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JP4115003B2 - 電極触媒の製造方法 - Google Patents

電極触媒の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極触媒の製造方法に関する発明であり、とくにガス拡散電極に好適な電極触媒に関する発明であり、とくに特性の優れた酸素還元ガス拡散電極に好適な電極触媒の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス拡散電極は、気体の有する化学的エネルギーを電気エネルギーとして取り出す燃料電池、金属−空気電池において用いられている。また、食塩水の電気分解のように水素が発生する陰極に酸素ガス拡散電極を用いるならば、電気分解電圧を低下させることが可能であり、省エネルギーの電気分解を実現可能であるために電気分解の用途においても期待されている。ガス拡散電極には、各種のものが知られているが、水溶液を電解液とした酸素還元ガス拡散電極においては、気体をイオン化し電気化学反応に供するために、気体、電解液、酸素還元用触媒が存在する三相界面を形成することが必要である。
【0003】
そして、気体側への電解液の浸透、電解液側への気体が放出するフラッディング等を防止するために、酸素が導入されるガス拡散層と、電解液に接触する触媒担持層とを接合したガス拡散電極が知られている。ガス拡散層は、充分な気体の透過性を有し、液体を浸透しないようにするために、多孔性炭素粒子と撥水性の大きなポリテトラフルオロエチレン粉末から形成されている。また、ガス拡散層内にはニッケル、銅等の集電体が埋め込まれている。触媒担持層は、多孔性炭素粒子とポリテトラフルオロエチレンで構成され、酸素還元用触媒を担持している。
【0004】
この酸素還元用触媒としては、白金、パラジウム等の貴金属が用いられていたが、本発明者等は、特開平2−257577号公報および特開平7−289903号公報において、ペロブスカイト型酸化物である、La1-xCax CoO3、La1-xx)(Co1-yMny)O3(M:アルカリ土類金属、x=0〜1,y=0.5以上)が貴金属と同様の酸素還元触媒能を有するものであることを提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ペロブスカイト型酸化物からなる酸素還元電極用触媒の製造は、ランタン、コバルト、マンガン、アルカリ土類金属を原料としてペロブスカイト型酸化物からなる酸素還元電極用触媒を製造し、得られた酸素還元電極用触媒を、炭素粒子、フッ素樹脂粒子とを混合して触媒担持粉末を形成している。
【0006】
ペロブスカイト型酸化物の調製方法としては、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩等を原料とした粉末を焼成することによって合成する方法が知られている。しかしながらこの方法では、高表面積の酸化物を得ることができず、電極触媒用に好適なものを得ることはできなかった。
【0007】
低い焼成温度でペロブスカイト型構造が得られれば、―般的に粒子径が小さく比表面積が大きいペロブスカイト型酸化物を調製することができる。比較的容易に、しかも焼成温度を低くして調製する方法として、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸、ポリアクリル酸等を用いて金属の有機錯体を作製した後に焼成する方法である。この方法では高表面積の金属酸化物を得ることはできるが、しかしながら担体に担持させる際に高分散状態とすることは困難であった。
【0008】
ガス拡散電極の電気化学的特性は、酸素還元用電極触媒の組成、酸素還元用電極触媒を担持する炭素上での存在形態、酸素還元用電極触媒を担持する炭素の形態等の種々の要素によって影響を受けるものと考えられるが、本発明は、酸素還元用電極触媒を担持する炭素上での存在形態に着目し、その形態を改善することによってガス拡散電極としての特性を改善することを課題とするものであり、電極触媒担体上に高分散状態で電極触媒を析出させたガス拡散電極を得ることを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電極触媒の製造方法において、有機溶媒中に界面活性剤を溶解した溶液中にランタン塩とマンガン塩の混合水溶液からなる金属塩水溶液を混合して形成した逆ミセル溶液と、有機溶媒中に界面活性剤を溶解した溶液中に金属塩の沈殿剤を含む逆ミセル溶液とを混合し電極触媒前駆体を含有する逆ミセルを形成して電極触媒前駆体をえる工程において、逆ミセル溶液中に、炭素粒子を分散し、電極触媒前駆体を炭素粒子に担持した後に非酸化性雰囲気において焼成してペロブスカイト型のLaMnO 