JP4118873B2 - コンクリートの製造方法およびコンクリート製造の標準化システム - Google Patents
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Description
「製造と施工」
『一般には、膨張材は、セメントと同時に投入することが望ましいが、それ以外の材料と一緒に、あるいは単独で投入する場合は、十分に均一に練り混ぜられることを、あらかじめ試験によって確かめておかなければならない。万一投入時期が計画されたものと相違した場合は練混ぜ時間を長くするなど、適切な処理をとらなければならない。膨張材のミキサへの付着により塊などが生じると、その破片がコンクリート中に混入し、部分的な破壊を起こすおそれがある。したがって、膨張材の塊が生じた場合にはただちに除去しなければならない。』
(ロ)「日本建築学会 高流動コンクリートの材料・調合・製造・施工指針 第94頁
『特に、JIS規格品の製造では使わない粉体や混和剤の計量能力、殊に人力に頼る場合の計量・投入能力については、過小評価しないように十分な注意が必要である。また、ミキサの練混ぜ時間はJIS規格品の2〜3倍以上の60〜180秒を必要とするケースが多い。練混ぜ時間が2〜3倍になるとミキサの製造能力は1/2〜1/3に落ちることを忘れてはならない。』
(ハ)「JIS A 5308 レディーミクストコンクリート、8.2.1 計量方法b.」
『セメント、骨材及び混和剤の計量は、質量による。ただし、混和材は、購入者の承認があれば、袋の数で計ってもよい。しかし、1袋未満のものを用いる場合には、必ず質量で計量しなければならない。』
2) 投入担当作業者の力量基準がないこと、経験不足な作業者、例えばその日だけのアルバイト等の場合、
3) JIS規格品の製造では通常使われない粉体を投入すると、練混ぜ時間がJIS規格品の2〜3倍になること、即ち時間当たりの製造能力が1/2〜1/3に低下することは電力エネルギー消費量の増加と出荷能力が著しく低下して非効率的である。
コンクリートを構成する各成分が均斉に混入されるので、設計計画した要求性能を確実に満足させることができる。
混和材料が自動制御装置をもとに計量・投入・混練りされ、かつ投入時期、投入順序が正確になるので、練混ぜ時間の設定延長などの不確定要素が削除される。 混和材料の混入の有無と混入量が印字記録で確認できる。
膨張材、早強材、高強度用混和材、防水材等の粉体系混和材が練混ぜの際、塊などが生じてミキサへ付着したりする危険性が皆無となる。
混和材料の混和精度が高く、JIS A5308レディーミクストコンクリート8.2.2に規定される混和材料の計量誤差範囲±2%をクリヤーできる。
スラリー性状にしたことと、粗骨材の計量ビンを供用する(粗骨材先行計量の累加計量)することで、さらに練混ぜ時間を大幅に短縮することができる。
工事現場到着コンクリートを流動化させながら複数(多機能)の要求性能を満足させるコンクリートの製造方法を標準化した。ここで、複数(多機能)要求性能とは、例えば工事現場到着コンクリートに高強度、耐久性、早強性、防水性、防錆性等を付与させることを意味する。
本発明によるコンクリートの製造方法は、コンクリートを製造する際に、コンクリートの要求性能に応じて自動制御手段により計量し調製された少なくとも1種のコンクリート配合用プレミックス組成物をあらかじめ用意し、このあらかじめ用意されたコンクリート配合用プレミックス組成物と、セメント、粗骨材、細骨材、水および化学混和剤とを混練することを特徴とする。
本発明に用いられるコンクリート配合用プレミックス組成物の好ましい具体例としては、下記の成分(A)〜成分(D)からなるもの、および下記の成分(A)〜成分(E)からなるものを挙げることができる。
成分(B):シリカフューム、フライアッシュ(JIS I種)、高炉スラグ微粉末(JIS 8000)および防水材から選ばれた少なくとも1種の混和材料(2) 5〜2000重量部
成分(C):高性能AE減水剤、安定剤からなる群から選択された少なくとも1種の化学混和剤 1〜20重量部
成分(D):水 40〜160重量部
成分(E):膨張材、収縮低減剤、早強材、防水材および高強度混和材からなる群から選択された少なくとも1種の混和材料(3) 1.5〜40重量部
このような本発明におけるコンクリート配合用プレミックス組成物は、例えば撹拌等のような各成分の良好な分散状態が維持されたものであって、かつ長期間にわたって所定の流動性を発現可能なものである。このようなコンクリート配合用プレミックス組成物の好ましい具体例は、撹拌後の静置状態で120分程度経過するとゲル状物となり、このゲル状物に撹拌や振動等の外部からの力を与えた場合にはスラリー状となるようなチキソトロピー性を示すものである。この組成物は、攪拌後、静止状態で120分程度が経過するとチキソトロピー性状を示すゲル状となり、各種容器の形状に合致した形状に賦形することができるようになる。これは各成分粒子が水中に均一に分散し、事実上集塊がみられないような状態のペーストができ、その状態で長時間維持し得る様になるからである。従って、このペーストをコップに入れた状態で、90度程度に傾斜させた程度ではゲル状態を維持することができる。しかし、攪拌等によって再び振動を与えたり、弱い衝撃力を与えると、ゲル状物から液状物に変化して再びスラリー状となるために、ポンプ等により移送することができるようになる。また、上記ゲル状態で1週間程度以上保持することができるので、ポンプ等による移送中に停電等の緊急事態が起きても、或いは、週休2日程度の休日期間中にポンプが使用不能となることはない。
