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JP4102373B2 - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents

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JP4102373B2
JP4102373B2 JP2005060594A JP2005060594A JP4102373B2 JP 4102373 B2 JP4102373 B2 JP 4102373B2 JP 2005060594 A JP2005060594 A JP 2005060594A JP 2005060594 A JP2005060594 A JP 2005060594A JP 4102373 B2 JP4102373 B2 JP 4102373B2
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Description

本発明は,プラズマディスプレイ装置にかかり,より詳しくは,ドライバーICで発生する熱を効率的に放出することができる放熱プレートに関するものである。
周知のように,プラズマディスプレイ装置は,気体放電によって生成されたプラズマを利用して,プラズマディスプレイパネルに映像を表示する装置である。
このようなプラズマディスプレイ装置では,プラズマディスプレイパネル内に注入したガスを放電させてプラズマを生成する過程で熱が発生する。このとき,プラズマディスプレイ装置が輝度を向上するために放電の程度を高めると,プラズマディスプレイパネルでさらに多くの熱が発生する。
上記のようにガス放電によって誘発された熱は,シャシーベース側に伝導される。この伝動された熱がシャシーベースの裏面に実装された駆動回路に影響を与えると,駆動回路の動作が不安定になり,プラズマディスプレイパネルの駆動時に電気的信号を処理する集積回路の誤作動を誘発する場合がある。さらに,駆動回路または集積回路の誤作動の程度がひどくなると画面に黒色線が発生するなど,画面品質を低下させてしまうという問題が生じる。
したがって,プラズマディスプレイパネルで発生した熱を外部に放出させる放熱技術が必須となる。通常の放熱技術では,一般に,プラズマディスプレイパネルを熱伝導性に優れた材質で形成されたシャシーベースに付着させている。また,放熱シートのような放熱部をプラズマディスプレイパネルとシャシーベースとの間に介在させて,プラズマディスプレイパネルで発生した熱が放熱部およびシャシーベースを通して伝導され,ディスプレイ装置の外部へ放熱されるように構成されている。
一方,従来のプラズマディスプレイ装置において,プラズマディスプレイパネルに印刷された電極は,一般に,FPC(Flexible Printed Circuit)を介して駆動回路と電気的に連結される。このFPCには,パネルの画素に選択的に壁電圧を形成するように,駆動回路より制御される信号に応じてアドレス電圧を印加するドライバーICが形成される。
このように,FPCとドライバーICとを利用した電圧印加構造に広く使用されているものとして,ドライバーICがPCB(Printed Circuit Board)上に実装されたCOB(Chip on Board),FPCを構成するフィルム上にドライバーICが直接実装されたCOF(Chip on Film)などがある。最近では,小型でかつ低価のTCPが使用される傾向にある。
一方,プラズマディスプレイパネルで256階調以上を表現するためには,1TVフィールドに相当する1/60秒間に,少なくとも8回のアドレス放電を生じさせる必要がある。このため,シャシーベース上に装着されたCOF,COBまたはTCPより多くの熱が発生し,EMI(電磁波障害)も発生することになる。
さらに,COBやCOFなどには,プレート形状の補強プレートが備えられている。この補強プレートは,構造的強度を補強すると共に,COBやCOFなどをシャシーベースに固定させる役割を行う。このような補強プレートは,ドライバーICより発生する熱が外部へよく発散できるように,放熱プレートの役割も兼ねている。
一方,TCPドライバーICより発生する熱を放出するためには,ヒートシンクにより,固体の放熱シートをTCP上に付着させることによって空気中に熱を放出させる方法を採択している。しかし,このような方法は,放熱効率がよくない。このため,TCPドライバーICの発熱量に応じて,放熱効率を向上させるために,TCPドライバーICの大きさに比べてヒートシンクの大きさを過度に大きく形成しなければならないという問題があった。
