図である。
【図5】細孔内への突起物形成の模式図である。
【図6】下地層からの突起物による凸型構造の模式図である。
【図7】下地層からの突起物と被陽極酸化層の残留突起物による凸型構造の模式図である。
【図8】本発明による凸型パターンを使用した磁気記録媒体の模式図である。
【図9】Nb酸化物と被陽極酸化層の残留突起による凸型構造の模式図である。
【図10】突起部を補強した状態の模式図である。
【符号の説明】
11 基板
12 窪み
13 配列の短い間隔
14 配列の長い間隔
21 二股に分岐した細孔
22 二股に分岐する以前の細孔
23 アルミナ
24 分岐により残ったアルミナ部分
25 下地基板
26 残留突起
27 残留突起存在位置
31 意図しない部分に形成された細孔
32 二股に分岐した細孔
33 二股に分岐する以前の細孔
34 分岐により残ったアルミナ部分
41 細孔
42 下地層
43 アルミナ
44 酸化物
45 残留突起
51 下地層
52 被陽極酸化層
53 細孔
54 突起物
55 残留突起
56 アルミナ
61 被陽極酸化層
62 アルミナ
63 下地層
64 突起物
65 残留突起
66 細孔
71 下地層
72 突起物
73 被陽極酸化層
74 残留突起
75 アルミナ
76 細孔
81 磁性体
82 突起部分
83 記録部分
84 残留突起
85 下地層
91 突起部
92 残留突起
93 下地層
101 突起部
102 残留突起
103 下地層
104 タングステン[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention has a nanoscale uneven structureManufacturing method of structureAbout.
[0002]
[Prior art]
When a workpiece is used as an anode and a voltage is applied (anodized) in an acidic solution, an anodized film having nanoscale pores is obtained. In this way, the nanostructures that are naturally formed, that is, self-organized, exceed artificial nanostructure technologies such as photolithography, electron beam exposure, and X-ray exposure used in semiconductor processes, etc. It has the potential to realize fine and special structures, and is attracting attention as a new nanostructure technology.
[0003]
For example, it is known that when a substrate mainly composed of Al is anodized in an acidic solution such as sulfuric acid, oxalic acid or phosphoric acid, a porous anodic oxide film having numerous pores is formed (for example, Non-patent document 1). This porous film is characterized by a unique geometric structure in which extremely fine cylindrical pores (alumina nanoholes) with a diameter of several nanometers to several hundred nanometers are arranged in parallel at intervals of several tens of nanometers to several hundred nanometers. Is to have. And this pore has a high aspect ratio and is excellent also in the uniformity of the diameter of a cross section.
[0004]
The structure of the porous film can be controlled to some extent by changing the anodizing conditions. For example, it is known that the pore interval can be controlled by an anodizing voltage, the pore depth can be controlled by an anodizing time, and the pore diameter can be controlled to some extent by pore wide processing. Here, the pore wide treatment is an etching treatment of alumina, and usually a wet etching treatment with phosphoric acid is often used.
[0005]
Furthermore, in order to improve the verticality, linearity and independence of the pores of the porous film, a method of performing two-step anodic oxidation, that is, once removing the porous film formed by anodic oxidation, anodizing again. And a method for producing a porous film having pores exhibiting better verticality, linearity, and independence has been proposed (see, for example, Non-Patent Document 2). Here, in this method, using the fact that the depression of the substrate mainly composed of Al that is formed when removing the anodic oxide film formed by the first anodic oxidation is the starting point of pore formation for the second anodic oxidation. Yes.