3.00 からなる電極触媒を形成する電極触媒の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の電極触媒の製造方法は、逆ミセルによって析出粒子の大きさを規制した状態で電極触媒物質前駆体を析出させる際に、逆ミセル溶液に炭素粒子を分散して担持させた後に固形物を分離し焼成したことによって、炭素粒子上に触媒活性が大きな電極触媒物質を高分散状態で担持したものである。その結果、触媒活性が大きな特性の優れたガス拡散電極が得られることを見出したものである。
【0011】
逆ミセルは、有機溶媒中で界面活性剤分子等の両親媒性物質が集合することにより形成される分子集合体の一種である。逆ミセルを構成する界面活性剤分子のそれぞれは、その親水性基を内側に、疎水性基を外側すなわち有機溶媒相側に向けて配向していることが知られている。
【0012】
親水性基が集まった部分には、水などの極性分子を保持する能力があり、界面活性剤を有機溶媒に溶解した溶液に水溶液を加えると、水溶液は直径数nm〜数10nm程度の極めて小さな水滴(waterdroplet)となって有機溶媒中に安定に分散することができる。微細な水滴は、界面活性剤を溶解させた有機溶媒溶液に水溶液を注入して形成させるが、注入した水と界面活性剤のモル比によって逆ミセルの微細組織の大きさが決定できる。
【0013】
図面を参照して、逆ミセルを利用した塩の水溶液からの沈殿の生成を説明する。
図1は、逆ミセル中での沈殿の生成反応を説明する図である。
図1(A)に示すように、有機溶媒1中に界面活性剤2を混合した溶液中に、硝酸ランタン水溶液、硝酸マンガン水溶液を加えると、界面活性剤2は、親水性基3を内側に疎水性基4を外側にして金属塩水溶液包含逆ミセル5が生成する。また、図1(B)に示すように、同様に有機溶媒中に界面活性剤2を混合した溶液中に、金属塩水溶液から沈殿物を形成させる沈殿剤水溶液を加えると、沈殿剤水溶液包含逆ミセル6が生成する。
【0014】
次いで、図1(C)に示すように、両者の逆ミセルを混合すると、逆ミセル同士が結合して、逆ミセル中において沈殿反応が進行する。
さらに、沈殿7の熟成を行うことによって、図1(D)に示すように逆ミセル大きさに規制された沈殿物含有逆ミセル8を得ることができる。
したがって、逆ミセルによって得られる沈殿物は、超微粒子が単分散状態で分散した極めて分散性の大きなものが得られる。
【0015】
本発明では、電極触媒物質の原料の金属の塩類の水溶液を有機溶媒中に界面活性剤を混合した溶液中に添加して、電極触媒物質の原料の金属の塩類の水溶液を含んだ逆ミセルを形成するとともに、電極触媒物質の塩を沈殿することができる沈殿剤の水溶液を内部に包含した逆ミセルを同様に作製し、両者の逆ミセルを含んだ溶液を混合して、逆ミセル中において沈殿析出反応を起こすとともに、逆ミセル溶液中に炭素粒子を分散したので、炭素粒子上に高度に分散された電極触媒を得ることができる。
【0016】
以下に本発明の電極触媒物質の製造方法を説明する。
図面を参照して説明する。
図2は、本発明の電極触媒の製造工程を説明する図である。
逆ミセル溶液Aの調製工程10において、シクロヘキサン等の有機溶媒中に界面活性剤を加え、さらに電極触媒物質の原料の金属塩の混合物の水溶液を加えて攪拌し、逆ミセル溶液Aを調製する。
【0017】
同様に、逆ミセル溶液Bの調製工程11において、界面活性剤を混合したシクロヘキサン等の有機溶媒中に、電極触媒物質の原料の金属塩の混合物から金属塩を沈殿させることが可能な沈殿剤の水溶液を加えて逆ミセル溶液Bを調製する。
【0018】
次いで、混合工程12において、逆ミセル溶液Aに逆ミセル溶液Bを加えて攪拌すると、逆ミセル中に金属の混合水酸化物の懸濁液Cが形成される。懸濁液を熟成工程13において熟成した後に、分離工程14において、遠心分離、濾過、洗浄等の方法によって沈殿物を分離し洗浄する。次いで、乾燥工程15において乾燥の後に微粉化し、電極触媒物質の前駆体を作製する。さらに、焼成工程16において電極触媒物質の前駆体を焼成して電極触媒物質を製造する。
