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JP4118711B2 - POLYMER RESIN LAMINATE, MANUFACTURING METHOD THEREOF, AND VEHICLE WINDOW MATERIAL - Google Patents

POLYMER RESIN LAMINATE, MANUFACTURING METHOD THEREOF, AND VEHICLE WINDOW MATERIAL Download PDF

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JP4118711B2
JP4118711B2 JP2003058271A JP2003058271A JP4118711B2 JP 4118711 B2 JP4118711 B2 JP 4118711B2 JP 2003058271 A JP2003058271 A JP 2003058271A JP 2003058271 A JP2003058271 A JP 2003058271A JP 4118711 B2 JP4118711 B2 JP 4118711B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、表面硬度、耐磨耗性が付与された高分子樹脂積層体に関し、その中でも特に、高分子樹脂基板としてポリカーボネート樹脂基板を用いた、耐熱性、耐湿性、ならびに紫外線耐性等の耐候性能に非常に優れた高分子樹脂積層体に関するものであり、更に本高分子樹脂積層体を用いてなる各種車両用の窓材(ここで窓材とは少なくとも透視が可能であるものを示す)に関するものである。
また本高分子樹脂積層体は、各種建築物の窓材、高速道路等の透明遮音板等にも好適に用いられ、更には、各種の太陽電池パネル(多結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体、グレッチェル型湿式太陽電池等)、液晶表示装置(LCD)やプラズマディスプレー(PDP)、エレクトロルミネセンスディスプレー(EL、LED)、電気泳動ディスプレー、その他の発光素子によるディスプレー等の表面保護板もしくは基板として、もしくは各種の携帯情報端末、タッチパネル入力装置等で用いられる透明タブレットの透明電極基板等の用途にも好適に用いる事が可能である。
【0002】
【従来の技術】
高分子樹脂材料は耐衝撃性、軽量性、加工性等の特徴を生かして、多方面の用途で使用されている。特に近年、その軽量性、安全性を活かして各種車両の窓材の用途に、表面硬度や耐磨耗性を高めた高分子樹脂成形物を適用しようとする動きがある。このような用途ではガラス並の高度な耐磨耗性や屋外での耐候性が要求される。例えば自動車では、ワイパー作動時のすり傷防止やウインドウ昇降時のすり傷防止等において高いレベルの耐摩耗性が要求されるし、非常に高い温度や湿度の環境下での使用も前提にしなくてはならない。
【0003】
高分子樹脂成形物の表面硬度や耐磨耗性を改良する方法として、例えば高分子樹脂成形物の表面にアクリル樹脂層をコーティングし、さらにその上にシロキサン系の硬化被膜をコーティングする方法があり、例えばアルキルトリアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの縮合物にコロイド状シリカを添加したコーティング用組成物が記載されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
これらの例はすべて湿式コーティングにより層の積層を行っているが、最近では真空蒸着、CVD(化学気相堆積法)等の真空プロセス(乾式コーティング)により無機酸化物による層を積層する方法が提案されてきている。
【0005】
例えば、真空槽内で電子ビームによる加熱等によって酸化珪素等の材料を蒸発せしめ、蒸発粒子を真空槽内に配置した基板上に堆積させて層を積層する電子ビーム蒸着方法が提案されている。(例えば、特許文献4参照)
また電子ビーム加熱により酸化アルミニウムや酸化珪素を蒸発させ、蒸着粒子を蒸着源と基板との間の空間に発生させたプラズマを通過させ、蒸着粒子の運動エネルギーを高めてから基板上に堆積する方法(HADプロセス)が提案されている。(例えば非特許文献1、2)
【0006】
【特許文献1】
特開昭63−278979号公報
【特許文献2】
特開平1−306476号公報
【特許文献3】
特開2000−318106号公報
【特許文献4】
特開2002−127286号公報
【非特許文献1】
M.Krug、「Abrasion resistant coatings on plastic by PVD high rate deposition」、Proceedings of the 3rd−ICCG2000、p577
【非特許文献2】
鈴木 巧一 他、「表面処理技術最前線レポート▲4▼ フラウンホーファー 電子ビーム・プラズマ研究所(III)」、工業材料、Vol.49No.7 p72(2001年7月号)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記の湿式コーティングにより成膜を行ってなる高分子樹脂積層体では、シロキサンの硬化皮膜の硬度が低い為に、代替対象として考えるガラス板に対比して、耐磨耗性に劣るという欠点がある。
【0008】
また前記の真空プロセス(乾式コーティング)により無機酸化膜を成膜してなる高分子樹脂積層体では、ガラス板とほぼ同等の高い磨耗性能が得られるものの、これら無機酸化層(酸化珪素、酸化アルミニウム等)と下地となる有機物層との充分な密着性を経時的にも安定して確保する事が難しく、更に各種耐候性試験においては該界面付近での有機層の経時劣化に起因する性能不良が多く観られ、充分な耐環境性、耐候性能を得るのが難しかった。
【0009】
例えば、前記特許文献4に示した電子ビーム蒸着法(蒸着粒子へのプラズマ活性化は行われていない)では、後述の耐湿・耐水性(沸水試験)、耐候性(キセノンウエザー試験)に必ずしも充分な性能を得る事が難しかった。
【0010】
また真空槽を所定の圧力まで真空排気した後に、アルゴン等の不活性ガス、もしくは酸素、窒素等の反応性ガスをおよそ2×10-2〜6×10-1Pa前後の分圧で槽内に導入し、高周波の電磁波や電子ビーム、イオンビーム等の照射によって槽内にプラズマを発生させた状態において電子ビーム蒸着を行い、該プラズマ領域を通過する蒸着粒子に大きな運動エネルギーを付与するプラズマ活性化蒸着法に関しては、基板表面への高エネルギーイオン入射によるダメージ(具体的には基板表面の有機層の分子鎖切断、親水性官能基導入による表面吸着水の増加などが問題になる)、プラズマによる基板表面の帯電増加による蒸着膜への性能影響、プラズマに起因した基板温度の上昇といった問題があり、更に前記導入ガスによって真空圧力が増加し、気体分子の平均自由工程が短くなる事に起因して、逆に蒸着層の緻密性の低下が観られたり、高分子樹脂積層体の耐候性能や耐湿・耐熱性能等が不十分になる場合もあった。
【0011】
例えば前記例示のHADプロセスでは、前記の非特許文献1によれば、蒸着粒子へのプラズマ活性化に伴ない、蒸着中に著しい基板表面温度の上昇が観られている。このように著しい温度上昇が発生すると高分子樹脂基板の熱変形が発生しやすくなり、更には無機酸化物層と有機物との熱膨張率差に基づく大きな界面応力が生じ、諸性能を低下させるといった問題がある。
【0012】
これらの事情に鑑み、本発明者らは、これらのプラズマ活性化工程を利用することなく、電子ビーム加熱による酸化珪素の蒸発と基板上堆積という非常にシンプルなプロセスによって、ガラス板同等の耐磨耗性と高度な耐候性能を有する高分子樹脂積層体を提供することを課題とした。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願発明は次の通りである。
1.高分子樹脂基板の少なくとも一方の面に、厚みが3〜70μmの活性光線硬化層と、厚みが3.5〜12μmの酸化珪素の真空蒸着層が、この順に積層されてなる高分子樹脂積層体であって、該活性光線硬化層は、分子内もしくは単位繰り返し構造内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートの1種もしくは2種以上を混合した成分が、不揮発成分全体に対して50重量%以上を占める前駆材料に活性光線を照射して硬化してなる、最大荷重1mNの条件下でナノインデンテーション測定を行った時の硬度が0.2〜0.8GPaの範囲にあり、かつヤング率と硬度を乗じた値が1〜6(GPa)の範囲にある活性光線硬化層であって、かつ該酸化珪素の真空蒸着層は最大荷重1mNの条件下でナノインデンテーション測定を行った時のヤング率が45〜125GPaの範囲にある酸化珪素の蒸着層である事を特徴とする高分子樹脂積層体。
2.高分子樹脂基板の少なくとも一方の面に、厚みが3〜70μmの活性光線硬化層と、厚みが3.5〜12μmの酸化珪素の真空蒸着層が、この順に積層されてなる高分子樹脂積層体であって、該活性光線硬化層は、分子内もしくは単位繰り返し構造内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートの1種もしくは2種以上を混合した成分が、不揮発成分全体に対して50重量%以上を占める前駆材料に活性光線を照射して硬化してなる、最大荷重1mNの条件下でナノインデンテーション測定を行った時の硬度が0.2〜0.8GPaの範囲にあり、かつヤング率と硬度を乗じた値が1〜6(GPa)の範囲にある活性光線硬化層であって、かつ該高分子樹脂積層体の酸素透過率が0〜0.5cc/m/dayの範囲にある事を特徴とする高分子樹脂積層体。
3.酸化珪素の真空蒸着層の表面粗さ(RMS)が0〜2.5nmの範囲にある前記1もしくは2の高分子樹脂積層体。
4.酸化珪素の真空蒸着層は、電子ビーム蒸着法により形成された酸化珪素の真空蒸着層である前記1〜3の高分子樹脂積層体。
5.活性光線硬化層は、吸水率が2重量%以下である活性光線硬化層である前記1〜4の高分子樹脂積層体。
6.活性光線硬化層の前駆材料に、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランが不揮発成分全体に対して5〜30重量%の割合で混合されている前記1〜の高分子樹脂積層体。
7.活性光線硬化層の前駆材料に、ジメチルポリシロキサンの側鎖メチル基の少なくとも一部をポリアルキレンオキシ基を含む有機基で置換してなるポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンが不揮発成分全体に対して0.01〜0.3重量%の割合で混合されている前記1〜の高分子樹脂積層体。
8.活性光線硬化層の前駆材料に、紫外線吸収剤が混合され、該紫外線吸収剤は、不揮発成分全体に対する混合比率(重量%)と活性光線硬化層の厚み(μm)との積が45〜120(重量%・μm)の範囲となるような重量割合で混合されており、活性光線硬化層単独での300〜350nmの波長領域の光吸収(ABS)がいずれも2.0以上である前記1〜の高分子樹脂積層体。
9.活性光線硬化層の前駆材料に、ヒンダードアミン系の光安定剤が、不揮発成分全体に対して0.2〜4重量%の割合で混合されている前記1〜の高分子樹脂積層体。
10.活性光線硬化層が、前駆材料がコーティングされた基板周囲の雰囲気の酸素濃度が2%以下になるように不活性ガスによる置換を行った状態で、活性光線を照射し、前駆材料を硬化してなる活性光線硬化層である前記1〜の高分子樹脂積層体。
11.高分子樹脂基板の厚みが0.1〜25mmの範囲にある前記1〜10の高分子樹脂積層体。
12.酸化珪素の真空蒸着膜の表面に、フルオロアルキル基およびまたはアルキル基を有するシロキサンを縮合してなる、厚みが20nm以下で表面の水の接触角が85度以上である撥水層が形成されている前記1〜11の高分子樹脂積層体。
13.高分子樹脂基板が、ポリカーボネート樹脂による成形基板である前記1〜12の高分子樹脂積層体。
14.高分子樹脂基板として、ポリカーボネート基板の少なくとも活性光線硬化層及び酸化珪素の真空蒸着層を積層する面に、紫外線吸収剤を含むアクリル樹脂によるフィルムを積層してなる基板を用いる前記1〜13の高分子樹脂積層体。
15.酸化珪素の真空蒸着膜を、蒸着が為される領域内にある基板上の任意の一点についての垂線と、この点と蒸着源を結ぶ直線との為す角度が少なくとも30度未満となる条件で形成する前記1〜14高分子樹脂積層体
16.活性光線硬化層を、同一もしくは異なる組成の前駆材料液を用いて形成する2つの硬化層を積層して作成する前記1〜15の高分子樹脂積層体。
17.高分子樹脂基板の厚みが1〜25mmの範囲にある前記1〜16のいずれかに記載の高分子樹脂積層体を少なくとも窓材の構成要素として含む車両用窓材。
【0014】
以下において、本願発明を更に詳しく説明する。
酸化珪素の真空蒸着層は、蒸着源に二酸化珪素を用いた電子ビーム蒸着法により成膜することが好ましい。電子ビーム蒸着法は各種の乾式コーティング法の中でも成膜速度が高く、装置構造が非常に簡単であり、また成膜時の基板表面のダメージが少ない等の特徴を有し、好ましく用いられる。
【0015】
尚、蒸着源としては、化学組成的に完全な二酸化珪素でなく、酸化数が2未満である酸化珪素や、酸素と珪素以外の元素を若干含むようなものであっても用いる事は可能である。このような場合としては、原料価格の観点から純度のあまり高くない酸化珪素を用いることが好ましい場合が挙げられるが、これ以外にも、蒸着膜の色相を意図的に変化する目的や蒸着膜の脆性を改良する目的、赤外線や紫外線の吸収能および導電性を付与する目的等において、意図的に異種元素を微量混合する場合があり、こうした異種元素としてはチタン、アルミナ、ジルコニウム、鉛、セリウム、亜鉛、錫等が好ましく挙げられる。
【0016】
二酸化珪素を蒸着源とする電子ビーム蒸着法により得られる酸化珪素の蒸着層は通常、無色透明になり、酸化数(SiOxのXの値)はほぼ2であり、成膜工程での還元はほとんど受けていないと考えられるので、蒸着時に真空槽内に酸素その他の反応性ガスを外部より供給する必要は特に無いが、蒸着膜の透明性や硬度の向上、脆性の改良等の目的により、酸素や窒素、有機珪素化合物(好適な例としてテトラエトキシシラン、ヘキサジメチルシロキサン等)等のガスをわずかに真空槽内に供給した状態で酸化珪素の蒸着を行っても良い。ただし、これらのガスの導入量については、得られた蒸着膜が後述するナノインデンテーション測定によるヤング率の好適範囲を満たすように調節することが必要である。
【0017】
一般に電子ビーム蒸着における蒸着源としては、多少の気孔を内部に含む事の多い焼結体の形状よりも、気孔を殆ど含まずに成形する事が可能な溶融体の形状が好ましい。これは任意形状に溶融成形が可能であり、蒸着装置の設計自由度が非常に高まる事に加え、蒸着源を電子ビームで加熱する際の放出ガスが極めて少ない為に、蒸着条件に悪影響を与え難い為である。二酸化珪素は溶融成形が可能であり、蒸着源として好適である。
【0018】
本願発明においては、これら酸化珪素の蒸着層は、最大荷重1mNの条件下でナノインデンテーション測定を行った際のヤング率が45〜125GPa、より好ましくは50〜125GPa、更に好ましくは55〜125GPaの範囲にある事が好ましい。
【0019】
すなわちヤング率が45GPa以上の酸化珪素の蒸着層が積層された高分子樹脂積層体では、耐候性(キセノンウエザー試験)や耐湿・耐水性能(沸水試験)等が優れていた。
【0020】
一方、蒸着層のヤング率が45GPa未満の高分子樹脂積層体では、車両用窓材を初めとする目的用途に必要な耐候性能や耐湿・耐水性能を得る事は難しかった。
【0021】
尚、ヤング率の値は、二酸化珪素の溶融成形体であるガラス板のヤング率の値を上限とし、その値はおよそ125GPaである。
尚、前記条件下でナノインデンテーション測定を行った際の硬度(塑性変形硬さ)については、大きな限定はないが、好ましくは5GPa以上であると良い。これは硬度が5GPa未満の場合には、耐磨耗性能(テーバー磨耗性)が低下する場合がある為である。
【0022】
ここでナノインデンテーション測定によるヤング率が前記範囲にある蒸着層を積層した高分子樹脂積層体が優れた耐候性能、耐湿・耐水性能を示す理由については以下のように推定される。
【0023】
すなわち、一般に電子ビーム加熱による真空蒸着法において、酸化珪素の蒸着層は多くの場合、粒状の成長形態を有する事が知られている。すなわち蒸着層は粒径数10nm前後の微細な酸化珪素の粒が積み重なってなる構造を有し、この結果、これらの粒子間に非常にわずかな隙間が含まれる。
【0024】
尚、このような微細構造については、例えば、高分解の走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて、蒸着膜の断面を観察する事により、ある程度評価が可能である。
【0025】
さてナノインデンテーション測定によるヤング率が前記の好適範囲にある蒸着層は、このような酸化珪素の粒がより密度高く詰まっており、隙間が少ない構造を有している為に、ナノインデンテーション圧子による押し込みに対する反発力が大きく、変形が起こり難いと考えられる。
【0026】
このように緻密性の高い構造の蒸着層では、構造がより安定で、熱的、もしくは経時的な形状変化が少ないと考えられる。おそらくこうした構造の安定性が、前記の各種性能が優れる理由であると観られる。
【0027】
また本願発明においては、高分子樹脂積層体の酸素透過率はおよそ0〜0.5cc/m2/day、より好ましくは0〜0.3cc/m2/day、更に好ましくは0〜0.1cc/m2/dayの範囲にあることが好ましい。
【0028】
すなわち酸素透過率が前記範囲にある高分子樹脂積層体では、耐候性(キセノンウエザー試験)や耐湿・耐水性能(沸水試験)等が優れており、その値が小さいほど、性能が優れる傾向にある。
【0029】
一方、酸素透過率が0.5cc/m2/dayを超える高分子樹脂積層体では、車両用窓材を初めとする目的用途に必要な耐候性能や耐湿・耐水性能を得る事が難しい。
【0030】
すなわち高分子樹脂積層体における各種劣化や変形の要因としては、紫外線や熱等の要素に加え、積層体内部に拡散、侵入してくる酸素や水蒸気等のガスも大きく寄与していると考えられる。これらのガスの積層体内部への拡散、進入が効果的に抑制される事によって、前記の各種性能が向上すると考えられる。
【0031】
尚、本願発明の高分子樹脂積層体において、その酸素透過率の値を左右するのは、主として酸化珪素の蒸着層である。
【0032】
すなわち本願発明における高分子樹脂基板ならびに活性光線硬化層の酸素透過率は多くの場合、前記好適範囲から大きく逸脱している。例えば本実施例におけるポリカーボネート樹脂による2mm厚の成形板に活性光線硬化層を積層したサンプル(蒸着層を積層する前段階)の酸素透過率はおよそ200〜400cc/m2/dayの範囲にある。これに対して、このサンプル上に酸化珪素の蒸着層を積層した後のサンプルはいずれも0.5cc/m2/day以下の好適範囲を示す。これらの事より、本願発明に係る高分子樹脂積層体において酸素透過率の好不適を左右するのは主として蒸着層の酸素遮断性能であると言える。
【0033】
尚、酸化珪素の蒸着層の酸素透過率は一般的に水蒸気の透過率とも良い相関があると言われており、酸素透過率の小さい積層体では水蒸気透過率も小さな値を示すと考えられる。
【0034】
さて電子ビーム加熱による真空蒸着法においては、蒸着層の表面に微細な凹凸が生じる場合が多いが、本願発明においては、酸化珪素の蒸着層のこうした凹凸の程度ができる限り小さい事が好ましく、具体的には酸化珪素の蒸着層の表面粗さ(RMS)の値がおよそ0〜2.5nm、より好ましくは0〜2.0nm、更に好ましくは0〜1.5nmの範囲にある事が好ましい。
【0035】
すなわち表面粗さが前記範囲にある酸化珪素の蒸着層が積層された高分子樹脂積層体では耐候性能や耐湿・耐水性能に優れており、その値が小さいほど(0に近い程)性能が優れる傾向にある。
【0036】
一方、蒸着層の表面粗さが2.5nmを超える場合には目的用途に必要な耐候性能や耐湿・耐水性能を得る事が難しい。
【0037】
ここで表面粗さが0〜2.5nmの範囲外の蒸着層を積層した高分子樹脂積層体の耐候性能、耐湿・耐水性能が低い理由については以下の事が考えられる。すなわち、蒸着層の表面の凹凸は蒸着層の内部構造を反映したものと考えられ、凹凸の程度の大きな蒸着層においては、層を構成する粒子の中に非常に大きなサイズのものを多く含んでいる事が予想される。そのため、蒸着層と活性光線硬化層の界面における実効的な接触面積(例えば、1nm未満の距離で層が近接した場合に「実効的な接触」と考える)が大きく減少し、一般に実効的な接触面積(このような概念は学術的には「真接触面積」と呼ばれる事もある)が小さくなると、層間の密着力の低下を招く事から、前記の各種性能を低下するものと考えられる。
【0038】
さてこうした酸化珪素の蒸着層に係る好適物性を実現する為の具体的方策としては、例えば高分子樹脂基板や蒸着を行う真空槽の内壁からの蒸着中の放出ガス(主にH2Oと推定される)の量を極力減らすように工夫する事が効果的である。すなわち蒸着を開始する前に基板や真空槽内壁に吸着したガスを充分に除去する工程(以下脱ガス工程と記す)を行う事、脱ガス工程を効率的にする基板や真空槽内壁を高効率で加熱できる機構を備えておく事、また同時に蒸着装置の真空排気能力(真空ポンプの能力)をできる限り高いものにしておく事が非常に肝要である。
【0039】
より具体的には、基板をセットした真空槽(チャンバー)の到達真空圧力が、蒸着を開始する前段階で、少なくとも1×10-3Pa以下、より好ましくは5×10-4Pa以下、更に好ましくは3×10-4Pa以下になるように真空排気ならびに脱ガス工程を行う事が好ましい。
【0040】
また蒸着源と基板との位置関係に関しては、蒸着源がなるべく基板の垂直方向に近い位置になるように配置する事が好ましい。すなわち蒸着源からの蒸着流が、斜め方向から基板に入射した場合には、垂直方向から入射した場合よりも蒸着層のヤング率や硬度が低下する傾向が観られ、蒸着層の緻密性が低下するので好ましくない。
【0041】
より具体的には好ましい膜質を得る目的において、蒸着が為される領域内にある基板上の任意の一点についての垂線と、この点と蒸着源を結ぶ直線との為す角度が少なくとも30度未満、より好ましくは25度未満、更に好ましくは20度未満、最も好ましくは15度未満となるように、蒸着源と基板との位置関係を設定することが好ましい。
【0042】
また基板の面積がある程度以上大きくなっていくと、単一の蒸着源ではなく、複数個の蒸着源を異なる位置に配置する方法が好ましく用いられるが、こうした場合には基板上の各点が少なくともいずれか1つの蒸着源に対して前記の位置関係を満たすことが好ましい。
【0043】
尚、基板を一方向に搬送し、この搬送路の途中に設けた開口部の部分において蒸着が為されるように配置した方法も好ましく用いられ、特に面内の膜厚分布の低減に有効であるが、この方法では蒸着中に基板と蒸着源との位置関係が経時変化していくことに起因して、優れた膜質を得るための条件が多少厳しくなり、実際に蒸着が為される開口部の領域全域において、前記角度が15度未満であることが好ましく、より好ましくは10度未満である。
【0044】
尚、基板を把持するホルダーもしくは治具等には、電気伝導性の良いものを用い、装置外部との電気的接続が多少なりとも取れるようにしておくと好ましい場合が多い。すなわち必要に応じて、ホルダーもしくは治具等を電気的に接地(アース)したり、もしくは電圧を印加したりできるようにしておく事が好ましい。これはおそらく基板表面の帯電や、基板と蒸着源間の電位勾配等が、蒸着層の特性になんらかの影響を与える場合があるからではないかと推定される。
【0045】
さて蒸着層の膜厚についてはおよそ3.5〜12μm、より好ましくは4〜10μm、更に好ましくは4.5〜7μmの範囲にある事が好ましい。すなわち蒸着層の膜厚は耐磨耗性に大きく影響し、3.5μm未満の膜厚では後述のテーバー磨耗試験においてガラス同等レベルの耐磨耗性(磨耗輪CS−10F、荷重5N、1000回転の試験によるサンプルのヘイズ値上昇がおよそ1.2%以下)を得る事が難しい。
【0046】
また蒸着層の膜厚は厚い程、耐磨耗性が向上する傾向にあるが、膜厚の増加とともに蒸着層と基板間の界面応力が増加し、活性光線硬化層との密着性が低下する等の悪影響が現れてくる為、蒸着層の膜厚は12μm以下が好ましい。
【0047】
さて一方、本発明者らは、蒸着層の密着力を充分に確保し、かつ経時的にも安定した密着性を得る目的において、蒸着層の下地として、機械的物性が以下の特定範囲にある活性光線硬化層を用いる事が好ましい事を見い出した。
【0048】
すなわち活性光線硬化層は、最大荷重1mNの条件でのナノインデンテーション測定による硬度(塑性変形硬さ)がおよそ0.2〜0.8GPa、より好ましくは0.3〜0.6GPa、更に好ましくは0.4〜0.5GPaの範囲にあって、かつヤング率と硬度を乗じた積の値が1〜6(GPa)2、より好ましくは2〜5(GPa)2、更に好ましくは2.5〜4.5(GPa)2の範囲にある活性光線硬化層である事が好ましい。
【0049】
このような好適範囲を有する理由については、例えば以下のような推定が可能である。
【0050】
すなわち本願発明の活性光線硬化層は、蒸着層の積層や層間の熱膨張率差等によって生ずる歪を良く緩和する特性を有する事が好ましいと考えられる。活性光線硬化層の内部もしくは蒸着層との界面に蓄えられる歪のエネルギーは、硬化層のヤング率が低い程小さくなり、また硬化層の塑性変形性が大きい程(硬度が小さい程)、歪エネルギーが散逸しやすくなる。しかしながら活性光線硬化層上に蒸着粒子が衝突した際に層表面であまり大きな塑性変形が起こってしまうと、形成された高分子樹脂積層体の性能に悪影響を与える。
【0051】
すなわちこうした相反する2つの要素のバランスから、前記の好適範囲が決まるものと推定され、実際、活性光線硬化層の硬度が0.8GPaを超える場合や、ヤング率と硬度を乗じた積の値が6(GPa)2を超えるような場合には、蒸着膜の密着性が不充分になる場合が多く、時には蒸着膜が経時的に自然剥離していくような場合も観られる。
【0052】
また硬度が0.2GPa未満である場合や、ヤング率と硬度を乗じた積の値が1(GPa)2未満となる場合には、蒸着層を積層した際の高分子樹脂積層体の表面に微小な凹凸やクラック等の外観不良が発生したり、高分子樹脂積層体の耐熱性や耐湿・耐水性能が不充分になる場合が多い。
【0053】
なお、本実施例ならびに比較例では活性光線硬化層のナノインデンテーション測定は酸化珪素の蒸着層を積層する前の段階において実施したが(すなわち活性光線硬化層を積層した高分子樹脂積層体を130℃の熱風乾燥機で30分の熱処理を施した後の状態を示す)、必要によっては、蒸着層が積層された高分子樹脂積層体について、蒸着層と活性光線硬化層の界面から蒸着層を剥脱する操作を行い、同操作で表面露出した活性光線硬化層について測定を行う事が可能である。このような蒸着層の剥脱方法としては、例えば、高分子樹脂積層体に機械的に大きな曲げ変形を与え、蒸着層にクラックが生じる程度の強い圧縮応力もしくは引っ張り応力を与え、蒸着層を自然剥離させる方法が好ましく挙げられる。ここで、もし蒸着層が自然に剥離しない場合でも、応力を与えた部分の蒸着層の表面にセロテープを貼り付け、強く引き剥がす事によって、多くの場合、蒸着層のみの剥離が可能である。
【0054】
蒸着層の剥脱方法としては、この他に、急激な温度変化(熱ショック)を与えて蒸着層を自然剥離させる方法、ふっ酸等の強酸を用いて酸化珪素の蒸着層を溶解させる方法等が挙げられるが、後者の例のように化学薬品を用いる方法は、活性光線硬化層の表面状態を大きく変化させる場合があるので好ましくない。
【0055】
さて前記の機械物性に加えて、活性光線硬化層は、吸水率がおよそ0〜2%の範囲にある層であることが好ましく、より好ましくは0〜1.5%、更に好ましくは0〜1%の範囲である。すなわち吸水率が2%を超える場合には、高分子樹脂積層体の耐水性(沸水試験)が不充分になる場合が多く、更に、真空蒸着前に行う基板の脱ガス時間が増加する問題や、蒸着の最中に基板内部からの水分放出が増加して、蒸着条件を悪化させるといった問題が生じる。
【0056】
活性光線硬化層の膜厚は、3〜70μmの範囲、より好ましくは5〜60μm、更に好ましくは10〜50μmの範囲にあることが好ましい。ここで膜厚が3μm未満であると活性光線硬化時に雰囲気酸素による硬化障害の影響を受けやすくなるので好ましくない。また活性光線硬化層の膜厚が70μmを越えると、硬化収縮による内部応力が増大し、高分子樹脂基板と活性光線硬化層間の密着性が低下したり、硬化層にクラックを生じやすくなり、もしくは活性光線硬化層のコーティングにおいて表面平滑性を得るのが難しくなるので好ましくない。
【0057】
また活性光線硬化層は、高分子樹脂積層体の耐熱性(熱安定性)等の観点から、好ましくは層のガラス転移温度もしくは軟化温度が120℃以上、より好ましくは150℃以上である事が好ましい。これらは例えば示差熱分析(DSC)における吸熱ピーク(複数ピークが現れる場合には、主成分に由来するメインピークの温度)や、熱走査型の動的粘弾性の分析等によって測定が可能である。
【0058】
尚、より簡便な方法としては、ガラス板上等に活性光線硬化層を硬化、積層した試験片を作成し、試験片をヒーターで加熱しながら、活性光線硬化層の表面をガラス棒で軽く押して、層の柔軟性や粘着性(タック性)が著しく変化し始める温度を活性光線硬化層の軟化温度とする方法等を用いても良い。
【0059】
このような特性を有する活性光線硬化層としては、例えば、分子内もしくは単位繰り返し構造内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートの1種もしくは2種以上を混合した成分が、不揮発成分全体に対して50重量%以上を占める前駆材料に活性光線を照射して硬化してなる活性光線硬化層が好ましく用いられる。
【0060】
具体的には、シクロ環を含有する多官能(メタ)アクリレート(例えばジシクロペンタニルジアクリレート、ジシクロペンタニルジメタクリレート)、イソシアヌル環、シアヌル環を含有する多官能アクリレート(例えばイソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、シアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート)、2官能イソシアネートを変性してなる多官能ウレタンアクリレート(例えばヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートを変性してなるヘキサアクリレート)、1,3−ジオキサンを含有する多官能アクリレート、フタル酸を変性してなるポリエステルアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびまたはそのエチレンオキサイドおよびまたはプロピレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が好ましく挙げられるが、この他にも、前記の変性物を含めた各種の構造の多官能(メタ)アクリレートが使用可能である。
【0061】
しかしながら、これらの1種もしくは2種以上を主成分とする前駆材料を硬化されてなる活性光線硬化層のナノインデンテーション物性値が前記の好適範囲となるように選択を行う事が好ましく、更に吸水率や熱的物性についても先述の好適範囲となるように選択を行う事が好ましい。
【0062】
尚、活性光線硬化層の吸水率を低める観点から、分子内もしくは単位繰り返し構造内に、水酸基、アミノ基等の親水基を側鎖、末端に含有する事はあまり好ましくなく、脂肪鎖や脂肪環等の疎水基を適度な割合で含んでいる事が好ましい。ただし脂肪鎖の含有率は高くなりすぎると硬化層の耐熱性が低下する場合があり、好ましくない。
【0063】
また活性光線硬化層の耐熱性を高める観点、ならびに活性光線硬化時の収縮率の低減、更にキセノンウエザー試験等の長期紫外線暴露における活性光線硬化層の経時収縮や脆化の抑制の観点から、分子内もしくは単位繰り返し構造内に、シクロ環、イソシアヌル環、シアヌル環、イソホロン、1,3−ジオキサン等の構造を含む事が好ましい。尚、芳香環の含有は耐熱性の向上には好適ではあるが、あまり含有率が高いと活性光線硬化層の紫外線耐性が低下するので好ましくない。
【0064】
さて、これらの前駆材料は、必要に応じて適当な溶剤で希釈の後、高分子樹脂基板上に湿式コーティングを行い、その後、紫外線(可視光線を含んで良い)や電子線等の活性光線を適量照射する事によって層の硬化を行う。このようにして活性光線硬化層は、高分子樹脂基板上に積層される。
【0065】
またこうした活性光線硬化層の前駆材料の硬化に関しては、前駆材料がコーティングされた基板近傍の雰囲気を窒素ガス等の不活性ガスにより置換を行い、該雰囲気の酸素濃度をおよそ2%以下に減少した状態で活性光線を照射して硬化を行う方法も必要に応じて好ましく用いられる。
【0066】
このように窒素ガス等の不活性ガスによる雰囲気の置換を行った状態で、活性光線硬化層の前駆材料を活性光線により硬化させた場合には、酸素による硬化阻害が抑制される為、一般の大気雰囲気下で硬化した場合に比べて、活性光線硬化層の硬化性、特に表層付近の硬化性が向上するが、この結果として、高分子樹脂積層体の耐候性能や耐湿・耐水性能についても向上する場合が多い。
【0067】
活性光線硬化層には、必要に応じて、前駆材料の不揮発成分全体に対して50重量%未満、より好ましくは30%未満の割合で1種ないし数種の副成分を混合してもよい。
【0068】
このような副成分としては、分子内もしくは単位繰り返し構造内に含まれる官能基数が1である(メタ)アクリレート、ビニル基やアリル基を有する化合物、珪素アルコキシドを始めとする各種のアルコキシド成分、平均粒径(直径)が3〜30nmの超微粒子、光重合開始剤等の硬化剤もしくは硬化触媒、光重合開始助剤(増感剤)、レベリング剤、光吸収剤(紫外線吸収剤)、光安定剤、熱安定剤(酸化防止剤)、消泡剤、増粘剤等が挙げられる。
【0069】
副成分としては特に、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランを活性光線硬化層の前駆材料に混合する事が好ましく行われ、高分子樹脂積層体の耐候性(紫外線耐性、耐水性等)の著しい向上効果が得られる場合が多い。
【0070】
γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランの混合量は、前駆材料の不揮発成分全体に対して5〜30重量%の割合とする事が好ましい。この範囲以外の比率での混合では耐候性向上の効果が少ない。
【0071】
また副成分として、混合比率は非常に少ないが重要度が高いものが、レベリング剤である。レベリング剤は、一般に湿式コーティングにおいて、基板上に塗工された塗液のレベリング性を高める目的で混合される。本発明の高分子樹脂積層体においても、活性光線硬化層の表面平滑性を向上させる為に、レベリング剤の混合は重要であるが、それに加え、驚くべき事にレベリング剤の混合によって、積層体の耐水性が著しく向上する場合が多い。
【0072】
特にレベリング剤として、ジメチルポリシロキサンの側鎖メチル基の少なくとも一部をポリアルキレンオキシ基を含む有機基で置換してなるポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン化合物を有するレベリング剤を用いた場合に、耐水性の向上効果が高い。
【0073】
ここでポリアルキレンオキシ基としては、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等が好適である。
【0074】
この原因は定かではないが、一般にレベリング剤として用いられる化合物は、それを含んでコーティングされた層の表面近傍に偏析し、表面エネルギーを低下させる事が知られている。すなわち前記のレベリング剤を用いた場合、ポリジメチルシロキサンの側鎖メチル基が活性光線硬化層表面に高密度に存在した状態が作り出され、活性光線硬化層表面の水分吸着性が低下する事が推定される。そのため蒸着粒子の基板上への堆積がよりスムーズに行われ、密着力が向上するという可能性が考えられる。
【0075】
また表面エネルギーの低下によって、蒸着層と活性光線硬化層の界面での水分の浸透が抑制される結果、耐水性が向上するという可能性も考えられる。
【0076】
ただし側鎖メチル基の置換が全く為されていないジメチルポリシロキサンでは、活性光線硬化層の前駆材料との相溶性が非常に低い為、完全に相分離が起こる為、良好なレベリング性が得られない場合が多い。
【0077】
また側鎖メチル基をポリアルキレンオキシ基を含まない有機基により置換した場合には、ポリアルキレンオキシ基を含む有機基で置換した場合のような性能向上は見られない。
【0078】
これらポリエーテル変性ジメチルシロキサンは、不揮発成分全体に対して0.01〜0.3重量%の割合で混合される事が好ましい。0.01重量%未満では、レベリング性や耐水性の向上効果が殆ど無く、0.3重量%を超えると活性光線硬化層と蒸着膜の密着力が低下する場合があり、好ましくない。
【0079】
また副成分としては平均粒径が3〜30nm程度の二酸化珪素の微粒子や有機シリコーン重合微粒子、もしくはアクリル樹脂架橋微粒子、ジビニルベンゼンの架橋微粒子等を用いる事ができ、活性光線硬化層の硬化収縮率や熱膨張率の低減、ヤング率の増加、屈折率の調整(例えば酸化珪素の蒸着層と活性光線硬化層の屈折率ミスマッチングの低減)等の効果を得る事ができる。
【0080】
これらの微粒子は、分散性を高める観点から適当な表面処理を施す事も好ましく、例えばアクリロイル基、メタアクリロイル基、アルコキシシリコーン基を含有する有機成分等により、好ましい表面処理が可能である。
【0081】
さて紫外線吸収剤も副成分として非常に重要である。これは紫外線への長期暴露による高分子樹脂基板の経時着色や、高分子樹脂基板と活性光線硬化層の密着性の低下を抑制する目的で混合する。特に高分子樹脂基板としてポリカーボネート樹脂の成形基板を用いる場合には紫外線吸収剤を混合する必要性が高くなる。紫外線吸収剤としては、高分子樹脂基板の光劣化の原因になる300〜350nmの波長領域に大きな光吸収率を有する有機化合物もしくは無機化合物超微粒子による紫外線吸収剤が好ましく用いられ、例えばベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系等の有機化合物による紫外線吸収剤や、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機化合物の微粒子(粒径3〜30nm程度)等が好ましく用いられる。
【0082】
これらの中でも特に、分子内にベンゾトリアゾール骨格やトリアジン骨格を含む有機化合物は、上記波長領域の光吸収率が高く、かつ光化学的な安定性に優れている為、最も好ましく用いられる。
【0083】
分子内にベンゾトリアゾール骨格やトリアジン骨格を含む化合物としては、例えば、イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が好ましく挙げられる。
【0084】
この他に好適に用いる事のできる紫外線吸収剤として、前記のベンゾトリアゾール骨格やトリアジン骨格等を含む化合物とメタクリロイル基、アクリロイル基もしくはビニル基を含有する化合物を共重合してなる化合物(例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等)が挙げられる。これらは反応型紫外線吸収剤と呼ばれており、活性光線硬化層中で重合反応し固定される事から、耐久性を高める目的のために好ましく用いられる。
【0085】
このような紫外線吸収剤の混合によって、300〜350nmの波長領域の活性光線硬化層の光吸収(ABS)をいづれも2.0以上(%表示では99%以上)にすることが好ましい。
【0086】
この目的において、例えば有機化合物による紫外線吸収剤を活性光線硬化層の前駆材料に混合する場合には、不揮発成分全体に対する混合比率(重量%)と活性光線硬化層の膜厚(μm)との積が45〜120(重量%・μm)の範囲、より好ましくは55〜100(重量%・μm)の範囲、最も好ましくは65〜90(重量%・μm)の範囲となるような重量割合で混合される事が好ましい。
【0087】
この積の値が45(重量%・μm)未満では、前記波長領域での光吸収(ABS)を2.0以上とする事が難しく、120(重量%・μm)を超えると、混合した紫外線吸収剤による光吸収の影響で硬化層内部の光重合の著しい阻害が起こりやすくなるので好ましくない。
【0088】
ただし活性光線硬化層の機械的物性の確保や、蒸着層との密着力の確保という観点から、紫外線吸収剤はあまり過剰な比率で混合する事は好ましくなく、活性光線硬化層の前駆材料の不揮発成分全体に対して20重量%以下とする事が好ましい。
【0089】
尚、こうした紫外線吸収剤混合量の増加に伴う光重合の阻害や層物性の低下を抑制する観点から、活性光線硬化層を同一組成もしくは異なる組成の前駆材料を用いて形成した2層の硬化層を積層することにより作成することも好ましく行われる。この方法は活性光線硬化層に混合する紫外線吸収剤の必要量を夫々の硬化層に適当な割合で分配混合することにより1層の硬化層への混合量をより低く抑えることができ、前記目的において好適である。
【0090】
尚、このような2層の硬化層の積層を行う場合、1層目の硬化層を形成した後、2層目の硬化層をコーティングする前に、1層目の硬化層の表面処理を行うことが多くの場合、好ましい。
【0091】
これは1層目の硬化層の表面エネルギーを高め、2層目のコーティング時に塗液の濡れ性、レベリング性等を向上させることにより、2層目の硬化層において良好な塗面を得る目的である。
【0092】
このような表面処理としては、コロナ処理、UVオゾン処理、減圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理等の物理的方法や、アルカリ性水溶液中への浸漬処理(尚、アルカリ性水溶液への浸漬処理の後には純水等による水洗を十分に行う)等の化学的方法も好ましく用いられる。
【0093】
さて活性光線硬化層の前駆材料を紫外線照射により硬化させる場合には、副成分として光重合開始剤を混合する必要が出てくる。尚、電子線照射により硬化させる場合には一般に混合の必要は無い。
【0094】
光重合開始剤としては、硬化に用いる紫外線ランプの発光強度が強い波長領域であって、かつ高効率の光励起が可能なおよそ350nm以下の波長領域で光励起されやすく、化合物の開裂やラジカル発生等が起きる化合物による光重合開始剤を主に用いる事が好ましい。
【0095】
具体的には例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、ジベンゾスベロン、メチルフェニルグリオキシレート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等が例示される。
【0096】
また前述の通り、前駆材料に紫外線吸収剤が混合されている場合には、300〜350nmの波長領域の照射された紫外線は、比較的表層の付近で吸収されて層の内部まで届きにくい状況が生まれる。
【0097】
この為、例えば350nm超の波長領域(可視領域を含む)で光励起が為される化合物による光重合開始助剤(増感剤)等を適量混合する方法も好ましく用いられる。
【0098】
尚、一般に350nm超の波長領域では、350nm以下の波長領域より光励起効率が大きく低下する為に、350nm超の波長領域で光励起する光重合開始剤単独での充分な硬化は困難であるので、前述のように350nm以下の波長領域で光励起される光重合開始剤と併用する事が好ましい。
【0099】
このような重合開始助剤(増感剤)としては例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン等が例示される。
【0100】
尚、光重合開始助剤(増感剤)は、光重合開始助剤を含む光重合開始剤の全量に対し、およそ5〜30重量%の割合で混合されている事が好ましい。
【0101】
光重合開始剤の混合量については、大気雰囲気下で硬化を行う場合においては、前駆材料の不揮発成分全体に対して1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%、更に好ましくは3〜7重量%の範囲が好ましい。
【0102】
また窒素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素濃度をおよそ2%以下に減少した状態で紫外線硬化を行う場合には0.1〜1重量%の範囲での混合が好ましい。
【0103】
更に活性光線硬化層には、副成分として光安定剤や熱安定剤(酸化防止剤)の混合が好ましい場合がある。
光安定剤は、紫外線への暴露等で発生するラジカルの捕捉作用を有し、活性光線硬化層の紫外線耐性を高め、脆化を抑制するといった添加効果がある。
【0104】
具体的には、例えば各種のヒンダードアミン系光安定剤が好ましく、同骨格を有する多種の化合物が使用可能である。
【0105】
熱安定剤は、高分子樹脂の酸化防止やラジカル型の分解反応の抑制といった作用を有し、光安定剤同様に活性光線硬化層の紫外線耐性を高め、脆化を抑制するといった添加効果がある。尚、熱安定剤と光安定剤は併用する事で添加効果が増強される場合もある。
【0106】
具体的には、例えば各種のヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系(イオウ系)、リン系、ラクトン系、ビタミンE系等の熱安定剤が挙げられ、これらの中でも各種のヒンダードフェノール系、ホスファイト系の熱安定剤が特に好ましく用いられる。
【0107】
これら光安定剤およびまたは熱安定剤の混合量は、活性光線硬化層の前駆材料の不揮発成分全体に対して、およそ0.2〜4重量%、より好ましくは0.5〜2重量%である。
【0108】
混合量が0.2重量%未満では紫外線耐性向上の効果が殆ど観られず、4重量%を超えると活性光線硬化層の白化や着色を生ずる場合が観られ、好ましくない。
【0109】
尚、両者を併用する場合には、光安定剤/熱安定剤の混合比率は、およそ3:1〜1:3の範囲とする事が好ましい。
【0110】