[0006]
Filling the pores obtained by anodic oxidation as described above with metals, semiconductors, etc., such as magnetic recording media, magnetic sensors, EL light emitting elements, electrochromic elements, optical elements, solar cells, gas sensors, etc. Applications to various nanodevices are expected. For this purpose, a technique for regularly arranging the pores of the porous film in a desired pattern is required, and many patterning methods have been studied in order to improve the controllability of the pore shape, spacing and pattern. Yes. In particular, by pressing a stamper having a concavo-convex structure on a substrate to be processed as proposed in Patent Document 1, the structure of the stamper is transferred onto the substrate to produce a pore formation start point. Depending on the structure of the stamper, it is possible to produce a finer pattern more easily than photolithography and electron beam exposure, and the stamper can be used repeatedly, which is considered to be a very powerful patterning method. ing.
[0007]
In patterning using a stamper typified by the above-mentioned Patent Document 1, irregularities are formed by patterning a high-strength SiC substrate by electron beam exposure and then dry etching, and this is used as a stamper. However, since it is a limit of several tens of nanometers to draw a regular pattern by electron beam exposure, and it takes a long time to process a larger area, a simpler stamper manufacturing method is required. .
[0008]
Further, in Patent Document 2, a porous film such as an anodic oxide film is used as a matrix, and a pillar-shaped polymer negative mold is produced by removing the matrix after forming a polymer in the pores. Proposal of a method for producing metal oxides having pores with the same pattern as the matrix by dissolving and removing the negative mold by infiltrating the metal oxide sol into the gel and forming a gel. Has been. However, even in such a method, when an anodic oxide film is used as a base porous film, electron beam exposure or stamper patterning is required, and the negative mold is dissolved and removed each time the structure is transferred. There is no advantage that it can be used repeatedly like a stamper, and the throughput is not good.
[0009]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-121292 (page 9)
[Patent Document 2]
JP-A-6-32675 (Page 6)
[Non-Patent Document 1]
R. C. Furneaux, W.M. R. Rigby & A. P. Davidson “NATURE” Vol. 337, p. 147, 1989 (R Sea Furnault, Double Ear Rigby, AP Davidson)
[Non-Patent Document 2]
“Japan Journal of Applied Physics”, Vol. 35, Part2, No1B, p. l126-l129, January 15, 1996
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to solve these problems, and to produce a structure having a regular nanoscale uneven structure more easily and finely than before.Provide a way.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The problems of the conventional method described above are solved by the following method according to the present invention.
The first invention of the present invention relates to a method for manufacturing a structure.
[0012]
That is, the present inventionIn the method of manufacturing a structure that can include the step of anodizing a to-be-anodized film containing Al as a main component,
Preparing a member having the anodized film on the underlayer;
Forming a plurality of depressions regularly arranged on the anodized film;
The step of forming the pores branched toward the base layer by anodizing the anodic oxide film, using the depression as a starting point for pore formation,
Forming a protrusion on the foundation layer exposed at the bottom of the branched pores;
Including a step of removing the partition walls of the poresThis is a method for manufacturing a structure.
[0014]
Furthermore, the structure manufacturing method further includes a step of forming a protrusion in the pore from an underlayer provided under the anodized film after the formation of the pore. It is a manufacturing method.
Further, the structure is a method for producing a structure, characterized in that the base layer contains Nb, W, Ti, Ta, Mo, Zr, or Hf as a main component.
In the structure manufacturing method, the structure forming method is characterized in that the step of forming protrusions in the pores from the underlayer is oxidation of the underlayer.
[0015]
Or it is a manufacturing method of the structure characterized by the above-mentioned foundation layer being an electroconductive metal.
Further, in the method for manufacturing a structure, the step of forming protrusions in the pores from the underlayer is electrodeposition.
And in the manufacturing method of said structure, it is a manufacturing method of the structure characterized by forming the depression arranged in the shape of a rectangle or rhombus on this board | substrate.
Furthermore, in the manufacturing method of the structure described above, depressions arranged in a rectangular shape or a diagonal shape in which a long interval is 1.4 to 2.0 times a short interval are formed on the substrate. It is a manufacturing method of a structure.