上記のように,ヒートシンクの大きさを大きくすることができない場合,TCPドライバーIC自体の発熱量を低減させなければならない。しかし,TCPドライバーIC自体の発熱量を低減させるには,通常,画質に悪い影響を与えるアルゴリズムを適用することになり,全体的な画質の低下を誘発するという問題があった。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,ドライバーICより発生する熱を効率的に放出して,ドライバーICの故障を防止し,ドライバーICの信頼性を向上させることの可能な,新規かつ改良されたドライバーIC放熱構造を有するプラズマディスプレイ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,プラズマディスプレイパネルと;プラズマディスプレイパネルと平行に配置され,プラズマディスプレイパネルに対向する面の反対側の面に駆動回路部が装着されるシャシーベースと;駆動回路部より制御される信号に応じて,プラズマディスプレイパネルの電極に選択的に電圧を印加するドライバーICと;ドライバーICの外側に位置し,シャシーベースに結合されてドライバーICをシャシーベース側に圧着されるカバープレートと;プラズマディスプレイパネルとシャシーベースとの間に介在され,ドライバーICから放出される熱が実質的に集中する第1領域に位置し,第1領域でシャシーベースに付着される第1の高熱伝導媒体と,プラズマディスプレイパネルに付着される第1の低熱伝導媒体とを含む第1放熱部と;プラズマディスプレイパネルとシャシーベースとの間で,第1領域を除いた部分である第2領域に位置し,第2領域でプラズマディスプレイパネルに付着される第2の高熱伝導媒体と,シャシーベースに付着される第2の低熱伝導媒体とを含む第2放熱部と;を含むプラズマディスプレイ装置が提供される。
このとき,第1領域は,ドライバーICの放熱領域であり,第2領域は,プラズマディスプレイパネルの放熱領域を意味する。
また,本発明にかかるプラズマディスプレイ装置は,プラズマディスプレイパネルの一側の周縁部分から電極が引き出されるシングル駆動方式であるのがよい。この場合,プラズマディスプレイパネルの一側の周縁部分に相応するシャシーベースの周縁部分に,ドライバーICを位置させることができる。
そして,本発明にかかるプラズマディスプレイ装置において,第1の高熱伝導媒体又は第2の高熱伝導媒体は,0.5W/mK以上の熱伝導度を有する金属,シリコン,アクリル,グラファイト,ゴム系のシートまたは炭素ナノチューブからなる群より選択される材質で形成することができる。また,第1の低熱伝導媒体又は第2の低熱伝導媒体は,0.5W/mK以下の熱伝導度を有するプラスチック樹脂,シリコン,アクリル,ゴム系のシートからなる群より選択される材質で形成することができる。
また,本発明にかかるプラズマディスプレイ装置において,ドライバーICは,TCP形態にパッケージングされて,プラズマディスプレイパネルから引き出される電極と駆動回路部とを電気的に連結するのがよい。
そして,本発明にかかるプラズマディスプレイ装置は,カバープレートとドライバーICとの間に介在され,ドライバーICより発生する熱をカバープレートに伝達する熱伝導媒体を含むことができる。
また,本発明にかかるプラズマディスプレイ装置は,ドライバーICとシャシーベースとの間に高熱伝導固体部材を位置させることもできる。この場合,高熱伝導固体部材は,締結部材によってシャシーベースに固定させることができる。また,高熱伝導固体部材を,シャシーベースと一体に形成することもできる。
そして,本発明にかかるプラズマディスプレイ装置は,高熱伝導固体部材とドライバーICとの間に介在され,ドライバーICより発生する熱を,高熱伝導固体部材に伝達する熱伝導媒体を含むことができる。この場合,熱伝導媒体は,液状またはゲル状のシリコンオイル(silicon oil)またはサーマルグリース(thermal grease)であるのがよい。熱伝導媒体を液状またはゲル状とすることにより,カバープレートおよびドライバーICに対する熱伝導媒体の界面に空気層を形成せず,ドライバーICの放熱効率をさらに向上させることができる。
このように,ドライバーICの放熱構造,すなわち,プラズマディスプレイパネルとシャシーベースとの間に介在させる放熱部の構造を改善することにより,従来のプラズマディスプレイパネルの放熱特性を維持しながら,ドライバーICより発生する熱をシャシーベースを介して放出および分散させることができる。したがって,本発明にかかるプラズマディスプレイ装置は,ドライバーICの放熱効率をさらに増大させ,ドライバーICの温度低減効果をさらに向上させることができる。
以上説明したように本発明によれば,ドライバーICより発生する熱を効率的に放出して,ドライバーICの故障を防止し,ドライバーICの信頼性を向上させることができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は,本発明の第1の実施形態にかかるドライバーIC放熱構造を有するプラズマディスプレイ装置を示した斜視図である。また,図2は,図1のA−A線による断面図である。
図1および図2に示すように,本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置は,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16とを含んで構成される。シャシーベース16は,アルミニウムや銅,鉄などの素材で形成され,一の面にはプラズマディスプレイパネル12が装着される。また,他の面には,プラズマディスプレイパネル12を駆動するための駆動回路部18が装着される。
そして,プラズマディスプレイパネル12の外側には前面カバー(図示せず)が位置し,シャシーベース16の外側に背面カバー(図示せず)が位置している。これらの結合によって,プラズマディスプレイ装置のセットが完成される。
