JP4108817B2 - マイクロ波・ミリ波回路装置とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波・ミリ波回路装置とその製造方法に関し、特にコプレーナ型配線を有するマイクロ波・ミリ波回路装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ・ミリ波等の高周波帯域で用いられる半導体集積回路装置として、モノリシックマイクロ波・ミリ波回路装置(MMIC)が知られている。送信、受信等においては、高い周波数を用いることが望まれるが、信号処理などにおいては、さほど高い周波数での動作は必要でない。そこで、特に高い周波数で動作をする回路単位をそれぞれICチップ化し、回路基板上にボンディングする方法が採用されている。MMICは、多くはこのようなICチップとして作成される。
【0003】
半導体中のキャリアの移動度は、半導体材料によって制限される。一般的に、GaAs、InPなどの化合物半導体中のキャリアの移動度は、Si中のキャリアの移動度よりも高い。従って、高周波ICを作成する材料としては、化合物半導体がSiよりも適している。
【0004】
高周波帯域で動作する半導体素子としては、付随容量が少ないほうが望ましい。化合物半導体は、Crドープ、酸素イオン注入等により、半絶縁性領域を形成できる。従って、pn分離を用いず、誘電体分離を行った半導体素子を得ることができる。従って、化合物半導体を用いることにより、付随容量の極めて低い半導体装置を作成することができる。
【0005】
ミリ波帯の回路装置として、例えば77GHzレーダ装置がある。レーダ装置全体を化合物半導体上に作成すると、送受信アンテナの専有面積が大きく、広い面積の化合物半導体基板を必要とし、装置全体のコストが非常に高いものになってしまう。製造価格を低減するためには、安価な材料の誘電体基板を用い、その上にアンテナを形成し、高周波動作の必要な回路部分のみを化合物半導体で作成したMMICで作成し、アンテナを形成した基板上に結合することが望ましい。
【0006】
化合物半導体基板の比誘電率は、一般的に10以上である。このような高比誘電率の基板上に形成された配線を伝播する信号の波長は、短くなる。77GHzの周波数では、例えばコプレーナ線路を伝播する信号波長は、およそ1.6mmとなる。
【0007】
化合物半導体基板上に形成された半導体能動素子は、性能の向上と共にその幾何学的寸法が小さくなる傾向を有する。このような半導体素子における小さな形状の変化は、半導体能動素子の入出力インピーダンスに大きな変化をもたらす。
【0008】
作成した半導体能動素子の入出力インピーダンスが設計値と異なる場合、周辺の回路素子、特に整合回路の寸法に修正が必要となる。半導体集積回路装置を初めから作りなおすとすれば、任意の設計変更が可能であるが、一旦半導体素子等を作成した半導体基板は廃棄せねばならない。このため、製造原価が高くなってしまう。
【0009】
コプレーナ配線においては、接地用導体と信号配線とが同一平面上に配置される。従って、接地用導体は信号配線によって分割されることになる。すると、接地用導体上の電位を一定に保つことが困難になる。特に、接地用導体自身がインピーダンスを発生するような幅と長さを有する場合、接地用導体上の電位が不安定になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、安定な動作を行うことができ、かつ製造原価を低くすることのできるコプレーナ配線を有するマイクロ・ミリ波回路装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、このようなコプレーナ配線を有するマイクロ・ミリ波回路装置の製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の1観点によれば、誘電体領域を有する誘電体基板と、前記誘電体基板上に形成された接地導体接続用配線および回路素子と、前記回路素子に電気的に接続され、前記誘電体基板上で前記接地導体接続用配線の一部と立体的に交差する配線と、前記配線を介して分離され、前記接地導体接続用配線の一部によって電気的に接続され、前記誘電体基板上で前記配線とコプレーナ配線を構成する複数個の接地導体層パターンとを有し、前記接地導体接続用配線は、前記接地導体層パターンを接続する前記一部の少なくとも一方の外側に長さ10μm以上の延長部を有し、前記回路素子の特性変動に対する前記コプレーナ配線の設計変更に対応可能であるマイクロ波・ミリ波回路装置が提供される。
【0013】
複数個の接地導体層パターンを接地導体接続用配線によって電気的に接続することにより、接地導体層パターンの電位を安定化することができる。
【0014】
いったん作成した配線と接地導体層パターンを除去し、新たな配線と接地導体層パターンを作成することにより、回路装置の修正を行い、且つ一旦作成した誘電体基板上の半導体素子やキャパシタ素子等の回路素子を再利用することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0016】
図3は、本発明の実施例によって作成されるMMICの等価回路図を示す。図中左方に示す入力パッドP1は、線路L1を介してキャパシタC1の一方の電極に接続される。キャパシタC1の他方の電極は、十字型分岐部CB1、線路L2を介して、トランジスタTr1のゲート電極に接続される。トランジスタTr1は、例えば高電子移動度トランジスタ(HEMT)で構成される。
【0017】
トランジスタTr1のソース電極は接地され、ドレイン電極は線路L3、T字型分岐部TB1を介して、キャパシタC2の一方の電極に接続される。キャパシタC2の他方の電極は、T字型分岐部TB2、TB3、線路L4を介して、トランジスタTr2のゲート電極に接続される。トランジスタTr2は、例えばHEMTで構成される。
【0018】