[0016]
Further, in the above structure manufacturing method, anodization is performed by applying an anodization voltage corresponding to a short interval of the array in the rectangular or oblique array of depressions formed on the substrate. This is a manufacturing method of the structure.
In the structure manufacturing method described above, in the step of removing the anodized layer, the protrusions formed from the base layer on the substrate and the protrusion structures due to residual protrusions mainly composed of Al are exposed. It is a manufacturing method of the structure characterized by forming.
Further, the structure manufacturing method is characterized in that a material different from the structure is deposited on the structure manufactured by the structure manufacturing method.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
Since the structure of the present invention includes a nanostructure as a representative structure, the nanostructure will be described.
[0019]
<About manufacturing method of nanostructure>
A method for producing a nanostructure according to the present invention will be described with reference to the drawings.
It is a schematic diagram of the hollow formed on the board | substrate in the manufacturing method of the nanostructure of this invention.
[0020]
First, as shown in FIG. 1, on a substrate 11 that is an anodic oxide containing Al as a main component, a recess 12 that is a pore formation starting point is formed in a rectangular shape or an oblique shape. Examples of the method for forming the recess 12 include patterning by electron beam exposure, patterning by FIB (focused ion beam), or a method of transferring a structure by pressing a stamper having already patterned protrusions onto the substrate surface. The method is not particularly limited as long as the pore formation start point can be formed.
[0021]
In addition, the formation start point of the pores by anodic oxidation is formed by forming a depression on the surface of the anodized film, forming a mask on the surface, or forming the anodized film on a substrate having predetermined irregularities, It is obtained by forming irregularities corresponding to the irregularities on the anodized film.
[0022]
Next, the substrate on which the starting point is formed is anodized to form pores. At this time, in the rectangular or rhombic arrangement of the depressions formed on the substrate shown in FIG. It is desirable to apply an anodic oxidation voltage corresponding to 13. There is a relationship of approximately 2R = 2.5 × V between the anodic oxidation voltage V [Volt] and the interval 2R [nm] between the formed pores. For example, the depression is formed in a rectangular shape with a period of 100 nm × 150 nm. When arranged, it is desirable that the anodic oxidation voltage be 40V. As a result, the pores formed are branched in a self-organizing manner during the formation process, and the bifurcated pores in the state shown in FIG. 2 are formed. Here, the residual protrusion 26 in FIG. 2 is a portion of the anodized layer that remains without being oxidized by the anodic oxidation process, and exists at a residual protrusion existence position 27 indicated by B-B ′. That is, it exists in the position which shifted | deviated 1/2 period in the long space | interval direction and the short space | interval direction, respectively with the same period as the rectangular array formed with the pore after branching.
[0023]
At this time, when an anodizing voltage corresponding to the long interval 14 of the array is applied, the formed pores tend to be less likely to branch than when an anodizing voltage corresponding to the short interval 13 is applied.
[0024]
Here, the short interval 13 of the array is the interval between a certain recess and the recess in the first proximity, and the long interval 14 of the array is the interval between the recess in the second proximity. Define. The rectangular array is a case where the directions of the short interval 13 and the long interval 14 form an angle of 90 degrees, and a case where the direction is other than 90 degrees is defined as an oblique array. To do.
[0025]
Whether or not the pores due to anodization branch in a self-organizing manner depends not only on the above-described anodization voltage but also on the interval between the depressions formed on the substrate. In the rectangular or rhombic arrangement of the depressions, if the short interval and the long interval are greatly different, the pores are branched, but also in an unintended part such as a region between the long intervals as shown in FIG. Since the
[0026]
In order to fabricate a substrate mainly composed of Al used for anodization, various film formation methods such as resistance vapor deposition, sputtering, and CVD are possible. A method that can be formed is preferred. Further, although there is no particular limitation on the film thickness of the film mainly composed of Al that becomes the anodized layer, the anodic oxidation treatment time becomes longer as the film thickness increases, so it is about several tens nm to several μm. It is preferable to do. More preferably, it is the range of 30 nm-1 micrometer.