さて活性光線硬化層の前駆材料の高分子樹脂基板へのコーティング方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、(ドクター)ナイフコート法、ダイレクトグラビヤコート法、オフセットグラビヤ法、リバースグラビヤ法、リバースロールコート法、(マイヤー)バーコート法等の方法が適用できる。
【0111】
尚、コーティングに好適な塗液粘度への調整の目的で、各種の溶剤による前駆材料の希釈も必要に応じて行われる。溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ノルマルブチルアルコール、ターシャルブチルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、ジアセトンアルコール等が例示される。
【0112】
尚、活性光線硬化層の前駆材料を塗布した高分子樹脂基板は、前駆材料中の残留溶剤の乾燥除去、レベリング性の向上、活性光線硬化層と高分子樹脂基板との間の密着性の向上等の各種目的において、活性光線の照射を行う前に一度50〜130℃に昇温することが好ましい場合が多い。
【0113】
また活性光線硬化層を高分子樹脂基板を積層した後、蒸着層を積層する前に、この積層体を該高分子樹脂基板のガラス転移温度付近の温度(好ましくはガラス転移温度より20℃程度低い温度)で熱処理を行う事が好ましい。こうした熱処理の実施により、活性光線硬化層を積層した高分子樹脂基板の残留応力が熱的に緩和されて、層の密着性の向上が観られると同時に、活性光線硬化層中に含まれる揮発性成分(主に光重合開始剤の分解物)が揮発除去され、真空蒸着時に揮発成分の真空槽への放出量が減少するといった効果があり、好ましく実施される。
【0114】
また高分子樹脂基板上に活性光線硬化層を積層するにあたっては、必要に応じて高分子樹脂基板上に各種の表面処理を施してもよい。このような表面処理としては、各種のプラズマ処理、コロナ処理、UV−オゾン処理、高圧の熱水もしくは水蒸気による表面洗浄、アルコール等による溶剤洗浄などの方法が好ましく用いられ、表面の汚染物質の除去、表面活性化による層間の密着性向上、前駆材料のレベリング性の向上等の効果を得ることができる。
【0115】
尚、活性光線硬化層上への表面処理は、その方法によっては、逆効果になる場合が多いので注意が必要である。前記各種の表面処理方法の中でも特にプラズマ処理、コロナ処理、UV−オゾン処理等については硬化層表面に親水性の官能基が導入される結果として、硬化層表面の水分の吸着量、もしくは吸着力が増加する場合が多い。
【0116】
こうした活性光線硬化層表面の吸着水は、酸化珪素の真空蒸着時に放出されて蒸着層の緻密性を低下させたり、蒸着層と活性光線硬化層の密着性を低下させるといった悪影響を与える場合が多く、好ましくない。
【0117】
これらの事から、活性光線硬化層上への表面処理方法としては、前記の高圧の熱水もしくは水蒸気による表面洗浄、もしくはアルコール等による溶剤洗浄等の比較的穏やかな方法を選択する事が好ましい。尚、こうした熱水もしくは溶剤洗浄においては、音響振動(超音波等)を液中に発生させることにより洗浄効率を高めることも好ましく行われる。
【0118】
さて活性光線硬化層や蒸着層は、高分子樹脂基板の片面もしくは両面に形成、積層されるが、両面積層の場合には必要に応じて、活性光線硬化層ならびに蒸着層の形成を両面同時に行う事も可能である。
【0119】
これらの一例を示すと、例えば活性光線硬化層のコーティングから真空蒸着層の形成まで一貫して、基板の上端を治具で把持し、吊り下げた状態で基板を搬送する事が好ましい。
【0120】
例えば、基板は、コーティング工程を行うゾーン、熱風乾燥工程を行うゾーン、活性光線による硬化工程を行うゾーン、熱処理工程を行うゾーン、そして真空蒸着装置の順に搬送される。尚、熱処理工程を行うゾーンから真空蒸着装置までの基板搬送路は、基板の吸湿を最小に抑える目的で、できる限り湿度の低い環境にすることが好ましい。
【0121】
コーティング工程では、例えば活性光線硬化層の前駆材料液のディップコーティングが行われ、熱風乾燥工程では前駆材料液中の溶剤乾燥が行われる。活性光線による硬化工程では、搬送路の両側に配置された紫外線ランプもしくは電子線発生装置等から紫外線もしくは電子線等の活性光線が基板に照射され、基板両面にコーティングされた前駆材料の硬化が行われ、熱処理工程では活性光線硬化層が積層された基板に所定の熱処理が施される。
【0122】
ここで各工程の所要時間の短縮の為に、必要に応じて、同一工程を行うゾーンを複数個、並列もしくは直列に配置する事も好ましく行われる。
【0123】
ただし熱処理工程を行うゾーンについては、複数個のゾ−ンを設ける代わりに、ゾーンを大きくする事(例えば大型の熱風乾燥機を使用しても良い)でも対応可能である。
【0124】
尚、活性光線硬化層を形成する一連の工程は、場合によっては真空装置内でも行うことができる。例えば活性光線硬化層の前駆材料液を減圧したタンク内に入れておき、タンクを多数の微細孔を設けたノズルを通して真空装置内に繋げておくと、タンクと真空装置との差圧に基づき前駆材料液が微細孔から蒸気状に噴射されるので、このノズルを基板と相対させることにより真空中で基板に前駆材料液をコーティングすることができる。
【0125】
またこれ以外でも真空装置内で加熱したタングステンワイヤー上に前駆材料液を連続的に滴下して蒸発させるいわゆるフラッシュ蒸着法等によっても、真空中で基板にコーティングすることができる。
【0126】
基板の加熱や活性光線の照射は真空装置内でも容易に行うことが可能であるので、基板を搬送しながら、前記のコーティング、基板加熱、活性光線の照射、基板加熱の工程を続けて行うような配置とすれば、真空装置内で活性光線硬化層の形成が可能となる。
【0127】
このように真空装置内で活性光線硬化層を形成した後、真空状態を破ることなく基板をそのまま真空蒸着装置に搬送すれば、基板上への層形成工程のすべてを真空装置内で行うことが可能となり、トータルの真空排気時間の著しい低減が可能で、生産性を大きく向上されることができるので、好ましい。
基板は真空蒸着装置の内部でも、同様に端部を治具で把持した状態で各部屋を順に搬送される事が好ましい。
【0128】
真空蒸着装置においては、基板を取り込んで真空排気(粗引きと中引き)を行う初期排気工程と、基板加熱を行って基板の吸着ガスを放出させる脱ガス工程、基板を冷却する冷却工程、真空蒸着を行う工程、圧力を大気圧に戻して基板を装置外部に取り出すリーク工程等が必要になる。
【0129】
これら各工程における所要時間を短縮し、工程条件を安定化させる目的で、各工程はそれぞれ独立した真空槽内で行う事が好ましい。また各工程の所要時間が大きく異なる場合には、所要時間が最も短い工程(多くの場合、真空蒸着工程が相当する)の所要時間に、この他の工程の所要時間を近づけるように、該当工程を担当する真空槽を並列に配置して処理する事が好ましい。
【0130】
尚、一つの真空槽内で2枚以上の複数枚の基板を同時に処理する事も可能であるが、工程条件の不安定性が生ずるので、より好ましくは真空槽内では1枚の基板のみを処理するようにし、同一工程を担当する真空槽を並列に数槽配置する方法が用いられる。
【0131】
又、隣接する真空槽同士はロードロック方式等を用いて、真空度を悪化させずに相互接続ができるようにしておくと良い。
【0132】
さて、このような真空槽の配置の一例を図3に示したが、これは真空蒸着工程の所要時間が最も短い場合に好適な配置の一例である。ここでは真空蒸着工程のみを1つの真空槽で行い、初期排気工程とリーク工程については並列配置した3つの真空槽で、脱ガス工程、冷却工程については並列配置3、直列配置2、計6つの真空槽を用いて処理するようにしている。尚、ここでは真空蒸着工程を行う真空槽の前後には、それぞれ冷却工程からの基板搬送、およびリーク工程への基板搬送の為の、搬送接続用の真空槽を設けている。
【0133】
真空排気系としては、油回転ポンプ(ロータリーポンプ)、メカニカルブースターポンプ、油拡散ポンプ(ディフュージョンポンプ)、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ等の各種ポンプが用いられるが、特に前記の脱ガス工程、冷却工程、蒸着工程を行う部屋には1×10-2Pa以下の圧力領域での排気能力に優れたクライオポンプやターボ分子ポンプ等が備えられている事が好ましい。
【0134】
また蒸着室内には基板の搬送路の両側にそれぞれ電子ビーム蒸着源が設けられている。蒸着源としては、例えば二酸化珪素を円柱ロッド状に溶融成形したものが好適に用いられる。このように円柱ロッド状に成形された蒸着源を用いると、ロッドを回転させながら、長さ方向に少しづつ動かす事で、電子ビームが蒸着源に当たる位置を一定に制御する事ができるので好ましい。
【0135】
蒸着は、蒸着室内の所定位置に基板を静止させた後、シャッターの開閉によって蒸着の開始、終了を制御する事ができる。また特に蒸着層の膜厚の面内均一性を高める目的で、前記のシャッターを利用せず、基板の搬送路の近傍に適当な幅の開口部を設けた仕切り板を設けておき、基板を搬送させながら蒸着を行い、開口部を基板が通過時する時のみ蒸着が為されるようにする事もできる。
【0136】
尚、こうした両面蒸着の方法に関しては、基板の搬送路の片側のみに電子ビーム蒸着源を設け、片面の蒸着を終了した後に、基板を裏表反転させる工程を行った後に、他面の蒸着を行うといった方法を用いる事も可能である。ただしこの場合、基板の反転機構を真空槽内に設ける必要があり、装置スペースや搬送機構の複雑化等の問題が生じる場合がある。
【0137】
さて高分子樹脂基板の好適な厚みは、用途によって異なるが、平均厚みはおよそ0.1〜25mmの範囲にある事が好ましい。厚みが0.1mm未満では、活性光線硬化層と蒸着層の積層プロセスにおける基板のハンドリング性に問題を生じる場合が多い為、好ましくない。また25mmを超えると基板自身の重量が増加して、軽量化の目的に反するので好ましくない。
【0138】
尚、車両や建築物の窓材等の用途では、基板の平均厚みは1〜25mmの範囲にある事が好ましい。これは厚みが1mm未満では、窓材としての力学的強度が不十分になりやすい為である。
【0139】
高分子樹脂基板の形状に関しては大きな限定はないが、平らなシート状の基板は活性光線硬化層や蒸着層の均一な厚みでのコーティングが実現しやすいので最も好ましく用いられる。
【0140】
また曲面や凹凸等の多少複雑な形状を有する成形物も用いることができるが、均一な厚みでのコーティングの実現は多少難しくなる。これらの場合、活性光線硬化層のコーティング方法は制約を受け、ディップコート法、スプレーコート法等に限定され、蒸着層についても蒸着源の配置を工夫する事などが必要になる場合が多い。
【0141】
尚、高分子樹脂基板には必要に応じて、各種の紫外線吸収剤、可視光線吸収剤(顔料、染料等)、赤外線吸収剤や、光安定剤、熱安定剤(酸化防止剤)、離形剤、帯電防止剤、難燃剤等の添加物を適量混合する事が好ましく行われ、更に場合によっては、高分子樹脂基板のヤング率を高める効果を有する無機酸化物微粒子、層状マイカ等を適量混合する事も可能である。
【0142】
高分子樹脂基板としては、例えばポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂や各種のポリオレフィン系樹脂(例えばJSR社の商品名「アートン」、日本ゼオン社の商品名「ゼオノア」)等を成形してなる高分子樹脂基板が挙げられる。
【0143】
これらの中でも特に、耐衝撃性、透明性、成形性、軽量性等の観点からポリカーボネート樹脂を成形してなる高分子樹脂基板が最も好ましく用いられ、各種車両や建築物等の窓材の用途においては特に好ましく用いられる。
尚、ここでポリカーボネートとは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸結合形成性化合物との重縮合物を意味する。
【0144】
かかる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、4,4−ジヒドロキシフェニル−1,1’−m−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ジヒドロキシフェニル−9,9−フルオレンなどのビス(4−ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−シクロヘキサン、4−[1−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル〕−1−メチルエチル]−フェノール、4,4’−〔1−メチル−4−(1−メチルエチル)−1,3−シクロヘキサンジイル〕ビスフェノール、2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビス−〔1H−インデン〕−6,6’−ジオールなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン、などのジヒドロキシジアリールスルホン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−3,3’−イサチンなどのジヒドロキシジアリールイサチン類、3,6−ジヒドロキシ−9,9−ジメチルキサンテンなどのジヒドロキシジアリールキサンテン類、レゾルシン、3−メチルレゾルシン、3−エチルレゾルシン、3−ブチルレゾルシン、3−t−ブチルレゾルシン、3−フェニルレゾルシン、3−クミルレゾルシン、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、2−エチルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノン、2−クミルヒドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニル等ジヒドロキシジフェニル類が挙げられる。
【0145】
中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0146】
炭酸結合形成性化合物としては、具体的にはホスゲンやトリクロロメチルクロロフォーメート、ビス(トリクロロメチル)カーボネートなどのホスゲン類、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネートなどのジアリールカーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート類、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネートなどのアルキルアリールカーボネート類などを挙げることができる。
【0147】
ホスゲン類を用いる場合はポリカーボネートは溶液法で製造され、カーボネート結合を有する炭酸エステル類を用いる場合は溶融法で製造される。
【0148】
炭酸エステル類の中ではジフェニルカーボネートが好ましく用いられる。また、これらの化合物は単独または組み合わせて用いることができる。
【0149】
なお、他の成分を共重合またはブレンド成分として含むものもポリカーボネートの範疇に含まれる。
【0150】
本願発明にもっとも適するものは芳香族ジヒドロキシ化合物として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用し、炭酸結合形成性化合物として、ホスゲン類やカーボネート結合を有する炭酸エステル類を使用するポリカーボネートである。
【0151】
それ以外の成分の共重合率またはブレンド率が高いとポリカーボネートの特徴が薄れるため、共重合率またはブレンド率は20重量%以下が望ましく、10重量%以下が更に望ましい。
【0152】
さて、こうしたポリカーボネートによる成形基板の少なくとも片面に、紫外線吸収剤を含み、樹脂自身の耐候性に優れるポリカーボネート以外の樹脂によるフィルムを積層してなる基板も好ましく用いられる。
【0153】
このような基板を用い、フィルムを積層した側の基板面が屋外側の面(太陽光が主に入射する面)になるように用いることにより、高分子樹脂積層体の耐候性能を更に高める事ができる。
【0154】
フィルムは、取り扱い性やラミネート適性から10〜200μm程度の厚みが好ましく、あらかじめ成形してあるポリカーボネート基板にラミネートしたり、場合によっては粘着加工を行っても良いし、共押し出し法により一体成形しても良いし、インジェクション型内でのインサート成形、もしくは二色成形によってポリカーボネートと一体化しても良い。
このような方法によると、積層したフィルム自身の紫外線照射による着色、物性劣化は極めて少ない上に、紫外線を長期にわたりほぼ100%吸収可能な量の紫外線吸収剤を混合したフィルムを用いることにより、ポリカーボネート基板には全く紫外線が入射しないので紫外線による着色や物性劣化の心配が無くなる。
【0155】
このような樹脂フィルムとしては特にアクリル系の樹脂によるフィルムが好ましく挙げられ、ポリカーボネート上に積層して一体化した樹脂基板として、例えば帝人化成の商品名「パンライトPC−8111」などが好ましく例示される。尚、こうしたアクリル樹脂のフィルムを用いた場合には、フィルムを積層した側の基板面の硬度が向上するといった効果も得ることができる。
【0156】
本願発明の高分子樹脂積層体は、その用途における必要性から、積層体の透視性が高いことが好ましい。具体的には積層体のヘーズ(曇値)は5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下、最も好ましくは1%以下である。
【0157】
高分子樹脂積層体の光透過率に関しては、一般的には高いことが望まれ、全光線透過率の値で50%以上である事が好ましく、より好ましくは70%以上、更に好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上である。
【0158】
しかしながら高分子樹脂積層体の用途によっては必ずしも高い光透過率が望まれない場合もあり、例えば、自動車の後部座席用の窓材においては太陽光線の直射による車内温度の上昇を抑える目的等において、高分子樹脂基板内に可視光の吸収剤(顔料、染料等)を混合する等の方法により、意図的に積層体の光透過率を低下させる場合には、前記の全光線透過率の好適範囲を逸脱していても構わない。
【0159】
尚、本願発明の高分子樹脂積層体の酸化珪素の蒸着層の形成面に、更に各種の機能層の積層を行う事も可能であり、高分子樹脂積層体の用途に応じて好ましく行われる。
【0160】
ただし本願発明の高分子樹脂積層体は、透明性(透視性)を特徴とするものであるので、これら機能層にも透明性(透視性)が必要とされる。
【0161】
こうした機能層の例としては、例えば多種の薄膜誘電体およびまたは金属層の積層による反射防止層、赤外線反射層(熱線遮断層)、紫外線反射層、ならびにカラーデザイン層等や、インジウム/錫酸化物、インジウム/亜鉛酸化物、酸化錫等による透明導電層、チタン酸化物等による超親水層、後述の撥水層等が挙げられ、この他に不透明な導電層を間欠パターン形成してなる電磁遮蔽層等が挙げられる。
【0162】
本願発明の用途においては、これらの中でも撥水層が特に好ましく挙げられ、酸化珪素の真空蒸着層の表面に、もしくは前記の各種機能層の最表面として積層形成する事で、表面の撥水性が高まり、また屋外使用時における各種の汚染を抑制する効果が得られる。
【0163】
具体的には、撥水層としては、例えばフルオロアルキル基およびまたはアルキル基を有するシロキサンとを有する各種の(フルオロ)アルキルシロキサンによる層が挙げられ、酸化珪素の蒸着膜と充分な結合力をもって形成する事により、積層体表面の耐磨耗性の低下、ならびに磨耗に伴なう表面撥水性の低下を抑制する事が可能である。
【0164】
撥水層では、層の表面に対する水の接触角が85度以上を示す事が好ましく、より好ましくは90度以上、更に好ましくは100度以上である。尚、ここで一般的にアルキルシリコ−ンのみで90度以上の接触角を得る事は難しく、より高い接触角を得るにはフルオロアルキルシロキサンを混合もしくは単独で使用する事が好ましい。ただし撥水層の機械的強度の観点からはアルキルシリコーン、特にアルキル基がメチル基であるアルキルシリコーンがより優れている。
【0165】
撥水層の厚みは、表面が(フルオロ)アルキルシリコーンの皮膜によって完全に覆われるのに必要な層の厚みがあれば十分であるが、これより多少厚みが増しても構わない。しかしながら撥水層の機械的強度はあまり高くなく、下地に強固に化学結合が為された部分を除いては磨耗への耐性が低い。従って、たとえ撥水層に磨耗傷が生じても傷が肉眼で気にならない程度の膜厚、すなわち20nm以下、より好ましくは10nm以下、更に好ましくは5nm以下の膜厚に形成する事が望ましい。
【0166】
(フルオロ)アルキルシロキサンによる撥水層の形成方法としては、例えば、(フルオロ)アルキルシロキサン、もしくは(フルオロ)アルキルシロキサンとアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを同時に真空槽内に所定のガス分圧で導入した後、真空槽内で高周波プラズマ処理を行う事によって、発生するラジカル活性種によりシロキサンを重縮合させ、基板表面に強固に化学結合した撥水層を形成する事ができる。フルオロアルキルシロキサンとしては、例えば、(ヘプタデカンフロロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)−1−トリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM7803)を好適に用いる事ができる。アルキルシロキサンとしては、メチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等を好ましく用いる事ができる。
【0167】
またこれらの(フルオロ)アルキルシロキサンの加水分解縮合物の湿式コーティングによっても同様に撥水層の形成が可能である。
【0168】
(フルオロ)アルキルシロキサンの加水分解縮合物は、公知の方法で、前記の(フルオロ)アルキルシリコーンを希塩酸や酢酸水溶液等により加水分解して作成が可能であるが、この他にフルオロアルキルシリコーン系コーティング液として市販されているものもあり(例えば信越化学工業株式会社製、KP801M、KP880等)、好ましく用いられる。
【0169】
これらの湿式コーティングにおいては、撥水層の極めて薄い膜厚を実現する為に、(フルオロ)アルキルシロキサンの加水分解縮合物を多量の溶剤で希釈し、少なくとも1重量%以下の固形分濃度にてコーティングを行う事が好ましい。
【0170】
コーティング方法としては、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、グラビヤロール等によるロールコート法等が好適に用いられるが、場合によっては、液を染み込ませた織布、不織布等を基板表面に擦りつけるといった方法を用いても構わない。
【0171】
尚、撥水層の機械強度を高めるには、シロキサン加水分解物の縮合を充分に進める事が好ましいので、コーティングの後、室温付近で溶剤の乾燥除去を介して、110〜130℃程度の温度で熱処理を施す事が好ましい。
【0172】
さて、これらの方法により作成された高分子樹脂積層体は、更に各種の加工工程(切断、孔開け、接着、粘着、組み立て等)を施す事によって、広い用途に用いる事ができる。
それらの中でも、本願発明の高分子樹脂積層体は、特に各種車両(自動車、トラック、バス、二輪車、飛行機、列車等)の窓材として非常に好適であり、従来のガラス板に比べて軽量性(燃費向上等の省エネルギー効果も有する)、安全性(耐衝撃性、割れにくさ)、デザイン性、その他に大きな優位性を有する。
【0173】
[本願発明の高分子樹脂積層体の具体的な目標性能]
さてこれまで述べてきた本願発明の高分子樹脂積層体に係る具体的な目標性能については、使用用途にもよって異なるが、後述の実施例に記載した各種試験を用いて性能を評価する場合においては、例えば、以下のような目標が挙げられる。
1.耐磨耗性能(テーバー磨耗試験)
酸化珪素の蒸着層が形成された面を磨耗輪CS−10F、1000サイクル条件で試験した場合の、サンプルのヘイズ値の増加(△H)が1.2%以下である事。
2.耐候性(スーパーキセノンウエザー試験、2000時間)
i)サンプルの着色(△b*)が3以下、より好ましくは2以下、最も好ましくは1以下である事。
ii)酸化珪素の蒸着層ならびに活性光線硬化層の層間密着性が良好(80/100以上)である事。
iii)肉眼観察において、外観の悪化(クラック、シワ、窪み、膨れ等)が少ない事。
3.耐熱性(110℃、500時間)
i)サンプルの着色(△b)が2以下、より好ましくは1以下である事。
ii)酸化珪素の蒸着層ならびに活性光線硬化層の層間密着性が良好(80/100以上)である事。
iii)肉眼観察において、外観の悪化(クラック、シワ、窪み、膨れ等)が少ない事。
4.耐湿・耐水性(沸水試験、3時間)
i)酸化珪素の蒸着層ならびに活性光線硬化層の層間密着性が良好(80/100以上)である事。
ii)肉眼観察において、外観の悪化(クラック、シワ、窪み、膨れ等)が少ない事。
5.環境サイクル性(ヒートサイクル試験)
i)酸化珪素の蒸着層ならびに活性光線硬化層の層間密着性が良好(80/100以上)である事。
ii)肉眼観察において、外観の悪化(クラック、シワ、窪み、膨れ等)が少ない事。
6.表面硬度
鉛筆硬度がF以上である事。
【0174】
【実施例】
以下に本願発明における好適な実施例について説明する。しかしながら本願発明はこれらの例に限定されるものでは決してない。
【0175】
尚、実施例および比較例における各種測定、特性評価は以下の要領にて行った。
【0176】
ここで作成したサンプルによっては、蒸着層の積層直後から蒸着層が経時的に自然剥離していくといった現象が観られ、充分に評価が行えないものがあり、これらについては蒸着膜がわずかに残存している部分で可能な範囲で評価を行った。従って、このようなサンプルでは全項目の評価は為されていない。これら評価不可であった項目に関しては、サンプルの性能評価表に☆印を記入した。
1.活性光線硬化層、蒸着層、撥水層の厚みの測定
活性光線硬化層については、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察像に基づいて層の膜厚を求めた。
【0177】
蒸着層の膜厚については、公知の光干渉法に基づいて膜厚を測定した。尚、光干渉法による膜厚の算出においては、下記5の要領で測定した波長589nmにおける蒸着膜の屈折率の値を用いた。尚、本法による膜厚測定については、専用の測定装置として例えば大塚電子株式会社製瞬間マルチ測光システム「PHOTAL」がある。
【0178】
撥水層の膜厚については、非常に極薄である為に、実際の高分子樹脂積層体のサンプル上での測定は困難であった。この為、表面清浄なシリコンウエハー上に実施例と全く同様の方法で積層した撥水層の膜厚をエリプソメトリー法により求めて、これを実施例の高分子樹脂積層体における撥水層の膜厚とほぼ等しいと考える事にした。
2.ナノインデンテーション測定
株式会社エリオニクス製のナノ・インデンテーション・テスター ENT−1100aを用いて、酸化珪素の蒸着層および活性光線硬化層のナノインデンテーション測定を行った。尚、測定位置はサンプルの中央部(対角線の交点付近)とした。
【0179】
すなわち稜間隔115度の三角錐圧子を用い、最大荷重値を均等に250分割してステップ状に押し込み荷重を増加させていき(最大荷重1m(ミリ)Nの場合には4μN/ステップとなる)、最大荷重に到達後、同様にステップ状に押し込み荷重を徐荷していく。
【0180】
測定は25℃の恒温条件下で行い、測定装置とサンプルの温度を十分に安定させた後に、最大荷重1mN、最大荷重保持時間1秒の条件で、荷重/変位曲線の測定を行い、5回の連続測定の平均値をもって測定値とした。
尚、ナノインデンテーション測定においては、測定条件によって得られるヤング率と硬度の値が相違するので注意が必要である。特に最大荷重の条件による測定値の相違は著しく大きく、多くの場合、最大荷重を大きくする程、得られるヤング率と硬度の値がともに小さくなる。
【0181】
例えば、後述の比較例1においては、最大荷重1mNの条件で測定した場合には、蒸着層のヤング率は29.6GPa、硬度(塑性変形硬さ)は4.5GPaの値が得られたが、同じサンプルを最大荷重0.1mNの条件で測定した場合には、ヤング率は42GPa、硬度(塑性変形硬さ)は8.2GPaと大きく異なる測定値となる。
【0182】
そのため本願発明においては、測定値の再現性が高いとの理由から最大荷重1mNの条件を採用した。
なお、本実施例ならびに比較例では活性光線硬化層のナノインデンテーション測定は酸化珪素の蒸着層を積層する前の段階において実施した。(すなわち活性光線硬化層を積層した高分子樹脂積層体を130℃の熱風乾燥機で30分の熱処理を施した後の状態を示す)
またナノインデンテーションの測定においては、圧子の先端摩耗等によって測定データの誤差を生じる場合があるので、各サンプルの測定を行う前には、まず市販のシリコンウエハの測定を行い、最大荷重1mNの条件下でシリコンウエハを押し込んだ時の最大変位の値が55nm±3nmの範囲内にあることを確認した後に、サンプルの測定を行う事とした。尚、最大変位の値がこの範囲を逸脱した場合には、新しい圧子に交換を行うものとした。
【0183】
尚、参考の為、別表2には、1.1mm厚の市販の板ガラスならびに0.4mm厚のポリカーボネートの成形シート(帝人化成「パンライトPC−1151」)を前記測定条件にて測定した結果を併記した。
3.表面粗さの測定
デジタルインスツルメント社製の原子力間顕微鏡(ナノスコープIIIa D3100)を用い、蒸着膜表面の1μm角の領域の凹凸像の測定を行った。すなわち全測定点の高さ情報(Z座標)から、次式(1)に基づいて表面粗さ(RMS)を求めた。
【0184】
RMS={Σ(Zi−Zave)2/N}1/2 ・・・(1)
ここで、Ziは測定点の高さ座標(Z座標)、Zaveは平均化された平面の高さ座標(Z座標)であり、測定点と平均化平面との高さの差の二乗値を全測定点について足し合わせた総計を測定点の総数Nで割り、その平方根を取ったものがRMS値となる。
【0185】
ここで測定点の総数Nは、N=256×256=65536とした。
【0186】
尚、測定は蒸着膜表面の異なる5個所について行い、各部の凹凸像から求めた表面粗さの平均値をもって、蒸着膜の表面粗さ(RMS)の値とした。
4.酸素透過率
MOCON社製の酸素透過率測定システム「OX−TRAN 2/20」を用い、40℃、90%RHの条件でサンプルの酸素透過率の測定を行った。
【0187】
測定には、所定の大きさ(およそ10cm角)のサンプルもしくはその大きさに切断したサンプルを用い、酸化珪素の蒸着層が積層された面が、測定セルに接するような向きでOリングを介して、測定セルにサンプルを治具で固定した。
【0188】
酸素透過率の測定はおよそ1時間に1回の割合で約15時間に渡って行い、測定値が次第に減少していき、ほぼ一定の値に収束していく場合には、その収束する値をもってサンプルの酸素透過率の値とした。また測定値が測定時間内に減少と増加を繰り返す不安定性を有する場合には、測定開始後5〜15時間の測定データの平均値をもって高分子樹脂積層体サンプルの酸素透過率の値とした。
5.蒸着層の屈折率の測定
アタゴ製多波長アッベ屈折計DR−M2を用い、蒸着層の積層された面を検光子側のガラス面と、ブロモナフタレンの液膜を介して密着させた後に、サンプルの端面から測定光を入射させて測定を行った。尚、測定波長は589nmとした。
6.活性光線硬化層の吸水率の測定
ガラス板上に直接活性光線硬化層を形成した後に、刃物等を用いてガラス板上から硬化層を膜片状もしくは粉上に約1g前後の量のサンプルをかきとり、このサンプルを膜中の揮発性物質を揮発除去するために真空乾燥機で100℃で2時間の熱乾燥を行い、サンプルを真空乾燥機から取り出した直後にその重量(ア)を正確に秤量した。次にサンプルを30℃、95%RHの恒温恒湿槽内に48時間保持して充分に吸湿させ、サンプルを恒温恒湿槽から取り出した直後にその重量(イ)を正確に秤量した。そして活性光線硬化層の吸水率(%)を{(イ)−(ア)}/(ア)×100の値として求めた。上記測定は5回繰り返して行い、これらの測定値の平均値を採用した。
尚、ここでサンプル重量の秤量には、最小単位1mg以下で正確な秤量が可能な天秤を用いた。
7.活性光線硬化層の光吸収(紫外線吸収)の測定
日立製作所製の分光光度計U−3500を用い、活性光線硬化層の各サンプルの300〜350nmの波長領域の光吸収(ABS)を測定した。
ここで測定に用いた活性光線硬化層のサンプルの作成法は以下の通りである。
ポリビニルアルコール(和光純薬工業、平均重合度2000)を1重量%濃度で、水とノルマルプロパノールの3:1の混合溶剤に溶解した液を、メッシュ#10のバーコーターを用いて、0.5mm厚のポリカーボネートシート(帝人化成、パンライト「PC−1151」)の片面にコーティングし、室温で15分乾燥後、120℃で15分熱乾燥して、ポリビニルアルコールの層が片面に積層されたポリカーボネートシートを準備した。
【0189】
次にこのシートのポリビニルアルコール層が積層された面に、実施例記載と同じ膜厚で活性光線硬化層を積層し、活性光線硬化層上から所望の形状にナイフで切れ目を入れた後に、端部からセロテープ等で引き剥がす等の操作により、活性光線硬化層のみ単独で剥離した。
8.鉛筆硬度の測定
日本工業規格K5400に記載されている鉛筆硬度測定法に準拠して測定を行った。尚、サンプルの傷付きの有無の判定は、前記規格に準拠して測定者の肉眼にて行うが、傷つきの判定が微妙となる場合には、傷(凹部)の深さを市販の触針式表面粗さ計により測定し、異なる5個所で測定した深さの平均値が0.2μm以上である場合に「傷が発生した」と判定することとした。
9.テーバー摩耗性の測定
ASTM D1044に基づいて測定を行った。すなわちテーバー摩耗試験機(東洋精機(株)製)を用い、Calibrase社製CS−10FおよびCS−10の摩耗輪を使用し、試験荷重を4.9Nとした。また試験回転数については、CS−10Fの磨耗輪で1000サイクルと2000サイクルの試験を、CS−10の磨耗輪で1000サイクルの試験を行った。
【0190】
ここでCS−10FならびにCS−10の磨耗輪については、粒径20〜50μm前後の微粒子(無機微粒子)がゴムの中に所定量分散されてなる磨耗輪の硬度が日本工業規格K6301に記載されているゴム硬度測定法に準拠して測定を行った時のゴム硬度が所定の範囲(規格範囲)にある事を確認して用いた。
また上記方法によりサンプル表面(酸化珪素の蒸着層の積層されている面)の磨耗試験を行い、次式から求められるサンプルのヘーズ値の摩耗試験前後での値の差(ΔH)をもって、高分子樹脂積層体のサンプルの磨耗性能の評価を行った。
ヘーズ(H)=(拡散透過率/全光線透過率)×100 (%)
尚、この際、サンプルは、磨耗試験が為された面を光線の検出器側に向けてセッティングして測定を行った。
10.ヘーズ値および全光線透過率の測定
日本電色工業社製の測定器(商品名「COH−300A」)を用いて測定を行った。
11.密着性評価
日本工業規格K5400に記載されている碁盤目テープ試験法に準拠して、蒸着層と活性光線硬化層の層間の密着性評価を行った。
【0191】
尚、サンプルによっては、蒸着層の積層直後から蒸着層が経時的に自然剥離していくといった現象が観られ、充分に評価が行えないものがあったが、このようなサンプルについては蒸着層の密着性を0/100(自然)とサンプルの評価評価表に記載することとした。
12.外観評価
蒸着層が積層されたサンプル表面について、肉眼でよく観察し(透過光、反射光の両方により観察を行う)、以下のような各種外観欠点の発生状況を評価した。
【0192】
ここで外観欠点としては、肉眼での認識が可能なサイズと異常の程度を有する欠点を対象とし、5cm四方のサンプルの表面に、層の剥離(剥離面積がおよそ1mm2以上のもの)、クラック(長さ2mm以上のもの)、顕著なシワや表面荒れ、白化が平均1個所以上確認された場合に、それぞれ「層剥離」、「クラック」、「シワ」、「荒れ」、「白化」と、サンプルの性能評価表に記入する事とした。
【0193】
またブツ状欠点、すなわち深さもしくは高さがおよそ1μm以上の表面凹凸であって、その径がおよそ20μm以上であるような欠点(これらの欠点は肉眼で観察可能である)に関して、その発生の程度に応じて以下のA〜Fにランク付けして評価した。なお、目標値はD以上とした。
A:サンプル表面の2cm四方の面積内に観察されるブツ状欠点の数が平均1ケ未満
B:サンプル表面の2cm四方の面積内に観察されるブツ状欠点の数が平均1〜3ケ
C:サンプル表面の2cm四方の面積内に観察されるブツ状欠点の数が平均4〜9ケ
D:サンプル表面の2cm四方の面積内に観察されるブツ状欠点の数が平均10〜20ケ
E:サンプル表面の2cm四方の面積内に観察されるブツ状欠点の数が平均21〜40ケ
F:サンプル表面の2cm四方の面積内に観察されるブツ状欠点の数が平均41〜70ケ
G:サンプル表面の2cm四方の面積内に観察されるブツ状欠点の数が平均71ケ以上
13.接触角測定
協和界面化学株式会社製の接触角測定装置を用いて、測定を行った。
14.耐侯性(スーパーキセノンウエザー試験)
6cm×14cmのサイズに切断した試験サンプルを、蒸着層の積層面に試験に用いられる紫外光が直接照射されるような向きで、スーパーキセノンウエザーメータ(スガ試験機株式会社製)内部にセットし、UV照射強度180W/m2、ブラックパネル温度63℃、降雨なし(102分間)と降雨あり(18分間)からなるサイクルを何回も繰り返しながら、紫外光を連続照射する2000時間の暴露試験を行った。
【0194】
尚、本条件は、屋外暴露試験10年におよそ相当する促進試験であると考えられる。
【0195】
試験後のサンプルについては、前記要領で外観評価と密着性評価を行い、更には試験前後のサンプルの可視域の透過スペクトルを測定し、日本工業規格Z8729号に定めるLab表色系のクロマティクネス指数b*値の増加、すなわち試験前後のサンプル色差△ bの値を比較して、サンプルの着色の程度を評価した。
【0196】
ここで透過スペクトルの測定は日立製分光光度計U3500の入射角0度の積分球測定モードで行い、b値の計算には日本工業規格Z8720に規定される標準の光Cを採用し、2度視野の条件を用いた。
15.耐湿、耐水試験(沸水試験)
高分子樹脂積層体のサンプルを、マグネットスターラーにより攪拌が行われている沸騰水中(イオン交換水)に3時間、完全に浸せきした後に、室温で自然乾燥させ、前記要領で外観評価と密着性試験を行った。
16.高温環境耐久性
試験サンプルを110℃の温度にコントロールした熱風乾燥機内で500時間放置し、その後、試験サンプルを取り出して、前記要領で外観評価、密着性評価を行った。
17.環境サイクルテスト
試験サンプルを80℃で80%RH環境下に4時間、25℃で50%RH環境下に1時間、−15℃環境下に4時間、25℃で50%RH環境下に1時間放置するサイクルを1サイクルとし、このようなサイクルを20回繰り返した後で試験サンプルを取り出して、前記要領で外観評価、密着性評価を行った。尚、サイクル中の昇温、降温の温度変化のスピードはおよそ1℃/分とした。
【0197】
[実施例1]
高分子樹脂基板として、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとより合成されたポリカーボネート樹脂による厚み2mm、縦横350mm×250mmの成形板(帝人化成「パンライトPC−1111」)を用いた。
活性光線硬化層の前駆材料液は、以下の要領で作成した。
すなわち主成分の多官能アクリレートとして、シクロ環を含有するジアクリレートであるジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)90重量部とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDPE−6E」)10重量部とを混合して用い、紫外線吸収剤2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(チバスペシャリティケミカルズ「チヌビン1577FF」)1.7重量部、光重合開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカルス「IRGACURE184」)7重量部と、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.05重量部、ノルマルプロピルアルコール80重量部とを混合し、よく攪拌して、前駆材料液とした。
【0198】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記ポリカーボネート基板の片面にコーティングした後、70℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmの高圧水銀ランプにより、積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射し、厚み40μmの活性光線硬化層を積層した。
【0199】
そして更にこの基板を22cm角の大きさに切断した後に、130℃にコントロールした熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0200】
この基板を図1の模式図に示す配置で真空蒸着装置内にセッティングし、以下の条件で真空蒸着層を積層した。蒸着源と基板の中央(対角線の交点)との直線距離は約60cmであり、基板の中央が蒸着源の真上の位置にくるようにして基板の配置を行った。
【0201】
尚、基板は20cm角の空孔部を有する金属製ホルダーに、金属製クリップで端部を固定して配置した。
【0202】
すなわちこの配置においては、蒸着が為される領域(20cm角)内にある基板上の任意の一点についての垂線と、この点と蒸着源を結ぶ直線との為す角度がおよそ0〜13度の範囲になる。
【0203】
真空排気は、油回転ポンプ(ロータリーポンプ)による排気(粗引き)、メカニカルブースターポンプによる排気(中引き)、ターボ分子ポンプとクライオポンプ(併用)による排気(本引き)の順に行った。
【0204】
尚、真空排気中には、基板(基板ホルダー)上方に配置したセラミックヒーターによる基板加熱を実施し、100℃で1時間の基板加熱を行い、その後、基板を45℃まで冷却した(基板温度の測定は基板に近接配置した熱電対により行った)。冷却の後、真空槽内の圧力(以下到達真空圧力と記す)は2.9×10-4Paであった。
【0205】
蒸着源として、二酸化珪素の溶融体の破砕状粒(高純度化学研究所、SIO07GB、粒径2〜5mm)を用い、電子ビーム走査により二酸化珪素溶融体を加熱気化して、蒸着を行った。
【0206】
尚、基板上への蒸着の開始、終了は、蒸着源の真上に設けたシャッターの開閉によって行った。
【0207】
蒸着物の堆積レートをおよそ0.5μm/分で一定になるようにして、基板上に膜厚5.5μmの蒸着膜を堆積した。尚、ここで蒸着中の真空圧力(以下蒸着時真空圧力と記す)でおよそ2〜4×10-3Paの間にあった。
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0208】
[実施例2]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様な方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0209】
すなわち主成分の多官能アクリレートとしてイソシアヌル酸を含有するトリアクリレートであるイソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート(東亜合成化学「アロニックスM315」)80重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)20重量部とを混合して用い、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)2.4重量部(尚、「チヌビン384−2」には若干の溶剤が含まれているが、固形分重量として2.4重量部である。以下の実施例、比較例でも同様である)、1−メトキシ−2−プロパノール70重量部を60℃加熱下で攪拌しながら完全に溶解した。
【0210】
室温に冷却の後、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業「KBM5103」)20重量%、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)6重量部と、ポリエチレンオキシド変性ジメチルポリシロキサン(チッソ「DBE−224」)0.09重量部、イソプロピルアルコール50重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0211】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記ポリカーボネート基板の片面にコーティングした後、100℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量0.6J/cm2の紫外線を照射して、厚み40μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0212】
尚、蒸着膜の膜厚は5.3μm、到達真空圧力は2.8×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜4×10-3Paの間であった。
【0213】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0214】
[実施例3]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様な方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0215】
