相手機器との通信を確立する上記方法は、通信を確立させる2つの装置の双方において同一の検索キーを入力し、これらのキーが同一であることを条件に2つの装置の間の通信を確立させるものであるが、例えば、検索キーの入力に失敗した場合には、初めからやり直さなければならないなど不便な場合がある。また、異なるサブネットに属するプリンタを検索することができないという不都合もある。そこで、ネットワーク上で発見した機器やサービスが、実際に何処に設置されている機器に対応するものであるかを特定することができ、かつより高いセキュリティを保ち、効率よく通信先の機器のアドレス等を特定する方法の提供が望まれている。
この発明は上記に鑑みてなされたもので、より高いセキュリティを保ち、かつ効率のよく、通信先の機器のアドレス等を特定することのできる通信システム、通信方法、通信装置、および通信プログラムを得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、ネットワークに接続された第1の装置および第2の装置を備え、前記第1の装置と前記第2の装置の通信を確立する通信システムであって、前記第1の装置は、当該第1の装置と前記第2の装置との通信を識別する第1の識別情報を取得する取得手段と、前記第2の装置から前記第1の装置と前記第2の装置との通信を識別する第2の識別情報を前記ネットワークを介して受信する受信手段と、前記取得手段が取得した前記第1の識別情報と、前記受信手段が受信した前記第2の識別情報とを照合する照合手段と、前記照合手段が前記第1の識別情報と前記第2の識別情報が一致しないと判断した場合に、前記第1の識別情報を送信する送信手段とを有し、前記第2の装置は、前記第1の装置から前記第1の識別情報を前記ネットワークを介して受信する受信手段と、前記第1の装置と前記第2の装置との通信を識別する第3の識別情報を取得する取得手段と、前記受信手段が受け付けた前記第1の識別情報と、前記取得手段が取得した前記第3の識別情報とを照合する照合手段と、前記照合手段が前記第1の識別情報と前記第3の識別情報が一致すると判断した場合に、前記第1の識別情報の送信元である前記第1の装置を通信先として決定する通信先決定手段と、前記通信先決定手段が決定した前記第1の装置に所定の情報を送信する送信手段とを有することを特徴とする。
この請求項1の発明によれば、第1の装置および第2の装置のいずれの装置においても、通信を識別する識別情報の照合処理を行うことができるので、利用者が識別情報の入力に失敗した場合であっても、続けて正しい識別情報を入力すれば、正しい識別情報との照合処理を行い通信先のアドレスを特定することができる。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の通信システムであって、前記第1の装置は、利用者からの入力を受け付ける入力手段をさらに備え、前記第1の装置の取得手段は、前記入力手段を介して前記第1の識別情報を取得することを特徴とする。
この請求項2の発明によれば、入力手段をさらに備えているので、利用者が入力した識別情報に基づいて、通信先のアドレスを特定することができる。
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の通信システムであって、前記第2の装置は、利用者からの入力を受け付ける入力手段をさらに備え、前記第2の装置の取得手段は、前記入力手段を介して前記第3の識別情報を取得することを特徴とする。
この請求項3の発明によれば、入力手段をさらに有しているので、利用者が入力した識別情報に基づいて、通信先のアドレスを特定することができる。
また、請求項4にかかる発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記第2の装置は、前記通信先決定手段が前記通信先を決定した場合に、前記通信先が決定した旨および前記通信先を示す通信先情報のうち少なくとも一方を表示する表示手段をさらに有することを特徴とする。
この請求項4の発明によれば、表示手段は通信先が決定した旨および通信先情報のうち少なくとも一方を表示するので、利用者は、表示された内容により、通信先を知ることができる。
また、請求項5にかかる発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記第2の装置の送信手段は、前記第2の識別情報をブロードキャスト送信し、前記第1の装置の送信手段は、当該第1の装置の前記照合手段が前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが一致しないと判断した場合に、前記第1の識別情報をブロードキャスト送信することを特徴とする。
この請求項5の発明によれば、識別情報をブロードキャスト送信するので、送信側は少ない送信回数で多数の装置に同一の識別情報を送信することができる。
また、請求項6にかかる発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記第2の装置の送信手段は、前記第2の識別情報をマルチキャスト送信し、前記第1の装置の送信手段は、当該第1の装置の前記照合手段が前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが一致しないと判断した場合に、前記第1の識別情報をマルチキャスト送信することを特徴とする。
この請求項6にかかる発明によれば、識別情報をマルチキャスト送信するので、送信側は少ない送信回数で多数の装置に同一の識別情報を送信することができる。
また、請求項7にかかる発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記第2の装置の前記送信手段は、前記第2の装置の前記通信先決定手段が通信先として決定した前記第1の装置に所定の情報をユニキャスト送信することを特徴とする。
この請求項7の発明によれば、通信先の装置が決定した場合には、通信先に情報を送信する場合ユニキャストで送信するので、通信量を低減することができる。
また、請求項8にかかる発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記第1の装置は、印刷データに基づいて画像を形成する画像形成装置であって、前記第2の装置は、前記画像形成装置に前記印刷データを送信する端末装置であって、前記端末装置の前記送信手段は、当該端末装置の前記通信先決定手段が前記通信先として決定した前記画像形成装置に前記印刷データを送信することを特徴とする。
この請求項8の発明によれば、画像形成装置が接続されたネットワークに、端末装置を接続した場合に、端末装置は画像形成装置のアドレスを特定し、当該アドレスに対して印刷データを送信することができる。従って、利用者が希望する画像形成装置から容易に印刷物を出力させることができる。
また、このように、端末装置において通信先である画像形成装置のアドレスを特定した場合には、特定したアドレスに対して印刷データを送信することにより、所望の画像形成装置から印刷物を出力させることができる。
また、請求項9にかかる発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記第1の装置は、前記第2の装置に印刷データを送信する端末装置であって、前記第2の装置は、前記第1の装置から受信した前記印刷データに基づいて画像を形成する画像形成装置であって、前記画像形成装置の前記送信手段は、前記画像形成装置の前記通信先決定手段が前記通信先として決定した前記端末装置に当該画像形成装置のアドレスを送信し、前記端末装置の送信手段は、当該端末装置の前記受信手段が受信した前記画像形成装置のアドレスに前記印刷データを送信することを特徴とする。
この請求項9の発明によれば、画像形成装置が接続されたネットワークに、端末装置を接続した場合に、端末装置は画像形成装置のアドレスを特定し、当該アドレスに対して印刷データを送信することができる。従って、利用者が希望する画像形成装置から容易に印刷物を出力させることができる。
また、このように、画像形成装置において通信先である端末装置のアドレスを特定した場合には、端末装置に当該画像形成装置のアドレスを通知するので、端末装置は、印刷データの送信先のアドレスを取得することができる。
また、請求項10にかかる発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記第1の装置は、印刷データに基づいて画像を形成する画像形成装置であって、前記第2の装置は、前記画像形成装置に前記印刷データを送信する端末装置であって、前記端末装置の前記送信手段は、前記端末装置の前記通信先決定手段が前記通信先として決定した前記画像形成装置に前記印刷データの印刷条件を示す印刷条件情報を送信し、前記画像形成装置は、当該画像形成装置の前記受信手段が受信した前記印刷条件情報が当該画像処理装置の処理条件に合致するか否かを判断する印刷条件判定手段をさらに有し、前記画像形成装置の前記送信手段は、当該画像形成装置の前記印刷条件判定手段による判定結果を示す情報を前記端末装置に送信することを特徴とする。
この請求項10の発明によれば、印刷条件判定手段は、端末装置から受信した印刷条件と、印刷条件判定手段が画像形成装置の処理条件とが合致するか否かを判断し、前記画像形成装置は、印刷条件判定手段による判定結果を端末装置に送信するので、端末装置は、判定結果に基づいて、実際に印刷データを送信するか否かを判断することができる。これにより、無駄に印刷データを送信するのを咲避けることができ、通信量を低減することができる。
また、請求項11にかかる発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記第1の装置は、前記第2の装置に印刷データを送信する端末装置であって、前記第2の装置は、前記第1の装置から受信した前記印刷データに基づいて画像を形成する画像形成装置であって、前記画像形成装置の前記送信手段は、前記画像形成装置の前記通信先決定手段が前記通信先として決定した前記端末装置に当該画像形成装置のアドレスを送信し、前記端末装置の前記送信手段は、当該端末装置の前記受信手段が受信した前記画像形成装置のアドレスに前記画像形成装置に前記印刷データの印刷条件を示す印刷条件情報を送信し、前記画像形成装置は、当該画像形成装置の前記受信手段が受信した前記印刷条件情報が当該画像処理装置の処理条件に合致するか否かを判断する印刷条件判定手段をさらに有し、前記画像形成装置の前記送信手段は、当該画像形成装置の前記印刷条件判定手段による判定結果を示す情報を前記端末装置に送信することを特徴とする。
この請求項11の発明によれば、印刷条件判定手段は、端末装置から受信した印刷条件と、印刷条件判定手段が画像形成装置の処理条件とが合致するか否かを判断し、前記画像形成装置は、印刷条件判定手段による判定結果を端末装置に送信するので、端末装置は、判定結果に基づいて、実際に印刷データを送信するか否かを判断することができる。これにより、無駄に印刷データを送信するのを咲避けることができ、通信量を低減することができる。
また、請求項12にかかる発明は、請求項10または11に記載の通信システムであって、前記画像形成装置の前記送信手段は、当該画像形成装置の前記受信手段が受信した前記印刷条件情報が当該画像形成装置の前記処理条件に合致した場合に、前記端末装置に対して、条件が合致した旨を示す条件合致情報を送信し、前記端末装置の前記送信手段は、当該端末装置の前記受信手段が前記条件合致情報を受信した場合に、前記画像形成装置に対して前記印刷データを送信することを特徴とする。
この請求項12の発明によれば、端末装置の送信手段は、端末装置の受信手段が条件合致情報を受信した場合にのみ、印刷データを画像形成装置に送信するので、印刷条件が合致せず画像形成装置において印刷データを出力できない場合にまで、無駄に印刷データを送信するのを避けることができるので、通信量を低減することができる。
また、請求項13にかかる発明は、請求項10から12のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記画像形成装置の前記送信手段は、当該画像形成装置の前記受信手段が受信した前記印刷条件情報が当該画像形成装置の前記処理条件に合致しない場合に、前記端末装置に対して、条件が合致しない旨を示す条件不一致情報を送信し、前記端末装置の前記送信手段は、当該端末装置の前記受信手段が前記条件不一致情報を受信した場合には、前記印刷データを送信しないことを特徴とする。
この請求項13の発明によれば、端末装置の送信手段は、端末装置の受信手段が条件不一致情報を受信した場合には、印刷データを画像形成装置に送信しないので、印刷条件が合致せず画像形成装置において印刷データを出力できない場合にまで、無駄に印刷データを送信するのを避けることができるので、通信量を低減することができる。
また、請求項14にかかる発明は、請求項1から13のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記第1の装置の前記照合手段は、前記第1の装置の前記入力受付手段が前記第1の識別情報を受け付けた後所定の時間が経過する前に前記第1の装置の前記受信手段が前記第2の識別情報を受信した場合に、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを照合することを特徴とする。
この請求項14の発明によれば、第1の装置は、照合の対象となる第1の識別情報と第2の識別情報を所定の時間内に受信しない場合には、これらの識別情報を無効とするので、処理を効率的に行うことができる。また、照合の対象となる識別情報の有効時間が長く異なる通信を識別する同一の識別情報が並存するなどの不都合が生じるのを避けることができる。
また、請求項15にかかる発明は、請求項1から14のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記第2の装置の前記照合手段は、前記第2の装置の前記入力受付手段が前記第3の識別情報を受け付けた後所定の時間が経過する前に前記第2の装置の前記受信手段が前記第1の識別情報を受信した場合に、前記第1の識別情報と前記第3の識別情報とを照合することを特徴とする。
この請求項15の発明によれば、第2の装置は、照合の対象となる第1の識別情報と第2の識別情報を所定の時間内に受信しない場合には、これらの識別情報を無効とするので、処理を効率的に行うことができる。また、照合の対象となる識別情報の有効時間が長く異なる通信を識別する同一の識別情報が並存するなどの不都合が生じるのを避けることができる。
また、請求項16にかかる発明は、請求項1から15のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記通信システムは、当該通信システムに含まれる装置間の通信を管理する通信制御装置をさらに備え、前記通信制御装置は、前記第1の装置が送信した情報と、前記第2の装置が送信した情報のうち少なくとも一方の情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した情報を送信する送信手段とを有し、前記第1の装置の前記受信手段は、前記通信制御装置を介して前記第2の識別情報を受信し、前記第2の装置の前記受信手段は、前記通信制御装置を介して前記第1の識別情報を受信することを特徴とする。
この請求項16の発明によれば、第1の装置と第2の装置の間に通信制御装置をさらに備えているので、第1の装置および第2の装置は、それぞれ通信制御装置とのみ通信を行えばよく、セキュリティレベルを向上させることができる。
また、請求項17にかかる発明は、請求項16に記載の通信システムであって、前記通信制御装置の前記送信手段は、当該通信制御装置の前記受信手段が前記第2の装置から受信した前記第2の識別情報、および第1の装置から受信した前記第1の識別情報のうちすくなくともいずれか一方をブロードキャスト送信することを特徴とする。