[0027]
Next, the protrusions formed from the underlayer in the pores produced as described above will be described.
A metal containing Nb, W, Ti, Ta, Mo, Zr, or Hf as a main component is used as the underlayer, and as shown in FIG. 4, the underlayer 42 is exposed by the
[0028]
In addition to the above method, as shown in FIG. 5, a conductive metal is disposed under the anodized
[0029]
Finally, as shown in FIG. 6, when the alumina 62 of the anodized layer 61 is removed by wet etching with a phosphoric acid aqueous solution or the like, a convex structure is formed by the protrusions 64 from the
[0030]
In addition, after forming the pore formation start point in a large area by photolithography, the pores are branched in a self-organized manner by the process of the present invention, and a convex pattern is formed by protrusions from the underlayer, It is also possible to produce a pattern of an electron beam exposure region that exceeds the limits of photolithography over a large area.
[0031]
Further, as shown in FIG. 7, when the projection 72 is formed from the base layer 71, the height of the projection 72 is made substantially the same as the height of the residual projection 74 of the anodized
[0032]
The convex pattern produced in this way can be used as a stamper. For example, the film is pressed onto an anodized film containing Al as a main component, or a resist provided on the anodized film, and may be projected on the anodized film by performing a process such as dry etching in some cases. By forming a concave pattern corresponding to the mold pattern and using this as a starting point for forming an anodized pore, it is possible to form a pore corresponding to the produced convex pattern.
[0033]
In addition, when using as a stamper, if the protrusions alone do not have the necessary strength for pressure bonding, the protrusions can be covered by depositing a high-strength material such as W on the protrusions. desirable.
[0034]
Further, the convex pattern produced according to the present invention is not only used as a stamper, but also a projection 81 is formed as a recording part 83 by forming a magnetic material 81 on the convex pattern as shown in FIG. A magnetic recording medium such as a patterned medium is also possible.
[0035]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples.
[0036]
<Example 1>
This example relates to the formation of pores by anodic oxidation.
Fabricated by depositing Nb with a thickness of 100 nm as an underlayer on a Si substrate by sputtering and further forming 1 μm of Al on Nb, and then forming recesses on the Al surface as pore formation starting points by anodization. did. In this embodiment, in this embodiment, SiC is patterned by electron beam exposure to produce a stamper having projections arranged in a rectangular shape, and the stamper is attached to the Al surface with a hydraulic press machine. By pressing against the Al surface, the protrusions of the stamper were transferred to the Al surface. At this time, samples A to F in which the intervals between the stamper protrusions were changed were prepared.
[0037]
Anodization was performed on the samples A to F by applying an anodic oxidation voltage of 40 V at 16 ° C. in a 0.3 mol / L oxalic acid aqueous solution. Here, the anodic oxidation voltage of 40 V is an anodic oxidation voltage corresponding to a short interval of 100 nm, that is, an array of depressions, from the relational expression of 2R = 2.5 × V. After the anodic oxidation, a pore wide treatment was performed by immersing in a 0.5 wt% phosphoric acid aqueous solution for 40 minutes. Then, the surface and cross-sectional shape of the sample were observed with FE-SEM (field emission scanning electron microscope). The results are shown in Table 1.
[0038]
[Table 1]
[0039]
As shown in Table 1, in the case where there is no significant difference between the short interval and the long interval of the depressions formed on the substrate, normal pores formed by anodization like the sample A, that is, a columnar shape with good linearity. Structured pores were obtained. On the other hand, in the samples B to E, the pores branched in a self-organizing manner during the formation process, and the shape of the sample was in the state shown in FIG. Further, when there is a large difference between the short interval and the long interval of the depressions as in the F sample, the pores are branched, but interpolation is performed between the depressions formed on the substrate as shown in FIG. Thus, it was confirmed that unintended pores were formed and the regularity of the arrangement of the formed pores was greatly disturbed.