すなわち主成分の多官能アクリレートとして1、3−ジオキサンを含有するジアクリレート(日本化薬「KAYARAD R604」)65重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)25重量部とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬「KAYARAD DPHA」)10重量部とを混合して用い、これにγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業「KBM5103」)20重量%、紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)2.4重量部、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)6重量部と、ポリエチレンオキシド変性ジメチルポリシロキサン(チッソ「DBE−224」)0.09重量部、イソプロピルアルコール60重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0216】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、80℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み35μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0217】
尚、蒸着膜の膜厚は6.2μm、到達真空圧力は3.5×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ3〜5×10-3Paの間であった。
【0218】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0219】
[実施例4]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様な方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0220】
すなわち主成分の多官能アクリレートとして、ヘキサメチレンの脂肪鎖を含有するヘキサアクリレートであるヘキサメチレンジイソシアネート変性ウレタンヘキサアクリレート(共栄社化学「UA−306H」)60重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)40重量部とを混合して用い、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)2.8重量部、1−メトキシ−2−プロパノール100重量部を60℃加熱下で攪拌しながら完全に溶解した。
【0221】
室温に冷却の後、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業「KBM5103」)20重量%と、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)6重量部と、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.12重量部、イソプロピルアルコール50重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0222】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、100℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量0.6J/cm2の紫外線を照射して、厚み25μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0223】
尚、蒸着膜の膜厚は4.5μm、到達真空圧力は3.0×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜4×10-3Paの間であった。
【0224】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0225】
[実施例5]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様な方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0226】
すなわち主成分の多官能アクリレートとして、イソホロンを含有するヘキサアクリレートであるイソホロンジイソシアネート変性ウレタンヘキサアクリレート(共栄社化学「UA−306I」)50重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)50重量部とを混合して用い、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)2.8重量部、1−メトキシ−2−プロパノール100重量部を70℃加熱下で攪拌しながら完全に溶解した。
【0227】
室温に冷却の後、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業「KBM5103」)20重量%と、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)6重量部と、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.12重量部、イソプロピルアルコール50重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0228】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、100℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量0.6J/cm2の紫外線を照射して、厚み22μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0229】
尚、蒸着膜の膜厚は4.4μm、到達真空圧力は2.9×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜4×10-3Paの間であった。
【0230】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0231】
[実施例6]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様な方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0232】
すなわち主成分の多官能アクリレートとしてウレタン系の5官能アクリレート(根上工業「UN−9000H」)70量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)20重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬「KAYARAD TMPTA」)10重量部とを混合して用い、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)2.4重量部、1−メトキシ−2−プロパノール100重量部を60℃加熱下で攪拌しながら完全に溶解した。
【0233】
室温に冷却の後、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業「KBM5103」)20重量%と光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)6重量部と、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン製「SH28PA」)0.12重量部、イソプロピルアルコール50重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0234】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、100℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量0.9J/cm2の紫外線を照射して、厚み40μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0235】
尚、蒸着膜の膜厚は6.1μm、到達真空圧力は3.3×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ3〜5×10-3Paの間であった。
【0236】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0237】
[実施例7]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様な方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0238】
すなわち主成分の多官能アクリレートとしてポリエステルジオールからなるテトラアクリレート(東亜合成化学「アロニックスM8030」)85重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)15重量部とを混合して用い、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業「KBM5103」)20重量%、紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)2.4重量部、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)5重量部、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン製「SH28PA」)0.12重量部、1−メトキシ−2−プロパノール20重量部、イソプロピルアルコール80重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0239】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、100℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量0.9J/cm2の紫外線を照射して、厚み32μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0240】
尚、蒸着膜の膜厚は4.9μm、到達真空圧力は3.1×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜5×10-3Paの間であった。
【0241】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0242】
[実施例8]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0243】
すなわち主成分の多官能アクリレートとしてトリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートTMP−3EO−A」)80重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)20重量部とを混合して用い、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業「KBM5103」)20重量%、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)2.4重量部、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)6重量部、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン製「SH28PA」)0.12重量部、イソプロピルアルコール80重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0244】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、80℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み40μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0245】
尚、蒸着膜の膜厚は6.2μm、到達真空圧力は3.8×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ4〜6×10-3Paの間であった。
【0246】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0247】
[実施例9]
実施例8において、活性光線硬化層の前駆材料液中にヒンダードアミン系の光安定剤(旭電化工業「アデカスタブLA−82」)1.2重量部を混合した事の以外は、実施例8と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0248】
尚、蒸着膜の膜厚は6.0μm、到達真空圧力は3.9×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ4〜6×10-3Paの間であった。
【0249】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0250】
[実施例10]
実施例8において、活性光線硬化層を以下の要領で窒素ガスにより置換した雰囲気下で作成した以外は、実施例8と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0251】
すなわち実施例8の活性光線硬化層の前駆材料液の光重合開始剤の混合量を0.6重量部に減らした前駆材料液を用いて、実施例8と同様にバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、80℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥した。ついで、紫外線硬化装置内のサンプルへの紫外線照射の行われる領域に窒素を流出させて、前駆材料がコーティングされている基板近傍の酸素濃度が2%以下になるように雰囲気を置換した状態で、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み40μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0252】
尚、蒸着膜の膜厚は5.8μm、到達真空圧力は3.2×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜5×10-3Paの間であった。
【0253】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0254】
[実施例11]
活性光線硬化層の前駆材料液を以下の要領で作成し、窒素ガスにより置換した雰囲気下で活性光線硬化層を作成した以外は、実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0255】
主成分の多官能アクリレートとしてジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)50重量部とポリエステルジオールおよびウレタンジオールを原料とする2官能アクリレート(日本化薬「KAYARAD UX−8101」)50重量部を混合して用い、これと紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)2重量部、1−メトキシ−2−プロパノール50重量部を70℃の加熱下でよく混合し、室温に冷却後、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)0.5重量部、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.1重量部、イソプロピルアルコール60重量部を混合し、これらを良く攪拌して前駆材料液とした。
【0256】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、80℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥した。ついで紫外線硬化装置内のサンプルへの紫外線照射の行われる領域に窒素を流出させて、前駆材料がコーティングされている基板近傍の酸素濃度が2%以下になるように雰囲気を置換した状態で、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み35μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0257】
尚、蒸着膜の膜厚は5.8μm、到達真空圧力は3.2×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜5×10-3Paの間であった。
【0258】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0259】
[実施例12]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様な方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0260】
すなわち主成分の多官能アクリレートとしてジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)100重量部を用い、これにγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業「KBM5103」)20重量%、紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)2.4重量部、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)6重量部、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.12重量部、イソプロピルアルコール80重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0261】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、80℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み35μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0262】
尚、蒸着膜の膜厚は6.0μm、到達真空圧力は3.2×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜5×10-3Paの間であった。
【0263】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0264】
[実施例13]
実施例12において活性光線硬化層を以下の要領で窒素ガスにより置換した雰囲気下で作成した以外は、実施例12と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0265】
すなわち実施例12の活性光線硬化層の前駆材料液の光重合開始剤の混合量を0.6重量部に減らした前駆材料液を用いて、実施例9と同様にバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、80℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥した。ついで、紫外線硬化装置内のサンプルへの紫外線照射の行われる領域に窒素を流出させて、前駆材料がコーティングされている基板近傍の酸素濃度が2%以下になるように雰囲気を置換した状態で、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量0.9J/cm2の紫外線を照射して、厚み35μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0266】
尚、蒸着膜の膜厚は5.8μm、到達真空圧力は2.8×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ1〜4×10-3Paの間であった。
【0267】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0268】
[実施例14]
実施例12において、活性光線硬化層を以下の要領で電子線硬化法により作成した以外は、実施例12と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0269】
活性光線硬化層の前駆材料液は以下の要領で作成した。
【0270】
すなわち主成分の多官能アクリレートとしてジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)100重量部を用い、これにγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業「KBM5103」)20重量%、紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)3.2重量部、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.12重量部、イソプロピルアルコール80重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0271】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、80℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、ESI社製の電子線照射装置TYPE:CB250/15/180Lにより加速電圧150KV、照射線量400KGY・m/分の条件で電子線を照射して、厚み35μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0272】
尚、蒸着膜の膜厚は5.5μm、到達真空圧力は3.1×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜4×10-3Paの間であった。
【0273】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0274】
[実施例15]
活性光線硬化層を以下の要領で電子線硬化法を用いて作成した以外は、実施例1と同様な方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0275】
すなわち主成分の多官能アクリレートとしてジシクロペンタニルジメタクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP」)75重量部と、ジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)25重量部を混合して用い、これにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業「KBM503」)20重量%、紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)3.5重量部、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.12重量部、イソプロピルアルコール80重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0276】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、80℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、ESI社製の電子線照射装置TYPE:CB250/15/180Lにより加速電圧150KV、照射線量400KGY・m/分の条件で電子線を照射して、厚み32μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0277】
尚、蒸着膜の膜厚は4.8μm、到達真空圧力は2.9×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜4×10-3Paの間であった。
【0278】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0279】
[実施例16]
実施例2で作成した高分子樹脂積層体の酸化珪素による蒸着層に積層して、以下の要領で撥水層を設けた。
【0280】
すなわち実施例2で作成した高分子樹脂積層体を、高周波発信用のアンテナ、高周波電源、反応ガス導入機構を有する真空槽内に移し、フルオロアルキルシロキサンを反応ガスとする高周波プラズマ処理を行った。
【0281】
フルオロアルキルシロキサンは、2ケのガス導入調整バルブを介して真空層に配管接続されたステンレス製の真空容器内に封入し、容器を恒温槽に浸漬して温度安定させておく。
【0282】
サンプルを真空槽内にセッティングした後、1×10-3Paまで真空排気を行い、その後、(ヘプタデカンフロロ−1,2,2,2−テトラヒドロデシル)−1−トリメトキシシラン(信越化学工業「KBM−7803」)の分圧がおよそ3〜4×10-2Pa前後になるようガス導入調整バルブの開度を調節して導入し、発信周波数13.56MHz、投入電力100Wの条件にて20秒間高周波プラズマ処理を施し、フルオロアルキルシロキサンの高周波プラズマによる撥水層を積層した。
【0283】
この撥水層の膜厚はおよそ4nm前後であった。
【0284】
尚、別表2に記載した本実施例の蒸着層の物性測定値について、表面粗さ(RMS)の測定値は撥水層を形成する前の蒸着層を測定して得た値であるが、これ
以外の測定値はすべて撥水層を積層した後に測定を行って得た値である。
【0285】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0286】
[実施例17]
実施例2で作成した高分子樹脂積層体の酸化珪素による蒸着層に積層して、以下の要領で撥水層を設けた。
【0287】
すなわち実施例2で作成した高分子樹脂積層体の蒸着膜が形成された面に、まずUVオゾン処理(アイグラフィック社製OC2506タイプ)を1分間施し、その後、フルオロアルキルシロキサンの加水分解縮合物のコーティングを行った。
【0288】
フルオロアルキルシロキサンとしては、市販のコーティング液(信越化学工業「KP−801M」)をm−キシレンヘキサフロライド(アルドリッチ)により、5倍に希釈した液を用い、市販の不織布(旭化成「ベンコット」)に液を染み込ませた。
この不織布を高分子樹脂積層体の蒸着膜が形成された面に接触させながら、均一によく擦り込んで液を蒸着層上に転写し、その後、120℃で5分間熱処理を行って、フルオロアルキルシロキサンの加水分解縮合物による撥水層を積層した。
この撥水層の膜厚はおよそ6nm前後であった。
【0289】
尚、別表2に記載した本実施例の蒸着層の物性測定値について、表面粗さ(RMS)の測定値は撥水層を形成する前の蒸着層を測定して得た値であるが、これ以外の測定値はすべて撥水層を積層した後に測定を行って得た値である。
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0290】
[実施例18]
実施例1において、酸化珪素による蒸着層の膜厚を10.4μmとした以外は、実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0291】
尚、到達真空圧力は2.9×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜6×10-3Paの間であった。
【0292】
[実施例19]
基板として、厚みが4mm、大きさが300mm角のポリカーボネート成型板(帝人化成「パンライトPC−1111」)を用い、ディップコーティングにより活性光線硬化層を成型板の両面に形成した。
【0293】
活性光線硬化層の前駆材料液としては、主成分の多官能アクリレートとしてイソシアヌル酸を含有するトリアクリレートであるイソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート(東亜合成化学「アロニックスM315」)60重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)40重量部とを混合して用い、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)6重量部、1メトキシ2プロパノール20重量部を60℃加熱下で攪拌しながら完全に溶解した。
【0294】
室温に冷却の後、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)6重量部と、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.1重量部、エチルアルコール50重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0295】
横幅400mm、奥行40mm、深さ500mmのステンレス製のディップ槽を用い、成型板の一端を大型のクリップを挟んだ状態で、成型板の塗液への浸漬、引き上げを行い、ディップコーティングを行った。
【0296】
引き上げ速度は120mm/分とし、ディップコーティングの後、クリップで把持したまま室温で1分間放置し、更に120℃の熱風乾燥炉に入れて3分間の熱処理を施した。
【0297】
次に120W/cmの高圧水銀ランプを用い、積算光量1J/cm2の紫外線を成型板の両面から照射して、厚みが11μmの活性光線硬化層を両面に形成した。
【0298】
この基板の、活性光線硬化層がコーティング、形成されている部分について、実施例1と同様に22cm角に切断して130℃で30分の熱処理を施した後に真空蒸着装置にセットし、酸化珪素の蒸着層を積層した。
尚、蒸着膜の膜厚は5.3μm、到達真空圧力は2.8×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜4×10-3Paの間であった。
【0299】
引き続いて次に、この基板の表裏を裏返し、裏面にも同様に酸化珪素の蒸着を行って、基板の両面に蒸着層を積層した。後者の蒸着膜の膜厚は5.4μm、到達真空圧力は2.1×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ1〜4×10-3Paの間であった。
【0300】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0301】
尚、ここで[表2]、[表3]における値は、両面共にほぼ同じ値であるため、その平均値を示した。
【0302】
尚、この高分子樹脂積層体は厚みが4mmの基板を用いたために、酸素透過率の測定において同測定装置へのセッティングが困難であった。この為、高分子樹脂基板として厚み2mmのポリカーボネート基板(帝人化成「パンライトPC1111」)を用い、それ以外は全く前記と同様の条件で高分子樹脂積層体を作成し、酸素透過率の測定のみを行い、その値を[表2]、[表3]に記載した。
【0303】
[実施例20]
2層の積層コーティングにより活性光線硬化層を形成した。すなわち実施例19で用いた活性光線硬化層の前駆材料液を用い、実施例19と全く同じ要領でディップコーティングから紫外線照射までを実施して基板の両面に1層目の硬化層を形成した。
【0304】
次にこの基板の両面にコロナ処理を施した後、再度、前記の前駆材料液を用いて同じ要領でディップコーティングから紫外線照射までを行い、1層目の硬化層に積層して、2層目の硬化層を積層した。
【0305】
そして最後にこの基板を130℃にコントロールした熱風乾燥機内で30分の
熱処理を行い、基板上への活性光線硬化層の形成を終了した。
【0306】
この活性光線硬化層の厚みは22μmであった。
この後、基板の両面に実施例19と全く同じ要領で酸化珪素の真空蒸着膜を形成した。
【0307】
尚、ここで先に形成した蒸着膜の膜厚はそれぞれ5.3μm、到達真空圧力は3.0×10-4Pa、蒸着時真空圧力は2〜4×10-3Paの間にあった。
また後に形成した蒸着膜の膜厚は5.4μm、到達真空圧力は2.3×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ1〜4×10-3Paの間であった。
【0308】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0309】
尚、ここで[表2]、[表3]における値は、両面共にほぼ同じ値であるため、その平均値を示した。
【0310】
尚、この高分子樹脂積層体は厚みが4mmの基板を用いたために、酸素透過率の測定において同測定装置へのセッティングが困難であった。この為、高分子樹脂基板として厚み2mmのポリカーボネート基板(帝人化成「パンライトPC1111」)を用い、それ以外は全く前記と同様の条件で高分子樹脂積層体を作成し、酸素透過率の測定のみを行い、その値を[表2]、[表3]に記載した。
【0311】
[実施例21]
高分子樹脂基板として、重量比率で約1.4%の紫外線吸収剤を混合した厚み50μmのアクリル樹脂によるフィルム(鐘淵化学「サンジュレンフィルムSD005N」)を両面に熱的にラミネートしてなる厚みが5mmのポリカーボネート基板(帝人化成「パンライトPC−8111」)を用いた以外は実施例19と同じ要領で高分子樹脂積層体を作成した。
【0312】
ただし活性光線硬化層を両面に形成した後の熱処理を110℃で45分に変更した。
【0313】
この蒸着膜の膜厚は5.5μm、到達真空圧力は3.6×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜4×10-3Paの間であった。
【0314】
続いて基板の表裏を裏返し、裏側の面にも同様に酸化珪素の蒸着を行って、基板の両面に蒸着層を積層した。後者の蒸着膜の膜厚は5.6μm、到達真空圧力は2.8×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜4×10-3Paの間であった。
【0315】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0316】
尚、ここで[表2]、[表3]における値は、両面共にほぼ同じ値であるため、その平均値を示した。
【0317】
尚、この高分子樹脂積層体は厚みが5mm強の基板を用いたために、酸素透過率の測定において同測定装置へのセッティングが困難であった。この為、高分子樹脂基板として厚み2mmのポリカーボネート基板(帝人化成「パンライトPC1111」)を用い、それ以外は全く前記と同様の条件で高分子樹脂積層体を作成し、酸素透過率の測定のみを行い、その値を[表2]、[表3]に記載した。
【0318】
[比較例1]
実施例1において、酸化珪素の蒸着層を以下の方法で形成した以外は実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0319】
すなわち本例では蒸着装置の真空排気に関して、油回転ポンプ(ロータリーポンプ)による排気(粗引き)の後、油拡散ポンプ(ディフュージョンポンプ)による排気(本引き)を行った。
【0320】
実施例1と同様の配置で、基板を真空槽内にセットして真空排気を行い、圧力2×10-3Paの真空度まで到達した後、電子ビーム加熱蒸着法によって、二酸化珪素を昇華させ、前記の活性光線硬化層上に膜厚3.2μmの酸化珪素の蒸着層を積層した。
【0321】
ただし実施例1では真空排気中(蒸着前)の基板加熱を実施しているが、本例では行わなかった。
【0322】
尚、蒸着時の真空圧力は1.6〜2×10-2Paの間であり、蒸着膜の堆積レートは実施例1と同様に約0.5μm/分であった。
【0323】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0324】
[比較例2]
比較例1で、膜厚5.6μmの酸化珪素の蒸着層を積層した以外は比較例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。尚、蒸着時の真空圧力は1.5〜2×10-2Paの間であった。
【0325】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0326】
[比較例3]
実施例1において、酸化珪素の蒸着層を以下の方法で形成した以外は実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0327】
すなわち真空装置内で図2のように基板を実施例と異なる位置にセッティングし、蒸着源と基板との位置関係を実施例と異ならせた。
【0328】
ここでは蒸着源(るつぼの中央)と基板の中央(対角線の交点)との直線距離は実施例同様に約60cmであるが、基板の中央が蒸着源から見て真上の位置にはなく、斜め上の方向(仰角約36度)になるように基板を配置してある。
【0329】
すなわちこの配置においては、蒸着が為される領域(20cm角)内にある基板上の任意の一点についての垂線と、この点と蒸着源を結ぶ直線との為す角度がおよそ27〜44度の範囲になる。
【0330】
尚、蒸着層の膜厚は5.3μm、到達真空圧力は2.8×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜5×10-3Paの間であった。また蒸着物の堆積レートは約0.4μmであった。
【0331】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0332】
[比較例4]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、比較例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0333】
活性光線硬化層の前駆材料として、主成分の多官能アクリレートとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学製商品名「DPE−6A」)100重量部と、光重合開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカルス「IRGACURE184」)3重量部、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.05重量部、ノルマルプロピルアルコール80重量部とを混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0334】
この前駆材料液をバーコーターを用いて、ポリカーボネート基板の片面にコーティングした後、70℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmの高圧水銀ランプにより、積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射し、厚み5μmの活性光線硬化層を積層し、その後に130℃にコントロールされた熱風乾燥機の中で30分熱処理を施した。
【0335】
比較例1と同様に真空排気中(蒸着前)の基板加熱を実施せずに蒸着を行った。
【0336】
尚、蒸着層の膜厚は4.3μm、蒸着時の真空圧力は1.8〜2.1×10-2Paの間であり、蒸着層の堆積レートは約0.5μm/分であった。
【0337】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0338】
[比較例5]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0339】
すなわち活性光線硬化層の前駆材料として、主成分の多官能アクリレートとして平均官能基数15のウレタンアクリレート(新中村化学「U−15−HA」)80重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)20重量部とを用い、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)4重量部、1−メトキシ−2−プロパノール120重量部を70℃の加熱下で混合し、室温冷却後、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)5重量部、ポリアルキレンオキシド変性ジメチルポリシロキサン(チッソ「DBE224」)0.08重量部、イソプロピルアルコール40重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0340】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、100℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み13μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0341】
尚、蒸着膜の膜厚は4.5μm、到達真空圧力は2.9×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜4×10-3Paの間であった。
【0342】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0343】
[比較例6]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0344】
すなわち活性光線硬化層の前駆材料として、主成分の多官能アクリレートとして、ヘキサメチレンの脂肪鎖を含有するヘキサアクリレートであるヘキサメチレンジイソシアネート変性ウレタンヘキサアクリレート(共栄社化学「UA−306H」)80重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)20重量部とを混合して用い、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)3.5重量部、1−メトキシ−2−プロパノール120重量部を60℃加熱下で攪拌しながら完全に溶解する。
【0345】
室温に冷却の後、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)5重量部と、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.1重量部、イソプロピルアルコール40重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0346】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、100℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み14μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0347】
尚、蒸着膜の膜厚は4.7μm、到達真空圧力は3.0×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜4×10-3Paの間であった。
【0348】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0349】
[比較例7]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0350】
すなわち活性光線硬化層の前駆材料として、主成分の多官能アクリレートとして1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレート1,6HX−A」)80重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)20重量部とを用い、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)1.5重量部、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)7重量部と、ポリエーテル変性ジメチルジシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.1重量部、イソプロピルアルコール20重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0351】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、80℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み34μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0352】
尚、蒸着膜の膜厚は5.8μm、到達真空圧力は3.3×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ3〜6×10-3Paの間であった。
【0353】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0354】
[比較例8]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0355】