一方,プラズマディスプレイパネル12の周縁部から引き出される電極は,FPC(Flexible Printed Circuit)21のような電気的信号伝達手段を介して駆動回路部18に電気的に連結され,プラズマディスプレイパネル12の駆動に必要な信号が伝達される。
このために,プラズマディスプレイパネル12と駆動回路部18との間には,駆動回路部18より制御される信号に応じて,プラズマディスプレイパネル12の電極に選択的に電圧を印加する複数のドライバーIC(Integrated Circuit)23が介在される。本実施形態にかかるドライバーIC23は,通常のTCP25の形態にパッケージングされて,プラズマディスプレイパネルから引き出される電極および駆動回路部18に連結される。このとき,ドライバーIC23は,シャシーベース16と対向するように配置される。
ドライバーIC23の外側,つまり,TCP25の外側には,TCP25を支持すると同時に,ドライバーIC23をシャシーベース16側に圧着するためのカバープレート32が設置される。カバープレート32は,シャシーベース16の周縁部分に沿って並行するように位置するように設置される。
このとき,カバープレート32は,シャシーベース16の周縁部分に沿って一体型のプレートに長く配置されるようにすることができ,各ドライバーIC23に対応する複数のプレートがシャシーベース16の周縁部分に連続的に配置されるようにすることもできる。そして,カバープレート32は,ドライバーIC23と対向する第1部分32aと,第1部分32aの外側周縁からプラズマディスプレイパネル12の周縁外側まで延びてFPC21を支持する第2部分32bとが一体に形成される。このようなカバープレート32は,シャシーベース16と同様に,アルミニウムや銅,鉄などの素材で形成することができる。また,カバープレート32は,別途の締結部材(図示せず),例えばスクリューによって次に説明する高熱伝導固体部材27に固定することができる。
熱伝導媒体は,ドライバーIC23が,放熱プレート32の第1部分32aに対向する面とドライバーIC23の一側面との間に介在された第1熱伝導媒体41と,ドライバーIC23と高熱伝導固体部材27との間に介在された液状またはゲル状の第2熱伝導媒体42とを含んで構成される。
第1熱伝導媒体41について具体的に説明すると,第1熱伝導媒体41は,少なくともプラズマディスプレイパネル12の動作温度で液状またはゲル状である必要があり,熱伝導率が1.0W/mK以上であるのが好ましい。このような液状またはゲル状の第1熱伝導媒体41としては,例えば,シリコンオイルまたはサーマルグリースなどを用いることができる。そして,第1熱伝導媒体41は,本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置が垂直に立てられた場合に周辺の回路素子に流れないように,100000cps以上の粘度を維持するのが好ましい。また,第1熱伝導媒体41では,カバープレート32の第1部分32aとドライバーIC23との間の幅を,約0.2mmに維持するのが好ましい。したがって,カバープレート32は,締結部材の締結力によりドライバーIC23を所定の圧力で加圧することによって,ドライバーIC23より発生する熱が第1熱伝導媒体41を介してカバープレート32に伝導され,外部に放出される。
また,第2熱伝導媒体42は,第1熱伝導媒体41と同様の特性を有する。したがって,ドライバーIC23より発生する熱は,第2熱伝導媒体42を介して高熱伝導固体部材27に伝導される。そして,伝導された熱は,高熱伝導固体部材27を介してシャシーベース16に伝導されて外部へ放出される。
上記のように構成された本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置において,カバープレート32を高熱伝導固体部材27に結合させると,カバープレート32がドライバーIC23を所定の圧力で加圧するようになり,ドライバーIC23が高熱伝導固体部材27に密着される。このとき,カバープレート32とドライバーIC23との間に位置する第1熱伝導媒体41が液状またはゲル状であるため,カバープレート32およびドライバーIC23に対する第1熱伝導媒体41の密着性を向上させることができる。つまり,第1熱伝導媒体41とカバープレート32との間の界面,および第1熱伝導媒体41とドライバーIC23との間の界面に空気層を形成しなくなる。
さらに,ドライバーIC23と高熱伝導固体部材27との間に位置する第2熱伝導媒体42が,第1熱伝導媒体41と同様に液状またはゲル状であるため,ドライバーIC23および高熱伝導固体部材27に対する第2熱伝導媒体42の密着性を向上させることができる。つまり,第2熱伝導媒体42とドライバーIC23との間の界面,および第2熱伝導媒体42と高熱伝導固体部材27との間の界面に空気層を形成しなくなる。
したがって,カバープレート32およびドライバーIC23に対する第1熱伝導媒体41の接触面積が増加し,カバープレート32を介したドライバーIC23の放熱効率をさらに向上させることができる。また,ドライバーIC23および高熱伝導固体部材27に対する第2熱伝導媒体42の接触面積が増加し,高熱伝導固体部材27を介したドライバーIC23の放熱効率をさらに向上させることができる。