この請求項17の発明によれば、通信制御装置は、識別情報をブロードキャスト送信するので、送信側は少ない送信回数で多数の装置に同一の識別情報を送信することができる。
また、請求項18にかかる発明は、請求項16または17に記載の通信システムであって、前記第1の装置の前記送信手段は、前記第1の識別情報を前記通信制御装置宛てにユニキャスト送信し、前記第2の装置の前記送信手段は、前記第2の識別情報を前記通信制御装置宛てにユニキャスト送信することを特徴とする。
この請求項18の発明によれば、第1の装置および第2の装置は、それぞれ通信制御装置とユニキャストで通信を行うことができるので、通信量を低減することができる。
また、請求項19にかかる発明は、請求項16から18のいずれか一項に記載の通信システムであって、前記第1の装置は、前記利用者から認証情報の入力を受け付ける認証情報入力受付手段と、前記認証情報入力手段が入力した前記認証情報を前記認証サーバに送信する認証情報送信手段とをさらに有し、前記通信制御装置は、前記第1の装置から前記認証情報を受信する認証情報受信手段と、前記認証情報と、各利用者を識別する利用者識別情報を対応付ける認証テーブルと、前記認証テーブルに基づいて、前記認証情報受信手段が受信した認証情報により前記利用者の認証を行う認証手段と、前記認証手段が認証に成功した場合に、前記第1の装置に通信を許可する旨を示す許可情報を送信する通信許可情報送信手段とを有し、前記第1の装置は、前記認証サーバから前記許可情報を受信する許可情報受信手段と、前記許可情報受信手段が前記許可情報を受信した場合に、当該第1の装置の送信手段が前記第1の識別情報を送信することを許可する通信処理許可手段とをさらに有することを特徴とする。
この請求項19の発明によれば、通信制御装置は、さらに利用者を認証し、認証に成功した場合にのみ、識別情報の送信を許可するので、セキュリティレベルを向上させることができる。
また、請求項20にかかる発明は、請求項1に記載の通信システムであって、前記通信システムは、利用者を認証する認証サーバをさらに備え、前記第1の装置は、前記利用者から認証情報の入力を受け付ける認証情報入力受付手段と、前記認証情報入力手段が入力した前記認証情報を前記認証サーバに送信する認証情報送信手段とをさらに有し、前記認証サーバは、前記第1の装置から前記認証情報を受信する受信手段と、前記認証情報と、各利用者を識別する利用者識別情報を対応付ける認証テーブルと、前記認証テーブルに基づいて、前記受信手段が受信した認証情報により前記利用者の認証を行う認証手段と、前記認証手段が認証に成功した場合に、前記第1の装置に通信を許可する旨を示す許可情報を送信する送信手段とを有し、前記第1の装置は、前記認証サーバから前記許可情報を受信する許可情報受信手段と、前記許可情報受信手段が前記許可情報を受信した場合に、当該第1の装置の送信手段が前記第1の識別情報を送信することを許可する通信処理許可手段とをさらに有することを特徴とする。
この請求項20の発明によれば、通信システムは、認証サーバをさらに備えているので、第1の装置の利用者を認証し、認証に成功した場合にのみ、識別情報の送信を許可するので、セキュリティレベルを向上させることができる。
また、請求項21にかかる発明は、請求項19に記載の通信システムであって、前記第1の装置の前記取得手段は、前記認証サーバから前記認証情報を前記第1の識別情報として取得することを特徴とする。
この請求項21にかかる発明によれば、認証サーバから認証情報を第1の識別情報として取得するので、利用者は認証情報を入力する必要がなく、効率的に通信先を決定することができる。
また、請求項22にかかる発明は、請求項19または20に記載の通信システムであって、前記認証サーバの認証テーブルは、2つの装置の通信を識別する通信識別情報を前記利用者識別情報にさらに対応付け、前記認証サーバの前記送信手段は、当該認証サーバの前記認証手段が認証に成功した場合に、前記第1の装置に前記通信識別情報を送信し、前記第1の装置の取得手段は、前記認証サーバから受信した前記通信識別情報を第1の識別情報として取得することを特徴とする。
この請求項22の発明によれば、第1の装置の取得手段は、通信識別情報を識別情報として取得するので、認証に成功した場合に、利用者が識別情報を入力しなくとも、識別情報を取得することができる。
また、請求項23にかかる発明は、第1のサブネットに属する第1の装置と、第2のサブネットに属する第2の装置と、前記第1の装置と前記第2の装置の間の通信を管理する通信制御装置とを備えた通信システムであって、前記第1の装置は、当該第1の装置と前記第2の装置との通信を識別する第1の識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記第1の識別情報をブロードキャスト送信する送信手段とを有し、前記通信制御装置は、前記第1の装置が送信した前記第1の識別情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記第1の識別情報を前記第2のサブネットに送信する送信手段とを有し、前記第2の装置は、前記通信管理手段から前記第1の識別情報を受信する受信手段と、前記第1の装置と前記第2の装置との通信を識別する第2の識別情報を取得する取得手段と、前記受信手段が受信した前記第1の識別情報と前記取得手段が取得した前記第2の識別情報とを照合する照合手段と、前記照合手段が前記第1の識別情報と前記第2の識別情報が一致すると判断した場合に、前記第1の識別情報の送信元である前記第1の装置を通信先として決定する通信先決定手段と、通信先決定手段が決定した前記第1の装置に送信すべき所定の情報を送信する送信手段とを有し、前記通信制御装置の前記送信手段は、当該通信制御装置の受信装置が受信した前記所定の情報を前記第1の装置に送信することを特徴とする。
この請求項23の発明によれば、通信システムは異なるサブネットに属する複数の装置を管理する通信制御装置を備えているので、第1の装置と第2の装置とが互いに異なるサブネットに接続している場合であっても、通信制御装置を介して通信先を決定することができる。
また、請求項24にかかる発明は、請求項22に記載の通信システムであって、前記第1の装置の送信手段は、前記第1の識別情報を前記通信制御装置に送信できない場合に、前記第1の識別情報を前記第1のサブネットにおいてブロードキャスト送信することを特徴とする。
この請求項24の発明によれば、第1の装置は、通信制御装置に第1の識別情報を送信できない場合には、第1の識別情報をサブネットにおいてブロードキャスト送信する。このように、通信制御装置を特定できない場合には、ブロードキャスト送信することにより、確実に通信先に識別情報を送信することができる。また、通信制御装置を特定できる場合には、通信制御装置にユニキャスト送信するので、ブロードキャスト送信に比べて通信量を低減させることができる。
また、請求項25にかかる発明は、請求項23または24に記載の通信システムであって、前記通信制御装置の前記送信手段は、前記通信制御装置の前記受信手段が前記第2の装置から前記第1の装置に送信すべき前記所定の情報を受信する前に、前記第1の装置以外の装置によって送信された、前記第1の識別情報と同一の識別情報を前記第1の装置と前記第2の装置と以外の2つの装置の間の通信を識別する情報として受信した場合に、前記第1の装置以外の装置から受信した前記識別情報を送信しないことを特徴とする。
この請求項25の発明によれば、第1の識別情報を第1の装置以外の装置から受信した場合に、第1の装置以外の装置から受信した識別情報を転送しない。すなわち、第1の装置以外の装置から受信した識別情報を無効とする。このように、第1の識別情報を排他的に制御するので、例えば1つの識別情報に対する有効時間が比較的長く設定されてある場合のように、同一の識別情報を重ねて受信する可能性が高い場合であっても、正確に通信先を決定することができる。
また、請求項26にかかる発明は、請求項23または24に記載の通信システムであって、前記通信制御装置の前記送信手段は、前記通信制御装置の前記受信手段が前記第2の装置から前記第1の装置に送信すべき情報を受信する前に、前記第1の装置によって送信された前記第1の装置と前記第2の装置との間の通信を識別する第4の識別情報を受信した場合に、前記第1の識別情報を無効とし、前記第4の識別情報をブロードキャスト送信し、前記第2の装置の前記受信手段は、前記第4の識別情報を受信することを特徴とする。
この請求項26の発明によれば、同一の送信元である第1の装置から同一の通信を示す異なる識別情報を重ねて受信した場合には、先に受信した識別情報を無効とし、後に受信した識別情報に基づいて通信先を決定するので、利用者が誤った識別情報を入力した場合であっても、再度正しい識別情報を入力することにより正確に通信先を決定することができる。
また、請求項27にかかる発明は、ネットワークに接続された第1の装置および第2の装置を備え、前記第1の装置と前記第2の装置の通信を確立する通信確立方法であって、前記第1の装置が当該第1の装置と前記第2の装置との通信を識別する第1の識別情報を取得する第1の取得ステップと、前記第1の装置が前記第2の装置から前記第1の装置と前記第2の装置との通信を識別する第2の識別情報を前記ネットワークを介して受信する第1の受信ステップと、前記第1の取得ステップにおいて取得した前記第1の識別情報と、前記受信ステップにおいて受信した前記第2の識別情報とを照合する第1の照合ステップと、前記第1の照合ステップにおいて前記第1の識別情報と前記第2の識別情報が一致しないと判断した場合に、前記第1の装置が前記第1の識別情報を前記ネットワークを介して送信する第1の送信ステップと、前記第2の装置が前記第1の装置と前記第2の装置との通信を識別する第3の識別情報を取得する第2の取得ステップと、前記第1の装置が送信した前記第1の識別情報と、前記前記第2の取得ステップにおいて取得した前記第3の識別情報とを照合する第2の照合ステップと、前記第2の照合ステップにおいて前記第1の識別情報と前記第3の識別情報が一致すると判断した場合に、前記第1の識別情報の送信元である前記第1の装置を通信先として決定する通信先決定ステップと、前記通信先決定ステップにおいて決定した前記第1の装置に所定の情報を送信する送信ステップとを有することを特徴とする。
この請求項27の発明によれば、第1の装置および第2の装置のいずれの装置においても、通信を識別する識別情報の照合処理を行うことができるので、利用者が識別情報の入力に失敗した場合であっても、続けて正しい識別情報を入力すれば、正しい識別情報との照合処理を行い通信先のアドレスを特定することができる。
また、請求項28にかかる発明は、ネットワークを介して、通信システムに含まれる他の機器と通信する通信装置であって、当該通信装置と、当該通信システムに含まれる相手先通信装置との通信を識別する第1の識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記第1の識別情報を前記ネットワークを介して送信する送信手段と、前記送信手段が送信した前記第1の識別情報を前記相手先通信装置が受信し、前記相手先通信装置が、前記第1の識別情報と、前記相手先通信装置が取得した、前記通信装置と当該相手先装置との通信を識別する第2の識別情報とを照合し、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが一致しないと判断した場合に、前記相手先装置から前記第2の識別情報を前記ネットワークを介して受信する受信手段と、前記通信装置と前記相手先通信装置との通信を識別する第3の識別情報を取得する取得手段と、前記受信手段が受信した前記第2の識別情報と、前記取得手段が取得した前記第3の識別情報とを照合する照合手段と、前記照合手段が前記第2の識別情報と前記第3の識別情報が一致すると判断した場合に、前記相手先装置を通信先として決定する通信先決定手段と、前記通信先決定手段が決定した前記相手先通信装置に所定の情報を送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
この請求項28の発明によれば、第1の装置および第2の装置のいずれの装置においても、通信を識別する識別情報の照合処理を行うことができるので、利用者が識別情報の入力に失敗した場合であっても、続けて正しい識別情報を入力すれば、正しい識別情報との照合処理を行い通信先のアドレスを特定することができる。
また、請求項29にかかる発明は、請求項28に記載の通信装置であって、前記送信手段は、前記通信先決定手段が通信先として決定した前記相手先通信装置に自己のアドレスを送信し、前記受信手段が前記相手方通信装置から印刷データを受信すると前記印刷データに基づいて画像を形成する画像形成手段をさらに備えたことを特徴とする。
この請求項29の発明によれば、当該通信装置は画像形成手段を備えているので、通信先決定手段が通信先として決定した相手方装置に自己のアドレスを送信し、相手方装置から印刷データを受信すると、当該印刷データに基づいて画像を形成することができる。
また、請求項30にかかる発明は、請求項28に記載の通信装置であって、前記相手方通信装置は、画像を形成する画像形成装置であって、前記送信装置は、前記通信先決定手段が通信先として決定した前記相手先通信装置に印刷データを送信することを特徴とする。
この請求項30の発明によれば、当該通信装置は画像形成装置に印刷データを送信する端末装置であって、通信先決定手段が通信先として決定した相手先である画像形成装置に印刷データを送信することができる。
また、請求項31にかかる発明は、ネットワークを介して、通信システムに含まれる他の通信装置との通信を確立する通信方法であって、通信装置と、当該通信システムに含まれる相手先通信装置との通信を識別する第1の識別情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得した前記第1の識別情報を前記ネットワークを介して送信する送信ステップと、前記送信ステップにおいて送信した前記第1の識別情報を前記相手先通信装置が受信し、前記相手先通信装置が、前記第1の識別情報と、前記相手先通信装置が取得した、前記通信装置と当該相手先装置との通信を識別する第2の識別情報とを照合し、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが一致しないと判断した場合に、前記相手先装置から前記第2の識別情報を前記ネットワークを介して受信する受信ステップと、前記通信装置と前記相手先通信装置との通信を識別する第3の識別情報を取得する取得ステップと、前記受信ステップにおいて受信した前記第2の識別情報と、前記取得ステップにおいて取得した前記第3の識別情報とを照合する照合ステップと、前記照合ステップにおいて前記第2の識別情報と前記第3の識別情報が一致すると判断した場合に、前記第2の識別情報の送信元である前記相手先装置を通信先として決定する通信先決定ステップと、前記通信先決定ステップにおいて決定した前記相手先通信装置に所定の情報を送信する送信ステップとを有することを特徴とする。
この請求項31の発明によれば、第1の装置および第2の装置のいずれの装置においても、通信を識別する識別情報の照合処理を行うことができるので、利用者が識別情報の入力に失敗した場合であっても、続けて正しい識別情報を入力すれば、正しい識別情報との照合処理を行い通信先のアドレスを特定することができる。
