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JP4122184B2 - Method of performing catalytic reaction in organic solvent using yeast - Google Patents

Method of performing catalytic reaction in organic solvent using yeast Download PDF

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JP4122184B2
JP4122184B2 JP2002209316A JP2002209316A JP4122184B2 JP 4122184 B2 JP4122184 B2 JP 4122184B2 JP 2002209316 A JP2002209316 A JP 2002209316A JP 2002209316 A JP2002209316 A JP 2002209316A JP 4122184 B2 JP4122184 B2 JP 4122184B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子と触媒反応のための酵素をコードする遺伝子とを含むDNAにより細胞表層に融合タンパク質として該酵素を発現させた酵母を有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で触媒として用いる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機化合物の合成に酵素や微生物などを触媒として使用する技術が注目されている。これらの生体触媒は、通常、25−40℃及び中性pH条件という温和な条件下での反応が可能である。また、反応生成物の位置選択性や立体特異性に優れることから、医薬品原体等の製造に既に利用がなされている。酵素反応は酵素の変性を防ぐために、通常は水溶液系で行われている。反応原料が有機溶媒可溶性で水に不溶性の物質である場合には、原料を生体触媒を含む水溶液中に懸濁させるか、または反応液中に界面活性剤を併存させて生体触媒と反応させることになるが、この方法では、水溶液中の反応原料濃度が低いことから一般的に反応効率が低い。
【0003】
この理由から、非水溶性の反応原料を有機溶媒に溶解して、その有機溶媒中で酵素や微生物を生体触媒として反応を行う方法や、有機溶媒と酵素や微生物を含有する反応水溶液とを混合して反応を行う方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では、有機溶媒との接触により酵素が失活したり、微生物が死滅してしまうことが多い。特に、生体触媒として微生物を用いる場合、微生物が死滅してしまうと、死菌体を用いた反応のみが実施されることになる。従って、この方法は補酵素系の再生が必要な反応には使用することができない。
【0004】
生体触媒として酵素を用いる場合、種々の担体に酵素を固定化したり、ポリエチレングリコール等のポリマーで修飾して、有機溶媒中においてもその活性を保持させる手段が検討されている。しかし、修飾反応のため新たな工程が必要となり、その為に製造コストが上昇するといった実用化への課題が残されている。生体触媒として微生物自体を用いる方法も提案されているが、この方法では、一般的に反応原料が微生物の細胞膜を透過し、目的とする酵素の存在する場所まで到達する必要があり、反応後には生成物が細胞膜を透過して細胞外へ放出される必要があることから、反応効率として酵素単独での反応に及ばない場合がある。特に、細胞膜を透過できない物質の場合には、反応は起こり得ないという問題点がある。一方、酵素単独で反応を行う場合にはこの様な細胞膜透過の問題はないものの、大量の酵素を得るためには煩雑な複数の精製工程が必要であり、実用化において問題がある。
【0005】
細胞表層に酵素を発現させた微生物を用いて酵素反応を行う方法も提案されている。細胞表層に酵素を発現可能な微生物として、従来、原核生物であるグラム陽性細菌、グラム陰性細菌、及び酵母、動物細胞、植物細胞の様な真核生物の利用が提案されているが、培養の容易さ、安全性、糖タンパク質の生合成が可能である点などから、酵母が最も優れている。例えば、植田等はグルコアミラーゼを酵母表層に固定化して、デンプンを唯一の炭素源として生育させ、エタノールを生産することに成功している(Ueda et al, Appl. Environ. Microbiol., 63, 1332-1336 (1997))。微生物の細胞表層に酵素を発現させ生体触媒として利用する技術に関しては、特表平7−508652号公報や特開平11−290078号公報に酵母表層にリパーゼ等の酵素を発現させて、水溶液中で生体触媒として利用する方法が開示されている。しかしながら、細胞表層に酵素を発現させた微生物を用いて酵素反応を行うこれらの方法はいずれも反応を水溶液中で行うものであり、上記刊行物には、反応溶媒としての有機溶媒の使用、又は有機溶媒と水との二層系中での反応に関して示唆ないし教示はない。
【0006】
なお、有機溶媒中で酵素や微生物を触媒として利用する技術に関しては、例えば特開平6−269285号公報にイソプレノイドで修飾した酵素を有機溶媒中で利用する方法、特開平6−000090号公報に親水性担体に微生物を固定化して有機溶媒中で触媒として用いる方法が開示されているが、これらの方法は、微生物の細胞表層に酵素を発現させたものを触媒として用いるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
本発明の課題は、有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で酵素を触媒として効率的に利用する方法を提供することにある。本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子と触媒反応のための酵素をコードする遺伝子とを含むDNAを用いて、該酵素を酵母の細胞表層に融合タンパク質として発現させ、その酵母を有機溶媒中または有機溶媒と水との二層系中で触媒として用いることにより、有機溶媒との接触による酵素の失活を軽減することができ、極めて効率的に種々の触媒反応を行うことができることを見出した。また、上記の融合タンパク質において、該酵素の有機溶媒中での酵素活性を高める作用を有するペプチドやタンパク質などをさらに含めた形態で発現させるか、あるいは別の融合タンパク質として共発現させることにより、さらに高い触媒活性を達成することができることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
【0008】
すなわち、本発明により、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子と触媒反応を行うための酵素をコードする遺伝子とを含むDNAにより該酵素をアグルチニンの全長又はその一部を含む融合タンパク質として細胞表層に発現させた酵母を用いて、有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で該触媒反応を行う方法が提供される。また、好ましい態様により、該酵母が、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子と該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高める該ペプチド及び/又はタンパク質をコードする遺伝子とを含むDNAにより、該ペプチド及び/又はタンパク質をアグルチニンの全長又はその一部を含む融合タンパク質として細胞表層に共発現させた酵母である上記の方法が提供される。
【0009】
また、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子、触媒反応を行うための酵素をコードする遺伝子、及び該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高める該ペプチド及び/又はタンパク質をコードする遺伝子を含むDNAにより、該酵素をアグルチニンの全長又はその一部及び該ペプチド及び/又はタンパク質を含む融合タンパク質として細胞表層に発現させた酵母を用いて、有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で該触媒反応を行う方法が本発明により提供される。
【0010】
別の観点からは、本発明により、有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で触媒反応を行うための酵素であって、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子と該触媒反応を行うための酵素をコードする遺伝子とを含むDNAにより、アグルチニンの全長又はその一部を含む融合タンパク質として酵母の細胞表層に発現させた酵素が提供される。好ましい態様によれば、該酵母が、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子と該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高める該ペプチド及び/又はタンパク質をコードする遺伝子とを含むDNAにより、該ペプチド及び/又はタンパク質をアグルチニンの全長又はその一部を含む融合タンパク質として細胞表層に共発現させた酵母である上記の酵素が提供される。
【0011】
また、有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で触媒反応を行うための酵素であって、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子、該触媒反応を行うための酵素をコードする遺伝子、及び該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高める該ペプチド及び/又はタンパク質をコードする遺伝子を含むDNAにより、アグルチニンの全長又はその一部及び該ペプチド及び/又はタンパク質を含む融合タンパク質として酵母の細胞表層に発現させた酵素が提供される。これらの酵素を含み、有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で触媒反応を行うための触媒も本発明により提供される。