トランジスタTr2のソース電極は接地され、ドレイン電極は線路L5、十字型分岐部CB2を介してキャパシタC3の一方の電極に接続される。キャパシタC3の他方の電極は、線路L6を介して出力パッドP2に接続される。このようにして、高周波信号が2段増幅されて伝達される主信号配線が形成される。キャパシタc1、C2、C3は直流成分を遮断する。
【0019】
トランジスタTr1、Tr2のゲート電極に対するバイアス電圧を与えるため、図中上方のゲートバイアスパッドP3から直流電圧が印加される。ゲートバイアスパッドP3は、線路L11によって2つの線路L11a、L11bに分岐される。なお、線路L11の分岐部分と接地との間には、抵抗R11、キャパシタC11の直列接続が接続され、低周波成分を吸収する。線路L11中には、進行方向がほぼ直角に屈曲する屈曲部LCを設けてもよい。
【0020】
左側の線路L11aは、十字型交差部CB11、線路L12を介して高周波信号が通過する線路である主信号配線中に設けられた十字型交差部CB1の1つに接続される。
【0021】
なお、十字型交差部CB11と接地との間には、キャパシタC12と抵抗R12の直列接続およびキャパシタC13が接続され、主信号配線から進入する高周波成分およびそれ以外の高周波成分を吸収ないし低減させる。このような構成により、ゲートバイアスパッドP3に印加された直流バイアスが、トランジスタTr1のゲート電極に印加される。
【0022】
右側の線路L11bは、十字型交差部CB12、線路L13を介して主信号配線中のT字型分岐部TB3に接続される。十字型交差部CB12と接地との間には、抵抗R14とキャパシタC14の直列接続、およびキャパシタC15が接続される。これらの構成により、主信号配線から進入する高周波成分およびそれ以外の高周波成分を吸収ないし低減させる。
【0023】
トランジスタTr1、Tr2のドレイン電極に直流バイアス電圧を印加するため、図中下方のドレインバイアスパッドP4から直流バイアスがトランジスタTr1、Tr2のドレイン電極に供給される。ドレインバイアスパッドP4は、線路L21、十字型交差部CB21、CB22、線路L22、L23を介して主信号配線中の分岐部TB1、CB2に接続される。線路L21の分岐部は、抵抗R21、キャパシタC21の直列接続を介して接地される。
【0024】
十字型交差部CB21は、抵抗R22、キャパシタC22の直列接続を介して接地されると共に、キャパシタC23を介して接地され、主信号配線の高周波成分およびそれ以外の高周波成分を吸収ないし低減させる。十字型交差部CB21は、線路L22を介してT字型分岐部TB1に接続され、線路L3を介してトランジスタTr1のドレイン電極にドレインバイアスを供給する。
【0025】
また、十字型交差部CB22は、抵抗R24、キャパシタC24の直列接続を介して接地されると共に、キャパシタC25を介して接地される。この構成により、主信号配線から進入する高周波成分およびそれ以外の高周波成分が吸収ないし低減される。十字型分岐部CB22は、線路L23を介して十字型交差部CB2に接続され、線路L5を介してトランジスタTr2のドレイン電極にドレインバイアス電圧を与える。
【0026】
トランジスタTr1の入力側インピーダンス整合のため、十字型交差部CB1にはオープンスタブOS1が接続されている。オープンスタブOS1は屈曲部LCを有していてもよい。
【0027】
トランジスタTr1の出力と、トランジスタTr2の入力との間には、段間整合のためオープンスタブOS2がT字型分岐部TB2に接続されている。また、トランジスタTr2の出力側には、整合のための線路L7と特定周波数短絡用のキャパシタC4の直列接続が十字型分岐部CB2に接続されている。また、線路L2、L5は、入力側および出力側の反射位相調整用配線となる。
【0028】
このような高周波回路において、作成したトランジスタTr1、Tr2の特性が、設計時の特性からずれた場合には、オープンスタブOS1、OS2および線路L7の主信号配線に対する接続位置やその長さ等を変更する必要が生じる。
【0029】
また、同一の回路構成で異なる周波数の動作をさせようとした場には、線路の各定数を修正する必要も生じる。
【0030】
以下、図3に示す高周波回路を、設計変更を許容できる構成で実現するためのMMICの構造および製造方法を説明する。
【0031】
図1は、化合物半導体基板上に図3に示す高周波回路を実現する半導体集積回路装置の平面構成例を示す。図中、図3と同一の参照符号は、対応する構成部分を示す。図中中央部分を水平方向に横切るように、主信号配線が形成されている。
【0032】
主信号配線は、左側の入力パッドP1から線路L1、キャパシタC1、十字型分岐部CB1、線路L2、HEMTで構成されるトランジスタTr1、線路L3、T字型分岐部TB1、キャパシタC2、T字型分岐部TB2、TB3、線路L4、HEMTで構成されるトランジスタTR2、線路L5、十字型分岐部CB2、キャパシタC3、線路L6を介して出力パッドP2に接続される。
【0033】
図中上部のゲートバイアス供給パッドP3は、線路L11を介して分岐され、その左側部分は十字型分岐部CB11、線路L12を介して主信号配線の十字型分岐部CB1に接続されている。十字型分岐部CB11には、抵抗R12、キャパシタC12の直列接続が接続されると共に、キャパシタC13が接続される。
【0034】
線路L11の分岐部には、パッドP3と対向する位置に抵抗R11、キャパシタC11の直列接続が接続され、低周波成分を低減する。線路L11の右側部分は、十字型分岐部CB12、線路L13を介してT字型分岐部TB3に接続されている。十字型分岐部CB12には、抵抗R14、キャパシタC14の直列接続およびキャパシタC15が接続されている。
【0035】
ドレインバイアス供給パッドP4は、線路L21を介して分岐され、両側の十字型分岐部CB21、CB22に接続されている。十字型分岐部CB21、CB22は、線路L22、L23を介して主信号配線のT字型分岐部TB1および十字型分岐部CB2に接続されている。
【0036】