また、請求項32にかかる発明は、ネットワークを介して、通信システムに含まれる他の通信装置との通信を確立する通信プログラムであって、通信装置と、当該通信システムに含まれる相手先通信装置との通信を識別する第1の識別情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得した前記第1の識別情報を前記ネットワークを介して送信する送信ステップと、前記送信ステップにおいて送信した前記第1の識別情報を前記相手先通信装置が受信し、前記相手先通信装置が、前記第1の識別情報と、前記相手先通信装置が取得した、前記通信装置と当該相手先装置との通信を識別する第2の識別情報とを照合し、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが一致しないと判断した場合に、前記相手先装置から前記第2の識別情報を前記ネットワークを介して受信する受信ステップと、前記通信装置と前記相手先通信装置との通信を識別する第3の識別情報を取得する取得ステップと、前記受信ステップにおいて受信した前記第2の識別情報と、前記取得ステップにおいて取得した前記第3の識別情報とを照合する照合ステップと、前記照合ステップにおいて前記第2の識別情報と前記第3の識別情報が一致すると判断した場合に、前記第2の識別情報の送信元である前記相手先装置を通信先として決定する通信先決定ステップと、前記通信先決定ステップにおいて決定した前記相手先通信装置に所定の情報を送信する送信ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
この請求項32の発明によれば、第1の装置および第2の装置のいずれの装置においても、通信を識別する識別情報の照合処理を行うことができるので、利用者が識別情報の入力に失敗した場合であっても、続けて正しい識別情報を入力すれば、正しい識別情報との照合処理を行い通信先のアドレスを特定することができる。
請求項1にかかる発明によれば、第1の装置および第2の装置のいずれの装置においても、通信を識別する識別情報の照合処理を行うことができるので、利用者が識別情報の入力に失敗した場合であっても、続けて正しい識別情報を入力すれば、正しい識別情報との照合処理を行い通信先のアドレスを特定することができるという効果を奏する。
また、請求項2にかかる発明によれば、入力手段をさらに備えているので、利用者が入力した識別情報に基づいて、通信先のアドレスを特定することができるという効果を奏する。
また、請求項3にかかる発明によれば、入力手段をさらに有しているので、利用者が入力した識別情報に基づいて、通信先のアドレスを特定することができるという効果を奏する。
また、請求項4にかかる発明によれば、表示手段は通信先が決定した旨および通信先情報のうち少なくとも一方を表示するので、利用者は、表示された内容により、通信先を知ることができるという効果を奏する。
また、請求項5にかかる発明によれば、識別情報をブロードキャスト送信するので、送信側は少ない送信回数で多数の装置に同一の識別情報を送信することができるという効果を奏する。
また、請求項6にかかる発明によれば、識別情報をマルチキャスト送信するので、送信側は少ない送信回数で多数の装置に同一の識別情報を送信することができるという効果を奏する。
また、請求項7にかかる発明によれば、通信先の装置が決定した場合には、通信先に情報を送信する場合ユニキャストで送信するので、通信量を低減することができるという効果を奏する。
また、請求項8にかかる発明によれば、画像形成装置が接続されたネットワークに、端末装置を接続した場合に、端末装置は画像形成装置のアドレスを特定し、当該アドレスに対して印刷データを送信することができる。従って、利用者が希望する画像形成装置から容易に印刷物を出力させることができるという効果を奏する。
また、端末装置において通信先である画像形成装置のアドレスを特定した場合には、特定したアドレスに対して印刷データを送信することにより、所望の画像形成装置から印刷物を出力させることができるという効果を奏する。
また、請求項9にかかる発明によれば、画像形成装置が接続されたネットワークに、端末装置を接続した場合に、端末装置は画像形成装置のアドレスを特定し、当該アドレスに対して印刷データを送信することができる。従って、利用者が希望する画像形成装置から容易に印刷物を出力させることができるという効果を奏する。
また、画像形成装置において通信先である端末装置のアドレスを特定した場合には、端末装置に当該画像形成装置のアドレスを通知するので、端末装置は、印刷データの送信先のアドレスを取得することができるという効果を奏する。
また、請求項10にかかる発明によれば、印刷条件判定手段は、端末装置から受信した印刷条件と、印刷条件判定手段が画像形成装置の処理条件とが合致するか否かを判断し、前記画像形成装置は、印刷条件判定手段による判定結果を端末装置に送信するので、端末装置は、判定結果に基づいて、実際に印刷データを送信するか否かを判断することができる。これにより、無駄に印刷データを送信するのを咲避けることができ、通信量を低減することができるという効果を奏する。
また、請求項11にかかる発明によれば、印刷条件判定手段は、端末装置から受信した印刷条件と、印刷条件判定手段が画像形成装置の処理条件とが合致するか否かを判断し、前記画像形成装置は、印刷条件判定手段による判定結果を端末装置に送信するので、端末装置は、判定結果に基づいて、実際に印刷データを送信するか否かを判断することができる。これにより、無駄に印刷データを送信するのを咲避けることができ、通信量を低減することができるという効果を奏する。
また、請求項12にかかる発明によれば、端末装置の送信手段は、端末装置の受信手段が条件合致情報を受信した場合にのみ、印刷データを画像形成装置に送信するので、印刷条件が合致せず画像形成装置において印刷データを出力できない場合にまで、無駄に印刷データを送信するのを避けることができるので、通信量を低減することができるという効果を奏する。
また、請求項13にかかる発明によれば、端末装置の送信手段は、端末装置の受信手段が条件不一致情報を受信した場合には、印刷データを画像形成装置に送信しないので、印刷条件が合致せず画像形成装置において印刷データを出力できない場合にまで、無駄に印刷データを送信するのを避けることができるので、通信量を低減することができるという効果を奏する。
また、請求項14にかかる発明によれば、第1の装置は、照合の対象となる第1の識別情報と第2の識別情報を所定の時間内に受信しない場合には、これらの識別情報を無効とするので、処理を効率的に行うことができる。また、照合の対象となる識別情報の有効時間が長く異なる通信を識別する同一の識別情報が並存するなどの不都合が生じるのを避けることができるという効果を奏する。
また、請求項15にかかる発明によれば、第2の装置は、照合の対象となる第1の識別情報と第2の識別情報を所定の時間内に受信しない場合には、これらの識別情報を無効とするので、処理を効率的に行うことができる。また、照合の対象となる識別情報の有効時間が長く異なる通信を識別する同一の識別情報が並存するなどの不都合が生じるのを避けることができるという効果を奏する。
また、請求項16にかかる発明によれば、第1の装置と第2の装置の間に通信制御装置をさらに備えているので、第1の装置および第2の装置は、それぞれ通信制御装置とのみ通信を行えばよく、セキュリティレベルを向上させることができるという効果を奏する。
また、請求項17にかかる発明によれば、通信制御装置は、識別情報をブロードキャスト送信するので、送信側は少ない送信回数で多数の装置に同一の識別情報を送信することができるという効果を奏する。
また、請求項18にかかる発明によれば、第1の装置および第2の装置は、それぞれ通信制御装置とユニキャストで通信を行うことができるので、通信量を低減することができるという効果を奏する。
また、請求項19にかかる発明によれば、通信制御装置は、さらに利用者を認証し、認証に成功した場合にのみ、識別情報の送信を許可するので、セキュリティレベルを向上させることができるという効果を奏する。
また、請求項20にかかる発明によれば、通信システムは、認証サーバをさらに備えているので、第1の装置の利用者を認証し、認証に成功した場合にのみ、識別情報の送信を許可するので、セキュリティレベルを向上させることができるという効果を奏する。
また、請求項21にかかる発明によれば、認証サーバから認証情報を第1の識別情報として取得するので、利用者は認証情報を入力する必要がなく、効率的に通信先を決定することができるという効果を奏する。
また、請求項22にかかる発明によれば、第1の装置の取得手段は、通信識別情報を識別情報として取得するので、認証に成功した場合に、利用者が識別情報を入力しなくとも、識別情報を取得することができるという効果を奏する。
また、請求項23にかかる発明によれば、通信システムは異なるサブネットに属する複数の装置を管理する通信制御装置を備えているので、第1の装置と第2の装置とが互いに異なるサブネットに接続している場合であっても、通信制御装置を介して通信先を決定することができるという効果を奏する。
また、請求項24にかかる発明によれば、第1の装置は、通信制御装置に第1の識別情報を送信できない場合には、第1の識別情報をサブネットにおいてブロードキャスト送信する。このように、通信制御装置を特定できない場合には、ブロードキャスト送信することにより、確実に通信先に識別情報を送信することができる。また、通信制御装置を特定できる場合には、通信制御装置にユニキャスト送信するので、ブロードキャスト送信に比べて通信量を低減させることができるという効果を奏する。
また、請求項25にかかる発明によれば、第1の識別情報を第1の装置以外の装置から受信した場合に、第1の装置以外の装置から受信した識別情報を転送しない。すなわち、第1の装置以外の装置から受信した識別情報を無効とする。このように、第1の識別情報を排他的に制御するので、例えば1つの識別情報に対する有効時間が比較的長く設定されてある場合のように、同一の識別情報を重ねて受信する可能性が高い場合であっても、正確に通信先を決定することができるという効果を奏する。
また、請求項26にかかる発明によれば、同一の送信元である第1の装置から同一の通信を示す異なる識別情報を重ねて受信した場合には、先に受信した識別情報を無効とし、後に受信した識別情報に基づいて通信先を決定するので、利用者が誤った識別情報を入力した場合であっても、再度正しい識別情報を入力することにより正確に通信先を決定することができるという効果を奏する。
また、請求項27にかかる発明によれば、第1の装置および第2の装置のいずれの装置においても、通信を識別する識別情報の照合処理を行うことができるので、利用者が識別情報の入力に失敗した場合であっても、続けて正しい識別情報を入力すれば、正しい識別情報との照合処理を行い通信先のアドレスを特定することができるという効果を奏する。
また、請求項28にかかる発明によれば、第1の装置および第2の装置のいずれの装置においても、通信を識別する識別情報の照合処理を行うことができるので、利用者が識別情報の入力に失敗した場合であっても、続けて正しい識別情報を入力すれば、正しい識別情報との照合処理を行い通信先のアドレスを特定することができるという効果を奏する。
また、請求項29にかかる発明によれば、当該通信装置は画像形成手段を備えているので、通信先決定手段が通信先として決定した相手方装置に自己のアドレスを送信し、相手方装置から印刷データを受信すると、当該印刷データに基づいて画像を形成することができる。という効果を奏する。
また、請求項30にかかる発明によれば、当該通信装置は画像形成装置に印刷データを送信する端末装置であって、通信先決定手段が通信先として決定した相手先である画像形成装置に印刷データを送信することができるという効果を奏する。
また、請求項31にかかる発明によれば、第1の装置および第2の装置のいずれの装置においても、通信を識別する識別情報の照合処理を行うことができるので、利用者が識別情報の入力に失敗した場合であっても、続けて正しい識別情報を入力すれば、正しい識別情報との照合処理を行い通信先のアドレスを特定することができるという効果を奏する。
また、請求項32にかかる発明によれば、第1の装置および第2の装置のいずれの装置においても、通信を識別する識別情報の照合処理を行うことができるので、利用者が識別情報の入力に失敗した場合であっても、続けて正しい識別情報を入力すれば、正しい識別情報との照合処理を行い通信先のアドレスを特定することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる通信システム、通信方法、通信装置および通信プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる印刷システム1の全体構成を示す図である。本実施の形態にかかる印刷システム1は、本発明の通信システムを構成する。印刷システム1は、ネットワークを介して通信可能な複数の機器を備えている。本実施の形態にかかる印刷システム1は、2台のプリンタ20a,20bを備えている。
なお、印刷システム1は、プリンタにかえて、ネットワークスキャナ、ファクシミリ、プリンタ・スキャナ・ファクシミリ複合機(Multi Functional Printer(MFP))などの機器を備えてもよい。
利用者が、所有のノートパソコン等の携帯可能な利用者端末10を印刷システム1に接続し、印刷システム1内のプリンタ20a,20bのいずれか一方から利用者端末10に格納されている印刷データを出力させたい場合がある。このとき、例えば複数のプリンタが物理的に離れた位置に設置されており、このうち最も近い位置に設置されたプリンタから印刷データを出力させたくとも、利用者端末10上でのプリンタの識別情報と、実際に配置されているプリンタとの対応関係がわからない場合には、近くのプリンタを指定することができない。
これに対して、本実施の形態においては、印刷データを出力させたいプリンタにおいて、当該プリンタと利用者端末10との通信を識別する通信識別情報である検索キーを入力することにより、利用者端末10が当該プリンタのアドレスを特定することができる。これにより、利用者端末10に格納されている印刷データをネットワークを介して印刷システム1内の所望のプリンタに送信し、印刷物を出力させることができる。なお、実施の形態にかかる検索キーとは、本発明における通信を識別する識別情報に相当する。
本実施の形態の利用者端末10はノートPCであるが、他の例としては、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ、PDAのようなモバイル端末、プリンタへのダイレクトプリンティング機能を持つ通信機能付デジタルスチルカメラであってもよい。
なお、本実施の形態にかかる利用者端末10および第1プリンタ20aは、本発明にかかる第1の装置および第2の装置を構成する。
図2は、実施の形態1にかかる利用者端末10のうち本実施の形態に特徴的な通信処理を行う通信処理部100の機能構成を示すブロック図である。通信処理部100は、取得部102と、照合部104と、通信先決定部106と、印刷条件設定部108と、印刷データ保持部110と、タイマ部112と、表示部114と、通信部130とを有している。取得部102は、ユーザインターフェース120を介して、利用者から検索キーを取得する(以下、利用者端末10において入力された検索キーを「端末側検索キー」と称す。)。
印刷データ保持部110は、印刷システム1のプリンタに出力させるべき印刷データを保持する。印刷条件設定部108は、ユーザインターフェース120への利用者の入力に基づいて、印刷データ保持部110に保持されている印刷データをプリンタに印刷させるときの印刷条件を設定する。ここで、印刷条件とは、例えば、印刷用紙の大きさや、解像度などである。
通信部130は、ネットワーク2を介して印刷システム1内の他の機器と通信を行う。照合部104は、取得部102が取得した検索キーと通信部130が受信した検索キーとが同一か否かを照合する。通信先決定部106は、照合部104の照合結果に基づいて通信先を決定する。すなわち、印刷データの送信先を決定する。タイマ部112は、予め定められた時間をカウントする。表示部114は、照合部104による照合結果や、通信先決定部106が決定した通信先等をユーザインターフェース120としての表示画面に表示する。
図3は、実施の形態1にかかる第1プリンタ20aの機能構成を示している。第1プリンタ20aは、本実施の形態に特徴的な通信処理を行う通信処理部200と、利用者からの入力を受け付けるユーザインターフェース220と、印刷データに基づいて画像を形成する画像形成部210とを有している。