【0019】
本発明の電極触媒物質の製造方法では、以上のような逆ミセル溶液の混合による水酸化物の生成工程において、有機溶媒溶液中に炭素粒子を分散することを大きな特徴としている。
【0020】
炭素粒子の混合方法には、逆ミセル溶液Aを逆ミセル溶液Bとの混合前のイ、またはロで示す少なくともいずれか一方において、溶液に混合する方法。混合工程と熟成工程の間のハで示す工程で混合する方法、熟成工程と分離工程の間の二の工程で混合する方法等を挙げることができる。
【0021】
いずれの状態の逆ミセル溶液に加えても、炭素粒子は有機溶媒中において高度に分散されるので、逆ミセルによってその大きさを規制された超微粒子状の沈殿物が、炭素粒子に担持された活性が大きな電極触媒物質の前駆体を得ることができる。
【0022】
本発明の、電極触媒物質の前駆体は、金属塩の焼成、あるいはある種の有機酸塩の焼成による方法に比べて、低温度での焼成によってペロブスカイト型の金属酸化物からなる電極触媒物質を形成することができるので、担体の炭素の酸化が進行しないように、窒素等の非酸化性雰囲気において加熱焼成することが好ましい。
【0023】
本発明において、逆ミセルの形成に利用可能な有機溶媒としては様々な物質が使用可能であるが、一例を挙げると、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、ヘプタン、トルエン等である。また、逆ミセル中の水滴の大きさを調節する目的でアルコール等を添加しても良い。
【0024】
有機溶媒中で逆ミセルを形成する界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ラウリン酸マグネシウム、カプリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ナトリウムフェニルステアレ−ト、アルミニウムジカプリレ−ト、テトライソアミルアンモニウムチオシアネ−ト、n−オクタデシルトリn−ブチルアンモニウム蟻酸塩、n−アミルトリn−ブチルアンモニウムヨウ化物、ナトリウムビス(2−エチルヘキシル)琥珀酸塩、ナトリウムジノニルナフタレンスルホネ−ト、カルシウムセチルサルフェート、ドデシルアミンオレイン酸塩、ドデシルアミンプロピオン酸塩、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンムニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムクロライド、(2−オクチルオキシ−1−オクチルオキシメチル)ポリオキシエチレンエチルエーテル等を挙げることができる。
【0025】
本発明においては、電気触媒物質前駆体の焼成によってペロブスカイト型の酸化物を形成させることが必要であるが、電極触媒物質の前駆体の種類に応じて界面活性剤を変えることによってより低い温度でのペロブスカイト型の酸化物の生成が可能である。
【0026】
また、逆ミセルAの製造に好適な水溶液としては、希土類硝酸塩を始めとする希土類塩の水溶液、コバルト、マンガン、アルカリ土類金属の硝酸塩等の水溶液を挙げることができる。
【0027】
また、沈殿剤としては、希土類硝酸塩をはじめとする金属塩から水酸化物等の形態で懸濁液を生成することが可能なものを用いることができる。例えば、沈殿剤は、電極触媒物質の混合水酸化物の懸濁液を生成することができるアンモニア水、テトラアルキルアンモニウム等の金属成分を含有しないアルカリを用いることが好ましい。
【0028】
とくに、本発明のガス拡散電極においては、硝酸ランタン水溶液と硝酸マンガン水溶液を用いて逆ミセルを形成した後に、沈殿剤を含む逆ミセルとを混合して懸濁物を析出させた後に焼成する場合には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液を用いた場合の方が、アンモニア水を用いた場合よりもペロブスカイト相の生成温度が低いので、本発明のように炭素粒子とともに焼成する場合には、とくに低温度で焼成を行うことができるので好ましい。
硝酸ランタン水溶液と硝酸マンガン水溶液を用いて、炭素粒子上に担持した電極触媒前駆体を形成した後に、窒素雰囲気で焼成するとペロブスカイト型のLaMnO3.00が得られる。