(第2の実施形態)
図3は,本発明の第2の実施形態にかかるドライバーIC放熱構造を有するプラズマディスプレイ装置を示した断面図である。
図3に示すように,本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置は,第1の実施形態と同様の第1熱伝導媒体41とドライバーIC23との間に,シート状の第3熱伝導媒体43を介在した構造を有する。つまり,本実施形態では,カバープレート32の第1部分32aとドライバーIC23との間に,第3熱伝導媒体43を介在させ,カバープレート32の第1部分32aと第3熱伝導媒体43との間に第1熱伝導媒体41を介在させてプラズマディスプレイ装置を構成する。カバープレート32は,第1の実施形態で説明したように,第1部分32aにおいて交差する,FPC21を支持する第2部分32bをさらに含むことができる。
第3熱伝導媒体43は,カバープレート32と対向するドライバーIC23に付着され,シリコンシートのような放熱シートを用いることができる。
本実施形態によれば,カバープレート32と第3熱伝導媒体43との間に位置する第1熱伝導媒体41が,液状またはゲル状であるため,カバープレート32および第3熱伝導媒体43に対する第1熱伝導媒体41の密着性を向上させることができる。つまり,第1熱伝導媒体41とカバープレート32との間の界面,および第1熱伝導媒体41と第3熱伝導媒体43との間の界面に,空気層を形成しなくなる。
したがって,カバープレート32および第3熱伝導媒体43に対する第1熱伝導媒体41の接触面積が増加し,カバープレート32を介したドライバーIC23の放熱効率をさらに向上させることができる。補足すると,カバープレート32の圧着時に,ドライバーIC23より発生する熱が第3熱伝導媒体43を介して1次的に伝導された状態で,第3熱伝導媒体43と互いに密着する第1熱伝導媒体41を介して2次的に伝導される。こうして,発生した熱がカバープレート32を介して外部へ放出されるので,ドライバーIC23の温度を効果的に低減させることができる。
(第3の実施形態)
図4は,本発明の第3の実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置を示した分解斜視図である。また,図5は,図4に示したシャシーベース部の部分切開斜視図である。そして,図6は,図4の結合断面構成図である。
図4〜図6に示すように,本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置100において,プラズマディスプレイパネル12は,内部の気体放電による真空紫外線で蛍光体を励起させて画像を実現するものであって,略四角形状(本実施形態では,一対の長辺と一対の短辺を有する横幅の広い長方形)をしている。
このようなプラズマディスプレイパネル12は,画像表示駆動に必要な信号の伝達を受ける電極,例えばアドレス電極が,プラズマディスプレイパネル12の一の周縁部,好ましくはプラズマディスプレイパネル12の下側長辺の周縁部分に引き出される,シングルスキャン駆動方式の構造を有する。このために,電極はFPC21のような電気的な信号伝達手段を介して駆動回路部18に電気的に連結される。そして,プラズマディスプレイパネル12と駆動回路部18との間には,駆動回路部18より制御される信号に応じて,プラズマディスプレイパネル12の電極に選択的に電圧を印加する,複数のドライバーIC23が介在される。本実施形態にかかるドライバーIC23は,通常のTCP25の形態にパッケージングされ,プラズマディスプレイパネル12から引き出される電極と駆動回路部18に連結される。このとき,ドライバーIC23は,前述の電極が引き出されるプラズマディスプレイパネル12の下側長辺の周縁部分に相応するシャシーベース16の周縁部分に配置されるのが好ましい。
一方,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間には,プラズマディスプレイパネル12およびシャシーベース16と密着されて,プラズマディスプレイパネル12およびドライバーIC23より発生する熱を放出および分散させる第1放熱部50および第2放熱部60が位置する。また,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間には,第1放熱部50および第2放熱部60の少なくとも一方の周縁外側に沿って両面テープ(図示せず)が付着されて,第1放熱部50および第2放熱部60の位置を確保しながらプラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16を付着させる。本発明ではかかる例に限定されず,例えば,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16を固定させるために,両面テープを使用せず,第1放熱部50および第2放熱部60の表面にシリコン系またはアクリル系接着剤を塗布して,第1放熱部50および第2放熱部60をプラズマディスプレイパネル12およびシャシーベース16に直接付着させることによって,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16とを固定することもできる。