十字型分岐部CB21には、抵抗R22、C22の直列接続およびキャパシタC23が接続されている。十字型分岐部CB22には、抵抗R24、キャパシタC24の直列接続およびキャパシタC25が接続されている。線路L21の分岐部には、ドレインバイアス供給パッドP4と対向するように抵抗R21、キャパシタC21の直列接続が接続されている。
【0037】
主信号配線上の十字型分岐部CB1にはオープンスタブOS1が接続され、T字型分岐部TB2にはオープンスタブOS2が接続されている。十字型分岐部CB2には、線路L7およびキャパシタC4が接続されている。
【0038】
このような構成により、図3の等価回路が実現される。なお、主信号配線およびバイアス電圧供給線路の両側には、接地導体層パターンが配置されている。接地導体層パターンは、配線によって分離され、GP1、GP2、GP3、GP4、GP5、GP6の6つの部分に分割されている。
【0039】
互いに分離された接地導体層パターンは、その電位が不安定になりやすい。また、オープンスタブや線路とキャパシタの直列接続などの構成を受け入れるために、接地導体層パターンには切り欠き部が形成される。切り欠き部が細く長い場合には、その両側の接地導体パターン層の電位が不安定となりやすい。特に、接地導体層自体がインピーダンスを持つような幅と長さを持つ場合、電位が不安定になりやすい。
【0040】
接地導体層の各部分の電位を安定化するために、誘電体基板の主要領域上に、接地導体接続用配線GWが分布して形成され、クロスハッチで示したコンタクト部GCにより隣接する接地導体層GP間に接続される。この接地導体接続用配線GWは、半導体領域内に形成されるトランジスタ等の半導体素子および誘電体領域上に形成されるキャパシタの製造プロセスを利用して作成される。
【0041】
図2は、半導体領域を有する誘電体基板内に半導体素子、抵抗素子、キャパシタ等を作成するバルク工程を終了した時点での誘電体基板の平面構成を概略的に示す。
【0042】
誘電体基板SUBは、例えばGaAs半導体基板上にエピタキシャル層を形成し、半導体領域が不要な部分には酸素イオン注入を行って半絶縁性の誘電体領域とすることによって形成する。残った半導体領域内に半導体素子、すなわちトランジスタTrおよび抵抗Rを作成し、誘電体領域上にキャパシタCおよび上述の接地導体接続用配線GWを作成する。
【0043】
なお、図中ULで示す領域は、トランジスタTrや抵抗Rのコンタクト領域へのオーミック電極作成プロセスと同時に形成された導体層のパターンを示す。また、破線で示す円形パターンPLは、コプレーナ配線形成後、その上に作成されるフリップチップ用導体柱の配置される位置を示す。
【0044】
図示した構成においては、接地導体接続用配線GWは、図中水平方向に延在するX方向配線部GWXとY方向に延在するY方向配線部GWYとを含む。X方向配線部GWXは、GWX1〜GWX6の6組が配置され、Y方向配線部GWYは、GWY1〜GWY5の5組が示されている。これらの接地導体接続用配線部の配置および数は、必要に応じて種々に変更することができる。
【0045】
図2に示す回路素子Tr、R、Cは、その特性が設計値がずれることがある。図2の誘電体基板上にコプレーナ配線を作成し、回路特性を測定した時に、設計値からのずれが判る。設計変更の必要が生じた場合、表面のコプレーナ配線を除去し、修正した新たなコプレーナ配線を形成する。この時、線路の配置、長さ等を調整しても、接地導体接続用配線が再利用できるように、接地導体接続用配線の長さ、配置等を選択しておく。このようにしてパラメータの変化に対応できるようにする。
【0046】
回路素子の特性のずれにおいては、特に、トランジスタTr1、Tr2の特性変動が重要である。接地導体接続用配線は、回路素子のSパラメータをYパラメータに変換した時、その値が例えば約20%変動しても、その変動を修正できる線路配置を可能とするように選択される。たとえば、必要な長さよりも両側に10μm以上長く形成する。また、主信号配線から分岐した線路に接続されるキャパシタC4は、線路L7のX方向位置を変化できるように、主信号配線に平行な辺の長さが主信号配線に直交する辺の長さよりも長くなるように設計される。
【0047】
配線によって分離される接地導体層パターン間は、接地導体接続用配線GWによって相互に電気的に接続される。各配線を挟む接地導体層パターン間において、接地導体接続用配線間の距離は、主信号配線を伝達される高周波信号の波長の約1/4以下になるように接地導体接続用配線が配置される。
【0048】
さらに、配線の分岐部周辺においては接地導体層パターンの電位が不安定となりやすいため、分岐部の中心位置から主信号配線上の信号の波長λの約1/8以下の位置で接地導体接続用配線が配線を介して分離された接地導体層パターン間を電気的に接続する。
【0049】
図2の構成においては、X方向接続用配線GWX3、GWX4が主信号配線の両側にλ/8以下の所定距離を隔てて配置され、各分岐部から分岐する配線の両側に配置される接地導体層パターンを電気的に接続可能としている。
【0050】
図4〜6は、図1〜3に示すMMICを製造するためのプロセスを示す概略断面図である。図1における破線X−XおよびY−Yを示す部分で例示する。なお、図1、2においては、HEMTがダブルゲートを有する構成を示しているが、簡単化のためHEMTはシングルゲートを有する構成として説明する。
【0051】
図4(A)に示すように、GaAs基板10の上に、トランジスタを作成するためのエピタキシャル層11を成長し、さらにその上に低抵抗n+ 型GaAs層15をエピタキシャルに成長する。なお、トランジスタを形成するためのエピタキシャル層11は、ノンドープGaAsバッファ層12の上に、ノンドープInGaAsの電子走行層13を重ね、その上にn型InGaPの電子供給層14を重ねた構成である。
【0052】
HEMTの代わりにMESFETを作成する場合には、電子走行層13と電子供給層14をまとめて1つのチャネル層で置換する。例えば、n型GaAs層で構成する。
【0053】