【0029】
また、本発明において使用することが可能な炭素粒子は、微粒子状のものであり、BET比表面積が100〜2000m2/gのカーボンブラックを挙げることができ、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、およびサーマルブラック等と称されるものを使用することができる。とくにファーネスブラックが好ましい。
また、炭素粒子の粒径は、0.01μmないし0.1μmであることが好ましい。
【0030】
次に、本発明のガス拡散電極の製造方法について説明する。
図3は、ガス拡散電極の一例を説明する図である。
ガス拡散電極30は、ガス拡散層31と反応層32の二層構造を有するものである。また、ガス拡散層31中には、外部回路に接続する集電体33が設けられている。
ガス拡散電極のガス拡散層31は、供給された酸素が反応層中に効率よく供給されることが必要であり、ガス拡散層中には微細な細孔が形成されている。すべての電極触媒の活性点が反応に関与し、活性点に到達するまでの物質供給及び生成物の拡散が良好に維持されることが必要である。
【0031】
ガス拡散層用の粒子としては、炭素粒子をブタノール水溶液等に分散させた後に、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂のディスパージョンを混合して分散させて、濾過、乾燥して得られた粒子を用いることができる。ガス拡散層には、撥水性が高く粒子径の大きい炭素粒子を用いることが好ましい。
【0032】
また、反応層用の粒子としては、本発明の方法によって電極触媒を担持した炭素粒子をポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂のディスパージョンを混合して、ブタノール等の分散剤を用いて分散した後に、濾過、乾燥した後に微粉化した粒子を用いることができる。
【0033】
ガス拡散電極は、所定の形状の金型内に、集電体用のニッケル網等を設け、集電体上にガス拡散層用の粒子を充填して冷間プレスを行った後に、次いで反応層用の粒子を充填して冷間プレスを行った後に、ホットプレスを行うことによって製造することができる。
【0034】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を説明する。
実施例1
(反応層用粉末の調製)
シクロへキサン40gに界面活性剤としてポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル41gを加えて攪拌し、これに、濃度0.2Mの硝酸ランタン水溶液2.5mlと濃度2.5Mの硝酸マンガン水溶液2.5mlとをあらかじめ混合した混合水溶液を加えて透明になるまで1時間攪拌し、逆ミセル溶液Aを調製した。
【0035】
また、シクロへキサン120gに界面活性剤としてポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル123gを加えて攪拌し、さらに、濃度10重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液15mlを加えて1時間攪拌して逆ミセル溶液Bを得た。
次いで、逆ミセル溶液Aにカーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製 ケッチェンブラックEC600JD BET比表面積1270m2/g)を240mg混合した後に1時間攪拌した後に、逆ミセル溶液Bを混合した。
混合後、ランタンとマンガンの混合水酸化物の懸濁物を逆ミセル中に含む溶液を24時間熟成した。
【0036】
熟成後、遠心分離機(日立製作所製 CENTRIFUGE05P−20B)を用いて6時間遠心分離を行い沈殿を分離した後に濾過して、エタノールおよび水で洗浄した。
得られた固形物を100℃において12時間乾燥した後に、乳鉢で粉砕し、電極触媒前駆体を担持した炭素粒子を得た。
次いで、電極触媒前駆体を担持した炭素粒子を、窒素雰囲気において、600℃において5時間焼成して電極触媒前駆体からペロブスカイト型酸化物の電極触媒を形成した。
【0037】
得られた電極触媒は、粉末X線回折装置(理学電機製 RNT2OOO)を用いて、CuKα線をX線源として2θ=20°ないし80°の範囲で測定したところ、図4(A)に測定結果を示すように、ペロブスカイト型のLaMnO3.00であることを確認することができた。