成分(A)は、フライアッシュ(JIS II種)、高炉スラグ微粉末(JIS 4000)および石灰石粉末からなる群から選ばれた少なくとも1種の混和材料(1)である。
成分(B)は、シリカフューム、フライアッシュ(JIS I種)、高炉スラグ微粉末(JIS 8000)および防水材から選ばれた少なくとも1種の混和材料(2)である。
成分(C)は、高性能AE減水剤、安定剤からなる群から選択された少なくとも1種の化学混和剤である。
成分(D)は、水である。この成分(D)の水としては、任意の物を使用することができる。コンクリート配合用プレミックス組成物の製造現場にて入手が容易なもの、例えば水道水、地下水などを利用することができる。
成分(E)は、膨張材、収縮低減剤、早強材、防水材、高強度混和材からなる群から選択された少なくとも1種の混和材材料(3)である。
本発明でのコンクリート配合用プレミックス組成物は、上記の成分(A)〜成分(D)あるいは上記の成分(A)〜成分(E)を、混合することによって製造することができる。各成分の混合順序およびその方法は任意である。例えば、(イ)上記の全成分を同時に用い全成分の配合および混合を同時に行うこともできるし、(ロ)上記いずれかの成分に、他の成分を一種類ずつ順次に添加することもできるし、(ハ)予め複数成分の混合物を用意しておいて、この混合物に他の成分あるいは他の成分の混合物を添加することもできる。
本発明によるコンクリート製造の標準化システムは、コンクリート配合用プレミックス組成物の構成成分を自動制御装置により計量し、本質的に人力を介することなく、これらの構成成分を混合してコンクリートの要求性能に応じたコンクリート配合用プレミックス組成物を調製し、次いでこのプレミックス組成物スラリー組成物とセメント、粗骨材、細骨材、水および化学混和剤とを混練すること、を特徴とするものである。
本発明によるコンクリート施工現場におけるコンクリートの標準化システムは、前記のプレミックス組成物スラリー組成物とセメント、粗骨材、細骨材、水および化学混和剤との混練りをコンクリート製造工場において行うことを特徴とするものである。
本発明によるコンクリート施工現場におけるコンクリート製造の標準化システムは、前記のプレミックス組成物スラリー組成物と施工現場到着コンクリートとを混練すること、を特徴とするものである。
<成分(A)>
フライアッシュ:JIS II種 電源開発(株)社製
高炉スラグ 微粉末4000:JIS 4000 (株)デイ・シィ製
石灰石微粉末:吉澤石灰工業(株)社製、密度2.70g/cm3、ブレーン比表面積3500cm2/g
<成分(B)>
シリカフューム:JIS A6207 エルケム(株)製「マイクロシリカ」9400U 密度2.70g/cm3、ブレーン比表面積20000cm2/g
フライアッシュ:JIS I種 四国電力(株)製
高炉スラグ 微粉末8000:JIS 8000 (株)デイ・シィ製
防水材 NN−P:JIS等の規定なし 太平洋マテリアル(株)製、密度2.50g/cm3、ブレーン比表面積12000cm2/g
<成分(C)>
高性能AE減水剤:JIS A6204 標準型、I種 (株)フローリック製「フローリックSF500SB」、密度1.06g/cm3
安定剤:JIS等の規定なし (株)フローリック製「SFクリーン」、密度1.12g/cm3
<成分(D)>
水:地下水
<成分(E)>
膨張材:電気化学工業(株)製「デンカパワーCSA」
太平洋マテリアル(株)製「太平洋ハイパーエクスパン」、密度3.16g/cm3、ブレーン比表面積密度3450g/m2、
収縮低減剤:(株)フローリック(株)製「ヒビガード500」、密度0.98g/cm3
早強材:電気化学工業(株)製「デンカΣ1000」
防水剤:ベストン(株)製「ベストンA」、密度2.64g/cm3、ブレーン比表面積3500cm2/g
高強度混和材:電気化学工業(株)製「デンカΣ6000」、密度2.70g/cm 3 、ブレーン比表面積6100cm 2 /g
2.プレミックススラリー組成物の配合割合
表1に、プレミックススラリー組成物の配合割合を示す。
配合No.1-2、1-3、および2-2は、アルカリシリカ反応抑制機能を主目的とした上に、高強度、高流動性機能を持つ配合組成物である。尚、配合No.2-3は、早強性機能を持つ配合組成物である。
配合No.3-1、3-2および3-3は、高流動機能を主目的とした上に、高強度、防水機能を持つ配合組成物である。
配合No.1-4、2-4および3-4は、防水性機能を主目的とした上に、耐久性機能を持つ配合組成物である。