図4(B)に示すように、上方よりGaAs基板10に達するように酸素イオンをイオン注入し、半絶縁性領域17a、17b、17cを作成する。半絶縁性領域17aは、キャパシタをその上に作成する領域である。半絶縁性領域17bは、その上に接地導体接続用配線と主信号配線とが立体交差するエアーブリッジ領域を形成する配線形成領域である。半絶縁性領域17cは、HEMTの分離領域である。
【0054】
図4(C)に示すように、基板全面上に絶縁層としてSiON層19を例えばCVDにより作成する。このSiON層19は、その上に配置される導電層の絶縁を確実にするものであり、絶縁性が得られるのに十分な厚さであればよい。なお、図4(B)で作成された半絶縁性領域17の絶縁性が十分なものであれば、絶縁層19を省略することも可能である。
【0055】
絶縁層19を作成した後、その上に例えば厚さ約1μmのAu層21を作成する。Au層21の上にレジストパターンを形成し、ミリングを行うことにより所望形状のAu層21a、21bのみを残す。その後レジストパターンは除去する。Au層は、例えばスパッタリングにより作成することができる。なお、左側に示すAu層21aは、キャパシタの下部電極を構成し、右側に示すAu層21bは、接地導体接続用配線を構成する。
【0056】
図4(D)に示すように、基板全面上に絶縁層として窒化シリコン膜22を堆積する。その上に、Au層23を例えば厚さ約1μm形成する。Au層23の上にレジストパターンを形成し、不要部分をミリングすることにより、キャパシタ上部電極23を形成する。その後レジストパターンは除去する。このようにして、半絶縁性領域17a、17bの上にキャパシタ構造、接地導体接続用配線が作成される。さらにレジストパターンを形成し、不要部分の窒化シリコン層22をエッチングにより除去する。
【0057】
図5(A)に示すように、半絶縁性領域17によって囲まれた半導体領域表面を露出させた後、ウエハ全面にAuGeとNiの合金層25を厚さ約0.2μmスパッタリング、真空蒸着等によって形成する。合金層25の上にレジストパターンを形成し、合金層25をパターニングし、レジストパターンを除去し、熱処理を行ってオーミック電極25を作成する。図中左側の1対のオーミック電極25は、抵抗素子の端子となる電極であり、図中右側の1対のオーミック電極25は、HEMTのソース電極およびドレイン電極を構成する。
【0058】
図5(B)に示すように、ウエハ全面上にSiON層26をCVD等によって堆積する。その後SiON層26上にレジスト層を形成し、HEMTのゲート電極を作成する領域に対応した開孔を形成し、開孔を介してその下のSiON層26をドライエッチング等により異方的にエッチングする。その後、形成された開孔27からSiON層26の下のn+ 型GaAs層14を等方的ドライエッチング、ウエットエッチング等により等方的にエッチする。このようにして、開孔27を有するSiON層26および開孔27両側でSiON層26下方にサイドエッチにより堀り拡げられた空洞部が形成される。
【0059】
図5(C)に示すように、HEMTのショットキゲート電極を構成する金属層28、例えばAl層、を真空蒸着により堆積し、レジストマスクを用いてパターニングすることにより、HEMT用のゲート電極28を作成する。ゲート電極28は、n+ 型GaAs層14からエアーギャップによって分離される。
【0060】
その後、光CVD等により基板全面上にSiN層29を堆積する。基板全面上にレジストパターンを形成してSiN層29、SiON層26を貫通する開口部30をエッチングにより形成する。開孔部30内には、オーミック電極25、キャパシタ上部電極23が露出する。
【0061】
以上のプロセスにより、バルク工程が終了する。バルク工程により、トランジスタ、抵抗等の半導体素子およびキャパシタが作成される。
【0062】
図6(A)に示すように、ウエハ全面上にレジスト層を形成し、露光現像することにより、レジストパターン31を作成する。レジストとしては、例えば商品名PMER PGE−900のポジレジストを用いる。レジストパターン31は、バルク工程で作成した電極部に対応する開口を有する。
【0063】
レジストパターン31を作成した後、メッキの種子層としてAuTi合金等の金属層32を真空蒸着等により形成する。金属層32は、開孔部を含めてウエハ全面上に堆積する。
【0064】
図6(B)に示すように、さらに厚いメッキ層を形成するためのレジスト層33を塗布し、露光現像することにより厚いレジストパターン33を形成する。このレジストは、例えば商品名OFPR800LBのポジレジストであり。レジスト層33の厚さは望ましいメッキ層を形成するのに十分大きな厚さとする。
【0065】
その後、メッキ用の種子層32を利用して電解メッキを行うことにより、例えば厚さ約6μmのAu層34をメッキする。
【0066】
なお、Au層34が平坦な表面を有する如くに図示するが、実際のメッキ工程は下地表面形状に影響され、メッキ層は下地表面の凹凸にならった凹凸を有する。
【0067】
図6(C)に示すように、レジスト層33を剥離剤により剥離し、その下に露出したAu層32をミリングにより除去し、露出したレジスト層31を更に剥離剤により剥離する。このようにして、図示の構成が得られる。
【0068】
図中左側に示すメッキAu層34aは、キャパシタの上部電極23と抵抗素子のオーミック電極25をエアーブリッジを介して接続している。図中中央に示すメッキAu層34bは、抵抗のオーミック電極25と接続され、接地導体接続用配線21bと立体的に交差し、図中右方に延在して配線を構成する。図中右方に示すメッキAu層34cは、HEMTのソース/ドレイン電極25に接続された配線層を構成する。
【0069】
なお、上述のプロセスを説明するための断面図においては、キャパシタの構成を簡略化して示したが、キャパシタの構成においては、下部電極に対するコンタクト領域も形成する。
【0070】
図7(A)は、キャパシタのより具体的な構成例を概略的に示す。図7(A)において、キャパシタの下部電極21aの上に、キャパシタ誘電体層22が形成され、その上にキャパシタ上部電極23が形成されている。キャパシタ上部電極23の上に、SiON層26、SiN層29の積層絶縁層が形成され、積層絶縁層を貫通して開孔部30が形成されている。