【0012】
さらに別の観点からは、有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で触媒反応を行うための酵母であって、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子と該触媒反応を行うための酵素をコードする遺伝子とを含むDNAにより、アグルチニンの全長又はその一部を含む融合タンパク質として細胞表層に発現させた該酵素を含む酵母;該酵母が、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子と該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高める該ペプチド及び/又はタンパク質をコードする遺伝子とを含むDNAにより、該ペプチド及び/又はタンパク質をアグルチニンの全長又はその一部を含む融合タンパク質として細胞表層に共発現させた酵母である上記酵母;及び、有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で触媒反応を行うための酵母であって、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子、該触媒反応を行うための酵素をコードする遺伝子、及び該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高める該ペプチド及び/又はタンパク質をコードする遺伝子を含むDNAにより、アグルチニンの全長又はその一部及び該ペプチド及び/又はタンパク質を含む融合タンパク質として細胞表層に発現させた該酵素を含む酵母も本発明により提供される。
【0013】
これらの発明の好ましい態様によれば、該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高めるププチド及び/又はタンパク質をコードする遺伝子配列は、例えば100 bp以上の微生物由来のDNA断片ライブラリーから選択された配列であり、宿主酵母としては有機溶媒耐性を増強された酵母を用いることができる。該酵素による触媒反応において酵母の補酵素系を用いる場合には、酵母として有機溶媒耐性を有する酵母を用いることが好ましい。また、該酵素は、例えば、オキシドリダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、及びリガーゼからなる群から選ぶことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子と触媒反応を行うための酵素をコードする遺伝子とを含むDNAを用いて、アグルチニンの全長又はその一部及び該酵素を含む融合タンパク質を酵母の細胞表層に発現させ、該酵母を用いて有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で該触媒反応を行うことを特徴としている。好ましい態様によれば、該酵母は、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子と該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高める該ペプチド及び/又はタンパク質をコードする遺伝子とを含むDNAにより、該ペプチド及び/又はタンパク質をアグルチニンの全長又はその一部を含む融合タンパク質として細胞表層に共発現させた酵母である。また、触媒反応を行うための酵素、該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高めるペプチド及び/又はタンパク質、及びアグルチニンの全長又はその一部を含む融合タンパク質を酵母の細胞表層に発現させ、その酵母を触媒反応に用いることもできる。
【0015】
触媒反応を行うための酵素の種類は特に限定されず、任意の化学反応を触媒する酵素を用いることができる。化学反応としては、例えば、エステル化反応、加水分解反応、アシル化反応、水酸化や脱水素反応などの酸化反応、水素付加などの還元反応などを挙げることができるが、これらに限定されることはなく、多様な化学反応を触媒する酵素を用いることが可能である。1つの酵素が触媒する化学反応は2種類以上であってもよい。また、本発明の方法では、それぞれ別な反応を触媒する2種以上の酵素を同一の酵母の細胞表層に発現させることができる。具体的な酵素としては、例えば、オキシドリダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、エステラーゼ、又はリガーゼなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。酵素は天然由来のものであってもよいが、天然由来の酵素のアミノ酸配列に対して他のアミノ酸による置換、挿入、及び/又は欠失を導入した改変体であってもよい。
【0016】
反応を行う有機溶媒の種類は特に限定されず、水と実質的に混じりあわない有機溶媒のほか、水と混じりあう性質の有機溶媒を用いてもよい。例えば、ペンタン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ピリジンなどの含窒素芳香族系溶媒、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0017】
有機溶媒は実質的に完全に無水の溶媒として用いてもよいが、必要に応じて、適宜の含水溶媒として用いることもできる。水の含有量は特に限定されないが、0.01〜40質量%程度である(本明細書において「〜」で表される数値範囲は上限及び下限の数値を含む。)。水と実質的に混じりあわない有機溶媒を用いる場合には、反応を二層系で行うことができる。
【0018】
酵母の細胞表層に酵素を融合タンパク質として発現させるための手段は公知であり、例えば、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)由来のリパーゼを細胞表層に発現させるプラスミドpWRSL17を含む酵母MT8-1/pWRSL17の生産方法が知られている(Appl. Microbiol. Biotechnol., 56, 681-686 (2001))。本発明の方法に用いる酵母は、上記の刊行物に記載された方法に従って、必要に応じて適宜の修飾ないし改変を加えることにより、当業者が容易に生産できる。
【0019】
宿主として用いる酵母の種類は特に限定されないが、該酵素による触媒反応におこなうにあたり、酵母の補酵素系が触媒反応に関与する場合には、有機溶媒耐性を有する酵母を用いることが好ましい。一方、触媒反応において酵母が有する補酵素系の関与が必要ない場合には、有機溶媒中で酵母が死滅しても差し支えないので、一般的には、有機溶媒耐性を有する酵母を用いる必要はない。例えば、サッカロミセス類、ジゾサッカロミセス属、キャンデイダ属などに属する酵母を好ましく用いることができるが、サッカロミセス属に属する酵母を用いることがより好ましく、具体的にはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)MT8−1などを挙げることができる(Tajima, M., Yeast, 1, 67-77 (1985))。
【0020】
一般的に、有機溶媒に対して耐性を有する微生物の取得方法として、土壌等からのスクリーニングやニトロソ化剤等による突然変異を利用する方法が知られているので(例えばAono et al, Biosci. Biotechnol. Biochem., 56, 145-146 (1992))、この方法を利用して有機溶媒耐性の酵母を取得することができる。もっとも、土壌からのスクリーニング等で得られた微生物は、遺伝子操作を加えなければ外来酵素の遺伝子工学的な発現に用いることができない場合がある。このような方法に替わる方法として、外来ペプチド又はタンパク質をコードする遺伝子の導入により有機溶媒に対して耐性を獲得した微生物を作出する方法が提案されている。この方法によれば、外来ペプチド又はタンパク質をコードする遺伝子の導入により高度な有機溶媒耐性を獲得した微生物を作出し、その微生物をそのまま任意の酵素を細胞表層に発現させるための宿主として利用することができる。例えば、植田らにより、酵母由来のDNA断片ライブラリーをa-アグルチニンとの融合タンパク質として酵母表層に発現させ、有機溶媒(ノナン)耐性の酵母を作出したことが報告されている(Udea et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 58, 806-812, 2002)。
【0021】
触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高めるペプチド及び/又はタンパク質の種類は特に限定されず、酵素の種類や基質の種類、あるいは触媒反応の条件などに応じて適宜選択することができる。また、このようなペプチド及び/又はタンパク質には、有機溶媒耐性を高めるためのペプチド及び/又はタンパク質が含まれる。例えば、該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高めるププチド及び/又はタンパク質をコードする遺伝子配列は、例えば100 bp以上の微生物由来のDNA断片ライブラリーから選択することができるが、このような配列に限定されることはない。
【0022】