すなわち活性光線硬化層の前駆材料として、主成分の多官能アクリレートとして、ポリエステルジオールおよびウレタンジオールを原料とする2官能アクリレート(日本化薬「KAYARAD UX−8101」)80重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)20重量部とを用い、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)1.3重量部、1−メトキシ−2−プロパノール70重量部を70℃の加熱下でよく混合し、室温冷却後、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)8重量部と、ポリエーテル変性ジメチルジシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.1重量部、イソプロピルアルコール30重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0356】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、100℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み40μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0357】
尚、蒸着膜の膜厚は5.7μm、到達真空圧力は3.7×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ4〜6×10-3Paの間であった。
【0358】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0359】
[比較例9]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0360】
すなわち活性光線硬化層の前駆材料として、主成分の多官能アクリレートとして、ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成化学「アロニックス M−305」)80重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)20重量部とを用い、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)2.0重量部と、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)5重量部、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.1重量部、イソプロピルアルコール80重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0361】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、80℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み27μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0362】
尚、蒸着膜の膜厚は4.9μm、到達真空圧力は6.3×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ6〜8×10-3Paの間であった。
【0363】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0364】
[比較例10]
活性光線硬化層を以下の要領で作成した以外は、実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
【0365】
すなわち活性光線硬化層の前駆材料として、主成分の多官能アクリレートとして、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート(東亞合成化学「アロニックスM−215」)80重量部とジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学「ライトアクリレートDCP−A」)20重量部とを用い、これに紫外線吸収剤イソ−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン384−2」)1.8重量部、1−メトキシ−2−プロパノール50重量部を60℃の加熱下で混合し、室温に冷却後に、光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルス「DAROCUR1173」)5重量部と、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン(東レ・ダウシリコーン「SH28PA」)0.1重量部、イソプロピルアルコール50重量部を混合し、これらを良く攪拌して、前駆材料液とした。
【0366】
この活性光線硬化層の前駆材料液をバーコーターを用いて前記基板の片面にコーティングした後、100℃にコントロールした熱風乾燥機内で1分間乾燥し、160W/cmのメタルハライドランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み28μmの活性光線硬化層を積層し、更に130℃にコントロールされた熱風乾燥機内で30分間の熱処理を施した。
【0367】
尚、蒸着膜の膜厚は5.2μm、到達真空圧力は6.9×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ7〜9×10-3Paの間であった。
【0368】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0369】
[比較例11]
実施例1において、酸化珪素による蒸着層の膜厚を15.8μmとした以外は、実施例1と同様の方法で高分子樹脂積層体を作成した。
尚、到達真空圧力は2.8×10-4Pa、蒸着時真空圧力はおよそ2〜6×10-3Paの間であった。
【0370】
以上の方法で作成した活性光線硬化層、真空蒸着層および高分子樹脂積層体についての各種評価結果を[表1]、[表2]、[表3]に示す。
【0371】
[比較例12]
実施例19で用いた活性光線硬化層の前駆材料液中の紫外線吸収剤「チヌビン384−2」の混合量を14重量部とした以外は実施例19と全く同じ要領で活性光線硬化層の形成を行った。
【0372】
しかしながら積算光量1J/cm2の紫外線を照射しても層の表面硬化が十分は進まず、積算光量を2J/cm2と倍増した場合においても表面硬化は不十分であった。
【0373】
このため、この後の工程を行うことは困難と判断して、積層体の作成を取りやめた。
【0374】
【表1】

Figure 0004118711
【0375】
【表2】
Figure 0004118711
【0376】
【表3】
Figure 0004118711
【0377】
表1は実施例および比較例における活性光線硬化層の前駆材料における不揮発成分全体の重量を100とした場合の各成分の重量比率、ならびに活性光線硬化層の紫外線吸収性能を示す表である。
【0378】
表2は実施例および比較例における活性光線硬化層と蒸着膜の物性評価結果、ならびに高分子樹脂積層体の初期性能の評価結果を示す表である。
【0379】
表3は実施例ならびに比較例における活性光線硬化層と蒸着膜の物性評価結果、ならびに高分子樹脂積層体の各種試験後の性能評価結果を示す表である。
【0380】
【発明の効果】
ポリカーボネート等の硬度や耐磨耗性の低い樹脂成形物に対して、本願発明を適用することにより、優れた耐磨耗性、表面硬度、耐候性、耐水性を有する高分子樹脂積層体を得ることができ、各種車両や建築物の窓材や透視性を必要とする構造材、その他の幅広い用途に利用することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例における基板の真空蒸着装置内での配置を示す模式図である。
【図2】 比較例3における基板の真空蒸着装置内での配置を示す模式図である。
【図3】 本願発明の高分子樹脂積層体を連続生産する場合に好適な真空蒸着装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1. 基板
2.蒸着源
3.電子ビーム
4.基板搬送路
5A、5B、5C.初期排気工程を行う真空槽
6A,6B、6C.脱ガス工程を行う真空槽
7A、7B、7C.脱ガス工程を行う真空槽
8A、8B、8C.冷却工程を行う真空槽
9A、9B、9C.冷却工程を行う真空槽
10.冷却工程と真空蒸着工程との搬送接続用の真空槽
11.真空蒸着工程を行う真空槽
12.真空蒸着工程とリーク工程との搬送接続用の真空槽
13.リーク工程を行う真空槽
14.ヒーター
15.蒸着源
16.基板の搬送方向[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polymer resin laminate having surface hardness and wear resistance, and in particular, using a polycarbonate resin substrate as a polymer resin substrate, heat resistance, moisture resistance, weather resistance such as UV resistance, etc. The present invention relates to a polymer resin laminate excellent in performance, and further includes a window material for various vehicles using the polymer resin laminate (herein, the window material is at least transparent). It is about.
The polymer resin laminate is also suitably used for window materials for various buildings, transparent sound insulation boards for highways, etc., and various solar cell panels (polycrystalline silicon, amorphous silicon, compound semiconductors, As a surface protective plate or substrate for liquid crystal display (LCD), plasma display (PDP), electroluminescence display (EL, LED), electrophoretic display, display by other light emitting elements, etc. Or it can be used suitably also for uses, such as a transparent electrode substrate of a transparent tablet used with various personal digital assistants, touch panel input devices, etc.
[0002]
[Prior art]
Polymer resin materials are used in a variety of applications, taking advantage of characteristics such as impact resistance, light weight, and workability. In particular, in recent years, there has been a movement to apply a polymer resin molded article having improved surface hardness and wear resistance to the use of window materials for various vehicles utilizing its light weight and safety. In such applications, high abrasion resistance comparable to glass and weather resistance outdoors are required. For example, in automobiles, a high level of wear resistance is required to prevent scratches when the wiper is activated and scratches when the window is raised and lowered, and it is not assumed to be used in extremely high temperature and humidity environments. Must not.
[0003]
As a method for improving the surface hardness and wear resistance of a polymer resin molded product, for example, there is a method of coating an acrylic resin layer on the surface of the polymer resin molded product and further coating a siloxane-based cured film thereon. For example, a coating composition is described in which colloidal silica is added to a condensate of alkyltrialkoxysilane and tetraalkoxysilane (see, for example, Patent Documents 1 to 3).
[0004]
In all these examples, layers are deposited by wet coating, but recently, a method of depositing layers of inorganic oxides by vacuum processes (dry coating) such as vacuum deposition and CVD (chemical vapor deposition) has been proposed. Has been.
[0005]
For example, there has been proposed an electron beam evaporation method in which a material such as silicon oxide is evaporated by heating with an electron beam in a vacuum chamber, and evaporated particles are deposited on a substrate disposed in the vacuum chamber to stack layers. (For example, see Patent Document 4)
A method of evaporating aluminum oxide or silicon oxide by electron beam heating, passing plasma generated in the space between the deposition source and the substrate, increasing the kinetic energy of the deposited particles, and then depositing on the substrate (HAD process) has been proposed. (For example, non-patent documents 1 and 2)
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Unexamined Patent Publication No. Sho 63-27879
[Patent Document 2]
JP-A-1-306476
[Patent Document 3]
JP 2000-318106 A
[Patent Document 4]
JP 2002-127286 A
[Non-Patent Document 1]
M.M. Krug, “Abrasion resisting coatings on plastic by PVD high rate deposition”, Proceedings of the 3rd-ICCG2000, p577
[Non-Patent Document 2]
Takuichi Suzuki et al., “Surface Treatment Technology Forefront Report (4) Fraunhofer Electron Beam Plasma Laboratory (III)”, Industrial Materials, Vol. 49No. 7 p72 (July 2001 issue)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the polymer resin laminate formed by the above-described wet coating has a disadvantage that it is inferior in wear resistance compared to a glass plate considered as an alternative object because the hardness of the cured film of siloxane is low. is there.
[0008]
In addition, the polymer resin laminate formed by forming an inorganic oxide film by the vacuum process (dry coating) can provide high wear performance almost equivalent to that of a glass plate, but these inorganic oxide layers (silicon oxide, aluminum oxide) Etc.) and the underlying organic material layer is difficult to ensure in a stable manner over time, and in various weather resistance tests, poor performance due to deterioration of the organic layer near the interface over time It was difficult to obtain sufficient environmental resistance and weather resistance.
[0009]
For example, the electron beam vapor deposition method described in Patent Document 4 (plasma activation to vapor deposition particles is not performed) is not necessarily sufficient for moisture resistance / water resistance (boiling water test) and weather resistance (xenon weather test) described later. It was difficult to get a good performance.
[0010]
Further, after the vacuum chamber is evacuated to a predetermined pressure, an inert gas such as argon or a reactive gas such as oxygen or nitrogen is supplied at about 2 × 10. -2 ~ 6 × 10 -1 Introduced into the tank at a partial pressure of around Pa, and electron beam deposition was performed in a state where plasma was generated in the tank by irradiation with high-frequency electromagnetic waves, electron beams, ion beams, etc., and deposited particles passing through the plasma region Regarding plasma activated vapor deposition that gives large kinetic energy, damage caused by high-energy ion incidence on the substrate surface (specifically, molecular chain scission of the organic layer on the substrate surface, increase in surface adsorbed water by introduction of hydrophilic functional groups) Etc.), there are problems such as the effect on the deposited film due to increased charging of the substrate surface due to plasma, and the increase in the substrate temperature due to plasma, and the vacuum pressure increases due to the introduced gas, and the average of gas molecules Conversely, due to the shortening of the free process, a decrease in the denseness of the deposited layer is observed, and the weather resistance, moisture resistance and heat resistance of the polymer resin laminate Etc. there is also a case to be insufficient.
[0011]
For example, in the exemplified HAD process, according to Non-Patent Document 1, a significant increase in the substrate surface temperature is observed during the vapor deposition due to the plasma activation of the vapor deposition particles. When such a significant temperature rise occurs, thermal deformation of the polymer resin substrate is likely to occur, and furthermore, a large interfacial stress is generated based on the difference in thermal expansion coefficient between the inorganic oxide layer and the organic substance, thereby reducing various performances. There's a problem.
[0012]
In view of these circumstances, the present inventors do not use these plasma activation steps, and use a very simple process of evaporating silicon oxide by electron beam heating and depositing on the substrate, so that the glass plate has the same abrasion resistance. It was an object to provide a polymer resin laminate having wear and high weather resistance.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention is as follows.
1. A polymer resin laminate in which an actinic ray curable layer having a thickness of 3 to 70 μm and a silicon oxide vacuum deposition layer having a thickness of 3.5 to 12 μm are laminated in this order on at least one surface of the polymer resin substrate. And the actinic ray curable layer is In addition, a component in which one or two or more polyfunctional (meth) acrylates having two or more (meth) acryloyl groups in a molecule or a unit repeating structure are mixed is 50% by weight or more based on the whole nonvolatile component The precursor material that occupies is cured by irradiating actinic rays, Hardness when nanoindentation measurement is performed under the condition of maximum load of 1 mN is in a range of 0.2 to 0.8 GPa, and a value obtained by multiplying Young's modulus and hardness is 1 to 6 (GPa) 2 And the silicon oxide vacuum-deposited layer is made of silicon oxide having a Young's modulus in the range of 45 to 125 GPa when nanoindentation measurement is performed under conditions of a maximum load of 1 mN. A polymer resin laminate characterized by being a vapor deposition layer.
2. A polymer resin laminate in which an actinic ray curable layer having a thickness of 3 to 70 μm and a silicon oxide vacuum deposition layer having a thickness of 3.5 to 12 μm are laminated in this order on at least one surface of the polymer resin substrate. And the actinic ray curable layer is In addition, a component in which one or two or more polyfunctional (meth) acrylates having two or more (meth) acryloyl groups in a molecule or a unit repeating structure are mixed is 50% by weight or more based on the whole nonvolatile component The precursor material that occupies is cured by irradiating actinic rays, Hardness when nanoindentation measurement is performed under the condition of maximum load of 1 mN is in a range of 0.2 to 0.8 GPa, and a value obtained by multiplying Young's modulus and hardness is 1 to 6 (GPa) 2 And the oxygen permeability of the polymer resin laminate is 0 to 0.5 cc / m. 2 A polymer resin laminate characterized by being in the range of / day.
3. 3. The polymer resin laminate according to 1 or 2, wherein the surface roughness (RMS) of the vacuum-deposited layer of silicon oxide is in the range of 0 to 2.5 nm.
4). 3. The polymer resin laminate according to 1 to 3, wherein the silicon oxide vacuum deposition layer is a silicon oxide vacuum deposition layer formed by an electron beam deposition method.
5. 4. The polymer resin laminate according to 1 to 4, wherein the actinic ray curable layer is an actinic ray curable layer having a water absorption of 2% by weight or less.
6). In the precursor material of the actinic ray curable layer, γ- (meth) acryloxypropyltrimethoxysilane is mixed in a proportion of 5 to 30% by weight with respect to the whole nonvolatile component. 5 Polymer resin laminate.
7). A polyether-modified dimethylpolysiloxane obtained by substituting at least a part of the side chain methyl groups of dimethylpolysiloxane with an organic group containing a polyalkyleneoxy group is used as a precursor material of the actinic radiation-cured layer with respect to the entire nonvolatile component. 1 to 3 mixed at a ratio of 01 to 0.3% by weight 6 Polymer resin laminate.
8). The precursor of the actinic radiation curable layer is mixed with an ultraviolet absorber, and the ultraviolet absorber has a product of the mixing ratio (% by weight) with respect to the entire nonvolatile components and the thickness (μm) of the actinic radiation curable layer of 45 to 120 ( 1% in which the light absorption (ABS) in the wavelength region of 300 to 350 nm of the actinic ray cured layer alone is 2.0 or more. 7 Polymer resin laminate.
9. The above-mentioned 1 to 3, wherein a hindered amine light stabilizer is mixed in the precursor of the actinic ray curable layer in a proportion of 0.2 to 4% by weight with respect to the whole nonvolatile component. 8 Polymer resin laminate.
10. The actinic ray curing layer is irradiated with actinic rays in a state where the oxygen concentration in the atmosphere around the substrate coated with the precursor material is reduced to 2% or less, and the precursor material is cured. 1 to 3 which are actinic ray curable layers 9 Polymer resin laminate.
11. The above-mentioned 1 through which the thickness of the polymer resin substrate is in the range of 0.1 to 25 mm. 10 Polymer resin laminate.
12 A water repellent layer having a thickness of 20 nm or less and a surface water contact angle of 85 degrees or more formed by condensing a fluoroalkyl group and / or a siloxane having an alkyl group is formed on the surface of a vacuum deposited film of silicon oxide. 1 to 11 Polymer resin laminate.
13. The above 1 to 3, wherein the polymer resin substrate is a molded substrate made of polycarbonate resin. 12 Polymer resin laminate.
14 As the polymer resin substrate, a substrate obtained by laminating a film made of an acrylic resin containing an ultraviolet absorber on a surface of a polycarbonate substrate on which at least an actinic ray curable layer and a silicon oxide vacuum deposition layer are laminated is used. 13 Polymer resin laminate.
15. A vacuum-deposited film of silicon oxide is formed under the condition that the angle formed by a perpendicular line to an arbitrary point on the substrate in the region where vapor deposition is performed and a straight line connecting this point and the vapor deposition source is less than 30 degrees. 1 to 14 of Polymer resin laminate .
16. The polymer resin laminate according to any one of 1 to 15 above, wherein the actinic ray cured layer is formed by laminating two cured layers formed by using precursor material liquids having the same or different compositions.
17. The above-mentioned 1 to 3 wherein the thickness of the polymer resin substrate is in the range of 1 to 25 mm. 16 A vehicle window material comprising the polymer resin laminate according to any one of the above as at least a component of the window material.
[0014]
In the following, the present invention will be described in more detail.
The vacuum deposited layer of silicon oxide is preferably formed by an electron beam deposition method using silicon dioxide as a deposition source. Among various dry coating methods, the electron beam evaporation method is preferably used because it has characteristics such as a high film formation speed, a very simple apparatus structure, and little damage to the substrate surface during film formation.
[0015]
As a vapor deposition source, it is possible to use not only silicon dioxide having a perfect chemical composition but also silicon oxide having an oxidation number of less than 2 or a material that contains some elements other than oxygen and silicon. is there. In such a case, it is preferable to use silicon oxide having a low purity from the viewpoint of the raw material price. In addition to this, the purpose of intentionally changing the hue of the deposited film and the deposition film For the purpose of improving brittleness, the purpose of imparting infrared and ultraviolet absorption ability and conductivity, and the like, there are cases where a minute amount of different elements are intentionally mixed, such as titanium, alumina, zirconium, lead, cerium, Preferred examples include zinc and tin.
[0016]
The deposited layer of silicon oxide obtained by the electron beam deposition method using silicon dioxide as the deposition source is usually colorless and transparent, the oxidation number (X value of SiOx) is almost 2, and the reduction in the film forming process is almost no. There is no need to supply oxygen or other reactive gas from the outside into the vacuum chamber at the time of vapor deposition because it is not received, but for the purpose of improving the transparency and hardness of the deposited film, improving brittleness, etc. Alternatively, silicon oxide may be deposited in a state where a gas such as nitrogen, an organic silicon compound (tetraethoxysilane, hexadimethylsiloxane, or the like as a suitable example) is slightly supplied into the vacuum chamber. However, the amount of these gases to be introduced needs to be adjusted so that the obtained deposited film satisfies a suitable range of Young's modulus by nanoindentation measurement described later.
[0017]
In general, as a vapor deposition source in electron beam vapor deposition, the shape of a melt that can be formed with few pores is preferable to the shape of a sintered body that often contains some pores. This can be melt-formed into an arbitrary shape, and in addition to greatly increasing the degree of freedom in designing the vapor deposition device, it has an adverse effect on the vapor deposition conditions because the amount of gas emitted when heating the vapor deposition source with an electron beam is extremely small. Because it is difficult. Silicon dioxide can be melt-molded and is suitable as a deposition source.