【0071】
開孔部30は、上部電極を露出する領域および下部電極を露出する領域を有する。このような構成の上に、配線層を堆積し、パターニングすることにより下部電極に対する配線および上部電極に対する配線をそれぞれ独立に作成することができる。
【0072】
図7(B)は、接地導体接続用配線と配線との立体交差部の構成を概略的に示す。酸素イオンをイオン注入した半絶縁性領域17の上に、SiON層19が形成され、その上にストライプ状の接地導体接続用配線21bが形成されている。ストライプ状接地導体接続用配線21bを覆うように、SiON層26とSiN層29の積層からなる絶縁層が形成され、その上に厚いメッキ層のコプレーナ配線34が形成される。
【0073】
積層絶縁層26、29の所要部分に開孔が形成され、配線34aを挟んで対向する接地導体層34bを接地導体接続用配線21bが接続する。配線34aの位置を変更する場合には、コプレーナ配線34a、34bを一旦除去した後、位置を変えて新たにコプレーナ配線を形成する。接地導体接続用配線のコンタクト孔が新たに必要な場合には、ホトリソグラフィープロセスを用いて新たなコンタクト孔を形成する。
【0074】
このような構成により、同一の接地導体接続用配線21bを用い、異なる位置にコプレーナ配線を作成することができる。
【0075】
図7(C)は、配線の屈曲部LCの平面パターンを示す。図1の構成では、オープンスタブOS1が屈曲部LCを有する。高周波信号用の配線を直角に曲げる場合、破線で示すように外側辺も直角に曲げると反射が生じる。理論的に、角部を対角線方向の長さD1の1/6削除すると、反射が消滅する旨の報告がある。本発明者は実験の結果、D1の1/6の削除では反射は消滅せず、D1の約1/2、45度の角度で削除することにより、実効的に反射が消滅することを見い出した。
【0076】
図8は、バルク工程で作成される回路素子と、その上に形成され、その位置を変更することが可能なコプレーナ配線との関係を概略的に示す斜視図である。
【0077】
図中左方には、キャパシタCが形成され、その隣に抵抗Rが形成されている。キャパシタCと抵抗Rとは配線Lによって接続されている。図中中央部には、接地導体接続用配線GWが横方向に延在し、その上方にエアーブリッジを介して配線Lが形成されている。配線Lは、HEMT等のトランジスタTrの電流端子に接続されている。
【0078】
トランジスタTrのゲート電極は、図中右上方に引き出され、他の配線Lに接続されている。この配線Lは、他の接地導体接続用配線GWとエアーブリッジを介して立体的に交差している。接地導体接続用配線GWは、図中水平方向に長く延在し、配線Lの位置を水平方向に移動してもそのまま利用することができる。
【0079】
図6(C)に示すように、コプレーナ配線を形成した後、再び基板表面上に厚いレジストパターンを形成し、図1に示すようなフリップチップボンディングピラーをメッキで形成する。図7には、このようなピラーPLも示されている。
【0080】
図1において、各信号端子P1、P2には信号入出力用のピラーPLI、PLOが形成され、バイアス電圧印加端子P3、P4にはバイアス電圧印加用ピラーPLG、PLDが形成される。接地用導体層パターンGP1、GP2、GP5、GP6には、周辺部に沿って接地用ピラーPLGが形成される。中央部の接地導体層パターンGP3、GP4は、接地導体接続用配線によってその周辺の接地導体層パターンに接続される。
【0081】
能動素子であるトランジスタTr1、Tr2の安定な動作を確保するためには、その両側の接地導体層パターン上にピラーを配置することが好ましい。図示の構成においては、トランジスタTrの両側にピラーPL1、PL2が形成され、トランジスタTr2の両側にはピラーPL3、PL4が形成される。各ピラーPLの寸法は、直径約40μm〜80μmであり、高さは20μm以上である。フリップチップボンディングの強度を考慮すると、ピラーの高さは1mm以下とすることが好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
【0082】
トランジスタTrの両側に配置するピラーPL1〜PL4は、トランジスタの中心位置から100μm〜200μmの範囲に配置することが好ましい。ピラーPLを近づけ過ぎると、能動素子とピラーとの間の電磁結合が強くなり、能動素子の性能を劣化させてしまう。ピラーを能動素子から離し過ぎると、能動素子周辺の接地導体層パターンの電位を十分安定化させることが難しくなる。より好ましくは、能動素子周辺のピラーは、能動素子から約125μm離して配置する。
【0083】
チップ周辺に配置したピラーは、好ましくはほぼ等間隔になるように配置する。フリップチップボンディングの強度を増強するために、周辺に接着剤を塗布する場合があるが、この場合隣接するピラー間の距離が均一で、かつ適切であれば接着剤がチップ中央部に進入することを防止することができる。
【0084】
電流/電圧端子となるパッド上のピラーは、パッドの外側部分に35μm〜45μmの距離を残すように形成する。すなわち、パッドの外側部分には35μm〜45μmの長さのピラーの無いプローブ接触面積が形成される。このプローブ接触面積を用い、プローブをパッドに接触させ、MMICの特性をテストすることができる。例えば、GGB社製ピコプローブモデル120高周波プローブを用い、MMICの特性を測定することができる。
【0085】
高周波信号の通過するパッドP1、P2は、主信号配線側で主信号配線と同一の幅を有し、ピラーに近づくに従ってその幅が増大している。ピラーの存在する領域では、パッドP1、P2はピラーPLI、PLOよりも広い幅を有する。
【0086】
直流バイアス電圧を印加するパッドPLG、PLDは、高周波信号を印加する必要が無いため、幅を徐々に増大する必要は無く、図示のように矩形状のパッドを配線に接続すれば良い。なお、これらのパッドも徐々に幅を増大するようにしても良い。
【0087】