本発明により提供される酵母は、その細胞表層に触媒反応のための酵素を発現しており、該酵素はアグルチニンの全長又は一部をコードする配列との融合タンパク質として発現されている。また、好ましい態様によれば、該酵母が、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子と該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高める該ペプチド及び/又はタンパク質をコードする遺伝子とを含むDNAにより、該ペプチド及び/又はタンパク質をアグルチニンの全長又はその一部を含む融合タンパク質として細胞表層に共発現させた酵母である。さらに、アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子、触媒反応を行うための酵素をコードする遺伝子、及び該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高める該ペプチド及び/又はタンパク質をコードする遺伝子を含むDNAにより、該酵素をアグルチニンの全長又はその一部及び該ペプチド及び/又はタンパク質を含む融合タンパク質として細胞表層に発現させた酵母であってもよい。
【0023】
酵母の細胞表層に酵素をアグルチニン又はその部分配列を含む融合タンパク質として発現させるための好ましいDNAは、例えば、プロモーター、分泌シグナル配列、酵素の遺伝子配列、アグルチニンの全長又は一部をコードする配列、及びGPIアンカー付着シグナル配列を有する。該酵素の触媒反応活性並びに/あるいは立体選択性及び/又は位置選択性を実質的に高める該ペプチド及び/又はタンパク質をアグルチニン又はその部分配列を含む融合タンパク質として発現させるための好ましいDNAは、上記のDNAにおける酵素の遺伝子配列に替えて該ペプチド又はタンパク質をコードする遺伝子を有している。また、酵素と該ペプチド又はタンパク質とをアグルチニン又はその部分配列を含む融合タンパク質として発現させるための好ましいDNAは、上記のDNAにおける酵素の遺伝子配列とともに該ペプチド又はタンパク質をコードする遺伝子を含んでいる。以下、上記DNAの好ましい態様について説明するが、本発明はこの好ましいDNAを用いる場合に限定されることはない。
【0024】
プロモーターとしては、酵母におけるタンパク質の発現に通常利用されるプロモーターであれば特に限定されないが、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のグリセロアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のプロモーター(Sawai-Hatanaka, H., T. et al, Biosci. Biotechnol. Biochem., 59, 1221-1228 (1995))、及びガラクトキナーゼ(Galactokinase)のプロモーター(GAL1)(Davis, Mol. Cell Biol., 4, 1440-1448 (1984))、キャンデイダ・トロピカリス(Candida tropicalis)のイソクエン酸リアーゼ(ICL)のプロモーター(UPR-ICL)(Kanai et al, Appl. Microbiol. Biotechnol., 44, 759-765 (1996))などが利用される。
【0025】
分泌シグナルは、酵母における発現及び分泌に通常利用されるシグナル領域であれば特に限定されないが、例えば、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)由来のグルコアミラーゼ遺伝子の分泌シグナル領域や、酵母のα−ファクターのプレプロ配列(Walker, G. M., in Yeast Physiology and Biotechnology, p265, John Wiley & Sons Lyd., Chichester (1998))などを利用できる。これらのプロモーター及び分泌シグナルは、既知の方法、例えば既知配列を基にして作成されたプライマーを用いて、前記微生物のゲノムDNAを鋳型にしたPCR法、あるいはAppl. Microbiol. Biotechnol., 51, 65-70 (1995)やAppl. Microbiol. Biotechnol., 57, 697-701 (2001)に記載のプラスミドpGA11及びpGPM6を適当な制限酵素反応により切り出してもよい。
【0026】
アグルチニン遺伝子またはその断片は酵母から得られるが、中でもサッカロミセス属に属する酵母が好ましく、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)MT8−1などを挙げることができる(Tajima, M., Yeast, 1, 67-77 (1985))。アグルチニンはa−アルグチニン及びα−アグルチニンのいずれであってもよく、その断片は表層に発現する酵素活性に悪影響を与えなければどの様な配列であってもよい。好ましくはサッカロミセス属由来のa−アグルチニンのAGA2配列をコードする配列が用いられる。このAGA2は、GPIアンカーを介して細胞壁に固定化されているAGA1に2つのジスルフィド結合で結合することにより細胞表層に固定化される。また、好ましくはサッカロミセス属由来のα−アグルチニンのC末端から320アミノ酸の配列をコードする配列が用いられる。このアミノ酸配列中には4個所の糖鎖結合部位があるが、グリコシルフォスファチジルイノシトール(GPI)アンカーがフォスファチジルイノシトール依存性ホスホリパーゼ(PI-PLC)で切断された後に、この糖鎖と細胞壁を構成するペプチドグリカンとが共有結合することにより、α-アグルチニンのC末端配列部分が細胞壁と結合して保持される。
【0027】
上記a−アルグチニンを用いる場合は、AGA1配列の3'末端側に目的とする酵素配列を融合させることが可能であり、該酵素のN末端がa−アルグチニンに融合する事になる。一方、上記α−アグルチニンを用いる場合には、α−アグルチニンの5'末端側に目的とする酵素配列を融合させる事が可能であり、該酵素のC末端がα−アルグチニンに融合することになる。一般的に、酵素を融合タンパク質として発現させる場合には酵素の活性部位からできるだけ遠い部位で融合する事が好ましく、上記a−アルグチニン及びα−アグルチニンは、目的とする酵素によって使い分けることができる。
【0028】
上記のプロモーター、分泌シグナル配列、酵素の遺伝子配列、アグルチニンの全長又は一部をコードする配列、及びGPIアンカー付着シグナル配列を含むDNAは、プラスミドの形態又は染色体に組み込まれた形態のどちらでもよい。DNAの取得の簡易化の点からは、大腸菌とのシャトルベクターであることが好ましい。上記DNAを調製するための出発材料は特に限定されないが、例えば、酵母の2μmプラスミドの複製開始点(2μm)とColE1の複製開始点(ori)を有しており、また、酵母選択マーカー(例えばTRP、URA3等)及び大腸菌の選択マーカー(薬剤耐性遺伝子等)を有することが好ましい。また、酵素を発現させるために、この遺伝子の発現を調節するオペレーター、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー等のいわゆる調節配列をも含んでいることが望ましい。酵素を細胞表層で発現させるためのベクターによる酵母の形質転換は定法に従って行うことができる。例えば、酢酸リチウム法、電気パルス法、又はプロトプラスト法等により形質転換体を得ることができる。形質転換体の培養方法も公知であり、例えばM. D. Rose et al, Method In Yeast Genetics, Gold SpringHarbar Laboratory Press (1990)等に記載された方法を適宜使用できる。
【0029】
上記の酵母を用いて有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で触媒反応を行う方法は特に限定されず、有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中に上記の酵母を添加し、基質である出発原料や反応種となる有機化合物を適宜の濃度で添加して反応を行えばよい。酵母又は基質などの添加順序は特に限定されない。また、使用する酵母の濃度又は基質濃度も反応の種類や反応温度などの条件に応じて適宜選択できる。反応は通常は室温〜50℃までの範囲で行うことができるが、耐熱性の酵素を用いる場合には例えば100℃以下の温度範囲を選択できる場合がある。反応液のpHも特に限定されず、通常は中性付近を選択することができるが、耐酸性又は耐アルカリ性の酵素を用いる場合には、それぞれ酸性側又はアルカリ側の液性で反応を行うことも可能である。
【0030】
有機溶媒と水との二層系中で反応を行う場合には、通常の二層系の反応のように激しく攪拌を行い、主として水層に存在する酵母と主として有機溶媒中に存在する基質などの有機化合物を充分に接触させる必要がある。二層系で反応を行う場合には、酵母の生育に必要な成分を水層に添加しておくこともできる。また、二層系で反応を行う場合には必要に応じて相間移動触媒を混入させて反応を行ってもよい。相間移動触媒としては、テトラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンスルフェートなどが挙げられるがこれらに限定されることはない。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。
実施例1:長鎖脂肪酸エステルの有機溶媒中での加水分解
A:MT8-1/pWRSL17粉末の作成
アグルチニン遺伝子のC末端320アミノ酸をコードする配列を含み、Appl. Microbiol. Biotechnol., 56, 681-686 (2001)記載のリゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)由来のリパーゼを細胞表層に発現させるプラスミドpWRSL17を含む酵母MT8-1/pWRSL17を0.67% Yeast nitrogen base w/o amino acids、2%グルコースを含むSD培地で24時間培養した後、得られた酵母を遠心分離(3,000rpm、5分間)により分離し、蒸留水で2回洗浄した。得られた酵母を一晩凍結乾燥してMT8-1/pGPMROL粉末を得た。培養液の600 nmの吸光度1.0, 1.0 mL当たり、約0.7 mgのMT8-1/pWRSL17粉末を得た。