【0038】
得られた電極触媒を担持した炭素粒子の375mgを、ブタノール:水=1:10(容量比)の500mlに加え、ポリテトラフルオロエチレンディスパージョン(ダイキン工業製 POLYFLON TFE D−1 固形分60重量%)を125mg加えて1時間攪拌し濾過して、100℃において24時間乾燥させた後に、ミル(松下電工製 MK−52M)で微粉化して反応層用粉末を得た。次いでエタノールおよび水で洗浄した。
【0039】
(ガス供給層用粉末の調製)
カーボンブラック(電気化学工業製 デンカブラックAB−7):界面活性剤(トライトン X−100 ローム アンド ハース社製 ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル):水=1:1:30(重量比)の混合物にポリテトラフルオロエチレンディスパージョン(ダイキン工業製 POLYFLONTFE D−1 固形分60重量%)を、カーボンブラック:ポリテトラフルオロエチレン粒子=7:3(重量比)となるように加えてミキサー(日立製作所製 VA−950)で5分間攪拌した後に、得られた懸濁液を凍結し、解凍の後に吸引濾過を行い。得られた固形物を100℃において24時間乾燥した後に、ミキサーで粉砕して微粉化し、大気中において280℃で3時間熱処理を行って、界面活性剤の分解を行った。その後さらにミルにおいて微粉化することによってガス供給層用粉末を得た。
【0040】
(ガス拡散電極の作製)
内径20mmのホットプレス用金型の底部にアセトンで脱脂したアルミニウム箔を載置し、アルミニウム箔上に、線径0.1mm、100メッシュのニッケル網を置き、ガス供給層用粉末を40mg充填し、160kg/cm2 で冷間プレスをし、次いで、冷間プレスしたガス供給粉末上に反応層用粉末を25mg充填して金型により320kg/cm2 で冷間プレスをした。
【0041】
その後、700℃に保った箱形電気炉の中に投入して370℃まで昇温させた後、640kg/cm2 で3秒間ホットプレスした後に、水で急冷し、ガス拡散型電極を得た。
【0042】
(ガス拡散電極の電気化学的特性)
以下に、本発明のガス拡散電極の電気化学的特性の測定に用いた装置を説明する。
図5は、ガス拡散電極の電気化学的特性の測定用セルを説明する図であり、断面を示す図である。
図5において、測定用セル40は、フッ素樹脂製の枠体41にガス拡散電極30をO−リング42によって気密に取り付けたものである。ガス拡散電極30は、ガス拡散層31と反応層32の二層構造を有するものであり、ガス拡散電極中の集電体33には、導電接続用のリード線43が接続されており、ガス拡散電極面への空気供給管44が設けられており、外部から空気45を供給し、反応後の空気を空気排出管46から外部へ排出している。
【0043】
また、図6は、ガス拡散電極の電気化学的特性の測定装置を説明する図である。
60℃に保持した恒温槽50内に、電解液として8M水酸化カリウム水溶液を満たした電解槽51を設置して、図5に示した測定用セル40を取り付け、ガス拡散電極を作用極52とした。また、対極53には白金電極を用いた。作用極の近傍に、水銀−酸化第二水銀電極から構成された参照電極54のルギン毛管55の先端を設置し、作用極、対極および参照電極を、ポテンショスタット・ガルバノスタット56(北斗電工製 HA−305)にそれぞれ接続して、ガス拡散電極の酸素還元特性を測定し、その結果を図7において、横軸に電流密度、縦軸に水銀−酸化水銀電極に対する電極電位で示す。
【0044】
比較例1
実施例1に記載の反応層用粉末の調製方法において、カーボンブラックを逆ミセル溶液に加えることなく、混合水酸化物粉末を析出させた後に、実施例1と同様の量関係となるように混合水酸化物粉末とカーボンブラックを混合し、この混合粉末375mgをブタノール:水=1:10(容量比)の500mlに加えて、1時間攪拌した後に濾過して、100℃において5時間乾燥させた後に、ミル(松下電工製 MK−52M)で微粉化した後に焼成した点を除き、実施例1と同様にして反応層用粉末を得た。
得られた反応層粉末を用いて実施例1と同様にして、ガス拡散電極を作製し、電気化学的特性を測定し、測定結果を図7に示す。
【0045】
比較例2