プローブによるテストの結果、形成したMMICが不良品となった場合、その原因を究明して配線の設計変更を行う。一旦作成したコプレーナ配線をミリングに、エッチング等より除し、設計変更したコプレーナ配線を形成する。
【0088】
図9(A)に示すように、半導体能動素子などミリングによって悪影響を受ける部品の上に、レジストパターン51を作成する。
【0089】
図9(B)に示すように、レジストパターン51をミリングマスクとし、アルゴンイオン等のミリングにより露出している領域上のコプレーナ配線34を除去する。なお、レジストパターン51で覆われている領域においては、配線34が残留する。その後レジストパターン51は除去する。
【0090】
図9(C)に示すように、基板上に新たなレジストパターン52を作成する。このレジストパターンは、設計変更された配線の形状に従うものである。レジストパターン52に覆われていない基板上に、新たな配線54を作成する。このようにして、設計変更されたコプレーナ配線を作成することができる。なお、先に形成した配線34が残留している領域においては、配線層の全厚さは、新たな配線のみを有する領域の配線層の厚さと較べ約2倍となる。
【0091】
配線層の厚さも変化させる場合もあり得るが、そのような場合でも先に形成した配線と新たに形成した配線の両者を含む配線の全厚さは、新たに形成した配線のみを有する領域の配線層の厚さの約50%以上となる。
【0092】
上述の実施例における接地導体接続用配線によって、高周波回路の特性がどのように改善されるかの測定を行った。
【0093】
図10(A)は、サンプルの形状を概略的に示す。配線60は、直線上に配置され、その中間点61からほぼ直交方向に分岐したオープンスタブ62が形成されている。配線60、62の周辺には、所定ギャップを介して接地導体層パターン63、64が形成されている。
【0094】
これらの配線、接地導体層パターンの下に、接地導体接続用配線65、66、67が埋め込まれ、配線60、62と立体交差し、コンタクト部71、72、73、74でその上に配置された接地導体63、64、64、63に接続されている。なお、点61から接地導体接続用配線65、67までの距離は約200μmであり、点61から接地導体接続用配線66までの距離は約125μmである。また、オープンスタブ62の端部は、点61から500μmの位置まで延在している。
【0095】
図10(B)は、接地導体接続用配線が有る場合と無い場合の入出力の反射係数を比較したグラフである。また、図10(C)は、入出力反射係数および透過係数をdB表示したグラフである。
【0096】
これらのグラフから明らかなように、接地導体接続用配線65、66、67で隣接する接地導体間を電気的に接続した場合、入出力反射係数はより理想的な曲線に近づく。
【0097】
さらに、接地導体層パターンは、どの程度の幅を有することが望ましいかを調べた。幅20μmの配線の両側に20μmの間隔を置いて接地導体ストライプを配置し、接地導体ストライプの幅を種々変化させて特性インピーダンスを調べた。
【0098】
【表1】
【0099】
〔表1〕からわかるように、接地導体パターンの幅を配線幅の約6倍以上とすれば、特性インピーダンスはほぼ理想値に近い値となる。
【0100】
なお、接地導体接続用配線の形態は種々に変更することが可能である。
図11は、格子状に配置した接地導体接続用配線を用いた場合の構成を示す平面図である。作成するMMIC回路自体は、図1に示したものと同様である。接地導体接続用配線GWは、X方向に延在するストライプと、Y方向に延在するストライプとを含み、両者で格子状配置を実現している。なお、接地導体接続用配線の重複する部分は単一金属層で形成されている。また、キャパシタと重複する部分においては、キャパシタの下部電極(または上部電極)と接地導体接続用配線は同一金属層で形成される。
【0101】
以上、2段増幅器を例にとって説明したが、MMICの種類は2段増幅器に限らない。
【0102】
図12は、周波数逓倍器のMMICの構成を概略的に示す。入力パッドP1に接続された入力側線路L1は、中間にキャパシタC31、T字型分岐TB31、TB32を有する。入力側線路LIは、半導体能動素子であるHEMTで構成されたトランジスタTrのゲート端子に接続される。トランジスタTrのドレイン端子は、出力側線路LOを介して出力パッドP2に接続される。出力側線路LOには、T字型分岐TB33、TB34、キャパシタC34が接続されている。
【0103】
ゲートバイアス印加パッドP3は、ゲートバイアス線路LB1を介してT字型分岐TB31に接続されている。ゲートバイアス線路LB1の中間には、キャパシタC35が接続されている。ドレインバイアス印加パッドP4は、線路LD1を介してT字型分岐TB35に接続されている。ドレインバイアス線路LD1の中間には、キャパシタC36が接続されている。以上の構成において、キャパシタC31、C34、C35、C36は、直流成分をカットする。
【0104】
T型分岐TB32にはオープンスタブOS31が接続されている。T字型分岐TB33には、キャパシタC32が線路を介して接続されている。また、T字型分岐TB34には、キャパシタC33が線路を介して接続されている。これらの構成は、トランジスタTrの入力側および出力側において、反射係数等を調整し、特定周波数を短絡するためのものである。
【0105】
トランジスタTrは、その非線形特性を用い、入力高周波を周波数変換する。例えば、入力パッドP1に38GHzの信号が入力され、出力パッドP2に76GHzの信号が出力される。
【0106】
接地導体接続用配線GWは、水平(X)方向に配置された多数のストライプ状配線と、必要部分のみに配置された垂直(Y)方向のストライプ状線路とを含む。この構成においては、主信号配線中に配置されたT字型分岐TBの水平方向位置を調整することにより、回路の高周波特性を調整する。
【0107】