【0032】
B:有機溶媒中での酵素活性の測定
J. C. Baratti et al, Enzyme Microbiol. Technol., 18, 417-422 (1996)記載の方法に従ってヘプタン中での長鎖脂肪酸エステルの有機溶媒中での加水分解活性について評価した。50 mMのパルミチン酸 p-ニトロフェニルエステル(シグマ)のヘプタン溶液2 mL中に、前記工程Aにより得られた酵母 0.5、1、2 mgをそれぞれ添加し、30℃で振とうしながら反応させた。一定時間ごとに反応液を取り出し0.1N水酸化ナトリウム水溶液と混合し、水層に存在する加水分解により生成したp-ニトロフェノールの410 nmにおける吸光度を測定した。モル吸光係数:17950を用い、各時点での反応量を測定し、反応初速度を算出した。この反応初速度を酵母濃度に対しプロットしたグラフの傾きより、酵素活性を算出した。酵素活性はU/gであらわし、1Uは1分間に基質1マイクロモルを加水分解する酵素活性と定義した。
【0033】
対照実験としてリゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)の細胞抽出物乾燥粉末である酵素Amano F−AP15(アマノエンザイム株式会社)について、同様の実験を行った。該酵素は前記酵母表層に発現させたものと同じリパーゼを含む粉末である。結果を表1に示す。水溶液中でのリパーゼを表層発現させた酵母(MT8-1/pWRSL17)の加水分解活性はAmano F−AP15の約1/5であったが、ヘプタン中での加水分解活性はAmano F−AP15の約15倍であった。これはAmano F−AP15中に酵素単体として存在するリパーゼがヘプタン中で変性失活するのに対し、酵母表層に発現したリパーゼは周辺の細胞壁成分の保護作用により変性失活しなかった結果と推定される。
【0034】
C:水溶液中での酵素活性の測定
比較実験として、前記Bに記載の文献の方法に従って水溶液中での加水分解活性について評価した。16.5 mMのパルミチン酸 p-ニトロフェニルエステルの2-プロパノール溶液を調製し、0.4%のトリトンXと0.1%のアラビアゴムを含むTris/HCl (pH 8.0)で10倍に希釈した。この溶液0.9 mLに対し、前記工程Aにより得られた酵母 2, 4, 6 mgをそれぞれ添加したTris/HCl (pH 8.0) 溶液0.1 mLを加え、30℃で振とうさせながら反応させた。一定時間ごとに反応液を取り出し、遠心分離(15,000 rpm, 1分間)により酵母を除き、上清に存在するp-ニトロフェノールの410nmの吸光度を測定した。モル吸光係数12750を用い、前記Bと同様にして酵素活性を算出した。
【0035】
【表1】

Figure 0004122184
【0036】
実施例2:長鎖脂肪酸の有機溶媒中でのエステル化反応
実施例1で作成した酵母MT8-1/pWRSL17の凍結乾燥粉末を用いヘプタン中でのパルミチン酸とn-ペンタノールとのエステル化反応について評価した。100 mMのパルミチン酸及び100 mMのn-ペンタノールを含むヘプタン溶液2 mL中に、前記実施例1により得られた酵母(MT8-1/pWRLS17)6 mgを添加し、30℃で振とうしながら反応させた。ヘプタンはモレキュラーシーブ3Aにより脱水したものを用いた。また、この反応系に水 0.2, 0.5, 1.0%を添加し、同様の反応を行った。一定時間ごとに反応液を取り出しテトラメチルシリルジアゾメタンのヘキサン溶液(東京化成)を添加して残存するカルボン酸をメチルエステル化した後、ガスクロマトグラフィーにより各時点での反応量を測定した(カラム;J&W Scientific DB-5(Length:15m、内径 : 0.25mm)、カラム温度:100℃→ 昇温:5℃/分 → 250℃、気化室温度:280℃、検出器温度:300℃)。
【0037】
実施例1と同様にして、Amano F−AP15についても同様の対照実験を行った。結果を表2に示す。酵母(MT8-1/pWRLS17)及びAmano F−AP15とも脱水ヘプタン中での酵素活性はともに0.03 mM/hrと同じであった。微量の水の添加により酵素活性はいずれも高まったが、Amano F−AP15が最大約5倍(0.5%添加時)であるのに対し、酵母(MT8-1/pWRLS17)では約21倍(0.2%添加時)にまで高まった。これはAmano F−AP15中のリパーゼは微量の水が存在しても変性失活し易いのに対し、酵母表層に発現したリパーゼは活性構造維持に必要な水和水が細胞壁成分中に安定に保持されるため、高い酵素活性を発現したものと考えられる。
【0038】
【表2】
Figure 0004122184
【0039】
実施例3:長鎖脂肪酸の有機溶媒中でのエステル化反応
実施例1で作成した酵母MT8-1/pWRSL17の凍結乾燥粉末を用いヘプタン中での硬化油の有機溶媒中でのエステル化活性について評価した。100 mMの硬化油加水分解物(日本化成、C17H35CO2H ; 18.4wt%, C19H39CO2H ; 8.5wt%, C21H43CO2H ; 73.1wt%)及び100mMのn-ペンタノールを含むn-オクタン溶液3 mL中に、前記実施例1により得られた酵母(MT8-1/pWRLS17)10 mgを添加し、45℃で振とう(160 rpm)しながら反応させた。一定時間ごとに反応液を取り出しテトラメチルシリルジアゾメタンのヘキサン溶液(東京化成)により残存するカルボン酸をメチルエステル化後、ガスクロマトグラフィーにより各時点での反応量を測定した(カラム;J&W Scientific DB-17(Length:30 m、内径 : 0.25 mm)、カラム温度:100℃(5分)→ 昇温:10℃/分 → 250℃、気化室温度:280℃、検出器温度:300℃)。結果を図1に示す。対照実験としてリパーゼAmano AK20について同様の実験を行い、その結果を図2に示した。図1及び2から明らかな様に、酵素表層にリパーゼを発現させた酵母MT8-1 /pWRSL17の方がエステル化反応速度が速いことがわかった。
【0040】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、触媒反応のための酵素をアグルチニンの全長又はその一部の配列とともに融合タンパク質として細胞表層に発現させた酵母を用いて、有機溶媒中又は有機溶媒と水との二層系中で触媒反応を行うことができる。例えば25〜40℃及び中性などの温和な条件下で効率的に触媒反応を行うことが可能であり、有機溶媒との接触による酵素の失活もないという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の酵母を用いてn-オクタン中で硬化油のエステル化を行った結果(実施例3)を示した図である。
【図2】 比較例として市販のリパーゼを用いてn-オクタン中で硬化油のエステル化を行った結果を示した図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to yeast in which an enzyme is expressed in a cell surface layer as a fusion protein with a DNA containing a gene encoding the full length or a part of agglutinin and a gene encoding an enzyme for catalytic reaction in an organic solvent or organically. The present invention relates to a method for use as a catalyst in a two-layer system of a solvent and water.
[0002]
[Prior art]
In recent years, a technique using an enzyme, a microorganism, or the like as a catalyst for synthesizing an organic compound has attracted attention. These biocatalysts are usually capable of reacting under mild conditions of 25-40 ° C. and neutral pH conditions. Moreover, since it is excellent in the regioselectivity and stereospecificity of the reaction product, it has already been used for the production of drug substances. The enzyme reaction is usually carried out in an aqueous solution system in order to prevent enzyme denaturation. If the reaction raw material is an organic solvent-soluble substance that is insoluble in water, suspend the raw material in an aqueous solution containing the biocatalyst, or allow the reaction solution to coexist with the biocatalyst. However, in this method, the reaction efficiency is generally low because the reaction raw material concentration in the aqueous solution is low.