通信処理部200は、取得部202と、照合部204と、通信先決定部206と、印刷条件判断部208と、タイマ部212と、表示部214と、通信部230とを有している。取得部202は、ユーザインターフェース220を介して、利用者から検索キーを取得する(以下、プリンタ20において入力された検索キーを「プリンタ側検索キー」と称す。)。
通信部230は、ネットワークを介して印刷システム1内の他の機器と通信を行う。照合部204は、取得部202が取得したプリンタ側検索キーと通信部230が受信した端末側検索キーとが同一か否かを照合する。通信先決定部206は、照合部204の照合結果に基づいて通信先を決定する。
印刷条件判断部208は、通信部230を介して利用者端末10から受信した印刷条件と、当該プリンタの印刷処理の条件とを比較し、利用者端末10から受信した印刷条件における印刷が可能か否かを判定する。ここで、プリンタの印刷処理の条件とは、印刷可能な印刷用紙の大きさや、解像度などである。タイマ部212は、予め定められた時間をカウントする。表示部214は、照合部204による照合結果や、通信先決定部206が決定した通信先をユーザインターフェース120としての表示パネルに表示する。
以上のように、取得部202、照合部204、および通信先決定部206における処理は、それぞれ通信処理部100の取得部102、照合部104、および通信先決定部106の処理と同様である。
図4は、実施の形態1にかかる通信シーケンスを示すフローチャートである。図4を参照しつつ、利用者端末10を無線LANに接続し、印刷システム1内の第1の第1プリンタ20aから印刷データを出力させるときの処理について説明する。
まず、利用者は、自己の利用者端末10を無線LANに接続する(ステップS100)。次に、利用者端末10の通信先である第1プリンタ20aを検索するプリンタ選択処理を行う(ステップS200)。次に、プリンタ選択処理(ステップS200)において特定した第1プリンタ20aに印刷データを送る印刷データ送信処理を行う(ステップS300)。次に、印刷データ送信処理によって第1プリンタ20aに送られた印刷データを印刷する(ステップS400)。
図5および図6は、図4に示したプリンタ選択処理(ステップS200)における詳細な通信シーケンスを示すフローチャートである。図5および図6を参照しつつ、利用者がまず利用者端末10において端末側検索キーを入力した場合の処理を説明する。
なお、本実施の形態においては、プリンタ選択処理(ステップS200)において利用者端末10および第1プリンタ20aの双方において検索キーの入力を行い、検索キーが同一であることを条件として通信を確立するが、この検索キーの照合は、利用者端末10および第1プリンタ20aのいずれの装置においても行うことができる。
図5において、まず利用者は、利用者端末10でプリンタ検索アプリケーションプログラムを起動する。そして、利用者端末10のユーザインターフェース120を介して印刷条件を受け付け、印刷データを印刷処理するときの印刷条件を設定する(ステップS202)。このとき、利用者端末10に格納されたアプリケーションを利用して、印刷コマンドにより、図7に示す印刷画面500が表示される。そして、利用者が印刷画面500において、印刷設定ボタン500aを選択すると、図8に示す印刷条件設定画面501が表示される。利用者は、印刷条件設定画面501において、所望の印刷条件を設定することができる。
再び、説明を図5に戻す。印刷条件を設定した後、利用者は端末側検索キーを入力する(ステップS204)。具体的には、まず図9にプリンタ検索画面502の検索キー入力欄502aにおいて所望の数字を端末側検索キーとして指定する。また、プリンタ検索画面502の有効時間入力欄502bにおいて当該端末側検索キーの有効時間を設定する。ここで、有効時間とは、当該端末側検索キーに対して、同一の検索キーとしてプリンタにおいて入力されるプリンタ側検索キーの入力を待ち受ける時間である。
さらに、プリンタ検索画面502の詳細設定ボタン502cを選択すると、図10に示す検索詳細画面503が表示される。検索詳細画面503において、解像度、両面印刷/片面印刷、白黒/カラー、印刷速度、用紙サイズ、および当該プリンタのドライバが利用者端末10にインストールされていない場合のインストールの要否等、プリンタを選択するための条件を設定することができる。
再び、説明を図5に戻す。図9のプリンタ検索画面502において検索ボタン502dが選択されると、通信部130は、端末側検索キーを印刷システム1における利用者端末10が属するサブネットと同一のサブネットにおいてブロードキャスト送信する(ステップS206)。
より具体的には、例えば、利用者から図9に示すプリンタ検索画面502において端末側検索キーとして「5963」が入力され、検索ボタン502dが選択されると、利用者端末10の印刷システム1におけるネットワークアドレスと、端末側検索キー「5963」とを識別子とするメッセージを生成し、UDPパケットで、送信する。例えば、アドレス「123.456.1.X(X=1〜255)」の全ての機器にこの検索メッセージを送信する。
なお、本実施の形態においては、検索キーは数字のみであったが、他の例としては、アルファベットや仮名を含む文字列であってもよい。
また、端末側検索キーを送信する範囲は、例えば、異なるサブネットワークにおいてもブロードキャストするよう設定してもよい。または、特定の範囲に限定してマルチキャストするように設定してもよい。または、特定のネットワーク機器に必ず届くようにIPアドレスを指定してもよい。
端末側検索キーを送信するときの通信プロトコルは、独自定義のプロトコルであってもよい。他の例としては、SLP,UPnP,Jini,Salutation,BMLinkS等の既存のプロトコルに拡張メッセージフォーマットを定義して実装してもよい。このように、通信プロトコルは、本実施の形態に限定されるものではない。
次に、タイマ部112は、タイマカウントをスタートする(ステップS220)。ここで、タイマ部112は、図9に示すプリンタ検索画面502において設定された有効時間をカウントダウンする。なお、利用者から有効時間が指定されていない場合には、予め定められたデフォルト時間をカウントダウンする。デフォルト時間は例えば1分に設定されていてもよい。
検索キーの有効時間は1分としたが、他の時間に設定することも可能である。他の時間は、例えば3分、10分等であってもよい。ネットワーク規模や、利用人数や、利用できる検索キーの複雑さに応じて、柔軟に設定を変更することができる。また、利用者端末10と第1プリンタ20aにおける有効時間は必ずしも一致しなくともよい。
端末側検索キーがブロードキャスト送信されると、利用者が印刷処理を希望する第1プリンタ20aにも端末側検索キーが送信され、第1プリンタ20aは、端末側検索キーを受信する。そして、利用者は、第1プリンタ20aにおいて、さらに通信部230を介して同一の利用者から先に利用者端末10において入力された検索キーと同一のプリンタ側検索キーを入力する(ステップS210)。図13は、第1プリンタ20aの筐体に設けられたユーザインターフェース220を示している。第1プリンタ20aの筐体には、プリンタ側検索キーを入力するためのハードボタン220aと、表示パネル220bとが設けられている。
利用者が、ハードボタン220aを選択するとプリンタ側検索キーが入力される。利用者がハードボタン220aにおいてプリンタ側検索キーを入力すると、表示パネル220bには、入力されたプリンタ側検索キーが表示されるので、利用者はこれにより、自己が選択したプリンタ側検索キーを確認することができる。
また、他の例としては、図14に示すように第1プリンタ20aの筐体には、数字ボタンが表示されたタッチパネル220cが設けられていてもよい。この場合、利用者が、指などでタッチパネル220cにタッチしてタッチパネル220cに表示された表示ボタンを選択すると、プリンタ側検索キーが入力される。
また、他の例としては、図15に示すように第1プリンタ20aの筐体には、手書き文字入力領域が表示されたタッチパネル220cが設けられていてもよい。この場合、第1プリンタ20aは文字認識機能を有する。文字認識機能は、利用者がタッチペン等を利用してプリンタ側検索キーを手書き入力すると、利用者から入力された文字を認識する。そして、取得部202が認識結果をプリンタ側検索キーとして取得する。
再び、説明を図5に戻す。第1プリンタ20aは、プリンタ側検索キーを取得すると、プリンタ側検索キーと、利用者端末10から受信した端末側検索キーとを照合する(ステップS212)。照合に成功した場合には(ステップS212,Yes)、第1プリンタ20aの通信部230は、端末側検索キーの送信元である利用者端末10を送信先として当該第1プリンタ20aのアドレスを含む通知メッセージをユニキャスト送信する(ステップS214)。
ここで、通知メッセージは、プリンタアドレスの他に、例えば自身がプリンタであることを示す情報を含んでもよい。利用者端末10のプリンタ検索アプリケーションプログラムは、通知メッセージを読み取り、通知メッセージに含まれるIPアドレスの機器をプリンタとみなして接続を開始する処理を有している。
利用者端末10は、先にスタートしたタイマ部112におけるタイマカウントが終了する前にプリンタアドレスを受信すると(ステップS222,No)、当該プリンタアドレスを印刷データの送信先、すなわち通信先として決定する(ステップS216)。そして、印刷データ送信処理(ステップS300)へ進む。
このとき、利用者端末10の表示画面には図11に示すタイムアウト画面504が表示される。検索画面504には、第1プリンタ20aの名称、IPアドレス、および基本スペック等が表示される。このときまた、第1プリンタ20aの表示パネルには、図16に示すように、相手方の利用者端末10のIPアドレス等が表示される。
なお、タイマカウントが終了すると、利用者端末10は処理を終了し、その後にプリンタアドレスを受信しても、当該プリンタアドレスを無効とする。このとき、利用者端末10の表示画面には、図12に示す検索結果画面504が表示される。ここで、再検索ボタン505aが選択されると、再び端末側検索キー取得処理(ステップS204)に続く処理が開始する。
一方、第1プリンタ20aにおける端末側検索キーとプリンタ側検索キーとの照合に成功しなかった場合、図6に示すように、第1プリンタ20aはさらにプリンタ側検索キーを印刷システム1のサブネットにおいてブロードキャスト送信する(ステップS230)。ここで、ブロードキャスト送信の対象となるサブネットは、第1プリンタ20aおよび利用者端末10が属するサブネットである。また、照合に成功しなかった場合とは、例えば、利用者がステップS204において入力した端末側検索キーと異なるプリンタ側検索キーをステップS210において誤って入力した場合などである。
利用者端末10は、タイマ部112におけるタイマカウントが終了する前にプリンタ側検索キーを受信すると(ステップS240)、利用者から再度端末側検索キーを待ち受ける状態になる。
ここで、利用者が第1プリンタ20aにおいて入力したプリンタ側検索キーと同一の端末側検索キーを再度入力すると、取得部202は、再度端末側検索キーを取得する(ステップS240)。次に、利用者端末10の照合部104は、第1プリンタ20aから受信したプリンタ側検索キーと、2度目に取得した端末側検索キーとを照合する(ステップS242)。そして、利用者端末10は、照合に成功すると(ステップS242,Yes)、プリンタ側検索キーを送信した送信元を印刷データを送信する送信先、すなわち通信先として決定する(ステップS244)。
一方、照合に成功しなかった場合(ステップS242,No)、利用者端末10は、さらにステップS240において取得した2度目の端末側検索キーをブロードキャスト送信し、再びステップS210に戻り処理を行う。
なお、ステップS230においてプリンタ側検索キーが送信されると、第1プリンタ20aのタイマ部212が所定の時間のカウントダウンを開始する(ステップS232)。そして、タイマ部212のカウントダウンが終了する前に、ステップS210においてプリンタ側検索キーを取得すると(ステップS234,No)、第1プリンタ20aの照合部204は、端末側検索キーとプリンタ側検索キーの照合を行う(ステップS212)。続いて、前述の処理が繰り返される。
このように、本実施の形態においては、利用者端末10および第1プリンタ20aのいずれの装置においても端末側検索キーとプリンタ側検索キーとの照合を行うことができるので、例えば、利用者は、利用者端末10において端末側検索キーとして「5963」を入力し、プリンタ側検索キーとして誤って「5964」と入力してしまった場合には、第1プリンタ20aにおける照合では、端末側検索キーとプリンタ側検索キーとは一致しない。この場合、プリンタ側検索キーとして入力された「5964」を再度利用者端末10に送信する。そして、利用者が利用者端末10において端末側検索キーとして正しい値である「5964」を入力することにより、利用者端末10における照合では、端末側検索キーとプリンタ側検索キーが一致し、通信先を決定する。
このように、いずれの装置においても照合を行うことができるので、利用者は、いずれの装置から先に検索キーを入力してもよい。また、誤った検索キーを入力した場合には再度正しい検索キーを入力すればよいので、煩雑な操作の必要がなく、装置の利便性を向上させることができる。
なお、図5および図6を参照しつつ説明した処理において、第1プリンタ20aおよび利用者端末10は、それぞれ請求項1の発明にかかる第1の装置および第2の装置を構成する。また、当該処理のステップS210において第1プリンタ20aが取得したプリンタ側検索キーおよびステップS230において第1プリンタ20aから送信されたプリンタ側検索キーは、いずれも請求項1の発明にかかる第1の識別情報に相当する。また当該処理のステップS206において利用者端末10から送信された端末側検索キーは、請求項1の発明にかかる第2の識別情報に相当する。また、実施例においてステップS240において利用者端末10が取得した端末側検索キーは、請求項1の発明にかかる第3の識別情報に相当する。
図17および図18は、図4に示した印刷データ送信処理(ステップS300)における詳細な通信シーケンスを示すフローチャートである。プリンタ選択処理(ステップS200)において利用者端末10から印刷データを送信する送信先が決定すると、次に、利用者端末10は、ステップS202において設定された印刷条件を第1プリンタ20aにユニキャスト送信する(ステップS302)。
第1プリンタ20aの印刷条件判断部208は、利用者端末10から受信した印刷条件が画像形成部210の印刷能力に適合するか否かを判定する(ステップS304)。印刷条件が合致すると(ステップS304,Yes)、第1プリンタ20aの通信部230は、印刷条件が合致することを示す印刷条件合致情報を利用者端末10にユニキャスト送信する(ステップS310)。
利用者端末10は、印刷条件合致情報を受信すると、利用者端末10を印刷データの送信先として決定し(ステップS312)、印刷データを第1プリンタ20aにユニキャスト送信する(ステップS314)。そして、利用者端末10は、印刷データを受信すると、受信した印刷データに基づいて印刷処理を行う(ステップS400)。このとき、利用者端末10には、図19に示す印刷開始画面506が表示される。
このように、例えば、利用者端末10に第1プリンタ20aのプリンタドライバが既にインストールされている場合や、共通規格の汎用ドライバにより個別ドライバのインストールが不要な場合などには、印刷条件合致情報を受信した後、自動的に第1プリンタ20aに対して印刷データを送信し、印刷を指示することができる。