[0018]
In the present invention, these silicon oxide vapor-deposited layers have a Young's modulus of 45 to 125 GPa, more preferably 50 to 125 GPa, and still more preferably 55 to 125 GPa when nanoindentation measurement is performed under conditions of a maximum load of 1 mN. It is preferable to be in the range.
[0019]
That is, the polymer resin laminate in which the deposited layers of silicon oxide having a Young's modulus of 45 GPa or more were excellent in weather resistance (xenon weather test), moisture resistance / water resistance performance (boiling water test), and the like.
[0020]
On the other hand, in the polymer resin laminate having a Young's modulus of the vapor deposition layer of less than 45 GPa, it has been difficult to obtain the weather resistance, moisture resistance, and water resistance required for the intended use including vehicle window materials.
[0021]
The value of Young's modulus is up to the value of Young's modulus of a glass plate that is a melt-formed body of silicon dioxide, and the value is approximately 125 GPa.
In addition, although there is no big limitation about the hardness (plastic deformation hardness) at the time of performing nanoindentation measurement on the said conditions, Preferably it is 5 GPa or more. This is because when the hardness is less than 5 GPa, the wear resistance (Taber wear) may be lowered.
[0022]
Here, the reason why the polymer resin laminate obtained by laminating the vapor deposition layer having the Young's modulus in the above range by nanoindentation measurement shows excellent weather resistance, moisture resistance and water resistance performance is estimated as follows.
[0023]
That is, in general, in a vacuum deposition method by electron beam heating, it is known that a deposited layer of silicon oxide often has a granular growth form. That is, the vapor deposition layer has a structure in which fine silicon oxide particles having a particle size of about several tens of nanometers are stacked, and as a result, a very small gap is included between these particles.
[0024]
Such a fine structure can be evaluated to some extent by, for example, observing the cross section of the deposited film using a high-resolution scanning electron microscope (SEM), transmission electron microscope (TEM), or the like. is there.
[0025]
The deposited layer whose Young's modulus by nanoindentation measurement is in the above-mentioned preferred range has such a structure in which such silicon oxide grains are packed with higher density and there are few gaps. Therefore, a nanoindentation indenter is used. It is thought that the repulsive force against the indentation caused by is large and the deformation hardly occurs.
[0026]
In this way, it is considered that the deposited layer having a dense structure has a more stable structure and little change in shape thermally or over time. Perhaps the stability of this structure is the reason why the various performances are excellent.
[0027]
In the present invention, the oxygen permeability of the polymer resin laminate is about 0 to 0.5 cc / m. 2 / Day, more preferably 0 to 0.3 cc / m 2 / Day, more preferably 0 to 0.1 cc / m 2 It is preferably in the range of / day.
[0028]
That is, the polymer resin laminate having the oxygen permeability in the above range has excellent weather resistance (xenon weather test), moisture resistance and water resistance performance (boiling water test), and the smaller the value, the better the performance. .
[0029]
On the other hand, the oxygen permeability is 0.5 cc / m 2 When the polymer resin laminate exceeds / day, it is difficult to obtain the weather resistance, moisture resistance, and water resistance required for the intended use including vehicle window materials.
[0030]
That is, as a cause of various deteriorations and deformations in the polymer resin laminate, it is considered that in addition to factors such as ultraviolet rays and heat, gases such as oxygen and water vapor that diffuse and penetrate into the laminate are also greatly contributed. . It is considered that the various performances are improved by effectively suppressing the diffusion and entry of these gases into the laminate.
[0031]
In the polymer resin laminate of the present invention, it is mainly a silicon oxide vapor deposition layer that influences the value of oxygen permeability.
[0032]
That is, in many cases, the oxygen permeability of the polymer resin substrate and the actinic ray-cured layer in the present invention greatly deviates from the preferred range. For example, the oxygen transmission rate of a sample obtained by laminating an actinic ray-cured layer on a 2 mm-thick molded plate made of polycarbonate resin in this example (before the deposition layer is laminated) is about 200 to 400 cc / m 2 It is in the range of / day. On the other hand, all the samples after the deposition of the silicon oxide vapor deposition layer on this sample are 0.5 cc / m. 2 The preferred range is less than / day. From these things, it can be said that it is mainly the oxygen barrier performance of the vapor deposition layer that determines the suitability of oxygen permeability in the polymer resin laminate according to the present invention.
[0033]
In addition, it is said that the oxygen transmission rate of the vapor deposition layer of silicon oxide generally has a good correlation with the water vapor transmission rate, and it is considered that the water vapor transmission rate of the laminate having a low oxygen transmission rate is also small.
[0034]
In the vacuum deposition method by electron beam heating, fine irregularities often occur on the surface of the vapor deposition layer. However, in the present invention, it is preferable that the degree of such irregularities in the vapor deposition layer of silicon oxide is as small as possible. Specifically, the surface roughness (RMS) value of the deposited layer of silicon oxide is preferably in the range of about 0 to 2.5 nm, more preferably 0 to 2.0 nm, and still more preferably 0 to 1.5 nm.
[0035]
That is, the polymer resin laminate in which the deposited layer of silicon oxide having a surface roughness in the above range is excellent in weather resistance, moisture resistance and water resistance, and the smaller the value (closer to 0), the better the performance. There is a tendency.
[0036]
On the other hand, when the surface roughness of the deposited layer exceeds 2.5 nm, it is difficult to obtain the weather resistance, moisture resistance, and water resistance required for the intended use.
[0037]
Here, the reason why the weather resistance performance, moisture resistance and water resistance performance of the polymer resin laminate in which the vapor deposition layer having a surface roughness outside the range of 0 to 2.5 nm is laminated is considered as follows. That is, the irregularities on the surface of the vapor deposition layer are considered to reflect the internal structure of the vapor deposition layer, and the vapor deposition layer with a large degree of irregularities contains many particles of very large size in the particles constituting the layer. It is expected that For this reason, the effective contact area at the interface between the vapor deposition layer and the actinic ray curable layer (for example, “effective contact” when the layers are close to each other at a distance of less than 1 nm) is greatly reduced, and effective contact is generally achieved. If the area (such a concept is academically referred to as “true contact area”) is reduced, the adhesion between the layers is reduced, and thus the various performances described above are considered to be reduced.
[0038]
As specific measures for realizing suitable physical properties of such a silicon oxide vapor deposition layer, for example, a gas released during vapor deposition (mainly H from a polymer resin substrate or an inner wall of a vacuum chamber for vapor deposition). 2 It is effective to devise so as to reduce the amount of (presumed to be O) as much as possible. In other words, before starting vapor deposition, a process that sufficiently removes the gas adsorbed on the inner wall of the substrate and the vacuum chamber (hereinafter referred to as a degassing step) is performed, and the substrate and the inner wall of the vacuum chamber are made highly efficient. It is very important to provide a mechanism capable of heating at the same time, and at the same time, to make the vacuum evacuation capability (capacity of the vacuum pump) of the vapor deposition apparatus as high as possible.
[0039]
More specifically, the ultimate vacuum pressure of the vacuum chamber (chamber) in which the substrate is set is at least 1 × 10 4 before the vapor deposition is started. -3 Pa or less, more preferably 5 × 10 -Four Pa or less, more preferably 3 × 10 -Four It is preferable to perform the evacuation and degassing step so that the pressure is less than Pa.
[0040]
Further, regarding the positional relationship between the vapor deposition source and the substrate, it is preferable that the vapor deposition source is arranged as close to the vertical direction of the substrate as possible. That is, when the vapor deposition flow from the vapor deposition source is incident on the substrate from an oblique direction, the Young's modulus and hardness of the vapor deposition layer tend to be lower than when incident from the vertical direction, and the denseness of the vapor deposition layer is reduced. This is not preferable.
[0041]
More specifically, in order to obtain a preferable film quality, an angle formed between a perpendicular line on an arbitrary point on the substrate in a region where vapor deposition is performed and a straight line connecting this point and the vapor deposition source is at least less than 30 degrees, It is preferable to set the positional relationship between the deposition source and the substrate so that it is more preferably less than 25 degrees, even more preferably less than 20 degrees, and most preferably less than 15 degrees.
[0042]
In addition, when the area of the substrate is increased to a certain extent, a method of arranging a plurality of vapor deposition sources at different positions instead of a single vapor deposition source is preferably used. It is preferable that the positional relationship is satisfied with respect to any one evaporation source.
[0043]
It is also preferable to use a method in which the substrate is transported in one direction and is deposited so that vapor deposition is performed at the opening portion provided in the middle of the transport path, which is particularly effective for reducing the in-plane film thickness distribution. However, in this method, the positional relationship between the substrate and the evaporation source changes with time during vapor deposition, and the conditions for obtaining excellent film quality become somewhat severe, and the actual vapor deposition is performed. In the entire region of the part, the angle is preferably less than 15 degrees, more preferably less than 10 degrees.
[0044]
In many cases, it is preferable to use a holder or jig for gripping the substrate that has good electrical conductivity so that it can be somewhat electrically connected to the outside of the apparatus. That is, it is preferable that the holder or the jig or the like be electrically grounded (grounded) or a voltage can be applied as necessary. It is presumed that this is probably because charging of the substrate surface, a potential gradient between the substrate and the evaporation source, or the like may have some influence on the characteristics of the evaporation layer.
[0045]
Now, it is preferable that the thickness of the deposited layer is in the range of about 3.5 to 12 μm, more preferably 4 to 10 μm, and still more preferably 4.5 to 7 μm. In other words, the film thickness of the deposited layer has a great influence on the wear resistance. When the film thickness is less than 3.5 μm, the wear resistance of the same level as glass (wear wheel CS-10F, load 5N, 1000 rotations) in the Taber abrasion test described later. It is difficult to obtain a haze value increase of the sample of about 1.2% or less by the above test.
[0046]
In addition, as the thickness of the deposited layer increases, the wear resistance tends to improve. However, as the thickness increases, the interfacial stress between the deposited layer and the substrate increases, and the adhesion between the actinic ray cured layer decreases. Therefore, the film thickness of the vapor deposition layer is preferably 12 μm or less.
[0047]
On the other hand, the present inventors have sufficient mechanical properties as the foundation of the vapor deposition layer in the following specific ranges for the purpose of sufficiently securing the adhesion of the vapor deposition layer and obtaining stable adhesion over time. It has been found that it is preferable to use an actinic ray curable layer.
[0048]
That is, the actinic ray cured layer has a hardness (plastic deformation hardness) by nanoindentation measurement under a maximum load of 1 mN of about 0.2 to 0.8 GPa, more preferably 0.3 to 0.6 GPa, still more preferably. It is in the range of 0.4 to 0.5 GPa, and the product value obtained by multiplying Young's modulus and hardness is 1 to 6 (GPa) 2 , More preferably 2 to 5 (GPa) 2 More preferably, 2.5 to 4.5 (GPa) 2 It is preferable that it is the actinic-light cured layer in the range.
[0049]
About the reason for having such a suitable range, the following estimation is possible, for example.
[0050]
In other words, it is considered that the actinic ray curable layer of the present invention preferably has a characteristic of well relieving distortion caused by lamination of vapor deposition layers, a difference in thermal expansion coefficient between layers, and the like. The strain energy stored inside the actinic ray cured layer or at the interface with the vapor deposition layer decreases as the Young's modulus of the cured layer decreases, and as the plastic deformability of the cured layer increases (the hardness decreases), the strain energy increases. Becomes easy to dissipate. However, if a large plastic deformation occurs on the surface of the layer when vapor deposition particles collide with the actinic radiation curable layer, the performance of the formed polymer resin laminate is adversely affected.
[0051]
That is, it is presumed that the preferred range is determined from the balance of these two conflicting factors. In fact, when the hardness of the actinic ray cured layer exceeds 0.8 GPa, the product value obtained by multiplying the Young's modulus and the hardness is 6 (GPa) 2 In many cases, the adhesion of the deposited film is insufficient, and sometimes the deposited film is spontaneously peeled over time.
[0052]
When the hardness is less than 0.2 GPa, the product value obtained by multiplying the Young's modulus and the hardness is 1 (GPa). 2 If it is less than that, appearance defects such as minute irregularities and cracks may occur on the surface of the polymer resin laminate when the vapor deposition layer is laminated, and the heat resistance, moisture resistance and water resistance performance of the polymer resin laminate may be reduced. It is often insufficient.
[0053]
In this example and comparative example, the nanoindentation measurement of the actinic radiation curable layer was performed at the stage before the deposition of the silicon oxide vapor deposition layer (that is, the polymer resin laminate having the actinic radiation curable layer laminated thereon was 130). (Shows the state after heat treatment for 30 minutes with a hot air dryer at 0 ° C.). If necessary, the polymer resin laminate on which the vapor deposition layer is laminated may be removed from the interface between the vapor deposition layer and the actinic ray cured layer. It is possible to measure the actinic ray-cured layer whose surface is exposed by performing the exfoliating operation. As a method for exfoliating such a vapor deposition layer, for example, a large bending deformation is mechanically applied to the polymer resin laminate, a strong compressive stress or a tensile stress that causes cracks in the vapor deposition layer is given, and the vapor deposition layer is naturally peeled off. The method of making it preferable is mentioned. Here, even if the vapor deposition layer does not peel naturally, in many cases, it is possible to peel only the vapor deposition layer by sticking a tape to the surface of the stressed portion of the vapor deposition layer and peeling it strongly.
[0054]
Other methods for exfoliating the vapor deposition layer include a method of spontaneously exfoliating the vapor deposition layer by applying an abrupt temperature change (heat shock), a method of dissolving the silicon oxide vapor deposition layer using a strong acid such as hydrofluoric acid, and the like. Although the method using a chemical like the latter example may be mentioned, since the surface state of the actinic ray cured layer may be greatly changed, it is not preferable.
[0055]
In addition to the mechanical properties described above, the actinic ray cured layer is preferably a layer having a water absorption in the range of about 0 to 2%, more preferably 0 to 1.5%, and still more preferably 0 to 1. % Range. That is, when the water absorption exceeds 2%, the water resistance (boiling water test) of the polymer resin laminate is often insufficient, and further, there is a problem that the degassing time of the substrate performed before vacuum deposition increases. During the vapor deposition, there is a problem that moisture release from the inside of the substrate increases and the vapor deposition conditions are deteriorated.
[0056]
The thickness of the actinic ray cured layer is preferably in the range of 3 to 70 μm, more preferably 5 to 60 μm, and still more preferably 10 to 50 μm. Here, it is not preferable that the film thickness is less than 3 μm, since it is easily affected by curing failure caused by atmospheric oxygen during actinic ray curing. If the thickness of the actinic ray curable layer exceeds 70 μm, internal stress due to curing shrinkage increases, the adhesion between the polymer resin substrate and the actinic ray curable layer is reduced, and the cured layer is liable to crack, or Since it becomes difficult to obtain surface smoothness in the coating of the actinic ray curable layer, it is not preferable.
[0057]
The actinic ray curable layer preferably has a glass transition temperature or softening temperature of 120 ° C. or higher, more preferably 150 ° C. or higher, from the viewpoint of heat resistance (thermal stability) of the polymer resin laminate. preferable. These can be measured by, for example, endothermic peaks in differential thermal analysis (DSC) (the temperature of the main peak derived from the main component when multiple peaks appear), thermal scanning dynamic viscoelasticity analysis, or the like. .
[0058]
A simpler method is to prepare a test piece by curing and laminating an actinic ray curable layer on a glass plate, etc., and lightly press the surface of the actinic ray curable layer with a glass rod while heating the test piece with a heater. Alternatively, a method may be used in which the temperature at which the flexibility and tackiness (tackiness) of the layer starts to change significantly is set to the softening temperature of the actinic ray cured layer.
[0059]
As an actinic ray curable layer having such characteristics, for example, one or more polyfunctional (meth) acrylates having two or more (meth) acryloyl groups in a molecule or unit repeating structure are mixed. An actinic ray-cured layer obtained by irradiating and curing an actinic ray to a precursor material that occupies 50% by weight or more of the entire nonvolatile component is preferably used.
[0060]
Specifically, polyfunctional (meth) acrylates containing a cyclo ring (eg dicyclopentanyl diacrylate, dicyclopentanyl dimethacrylate), isocyanuric rings, polyfunctional acrylates containing cyanuric rings (eg isocyanuric acid ethylene oxide) Modified triacrylate, cyanuric acid ethylene oxide modified triacrylate), polyfunctional urethane acrylate obtained by modifying bifunctional isocyanate (for example, hexamethylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, hexaacrylate obtained by modifying tolylene diisocyanate), 1,3- Polyfunctional acrylate containing dioxane, polyester acrylate obtained by modifying phthalic acid, trimethylolpropane tri (meth) acrylate and / or ethylene oxide thereof And / or propylene oxide modified products, dipentaerythritol hexaacrylate, pentaerythritol tetraacrylate, neopentyl glycol diacrylate, ethylene glycol dimethacrylate, diethylene glycol dimethacrylate, etc. are preferably mentioned, Various polyfunctional (meth) acrylates having various structures can be used.
[0061]
However, it is preferable to make a selection so that the nanoindentation physical property value of the actinic ray-cured layer obtained by curing the precursor material containing one or more of these as a main component is within the above-mentioned preferable range, and further, water absorption It is preferable to select the ratio and the thermal physical properties so that they are within the above-mentioned preferable ranges.
[0062]
From the viewpoint of reducing the water absorption rate of the actinic ray-cured layer, it is not preferable to contain a hydrophilic group such as a hydroxyl group or an amino group in the side chain or terminal in the molecule or unit repeating structure. It is preferable that a hydrophobic group such as However, if the content of the fatty chain is too high, the heat resistance of the cured layer may be lowered, which is not preferable.
[0063]
From the viewpoint of increasing the heat resistance of the actinic radiation curable layer, reducing the shrinkage during actinic radiation curing, and suppressing the shrinkage with time and embrittlement of the actinic radiation curable layer during long-term UV exposure such as xenon weather testing, It is preferable that a structure such as a cyclo ring, an isocyanuric ring, a cyanuric ring, isophorone, or 1,3-dioxane is included in the inner structure or the unit repeating structure. It should be noted that the inclusion of an aromatic ring is suitable for improving the heat resistance, but if the content is too high, the ultraviolet ray resistance of the actinic ray-cured layer is lowered, which is not preferred.
[0064]
Now, these precursor materials are diluted with a suitable solvent as necessary, and then wet-coated on a polymer resin substrate, and then actinic rays such as ultraviolet rays (which may include visible rays) and electron beams are applied. The layer is cured by irradiating an appropriate amount. In this way, the actinic ray curable layer is laminated on the polymer resin substrate.
[0065]
In addition, regarding the curing of the precursor material of such actinic ray curable layer, the atmosphere in the vicinity of the substrate coated with the precursor material was replaced with an inert gas such as nitrogen gas, and the oxygen concentration in the atmosphere was reduced to about 2% or less. A method of curing by irradiating actinic rays in a state is also preferably used as necessary.
[0066]
When the precursor of the actinic ray curing layer is cured with actinic rays in a state where the atmosphere is replaced with an inert gas such as nitrogen gas in this way, since the inhibition of curing by oxygen is suppressed, Compared to curing in an air atmosphere, the actinic radiation cured layer has improved curability, especially in the vicinity of the surface layer. As a result, the weather resistance, moisture and water resistance of the polymer resin laminate are also improved. There are many cases to do.
[0067]
If necessary, the actinic ray curable layer may be mixed with one or several subcomponents in a proportion of less than 50% by weight, more preferably less than 30%, based on the entire nonvolatile components of the precursor material.
[0068]
Such subcomponents include (meth) acrylates having 1 functional group in the molecule or unit repeating structure, compounds having a vinyl group or an allyl group, various alkoxide components including silicon alkoxide, average Ultrafine particles with a particle size (diameter) of 3 to 30 nm, curing agents or curing catalysts such as photopolymerization initiators, photopolymerization initiation assistants (sensitizers), leveling agents, light absorbers (ultraviolet absorbers), light stability Agents, heat stabilizers (antioxidants), antifoaming agents, thickeners and the like.
[0069]
As a secondary component, it is particularly preferable to mix γ- (meth) acryloxypropyltrimethoxysilane with the precursor material of the actinic ray cured layer, and the weather resistance (ultraviolet ray resistance, water resistance, etc.) of the polymer resin laminate. In many cases, a significant improvement effect is obtained.
[0070]
The mixing amount of γ- (meth) acryloxypropyltrimethoxysilane is preferably 5 to 30% by weight with respect to the entire nonvolatile components of the precursor material. Mixing at a ratio outside this range has little effect of improving weather resistance.
[0071]
Further, as a secondary component, a leveling agent having a very small mixing ratio but high importance is a leveling agent. In general, the leveling agent is mixed in the wet coating for the purpose of enhancing the leveling property of the coating liquid applied on the substrate. Also in the polymer resin laminate of the present invention, in order to improve the surface smoothness of the actinic ray cured layer, mixing of the leveling agent is important, but in addition, surprisingly, the laminate is mixed by mixing the leveling agent. In many cases, the water resistance is significantly improved.
[0072]
In particular, when a leveling agent having a polyether-modified polydimethylsiloxane compound obtained by substituting at least part of the side chain methyl groups of dimethylpolysiloxane with an organic group containing a polyalkyleneoxy group is used, the water resistance The improvement effect is high.
[0073]
Here, as the polyalkyleneoxy group, for example, polyethylene oxide, polypropylene oxide and the like are suitable.
[0074]
Although the cause of this is not clear, it is known that a compound generally used as a leveling agent segregates in the vicinity of the surface of the coated layer containing the compound, thereby reducing the surface energy. That is, when the above leveling agent is used, it is estimated that the side chain methyl groups of polydimethylsiloxane are present in a high density on the surface of the actinic radiation curable layer, and the water adsorption property on the surface of the actinic radiation curable layer is reduced. Is done. Therefore, there is a possibility that deposition particles are more smoothly deposited on the substrate and adhesion is improved.
[0075]
Moreover, the possibility that water resistance is improved as a result of the suppression of moisture permeation at the interface between the vapor deposition layer and the actinic ray cured layer due to the decrease in surface energy is also conceivable.
[0076]
However, dimethylpolysiloxane with no substitution of the side chain methyl group has a very low compatibility with the precursor of the actinic radiation cured layer, so that phase separation occurs completely, so that a good leveling property can be obtained. Often not.
[0077]
Further, when the side chain methyl group is substituted with an organic group not containing a polyalkyleneoxy group, no performance improvement is observed as in the case of substitution with an organic group containing a polyalkyleneoxy group.
[0078]
These polyether-modified dimethylsiloxanes are preferably mixed at a ratio of 0.01 to 0.3% by weight with respect to the entire nonvolatile components. If it is less than 0.01% by weight, there is almost no effect of improving leveling properties and water resistance, and if it exceeds 0.3% by weight, the adhesion between the actinic ray cured layer and the deposited film may be lowered, which is not preferable.
[0079]
In addition, fine particles of silicon dioxide having an average particle diameter of about 3 to 30 nm, organic silicone polymer fine particles, acrylic resin cross-linked fine particles, divinylbenzene cross-linked fine particles, and the like can be used as subcomponents. In addition, effects such as reduction of the thermal expansion coefficient, increase of Young's modulus, adjustment of the refractive index (for example, reduction of refractive index mismatch between the deposited layer of silicon oxide and the actinic ray cured layer) can be obtained.
[0080]
These fine particles are also preferably subjected to an appropriate surface treatment from the viewpoint of improving dispersibility, and for example, a preferable surface treatment can be performed with an organic component containing an acryloyl group, a methacryloyl group, or an alkoxysilicone group.
[0081]
Now, an ultraviolet absorber is also very important as an accessory component. This is mixed for the purpose of suppressing the coloration with time of the polymer resin substrate due to long-term exposure to ultraviolet rays and the deterioration of the adhesion between the polymer resin substrate and the actinic ray cured layer. In particular, when a polycarbonate resin molded substrate is used as the polymer resin substrate, the necessity of mixing an ultraviolet absorber increases. As the ultraviolet absorber, an ultraviolet absorber made of an organic compound or inorganic compound ultrafine particles having a large light absorption rate in a wavelength region of 300 to 350 nm that causes photodegradation of the polymer resin substrate is preferably used. Ultraviolet absorbers made of organic compounds such as benzoates, benzotriazoles, and triazines, and fine particles (particle size of about 3 to 30 nm) of inorganic compounds such as titanium oxide and zinc oxide are preferably used.
[0082]
Among these, an organic compound containing a benzotriazole skeleton or a triazine skeleton in the molecule is most preferably used because it has a high light absorptance in the above wavelength region and is excellent in photochemical stability.
[0083]
Examples of the compound containing a benzotriazole skeleton or a triazine skeleton in the molecule include iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t-butyl-4-hydroxyphenylpropionate, 2- [2-hydroxy-3,5-di (1,1-dimethylbenzyl) phenyl] -2H-benzotriazole, 2- (2H-benzotriazol-2-yl) -p-cresol, 2- (2H- Benzotriazol-2-yl) -4,6-bis (1-methyl-1-phenylethyl) phenol, 2-benzotriazol-2-yl-4,6-di-tert-butylphenol, 2- [5-chloro (2H) -benzotriazol-2-yl] -4-methyl-6- (tert-butyl) phenol, 2,4-di-tert-butyl- -(5-chlorobenzotriazol-2-yl) phenol, 2- (2H-benzotriazol-2-yl) -4,6-di-tert-pentylphenol, 2- (2H-benzotriazol-2-yl) -4- (1,1,3,3-tetramethylbutyl) phenol, 2- (4,6-diphenyl-1,3,5-triazin-2-yl) -5-[(hexyl) oxy] -phenol 2- [4-[(2-hydroxy-3-dodecyloxypropyl) oxy] -4,6-bis (2,4-dimethylphenyl) -1,3,5-triazine and the like are preferable.
[0084]
In addition, as an ultraviolet absorber that can be suitably used, a compound obtained by copolymerizing a compound containing the benzotriazole skeleton or triazine skeleton and a compound containing a methacryloyl group, an acryloyl group or a vinyl group (for example, 2- (2′-hydroxy-5′-methacryloxyphenyl) -2H-benzotriazole and the like). These are called reactive ultraviolet absorbers, and are preferably used for the purpose of enhancing durability because they are polymerized and fixed in the actinic ray cured layer.
[0085]
It is preferable that the light absorption (ABS) of the actinic ray cured layer in the wavelength region of 300 to 350 nm is 2.0 or more (99% or more in% display) by mixing such an ultraviolet absorber.
[0086]
For this purpose, for example, when an ultraviolet absorber based on an organic compound is mixed with the precursor material of the actinic ray curable layer, the product of the mixing ratio (% by weight) with respect to the entire nonvolatile component and the film thickness (μm) of the actinic ray curable layer. Is in the range of 45 to 120 (wt% · μm), more preferably in the range of 55 to 100 (wt% · μm), and most preferably in the range of 65 to 90 (wt% · μm). It is preferable to be done.
[0087]
If the value of this product is less than 45 (wt% · μm), it is difficult to make the light absorption (ABS) in the wavelength region 2.0 or more, and if it exceeds 120 (wt% · μm), the mixed ultraviolet rays It is not preferable because significant inhibition of photopolymerization inside the cured layer is likely to occur due to the effect of light absorption by the absorbent.
[0088]
However, from the viewpoint of ensuring the mechanical properties of the actinic radiation curable layer and ensuring the adhesion to the vapor deposition layer, it is not preferable to mix the UV absorber in an excessive ratio. It is preferably 20% by weight or less based on the total components.
[0089]
In addition, from the viewpoint of suppressing the inhibition of photopolymerization and the decrease in layer physical properties due to the increase in the amount of the ultraviolet absorber mixed, a two-layer cured layer formed by using a precursor material having the same composition or a different composition as the actinic ray cured layer It is also preferably performed by stacking layers. In this method, the required amount of the UV absorber to be mixed with the actinic ray curable layer can be distributed and mixed in an appropriate ratio to each cured layer, whereby the mixing amount into one cured layer can be further reduced. Is preferable.
[0090]
In addition, when performing lamination | stacking of such a 2 layer cured layer, after forming the 1st cured layer, before coating the 2nd cured layer, surface treatment of the 1st cured layer is performed. Often it is preferred.
[0091]
This is for the purpose of obtaining a good coating surface in the second cured layer by increasing the surface energy of the first cured layer and improving the wettability, leveling properties, etc. of the coating solution during the coating of the second layer. is there.
[0092]
Such surface treatments include physical methods such as corona treatment, UV ozone treatment, reduced-pressure plasma treatment, atmospheric pressure plasma treatment, and immersion treatment in an alkaline aqueous solution (note that after immersion treatment in an alkaline aqueous solution, pure A chemical method such as sufficient washing with water) is also preferably used.
[0093]
When the precursor material of the actinic ray curable layer is cured by ultraviolet irradiation, it is necessary to mix a photopolymerization initiator as a subcomponent. In general, there is no need for mixing when curing by electron beam irradiation.
[0094]
As a photopolymerization initiator, it is easy to be photoexcited in a wavelength region of about 350 nm or less where the emission intensity of an ultraviolet lamp used for curing is strong and capable of high-efficiency photoexcitation. It is preferable to mainly use a photopolymerization initiator based on the compound that occurs.
[0095]
Specifically, for example, 2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropan-1-one, 1- (4-isopropylphenyl) -2-hydroxy-2-methylpropan-1-one, 4- (2- Hydroxyethoxy) -phenyl (2-hydroxy-2-propyl) ketone, 1-hydroxycyclohexylphenylketone, benzoin, benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether, benzyldimethyl ketal, benzoylbenzoic acid, benzoylmethyl benzoate, 4-benzoyl- 4′-methyldiphenyl sulfide, 3,3′-dimethyl-4-methoxybenzophenone, thioxanthone, 2-chlorothioxanthone, 2-methylthioxanthone, 2,4-dimethylthioxanthone, isopropylthioxanthone, 2, 4-diethylthioki Benson, 2,4-diisopropyl thioxanthone, dibenzosuberone, methylphenyl glyoxylate, 1-phenyl-1,2-propane-dione-2-(O-ethoxycarbonyl) oxime and the like.
[0096]
Further, as described above, when an ultraviolet absorber is mixed in the precursor material, the irradiated ultraviolet rays in the wavelength region of 300 to 350 nm are relatively absorbed near the surface layer and hardly reach the inside of the layer. to be born.
[0097]
For this reason, for example, a method of mixing an appropriate amount of a photopolymerization initiation assistant (sensitizer) or the like with a compound that is photoexcited in a wavelength region of 350 nm (including the visible region) is also preferably used.
[0098]
In general, in the wavelength region of more than 350 nm, the photoexcitation efficiency is greatly reduced compared to the wavelength region of 350 nm or less. Therefore, it is difficult to sufficiently cure the photopolymerization initiator alone that is photoexcited in the wavelength region of more than 350 nm. Thus, it is preferable to use together with a photopolymerization initiator that is photoexcited in a wavelength region of 350 nm or less.
[0099]
Examples of such a polymerization initiation assistant (sensitizer) include bis (2,4,6-trimethylbenzoyl) -phenylphosphine oxide and bis (2,6-dimethoxybenzoyl) -2,4,4-trimethyl. -Pentylphenylphosphine oxide, 2,4,6-trimethylbenzoyl-diphenyl-phosphine, ethyl 2-dimethylaminobenzoate, ethyl 4-dimethylaminobenzoate, ethyl 4-dimethylaminobenzoate (n-butoxy), 4 -Isoamyl dimethylaminobenzoate, 4, 4-bis (diethylamino) benzophenone, 4-dimethylamino acetophenone, etc. are illustrated.
[0100]
The photopolymerization initiation assistant (sensitizer) is preferably mixed in a proportion of about 5 to 30% by weight with respect to the total amount of the photopolymerization initiator including the photopolymerization initiation assistant.