濃度0.2Mの硝酸ランタン水溶液15mlと濃度0.2Mの硝酸マンガン水溶液15mlの混合水溶液に、2mlのブタノールを加え、1200mgのカーボンブラックを加えた後に、濃度10重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液90mlを加えて1時間攪拌して混合水酸化物を析出させた後に、固形物を実施例1と同様に濾過、洗浄、乾燥の後に窒素雰囲気で650℃において焼成してペロブスカイト型酸化物を担持した炭素粒子を得た。
得られた炭素粒子を用いて実施例1と同様にして、ガス拡散電極を作製し、電気化学特性を測定し、測定結果を図7に示す。
【0046】
比較例3
濃度0.1Mの硝酸ランタン水溶液250mlと濃度0.1Mの硝酸マンガン水溶液500mlの混合水溶液に、20gのリンゴ酸を加えて、エバポレーターで70℃で乾燥した後に、200℃で仮焼し、次いで乳鉢で粉砕した後に650℃で焼成し、得られたペロブスカイト型酸化物を実施例1と同様の量関係となるようにカーボンブラックを混合し、この混合粉末375mgをブタノール:水=1:10(容量比)の500mlに加えて、1時間攪拌した後に濾過して、100℃において5時間乾燥させた後に、ミル(松下電工製 MK−52M)で微粉化した後に大気中で焼成した点を除き、実施例1と同様にして反応層用粉末を得た。
得られた電極触媒は、粉末X線回折装置(理学電機製 RNT2000)を用いて、CuKα線をX線源として2θ=20°ないし80°の範囲で測定したところ、図4(B)に測定結果を示すようにLaMnO3.15であることが確認できた。
得られた反応層用粉末を用いて実施例1と同様にして、ガス拡散電極を作製し、電気化学特性を測定し、測定結果を図7に示す。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、炭素粒子を逆ミセル中に粒子径を規制された状態の液体に分散したので、炭素粒子上に粒子径が小さな電極触媒前駆体を担持することができた。しかも得られる電極触媒前駆体は低温度での焼成によってペロブスカイト型の酸化物を形成することができるものであり、得られた電極触媒物質を用いたガス拡散電極は、酸素還元性能が優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、逆ミセル中での沈殿の生成反応を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の電極触媒の製造工程を説明する図である。
【図3】図3は、ガス拡散電極の一例を説明する図である。
【図4】図4は、電極触媒の粉末X線回折による測定結果を示す図である。
【図5】図5は、ガス拡散電極の電気化学的特性の測定用セルを説明する図であり、断面を示す図である。
【図6】図6は、ガス拡散電極の電気化学的特性の測定装置を説明する図である。
【図7】図7は、実施例および比較例のガス拡散電極の電気化学的特性を説明する図である。
【符号の説明】
1…有機溶媒、2…界面活性剤、3…親水性基、4…疎水性基、5…金属塩水溶液包含逆ミセル、6…沈殿剤水溶液包含逆ミセル、7…沈殿、8…沈殿物含有逆ミセル、10…逆ミセル溶液Aの調製工程、11…逆ミセル溶液Bの調製工程、12…混合工程、13…熟成工程、14…分離工程、15…乾燥工程、16…焼成工程、30…ガス拡散電極、31…ガス拡散層、32…反応層、33…集電体、40…測定用セル、41…フッ素樹脂製の枠体、41…Oリング、42…リード線、43…空気供給管、44…空気排出管、51…電解槽、52…作用極、53…対極、54…参照電極、55…ルギン毛管、56…ポテンショスタット・ガルバノスタット

Claims (1)

  1. 電極触媒の製造方法において、有機溶媒中に界面活性剤を溶解した溶液中にランタン塩とマンガン塩の混合水溶液からなる金属塩水溶液を混合して形成した逆ミセル溶液と、有機溶媒中に界面活性剤を溶解した溶液中に金属塩の沈殿剤を含む逆ミセル溶液とを混合し電極触媒前駆体を含有する逆ミセルを形成して電極触媒前駆体をえる工程において、逆ミセル溶液中に、炭素粒子を分散し、電極触媒前駆体を炭素粒子に担持した後に非酸化性雰囲気において焼成してペロブスカイト型のLaMnO 3.00 からなる電極触媒を形成することを特徴とする電極触媒の製造方法。
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