また、利用者端末10に第1プリンタ20aのプリンタドライバがインストールされていない場合には、例えば、SOAP通信によりドライバのURLを取得し、自動でインストールを行うように設定しておいてもよい。この場合、図20に示すドライバインストール設定画面507が表示され、ここで、「はい」を選択すると、ドライバのインストールを実行することができる。ドライバインストール設定画面507において「はい」を選択すると、さらに図21に示すドライバインストール中画面508が表示され、インストール後の印刷を指示することができる。
また、第1プリンタ20aがプリンタサーバに接続されている場合には、第1プリンタ20aのプリンタサーバからプリンタドライバをインストールし、必要に応じてプリンタサーバから印刷を行ってもよい。
一方、ステップS304において、利用者端末10から受信した印刷条件が画像形成部210の印刷能力に合致しない場合には(ステップS304,No)、第1プリンタ20aの230は、印刷条件が合致しないことを示す印刷条件不一致情報を利用者端末10にユニキャスト送信する(ステップS320)。
利用者端末10は、印刷条件不一致情報を受信すると、利用者から印刷条件の変更に関する指示を待つ。このとき、図22に示すような検索結果画面509が表示される。利用者が印刷条件設定処理(ステップS202)においてカラー印刷を指定したが、通信先として決定した第1プリンタ20aがモノクロ印刷しかできない場合に、検索結果画面509が表示される。利用者は、検索結果画面509において、第1プリンタ20aでモノクロ印刷するか、または第1プリンタ20aで印刷しないかを選択することができる。
第1プリンタ20aにおいてモノクロ印刷することを選択すると、印刷条件設定処理(ステップS202)において設定した印刷条件を変更し(ステップS322,Yes)、通信先として決定した第1プリンタ20aの印刷処理の能力に応じた印刷条件を再度設定する(ステップS324)。さらに、第1プリンタ20aを印刷データの送信先として決定し(ステップS326)、第1プリンタ20aに印刷データを送信する(ステップS328)。すなわち、再設定した印刷条件での印刷データの印刷を指示し、第1プリンタ20aは、印刷データに基づいて、印刷処理を行う(ステップS400)。また、第1プリンタ20aにおいて、印刷を行わないことを選択すると、利用者端末から第1プリンタ20aに印刷データを送信することが禁止される。
このように、印刷条件が合致する場合にのみ、利用者端末10は、第1のプリンタ20aに印刷データを送信することができる。
本実施の形態においては、通信先として第1プリンタ20aを特定し、第1プリンタ20aのIPアドレスを取得した後に、第1プリンタ20aに対してユニキャスト送信で印刷条件を送信したが、他の例としては、端末側検索キーと共に印刷条件をブロードキャスト送信してもよい。ただし、この場合通信量が多くなるので、この観点からは、印刷条件はユニキャスト送信する方が望ましい。
図23は、図4以降で説明したプリンタ選択処理における利用者端末10の詳細な処理を示すフローチャートである。プリンタ選択処理においては、利用者端末10に登録されていないプリンタを利用する場合(ステップS110,Yes)、まず利用可能なプリンタを検索する(ステップS111)。具体的には、図5および図6を参照しつつ説明したように、第1プリンタ20aとの通信によりプリンタが決定される。ここで、利用者端末10に登録されていないプリンタを利用する場合とは、例えば利用者端末10を新規に無線LANに接続する場合などがある。
そして、この処理によりプリンタを発見すると(ステップS112,Yes)、発見したプリンタの設定を登録する(ステップS113,Yes、ステップS114)。また、登録されているプリンタの場合には(ステップS110,No)、利用者からプリンタ設定変更が指定されると(ステップS113,Yes)、指定された設定にプリンタ設定が変更される(ステップS114)。
また、プリンタが発見されず(ステップS112,No)、再検索が指示されない場合には(ステップS115,No)、プリンタ選択の設定変更がされずに(ステップS116)、処理が完了する。
この処理により、プリンタごとに印刷条件等を設定することができる。また、利用者端末10にプリンタのドライバがインストールされていない場合には、このプリンタ選択処理において、IPP(Internet Printing Protocol)を利用する。そして、プリンタのIPアドレスを指定してプリンタに接続し、例えばプリンタサーバーから第1プリンタ20aのドライバのインストールを含む設定を自動で行うことができる。また、第1プリンタ20aのデフォルト設定を変更することができる。
図24は、利用者端末10において印刷を指示したときに、プリンタを選択する場合の利用者端末10の詳細な処理を示すフローチャートである。なお、図23に示したステップ番号と同一のステップ番号の処理は、図23に示したステップ番号における処理と同様の処理を示している。
例えば、文書を表示するワードプロセッサプログラムで文書を開いているときに、アプリケーションのメニューから「印刷」を選択すると、プリンタを選択するメニューや、現在選択されているプリンタの設定を変更するボタンや、現在のプリンタ及び印刷設定で、印刷を実行するボタンなどが表示される。
ここで、例えば、「検索印刷」という名前のプリンタを選択する(ステップS120)。そして、「検索印刷」プリンタを選択した状態で、印刷の実行を行うボタンを選択すると、図23において説明したプリンタ選択処理が行われる。この「検索印刷」という名前のプリンタは、これから通信先決定処理により特定する仮想的なプリンタで、現段階では、実際の所定のプリンタを示すものではない。
そして、端末側検索キーとプリンタ側検索キーとが一致し、利用者端末10の通信先の第1プリンタ20aが特定されると、第1プリンタ20aのプリンタドライバが起動し、そのプリンタで印刷する画面が表示される。ここで、印刷設定を変更したい場合は、設定の変更を行う。また、印刷設定を変更しない場合には、印刷を開始するボタンをクリックし、プリンタに印刷を開始させる(ステップS110〜ステップS121)。また、通信先の第1プリンタ20aを特定できない場合は印刷処理を中止させる(ステップS122)。
なお、第1プリンタ20aを特定した後、印刷実行の確認や設定変更等を行う画面を表示させることなく、アプリケーションで指定した印刷設定を用いて直接印刷を開始するように設定してもよい。これにより、プリンタを操作し、PCを操作し、またプリンタの場所に行き印刷が終わるのを待つというように、利用者の時間を拘束するのを避けることができる。
また、他の例としては、アプリケーションで指定した印刷条件が、第1プリンタ20aの印刷処理に適合している場合には即時印刷を開始し、印刷処理に適していない場合には印刷を中止するように設定してもよい。
また、他の例としては、印刷処理を中止した場合に、第1プリンタ20aの表示部220bに条件が一致しなかった旨を表示してもよい。このとき、図25に示すような画面が表示される。
図26は、プリンタ選択処理における利用者端末10の詳細な処理を示すフローチャートである。図26には、利用者端末10においてプリンタ検索モードに設定されている場合の処理について示している。
なお、図23および図24に示したステップ番号と同一のステップ番号の処理は、図23および図24に示したステップ番号における処理と同様の処理を示している。プリンタ検索モードにおいては、プリンタ選択処理により選択された第1プリンタ20aが、利用者端末10において指定された印刷条件を満たしている場合には自動的に印刷処理を行う。
利用者端末10においてプリンタ検索モードに設定されていると(ステップS130)、プリンタ検索処理が行われる(ステップS111)。第1プリンタ20aが発見されると(ステップS112)、発見された第1プリンタ20aが利用者端末10において利用者が設定した印刷条件に適合しているかを判断する。そして、印刷条件に合致していると判断した場合には(ステップS134,Yes)、発見した第1プリンタ20aに対して印刷データを送信し、印刷データを出力させる(ステップS121)。
一方、発見された第1プリンタ20aが利用者端末10において利用者が設定した印刷条件に適合していないと判断した場合は(ステップS134,No)、利用者から印刷条件の変更指示を待つ。印刷条件の変更が指示された場合には(ステップS136,Yes)、印刷条件を変更し、発見された第1プリンタ20aの設定を登録する(ステップS114)。そして、ステップS121へ進む。また、印刷条件の変更が指示されない場合には、再検索処理(ステップS115)に進む。
なお、通信先としての第1プリンタ20aを検索する利用者端末10は、例えば利用者端末10のホスト名、CPU性能、搭載メモリ、OS名やバージョン名を印刷条件として保持する。より具体的には、”HOST=MYPC1”,”CPU=2000MHz”,”RAM=1024MB”,”OS=MyOS 55”,”VERSION=1.0”などの情報である。
また、通信先としての利用者端末10を検索する第1プリンタ20aは、第1プリンタ20aにおける基本的な印刷設定情報や、対応OSなどを印刷条件として保持する。より具体的には、”RESOLUTION=600dpi”,”OS=MyOS 55,MyOS 50”,”A3=Enable”,”COLOR=FALSE”などの情報である。
利用者端末10は、第1プリンタ20aを特定すると、第1プリンタ20aがから印刷処理に関する印刷条件を取得する。そして、利用者端末10が保持する印刷条件に合致するか判断する。
例えば、A3で印刷を行おうとしている利用者端末10が印刷条件を含むメッセージを送信した後、通知メッセージを待ち受けているとする。この状態のときに、A3で印刷を行うことができないプリンタから通知メッセージを受信すると、通知メッセージと共に、プリンタの基本スペック等を表示させる。これにより、利用者は、基本スペック等の情報に基づいて、「キャンセル」ボタンを押すなどして、プリンタとの接続処理を続行または中断させることを選択することができる。これにより、無駄な通信や、無駄なプリンタドライバ設定など無駄な処理を行うのを避けることができる。
また例えば、MyOS40というOSに対応していないプリンタが通知メッセージを送信した後、検索メッセージを待ち受けている状態にある。このとき、MyOS40のOSを搭載した利用者端末から検索メッセージを受信した場合には、利用できない旨を通知する。これにより、上記と同様に無駄な通信等を行うのを避けることができる。
このように、検索メッセージ、通知メッセージに機器の基本的な属性を同封して送信する。そして、受信側はその情報を受信し、相手機器が利用不可能である場合は、利用不可能である旨を通知する。また、相手機器が属性を理解できない場合は無視する。すなわち、通信先と判断しない。
図27および図28は、図4に示したプリンタ選択処理(ステップS120)において、利用者がまず、第1プリンタ20aにおいて検索キー(プリンタ側検索キー)を入力した場合の処理を示すフローチャートである。
図27において、まず利用者が第1プリンタ20aでプリンタ側検索キーを入力すると、取得部102は、ユーザインターフェース120を介してプリンタ側検索キーを取得する(ステップS250)。次に、通信部230は、取得部202が取得したプリンタ側検索キーをブロードキャスト送信する(ステップS252)。そして、タイマ部212は、タイマカウントをスタートする(ステップS270)。
利用者端末10においては、通信部130がプリンタ側検索キーを受信し、さらに利用者から印刷条件および端末側検索キーが入力される。利用者からの入力に従い、印刷条件設定部108は印刷条件を設定する(ステップS260)、そして、取得部102は端末側検索キーを取得する(ステップS262)。次に、照合部104は、取得部102が取得した端末側検索キーと、通信部130が受信したプリンタ側検索キーとを照合する。照合に成功した場合は(ステップS264,Yes)、利用者端末10の通信先決定部106は、プリンタ側検索キーの送信元である第1プリンタ20aを通信先として決定し(ステップS266)、印刷データ送信処理(ステップS300)へ進む。
一方、照合に成功しなかった場合には(ステップS264,No)、図28に示すように利用者端末10の通信部130は、ステップS262において取得した端末側検索キーをブロードキャスト送信する(ステップS280)。さらに、タイマ部112は、タイマカウントをスタートする(ステップS282)。
そして、第1プリンタ20aは、タイマカウントが終了する前に端末側検索キーを受信すると(ステップS272,No)、図5において説明したステップS210以降の処理と同様に、取得部202は、利用者から入力されたプリンタ側検索キーを取得する(ステップS290)。そして、照合に成功すると(ステップS292,Yes)、第1プリンタ20aの通信部230は、端末側検索キーの送信元である利用者端末10に対して、当該第1プリンタ20aのアドレスをユニキャスト送信する(ステップS294)。
このとき、通信部230は、プリンタアドレスをUDPパケットを用いて送信してもよい。また他の例としては、TCPパケットを用いて送信してもよい。このように、通信相手を特定した後は、ブロードキャスト送信にかえてユニキャスト通信を行うことにより、セキュリティを向上させ、かつ通信データ量を低減することができる。
利用者端末10は、タイマカウントが終了する前にプリンタアドレスを受信すると(ステップS284,No)、当該プリンタアドレスを印刷データの送信先として決定する(ステップS296)。そして、印刷データ送信処理(ステップS300)へ進む。
一方、ステップS292において、照合に成功しなかった場合にはステップS250に戻り、再びプリンタ側検索キーの入力を待ち受ける。
以上のように実施の形態1にかかる印刷システム1においては、利用者端末10および第1プリンタ20aのいずれにおいても通信相手を特定するための照合処理を行うことができるので、利用者の利便性を向上させることができる。
なお、図27および図28において説明した処理において、利用者端末10および第1プリンタ20aは、それぞれ請求項1の発明にかかる第1の装置および第2の装置を構成する。また、当該処理のステップ(ステップS262において利用者端末10が取得した端末側検索キーおよび(ステップS280において利用者端末10から送信された端末側検索キーは、いずれも請求項1の発明にかかる第1の識別情報に相当する。また当該処理の(ステップS252において第1プリンタ20aから送信されたプリンタ側検索キーは、請求項1の発明にかかる第2の識別情報に相当する。また当該処理のステップS290において第1プリンタ20aが取得したプリンタ側検索キーは、請求項1の発明にかかる第3の識別情報に相当する。
図29は、利用者端末10のハードウェア構成を示す図である。利用者端末10は、ハードウェア構成として、利用者端末10における通信処理を実行するプログラムなどが格納されているROM52、ROM52内のプログラムに従って利用者端末10の各部を制御し、通信処理等を実行するCPU51、ワークエリアが形成され、利用者端末10の制御に必要な種々のデータが記憶されているRAM53、ネットワークに接続して、通信を行う通信I/F57、および各部を接続するバス62を備えている。
先に述べた利用者端末10における文書管理処理を実行する通信プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フロッピー(R)ディスク(FD)、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態の通信プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
この場合には、通信プログラムは、利用者端末10において上記記録媒体から読み出して実行することにより主記憶装置上にロードされ、上記ソフトウェア構成で説明した各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本実施形態にかかる通信プログラムは、利用者端末10で上記記録媒体から読み出して実行することにより主記憶装置上にロードされ、上記ソフトウェア構成で説明した各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、実施の形態1にかかる第1プリンタ20aのハードウェア構成は、図29を参照しつつ説明した利用者端末10のハードウェア構成と同様である。