そして,ドライバーIC23とシャシーベース16との間には,液状またはゲル状の熱伝導媒体31が介在される。熱伝導媒体31は,ドライバーIC23より発生する熱を,シャシーベース16に伝達するための機能を有する。熱伝導媒体31は,プラズマディスプレイパネル12の動作温度において液状またはゲル状でなければならず,熱伝導率は0.1W/mK以上であるのが好ましい。このような液状またはゲル状の熱伝導媒体31としては,例えば,シリコンオイルまたはサーマルグリースなどを用いることができる。したがって,ドライバーIC23より発生する熱は,熱伝導媒体31を介して,シャシーベース16に伝導されて,外部に放出される。
さらに,本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置100は,ドライバーIC23を支持すると同時に,このドライバーIC23をシャシーベース16側に圧着するためのカバープレート32が,ドライバーIC23の外側に配置される。
カバープレート32は,シャシーベース16の周縁部分に沿って並行するように位置する。そして,ドライバーIC23と対向する第1部分32aと,第1部分32aの外側周縁からプラズマディスプレイパネル12の周縁の外側まで延びて,FPC21を支持する第2部分32bとが一体に形成される。このとき,カバープレート32は,シャシーベース16の周縁部分に沿って一体型のプレートを長く配置されるようにすることができ,図4のように,各ドライバーIC23に対応する複数のプレートをシャシーベース16の周縁部分に連続的に配置されるようにすることもできる。このようなカバープレート32は,シャシーベース16と同様に,アルミニウムや銅,鉄などの素材で形成することができる。また,スクリューのような締結部材26によってシャシーベース16に固定することができる。したがって,カバープレート32は,締結部材26の締結力によりドライバーIC23を所定の圧力で圧着するようになる。
そして,カバープレート32とドライバーIC23との間には,熱伝導媒体36が介在される。熱伝導媒体36は,ドライバーIC23より発生する熱をカバープレート32に伝達する機能を有する。このような熱伝導媒体36として,例えばカバープレート32に付着されるシリコンシートを用いることができる。したがって,ドライバーIC23より発生する熱は,熱伝導媒体36を介してカバープレート32に伝導され,外部に放出される。
このような構造を有する本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置100の作用時には,プラズマディスプレイパネル12とドライバーIC23とにおいて多くの熱が発生する。このため,本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置100は,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間のドライバーIC23より発生する熱を,シャシーベース16を介して効果的に放出および分散させる第1放熱部50と,従来のように,プラズマディスプレイパネル12より発生する熱を,シャシーベース16を介して放出および分散させる第2放熱部60とを備えている。
本実施形態では,第1放熱部50は,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間に介在され,これらの間で,ドライバーIC23から放出される熱が実質的に集中する第1領域Aに位置している。また,第1放熱部50は,液状またはゲル状の熱伝導媒体31により,ドライバーIC23からシャシーベース16に伝達される熱を,さらに容易に放出および分散させる構造を有する。
ここで,第1領域Aは,図4に示すように,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間の空間に対して,ドライバーIC23が位置する領域に相応するドライバーIC23の放熱領域を意味する。つまり,第1領域Aは,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間の空間に対して,プラズマディスプレイパネル12の長さ方向に垂直な方向(図6における紙面上の上下方向)に配置されて,プラズマディスプレイパネル12の下側長辺の周縁部分に引き出される電極の略1/5の地点に相応する空間を示す。
より具体的には,第1放熱部50は,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間の第1領域Aに介在され,シャシーベース16に付着される高熱伝導媒体51と,プラズマディスプレイパネル12に付着される低熱伝導媒体52とを含んで構成される。
このとき,高熱伝導媒体51は,例えば,0.5W/mK以上の熱伝導率を有するアルミニウム,スチールのような金属系の放熱シート,を使用することができ,その他にも,シリコン,アクリル,グラファイト,ゴム系の放熱シートまたはカーボンナノチューブ(CNT)からなる放熱シートを含むこともできる。そして,低熱伝導媒体52は,0.5W/mK以下の熱伝導率を有するプラスチック樹脂,シリコン,アクリル,ゴム系の放熱シートを含むことができる。