配合No.4-1は、三成分系の混和材料のプレミックスしたスラリーで、耐久性、防水性、高強度、高流動性機能を持つ配合組成物である。
プレミックススラリー組成物の練混ぜ方法は、JIS R5201(セメントの物性試験方法)の8.1(3)の手練り用練混ぜ器具に規定する、手練り鉢およびさじを用いてJIS R5201 8.3.1(1)(b)によった。
Claims (5)
- コンクリートを製造する際に、コンクリートの要求性能に応じて自動制御手段により計量し調製された下記の成分(A)〜成分(D)からなりチキソトロピー性を有するコンクリート配合用プレミックス組成物(但し、このコンクリート配合用プレミックス組成物の調製時から50時間経過後に、JIS R5201(セメントの物性試験方法)による「フロー試験」におけるフロー値が0mmであるものを除く)をあらかじめ用意し、このあらかじめ用意されたコンクリート配合用プレミックス組成物と、セメント、粗骨材、細骨材、水および化学混和剤とを混練することを特徴とする、コンクリートの製造方法。
成分(A):フライアッシュ(JIS II種)、高炉スラグ微粉末(JIS 4000)および石灰石粉末からなる群から選ばれた少なくとも1種の混和材料(1) 100重量部
成分(B):シリカフューム、フライアッシュ(JIS I種)および高炉スラグ微粉末(JIS 8000)から選ばれた少なくとも1種の混和材料(2) 5〜2000重量部
成分(C):高性能AE減水剤、安定剤からなる群から選択された少なくとも1種の化学混和剤 1〜20重量部
成分(D):水 40〜160重量部 - コンクリートを製造する際に、コンクリートの要求性能に応じて自動制御手段により計量し調製された下記の成分(A)〜成分(E)からなりチキソトロピー性を有するコンクリート配合用プレミックス組成物(但し、このコンクリート配合用プレミックス組成物の調製時から50時間経過後に、JIS R5201(セメントの物性試験方法)による「フロー試験」におけるフロー値が0mmであるものを除く)をあらかじめ用意し、このあらかじめ用意されたコンクリート配合用プレミックス組成物と、セメント、粗骨材、細骨材、水および化学混和剤とを混練することを特徴とする、コンクリートの製造方法。
成分(A):フライアッシュ(JIS II種)、高炉スラグ微粉末(JIS 4000)および石灰石粉末からなる群から選ばれた少なくとも1種の混和材料(1) 100重量部
成分(B):シリカフューム、フライアッシュ(JIS I種)および高炉スラグ微粉末(JIS 8000)から選ばれた少なくとも1種の混和材料(2) 5〜2000重量部
成分(C):高性能AE減水剤、安定剤からなる群から選択された少なくとも1種の化学混和剤 1〜20重量部
成分(D):水 40〜160重量部
成分(E):膨張材、収縮低減剤、早強材、防水材および高強度混和材からなる群から選択された少なくとも1種の混和材料(3) 1.5〜40重量部 - 前記請求項1または2に記載のコンクリート配合用プレミックス組成物の構成成分を自動制御装置により計量し、本質的に人力を介することなく、これらの構成成分を混合してコンクリートの要求性能に応じたコンクリート配合用プレミックス組成物を調製し、貯蔵し、次いでこのプレミックス組成物スラリー組成物を本質的に人力を介することなく、自動制御装置により質量で計量し、セメント、粗骨材、細骨材、水および化学的混和剤と混練りすることを特徴とする、コンクリート製造の標準化システム。
- 前記請求項3に記載のコンクリート製造の標準化システムにおいて、前記プレミックス組成物の計量は、あらかじめ計量したあと粗骨材と一緒に累加計量するか、直接粗骨材と一緒に累加計量することを特徴とする、コンクリート製造工場の標準化システム。
- 下記の成分(A)〜成分(D)または下記の成分(A)〜成分(E)からなり、チキソトロピー性を有するコンクリート配合用プレミックス組成物(但し、このコンクリート配合用プレミックス組成物の調製時から50時間経過後に、JIS R5201(セメントの物性試験方法)による「フロー試験」におけるフロー値が0mmであるものを除く)からなるスラリー組成物と施工現場到着コンクリートとを混練することを特徴とする、コンクリート施工現場におけるコンクリート製造の標準化システム。
成分(A):フライアッシュ(JIS II種)、高炉スラグ微粉末(JIS 4000)および石灰石粉末からなる群から選ばれた少なくとも1種の混和材料(1) 100重量部
成分(B):シリカフューム、フライアッシュ(JIS I種)および高炉スラグ微粉末(JIS 8000)から選ばれた少なくとも1種の混和材料(2) 5〜2000重量部
成分(C):高性能AE減水剤、安定剤からなる群から選択された少なくとも1種の化学混和剤 1〜20重量部
成分(D):水 40〜160重量部
成分(E):膨張材、収縮低減剤、早強材、防水材および高強度混和材からなる群から選択された少なくとも1種の混和材料(3) 1.5〜40重量部
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