実施の形態1においては、一対の検索キーに対する通信先を決定する通信先特定の処理について説明したが、例えば、印刷システム1内に複数の利用者がそれぞれ所有の利用者端末10を接続した場合には、1つのプリンタ20と、複数の利用者端末10との通信をそれぞれ確立してもよい。
図30は、複数の利用者が、印刷システム1に各自が所有する利用者端末10を接続し、それぞれが第1プリンタ20aとの通信を確立させる処理を行う場合の第1プリンタ20aの処理を示すフローチャートである。利用者端末10においては、複数の利用者からそれぞれ異なるプリンタ側検索キーが入力され、利用者端末10は、各プリンタ側検索キーに対する端末側検索キーを受信するのを待つ待機状態になっている。そして、いずれかのプリンタ側検索キーに対するタイマカウンタが終了すると(ステップS700)、このプリンタ側検索キーを無効にする(ステップS703)。すなわち、これ以降にこのプリンタ側検索キーに対応する端末側検索キーを受信した場合にも、照合処理を行わない。
一方、タイマカウントが終了する前に端末側検索キーを受信し(ステップS700,No、ステップS702)、受信した端末側検索キーに対応するプリンタ側検索キーを既に取得している場合には(ステップS704,Yes)、端末側検索キーとプリンタ側検索キーの一致により通信先を特定し、対応するタイマカウントを終了する(ステップS706)。
また、ステップS704において、端末側検索キーを取得していない場合には、新たにタイマカウントを開始し(ステップS705)、対応する検索キーを取得するのを待ち受ける。このように、第1プリンタ20aは、同時に複数の利用者端末10と通信を確立することができる。
このとき、異なる検索キーをさらに受信した場合には、さらにタイマカウントを開始し、この検索キーに対応する検索キーの受信を待ち受ける。そして、いずれの検索キーに対しても、それぞれの検索キーの待ち受けが終了した後に、対応する検索キーが入力された場合には、これらの検索キーとの照合処理は行わない。
なお、図30においては、第1プリンタ20aにおいて異なる複数のプリンタ側検索キーが入力された場合について説明したが、第1プリンタ20aが利用者端末10から複数の端末側検索キーを受信し、受信した端末側検索キーに対するプリンタ側検索キーの入力を待つ場合にも図30を参照しつつ説明した処理と同様のタイマカウント処理を行う。
また、実施の形態1においては、例えば、利用者端末10においてプリンタ側検索キーの入力を受け付け、さらに第1プリンタ20aから端末側検索キーを受信した場合のように、対応する検索キーの照合に成功した場合には、対応するタイマカウントを終了し、プリンタの設定を開始する。従って、所定のプリンタ側検索キーに一致する第1の端末側検索キーを受信した後は、プリンタ側検索キーに一致する第2の端末側検索キーを受信した場合であっても、この第2の端末側検索キーを無効とし、第2の端末側検索キーとプリンタ側検索キーとの照合処理は行わない。これにより、1の検索キーが有効な状態のまま存在することにより、照合処理が煩雑になり処理速度が低下するのをさけることができる。
一方、他の例としては、上述のように、利用者端末10においてプリンタ側検索キーの入力を受け付け、さらに第1プリンタ20aからプリンタ側検索キーと一致する第1の端末側検索キーを受信した場合にも、タイマカウントを終了しなくともよい。すなわち、その後にプリンタ側検索キーと同一の第2の端末側検索キーを受信した場合に、この第2の端末側検索キーを有効としてもよい。この場合、第1の端末側検索キーを受信した場合に、プリンタ側検索キーと第1の端末側検索キーとの照合処理を含むプリンタ選択処理を行い、続いて第2の端末側検索キーを受信した場合には、プリンタ側検索キーと第2の端末側検索キーとの照合処理を含むプリンタ選択処理を行う。
これにより、例えば、複数の利用者端末10が同一の検索キーを用いてそれぞれの通信を確立するための処理を行っている場合であっても、いずれの通信をも確立することができる。
なお、実施の形態1においては、ネットワークに含まれる利用者端末10と第1プリンタ20aの通信を確立する場合について説明したが、他の例としては、本実施の形態における通信処理をネットワークに複数の利用者端末10が含まれ、2つの利用者端末10が通信を確立する場合に適用してもよい。
図31は、利用者端末10同士で通信を確立する場合に、利用者端末10に表示される利用者端末10検索画面を示す図である。このように、利用者端末10同士の通信を確立する場合にも、利用者端末10と第1プリンタ20aの間の通信を確立する場合と同様に、2つの利用者端末10間の通信を識別する検索キーを各利用者端末10において利用者が入力し、各利用者端末10において入力された検索キーが一致した場合に、利用者端末10間の通信を確立することができる。
(実施の形態2)
図32は、実施の形態2にかかる印刷システム1の全体構成を示す図である。実施の形態2にかかる印刷システム1は、実施の形態1にかかる印刷システム1の構成に加えて、さらにネットワークを介して他の機器と通信する認証サーバ30を備えている。そして、認証サーバ30による認証に成功した場合に、通信先を決定する処理が行われる。この点で、実施の形態2にかかる印刷システム1は、実施の形態1にかかる印刷システム1と異なっている。
図33は、認証サーバ30の機能構成を示すブロック図である。認証サーバ30は、通信部330と、認証部340と、認証テーブル342とを有している。
通信部330は、ネットワークを介して他の機器と情報を送受信する。認証部340は、通信部330を介して受信した認証情報に基づいて通信処理を行う装置の利用者を認証する。なお、通信部330は、このとき、認証テーブル342を利用する。
図34は、認証テーブル342のデータ構成を示す図である。認証テーブル342は、登録されている利用者を識別する利用者IDと、各利用者に割り当てられた検索キーとを対応付けている。具体的には、認証テーブル342は、ユーザIDフィールドと、認証情報フィールドと、検索キーフィールドとを有している。認証部340は、ユーザIDにより特定されるユーザから認証フィールドに格納されている認証情報を受信した場合に、利用者の認証に成功したと判断する。なお、この場合、検索キーフィールドに格納されている検索キーが利用者から入力された検索キーとして利用される。
なお、認証サーバ30のハードウェア構成は、実施の形態1において図29を参照しつつ説明した利用者端末10のハードウェア構成と同様である。
図35は、実施の形態2にかかる通信シーケンスを示すフローチャートである。実施の形態2においては、利用者端末10がLANに接続すると(ステップS100)、次に、認証処理(ステップS250)が行われる。そして、認証処理に成功した場合に、実施の形態1において説明したプリンタ選択処理(ステップS200)、印刷データ送信処理(ステップS300)、および印刷処理(ステップS400)を行う。このように、実施の形態2にかかる印刷システム1は、認証に成功した場合にのみ通信処理を行うので、悪意の第三者がLANに接続するのを避けることができ、セキュリティレベルを向上させることができる。
図36は、図35に示した認証処理(ステップS250)における詳細な処理を示すフローチャートである。実施の形態2においては、利用者端末10がLANに接続した後(ステップS100)、利用者は、予め認証テーブル342に登録されている認証情報を利用者端末10において入力する。そして、通信部130は、入力された認証情報を認証サーバ30に送信する(ステップS252)。認証情報は、ユニキャストで送信されるのが望ましいが、ブロードキャストで送信されてもよい。
そして、認証サーバ30の通信部330が利用者端末10から認証情報を受信すると、認証部340は、認証テーブル342を参照しつつ利用者を認証する。認証に成功した場合には、通信部330は、認証テーブル342においてユーザIDに対応付けられている検索キーを抽出する。そして、通信部330は、認証部340から受け取った検索キーを、端末側検索キーとして利用者端末10および第1プリンタ20aに送信する(ステップS256,ステップS258)。そして、実施の形態1において説明したプリンタ検索処理(ステップS200)へ進む。
より具体的には、利用者はまず、出力したいプリンタに近づき、プリンタに備え付けられた指紋認証モジュールに指を当て、指紋のスキャンを実行する。次に、「通知メッセージ送信」ボタンを押す。すると第1プリンタ20aは、設定された認証サーバ30に、スキャンした指紋画像の特徴データを送信する。認証サーバ30は、管理している指紋の特徴データと、受信した指紋データの照合を行い、対応する利用者を特定する。
ここで、認証サーバ30が対応する利用者が登録されていないと判断した場合、プリンタに対して、認証が失敗したことを通知する。この場合、認証をやり直す。一方、認証が成功し、許可されている利用者が特定されると、特定された利用者に対応付けられている検索キーをプリンタに送信する。認証結果を受信したプリンタは、受け取った検索キーを含む通知メッセージを送信する。さらに、認証が成功したことを、操作パネルの画面表示に表示することが望ましい。
図37は、図35に示した認証処理(ステップS250)における詳細な処理の他の例を示すフローチャートである。図36においては、利用者が利用者端末10において認証情報を入力した場合の処理を示したが、図37においては、利用者が第1プリンタ20aにおいて認証情報を入力した場合の処理を示している。この場合は、利用者端末10がLANに接続した後(ステップS100)、利用者は、予め認証テーブル342に登録されている認証情報を第1プリンタ20aにおいて入力する。入力された情報は通信部230が認証サーバ30に送信する(ステップS262)。そして、認証サーバ30において利用者の認証に成功すると、認証テーブル342において利用者IDに対応付けられている検索キーをプリンタ側検索キーとして利用者端末10および第1プリンタ20aに送信する(ステップS256、ステップS258)。
より具体的には、利用者はまず利用者端末10に備え付けられた指紋認証モジュールに指を当て、指紋のスキャンを実行する。次に、利用者端末10を操作し「検索メッセージ送信」ボタンを押す。すると利用者端末10は、設定された認証サーバ30に、スキャンした指紋画像の特徴データを送信する。認証サーバ30は、管理している指紋の特徴データと、受信した指紋データの照合を行い、対応する利用者を特定する。ここで、認証サーバ30が対応する利用者が登録されていない判断した場合、プリンタに対して、認証が失敗したことを通知する。
一方、認証が成功し、許可されている利用者が割り出されると、その利用者が使うことになっている検索キーを利用者端末10に送信する。認証結果を受信したプリンタは、受け取った検索キーを持つ検索メッセージを送信する。ここで、認証が成功したことを、利用者端末10の表示装置上に表示することが望ましい。これ以後の動作は、ここまで述べてきた実施例と同一である。
このように本実施の形態においては、通信処理を行う前に、利用者の認証処理を行うので、セキュリティレベルを向上させることができる。
なお、実施の形態2にかかる印刷システム1のこれ以外の構成および動作は、実施の形態1にかかる印刷システム1の構成および動作と同様である。
なお、他の例としては、第1プリンタ20aや利用者端末10の本体に、画像センサやマイクロフォンとその特徴を認識する手段と、特徴に対応する利用者IDを格納しておいてもよい。具体的には、指紋認識モジュール、虹彩認識モジュール、サインの筆跡鑑定モジュール、および声紋認識モジュールなどのうち少なくとも1つを有し、これらの特徴と利用者IDとを対応付けて格納しておいても良い。これにより、機器自身のセキュリティを強化し、利用できる人物を制限することができる。
また、認証サーバ30は、利用者端末10および第1プリンタ20aと同一のサブネットに接続していなくともよい。また、実施の形態2においては、利用者端末10および第1プリンタ20aのいずれか一方において取得した認証情報に基づいて認証処理を行ったが、他の例としては、利用者端末10および第1プリンタ20aの双方から同様に認証情報を取得し、それぞれの認証情報に基づいて利用者を認証してもよい。これにより、セキュリティレベルをより向上させることができる。
また他の例としては、実施の形態3においては、認証テーブル342において、利用者IDに対応付けて、検索キーを格納していたが、これにかえて、認証テーブル342は、利用者IDと認証情報のみを格納してもよい。この場合、認証に成功すると認証サーバ30は、端末側検索キー又はプリンタ側検索キーとして、認証情報を利用者端末10および第1プリンタ20aに送信する。
(実施の形態3)
実施の形態2にかかる印刷システム1は、認証サーバ30を備え、認証サーバ30が認証処理を行っていたが、実施の形態3においては、第1プリンタ20aが認証処理を行う。従って、印刷システム1は、実施の形態1と同様に、2台のプリンタのみを備え、認証サーバ30を備えなくともよい。この点で、実施の形態3にかかる印刷システム1は、他の実施の形態にかかる印刷システム1と異なっている。
図38は、実施の形態3にかかる第1プリンタ20aの通信処理部200の機能構成を示すブロック図である。実施の形態3にかかる通信処理部200は、実施の形態1にかかる通信処理部200の機能構成に加えて、さらに認証部240と、認証テーブル242とを有している。認証部240は、ユーザインターフェース220を介して利用者から入力された認証情報および通信部230を介して外部から受信した認証情報を、認証テーブル242を利用して認証する。認証部240は認証に成功した場合に、照合部204の照合処理を許可する。
図39は、実施の形態3にかかる認証処理を示すフローチャートである。図39は、利用者端末10において利用者から認証情報が入力された場合の処理を示している。利用者端末10において利用者が認証情報を入力すると、取得部102は認証情報を取得し(ステップS260)、通信部130は、認証情報を第1プリンタ20aに送信する(ステップS261)。そして、第1プリンタ20aは、受信した認証情報に基づいて利用者を認証する。認証に成功すると(ステップS262,Yes)、第1プリンタ20aは、認証テーブル242において利用者に対応付けられている検索キーを端末側検索キーとして利用者端末10に送信する(ステップS263)。そして、実施の形態1にかかるステップS210に進む。
図40は、実施の形態3にかかる認証処理の他の例を示すフローチャートである。図40は、第1プリンタ20aにおいて利用者から認証情報が入力された場合の処理を示している。第1プリンタ20aにおいて利用者が認証情報を入力すると、取得部202は認証情報を取得し(ステップS265)、認証処理を行う。そして、認証に成功すると(ステップS266,Yes)、第1プリンタ20aは、認証テーブル242において利用者に対応付けられている検索キーをプリンタ側検索キーとして利用者端末10に送信する(ステップS267)。そして、実施の形態1にかかるステップS244に進む。
なお、実施の形態3においては、利用者端末10および第1プリンタ20aのいずれか一方において取得した認証情報に基づいて認証処理を行ったが、他の例としては、利用者端末10および第1プリンタ20aの双方から同様に認証情報を取得し、それぞれの認証情報に基づいて利用者を認証してもよい。これにより、セキュリティレベルをより向上させることができる。
なお、実施の形態3にかかる印刷システム1の他の構成および動作は、実施の形態1にかかる印刷システム1の構成および動作と同様である。
(実施の形態4)