[0003]
For this reason, a water-insoluble reaction raw material is dissolved in an organic solvent, and the reaction is carried out using the enzyme or microorganism in the organic solvent as a biocatalyst, or the organic solvent and a reaction aqueous solution containing the enzyme or microorganism are mixed. Thus, a method for carrying out the reaction has been proposed. However, in these methods, the enzyme is often deactivated or microorganisms are killed by contact with an organic solvent. In particular, when a microorganism is used as a biocatalyst, when the microorganism is killed, only a reaction using dead cells is performed. Therefore, this method cannot be used for reactions that require regeneration of the coenzyme system.
[0004]
In the case of using an enzyme as a biocatalyst, means for immobilizing the enzyme on various carriers or modifying it with a polymer such as polyethylene glycol to keep its activity in an organic solvent has been studied. However, a new process is required for the modification reaction, which leaves a problem for practical use in which the production cost increases. A method using microorganisms themselves as a biocatalyst has also been proposed. However, in this method, it is generally necessary for the reaction raw material to pass through the cell membrane of the microorganisms and reach the place where the target enzyme exists. Since the product needs to pass through the cell membrane and be released to the outside of the cell, the reaction efficiency may not reach the reaction with the enzyme alone. In particular, in the case of a substance that cannot permeate the cell membrane, there is a problem that the reaction cannot occur. On the other hand, when the reaction is carried out with an enzyme alone, there is no such problem of permeation of the cell membrane. However, in order to obtain a large amount of enzyme, a plurality of complicated purification steps are necessary, and there is a problem in practical use.
[0005]
There has also been proposed a method of performing an enzyme reaction using a microorganism in which an enzyme is expressed on the cell surface. The use of prokaryotic gram-positive bacteria, gram-negative bacteria, and eukaryotes such as yeast, animal cells, and plant cells has been proposed as microorganisms capable of expressing enzymes on the cell surface. Yeast is the best because it is easy, safe, and allows biosynthesis of glycoproteins. For example, Ueda et al. Succeeded in immobilizing glucoamylase on the yeast surface and growing starch as the sole carbon source to produce ethanol (Ueda et al, Appl. Environ. Microbiol., 63, 1332). -1336 (1997)). Regarding a technique for expressing an enzyme on a cell surface of a microorganism and using it as a biocatalyst, an enzyme such as lipase is expressed on a yeast surface in JP 7-508652 and JP 11-290078 A, and in an aqueous solution. A method for use as a biocatalyst is disclosed. However, any of these methods in which an enzyme reaction is performed using a microorganism in which an enzyme is expressed on the cell surface layer is performed in an aqueous solution. In the above publication, the use of an organic solvent as a reaction solvent, or There is no suggestion or teaching regarding the reaction in a two-layer system of an organic solvent and water.
[0006]
As for the technique of using an enzyme or microorganism as a catalyst in an organic solvent, for example, JP-A-6-269285 discloses a method of using an enzyme modified with an isoprenoid in an organic solvent, JP-A-6-000090 discloses a hydrophilic method. Methods for immobilizing microorganisms on a functional carrier and using them as a catalyst in an organic solvent have been disclosed, but these methods do not use those in which enzymes are expressed on the cell surface of microorganisms as catalysts.
[0007]
SUMMARY OF THE INVENTION Problems to be Solved by the Invention and Means for Solving the Problems
An object of the present invention is to provide a method for efficiently using an enzyme as a catalyst in an organic solvent or in a two-layer system of an organic solvent and water. As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have used a DNA containing a gene encoding the full length of agglutinin or a part thereof and a gene encoding an enzyme for catalytic reaction, The enzyme is expressed as a fusion protein on the cell surface of the yeast, and the yeast is used as a catalyst in a two-layer system of an organic solvent or an organic solvent and water, thereby reducing inactivation of the enzyme due to contact with the organic solvent. It was found that various catalytic reactions can be performed very efficiently. Further, in the above fusion protein, it can be expressed in a form further including a peptide or protein having an action of enhancing the enzyme activity of the enzyme in an organic solvent, or co-expressed as another fusion protein. It has been found that high catalytic activity can be achieved. The present invention has been completed based on the above findings.
[0008]
That is, according to the present invention, a cell comprising a DNA comprising a gene encoding the full length or a part of agglutinin and a gene encoding an enzyme for performing a catalytic reaction as a fusion protein containing the full length or a part of agglutinin. Provided is a method for performing the catalytic reaction in an organic solvent or a two-layer system of an organic solvent and water using yeast expressed on the surface layer. Further, according to a preferred embodiment, the yeast substantially enhances the catalytic reaction activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the enzyme encoding the full-length or part of agglutinin and the enzyme, and / or The above-described method, which is a yeast in which the peptide and / or protein is coexpressed on the cell surface as a fusion protein containing the full length of agglutinin or a part thereof, is provided by DNA containing a gene encoding the protein.
[0009]
Further, the gene encoding the full length of agglutinin or a part thereof, the gene encoding the enzyme for performing the catalytic reaction, and the catalytic reaction activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the enzyme are substantially increased. Using a yeast containing a DNA containing a gene encoding the peptide and / or protein and expressing the enzyme on the cell surface as a full-length or part of agglutinin and a fusion protein containing the peptide and / or protein, an organic solvent A method for carrying out the catalytic reaction in or in a two-layer system of an organic solvent and water is provided by the present invention.
[0010]
From another point of view, according to the present invention, an enzyme for performing a catalytic reaction in an organic solvent or a two-layer system of an organic solvent and water, the gene encoding the full length of agglutinin or a part thereof and the catalyst An enzyme expressed on the surface of a yeast cell as a fusion protein containing the full length of agglutinin or a part thereof is provided by a DNA containing a gene encoding an enzyme for carrying out the reaction. According to a preferred embodiment, the yeast substantially enhances the catalytic activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the enzyme encoding the full-length or part of agglutinin and the enzyme and / or The above enzyme, which is a yeast in which the peptide and / or protein is coexpressed on the cell surface as a fusion protein containing the full length of agglutinin or a part thereof, is provided by a DNA containing a gene encoding a protein.
[0011]
An enzyme for performing a catalytic reaction in an organic solvent or in a two-layer system of an organic solvent and water, the gene encoding the full length of agglutinin or a part thereof, and an enzyme for performing the catalytic reaction A full-length agglutinin or a part thereof, and a DNA containing a gene encoding the peptide and / or protein that substantially enhances the catalytic reaction activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the enzyme An enzyme expressed on the surface of yeast cells as a fusion protein containing the peptide and / or protein is provided. Also provided by the present invention is a catalyst containing these enzymes for performing a catalytic reaction in an organic solvent or in a two-layer system of an organic solvent and water.
[0012]
From yet another aspect, a yeast for performing a catalytic reaction in an organic solvent or a two-layer system of an organic solvent and water, wherein the catalytic reaction is performed with a gene encoding the full length of agglutinin or a part thereof. A yeast comprising the enzyme expressed on the cell surface as a fusion protein comprising the full length of agglutinin or a part thereof by a DNA comprising a gene encoding an enzyme for encoding the full length of agglutinin or a part thereof The peptide and / or protein is agglutinin by a DNA containing the gene encoding the peptide and / or protein that substantially enhances the catalytic reaction activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the enzyme A yeast co-expressed on the cell surface as a fusion protein comprising the full length or a part thereof; and an organic solvent or an organic solvent A yeast for performing a catalytic reaction in a two-layer system of water and water, a gene encoding the full length of agglutinin or a part thereof, a gene encoding an enzyme for performing the catalytic reaction, and a catalyst for the enzyme DNA comprising a gene encoding the peptide and / or protein that substantially enhances reaction activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity, and includes the full length of agglutinin or a part thereof and the peptide and / or protein Yeast containing the enzyme expressed on the cell surface as a fusion protein is also provided by the present invention.