図13は、ミキサとして機能するMMICの構成を概略的に示す。図中右側に示されたパッドRFinは、高周波信号が印加される入力パッドである。入力LOinは、局部発振信号が入力されるパッドである。例えば、RFinに76GHzの信号が印加され、LOinには76.01GHzの信号が印加される。このら2つの入力信号が組み合わされて2つのトランジスタTr3、Tr4に印加される。トランジスタTr3、Tr4の出力は、キャパシタC47、C48を介して出力パッドIF1、IF2に供給される。
【0108】
ゲートバイアスパッドVG1、VG2には、それぞれトランジスタTr3、Tr4のゲート電極にバイアス電圧を与える。符号C41〜C50は、直流成分カット用のキャパシタを示す。出力IF1、IF2には、それぞれ10MHzの逆相の信号が出力される。
【0109】
本実施例においては、接地導体接続用配線GWは、多数の垂直方向のストライプ状配線と、必要部分のみに配置された水平方向のストライプ状配線によって構成されている。
【0110】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、半導体基板の代わりに誘電体基板を用い、その表面に抵抗等の回路素子と接地導体接続配線を形成し、その上にコプレーナ配線を形成してもよい。
【0111】
その他、種々の変更、改良、組み合わせが可能なことは当業者に自明であろう。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、必要な長さ以上の接地導体接続用配線をあらかじめ基板上に作成しておくことにより、コプレーナ配線形成後設計変更が必要となった場合にコプレーナ配線を除去し、位置を変更したコプレーナ配線を作成することができる。基板上に予め形成した回路素子を再利用することができるため、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるMMICの構成を概略的に示す平面図である。
【図2】図1のMMICを作成する工程においてバルク工程終了後の半導体基板表面の構成を示す平面図である。
【図3】図1の回路の等価回路である。
【図4】本発明の実施例によるMMICの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図5】本発明の実施例によるMMICの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図6】本発明の実施例によるMMICの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図7】図4〜図6の工程における一部拡大断面図および図1の一部拡大平面図である。
【図8】本発明の実施例によるMMICの一部拡大斜視図である。
【図9】本発明の実施例による配線再作成工程を概略的に示す断面図である。
【図10】本発明の実施例の効果を検証するための実験を説明するための概略平面図およびグラフである。
【図11】本発明の他の実施例によるMMICの平面構成を概略的に示す平面図である。
【図12】本発明の他の実施例によるMMICの平面構成を概略的に示す平面図である。
【図13】本発明の他の実施例によるMMICの平面構成を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
G 接地導体層パターン
GW 接地導体接続用配線
L 線路(配線)
CB 十字型分岐部
TB T字型分岐部
OS オープンスタブ
PL ピラー
Claims (25)
- 誘電体領域を有する誘電体基板と、
前記誘電体基板上に形成された接地導体接続用配線および回路素子と、
前記回路素子に電気的に接続され、前記誘電体基板上で前記接地導体接続用配線の一部と立体的に交差する配線と、
前記配線を介して分離され、前記接地導体接続用配線の一部によって電気的に接続され、前記誘電体基板上で前記配線とコプレーナ配線を構成する複数個の接地導体層パターンと
を有し、前記接地導体接続用配線は、前記接地導体層パターンを接続する前記一部の少なくとも一方の外側に長さ10μm以上の延長部を有し、前記回路素子の特性変動に対する前記コプレーナ配線の設計変更に対応可能であるマイクロ波・ミリ波回路装置。 - 前記接地導体接続用配線の前記延長部は、前記一部よりも広い面積を有する請求項1記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記接地導体接続用配線は、前記誘電体基板内で2方向以上に沿うラインの配列または格子の形状に形成されている請求項1記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記配線は高周波信号を入力から出力へ伝達するための主信号配線と前記主信号配線に接続された補助配線とを含み、前記接地導体接続用配線は、配線を介して分離されている隣接導体層パターンを、主信号配線を伝播する高周波信号の波長の1/4以下の間隔で、相互に電気的に接続する請求項1記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記誘電体基板は半導体領域を有し、前記回路素子は、
前記半導体領域内に形成された半導体素子と、
前記誘電体領域上に形成されたキャパシタ素子と
を含む請求項1記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。 - 前記配線は、高周波信号を入力から出力へ伝達するための主信号配線と、前記主信号配線に接続された補助配線とを含み、前記接地導体接続用配線は前記補助配線と立体交差する部分を有する請求項5記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記接地導体接続用配線は、配線を介して分離されている接地導体層パターンを、主信号配線を伝播する高周波信号の波長の1/4以下の間隔で、相互に電気的に接続する請求項6記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記誘電体基板上の対向する位置に配置された入力パッドと出力パッドを有し、前記主信号配線は、前記入力パッド、前記出力パッド、前記半導体素子、前記キャパシタ素子の少なくとも1つを電気的に接続し、前記接地導体接続用配線は前記主信号配線から一定距離隔てられ、前記主信号配線に沿って配置された部分を有する請求項7記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記配線は、前記主信号配線と前記補助配線とが接続される分岐部を有し、前記接地導体接続用配線は前記分岐部から前記波長の1/8以下の距離の位置で前記配線を介して隔てられている一対の接地導体層パターンを電気的に接続する分岐用部分を有する請求項7記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記分岐用部分は、前記補助配線と立体交差する請求項9記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記補助配線は、前記主信号配線にバイアス電圧を印加するための複数のバイアス用配線と前記主信号配線の高周波特性を調整するための調整用配線とを含み、前記キャパシタ素子は複数あり、その1つは前記調整用配線に接続され、該調整用配線に接続される側の辺の長さが、該調整用配線の長さ方向に沿う辺の長さよりも大である請求項7記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記補助配線は、前記主信号配線にバイアス電圧を印加するための複数のバイアス用配線と前記主信号配線の高周波特性を調整するための複数の調整用配線とを含み、前記調整用配線の少なくとも1つは直角に屈曲する屈曲部を有し、該屈曲部の外側辺は直角に延在する配線が作るであろう角部を、対角線の方向に1/2切り欠き、直交する外側辺と45度の角度を形成する辺部分を有する請求項7記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記半導体素子はオーミック電極を有し、前記キャパシタ素子は複数あり、その各々は下部電極と該下部電極の上に誘電体絶縁膜を介して形成した上部電極を有する請求項5記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記接地導体接続用配線は、前記キャパシタの上部電極、下部電極の少なくとも一方と同一の層から形成された導電体層を含む請求項13記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記誘電体基板周辺部上に配置され、導電性材料で形成され、前記配線と接続された複数のパッドと、前記パッドの各々の上に配置され、導電性材料で形成される第1のピラーと、を有する請求項5記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記パッドは、前記第1のピラーより外側に長さ35μm〜45μmのプローブ接触用領域を有する請求項15記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記パッドのうち高周波信号の通過するパッドは配線と接続される端部で配線と同一の幅を有し、外側に向かって徐々に幅が増加する部分を有する請求項15記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記第1のピラーは、直径40μm〜80μm、高さ20μm以上を有する請求項15記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 前記接地導体層パターン上、前記半導体素子の中心から100μm〜200μmの距離に配置され、導電性材料で形成された第2のピラーを有する請求項15記載のマイクロ波・ミリ波回路装置。
- 半導体領域と誘電体領域とを有する導電体基板と、
前記半導体領域内に形成された半導体素子と、
前記誘電体領域上に形成された接地導体接続用配線およびキャパシタ素子と、前記半導体素子、前記キャパシタ素子に電気的に接続され、前記誘電体基板上で前記接地導体接続用配線の一部と立体的に交差する配線と、
前記配線を介して分離され、前記接地導体接続用配線の一部によって電気的に接続され、前記誘電体基板上で前記配線とコプレーナ配線を構成する複数個の接地導体層パターンと
を有し、前記配線の前記半導体素子に接続される部分は前記配線の厚さの平均値よりも50%以上大きい厚さを有するモノリシックマイクロ波・ミリ波集積回路装置。 - 誘電体領域を有する誘電体基板上に接地導体接続用配線および回路素子を形成する工程と、
前記回路素子に電気的に接続され、前記誘電体基板上で前記接地導体接続用配線の一部と立体的に交差する配線と、前記配線を介して分離され、前記接地導体接続用配線の一部によって電気的に接続された複数個の接地導体層パターンとを含むコプレーナ配線を前記誘電体基板上に形成する工程と、
前記回路素子の特性を測定する工程と、
前記コプレーナ配線の少なくとも一部を除去する工程と、
設計変更しコプレーナ配線を形成する工程と
を含むマイクロ波・ミリ波回路装置の製造方法。 - 前記接地導体接続用配線は、前記誘電体基板内で2方向以上に沿うラインの配列または格子の形状に形成されている請求項21記載のマイクロ波・ミリ波回路装置の製造方法。
- 前記配線は高周波信号を入力から出力へ伝達するための主信号配線と前記主信号配線に接続された補助配線とを含み、
前記接地導体接続用配線は、配線を介して分離されている接地導体層パターンを、主信号配線を伝播する高周波信号の波長の1/4以下の間隔で、相互に電気的に接続する請求項21記載のマイクロ波・ミリ波回路装置の製造方法。 - 前記誘電体基板は半導体領域を有し、前記回路素子は、前記半導体領域内に形成された半導体素子と、前記誘電体領域上に形成されたキャパシタ素子とを含み、前記接地導体接続用配線は前記キャパシタ素子と同一工程を用いて形成される請求項21記載のマイクロ波・ミリ波回路装置の製造方法。
- 前記配線および前記接地導体層パターンの上に導電体のピラーを形成する工程を含む請求項21記載のマイクロ波・ミリ波回路装置の製造方法。
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