図41は、実施の形態4にかかる印刷システム1の全体構成を示す図である。実施の形態3にかかる印刷システム1は、実施の形態1にかかる印刷システム1の構成に加えて、さららにネットワークを介して他の機器と通信する通信制御装置40を備えている。そして、利用者端末10および第1プリンタ20aの通信は、通信制御装置40を介して行われる。この点で、実施の形態4にかかる印刷システム1は、他の実施の形態にかかる印刷システム1と異なっている。
図42は、通信制御装置40の機能構成を示すブロック図である。通信制御装置40は、通信部430と、照合部404と、通信先決定部406と、タイマ部412とを有している。通信部430は、他の機器と情報を送受信する。照合部404は、通信部430を介して受信した検索キーを照合する。通信先決定部406は、通信先決定部406の照合結果に基づいて、所定の機器の通信先を決定する。すなわち、通信を行う2つの機器を決定する。タイマ部412は、通信部430が第1の検索キーを受信してから、当該第1の検索キーに対応する第2の検索キーを受信するまでの時間をカウントする。
なお、通信制御装置40のハードウェア構成は、実施の形態1において図29を参照しつつ説明した利用者端末10のハードウェア構成と同様である。
図43は、実施の形態3にかかる通信シーケンスを示すフローチャートである。本実施の形態においては、実施の形態1と同様に、利用者端末10がLANに接続されると(ステップS100)、プリンタ検索処理(ステップS600)、印刷データ送信処理(ステップS300)、および印刷処理(ステップS400)が順に行われる。なお、本実施の形態においては、プリンタ検索処理(ステップS600)において、通信制御装置40が利用者端末10と第1プリンタ20aの通信を仲介する。
また、プリンタ検索処理(ステップS600)の前提として、利用者端末10および第1プリンタ20aはそれぞれ通信制御装置40のネットワークアドレス(IPアドレス,MACアドレス)を記憶している。
図44および図45は、図43に示したプリンタ検索処理(ステップS600)における詳細な処理を示すフローチャートである。利用者端末10が、LANに接続した後(ステップS100)、利用者からの入力に基づいて、印刷条件設定部108は、印刷条件を設定する(ステップS602)。さらに、利用者からの入力により、端末側検索キーを取得する(ステップS604)。次に、通信部130は、取得した端末側検索キーを通信制御装置40にユニキャスト送信する(ステップS606)。なお、利用者端末10が通信制御装置40を特定する処理については後述する。さらに、タイマ部112は、タイマカウントをスタートする(ステップS608)。
通信制御装置40は、端末側検索キーを受信すると、タイマ部412は、タイマカウントをスタートし(ステップS610)、受信した端末側検索キーに対応するプリンタ側検索キーの受信を待つ。
一方、利用者は、第1プリンタ20aにおいて、先に利用者端末10において入力した端末側検索キーに対応するプリンタ側検索キーを入力する。第1プリンタ20aの通信部230は、プリンタ側検索キーを取得すると(ステップS620)、取得したプリンタ側検索キーを通信制御装置40にユニキャスト送信する(ステップS622)。なお、本実施の形態においては、第1プリンタ20aには、通信制御装置40のアドレスが予め登録されている。そして、第1プリンタ20aのタイマ部212は、タイマカウントをスタートする(ステップS623)。
通信制御装置40の通信部430が、タイマ部412のタイマカウントが終了する前に第1プリンタ20aからプリンタ側検索キーを受信すると(ステップS611,No)、照合部404は、受信したプリンタ側検索キーと、先に利用者端末10から受信した端末側検索キーとを照合する。照合に成功した場合には、通信制御装置40の通信先決定部406は、端末側検索キーの送信元の利用者端末10と、プリンタ側検索キーの送信元の第1プリンタ20aとを互いの通信相手として決定し、通信部430は、第1プリンタ20aのアドレスを利用者端末10にユニキャスト送信する(ステップS626)。そして、利用者端末10は、利用者端末10から第1プリンタ20aのアドレスを受信し、受信したアドレスで特定される第1プリンタ20aを、当該アドレスを通信先として決定する(ステップS628)。そして、図42を参照しつつ説明した印刷データ送信処理(ステップS300)へ進む。
一方、ステップS624において、照合部404が照合に成功しなかった場合には(ステップS624,No)、図45に示すように通信制御装置40のタイマ部412は、再度タイマカウントをスタートし(ステップS630)、再び、利用者端末10から端末側検索キーを受信するのを待つ。
この状態で、再度利用者端末10において利用者が端末側検索キーを入力すると、利用者端末10の取得部102は、端末側検索キーを取得し(ステップS632)、通信部130は、取得部102が取得した端末側検索キーを通信制御装置40にユニキャスト送信する(ステップS634)。
通信制御装置40は、タイマ部412のタイマカウントが終了する前に、端末側検索キーを受信すると、照合部404は、ステップS622において第1プリンタ20aから受信したプリンタ側検索キーと、今回利用者端末10から受信した端末側検索キーとを照合する。照合に成功した場合には(ステップS636,Yes)、プリンタアドレスを利用者端末10にユニキャスト送信する(ステップS638)。そして、利用者端末10は、プリンタアドレスが示す第1プリンタ20aを通信先として決定し、印刷データ送信処理(ステップS300)へ進む。
一方、ステップS636において、利用者端末10から2度目に受信した端末側検索キーとプリンタ側検索キーとの照合に成功しなかった場合には、ステップS610へ戻り、タイマ部412は、再びタイマカウントをスタートし、第1プリンタ20aからプリンタ側検索キーの受信を待つ。
このように、利用者端末10から端末側検索キーを受信した後、第1プリンタ20aからプリンタ側検索キーを受信し、これらが一致しなかった場合には、再度第1プリンタ20aから受信したプリンタ側検索キーに対応する端末側検索キーを再度利用者端末10から受信するのを待ち、これらが一致した場合には、これにより通信先を特定することができる。このように、一度検索キーを間違えて入力した場合であっても、再度検索キーを入力し直すことにより、再度照合を行い通信先を特定するので、利用者は、操作をより効率的に行うことができる。
図46は、利用者端末10が印刷システム1内に通信制御装置40が存在するか否か、および通信制御装置40が存在する場合には、通信制御装置40のアドレスを知るための検索処理を示すフローチャートである。
利用者端末10は印刷システム1のLANに接続し、通信制御装置40を検索する旨を示す検索メッセージをブロードキャスト送信する(ステップS720)。検索メッセージは、例えば通信制御装置40を検索することを指定する特別な検索キーであってもよい。
通信制御装置40は、利用者端末10から検索メッセージを受信すると、当該通信制御装置40が存在する旨および当該通信制御装置40のアドレスを含む存在通知を利用者端末10にユニキャスト送信する。ここで、存在通知は、当該通信制御装置40を識別する特殊な検索キーを持つ通知メッセージである。
そして、利用者端末10はこの存在通知を受信すると(ステップS721,Yes)、端末側検索キー等の送信方法を、存在通知の送信元である通信制御装置40を送信先とするユニキャスト送信に設定する(ステップS722)。一方、利用者端末10は、存在通知を受信しない状態で予め定められた時間が経過すると(ステップS721,No)、通信制御装置40は存在しないと判断し、端末側検索キー等の送信方法をブロードキャスト送信に設定する(ステップS723)。
ここで、ユニキャスト送信に設定された場合には、本実施の形態において説明したように、利用者端末10は、端末側検索キーを通信制御装置40に対してユニキャスト送信する。一方、ブロードキャスト送信に設定された場合には、通信制御装置40は存在しないと判断し、実施の形態1において説明したように利用者端末10は通信制御装置40を介さずに直接第1プリンタ20aとの間の通信を行う。
このように、通信制御装置40を発見した場合には、通信制御装置40にユニキャスト送信することにより、セキュリティを向上させることができる。また、通信量を低減することができる。
なお、図46においては、利用者端末10の検索処理について説明したが、第1プリンタ20aも同様に通信制御装置40を検索する。第1プリンタ20aが通信制御装置40を検索する場合の処理は、図46および図47を参照しつつ説明した利用者端末10の処理と同様である。
なお、他の例としては、実施の形態4においては、図46および図47を参照しつつ説明したように、利用者端末10または第1プリンタ20aから通信制御装置40に対して検索メッセージを送信することにより通信制御装置40の有無を確認したが、これにかえて、通信制御装置40が一定時間毎に当該通信制御装置40が存在することを示す存在通知を印刷システム1においてブロードキャスト送信してもよい。これにより、印刷システム1に接続している各装置は、通信制御装置40が存在することを知ることができる。従って、検索メッセージを送信することなく、自動的に通信制御装置40の有無を知ることができる。
また、他の例としては、実施の形態4においては、利用者端末10は通信制御装置40の有無を確認するため検索メッセージを1回送信したのみであったが、検索メッセージをブロードキャスト送信する回数は1回に限定されるものではない。例えば、検索メッセージを3回ブロードキャスト送信してもよい。これにより、通信制御装置40の有無の確認の正確性が向上し好ましい。また、通信制御装置40が存在通知をユニキャスト送信する回数も、1回に限定されるものではなく、複数回存在通知を送信してもよい。
図47は、利用者端末10が図46を参照しつつ説明した検索処理によって特定した通信制御装置40に端末側検索キーを送信する端末側検索キー送信処理を示すフローチャートである。
利用者端末10は、利用者から端末側検索キーを取得すると、当該端末側検索キーを通信制御装置40にユニキャスト送信し(ステップS730)、端末側検索キーに対する応答を待ち受ける。ここで、利用者端末10は、端末側検索キーを含むメッセージをTCPパケットにより送信する。
そして、通信制御装置40から端末側検索キーを受信した旨を示す応答を受信した場合には(ステップS721,Yes)、本実施の形態におけるプリンタ検索処理へ進む。一方、通信制御装置40から応答を受信しない状態で所定の時間が経過した場合には(ステップS721,No)、同一の端末側検索キーを再度ブロードキャスト送信する(ステップS723)。
このように、通信制御装置40からの応答により通信制御装置40が端末側検索キーを受信したか否かを確認し、通信制御装置40が受信していない場合には、ブロードキャスト送信することにより、直接第1プリンタ20aに端末側検索キーを送信することができる。
図48は、通信制御装置40が利用者端末10から端末側検索キーを受信し、対応するプリンタ側検索キーを待ち受けている場合に、先に受信した端末側検索キーと同一の端末側検索キーを再度受信した場合の処理を示すフローチャートである。
通信制御装置40は、利用者端末10から端末側検索キーを受信すると(ステップS740)、タイマカウントをスタートする(ステップS741)。そして、タイマカウントが終了する前に再度端末側検索キーを受信すると(ステップS742,No、ステップS743)、当該端末側検索キーが先に端末側検索キーを送信した送信元と同一の送信元から送信されたか否かを判断する(ステップS744)。
同一の送信元から送信されたものである場合には(ステップS744,Yes)、先に受信した端末側検索キーを無効とし(ステップS745)、今回受信した端末側検索キーに対するタイマカウントを開始する(ステップS746)。すなわち、タイマカウントを再スタートさせることとなり、対応するプリンタ側検索キーの待ち受け時間を延長することとなる。
一方、端末側検索キーが異なる送信元から受信したものである場合には(ステップS744,No)、後から端末側検索キーを送信した送信元に対してエラー通知を送信する(ステップS747)。なお、同一の機器から受信したか否かは、例えば、IPアドレスの照合により判断する。
また、先に受信した端末側検索キーに対するタイマカウントが終了した後に、異なる送信元から端末側検索キーを受信した場合には、後に受信した端末側検索キーを有効と判断する。
以上、図48を参照しつつ、複数の端末側検索キーを重ねて受信した場合の処理について説明した。複数のプリンタ側検索キーを重ねて受信した場合の処理は、この図48を参照しつつ説明した端末側検索キーを受信した場合の処理と同様である。
このように、検索キーを排他的に制御することにより、例えば、3桁の数字など比較的簡単な検索キーを利用した場合や、1つの検索キーに対するタイマカウントが例えば10分など比較的長く設定してある場合のように、同一の検索キーが異なる通信を識別する識別情報として利用される可能性が高い場合であっても、適切な処理が行われるため、正確に通信先を決定することができる。
特に、例えば3桁の検索キーなどの簡単な検索キーは、利用者が覚えやすいので、利便性が向上する。例えば8桁の数字を検索キーとした場合には、利用者端末10において端末側検索キーを入力してから、第1プリンタ20aの前まで歩いていくまで覚えているのが困難であり、紙にメモを取るなどする必要が生じ、利便性が損なわれてしまう。
なお、図48においては、通信制御装置40が同一の端末側検索キーを受信した場合の処理について説明したが、利用者端末10が同一のプリンタ側検索キーを受信した場合や、第1プリンタ20aが同一の端末側検索キーを受信した場合における処理も同様である。
以上のように、端末側検索キーを受信し、当該端末側検索キーに対するプリンタ側検索キーを端末側検索キーの送信元に送信する前に、重ねて、同一の2つの機器の間の通信を識別する端末側検索キーを受信した場合には、先に受信した端末側検索キーを無効とし、後に受信した端末側検索キーに対して新たにタイマカウントをスタートするので、仮に利用者が利用者端末10において間違えた端末側検索キーを入力した場合であっても、所定期間内であれば、再度正しい端末側検索キーを入力し直すことにより、正しい端末側検索キーが通信制御装置40に送信される。そして、通信制御装置40は、正しい端末側検索キーをブロードキャストして、当該端末側検索キーに対するプリンタ側検索キーを待ち受けることができる。
また、同一の送信元以外の端末から端末側検索キーを受信した場合には、後の端末側検索キーの送信元に対してエラー通知を送信することにより、異なる2つの機器間の通信を識別する同一の端末側検索キーが同時に利用され、正しい通信先を特定できなくなるのを避けることができる。
他の例としては、同一の端末側検索キーを受信した場合には、送信元にかかわらず、先に受信した端末側検索キーを無効としてもよい。これにより、例えば、検索キーの照合に失敗し、再度検索キーを送信する場合に、先の照合に利用した端末側検索キーと異なる端末側検索キーを使用する必要はなく、先の照合に利用した端末側検索キーと同一の端末側検索キーを利用して再度通信先を決定する処理を行うことができる。なお、プリンタ側検索キーにおいても同様である。
また、他の例としては、例えば、同一の端末側検索キーを複数受信した場合に、先の端末側検索キーを無効とすることにより,端末側検索キーを更新する処理等を行わず、受信した端末側検索キーの全てを有効と判断してもよい。この場合通信先を複数決定することができる。そして、利用者は、決定された複数の通信先のうちから所望の1つの通信先を選択し、選択された1つの通信先との通信を確立する。
図49および図50は、図43に示したプリンタ検索処理(ステップS600)における詳細な処理を示すフローチャートである。図44および図45においては、利用者端末10から端末側検索キーを受信した後に、第1プリンタ20aからプリンタ側検索キーを受信するのを待ち受ける場合について説明したが、図49および図50は、第1プリンタ20aからプリンタ側検索キーを受信した後に利用者端末10から端末側検索キーを待ち受ける場合の処理を示している。