[0040]
From the above results, in the method of manufacturing the nanostructure of the present invention, the step of self-organizing the pores by anodic oxidation is longer when the thickness of the anodic oxidation layer is 1 μm. As a result, it was confirmed that it is desirable that the arrangement of the depressions, which are arranged in the shape of or in the form of rhombic, as the pore formation start point, is 1.4 to 2.0 times the short interval.
[0041]
Next, the protrusions from the underlayer were formed for Samples B to E.
When anodization was performed in an ammonium borate solution using the samples B to E as anodes, Nb became Nb ions at the interface between the Nb and ammonium borate solutions exposed in the pores, and the Nb ions became oxygen and oxygen. Reaction forms Nb oxide. The underlying layer portion exposed by the formation of oxide in this manner expands in volume, and as shown in FIG. 4, the
[0042]
Furthermore, all the alumina which is a pore partition was melt | dissolved by immersing in the mixed solution of phosphoric acid and chromic acid. When the cross section of the sample is observed with FE-SEM in this state, as shown in FIG. 9, in all the samples B to E, as shown in FIG. It was confirmed that a convex structure was formed by the
[0043]
The formed convex structure has the same period as the rectangular array formed by the bottom of the branched pores and the branched pores, and is shifted by 1/2 period in the long interval direction and the short interval direction, respectively. Therefore, the density of protrusions existing per unit area is the unit formed on the Al surface. It is four times the density of the depressions existing per area.
[0044]
From the above results, it is possible to easily create a finer and finer pattern than the pattern used when creating the pore formation starting point by using pores that self-organize in the formation process. It was shown to be possible.
[0045]
<Example 2>
This example relates to the formation of pores by anodic oxidation. In particular, the present invention relates to an observation of changes in the shape of the formed pores by changing the film thickness of the anodized layer.
As in Example 1, Nb was deposited to a thickness of 100 nm on the Si substrate by sputtering and Al was deposited on the Nb. In this embodiment, three types of substrates with Al film thicknesses of 2 μm, 500 nm, and 200 nm were prepared.
[0046]
A recess serving as a pore formation starting point was formed on the substrate having each film thickness in the same manner as in Example 1. After anodizing in the same manner as in Example 1, pore-wide treatment was performed, and the sample was observed with FE-SEM. .
As a result, in the sample having an Al film thickness of 2 μm, the result is the same as that of Example 1, and the array of the depressions serving as the formation start points of the pores arranged in a rectangular shape has a long interval of 1.4. Within a range of up to 2.0 times, self-organized fine pores were obtained in the formation process as shown in FIG.
[0047]
In the sample having the Al film thickness of 500 nm, the same tendency as the result of Example 1 was obtained. In the 4-fold sample, the pores were not sufficiently branched, and mainly columnar pores were formed. In the sample in the range of 1.5 to 2.0 times, self-organized fine pores were obtained in the formation process as shown in FIG.
[0048]
In the sample with the Al film thickness of 200 nm, the result is the same as when the Al film thickness is 500 nm. In the range of 1.5 to 2.0 times, self-organized fine pores were obtained in the formation process as shown in FIG.
[0049]
From the above results, in the case where the film thickness of Al as the anodized layer is 1 μm or more, the long interval of the recesses that are the formation start points of the pores arranged in a rectangular shape is the short interval 1. In the sample of 4 to 2.0 times, it was confirmed that the pores formed became self-organized branched pores in the formation process as shown in FIG. Further, in the case where the film thickness of Al is 500 nm or less, in the sample in which the long interval is 1.5 to 2.0 times the short interval in the array of depressions that are the formation start points of the pores arranged in a rectangular shape, The pores to be formed are self-organized branched pores in the formation process as shown in FIG. 2, and in the 1.4 times sample, the pores reached the bottom of the anodized layer before the pores were branched. As a result, it was confirmed that columnar pores were formed.