[0101]
About the mixing amount of a photoinitiator, when hardening in air | atmosphere atmosphere, it is 1 to 10 weight% with respect to the whole non-volatile component of a precursor material, More preferably, it is 2 to 8 weight%, More preferably, it is 3 to 3 weight%. A range of 7% by weight is preferred.
[0102]
In addition, in the case where UV substitution is performed in a state where the oxygen concentration is reduced to about 2% or less by substitution with an inert gas such as nitrogen, mixing in the range of 0.1 to 1% by weight is preferable.
[0103]
Further, in the actinic ray curable layer, mixing of a light stabilizer or a heat stabilizer (antioxidant) as a subcomponent may be preferable.
The light stabilizer has an action of scavenging radicals generated by exposure to ultraviolet rays or the like, and has the effect of increasing the ultraviolet resistance of the actinic ray cured layer and suppressing embrittlement.
[0104]
Specifically, for example, various hindered amine light stabilizers are preferable, and various compounds having the same skeleton can be used.
[0105]
Thermal stabilizers have the effect of preventing oxidation of polymer resins and suppressing radical-type decomposition reactions, and, like the light stabilizers, have the effect of increasing the UV resistance of the actinic ray cured layer and suppressing embrittlement. . In addition, the addition effect may be enhanced by using the heat stabilizer and the light stabilizer in combination.
[0106]
Specific examples include various hindered phenol-based, phosphite-based, thioether-based (sulfur-based), phosphorus-based, lactone-based, vitamin E-based heat stabilizers, and among these, various hindered phenols. And phosphite heat stabilizers are particularly preferably used.
[0107]
The mixing amount of these light stabilizers and / or heat stabilizers is approximately 0.2 to 4% by weight, more preferably 0.5 to 2% by weight, based on the whole nonvolatile components of the precursor material of the actinic radiation curable layer. .
[0108]
When the mixing amount is less than 0.2% by weight, the effect of improving the ultraviolet resistance is hardly observed, and when it exceeds 4% by weight, the actinic ray cured layer may be whitened or colored, which is not preferable.
[0109]
In addition, when using both together, it is preferable to make the mixing ratio of a light stabilizer / heat stabilizer into the range of about 3: 1 to 1: 3.
[0110]
As a method for coating the precursor material of the actinic ray curable layer on the polymer resin substrate, for example, a dip coating method, a spray coating method, a spin coating method, a (doctor) knife coating method, a direct gravure coating method, an offset gravure method, Methods such as reverse gravure method, reverse roll coating method, (Meyer) bar coating method and the like can be applied.
[0111]
For the purpose of adjusting the viscosity of the coating solution suitable for coating, the precursor material is diluted with various solvents as necessary. Solvents include ethyl alcohol, isopropyl alcohol, normal propyl alcohol, isobutyl alcohol, normal butyl alcohol, tertiary butyl alcohol, 1-methoxy-2-propanol, toluene, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, ethyl acetate, isobutyl acetate, diacetone. Alcohol etc. are illustrated.
[0112]
In addition, the polymer resin substrate coated with the precursor material of the actinic ray curable layer is dried and removed of the residual solvent in the precursor material, the leveling property is improved, and the adhesion between the actinic ray curable layer and the polymer resin substrate is improved. For various purposes such as, it is often preferable to raise the temperature to 50 to 130 ° C. once before irradiation with actinic rays.
[0113]
Further, after laminating the actinic ray curable layer on the polymer resin substrate and before laminating the vapor deposition layer, the laminate is heated to a temperature near the glass transition temperature of the polymer resin substrate (preferably about 20 ° C. lower than the glass transition temperature). It is preferable to perform heat treatment at a temperature. By carrying out such heat treatment, the residual stress of the polymer resin substrate laminated with the actinic radiation curable layer is thermally relaxed, and the adhesion of the layer is improved, and at the same time, the volatility contained in the actinic radiation curable layer The components (mainly decomposition products of the photopolymerization initiator) are volatilized and removed, and the amount of volatile components released to the vacuum chamber during vacuum deposition is reduced, which is preferably implemented.
[0114]
In addition, when laminating the actinic ray curable layer on the polymer resin substrate, various surface treatments may be performed on the polymer resin substrate as necessary. As such surface treatment, methods such as various plasma treatments, corona treatment, UV-ozone treatment, surface washing with high-pressure hot water or steam, solvent washing with alcohol, etc. are preferably used to remove surface contaminants. Effects such as improved adhesion between layers by surface activation and improved leveling of the precursor material can be obtained.
[0115]
It should be noted that the surface treatment on the actinic ray curable layer is often counterproductive depending on the method. Among the various surface treatment methods described above, especially for plasma treatment, corona treatment, UV-ozone treatment, etc., the amount of moisture adsorbed on the surface of the cured layer or the adsorptive power as a result of the introduction of hydrophilic functional groups on the surface of the cured layer. Often increases.
[0116]
Such adsorbed water on the surface of the actinic radiation curable layer is often released when the silicon oxide is vacuum-deposited, thereby reducing the denseness of the deposited layer and reducing the adhesion between the deposited layer and the actinic radiation curable layer. It is not preferable.
[0117]
For these reasons, it is preferable to select a relatively gentle method such as surface cleaning with the high-pressure hot water or water vapor or solvent cleaning with alcohol or the like as the surface treatment method on the actinic ray curable layer. In such hot water or solvent cleaning, it is also preferable to increase cleaning efficiency by generating acoustic vibrations (ultrasonic waves, etc.) in the liquid.
[0118]
Now, the actinic ray curable layer and the vapor deposition layer are formed and laminated on one side or both sides of the polymer resin substrate. In the case of double-sided lamination, the actinic ray curable layer and the vapor deposition layer are simultaneously formed on both sides as necessary. Things are also possible.
[0119]
As an example of these, for example, it is preferable that the substrate is transported in a suspended state by gripping the upper end of the substrate with a jig consistently from the coating of the actinic radiation curable layer to the formation of the vacuum deposition layer.
[0120]
For example, the substrate is transported in the order of a zone for performing a coating process, a zone for performing a hot air drying process, a zone for performing a curing process with actinic rays, a zone for performing a heat treatment process, and a vacuum deposition apparatus. In addition, it is preferable that the substrate conveyance path from the zone where the heat treatment process is performed to the vacuum deposition apparatus is made as low as possible in order to minimize moisture absorption of the substrate.
[0121]
In the coating process, for example, dip coating of the precursor material liquid of the actinic ray curable layer is performed, and in the hot air drying process, solvent drying in the precursor material liquid is performed. In the curing process using actinic rays, the substrate is irradiated with actinic rays such as ultraviolet rays or electron beams from ultraviolet lamps or electron beam generators arranged on both sides of the conveyance path, and the precursor material coated on both sides of the substrate is cured. In the heat treatment step, a predetermined heat treatment is performed on the substrate on which the actinic ray cured layer is laminated.
[0122]
Here, in order to shorten the time required for each process, it is also preferable to arrange a plurality of zones for performing the same process in parallel or in series as necessary.
[0123]
However, the zone for the heat treatment step can be dealt with by enlarging the zone (for example, a large hot air dryer may be used) instead of providing a plurality of zones.
[0124]
In addition, a series of processes which form an actinic-light cured layer can also be performed in a vacuum apparatus depending on the case. For example, if the precursor material liquid of the actinic radiation curable layer is placed in a decompressed tank and the tank is connected to the vacuum apparatus through a nozzle having a large number of fine holes, the precursor is liquid based on the pressure difference between the tank and the vacuum apparatus. Since the material liquid is ejected in the form of vapor from the fine holes, the precursor material liquid can be coated on the substrate in vacuum by making this nozzle face the substrate.
[0125]
In addition, the substrate can be coated in a vacuum by a so-called flash vapor deposition method in which a precursor liquid is continuously dropped onto a tungsten wire heated in a vacuum apparatus and evaporated.
[0126]
Since heating of the substrate and irradiation of actinic rays can be easily performed even in a vacuum apparatus, the above-described coating, substrate heating, actinic ray irradiation, and substrate heating steps should be continuously performed while the substrate is transported. With this arrangement, an actinic ray curable layer can be formed in a vacuum apparatus.
[0127]
After forming the actinic radiation cured layer in the vacuum apparatus in this way, if the substrate is directly transported to the vacuum deposition apparatus without breaking the vacuum state, all the layer forming processes on the substrate can be performed in the vacuum apparatus. This is preferable because the total evacuation time can be significantly reduced and the productivity can be greatly improved.
It is preferable that the substrate is transported in the respective chambers in the same manner with the end portion held by a jig in the vacuum evaporation apparatus.
[0128]
In a vacuum deposition apparatus, an initial evacuation process in which a substrate is taken in and evacuated (roughing and thinning), a degassing process in which the substrate is heated to release an adsorption gas of the substrate, a cooling process in which the substrate is cooled, a vacuum A step of performing vapor deposition, a leak step of returning the pressure to atmospheric pressure, and taking out the substrate to the outside of the apparatus are required.
[0129]
For the purpose of shortening the time required for each of these steps and stabilizing the process conditions, it is preferable to carry out each step in an independent vacuum chamber. In addition, if the time required for each process differs greatly, the corresponding process is set so that the time required for the other processes is close to the time required for the process having the shortest required time (in many cases, this corresponds to a vacuum deposition process). It is preferable to arrange the vacuum chambers in charge of the above in parallel.
[0130]
Although it is possible to process two or more substrates in one vacuum chamber at the same time, since instability of process conditions occurs, it is more preferable to process only one substrate in the vacuum chamber. Thus, a method is used in which several vacuum chambers in charge of the same process are arranged in parallel.
[0131]
Adjacent vacuum chambers may be connected to each other using a load lock method or the like without deteriorating the degree of vacuum.
[0132]
Now, an example of the arrangement of such a vacuum chamber is shown in FIG. 3, which is an example of an arrangement that is suitable when the time required for the vacuum deposition process is the shortest. Here, only the vacuum deposition process is performed in one vacuum tank, the initial exhaust process and the leak process are performed in three vacuum tanks arranged in parallel, and the degassing process and the cooling process are arranged in parallel, three in series, two in total. Processing is performed using a vacuum chamber. Here, before and after the vacuum chamber in which the vacuum deposition process is performed, a vacuum tank for transport connection is provided for transporting the substrate from the cooling process and transporting the substrate to the leak process.
[0133]
Various pumps such as an oil rotary pump (rotary pump), mechanical booster pump, oil diffusion pump (diffusion pump), turbo molecular pump, cryopump, etc. are used as the vacuum exhaust system. 1 × 10 in the room where the vapor deposition process is performed -2 It is preferable that a cryopump, a turbo molecular pump, or the like having an excellent exhaust capability in a pressure region of Pa or less is provided.
[0134]
In the vapor deposition chamber, electron beam vapor deposition sources are provided on both sides of the substrate conveyance path. As the vapor deposition source, for example, silicon dioxide melt-molded into a cylindrical rod shape is preferably used. It is preferable to use a vapor deposition source formed in the shape of a cylindrical rod in this manner because the position where the electron beam hits the vapor deposition source can be controlled by moving the rod little by little while rotating the rod.
[0135]
In the vapor deposition, after the substrate is stopped at a predetermined position in the vapor deposition chamber, the start and end of the vapor deposition can be controlled by opening and closing the shutter. In particular, for the purpose of improving the in-plane uniformity of the film thickness of the vapor deposition layer, a partition plate having an opening of an appropriate width is provided in the vicinity of the substrate conveyance path without using the shutter. Vapor deposition may be performed while being conveyed, and vapor deposition may be performed only when the substrate passes through the opening.
[0136]
In addition, regarding such a double-sided vapor deposition method, an electron beam vapor deposition source is provided only on one side of the substrate conveyance path, and after the vapor deposition on one side is completed, the substrate is turned upside down and then the other side is vapor deposited. It is also possible to use such a method. However, in this case, it is necessary to provide a substrate reversing mechanism in the vacuum chamber, which may cause problems such as device space and a complicated transport mechanism.
[0137]
The preferred thickness of the polymer resin substrate varies depending on the application, but the average thickness is preferably in the range of about 0.1 to 25 mm. If the thickness is less than 0.1 mm, there are many problems in handling the substrate in the lamination process of the actinic ray-cured layer and the vapor deposition layer, which is not preferable. On the other hand, if it exceeds 25 mm, the weight of the substrate itself is increased, which is contrary to the purpose of weight reduction.
[0138]
In applications such as vehicle and building window materials, the average thickness of the substrate is preferably in the range of 1 to 25 mm. This is because if the thickness is less than 1 mm, the mechanical strength as a window material tends to be insufficient.
[0139]
There is no particular limitation on the shape of the polymer resin substrate, but a flat sheet-like substrate is most preferably used because it is easy to realize coating with a uniform thickness of the actinic ray-cured layer and the vapor deposition layer.
[0140]
A molded product having a slightly complicated shape such as a curved surface or unevenness can also be used, but it is somewhat difficult to realize coating with a uniform thickness. In these cases, the coating method of the actinic ray curable layer is limited and is limited to the dip coating method, the spray coating method, and the like, and it is often necessary to devise the arrangement of the vapor deposition source for the vapor deposition layer.
[0141]
For polymer resin substrates, various UV absorbers, visible light absorbers (pigments, dyes, etc.), infrared absorbers, light stabilizers, heat stabilizers (antioxidants), mold release as necessary It is preferable to mix an appropriate amount of additives such as an agent, an antistatic agent, and a flame retardant, and in some cases, an appropriate amount of inorganic oxide fine particles, layered mica, etc., that have the effect of increasing the Young's modulus of the polymer resin substrate. It is also possible to do.
[0142]
Examples of the polymer resin substrate include acrylic resins such as polycarbonate, polyarylate, polyethylene terephthalate, polyethylene naphthalate, polymethyl methacrylate, and various polyolefin resins (for example, trade name “Arton” of JSR Corporation, trade name of Nippon Zeon Corporation). And a polymer resin substrate formed by molding “ZEONOR”) or the like.
[0143]
Among these, in particular, a polymer resin substrate formed by molding a polycarbonate resin from the viewpoint of impact resistance, transparency, moldability, lightness, etc. is most preferably used in window materials for various vehicles and buildings. Is particularly preferably used.
Here, the polycarbonate means a polycondensate of an aromatic dihydroxy compound and a carbonic acid bond-forming compound.
[0144]
Specific examples of the aromatic dihydroxy compound include bis (4-hydroxyphenyl) methane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) ethane, 2,2 -Bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) heptane, 2,2-bis (4-hydroxy-3,5-dichlorophenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxy-3,5-dibromophenyl) propane, bis (4-hydroxyphenyl) phenylmethane, 4,4-dihydroxyphenyl-1,1′-m-diisopropylbenzene, 4,4′-dihydroxyphenyl-9 Bis (4-hydroxyaryl) alkanes such as 1,9-fluorene, 1,1-bis (4-hydroxypheny ) Cyclopentane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane, 1-methyl-1- (4-hydroxyphenyl) -4- (dimethyl-4-hydroxyphenyl) methyl-cyclohexane, 4- [1- [ 3- (4-hydroxyphenyl) -4-methylcyclohexyl] -1-methylethyl] -phenol, 4,4 ′-[1-methyl-4- (1-methylethyl) -1,3-cyclohexanediyl] bisphenol Bis (hydroxy) such as 2,2,2 ′, 2′-tetrahydro-3,3,3 ′, 3′-tetramethyl-1,1′-spirobis- [1H-indene] -6,6′-diol Aryl) cycloalkanes, bis (4-hydroxyphenyl) ether, bis (4-hydroxy-3,5-dichlorophenyl) ether, 4,4′-dihydroxy Dihydroxy aryl ethers such as 3,3′-dimethylphenyl ether, 4,4′-dihydroxy diphenyl sulfide, dihydroxy diaryl sulfides such as 4,4′-dihydroxy-3,3′-dimethyldiphenyl sulfide, 4,4 Dihydroxydiaryl sulfoxides such as' -dihydroxydiphenyl sulfoxide, 4,4'-dihydroxy-3,3'-dimethyldiphenyl sulfoxide, 4,4'-dihydroxydiphenyl sulfone, 4,4'-dihydroxy-3,3'- Dihydroxy diaryl sulfones such as dimethyldiphenyl sulfone, dihydroxy diaryl isatins such as 4,4′-dihydroxydiphenyl-3,3′-isatine, dihydroxy such as 3,6-dihydroxy-9,9-dimethylxanthene Diarylxanthenes, resorcin, 3-methyl resorcin, 3-ethyl resorcin, 3-butyl resorcin, 3-t-butyl resorcin, 3-phenyl resorcin, 3-cumyl resorcin, hydroquinone, 2-methylhydroquinone, 2-ethylhydroquinone Dihydroxybenzenes such as 2-butylhydroquinone, 2-t-butylhydroquinone, 2-phenylhydroquinone, 2-cumylhydroquinone, 4,4′-dihydroxydiphenyl, 3,3′-dichloro-4,4′-dihydroxy And dihydroxydiphenyls such as diphenyl.
[0145]
Of these, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane is preferred.
[0146]
Specific examples of the carbonic acid bond-forming compound include phosgene such as phosgene, trichloromethyl chloroformate, and bis (trichloromethyl) carbonate, diaryl carbonates such as diphenyl carbonate and ditolyl carbonate, dimethyl carbonate, and diethyl carbonate. Examples thereof include alkylaryl carbonates such as dialkyl carbonates, methylphenyl carbonate, and ethylphenyl carbonate.
[0147]
When phosgene is used, the polycarbonate is produced by a solution method, and when carbonates having a carbonate bond are used, the polycarbonate is produced by a melting method.
[0148]
Among the carbonate esters, diphenyl carbonate is preferably used. These compounds can be used alone or in combination.
[0149]
In addition, what contains another component as a copolymerization or a blend component is also contained in the category of a polycarbonate.
[0150]
The most suitable for the present invention is polycarbonate using 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane as the aromatic dihydroxy compound and phosgene or carbonate ester having carbonate bond as the carbonate bond forming compound. It is.
[0151]
When the copolymerization rate or blending rate of the other components is high, the characteristics of the polycarbonate are reduced. Therefore, the copolymerization rate or blending rate is preferably 20% by weight or less, and more preferably 10% by weight or less.
[0152]
A substrate obtained by laminating a film made of a resin other than polycarbonate that contains an ultraviolet absorber and is excellent in weather resistance of the resin itself on at least one surface of such a polycarbonate molded substrate is also preferably used.
[0153]
By using such a substrate and using it so that the substrate surface on which the film is laminated becomes an outdoor surface (a surface on which sunlight is mainly incident), the weather resistance performance of the polymer resin laminate can be further enhanced. Can do.
[0154]
The film preferably has a thickness of about 10 to 200 μm from the viewpoint of handleability and suitability for laminating, and may be laminated to a pre-formed polycarbonate substrate, or may be subjected to adhesive processing, or may be integrally formed by a coextrusion method. Alternatively, it may be integrated with the polycarbonate by insert molding in an injection mold or two-color molding.
According to such a method, the color and physical property deterioration of the laminated film itself due to ultraviolet irradiation are extremely small, and a polycarbonate mixed with an ultraviolet absorber in an amount capable of absorbing almost 100% of ultraviolet rays over a long period of time is used. Since no ultraviolet rays are incident on the substrate, there is no worry of coloring or deterioration of physical properties due to ultraviolet rays.
[0155]
As such a resin film, a film made of an acrylic resin is particularly preferable, and as a resin substrate laminated and integrated on a polycarbonate, for example, Teijin Kasei's trade name “Panlite PC-8111” is preferably exemplified. The In addition, when such an acrylic resin film is used, the effect of improving the hardness of the substrate surface on which the films are laminated can be obtained.
[0156]
The polymer resin laminate of the present invention preferably has high transparency of the laminate from the necessity for its use. Specifically, the haze (cloudiness value) of the laminate is preferably 5% or less, more preferably 3% or less, still more preferably 2% or less, and most preferably 1% or less.
[0157]
The light transmittance of the polymer resin laminate is generally desired to be high, and is preferably 50% or more, more preferably 70% or more, and still more preferably 85% in terms of the total light transmittance. Above, most preferably 90% or more.
[0158]
However, depending on the use of the polymer resin laminate, a high light transmittance may not always be desired.For example, in a window material for a rear seat of an automobile, for the purpose of suppressing an increase in the temperature inside the vehicle due to direct sunlight, When the light transmittance of the laminate is intentionally reduced by a method such as mixing a visible light absorber (pigment, dye, etc.) in the polymer resin substrate, the above preferred range of the total light transmittance You may deviate from.
[0159]
Various functional layers can be further laminated on the surface on which the silicon oxide vapor deposition layer of the polymer resin laminate of the present invention is formed, and this is preferably performed according to the use of the polymer resin laminate.
[0160]
However, since the polymer resin laminate of the present invention is characterized by transparency (permeability), these functional layers also require transparency (permeability).
[0161]
Examples of such functional layers include, for example, an antireflection layer, an infrared reflection layer (heat ray blocking layer), an ultraviolet reflection layer, a color design layer, etc. formed by laminating various types of thin film dielectrics and / or metal layers, indium / tin oxide, etc. In addition, a transparent conductive layer made of indium / zinc oxide, tin oxide or the like, a super hydrophilic layer made of titanium oxide or the like, a water repellent layer to be described later, and the like. Layer and the like.
[0162]
In the use of the present invention, a water repellent layer is particularly preferred among these, and by forming a laminate on the surface of a vacuum deposited layer of silicon oxide or as the outermost surface of the above various functional layers, the water repellency of the surface is improved. In addition, the effect of suppressing various types of contamination during outdoor use can be obtained.
[0163]
Specifically, examples of the water-repellent layer include various (fluoro) alkylsiloxane layers having a fluoroalkyl group and / or a siloxane having an alkyl group, and are formed with sufficient bonding strength with a silicon oxide deposition film. By doing so, it is possible to suppress a decrease in the abrasion resistance of the surface of the laminate and a decrease in the surface water repellency associated with the abrasion.
[0164]
In the water repellent layer, it is preferable that the contact angle of water with respect to the surface of the layer is 85 ° or more, more preferably 90 ° or more, and further preferably 100 ° or more. In general, it is difficult to obtain a contact angle of 90 ° or more with only an alkyl silicone. To obtain a higher contact angle, it is preferable to use a mixture of fluoroalkylsiloxanes alone or alone. However, from the viewpoint of the mechanical strength of the water repellent layer, alkyl silicones, particularly alkyl silicones in which the alkyl group is a methyl group are more excellent.
[0165]
The thickness of the water repellent layer is sufficient if it has a layer thickness necessary for the surface to be completely covered with the (fluoro) alkylsilicone film, but the thickness may be increased somewhat. However, the mechanical strength of the water-repellent layer is not so high, and the resistance to abrasion is low except for a portion where the chemical bond is firmly formed on the base. Therefore, it is desirable that the film be formed to a film thickness that does not cause any damage to the naked eye even if a wear scar occurs on the water repellent layer, that is, a film thickness of 20 nm or less, more preferably 10 nm or less, and even more preferably 5 nm or less.
[0166]
As a method for forming a water-repellent layer using (fluoro) alkylsiloxane, for example, (fluoro) alkylsiloxane or (fluoro) alkylsiloxane and an inert gas such as argon or helium are simultaneously placed in a vacuum chamber at a predetermined gas partial pressure. After the introduction, high-frequency plasma treatment is performed in a vacuum chamber, whereby siloxane is polycondensed by the radical active species generated, and a water-repellent layer that is firmly chemically bonded to the substrate surface can be formed. As the fluoroalkylsiloxane, for example, (heptadecane fluoro-1,1,2,2-tetrahydrodecyl) -1-trimethoxysilane (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., KBM7803) can be suitably used. As the alkylsiloxane, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, ethyltrimethoxysilane, ethyltriethoxysilane, or the like can be preferably used.
[0167]
Similarly, a water-repellent layer can be formed by wet coating of hydrolyzed condensates of these (fluoro) alkylsiloxanes.
[0168]
The hydrolyzed condensate of (fluoro) alkylsiloxane can be prepared by hydrolyzing the above (fluoro) alkyl silicone with dilute hydrochloric acid or acetic acid aqueous solution by a known method. Some are commercially available as liquids (for example, KP801M, KP880, etc., manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.), and are preferably used.
[0169]
In these wet coatings, in order to realize a very thin water repellent layer, the hydrolyzed condensate of (fluoro) alkylsiloxane is diluted with a large amount of solvent, and at a solid content concentration of at least 1% by weight or less. It is preferable to perform coating.
[0170]
As a coating method, a dip coating method, a spray coating method, a spin coating method, a roll coating method using a gravure roll, or the like is preferably used, but in some cases, a woven fabric or a nonwoven fabric soaked with a liquid is applied to the substrate surface. You may use the method of rubbing.
[0171]
In order to increase the mechanical strength of the water repellent layer, it is preferable to sufficiently proceed with the condensation of the siloxane hydrolyzate. Therefore, after coating, the temperature is about 110 to 130 ° C. through dry removal of the solvent at around room temperature. It is preferable to heat-treat.
[0172]
The polymer resin laminate produced by these methods can be used for a wide range of applications by further performing various processing steps (cutting, drilling, adhesion, adhesion, assembly, etc.).
Among them, the polymer resin laminate of the present invention is particularly suitable as a window material for various vehicles (automobiles, trucks, buses, two-wheeled vehicles, airplanes, trains, etc.) and is lighter than conventional glass plates. (It also has energy saving effects such as fuel efficiency improvement), safety (impact resistance, resistance to cracking), design, and other great advantages.
[0173]
[Specific target performance of polymer resin laminate of the present invention]
Now, the specific target performance related to the polymer resin laminate of the present invention described so far will vary depending on the intended use, but in the case of evaluating performance using various tests described in the examples below. For example, the following goals may be mentioned.
1. Abrasion resistance (Taber abrasion test)
The increase in the haze value (ΔH) of the sample when the surface on which the vapor-deposited layer of silicon oxide is formed is tested under the condition of wear wheel CS-10F and 1000 cycles is 1.2% or less.
2. Weather resistance (super xenon weather test, 2000 hours)
i) The coloration (Δb *) of the sample is 3 or less, more preferably 2 or less, and most preferably 1 or less.
ii) Interlayer adhesion of the deposited layer of silicon oxide and the actinic ray cured layer is good (80/100 or more).
iii) Deterioration of appearance (cracks, wrinkles, dents, blisters, etc.) is small in the naked eye observation.
3. Heat resistance (110 ° C, 500 hours)
i) The coloration (Δb) of the sample is 2 or less, more preferably 1 or less.
ii) Interlayer adhesion of the deposited layer of silicon oxide and the actinic ray cured layer is good (80/100 or more).
iii) Deterioration of appearance (cracks, wrinkles, dents, blisters, etc.) is small in the naked eye observation.
4). Moisture and water resistance (boiling water test, 3 hours)
i) Interlayer adhesion of the deposited layer of silicon oxide and the actinic ray cured layer is good (80/100 or more).
ii) Deterioration of appearance (cracks, wrinkles, dents, blisters, etc.) is small during visual observation.
5. Environmental cycle (heat cycle test)
i) Interlayer adhesion of the deposited layer of silicon oxide and the actinic ray cured layer is good (80/100 or more).
ii) Deterioration of appearance (cracks, wrinkles, dents, blisters, etc.) is small during visual observation.
6). surface hardness
The pencil hardness is F or higher.
[0174]
【Example】
The preferred embodiments of the present invention will be described below. However, the present invention is not limited to these examples.
[0175]
Various measurements and characteristic evaluations in Examples and Comparative Examples were performed as follows.
[0176]
Depending on the sample created here, there is a phenomenon in which the vapor deposition layer spontaneously peels off over time immediately after the deposition of the vapor deposition layer and cannot be fully evaluated. Evaluation was performed as much as possible in the part where Therefore, all items are not evaluated in such a sample. For those items that could not be evaluated, asterisks were entered in the sample performance evaluation table.
1. Measurement of thickness of actinic ray cured layer, vapor deposition layer, water repellent layer
About the actinic-light cured layer, the film thickness of the layer was calculated | required based on the cross-sectional observation image by a scanning electron microscope (SEM).
[0177]
About the film thickness of the vapor deposition layer, the film thickness was measured based on the well-known optical interference method. In the calculation of the film thickness by the optical interference method, the value of the refractive index of the deposited film at a wavelength of 589 nm measured in the following manner 5 was used. As for the film thickness measurement by this method, for example, there is an instantaneous multi-photometry system “PHOTAL” manufactured by Otsuka Electronics Co., Ltd. as a dedicated measuring apparatus.
[0178]
The film thickness of the water-repellent layer was very thin, so it was difficult to measure the actual polymer resin laminate on the sample. For this reason, the film thickness of the water-repellent layer laminated on the surface-clean silicon wafer by the same method as in the example was obtained by ellipsometry, and this was determined as the film of the water-repellent layer in the polymer resin laminate of the example. I decided to think it was almost equal to the thickness.
2. Nanoindentation measurement
Nanoindentation measurement of a vapor deposition layer of silicon oxide and an actinic ray hardening layer was performed using ENT-1100a manufactured by Elionix Co., Ltd. The measurement position was the center of the sample (near the intersection of diagonal lines).
[0179]
That is, using a triangular pyramid indenter with a ridge interval of 115 degrees, the maximum load value is equally divided into 250 to increase the indentation load in steps (4 μN / step for a maximum load of 1 m (millimeter) N). After reaching the maximum load, the pushing load is gradually reduced stepwise.
[0180]
The measurement is performed at a constant temperature of 25 ° C., and after the temperature of the measuring device and the sample is sufficiently stabilized, a load / displacement curve is measured under the conditions of a maximum load of 1 mN and a maximum load holding time of 1 second, and 5 times. The average value of the continuous measurements was taken as the measured value.
In nanoindentation measurement, care must be taken because the Young's modulus and hardness values obtained differ depending on the measurement conditions. In particular, the difference in measured values depending on the maximum load condition is remarkably large. In many cases, the larger the maximum load, the smaller the Young's modulus and hardness values obtained.
[0181]
For example, in Comparative Example 1 described later, when measured under the condition of a maximum load of 1 mN, the Young's modulus of the vapor deposition layer was 29.6 GPa, and the hardness (plastic deformation hardness) was 4.5 GPa. When the same sample was measured under the condition of a maximum load of 0.1 mN, the Young's modulus was 42 GPa, and the hardness (plastic deformation hardness) was greatly different from 8.2 GPa.
[0182]
For this reason, in the present invention, the maximum load of 1 mN was adopted because of the high reproducibility of the measured values.
In this example and comparative example, the nanoindentation measurement of the actinic radiation-cured layer was performed at the stage before the silicon oxide vapor deposition layer was laminated. (In other words, the polymer resin laminate with the actinic ray cured layer laminated thereon is shown after being subjected to heat treatment for 30 minutes with a 130 ° C. hot air dryer)
Also, in measurement of nanoindentation, measurement data errors may occur due to wear of the tip of the indenter. Therefore, before measuring each sample, a commercially available silicon wafer is first measured and a maximum load of 1 mN is measured. After confirming that the maximum displacement value when the silicon wafer was pushed in under the conditions was in the range of 55 nm ± 3 nm, the sample was measured. When the maximum displacement value deviated from this range, a new indenter was replaced.
[0183]
For reference, Table 2 shows the results of measuring a 1.1 mm thick commercial sheet glass and a 0.4 mm thick polycarbonate molded sheet (Teijin Kasei “Panlite PC-1151”) under the above measurement conditions. Also written.
3. Surface roughness measurement
Using an atomic force microscope (Nanoscope IIIa D3100) manufactured by Digital Instrument Co., Ltd., an uneven image of a 1 μm square region on the surface of the deposited film was measured. That is, the surface roughness (RMS) was obtained from the height information (Z coordinate) of all measurement points based on the following equation (1).
[0184]
RMS = {Σ (Zi−Zave) 2 / N} 1/2 ... (1)
Here, Zi is the height coordinate (Z coordinate) of the measurement point, Zave is the height coordinate (Z coordinate) of the averaged plane, and the square value of the height difference between the measurement point and the averaged plane is The sum total of all measurement points is divided by the total number N of measurement points, and the square root is taken as the RMS value.