[0013]
According to preferred embodiments of these inventions, the gene sequence encoding a peptide and / or protein that substantially increases the catalytic reaction activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the enzyme is, for example, 100 bp or more. It is a sequence selected from a DNA fragment library derived from a microorganism, and yeast having enhanced organic solvent resistance can be used as the host yeast. When a yeast coenzyme system is used in the catalytic reaction with the enzyme, it is preferable to use a yeast having resistance to organic solvents as the yeast. The enzyme can be selected from the group consisting of, for example, oxidoreductase, transferase, hydrolase, lyase, isomerase, and ligase.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The method of the present invention uses a DNA containing a gene encoding the full length or a part of agglutinin and a gene encoding an enzyme for performing a catalytic reaction, and a fusion containing the full length of agglutinin or a part thereof and the enzyme Protein is expressed on the cell surface layer of yeast, and the catalytic reaction is carried out in an organic solvent or a two-layer system of an organic solvent and water using the yeast. According to a preferred embodiment, the yeast comprises the peptide and / or which substantially increases the catalytic activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the enzyme encoding the full length of agglutinin or a part thereof and the enzyme. A yeast in which the peptide and / or protein is co-expressed on the cell surface as a fusion protein containing the full length of agglutinin or a part thereof by DNA containing a gene encoding a protein. Also, a fusion comprising an enzyme for performing a catalytic reaction, a peptide and / or protein that substantially increases the catalytic reaction activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the enzyme, and the full length of agglutinin or a part thereof. It is also possible to express the protein on the cell surface of yeast and use the yeast for the catalytic reaction.
[0015]
The kind of the enzyme for performing the catalytic reaction is not particularly limited, and an enzyme that catalyzes any chemical reaction can be used. Examples of the chemical reaction may include, but are not limited to, esterification reaction, hydrolysis reaction, acylation reaction, oxidation reaction such as hydroxylation and dehydrogenation reaction, reduction reaction such as hydrogenation, and the like. Rather, it is possible to use enzymes that catalyze various chemical reactions. There may be two or more chemical reactions catalyzed by one enzyme. In the method of the present invention, two or more kinds of enzymes that catalyze different reactions can be expressed on the cell surface of the same yeast. Specific examples of the enzyme include, but are not limited to, oxidoreductase, transferase, hydrolase, lyase, isomerase, esterase, and ligase. The enzyme may be naturally derived, but may be a modified form in which substitution, insertion, and / or deletion with another amino acid is introduced into the amino acid sequence of the naturally occurring enzyme.
[0016]
The kind of the organic solvent for performing the reaction is not particularly limited, and an organic solvent that does not substantially mix with water or an organic solvent that has a property of mixing with water may be used. For example, hydrocarbon solvents such as pentane and hexane, alcohol solvents such as methanol and ethanol, ester solvents such as ethyl acetate, ether solvents such as diethyl ether, dioxane and tetrahydrofuran, ketone solvents such as acetone and methyl ethyl ketone, Halogenated hydrocarbon solvents such as chloroform and dichloroethane, aromatic hydrocarbon solvents such as toluene and xylene, nitrogen-containing aromatic solvents such as pyridine, amide solvents such as acetamide and N, N-dimethylformamide, N- Examples thereof include, but are not limited to, methyl pyrrolidone, dimethyl sulfoxide, and sulfolane.
[0017]
The organic solvent may be used as a substantially completely anhydrous solvent, but it can also be used as an appropriate water-containing solvent as necessary. Although content of water is not specifically limited, it is about 0.01-40 mass% (the numerical range represented by "-" in this specification includes a numerical value of an upper limit and a minimum). When using an organic solvent that is substantially immiscible with water, the reaction can be carried out in a two-layer system.
[0018]
Means for expressing an enzyme as a fusion protein on the cell surface of yeast are known. For example, production of yeast MT8-1 / pWRSL17 containing plasmid pWRSL17 for expressing lipase derived from Rhizopus oryzae on the cell surface The method is known (Appl. Microbiol. Biotechnol., 56, 681-686 (2001)). The yeast used in the method of the present invention can be easily produced by those skilled in the art by adding appropriate modifications or alterations as necessary according to the method described in the above publication.
[0019]
The type of yeast used as a host is not particularly limited. However, when the yeast coenzyme system is involved in the catalytic reaction, it is preferable to use a yeast having resistance to organic solvents. On the other hand, when it is not necessary to participate in the coenzyme system possessed by the yeast in the catalytic reaction, it is not necessary to use yeast having resistance to organic solvents because the yeast may be killed in the organic solvent. . For example, yeast belonging to the genus Saccharomyces, Dizosaccharomyces, and Candida can be preferably used, but yeast belonging to the genus Saccharomyces is more preferably used, and specifically, Saccharomyces cerevisiae MT8-1. (Tajima, M., Yeast, 1, 67-77 (1985)).
[0020]
In general, as methods for obtaining microorganisms resistant to organic solvents, methods using screening from soil or the like and mutation using nitrosating agents are known (for example, Aono et al, Biosci. Biotechnol). Biochem., 56, 145-146 (1992)), organic solvent resistant yeast can be obtained using this method. However, microorganisms obtained by screening from soil or the like may not be used for genetic engineering expression of foreign enzymes without genetic manipulation. As a method alternative to such a method, a method for producing a microorganism that has acquired resistance to an organic solvent by introducing a gene encoding a foreign peptide or protein has been proposed. According to this method, a microorganism that has acquired high organic solvent resistance by introducing a gene encoding a foreign peptide or protein is used, and the microorganism is directly used as a host for expressing any enzyme on the cell surface. Can do. For example, Ueda et al. Reported that a yeast-derived DNA fragment library was expressed on the surface of yeast as a fusion protein with a-agglutinin to produce yeast resistant to organic solvents (Nonane) (Udea et al. , Appl. Microbiol. Biotechnol., 58, 806-812, 2002).
[0021]
The type of peptide and / or protein that substantially enhances catalytic reaction activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity is not particularly limited, depending on the type of enzyme, the type of substrate, the conditions of the catalytic reaction, etc. It can be selected appropriately. Such peptides and / or proteins include peptides and / or proteins for increasing resistance to organic solvents. For example, a gene sequence encoding a peptide and / or protein that substantially enhances the catalytic activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the enzyme is obtained from a DNA fragment library derived from a microorganism of, for example, 100 bp or more. It can be selected but is not limited to such sequences.
[0022]
The yeast provided by the present invention expresses an enzyme for catalytic reaction on its cell surface, and the enzyme is expressed as a fusion protein with a sequence encoding the full length or a part of agglutinin. In addition, according to a preferred embodiment, the yeast substantially enhances the catalytic reaction activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the gene encoding the full length or a part of agglutinin and the enzyme, and Yeast in which the peptide and / or protein is co-expressed on the cell surface as a fusion protein containing the full length of agglutinin or a part thereof by DNA containing a gene encoding a protein. Furthermore, the gene encoding the full length of agglutinin or a part thereof, the gene encoding the enzyme for performing the catalytic reaction, and the catalytic reaction activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the enzyme are substantially increased. It may be a yeast in which the enzyme is expressed on the cell surface as a fusion protein containing the full length or a part of agglutinin and the peptide and / or protein by DNA containing the gene encoding the peptide and / or protein.