[0050]
Further, as in Example 1, when a protrusion was formed on a sample having branched pores, it was confirmed that the protrusion was formed by an oxide in the underlayer as shown in FIG. It was done.
[0051]
<Example 3>
This example relates to the formation of protrusions from the underlayer. In particular, it relates to forming protrusions in the pores by plating.
On the Si substrate, 50 nm of Cu was formed as a base layer to be an electrode for plating, and further 1 μm of Al was formed on Cu as an anodized layer by sputtering. Subsequently, in the same manner as in Example 1, depressions arranged in a rectangular shape at intervals of 100 nm × 160 nm were formed on the Al surface, and anodization was performed until the pores reached the Cu underlayer. As a result, pores having the same shape as the sample C of Example 1 were formed.
[0052]
Next, Cu was plated in a mixed solution of copper sulfate pentahydrate and boric acid using the sample as a cathode. By performing electrodeposition, Cu of the plated product is filled from the bottom of the pores to form protrusions. The height of the protrusions can be controlled by the electrodeposition conditions such as the concentration of the electrolytic solution and the plating potential and the electrodeposition time. In this example, plating was performed so that the height of the protrusions was about 50 nm.
[0053]
Subsequently, as in Example 1, all the alumina was dissolved by immersing in a mixed solution of phosphoric acid and chromic acid, and the cross section of the sample was observed with FE-SEM. It was confirmed that a convex structure was formed by the protrusions and residual protrusions of the anodized layer.
From the above results, it was confirmed that plating can be used in the formation of protrusions from the underlayer.
[0054]
<Example 4>
The present embodiment relates to a stamper that uses the pattern of the convex structure manufactured in the first embodiment.
The
[0055]
Next, as a substrate to which the pattern is transferred, a substrate in which a resist is arranged with a thickness of 70 nm by spin coating on an Al film is prepared, and a sample reinforced with W is pressed onto the resist so that a convex portion of the sample is formed. Transferred as a recess on the resist surface. At this time, the concave portion of the resist almost reached Al and Al was exposed, and the concave portion on the resist was transferred to Al by performing dry etching of the exposed Al.
[0056]
After removing the resist, the surface of the Al film was observed by FE-SEM, and it was confirmed that the structure was transferred only to the projecting portion of the base layer Nb oxide among the projecting portions of the stamper.
Further, in Example 1, a similar study was performed on a sample in which the height of the protruding portion of the base layer made of Nb oxide was about 20 nm. All the protrusions due to the remaining protrusions were transferred as recesses on the surface of the Al film.
[0057]
From the above results, it was confirmed that the nanostructure having a convex structure produced in Example 1 can be used as a stamper. In addition, it is also possible to form regularly arranged pores by using the recesses on the surface of the Al film formed by using the stamper produced in this example as the anodic oxidation pore formation starting point.
[0058]
<Example 5>
The present embodiment relates to a magnetic recording medium using the convex structure pattern manufactured in the first embodiment.
In this example, a magnetic material CoCrPt having a high perpendicular magnetic anisotropy is formed on a sample having a convex structure pattern using the C sample prepared in Example 1 by a 50 nm sputtering method. As shown in FIG. 8, a magnetic layer reflecting the shape of the protruding portion 82 was formed. At this time, the density of the protruding portion 82 is about 80 Gdot / in.2Met.
[0059]
Subsequently, after applying a magnetic field of 8 kOe in a direction perpendicular to the sample substrate, a zero magnetic field was applied, and the residual magnetization state of the recording portion 83 was observed using an MFM (magnetic force microscope). From the MFM image, it was confirmed that the magnetization of the recording part was all in the direction of the applied magnetic field. Further, from this state, after applying a magnetic field of 8 kOe in the opposite direction, the magnetic field was changed to zero magnetic field, and the residual magnetization state of the recording portion 83 was observed using an MFM (magnetic force microscope). It was reversed and turned in the direction of the applied magnetic field. Further, in these MFM images, the magnetization reversal due to magnetic interference between the adjacent recording portions 83 is not confirmed, and the patterned medium that records 1 bit on the recording portion 83 formed on one protruding portion 82 It was confirmed that it could be used as
[0060]
Based on the above results, a magnetic field is applied to the recording portion using the recording magnetic head to the nanostructure produced by depositing the magnetic material on the convex structure pattern according to the present invention, and this is used as the reproducing head. It was confirmed that it can be used as a magnetic recording medium.