[0185]
Here, the total number N of measurement points was N = 256 × 256 = 65536.
[0186]
In addition, the measurement was performed for five different places on the surface of the deposited film, and the average value of the surface roughness obtained from the concavo-convex image of each part was used as the value of the surface roughness (RMS) of the deposited film.
4). Oxygen permeability
Using an oxygen transmission rate measurement system “OX-TRAN 2/20” manufactured by MOCON, the oxygen transmission rate of the sample was measured under the conditions of 40 ° C. and 90% RH.
[0187]
For the measurement, a sample of a predetermined size (approximately 10 cm square) or a sample cut to the size is used, and the surface on which the deposited layer of silicon oxide is laminated is in contact with the measurement cell through the O-ring. Then, the sample was fixed to the measurement cell with a jig.
[0188]
Oxygen permeability is measured approximately once every hour for approximately 15 hours, and when the measured value gradually decreases and converges to a substantially constant value, The value of oxygen permeability of the sample was used. When the measured value has instability that repeatedly decreases and increases within the measurement time, the average value of the measured data for 5 to 15 hours after the start of measurement is taken as the value of oxygen permeability of the polymer resin laminate sample.
5. Measurement of the refractive index of the deposited layer
Using Atago multi-wavelength Abbe refractometer DR-M2, the surface on which the deposition layer is laminated is brought into close contact with the glass surface on the analyzer side via the liquid film of bromonaphthalene, and then the measurement light is incident from the end face of the sample And measured. The measurement wavelength was 589 nm.
6). Measurement of water absorption rate of actinic ray cured layer
After forming the actinic ray cured layer directly on the glass plate, scrape the cured layer from the glass plate with a blade or the like into a piece of film or powder about 1 g, and remove the sample in the film. In order to volatilize and remove the volatile substances, heat drying was performed at 100 ° C. for 2 hours in a vacuum dryer, and the weight (a) was accurately weighed immediately after the sample was taken out of the vacuum dryer. Next, the sample was kept in a constant temperature and humidity chamber at 30 ° C. and 95% RH for 48 hours to sufficiently absorb moisture, and immediately after the sample was taken out of the constant temperature and humidity chamber, its weight (I) was accurately weighed. Then, the water absorption rate (%) of the actinic ray cured layer was determined as a value of {(I)-(A)} / (A) × 100. The above measurement was repeated 5 times, and the average value of these measured values was adopted.
Here, a balance capable of accurate weighing with a minimum unit of 1 mg or less was used for weighing the sample weight.
7). Measurement of light absorption (ultraviolet light absorption) of actinic ray cured layer
Using a spectrophotometer U-3500 manufactured by Hitachi, Ltd., light absorption (ABS) in the wavelength region of 300 to 350 nm of each sample of the actinic ray cured layer was measured.
Here, a method for preparing a sample of the actinic ray curable layer used for the measurement is as follows.
A solution obtained by dissolving polyvinyl alcohol (Wako Pure Chemical Industries, average polymerization degree 2000) at a concentration of 1% by weight in a 3: 1 mixed solvent of water and normal propanol was 0.5 mm using a bar coater of mesh # 10. Polycarbonate on which one side of a thick polycarbonate sheet (Teijin Chemicals, Panlite “PC-1151”) is coated, dried at room temperature for 15 minutes, and then thermally dried at 120 ° C. for 15 minutes to have a polyvinyl alcohol layer laminated on one side A sheet was prepared.
[0189]
Next, on the surface of the sheet on which the polyvinyl alcohol layer is laminated, an actinic ray cured layer is laminated with the same film thickness as described in the examples, and after cutting the actinic ray cured layer into a desired shape with a knife, the edge Only the actinic ray-cured layer was peeled alone by an operation such as peeling with a tape or the like from the part.
8). Pencil hardness measurement
The measurement was performed in accordance with the pencil hardness measurement method described in Japanese Industrial Standard K5400. In addition, the determination of the presence or absence of scratches on the sample is made with the naked eye of the measurer in accordance with the above standards, but when the determination of scratches is subtle, the depth of the scratches (recesses) is set to a commercially available stylus. When the average value of the depth measured at five different locations was 0.2 μm or more, it was determined that “scratches had occurred”.
9. Taber wear measurement
Measurements were made based on ASTM D1044. That is, using a Taber abrasion tester (manufactured by Toyo Seiki Co., Ltd.), CS-10F and CS-10 wear wheels manufactured by Calibrase were used, and the test load was set to 4.9N. As for the test rotation speed, a test of 1000 cycles and 2000 cycles was performed with a wear wheel of CS-10F, and a test of 1000 cycles was performed with a wear wheel of CS-10.
[0190]
Here, for CS-10F and CS-10 wear wheels, the hardness of a wear wheel formed by dispersing a predetermined amount of fine particles (inorganic fine particles) having a particle size of about 20 to 50 μm in rubber is described in Japanese Industrial Standard K6301. It was used after confirming that the rubber hardness when measured in accordance with the rubber hardness measurement method is within a predetermined range (standard range).
In addition, a wear test is performed on the sample surface (the surface on which the silicon oxide vapor-deposited layer is laminated) by the above method, and the difference (ΔH) in the sample haze value obtained before and after the wear test is obtained from the following formula. The abrasion performance of the resin laminate sample was evaluated.
Haze (H) = (diffuse transmittance / total light transmittance) × 100 (%)
At this time, the sample was measured by setting the surface on which the wear test was performed toward the light detector side.
10. Measurement of haze value and total light transmittance
Measurement was performed using a measuring instrument (trade name “COH-300A”) manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd.
11. Adhesion evaluation
Based on the cross-cut tape test method described in Japanese Industrial Standard K5400, the adhesion evaluation between the vapor deposition layer and the actinic ray cured layer was performed.
[0191]
In addition, depending on the sample, there was a phenomenon in which the vapor deposition layer spontaneously peeled off over time immediately after the deposition of the vapor deposition layer, and there were some samples that could not be fully evaluated. The adhesion was described as 0/100 (natural) in the sample evaluation evaluation table.
12 Appearance evaluation
The surface of the sample on which the vapor deposition layer was laminated was well observed with the naked eye (observation was performed with both transmitted light and reflected light), and the occurrence of various appearance defects as described below was evaluated.
[0192]
Here, as the appearance defect, a defect having a size that can be recognized with the naked eye and a degree of abnormality is targeted, and a layer is peeled off on the surface of a 5 cm square sample (peeling area is approximately 1 mm). 2 Above), cracks (with a length of 2 mm or more), noticeable wrinkles, surface roughening, and whitening on average at one or more locations, “delamination”, “cracks”, “wrinkles”, “roughness”, respectively ”,“ Whitening ”, and fill in the sample performance evaluation table.
[0193]
In addition, the occurrence of irregularities, such as surface irregularities having a depth or height of about 1 μm or more and a diameter of about 20 μm or more (these defects can be observed with the naked eye) The following A to F were ranked and evaluated according to the degree. The target value was set to D or more.
A: The average number of irregularities observed within an area of 2 cm square on the sample surface is less than 1 on average.
B: An average of 1 to 3 irregularities observed within a 2 cm square area on the sample surface
C: The number of irregularities observed within an area of 2 cm square on the sample surface averaged 4 to 9
D: An average of 10 to 20 irregularities observed within an area of 2 cm square on the sample surface
E: An average of 21 to 40 irregularities observed within an area of 2 cm square on the sample surface
F: An average of 41 to 70 irregularities observed within an area of 2 cm square on the sample surface
G: An average of 71 or more irregularities observed within an area of 2 cm square on the sample surface
13. Contact angle measurement
Measurement was performed using a contact angle measuring device manufactured by Kyowa Interface Chemical Co., Ltd.
14 Weather resistance (super xenon weather test)
A test sample cut to a size of 6 cm x 14 cm is set inside a super xenon weather meter (manufactured by Suga Test Instruments Co., Ltd.) so that the laminated surface of the vapor deposition layer is directly irradiated with ultraviolet light used for the test. UV irradiation intensity 180W / m 2 A 2000-hour exposure test in which ultraviolet light was continuously irradiated was repeated while repeating a cycle consisting of a black panel temperature of 63 ° C., no rain (102 minutes) and rain (18 minutes) many times.
[0194]
This condition is considered to be an accelerated test approximately equivalent to an outdoor exposure test of 10 years.
[0195]
For the sample after the test, the appearance evaluation and the adhesion evaluation are performed as described above, and further, the transmission spectrum in the visible region of the sample before and after the test is measured, and the chromaticness index of the Lab color system defined in Japanese Industrial Standard Z8729 b * The increase in value, ie, the value of the sample color difference Δb before and after the test was compared to evaluate the degree of coloration of the sample.
[0196]
Here, the transmission spectrum is measured in the integrating sphere measurement mode with an incident angle of 0 degree of the Hitachi spectrophotometer U3500, and the b value is calculated by using the standard light C defined in Japanese Industrial Standard Z8720. Visual field conditions were used.
15. Moisture and water resistance test (boiling water test)
A sample of the polymer resin laminate is completely immersed in boiling water (ion-exchanged water) stirred with a magnetic stirrer for 3 hours, and then naturally dried at room temperature. The appearance evaluation and adhesion test are performed as described above. Went.
16. High temperature environment durability
The test sample was left in a hot air dryer controlled at a temperature of 110 ° C. for 500 hours, and then the test sample was taken out and subjected to appearance evaluation and adhesion evaluation as described above.
17. Environmental cycle test
A cycle in which a test sample is left at 80 ° C. in an 80% RH environment for 4 hours, at 25 ° C. in a 50% RH environment for 1 hour, in a −15 ° C. environment for 4 hours, and at 25 ° C. in a 50% RH environment for 1 hour. The test sample was taken out after repeating such a cycle 20 times, and appearance evaluation and adhesion evaluation were performed as described above. The temperature change rate during temperature increase / decrease during the cycle was about 1 ° C./min.
[0197]
[Example 1]
As the polymer resin substrate, a molded plate (Teijin Kasei “Panlite PC-1111”) having a thickness of 2 mm and a length and width of 350 mm × 250 mm made of a polycarbonate resin synthesized from bisphenol A and diphenyl carbonate was used.
The precursor material liquid for the actinic ray curable layer was prepared as follows.
That is, 90 parts by weight of dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical "Light acrylate DCP-A"), which is a diacrylate containing a cyclo ring, and dipentaerythritol hexaacrylate (Kyoeisha Chemical "Light acrylate") DPE-6E ")) in an amount of 10 parts by weight, and UV absorber 2- (4,6-diphenyl-1,3,5-triazin-2-yl) -5-[(hexyl) oxy] -phenol (Ciba Specialty Chemicals “Tinubin 1577FF”) 1.7 parts by weight, photopolymerization initiator 1-hydroxy-cyclohexyl-phenyl-ketone (Ciba Specialty Chemicals “IRGACURE 184”), polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow Silicone “SH2 PA ") 0.05 part by weight, was mixed with n-propyl alcohol 80 parts by weight, stirring well and the precursor material solution.
[0198]
After coating the precursor material liquid of this actinic ray curable layer on one side of the polycarbonate substrate using a bar coater, it is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 70 ° C., and integrated light quantity is obtained by a 160 W / cm high pressure mercury lamp. 1.2 J / cm 2 Were irradiated with UV rays, and an actinic ray cured layer having a thickness of 40 μm was laminated.
[0199]
The substrate was further cut to a size of 22 cm square, and then subjected to heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0200]
This substrate was set in a vacuum deposition apparatus in the arrangement shown in the schematic diagram of FIG. 1, and a vacuum deposition layer was laminated under the following conditions. The linear distance between the vapor deposition source and the center of the substrate (intersection of diagonal lines) was about 60 cm, and the substrate was placed so that the center of the substrate was directly above the vapor deposition source.
[0201]
In addition, the board | substrate was arrange | positioned by fixing the edge part to the metal holder which has a 20 cm square hole part with a metal clip.
[0202]
That is, in this arrangement, the angle between a perpendicular line to an arbitrary point on the substrate in the region (20 cm square) where vapor deposition is performed and a straight line connecting this point and the vapor deposition source is in the range of approximately 0 to 13 degrees. become.
[0203]
The vacuum evacuation was performed in the order of evacuation (rough evacuation) using an oil rotary pump (rotary pump), evacuation (mechanical evacuation) using a mechanical booster pump, and evacuation (main evacuation) using a turbo molecular pump and a cryopump (combined use).
[0204]
During evacuation, the substrate is heated by a ceramic heater placed above the substrate (substrate holder), heated at 100 ° C. for 1 hour, and then cooled to 45 ° C. The measurement was performed with a thermocouple placed close to the substrate). After cooling, the pressure in the vacuum chamber (hereinafter referred to as the ultimate vacuum pressure) is 2.9 × 10 -Four Pa.
[0205]
The silicon dioxide melt was heated and vaporized by electron beam scanning by using crushed particles of silicon dioxide melt (High Purity Chemical Laboratory, SIO07GB, particle size 2 to 5 mm) as a deposition source.
[0206]
The start and end of vapor deposition on the substrate were performed by opening and closing a shutter provided directly above the vapor deposition source.
[0207]
A vapor deposition film having a film thickness of 5.5 μm was deposited on the substrate such that the deposition rate of the vapor deposition was constant at approximately 0.5 μm / min. Here, the vacuum pressure during vapor deposition (hereinafter referred to as vacuum pressure during vapor deposition) is approximately 2 to 4 × 10. -3 It was between Pa.
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0208]
[Example 2]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0209]
That is, 80 parts by weight of isocyanuric acid ethylene oxide modified triacrylate (Toa Gosei Chemical "Aronix M315"), which is a triacrylate containing isocyanuric acid as the main polyfunctional acrylate, and dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical "Light acrylate DCP") -A ") in an amount of 20 parts by weight and used in combination with an ultraviolet absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t-butyl-4-hydroxyphenylpropio 2.4 parts by weight of Nate (trade name “Tinuvin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) (Incidentally, “Tinuvin 384-2” contains a small amount of solvent, but the solid content weight is 2.4 parts by weight. The same applies to the following examples and comparative examples), 1-methoxy-2-propano It was completely dissolved with stirring at 60 ° C. under heating Le 70 parts by weight.
[0210]
After cooling to room temperature, γ-acryloxypropyltrimethoxysilane (Shin-Etsu Chemical “KBM5103”) 20% by weight, photopolymerization initiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty) Chemicals "DAROCUR1173"), 6 parts by weight, polyethylene oxide-modified dimethylpolysiloxane (Nisso "DBE-224") 0.09 parts by weight, isopropyl alcohol 50 parts by weight are mixed well, and the precursor material liquid and did.
[0211]
After coating the precursor solution of the actinic ray curable layer on one side of the polycarbonate substrate using a bar coater, the coating is dried for 1 minute in a hot air drier controlled at 100 ° C., and the accumulated light amount is set to 0.1% by a 160 W / cm metal halide lamp. 6J / cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 40 μm was laminated, and further subjected to heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0212]
The film thickness of the deposited film is 5.3 μm, and the ultimate vacuum pressure is 2.8 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-4 × 10 -3 Between Pa.
[0213]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0214]
[Example 3]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0215]
That is, 65 parts by weight of diacrylate (Nippon Kayaku “KAYARAD R604”) containing 1,3-dioxane as the main polyfunctional acrylate and 25 weights of dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical “Light acrylate DCP-A”) And 10 parts by weight of dipentaerythritol hexaacrylate (Nippon Kayaku “KAYARAD DPHA”), 20% by weight of γ-acryloxypropyltrimethoxysilane (Shin-Etsu Chemical “KBM5103”), UV absorption Agent Iso-Octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-tert-butyl-4-hydroxyphenylpropionate (trade name “Tinuvin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) 2.4 Parts by weight, photopolymerization initiator 2-hydroxy-2-methyl 6 parts by weight of -1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCUR 1173”), 0.09 part by weight of polyethylene oxide-modified dimethylpolysiloxane (Chisso “DBE-224”) and 60 parts by weight of isopropyl alcohol are mixed. These were stirred well to obtain a precursor material solution.
[0216]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 80 ° C., and the accumulated light amount is 1.2 J using a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 35 μm was laminated, and further subjected to a heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0217]
The film thickness of the deposited film is 6.2 μm, and the ultimate vacuum pressure is 3.5 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 3-5 × 10 -3 Between Pa.
[0218]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0219]
[Example 4]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0220]
That is, as a polyfunctional acrylate as a main component, 60 parts by weight of hexamethylene diisocyanate-modified urethane hexaacrylate (Kyoeisha Chemical "UA-306H") which is a hexaacrylate containing a hexamethylene fatty chain and dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical). 40 parts by weight of “light acrylate DCP-A”) was used as a mixture, and UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t-butyl-4 was used for this. -2.8 parts by weight of hydroxyphenylpropionate (trade name “Tinubin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) and 100 parts by weight of 1-methoxy-2-propanol were completely dissolved while stirring under heating at 60 ° C.
[0221]
After cooling to room temperature, 20% by weight of γ-acryloxypropyltrimethoxysilane (Shin-Etsu Chemical “KBM5103”) and a photoinitiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCUR1173”) 6 parts by weight, polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow Silicone “SH28PA”) 0.12 parts by weight and isopropyl alcohol 50 parts by weight are mixed well, and the precursor material is mixed. A liquid was used.
[0222]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 100 ° C., and an integrated light intensity of 0.6 J using a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 25 μm was laminated, and further subjected to a heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0223]
The film thickness of the deposited film is 4.5 μm and the ultimate vacuum pressure is 3.0 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-4 × 10 -3 Between Pa.
[0224]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0225]
[Example 5]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0226]
That is, 50 parts by weight of isophorone diisocyanate-modified urethane hexaacrylate (Kyoeisha Chemical "UA-306I"), which is a hexaacrylate containing isophorone, and dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical "Light acrylate DCP- A ") 50 parts by weight are used in admixture with the UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t-butyl-4-hydroxyphenylpropionate (Product name “Tinubin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) 2.8 parts by weight and 100 parts by weight of 1-methoxy-2-propanol were completely dissolved while stirring under heating at 70 ° C.
[0227]
After cooling to room temperature, 20% by weight of γ-acryloxypropyltrimethoxysilane (Shin-Etsu Chemical “KBM5103”) and a photoinitiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCUR1173”) 6 parts by weight, polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow Silicone “SH28PA”) 0.12 parts by weight and isopropyl alcohol 50 parts by weight are mixed well, and the precursor material is mixed. A liquid was used.
[0228]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 100 ° C., and an integrated light intensity of 0.6 J using a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 22 μm was laminated, and further subjected to heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0229]
The film thickness of the deposited film is 4.4 μm and the ultimate vacuum pressure is 2.9 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-4 × 10 -3 Between Pa.
[0230]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0231]
[Example 6]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0232]
That is, 70 parts by weight of a urethane-based pentafunctional acrylate (Negami Kogyo "UN-9000H") and 20 parts by weight of dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical "Light Acrylate DCP-A") as a main polyfunctional acrylate and trimethylol 10 parts by weight of propane triacrylate (Nippon Kayaku “KAYARAD TMPTA”) was used in admixture, and UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t was used for this. -Butyl-4-hydroxyphenylpropionate (trade name “Tinubin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) 2.4 parts by weight, 100 parts by weight of 1-methoxy-2-propanol was completely stirred while heating at 60 ° C. Dissolved.
[0233]
After cooling to room temperature, 20% by weight of γ-acryloxypropyltrimethoxysilane (Shin-Etsu Chemical “KBM5103”) and a photopolymerization initiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty) Chemicals “DAROCUR1173”), 6 parts by weight, polyether-modified dimethylpolysiloxane (“SH28PA” manufactured by Toray Dow Silicone) 0.12 parts by weight, and isopropyl alcohol 50 parts by weight are mixed well, and the precursors are mixed. A liquid was used.
[0234]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 100 ° C., and an integrated light quantity of 0.9 J is obtained with a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 40 μm was laminated, and further subjected to heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0235]
The film thickness of the deposited film is 6.1 μm and the ultimate vacuum pressure is 3.3 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 3-5 × 10 -3 Between Pa.
[0236]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0237]
[Example 7]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0238]
That is, 85 parts by weight of tetraacrylate (Toa Gosei Chemical "Aronix M8030") made of polyester diol as the main polyfunctional acrylate and 15 parts by weight of dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical "Light acrylate DCP-A") are mixed. Γ-acryloxypropyltrimethoxysilane (Shin-Etsu Chemical “KBM5103”) 20% by weight, UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t -Butyl-4-hydroxyphenylpropionate (trade name “Tinuvin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) 2.4 parts by weight, photopolymerization initiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCUR1173 ) 5 parts by weight, 0.12 parts by weight of polyether-modified dimethylpolysiloxane (“SH28PA” manufactured by Toray Dow Silicone), 20 parts by weight of 1-methoxy-2-propanol and 80 parts by weight of isopropyl alcohol are mixed well. The mixture was stirred to obtain a precursor material liquid.
[0239]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 100 ° C., and an integrated light quantity of 0.9 J is obtained with a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 32 μm was laminated, and heat treatment for 30 minutes was performed in a hot air drier controlled at 130 ° C.
[0240]
The film thickness of the deposited film is 4.9 μm and the ultimate vacuum pressure is 3.1 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-5 × 10 -3 Between Pa.
[0241]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0242]
[Example 8]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0243]
That is, 80 parts by weight of trimethylolpropane triacrylate (Kyoeisha Chemical "Light acrylate TMP-3EO-A") and 20 parts by weight of dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical "Light acrylate DCP-A") are used as the main polyfunctional acrylate. Γ-acryloxypropyltrimethoxysilane (Shin-Etsu Chemical “KBM5103”) 20% by weight, and UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) ) -5-t-butyl-4-hydroxyphenylpropionate (trade name “Tinuvin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) 2.4 parts by weight, photopolymerization initiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl- Propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCU 1173 ") 6 parts by weight, polyether-modified dimethylpolysiloxane (" SH28PA "manufactured by Toray Dow Silicone Co., Ltd.) 0.12 parts by weight, and isopropyl alcohol 80 parts by weight, and these were mixed well to obtain a precursor material solution. .
[0244]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 80 ° C., and the accumulated light amount is 1.2 J using a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 40 μm was laminated, and further subjected to heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0245]
The film thickness of the deposited film is 6.2 μm, and the ultimate vacuum pressure is 3.8 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 4-6 × 10 -3 Between Pa.
[0246]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0247]
[Example 9]
Example 8 is the same as Example 8 except that 1.2 parts by weight of a hindered amine light stabilizer (Asahi Denka Kogyo "Adekastab LA-82") is mixed in the precursor solution of the actinic ray curable layer. A polymer resin laminate was prepared by the method described above.
[0248]
The film thickness of the deposited film is 6.0 μm and the ultimate vacuum pressure is 3.9 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 4-6 × 10 -3 Between Pa.
[0249]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0250]
[Example 10]
In Example 8, a polymer resin laminate was produced in the same manner as in Example 8, except that the actinic ray cured layer was produced in an atmosphere substituted with nitrogen gas in the following manner.
[0251]
That is, the substrate was prepared using a bar coater in the same manner as in Example 8 using the precursor material liquid in which the amount of the photopolymerization initiator mixed in the precursor liquid of the actinic ray curable layer in Example 8 was reduced to 0.6 parts by weight. After coating on one side, the film was dried for 1 minute in a hot air drier controlled at 80 ° C. Next, in a state where the atmosphere is replaced so that the oxygen concentration in the vicinity of the substrate coated with the precursor material becomes 2% or less by flowing nitrogen into the region where the sample is irradiated with ultraviolet rays in the ultraviolet curing device. Integrated light quantity of 1.2 J / cm with a 160 W / cm metal halide lamp 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 40 μm was laminated, and further subjected to heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0252]
The film thickness of the deposited film is 5.8 μm, and the ultimate vacuum pressure is 3.2 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-5 × 10 -3 Between Pa.
[0253]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0254]
[Example 11]
A precursor resin solution for the actinic ray curable layer was prepared as follows, and a polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was created in an atmosphere substituted with nitrogen gas. .
[0255]
Bifunctional acrylate (Nippon Kayaku "KAYARAD UX-8101") using 50 parts by weight of dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical "Light acrylate DCP-A") as a main component polyfunctional acrylate and polyester diol and urethane diol as raw materials ) 50 parts by weight are mixed with this and UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-tert-butyl-4-hydroxyphenylpropionate (Ciba Specialty) 2 parts by weight of Chemicals trade name “Tinuvin 384-2”) and 50 parts by weight of 1-methoxy-2-propanol were mixed well under heating at 70 ° C., cooled to room temperature, and then photopolymerization initiator 2-hydroxy-2. -Methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals "DAR OCUR1173 ") 0.5 parts by weight, polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow Silicone" SH28PA ") 0.1 parts by weight, and 60 parts by weight of isopropyl alcohol were mixed and stirred well to obtain a precursor solution. .
[0256]
After coating the precursor material solution of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate was dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 80 ° C. Next, in the state where the atmosphere is replaced so that the oxygen concentration in the vicinity of the substrate coated with the precursor material is 2% or less by flowing nitrogen into the region where the sample is irradiated with ultraviolet rays in the ultraviolet curing device. Integrated light intensity of 1.2 J / cm with a metal halide lamp 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 35 μm was laminated, and further subjected to a heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0257]
The film thickness of the deposited film is 5.8 μm, and the ultimate vacuum pressure is 3.2 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-5 × 10 -3 Between Pa.
[0258]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0259]
[Example 12]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0260]
That is, 100 parts by weight of dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical “Light acrylate DCP-A”) is used as the main component polyfunctional acrylate, and γ-acryloxypropyltrimethoxysilane (Shin-Etsu Chemical “KBM5103”) 20 % By weight, UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t-butyl-4-hydroxyphenylpropionate (trade name “Tinuvin 384-2 manufactured by Ciba Specialty Chemicals”) ] 2.4 parts by weight, photopolymerization initiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCUR1173”), 6 parts by weight, polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow silicone "SH28PA") 0.12 Parts, were mixed 80 parts by weight of isopropyl alcohol, these well stirred to obtain a precursor material solution.
[0261]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 80 ° C., and the accumulated light amount is 1.2 J using a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 35 μm was laminated, and further subjected to a heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0262]
The film thickness of the deposited film is 6.0 μm and the ultimate vacuum pressure is 3.2 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-5 × 10 -3 Between Pa.
[0263]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0264]
[Example 13]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 12 except that it was prepared in Example 12 in an atmosphere in which the actinic ray cured layer was replaced with nitrogen gas in the following manner.
[0265]
That is, using the precursor material liquid in which the mixing amount of the photopolymerization initiator of the precursor material liquid of the actinic ray curable layer of Example 12 was reduced to 0.6 parts by weight, the substrate was formed using a bar coater as in Example 9. After coating on one side, the film was dried for 1 minute in a hot air drier controlled at 80 ° C. Next, in a state where the atmosphere is replaced so that the oxygen concentration in the vicinity of the substrate coated with the precursor material becomes 2% or less by flowing nitrogen into the region where the sample is irradiated with ultraviolet rays in the ultraviolet curing device. Integrated light quantity of 0.9 J / cm with a 160 W / cm metal halide lamp 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 35 μm was laminated, and further subjected to a heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0266]
The film thickness of the deposited film is 5.8 μm, and the ultimate vacuum pressure is 2.8 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 1 to 4 × 10 -3 Between Pa.
[0267]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0268]
[Example 14]
In Example 12, a polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 12 except that the actinic ray curable layer was prepared by the electron beam curing method in the following manner.
[0269]
The precursor material solution for the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0270]
That is, 100 parts by weight of dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical “Light acrylate DCP-A”) is used as the main component polyfunctional acrylate, and γ-acryloxypropyltrimethoxysilane (Shin-Etsu Chemical “KBM5103”) 20 % By weight, UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t-butyl-4-hydroxyphenylpropionate (trade name “Tinuvin 384-2 manufactured by Ciba Specialty Chemicals”) ”) 3.2 parts by weight, 0.12 parts by weight of polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow Silicone“ SH28PA ”) and 80 parts by weight of isopropyl alcohol were mixed, and these were stirred well to obtain a precursor material liquid. .
[0271]
After coating the precursor material liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 80 ° C., and is an electron beam irradiation apparatus TYPE: CB250 / manufactured by ESI. 15/180 L, an electron beam was irradiated under conditions of an acceleration voltage of 150 KV and an irradiation dose of 400 KGY · m / min, an actinic ray cured layer having a thickness of 35 μm was laminated, and further, for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C. Heat treatment was applied.
[0272]
The film thickness of the deposited film is 5.5 μm, and the ultimate vacuum pressure is 3.1 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-4 × 10 -3 Between Pa.
[0273]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0274]
[Example 15]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared using the electron beam curing method in the following manner.
[0275]
That is, 75 parts by weight of dicyclopentanyl dimethacrylate (Kyoeisha Chemical "Light Acrylate DCP") and 25 parts by weight of dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical "Light Acrylate DCP-A") are mixed as the main component polyfunctional acrylate. Γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane (Shin-Etsu Chemical "KBM503") 20 wt%, UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5 -T-butyl-4-hydroxyphenylpropionate (trade name “Tinuvin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) 3.5 parts by weight, polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow Silicone “SH28PA”) 0.12 wt. Parts and 80 parts by weight of isopropyl alcohol These well stirred to a precursor material solution.
[0276]
After coating the precursor material liquid of this actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate was dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 80 ° C., and an electron beam irradiation apparatus TYPE: CB250 / manufactured by ESI. 15 / 180L, an electron beam was irradiated under conditions of an acceleration voltage of 150 KV and an irradiation dose of 400 KGY · m / min, an actinic ray cured layer having a thickness of 32 μm was laminated, and further for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C. Heat treatment was applied.
[0277]
The film thickness of the deposited film is 4.8 μm and the ultimate vacuum pressure is 2.9 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-4 × 10 -3 Between Pa.
[0278]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0279]
[Example 16]
The polymer resin laminate prepared in Example 2 was laminated on the silicon oxide vapor-deposited layer, and a water-repellent layer was provided in the following manner.
[0280]
That is, the polymer resin laminate produced in Example 2 was transferred into a vacuum chamber having a high-frequency transmission antenna, a high-frequency power source, and a reactive gas introduction mechanism, and subjected to high-frequency plasma treatment using fluoroalkylsiloxane as a reactive gas.
[0281]
The fluoroalkylsiloxane is sealed in a stainless steel vacuum vessel connected to the vacuum layer through two gas introduction regulating valves, and the vessel is immersed in a thermostatic bath to stabilize the temperature.
[0282]
After setting the sample in the vacuum chamber, 1 × 10 -3 After evacuating to Pa, the partial pressure of (heptadecanefluoro-1,2,2,2-tetrahydrodecyl) -1-trimethoxysilane (Shin-Etsu Chemical "KBM-7803") is about 3-4 × 10 -2 Introduced by adjusting the opening of the gas introduction adjustment valve so as to be around Pa, and subjected to high-frequency plasma treatment for 20 seconds under conditions of a transmission frequency of 13.56 MHz and an input power of 100 W, and a water-repellent layer by the high-frequency plasma of fluoroalkylsiloxane Were laminated.
[0283]
The water repellent layer had a thickness of about 4 nm.
[0284]
In addition, about the physical-property measurement value of the vapor deposition layer of the present Example described in Appendix 2, the measured value of the surface roughness (RMS) is a value obtained by measuring the vapor deposition layer before forming the water repellent layer. this
All the measured values other than are values obtained by measuring after laminating the water-repellent layer.
[0285]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0286]
[Example 17]
The polymer resin laminate prepared in Example 2 was laminated on the silicon oxide vapor-deposited layer, and a water-repellent layer was provided in the following manner.