[0023]
Preferred DNAs for expressing the enzyme as a fusion protein containing agglutinin or a partial sequence thereof on the cell surface of yeast include, for example, a promoter, a secretion signal sequence, a gene sequence of the enzyme, a sequence encoding the full length or a part of agglutinin, and Has a GPI anchor attachment signal sequence. A preferable DNA for expressing the peptide and / or protein that substantially enhances the catalytic activity and / or stereoselectivity and / or regioselectivity of the enzyme as a fusion protein containing agglutinin or a partial sequence thereof is as described above. It has a gene encoding the peptide or protein instead of the gene sequence of the enzyme in DNA. A preferable DNA for expressing an enzyme and the peptide or protein as a fusion protein containing agglutinin or a partial sequence thereof contains a gene encoding the peptide or protein together with the gene sequence of the enzyme in the above DNA. Hereinafter, although the preferable aspect of the said DNA is demonstrated, this invention is not limited to the case where this preferable DNA is used.
[0024]
The promoter is not particularly limited as long as it is a promoter that is usually used for protein expression in yeast. T. et al, Biosci. Biotechnol. Biochem., 59, 1221-1228 (1995)), and the promoter of Galactokinase (GAL1) (Davis, Mol. Cell Biol., 4, 1440-1448 (1984) ), Candida tropicalis isocitrate lyase (ICL) promoter (UPR-ICL) (Kanai et al, Appl. Microbiol. Biotechnol., 44, 759-765 (1996)) .
[0025]
The secretion signal is not particularly limited as long as it is a signal region normally used for expression and secretion in yeast. For example, the secretion signal region of a glucoamylase gene derived from Rhizopus oryzae, the yeast α-factor Prepro sequences (Walker, GM, in Yeast Physiology and Biotechnology, p265, John Wiley & Sons Lyd., Chichester (1998)) can be used. These promoters and secretion signals can be obtained by a known method, for example, a PCR method using a primer prepared on the basis of a known sequence and a genomic DNA of the microorganism as a template, or Appl. Microbiol. Biotechnol., 51, 65 The plasmids pGA11 and pGPM6 described in -70 (1995) and Appl. Microbiol. Biotechnol., 57, 697-701 (2001) may be excised by an appropriate restriction enzyme reaction.
[0026]
The agglutinin gene or a fragment thereof is obtained from yeast. Among them, yeast belonging to the genus Saccharomyces is preferable, and examples thereof include Saccharomyces cerevisiae MT8-1 (Tajima, M., Yeast, 1, 67-). 77 (1985)). Agglutinin may be either a-arginine or α-agglutinin, and the fragment thereof may have any sequence as long as it does not adversely affect the enzyme activity expressed on the surface layer. Preferably, a sequence encoding the AGA2 sequence of a-agglutinin derived from Saccharomyces is used. The AGA2 is immobilized on the cell surface layer by binding to AGA1 immobilized on the cell wall via a GPI anchor with two disulfide bonds. In addition, a sequence encoding a sequence of 320 amino acids from the C-terminal of α-agglutinin derived from the genus Saccharomyces is preferably used. There are four sugar chain binding sites in this amino acid sequence. After the glycosyl phosphatidylinositol (GPI) anchor is cleaved with phosphatidylinositol-dependent phospholipase (PI-PLC), Are covalently bonded to each other, whereby the C-terminal sequence portion of α-agglutinin is held in association with the cell wall.
[0027]
When the a-arginine is used, the target enzyme sequence can be fused to the 3 ′ end of the AGA1 sequence, and the N-terminus of the enzyme is fused to a-arginine. On the other hand, when α-agglutinin is used, the target enzyme sequence can be fused to the 5 ′ end of α-agglutinin, and the C-terminus of the enzyme is fused to α-arginine. . In general, when an enzyme is expressed as a fusion protein, it is preferably fused at a site as far as possible from the active site of the enzyme, and the a-arginine and α-agglutinin can be selectively used depending on the target enzyme.
[0028]
The above-mentioned promoter, secretory signal sequence, enzyme gene sequence, sequence encoding the full length or part of agglutinin, and DNA containing the GPI anchor attachment signal sequence may be in the form of a plasmid or incorporated into a chromosome. From the viewpoint of simplification of DNA acquisition, a shuttle vector with E. coli is preferable. The starting material for preparing the DNA is not particularly limited. For example, it has a replication origin (2 μm) of yeast 2 μm plasmid and a replication origin (ori) of ColE1, and a yeast selection marker (for example, TRP, URA3 etc.) and E. coli selectable markers (drug resistance genes etc.) are preferred. Further, in order to express the enzyme, it is desirable to include so-called regulatory sequences such as an operator, promoter, terminator, enhancer and the like that regulate the expression of this gene. Transformation of yeast with a vector for expressing the enzyme on the cell surface can be performed according to a standard method. For example, a transformant can be obtained by a lithium acetate method, an electric pulse method, a protoplast method, or the like. Methods for culturing transformants are also known, and for example, the methods described in MD Rose et al, Method In Yeast Genetics, Gold Spring Harbar Laboratory Press (1990) can be used as appropriate.
[0029]
The method for performing the catalytic reaction in the organic solvent or in the two-layer system of the organic solvent and water using the yeast is not particularly limited, and the yeast is in the organic solvent or in the two-layer system of the organic solvent and water. And the reaction may be performed by adding a starting material as a substrate or an organic compound as a reaction species at an appropriate concentration. The order of adding yeast or substrate is not particularly limited. In addition, the concentration of the yeast or the substrate concentration to be used can be appropriately selected depending on conditions such as the type of reaction and reaction temperature. The reaction can usually be carried out in the range from room temperature to 50 ° C, but when using a heat-resistant enzyme, for example, a temperature range of 100 ° C or lower may be selected. The pH of the reaction solution is not particularly limited, and can generally be selected near neutral. However, when an acid-resistant or alkali-resistant enzyme is used, the reaction should be performed on the acid side or alkaline side, respectively. Is also possible.
[0030]
When the reaction is carried out in a two-layer system of an organic solvent and water, vigorous stirring is performed as in a normal two-layer system, and the yeast present mainly in the aqueous layer and the substrate mainly present in the organic solvent, etc. It is necessary to sufficiently contact the organic compound. When the reaction is carried out in a two-layer system, components necessary for yeast growth can be added to the aqueous layer. Moreover, when reacting in a two-layer system, you may react by mixing a phase transfer catalyst as needed. Examples of the phase transfer catalyst include, but are not limited to, tetrabutylammonium chloride, benzyltributylammonium chloride, tetrabutylammonium hydrogen sulfate, and the like.
[0031]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the scope of the present invention is not limited to these examples.
Example 1: Hydrolysis of long-chain fatty acid esters in organic solvents
A: Preparation of MT8-1 / pWRSL17 powder
Plasmid pWRSL17, which contains a sequence encoding the C-terminal 320 amino acids of the agglutinin gene and expresses a lipase derived from Rhizopus oryzae described in Appl. Microbiol. Biotechnol., 56, 681-686 (2001) on the cell surface Yeast MT8-1 / pWRSL17 containing yeast was cultured in SD medium containing 0.67% Yeast nitrogen base w / o amino acids and 2% glucose for 24 hours, and the resulting yeast was separated by centrifugation (3,000 rpm, 5 minutes) And washed twice with distilled water. The obtained yeast was freeze-dried overnight to obtain MT8-1 / pGPMROL powder. About 0.7 mg of MT8-1 / pWRSL17 powder was obtained per 1.0 and 1.0 mL of absorbance at 600 nm of the culture solution.
[0032]
B: Measurement of enzyme activity in organic solvent
According to the method described in JC Baratti et al, Enzyme Microbiol. Technol., 18, 417-422 (1996), the hydrolysis activity of long-chain fatty acid esters in heptane in an organic solvent was evaluated. To 2 mL of heptane solution of 50 mM palmitic acid p-nitrophenyl ester (Sigma), 0.5, 1, and 2 mg of the yeast obtained in the above step A were added and reacted while shaking at 30 ° C. . The reaction solution was taken out at regular intervals and mixed with a 0.1N aqueous sodium hydroxide solution, and the absorbance at 410 nm of p-nitrophenol produced by hydrolysis present in the aqueous layer was measured. Using the molar extinction coefficient: 17950, the reaction amount at each time point was measured, and the initial reaction rate was calculated. The enzyme activity was calculated from the slope of the graph in which this initial reaction rate was plotted against the yeast concentration. Enzyme activity was expressed in U / g, and 1 U was defined as the enzyme activity that hydrolyzes 1 micromole of substrate per minute.