Further, the recording system of the magnetic recording medium using the nanostructure according to the present invention is not limited to the perpendicular recording system as in this embodiment, and may be an in-plane recording system.
[0061]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a nanostructure having a concavo-convex structure can be more easily and finely manufactured by utilizing self-organized fine pores.
In addition, a stamper using a nanostructure having a concavo-convex structure according to the present invention and a magnetic recording medium can be manufactured.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of a recess formed on a substrate in the method for producing a nanostructure of the present invention.
FIG. 2 is a schematic view of pores branched in a self-organizing manner.
FIG. 3 is a schematic view of pores formed in unintended portions.
FIG. 4 is a schematic view of the formation of protrusions in the pores.
FIG. 5 is a schematic view of the formation of protrusions in the pores.
FIG. 6 is a schematic diagram of a convex structure with protrusions from an underlayer.
FIG. 7 is a schematic diagram of a convex structure with protrusions from a base layer and residual protrusions of the anodized layer.
FIG. 8 is a schematic diagram of a magnetic recording medium using a convex pattern according to the present invention.
FIG. 9 is a schematic diagram of a convex structure with residual protrusions of an Nb oxide and an anodized layer.
FIG. 10 is a schematic view of a state in which a protrusion is reinforced.
[Explanation of symbols]
11 Substrate
12 depressions
13 Short intervals between arrays
14 Long array spacing
21 Bifurcated pores
22 Fine pore before bifurcation
23 Alumina
24 Alumina remaining due to branching
25 Base substrate
26 Residual protrusion
27 Residual protrusion location
31 Pore formed in unintended part
32 Fine pores bifurcated
33 Fine pore before bifurcating
34 Alumina remaining due to branching
41 pores
42 Underlayer
43 Alumina
44 oxide
45 Residual protrusion
51 Underlayer
52 Anodized layer
53 pores
54 Projection
55 Residual protrusion
56 Alumina
61 Anodized layer
62 Alumina
63 Underlayer
64 Projection
65 Residual protrusion
66 pores
71 Underlayer
72 Projection
73 Anodized layer
74 Residual protrusion
75 Alumina
76 pores
81 Magnetic material
82 Projection
83 Recording part
84 Residual protrusion
85 Underlayer
91 Protrusion
92 Residual protrusion
93 Underlayer
101 Protrusion
102 Residual protrusion
103 Underlayer
104 tungsten
Claims (11)
下地層上に前記被陽極酸化膜を有する部材を用意する工程、
前記被陽極酸化膜上に規則的に配列した複数の窪みを形成する工程、
前記窪みを細孔形成の開始点として、前記被陽極酸化膜を陽極酸化処理して前記下地層に向かって分岐した細孔を形成する工程、
前記分岐した細孔の底部に露出した前記下地層上に突起物を形成する工程、
前記細孔の隔壁部分を除去する工程を含むことを特徴とする構造体の製造方法。In the method of manufacturing a structure that can include the step of anodizing a to- be-anodized film containing Al as a main component,
Preparing a member having the anodized film on the underlayer;
Forming a plurality of depressions regularly arranged on the anodized film;
The step of forming the pores branched toward the base layer by anodizing the anodic oxide film, using the depression as a starting point for pore formation,
Forming a protrusion on the foundation layer exposed at the bottom of the branched pores;
The manufacturing method of the structure characterized by including the process of removing the partition part of the said pore .
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