通信制御装置40は、この場合も図44および図45を参照しつつ説明した処理と同様に、一方の機器から検索キーを受信するとタイマカウントが終了するまで、対応する機器から検索キーを受信するのを待ち受ける。この場合の、利用者端末10、第1プリンタ20a、および通信制御装置40の処理は図44および図45における利用者端末10、第1プリンタ20a、および認証サーバ30の処理と同様である。
また、実施の形態4にかかる通信制御装置40は、複数の異なる端末側検索キーを受信した場合には、端末側検索キーそれぞれに対してタイマカウントをスタートさせ、各端末側検索キーに対するプリンタ側検索キーの受信を待ち受ける。複数の異なるプリンタ側検索キーを受信した場合も同様である。
なお、実施の形態4にかかる印刷システム1のこれ以外の構成および動作は、実施の形態1にかかる印刷システム1の構成および動作と同様である。
また、他の例としては、印刷システム1は、さらに実施の形態2において説明した認証サーバ30を備えてもよい。図53は、この場合の印刷システム1の全体構成を示している。このように、第1プリンタ20aおよび認証サーバ30を備え、通信先を確立する処理の前提として認証処理を行うことにより、セキュリティレベルを向上させることができる。
また他の例としては、実施の形態3において説明したのと同様に、第1プリンタ20aが認証処理を行ってもよい。
(実施の形態5)
実施の形態5の印刷システム1は、実施の形態4と同様に通信制御装置40を備えている。実施の形態5の通信制御装置40は、さらに認証処理を行う。この点で、実施の形態5にかかる印刷システム1は、他の実施の形態にかかる印刷システム1と異なる。
図51は、実施の形態5にかかる通信制御装置40の機能構成を示すブロック図である。通信制御装置40は、実施の形態4にっかる機能構成に加えて、さらに認証部440と、認証テーブル442とを有している。ここで、認証部440は、認証テーブル442を参照し、通信部430を介して受信した認証情報を認証する。
図52は、実施の形態5にかかる認証処理を示している。利用者が利用者端末10において認証情報を入力すると、利用者端末10は、認証情報を取得し(ステップS810)、取得した認証情報を通信制御装置40にユニキャスト送信する(ステップS811)。次に、通信制御装置40は、受信した認証情報に基づいて、利用者の認証に成功すると(ステップS812,Yes)、認証テーブル442において利用者IDに対応付けられている端末側検索キーを利用者端末10に送信する(ステップS814)。そして、タイマカウントを開始し、第1プリンタ20aからプリンタ側検索キーを受信するのを待ち受ける。
利用者端末10は、通信制御装置40から端末側検索キーを受信し、利用者からの入力に基づいて、印刷条件を設定し(ステップS602)、タイマカウントを開始する(ステップS608)。これ以降の処理は、実施の形態4における処理と同様である。
このように、実施の形態5にかかる通信制御装置40は、利用者端末10と第1プリンタ20aの通信を仲介し、さらに利用者の認証処理を行うことができる。
利用者が第1プリンタ20aにおいて認証情報を入力した場合も図52を参照しつつ説明したのと同様の認証処理が行われる。
なお、実施の形態5にかかる印刷システム1の上記以外の構成および動作は、他の実施の形態にかかる印刷システム1の構成および動作と同様である。この場合も、同様にセキュリティレベルを向上させることができる。また他の例としては、通信制御装置40が認証処理を行ってもよい。
(実施の形態6)
図54は、実施の形態6にかかる印刷システム1の全体構成を示す図である。実施の形態6にかかる印刷システム1は、第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bにより接続された2つのサブネット、すなわち第1サブネット2aおよび第2サブネット2bを有する。また、第1サブネット2aには、第1第1プリンタ20aと、第2プリンタ20bが接続されている。第2サブネット2bには、第3プリンタ21aと、第4プリンタ21bが接続されている。そして、利用者が、所有の利用者端末10を第1サブネット2aに接続し、第3プリンタ21aとの通信を確立させる。
このように、実施の形態6においては、第1通信制御装置40aおよび40bを介することにより、異なるサブネットに属し、直接ブロードキャストでメッセージを受信しても到達しないプリンタのアドレスを特定し、印刷データを出力させることができる。
第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bの機能構成は、いずれも実施の形態3において説明した通信制御装置40の機能構成と同様である。また、第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bのハードウェア構成は、実施の形態1において図29を参照しつつ説明した利用者端末10のハードウェア構成と同様である。
第1通信制御装置40aは、第2通信制御装置40bを介して第2サブネット2bに接続している機器に情報を送信する。同様に、第2通信制御装置40bは、第1通信制御装置40aを介して第1サブネット2aに接続している機器に情報を送信する。このように、第1サブネット2aに接続する機器と第2サブネット2bに接続する機器は、第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bの転送機能により、情報の送受信を行うことができる。また、第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bは、TCP/IP接続が確立されているか、UDPユニキャストで通信を行う。また、お互いの存在を知るための処理は、実施の形態3において説明した処理と同様である。
図55は、実施の形態6にかかる利用者端末10と第3プリンタ21aとの通信を確立する処理を示すフローチャートである。この場合、プリンタ検索処理(ステップS800)における利用者端末10と第3プリンタ21aとの間の通信は、第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bを介して行われる。
図56および図57は、図55に示したプリンタ検索処理(ステップS800)における各装置の詳細な処理を示すフローチャートである。図56および図57は、初めに利用者が利用者端末10において端末側検索キーを入力した場合の処理を示している。
図56に示すように、第1通信制御装置40aは、利用者端末10から端末側検索キーを受信すると(ステップS606)、受信した端末側検索キーを第2通信制御装置40bに転送する(ステップS700)。このとき、第1通信制御装置40aは送信先を第2通信制御装置40bに特定しユニキャスト送信する。また、このとき、送信元アドレスを第1通信制御装置40aに変更せず、利用者端末10としておく。そして、第2通信制御装置40bは、端末側検索キーを受信するとタイマカウントを開始し(ステップS702)、プリンタ側検索キーの受信を待ち受ける。
なお、第1通信制御装置40aは、第2通信制御装置40bと同様にタイマカウントをスタートし、プリンタ側検索キーの受信を待ち受ける。これにより、検索するプリンタが仮に第1サブネット2aにある場合であっても、プリンタを検索することができる。
第2通信制御装置40bが、タイマカウントが終了する前に第3プリンタ21aからプリンタ側検索キーを受信すると(ステップS704,Yes、ステップS622)、第2通信制御装置40bの照合部404は、第1通信制御装置40aから受信した端末側検索キーと、第3プリンタ21aから受信したプリンタ側検索キーとを照合する。そして、照合に成功すると(ステップS706,Yes)、第2通信制御装置40bは、利用者端末10に対してユニキャスト送信により、プリンタアドレスを転送する(ステップS708)。
なお、第2通信制御装置40bから利用者端末10に直接プリンタアドレスを送信できない場合には、第2通信制御装置40bは、第1通信制御装置40aにプリンタアドレスをユニキャスト送信する。この場合、第1通信制御訴追40aは、プリンタアドレスを受信すると、利用者端末10にプリンタアドレスを転送する。
そして、利用者端末10は、受信したプリンタアドレスで特定される第3プリンタ21aを通信先として決定し(ステップS628)、図55に示す印刷データ送信処理(ステップS300)に進む。
なお、印刷データ送信処理(ステップS300)においては、利用者端末10から送信された印刷データは、第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bを介してユニキャスト送信により第3プリンタ21aに送信される。なお、この場合、IPP(Internet Printing protocol)により印刷データを送信してもよい。
一方、第2通信制御装置40bが端末側検索キーとプリンタ側検索キーの照合に成功しなかった場合には(ステップS706,No)、第2通信制御装置40bは、第3プリンタ21aから受信したプリンタ側検索キーを第1通信制御装置40aにユニキャスト送信する(ステップS710)。
第1通信制御装置40aは、プリンタ側検索キーを受信すると、タイマカウントをスタートし(ステップS711)、受信したプリンタ側検索キーに対応する端末側検索キーの受信を待ち受ける。
タイマカウントが終了する前に、利用者端末10から端末側検索キーを受信した場合には(ステップS712,No、ステップS634)、第1通信制御装置40aは、第2通信制御装置40bを介して第3プリンタ21aから受信したプリンタ側検索キーと、利用者端末10から受信した端末側検索キーとを照合する。照合に成功した場合には(ステップS714,Yes)、プリンタ側検索キーの送信元である第3プリンタ21aのアドレスを利用者端末10にユニキャスト送信する(ステップS638)。そして、利用者端末10は、受信したプリンタアドレスで特定される第3プリンタ21aを通信先として決定し(ステップS640)、印刷データ送信処理(ステップS300)に進む。
一方、第1通信制御装置40aが端末側検索キーとプリンタ側検索キーの照合に成功しなかった場合には(ステップS714,No)、ステップS700に進み、第2通信制御装置40bは再び端末側検索キーに対応するプリンタ側検索キーの受信を待ち受ける。
このように、本実施の形態においては、第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bを介して利用者端末10と第3プリンタ21aとが通信を行うので、異なるサブネットに属する機器を通信先として決定することができる。
図58および図59は、図55に示したプリンタ検索処理(ステップS800)における他の例に係る各装置の詳細な処理を示すフローチャートである。図58および図59は、初めに利用者が第3プリンタ21aにおいてプリンタ側検索キーを入力した場合の処理を示している。この場合、図58に示すように、第2通信制御装置40bは、第3プリンタ21aからプリンタ側検索キーを受信すると(ステップS652)、受信したプリンタ側検索キーを第1通信制御装置40aに転送する(ステップS720)。このとき、第2通信制御装置40bは送信先を第1通信制御装置40aに特定しユニキャスト送信する。また、このとき、送信元アドレスを第2通信制御装置40bに更新せず、第3プリンタ21aとしておく。そして、第1通信制御装置40aは、プリンタ側検索キーを受信するとタイマカウントを開始し(ステップS722)、端末側検索キーの受信を待ち受ける。
第1通信制御装置40aが、タイマカウントが終了する前に利用者端末10から端末側検索キーwp受信すると(ステップS724,No、ステップS664)、第1通信制御装置40aの照合部404は、第2通信制御装置40bから受信したプリンタ側検索キーと、利用者端末10から受信した端末側検索キーとを照合する。そして、照合に成功すると(ステップS724,Yes)、第1通信制御装置40aは、利用者端末10にプリンタアドレスを送信する(ステップS726)。そして、利用者端末10は、受信したプリンタアドレスで特定される第3プリンタ21aを通信先として決定し(ステップS674)、図55に示す印刷データ送信処理(ステップS300)に進む。
一方、第2通信制御装置40bが端末側検索キーとプリンタ側検索キーとの照合に成功しなかった場合には(ステップS724,No)、第1通信制御装置40aは、利用者端末10から受信した端末側検索キーを第2通信制御装置40bにユニキャスト送信する(ステップS726)。第2通信制御装置40bは、端末側検索キーを受信するとタイマカウントを開始し(ステップS728)、第3プリンタ21aからプリンタ側検索キーを受信するのを待ち受ける。なお、これ以外の処理は、図56および図57を参照しつつ説明した処理と同様である。
このように、第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bを介して利用者端末10と第3プリンタ21aとが通信を確立する場合においては、第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bのいずれにおいても認証処理を行うことができるので、効率的に、通信を確立することができる。
なお、実施の形態6にかかる印刷システム1の上記以外の構成および動作は、他の実施の形態にかかる印刷システム1の構成および動作と同様である。
(実施の形態7)
実施の形態7にかかる印刷システム1は、実施の形態6にかかる印刷システム1と同様に、2つのサブネットを有している。そして、第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bはいずれも認証処理を行う。この点で、実施の形態7にかかる印刷システム1は、他の実施の形態にかかる印刷システム1と異なる。
実施の形態7に係る第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bの機能構成は、実施の形態5にかかる通信制御装置40の機能構成と同様である。
図60は、実施の形態7にかかる認証処理を示すフローチャートである。利用者端末10において利用者が認証情報を入力すると、利用者端末10は、認証情報を取得し(ステップS740)、取得した認証情報を第1通信制御装置40aにユニキャスト送信する(ステップS741)。第1通信制御装置40aは、認証情報に基づいて利用者の認証に成功すると(ステップS742,Yes)、認証テーブル442において利用者IDに対応付けられている端末側検索キーを利用者端末10および第2通信制御装置40bのそれぞれに対してユニキャスト送信する(ステップS743、ステップS744)。これ以降の処理は、実施の形態6において説明した処理と同様である。
利用者が第1プリンタ20aにおいて認証情報を入力した場合は、図60を参照しつつ説明したのと同様の認証処理が第2通信制御装置40bにおいて行われる。
このように、実施の形態7においては、第1通信制御装置40aおよび第2通信制御装置40bが利用者端末10および第3プリンタ21aの通信を仲介し、かつ利用者の認証処理を行うことができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。
そうした第1変更例としては、本実施の形態においては、利用者端末とプリンタとの通信を確立する印刷システム1について説明したが、これにかえて、端末装置同士の通信を確立してもよい。図61は、端末装置同士の通信を確立した場合に各端末装置の表示部に表示される表示画面を示している。このように、実施の形態において説明したのと同様の処理により端末装置間の通信を確立すると、各表示画面には、通信先の端末装置のホスト名、IPアドレス等が表示される。利用者は、表示画面に表示されたIPアドレスを、実際に端末装置間で通信を行いたいアプリケーションの設定画面のIP入力欄に入力することにより、通信先との通信が可能となる。