[0287]
That is, the surface of the polymer resin laminate prepared in Example 2 on which the vapor deposition film was formed was first subjected to UV ozone treatment (OC2506 type, manufactured by Eye Graphic Co., Ltd.) for 1 minute, and then the hydrolyzed condensate of fluoroalkylsiloxane. Coating was performed.
[0288]
As the fluoroalkylsiloxane, a commercially available non-woven fabric (Asahi Kasei “Bencot”) was prepared by diluting a commercially available coating solution (Shin-Etsu Chemical “KP-801M”) with m-xylene hexafluoride (Aldrich) five times. Soaked with liquid.
While the nonwoven fabric is in contact with the surface on which the vapor-deposited film of the polymer resin laminate is formed, the liquid is transferred onto the vapor-deposited layer by rubbing uniformly and well, and then heat treated at 120 ° C. for 5 minutes to obtain a fluoroalkyl A water-repellent layer made of siloxane hydrolysis condensate was laminated.
The film thickness of this water repellent layer was about 6 nm.
[0289]
In addition, about the physical-property measurement value of the vapor deposition layer of the present Example described in Appendix 2, the measured value of the surface roughness (RMS) is a value obtained by measuring the vapor deposition layer before forming the water repellent layer. All other measured values are values obtained by measuring after laminating the water repellent layer.
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0290]
[Example 18]
In Example 1, a polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the thickness of the deposited layer made of silicon oxide was 10.4 μm.
[0291]
The ultimate vacuum pressure is 2.9 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-6 × 10 -3 Between Pa.
[0292]
[Example 19]
A polycarbonate molded plate (Teijin Kasei “Panlite PC-1111”) having a thickness of 4 mm and a size of 300 mm square was used as a substrate, and an actinic ray cured layer was formed on both surfaces of the molded plate by dip coating.
[0293]
As the precursor material liquid of the actinic ray curable layer, 60 parts by weight of isocyanuric acid ethylene oxide-modified triacrylate (Toa Gosei Chemical "Aronix M315"), which is a triacrylate containing isocyanuric acid as a main component polyfunctional acrylate, and dicyclopenta Nyl diacrylate (Kyoeisha Chemical Co., Ltd. “Light acrylate DCP-A”) 40 parts by weight was used as a mixture, and UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5 was used for this. 6 parts by weight of t-butyl-4-hydroxyphenylpropionate (trade name “Tinuvin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) and 20 parts by weight of 1-methoxy-2-propanol were completely dissolved while stirring under heating at 60 ° C.
[0294]
After cooling to room temperature, 6 parts by weight of a photopolymerization initiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCUR1173”) and a polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow) Silicone “SH28PA”) 0.1 part by weight and 50 parts by weight of ethyl alcohol were mixed and stirred well to obtain a precursor material solution.
[0295]
Using a stainless steel dip tank with a width of 400 mm, a depth of 40 mm, and a depth of 500 mm, dip coating was performed by immersing and lifting the molded plate into the coating solution with one end of the molded plate sandwiched between large clips. .
[0296]
The pulling rate was 120 mm / min, and after dip coating, the sample was left at room temperature for 1 minute while being held by a clip, and further subjected to heat treatment for 3 minutes in a 120 ° C. hot air drying furnace.
[0297]
Next, using a 120 W / cm high-pressure mercury lamp, the integrated light quantity is 1 J / cm. 2 Were irradiated from both sides of the molded plate to form an actinic ray cured layer having a thickness of 11 μm on both sides.
[0298]
The portion of the substrate on which the actinic ray curable layer is coated and formed is cut into a 22 cm square and heat treated at 130 ° C. for 30 minutes as in Example 1 and then set in a vacuum deposition apparatus. The vapor deposition layer of was laminated | stacked.
The film thickness of the deposited film is 5.3 μm, and the ultimate vacuum pressure is 2.8 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-4 × 10 -3 Between Pa.
[0299]
Subsequently, the substrate was turned upside down, and silicon oxide was vapor-deposited in the same manner on the back side, and vapor deposition layers were laminated on both sides of the substrate. The film thickness of the latter deposited film is 5.4 μm, and the ultimate vacuum pressure is 2.1 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 1 to 4 × 10 -3 Between Pa.
[0300]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0301]
Here, since the values in [Table 2] and [Table 3] are almost the same values on both surfaces, the average values are shown.
[0302]
In addition, since this polymeric resin laminated body used the board | substrate with a thickness of 4 mm, it was difficult to set to the same measuring apparatus in the measurement of oxygen permeability. For this reason, a 2 mm thick polycarbonate substrate (Teijin Kasei “Panlite PC1111”) was used as the polymer resin substrate, and a polymer resin laminate was prepared under the same conditions as above, and only the oxygen permeability was measured. The values are shown in [Table 2] and [Table 3].
[0303]
[Example 20]
An actinic ray cured layer was formed by two-layer coating. That is, using the precursor material solution for the actinic ray curable layer used in Example 19, dip coating to ultraviolet irradiation were performed in exactly the same manner as in Example 19 to form the first cured layer on both sides of the substrate.
[0304]
Next, after corona treatment is performed on both surfaces of the substrate, the above precursor material solution is used again to perform dip coating to UV irradiation in the same manner, and then laminated on the first cured layer. The cured layer was laminated.
[0305]
Finally, this substrate was kept in a hot air dryer controlled at 130 ° C. for 30 minutes.
Heat treatment was performed to complete the formation of the actinic ray cured layer on the substrate.
[0306]
The thickness of this actinic ray cured layer was 22 μm.
Thereafter, a vacuum deposited film of silicon oxide was formed on both sides of the substrate in exactly the same manner as in Example 19.
[0307]
In addition, the film thickness of the vapor deposition film | membrane previously formed here is each 5.3 micrometers, and ultimate vacuum pressure is 3.0x10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is 2-4 × 10 -3 It was between Pa.
The film thickness of the deposited film formed later is 5.4 μm, and the ultimate vacuum pressure is 2.3 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 1 to 4 × 10 -3 Between Pa.
[0308]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0309]
Here, since the values in [Table 2] and [Table 3] are almost the same values on both surfaces, the average values are shown.
[0310]
In addition, since this polymeric resin laminated body used the board | substrate with a thickness of 4 mm, it was difficult to set to the same measuring apparatus in the measurement of oxygen permeability. For this reason, a 2 mm thick polycarbonate substrate (Teijin Kasei “Panlite PC1111”) was used as the polymer resin substrate, and a polymer resin laminate was prepared under the same conditions as above, and only the oxygen permeability was measured. The values are shown in [Table 2] and [Table 3].
[0311]
[Example 21]
Thickness obtained by thermally laminating a film made of acrylic resin with a thickness of 50 μm mixed with about 1.4% by weight of UV absorber (Kanebuchi Chemical “Sanjuren Film SD005N”) as a polymer resin substrate. A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 19 except that a 5 mm polycarbonate substrate (Teijin Kasei “Panlite PC-8111”) was used.
[0312]
However, the heat treatment after forming the actinic ray cured layer on both sides was changed at 110 ° C. for 45 minutes.
[0313]
The thickness of this deposited film is 5.5 μm, and the ultimate vacuum pressure is 3.6 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-4 × 10 -3 Between Pa.
[0314]
Subsequently, the front and back of the substrate were turned upside down, and silicon oxide was similarly vapor-deposited on the back surface, and vapor deposition layers were laminated on both surfaces of the substrate. The film thickness of the latter deposited film is 5.6 μm, and the ultimate vacuum pressure is 2.8 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-4 × 10 -3 Between Pa.
[0315]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0316]
Here, since the values in [Table 2] and [Table 3] are almost the same values on both surfaces, the average values are shown.
[0317]
In addition, since this polymer resin laminated body used the board | substrate with a thickness of 5 mm or more, it was difficult to set to the same measuring apparatus in the measurement of oxygen permeability. For this reason, a 2 mm thick polycarbonate substrate (Teijin Kasei “Panlite PC1111”) was used as the polymer resin substrate, and a polymer resin laminate was prepared under the same conditions as above, and only the oxygen permeability was measured. The values are shown in [Table 2] and [Table 3].
[0318]
[Comparative Example 1]
In Example 1, a polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that a silicon oxide vapor deposition layer was formed by the following method.
[0319]
That is, in this example, with respect to the vacuum exhaust of the vapor deposition apparatus, exhaust (rough pulling) by an oil rotary pump (rotary pump) and exhaust (main pulling) by an oil diffusion pump (diffusion pump) were performed.
[0320]
With the same arrangement as in Example 1, the substrate was set in a vacuum chamber and evacuated to a pressure of 2 × 10. -3 After reaching a vacuum level of Pa, silicon dioxide was sublimated by an electron beam heating vapor deposition method, and a vapor deposition layer of 3.2 μm thick silicon oxide was laminated on the actinic ray cured layer.
[0321]
However, in Example 1, the substrate was heated during evacuation (before vapor deposition), but not in this example.
[0322]
The vacuum pressure during deposition is 1.6-2 × 10 -2 It was between Pa, and the deposition rate of the vapor deposition film was about 0.5 μm / min as in Example 1.
[0323]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0324]
[Comparative Example 2]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Comparative Example 1 except that a vapor deposition layer of 5.6 μm thick silicon oxide was laminated in Comparative Example 1. The vacuum pressure during deposition is 1.5-2 × 10 -2 Between Pa.
[0325]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0326]
[Comparative Example 3]
In Example 1, a polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that a silicon oxide vapor deposition layer was formed by the following method.
[0327]
That is, the substrate was set at a position different from that of the example in the vacuum apparatus as shown in FIG. 2, and the positional relationship between the vapor deposition source and the substrate was made different from that of the example.
[0328]
Here, the linear distance between the evaporation source (the center of the crucible) and the center of the substrate (the intersection of the diagonal lines) is about 60 cm as in the embodiment, but the center of the substrate is not located directly above the evaporation source, The substrate is arranged so as to be in an obliquely upward direction (an elevation angle of about 36 degrees).
[0329]
That is, in this arrangement, the angle formed by a perpendicular line to an arbitrary point on the substrate in the region (20 cm square) where vapor deposition is performed and a straight line connecting this point and the vapor deposition source is in the range of approximately 27 to 44 degrees. become.
[0330]
The deposited layer has a thickness of 5.3 μm and the ultimate vacuum pressure is 2.8 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-5 × 10 -3 Between Pa. The deposition rate of the deposited material was about 0.4 μm.
[0331]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0332]
[Comparative Example 4]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Comparative Example 1, except that the actinic ray cured layer was prepared as follows.
[0333]
As a precursor material of the actinic ray curable layer, 100 parts by weight of dipentaerythritol hexaacrylate (trade name “DPE-6A” manufactured by Kyoeisha Chemical Co., Ltd.) as a main component polyfunctional acrylate, and a photopolymerization initiator 1-hydroxy-cyclohexyl-phenyl- Mix 3 parts by weight of ketone (Ciba Specialty Chemicals “IRGACURE184”), 0.05 part by weight of polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow Silicone “SH28PA”) and 80 parts by weight of normal propyl alcohol, and stir them well. Thus, a precursor material solution was obtained.
[0334]
After coating this precursor material liquid on one side of a polycarbonate substrate using a bar coater, it was dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 70 ° C., and an integrated light quantity of 1.2 J / cm was obtained with a 160 W / cm high-pressure mercury lamp. 2 The actinic ray cured layer having a thickness of 5 μm was laminated, followed by heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0335]
Vapor deposition was performed without performing substrate heating during evacuation (before vapor deposition) as in Comparative Example 1.
[0336]
The film thickness of the vapor deposition layer is 4.3 μm, and the vacuum pressure during vapor deposition is 1.8 to 2.1 × 10. -2 It was between Pa, and the deposition rate of the vapor deposition layer was about 0.5 μm / min.
[0337]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0338]
[Comparative Example 5]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0339]
That is, 80 parts by weight of urethane acrylate (Shin-Nakamura Chemical "U-15-HA") having an average functional group number of 15 as a polyfunctional acrylate as a main component and dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical " Light acrylate DCP-A "), 20 parts by weight, and UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t-butyl-4-hydroxyphenylpropio 4 parts by weight of Nate (trade name “Tinuvin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) and 120 parts by weight of 1-methoxy-2-propanol were mixed under heating at 70 ° C., cooled to room temperature, and then photopolymerization initiator 2-hydroxy. 2-Methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCUR1173 ) 5 parts by weight, polyalkylene oxide modified dimethylpolysiloxane (nitrogen "DBE224") 0.08 parts by weight, were mixed 40 parts by weight of isopropyl alcohol, these well stirred to obtain a precursor material solution.
[0340]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 100 ° C., and an accumulated light amount of 1.2 J using a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 13 μm was laminated, and further subjected to heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0341]
The film thickness of the deposited film is 4.5 μm and the ultimate vacuum pressure is 2.9 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-4 × 10 -3 Between Pa.
[0342]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0343]
[Comparative Example 6]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0344]
That is, 80 parts by weight of hexamethylene diisocyanate-modified urethane hexaacrylate (Kyoeisha Chemical "UA-306H"), which is a hexaacrylate containing a hexamethylene fatty chain, as a main component polyfunctional acrylate as a precursor material of the actinic radiation curable layer; A mixture of 20 parts by weight of dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical Co., Ltd. “Light acrylate DCP-A”) was used, and UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) was used for this. ) -5-t-butyl-4-hydroxyphenylpropionate (trade name “Tinuvin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) 3.5 parts by weight, 1-methoxy-2-propanol 120 parts by weight under heating at 60 ° C. Dissolve completely with stirring.
[0345]
After cooling to room temperature, 5 parts by weight of photopolymerization initiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCUR1173”) and polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow) Silicone “SH28PA”) 0.1 parts by weight and isopropyl alcohol 40 parts by weight were mixed and stirred well to obtain a precursor material solution.
[0346]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 100 ° C., and an accumulated light amount of 1.2 J using a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 14 μm was laminated, and further subjected to a heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0347]
The film thickness of the deposited film is 4.7 μm, and the ultimate vacuum pressure is 3.0 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-4 × 10 -3 Between Pa.
[0348]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0349]
[Comparative Example 7]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0350]
That is, as a precursor material of the actinic ray curable layer, 80 parts by weight of 1,6-hexanediol diacrylate (Kyoeisha Chemical "Light acrylate 1,6HX-A") as a main component polyfunctional acrylate and dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha) 20 parts by weight of the chemical “light acrylate DCP-A”), to which was added the UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-tert-butyl-4-hydroxy 1.5 parts by weight of phenylpropionate (trade name “Tinubin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals), photopolymerization initiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCUR 1173”) ") 7 parts by weight and polyether-modified dimethyldisiloxane (Toray) Dow Silicone "SH28PA") 0.1 parts by weight of isopropyl alcohol 20 parts by weight, and these well stirred to a precursor material solution.
[0351]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 80 ° C., and the accumulated light amount is 1.2 J using a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 34 μm was laminated, and heat treatment for 30 minutes was performed in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0352]
The film thickness of the deposited film is 5.8 μm, and the ultimate vacuum pressure is 3.3 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 3-6 × 10 -3 Between Pa.
[0353]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0354]
[Comparative Example 8]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0355]
That is, as a precursor material of the actinic ray curable layer, as a polyfunctional acrylate as a main component, bifunctional acrylate (Nippon Kayaku "KAYARAD UX-8101") 80 parts by weight and dicyclopentanyldi as a main component polyfunctional acrylate 20 parts by weight of acrylate (Kyoeisha Chemical Co., Ltd. “Light acrylate DCP-A”), and UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t-butyl- After mixing 1.3 parts by weight of 4-hydroxyphenylpropionate (trade name “Tinuvin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) and 70 parts by weight of 1-methoxy-2-propanol under heating at 70 ° C., after cooling at room temperature , Photopolymerization initiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCUR1173”) 8 parts by weight, polyether-modified dimethyldisiloxane (Toray Dow Silicone “SH28PA”) 0.1 part by weight, isopropyl alcohol 30 parts by weight, these are mixed well, A precursor material solution was obtained.
[0356]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 100 ° C., and an accumulated light amount of 1.2 J using a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 40 μm was laminated, and further subjected to heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0357]
The film thickness of the deposited film is 5.7 μm, and the ultimate vacuum pressure is 3.7 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 4-6 × 10 -3 Between Pa.
[0358]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0359]
[Comparative Example 9]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0360]
That is, as a precursor material of the actinic radiation curable layer, as a main component polyfunctional acrylate, 80 parts by weight of pentaerythritol triacrylate (Toa Gosei Chemical "Aronix M-305") and dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical "Light Acrylate DCP") -A ") and 20 parts by weight of the UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t-butyl-4-hydroxyphenylpropionate (Ciba Specialty Chemicals product name “Tinuvin 384-2”) 2.0 parts by weight and photopolymerization initiator 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemicals “DAROCUR1173”) 5 parts by weight Part, polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow Silicone “SH28PA”) 0.1 parts by weight and isopropyl alcohol 80 parts by weight were mixed, and these were thoroughly stirred to obtain a precursor material solution.
[0361]
After coating the precursor liquid of the actinic ray curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air dryer controlled at 80 ° C., and the accumulated light amount is 1.2 J using a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 27 μm was laminated, and further subjected to heat treatment for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0362]
The film thickness of the deposited film is 4.9 μm and the ultimate vacuum pressure is 6.3 × 10. -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 6-8 × 10 -3 Between Pa.
[0363]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0364]
[Comparative Example 10]
A polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the actinic ray curable layer was prepared as follows.
[0365]
That is, as a precursor material of the actinic ray curable layer, as a main component polyfunctional acrylate, isocyanuric acid ethylene oxide modified diacrylate (Toagosei Chemical "Aronix M-215") and dicyclopentanyl diacrylate (Kyoeisha Chemical " Light acrylate DCP-A "), 20 parts by weight, and UV absorber iso-octyl-3- (3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-t-butyl-4-hydroxyphenylpropio 1.8 parts by weight of Nate (trade name “Tinubin 384-2” manufactured by Ciba Specialty Chemicals) and 50 parts by weight of 1-methoxy-2-propanol were mixed under heating at 60 ° C., cooled to room temperature, and then photopolymerization initiator. 2-Hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (Ciba Specialty Chemi Lus "DAROCUR1173"), 5 parts by weight of polyether-modified dimethylpolysiloxane (Toray Dow Silicone "SH28PA") and 50 parts by weight of isopropyl alcohol are mixed, and these are mixed well to obtain a precursor material solution It was.
[0366]
After coating the precursor material solution of the actinic radiation curable layer on one side of the substrate using a bar coater, the substrate is dried for 1 minute in a hot air drier controlled at 100 ° C., and an integrated light amount of 1.2 J using a 160 W / cm metal halide lamp. / Cm 2 Then, an actinic ray cured layer having a thickness of 28 μm was laminated, and heat treatment was performed for 30 minutes in a hot air dryer controlled at 130 ° C.
[0367]
The film thickness of the deposited film is 5.2 μm and the ultimate vacuum pressure is 6.9 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 7-9 × 10 -3 Between Pa.
[0368]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0369]
[Comparative Example 11]
In Example 1, a polymer resin laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that the thickness of the vapor deposition layer made of silicon oxide was 15.8 μm.
The ultimate vacuum pressure is 2.8 × 10 -Four Pa, vacuum pressure during deposition is approximately 2-6 × 10 -3 Between Pa.
[0370]
[Table 1], [Table 2], and [Table 3] show various evaluation results for the actinic ray curable layer, the vacuum deposition layer, and the polymer resin laminate prepared by the above method.
[0371]
[Comparative Example 12]
The actinic radiation curable layer was formed in exactly the same manner as in Example 19, except that the amount of the UV absorber “Tinuvin 384-2” in the precursor solution of the actinic radiation curable layer used in Example 19 was 14 parts by weight. Went.
[0372]
However, integrated light quantity 1J / cm 2 The surface hardening of the layer did not progress sufficiently even when irradiated with ultraviolet rays, and the integrated light amount was 2 J / cm. 2 Even in the case of doubling, surface hardening was insufficient.
[0373]
For this reason, it was judged that it was difficult to perform the subsequent steps, and the production of the laminate was canceled.
[0374]
[Table 1]
Figure 0004118711
[0375]
[Table 2]
Figure 0004118711
[0376]
[Table 3]
Figure 0004118711
[0377]
Table 1 is a table showing the weight ratio of each component when the weight of the whole non-volatile component in the precursor material of the actinic ray curable layer in Examples and Comparative Examples is 100, and the ultraviolet ray absorbing performance of the actinic ray curable layer.
[0378]
Table 2 is a table showing the physical property evaluation results of the actinic ray cured layer and the deposited film and the evaluation results of the initial performance of the polymer resin laminate in Examples and Comparative Examples.
[0379]
Table 3 is a table showing the physical property evaluation results of the actinic ray cured layer and the deposited film in Examples and Comparative Examples, and the performance evaluation results after various tests of the polymer resin laminate.
[0380]
【The invention's effect】
By applying the present invention to a resin molded product having low hardness and wear resistance such as polycarbonate, a polymer resin laminate having excellent wear resistance, surface hardness, weather resistance and water resistance is obtained. It can be used for a wide variety of applications such as window materials for various vehicles and buildings, structural materials requiring transparency.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing the arrangement of substrates in a vacuum deposition apparatus in an example.
2 is a schematic diagram showing the arrangement of substrates in a vacuum vapor deposition apparatus in Comparative Example 3. FIG.
FIG. 3 is a schematic view showing an example of a vacuum deposition apparatus suitable for continuously producing the polymer resin laminate of the present invention.
[Explanation of symbols]
1. substrate
2. Vapor deposition source
3. Electron beam
4). Board transfer path
5A, 5B, 5C. Vacuum chamber for initial exhaust process
6A, 6B, 6C. Vacuum chamber for degassing process
7A, 7B, 7C. Vacuum chamber for degassing process
8A, 8B, 8C. Vacuum chamber for cooling process
9A, 9B, 9C. Vacuum chamber for cooling process
10. Vacuum tank for conveying connection between cooling process and vacuum deposition process
11. Vacuum chamber for vacuum deposition process
12 Vacuum tank for conveying connection between vacuum deposition process and leak process
13. Vacuum chamber for leak process
14 heater
15. Vapor deposition source
16. Board transfer direction

Claims (17)

高分子樹脂基板の少なくとも一方の面に、厚みが3〜70μmの活性光線硬化層と、厚みが3.5〜12μmの酸化珪素の真空蒸着層が、この順に積層されてなる高分子樹脂積層体であって、該活性光線硬化層は、分子内もしくは単位繰り返し構造内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートの1種もしくは2種以上を混合した成分が、不揮発成分全体に対して50重量%以上を占める前駆材料に活性光線を照射して硬化してなる、最大荷重1mNの条件下でナノインデンテーション測定を行った時の硬度が0.2〜0.8GPaの範囲にあり、かつヤング率と硬度を乗じた値が1〜6(GPa)の範囲にある活性光線硬化層であって、かつ該酸化珪素の真空蒸着層は最大荷重1mNの条件下でナノインデンテーション測定を行った時のヤング率が45〜125GPaの範囲にある酸化珪素の蒸着層である事を特徴とする高分子樹脂積層体。A polymer resin laminate in which an actinic ray curable layer having a thickness of 3 to 70 μm and a silicon oxide vacuum deposition layer having a thickness of 3.5 to 12 μm are laminated in this order on at least one surface of the polymer resin substrate. In the actinic ray curable layer , a component in which one or two or more polyfunctional (meth) acrylates having two or more (meth) acryloyl groups in a molecule or a unit repeating structure are mixed is non-volatile. Hardness when nanoindentation measurement is performed under the condition of a maximum load of 1 mN , which is obtained by irradiating and curing an actinic ray to a precursor material occupying 50% by weight or more with respect to the total components. And a value obtained by multiplying Young's modulus and hardness is in the range of 1 to 6 (GPa) 2 , and the vacuum-deposited layer of silicon oxide has a maximum load of 1 mN. Nanoind Polymeric resin laminate having a Young's modulus when subjected to station measurement is characterized in that a deposited layer of silicon oxide in the range of 45~125GPa. 高分子樹脂基板の少なくとも一方の面に、厚みが3〜70μmの活性光線硬化層と、厚みが3.5〜12μmの酸化珪素の真空蒸着層が、この順に積層されてなる高分子樹脂積層体であって、該活性光線硬化層は、分子内もしくは単位繰り返し構造内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートの1種もしくは2種以上を混合した成分が、不揮発成分全体に対して50重量%以上を占める前駆材料に活性光線を照射して硬化してなる、最大荷重1mNの条件下でナノインデンテーション測定を行った時の硬度が0.2〜0.8GPaの範囲にあり、かつヤング率と硬度を乗じた値が1〜6(GPa)の範囲にある活性光線硬化層であって、かつ該高分子樹脂積層体の酸素透過率が0〜0.5cc/m/dayの範囲にある事を特徴とする高分子樹脂積層体。A polymer resin laminate in which an actinic ray curable layer having a thickness of 3 to 70 μm and a silicon oxide vacuum deposition layer having a thickness of 3.5 to 12 μm are laminated in this order on at least one surface of the polymer resin substrate. In the actinic ray curable layer , a component in which one or two or more polyfunctional (meth) acrylates having two or more (meth) acryloyl groups in a molecule or a unit repeating structure are mixed is non-volatile. Hardness when nanoindentation measurement is performed under the condition of a maximum load of 1 mN , which is obtained by irradiating and curing an actinic ray to a precursor material occupying 50% by weight or more with respect to the total components And an actinic ray-cured layer having a value obtained by multiplying Young's modulus and hardness in the range of 1 to 6 (GPa) 2 , and the oxygen permeability of the polymer resin laminate is 0 to 0.00. 5cc / m 2 / da A polymer resin laminate characterized by being in the range of y. 酸化珪素の真空蒸着層の表面粗さ(RMS)が0〜2.5nmの範囲にある事を特徴とする請求項1もしくは2のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。  3. The polymer resin laminate according to claim 1, wherein the surface roughness (RMS) of the vacuum-deposited layer of silicon oxide is in the range of 0 to 2.5 nm. 酸化珪素の真空蒸着層は、電子ビーム蒸着法により形成された酸化珪素の真空蒸着層である請求項1〜3のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。  4. The polymer resin laminate according to claim 1, wherein the silicon oxide vacuum deposition layer is a silicon oxide vacuum deposition layer formed by an electron beam deposition method. 活性光線硬化層は、吸水率が2重量%以下である活性光線硬化層である事を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。  The polymer resin laminate according to any one of claims 1 to 4, wherein the actinic ray curable layer is an actinic ray curable layer having a water absorption of 2% by weight or less. 活性光線硬化層の前駆材料に、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランが不揮発成分全体に対して5〜30重量%の割合で混合されている事を特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。The precursor material of the actinic radiation curable layer, .gamma. (meth) acryloxy propyl trimethoxy silane according to claim 1 to 5, characterized in that are mixed in a ratio of 5 to 30 wt% with respect to the total nonvolatile component The polymer resin laminate according to any one of the above. 活性光線硬化層の前駆材料に、ジメチルポリシロキサンの側鎖メチル基の少なくとも一部をポリアルキレンオキシ基を含む有機基で置換してなるポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンが不揮発成分全体に対して0.01〜0.3重量%の割合で混合されている事を特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。A polyether-modified dimethylpolysiloxane obtained by substituting at least a part of the methyl group in the side chain of dimethylpolysiloxane with an organic group containing a polyalkyleneoxy group is used as a precursor material for the actinic radiation-cured layer in a non-volatile component. The polymer resin laminate according to any one of claims 1 to 6 , wherein the polymer resin laminate is mixed at a ratio of 01 to 0.3% by weight. 活性光線硬化層の前駆材料に、紫外線吸収剤が混合され、該紫外線吸収剤は、不揮発成分全体に対する混合比率(重量%)と活性光線硬化層の厚み(μm)との積が45〜120(重量%・μm)の範囲となるような重量割合で混合されており、活性光線硬化層単独での300〜350nmの波長領域の光吸収(ABS)がいずれも2.0以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。The precursor of the actinic radiation curable layer is mixed with an ultraviolet absorber, and the ultraviolet absorber has a product of the mixing ratio (% by weight) with respect to the entire nonvolatile components and the thickness (μm) of the actinic radiation curable layer of 45 to 120 ( The light absorption (ABS) in the wavelength region of 300 to 350 nm of the actinic ray cured layer alone is 2.0 or more. The polymer resin laminate according to any one of claims 1 to 7 . 活性光線硬化層の前駆材料に、ヒンダードアミン系の光安定剤が、不揮発成分全体に対して0.2〜4重量%の割合で混合されている事を特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。The precursor material of the actinic radiation curable layer, a hindered amine light stabilizer is any of claims 1-8, characterized in that are mixed in a ratio of 0.2 to 4 wt% relative to the total nonvolatile component 2. The polymer resin laminate according to 1. 活性光線硬化層が、前駆材料がコーティングされた基板周囲の雰囲気の酸素濃度が2%以下になるように不活性ガスによる置換を行った状態で、活性光線を照射し、前駆材料を硬化してなる活性光線硬化層である事を特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。The actinic ray cured layer is irradiated with actinic rays in a state where the oxygen concentration in the atmosphere around the substrate coated with the precursor material is reduced to 2% or less, and the precursor material is cured. polymer resin laminate according to any one of claims 1 to 9, wherein it is actinic radiation curable layer comprising. 高分子樹脂基板の厚みが0.1〜25mmの範囲にある事を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。The polymer resin laminate according to any one of claims 1 to 10 , wherein the thickness of the polymer resin substrate is in the range of 0.1 to 25 mm. 酸化珪素の真空蒸着膜の表面に、フルオロアルキル基およびまたはアルキル基を有するシロキサンを縮合してなる、厚みが20nm以下で表面の水の接触角が85度以上である撥水層が形成されている事を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。A water repellent layer having a thickness of 20 nm or less and a surface water contact angle of 85 degrees or more formed by condensing a fluoroalkyl group and / or a siloxane having an alkyl group is formed on the surface of a vacuum deposited film of silicon oxide. polymer resin laminate according to any one of claims 1 to 11, characterized in that there. 高分子樹脂基板が、ポリカーボネート樹脂による成形基板であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。The polymer resin laminate according to any one of claims 1 to 12 , wherein the polymer resin substrate is a molded substrate made of a polycarbonate resin. 高分子樹脂基板として、ポリカーボネート基板の少なくとも活性光線硬化層及び酸化珪素の真空蒸着層を積層する面に、紫外線吸収剤を含むアクリル樹脂によるフィルムを積層してなる基板を用いることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。The substrate formed by laminating an acrylic resin film containing an ultraviolet absorber on a surface of a polycarbonate substrate on which at least an actinic ray-cured layer and a silicon oxide vacuum deposition layer are laminated is used. Item 14. The polymer resin laminate according to any one of Items 1 to 13 . 酸化珪素の真空蒸着膜を、蒸着が為される領域内にある基板上の任意の一点についての垂線と、この点と蒸着源を結ぶ直線との為す角度がすべて30度未満となる条件で形成することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載高分子樹脂積層体Silicon oxide vacuum-deposited film is formed under the condition that the angle between any perpendicular point on the substrate in the deposition area and the straight line connecting this point and the deposition source is less than 30 degrees. polymer resin laminate according to any one of claims 1 to 14, characterized in that. 活性光線硬化層を、同一もしくは異なる組成の前駆材料液を用いて形成する2つの硬化層を積層して作成することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。The polymer resin laminate according to any one of claims 1 to 15, wherein the actinic ray curable layer is formed by laminating two cured layers formed using precursor material liquids having the same or different composition. . 高分子樹脂基板の厚みが1〜25mmの範囲にある請求項1〜16のいずれかに記載の高分子樹脂積層体を少なくとも窓材の構成要素として含む車両用窓材。Vehicle window material containing as a component of at least a window material a polymer resin laminate according to any one of claims 1 to 16, the thickness of the polymer resin substrate is in the range of 1 to 25 mm.
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