[0033]
As a control experiment, the same experiment was performed on the enzyme Amano F-AP15 (Amanoenzyme Co., Ltd.), which is a dry powder of cell extract of Rhizopus oryzae. The enzyme is a powder containing the same lipase as that expressed on the surface of the yeast. The results are shown in Table 1. The hydrolysis activity of yeast (MT8-1 / pWRSL17) in which the lipase was expressed in an aqueous solution was about 1/5 that of Amano F-AP15, but the hydrolysis activity in heptane was that of Amano F-AP15. It was about 15 times. This is probably because lipase present as an enzyme alone in Amano F-AP15 is denatured and inactivated in heptane, whereas lipase expressed on the surface of yeast is not denatured and deactivated due to the protective action of surrounding cell wall components. Is done.
[0034]
C: Measurement of enzyme activity in aqueous solution
As a comparative experiment, hydrolysis activity in an aqueous solution was evaluated according to the method described in the literature described in B above. A 2-propanol solution of 16.5 mM palmitic acid p-nitrophenyl ester was prepared and diluted 10-fold with Tris / HCl (pH 8.0) containing 0.4% Triton X and 0.1% gum arabic. To 0.9 mL of this solution, 0.1 mL of a Tris / HCl (pH 8.0) solution to which 2, 4, 6 mg of the yeast obtained in Step A was added, respectively, was allowed to react while shaking at 30 ° C. The reaction solution was taken out at regular intervals, the yeast was removed by centrifugation (15,000 rpm, 1 minute), and the absorbance at 410 nm of p-nitrophenol present in the supernatant was measured. Enzyme activity was calculated in the same manner as B using a molar extinction coefficient of 12750.
[0035]
[Table 1]
Figure 0004122184
[0036]
Example 2: Esterification reaction of long chain fatty acid in organic solvent
The lyophilized powder of yeast MT8-1 / pWRSL17 prepared in Example 1 was used to evaluate the esterification reaction between palmitic acid and n-pentanol in heptane. To 2 mL of a heptane solution containing 100 mM palmitic acid and 100 mM n-pentanol, 6 mg of the yeast (MT8-1 / pWRLS17) obtained in Example 1 was added and shaken at 30 ° C. It was made to react. Heptane was dehydrated with molecular sieve 3A. Further, 0.2, 0.5, 1.0% of water was added to this reaction system, and the same reaction was performed. After taking out the reaction solution at regular intervals and adding a hexane solution (Tokyo Kasei) of tetramethylsilyldiazomethane to methyl esterify the remaining carboxylic acid, the reaction amount at each time point was measured by gas chromatography (column; J & W Scientific DB-5 (Length: 15 m, ID: 0.25 mm), column temperature: 100 ° C. → temperature increase: 5 ° C./min→250° C., vaporization chamber temperature: 280 ° C., detector temperature: 300 ° C.).
[0037]
In the same manner as in Example 1, a similar control experiment was performed for Amano F-AP15. The results are shown in Table 2. Both yeast (MT8-1 / pWRLS17) and Amano F-AP15 had the same enzyme activity in dehydrated heptane as 0.03 mM / hr. Enzymatic activity increased with the addition of a small amount of water, but Amano F-AP15 was up to about 5 times (when 0.5% was added), whereas yeast (MT8-1 / pWRLS17) was about 21 times (0.2%). %). This is because the lipase in Amano F-AP15 tends to be denatured and inactivated even in the presence of a small amount of water, whereas the lipase expressed on the surface of yeast has stable hydration water necessary for maintaining the active structure in the cell wall components. Since it is retained, it is considered that high enzyme activity was expressed.
[0038]
[Table 2]
Figure 0004122184
[0039]
Example 3: Esterification reaction of long chain fatty acid in organic solvent
The freeze-dried powder of yeast MT8-1 / pWRSL17 prepared in Example 1 was used to evaluate the esterification activity of hardened oil in heptane in an organic solvent. 100 mM hydrogenated oil hydrolyzate (Nippon Kasei, C 17 H 35 CO 2 H; 18.4wt%, C 19 H 39 CO 2 H; 8.5wt%, C twenty one H 43 CO 2 H; 73.1 wt%) and 10 mg of the yeast (MT8-1 / pWRLS17) obtained in Example 1 above was added to 3 mL of n-octane solution containing 100 mM n-pentanol and shaken at 45 ° C. The reaction was carried out while continuing (160 rpm). The reaction solution was taken out at regular intervals, and the remaining carboxylic acid was methyl esterified with a hexane solution of tetramethylsilyldiazomethane (Tokyo Kasei), and the reaction amount at each time point was measured by gas chromatography (column; J & W Scientific DB- 17 (Length: 30 m, ID: 0.25 mm), column temperature: 100 ° C (5 minutes) → temperature rise: 10 ° C / min → 250 ° C, vaporization chamber temperature: 280 ° C, detector temperature: 300 ° C). The results are shown in FIG. As a control experiment, a similar experiment was performed for lipase Amano AK20, and the results are shown in FIG. As apparent from FIGS. 1 and 2, it was found that the yeast MT8-1 / pWRSL17 in which lipase was expressed on the enzyme surface layer had a faster esterification reaction rate.
[0040]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, a yeast in which an enzyme for catalytic reaction is expressed on a cell surface as a fusion protein together with the full length of agglutinin or a partial sequence thereof is used in an organic solvent or an organic solvent and water. Catalytic reactions can be carried out in the layer system. For example, the catalytic reaction can be efficiently performed under mild conditions such as 25 to 40 ° C. and neutrality, and the enzyme is not deactivated by contact with an organic solvent.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing the results (Example 3) of esterification of hydrogenated oil in n-octane using the yeast of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing the results of esterification of hydrogenated oil in n-octane using a commercially available lipase as a comparative example.

Claims (7)

アグルチニンの全長又はその一部をコードする遺伝子とリパーゼをコードする遺伝子とを含むDNAにより、該リパーゼをアグルチニンの全長又はその一部を含む融合タンパク質として細胞表層に発現させた酵母を用いて有機溶媒中で該リパーゼによる触媒反応を行う方法。An organic solvent using yeast in which the lipase is expressed on the cell surface as a fusion protein containing the full length of agglutinin or a part thereof using a DNA containing a gene encoding the full length of agglutinin or a part thereof and a gene encoding a lipase In which the catalytic reaction with the lipase is carried out. 有機溶媒が炭化水素系溶媒である請求項1に記載の方法。The method according to claim 1, wherein the organic solvent is a hydrocarbon solvent. 有機溶媒がヘプタンである請求項1に記載の方法。The process according to claim 1, wherein the organic solvent is heptane. 有機溶媒が0.2〜1.0質量%の水を含むヘプタンである請求項1に記載の方法。The method according to claim 1, wherein the organic solvent is heptane containing 0.2 to 1.0% by mass of water. 触媒反応が加水分解反応である請求項1に記載の方法The method according to claim 1, wherein the catalytic reaction is a hydrolysis reaction. 有機溶媒が炭化水素系溶媒である請求項5に記載の方法。The method according to claim 5, wherein the organic solvent is a hydrocarbon solvent. 有機溶媒がヘプタンである請求項5に記載の方法。The process according to claim 5, wherein the organic solvent is heptane.
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