そして,高熱伝導媒体51とシャシーベース16との間には,シャシーベース16に高熱伝導媒体51を接着させるために,別途の接着層(図示せず)が形成されている。同時に,低熱伝導媒体52とプラズマディスプレイパネル12との間には,プラズマディスプレイパネル12に低熱伝導媒体52を接着させるために,別途の接着層(図示せず)が形成されている。さらに,高熱伝導媒体51と低熱伝導媒体52との間には,これらの接着のために別途の接着層(図示せず)が形成されている。特に,低熱伝導媒体52は,上記のような所定の弾性を有する素材で形成されることにより,接着層によるプラズマディスプレイパネル12および高熱伝導媒体51との接着性を向上させることができる。なお,本発明はかかる例に限定されず,例えば,低熱伝導媒体52は,高熱伝導媒体51より比較的に熱伝導率の低い空気層により形成することもできる。
第2放熱部60は,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間に介在され,プラズマディスプレイパネル12から放出される熱が実質的に集中する第2領域Bに位置している。第2放熱部60は,プラズマディスプレイパネル12より発生する熱を,シャシーベース16にさらに容易に放出および分散させる構造を有する。ここで,第2領域Bは,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間の空間から,第1領域Aを除いたプラズマディスプレイパネル12の放熱領域を意味する。
本実施形態にかかる第2放熱部60は,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間の第2領域Bに介在され,プラズマディスプレイパネル12に付着される高熱伝導媒体61と,シャシーベース16に付着される低熱伝導媒体62とを含んで構成されている。高熱伝導媒体61および低熱伝導媒体62は,第1放熱部50を構成する高熱伝導媒体51および低熱伝導媒体52と同一の素材で形成することができる。ここで,第2放熱部60は,通常のプラズマディスプレイ装置のプラズマディスプレイパネルと,シャシーベースとの間に介在される,通常の放熱部の構造を有することが分かる。これは,通常のプラズマディスプレイ装置の場合,高熱伝導媒体61に相当する放熱シートが,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間でシャシーベース16に付着され,低熱伝導媒体62に相当する空気層が,プラズマディスプレイパネル12と放熱シートとの間に存在するためである。
上記のように構成された第1の実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置100において,カバープレート32をシャシーベース16に結合させると,カバープレート32がドライバーIC23を所定の圧力で加圧する。こうして,ドライバーIC23は,シャシーベース16に密着された状態を維持するようになる。
したがって,プラズマディスプレイパネル12の駆動時にドライバーIC23より発生される熱の一部は,シート状の熱伝導媒体36を介してカバープレート32に伝導されながら外部に放出される。一方,外部に放出されなかった熱は,液状またはゲル状の熱伝導媒体31を介してシャシーベース16に伝達される。
このような過程で,ドライバーIC23より発生した熱が,熱伝導媒体31を介してシャシーベース16に伝達されると,第1放熱部50の高熱伝導媒体51は,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間の第1領域Aにおいて,熱を第1領域Aに相応するシャシーベース16の厚さ方向と平面方向に分散させることによって,ドライバーIC23の放熱特性を向上させる。
一方,第2放出部60は,通常のプラズマディスプレイ装置と同様に,プラズマディスプレイパネル12より発生する熱を,シャシーベース16に分散および放出させることができる。
(第4の実施形態)
図7は,本発明の第4の実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置を示した分解斜視図である。また,図8は,図7に示したシャシーベース部の部分切開斜視図である。そして,図9は,図7の結合断面構成図である。
図7〜図9に示すように,本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置200は,第3の実施形態の構造を基本として,ドライバーIC23とシャシーベース16との間に高熱伝導固体部材27が付着された構造を有する。
高熱伝導固体部材27は,シャシーベース16とドライバーIC23との間で,シャシーベース16の周縁部分に沿って長く配置され,通常のスクリューのような締結部材26によってシャシーベース16に固定することができる。また,高熱伝導固体部材27は,シャシーベース16と同様に,アルミニウムや銅,鉄などの素材で形成することができる。このような高熱伝導固体部材27は,ドライバーIC23より発生する熱をシャシーベース16に伝達する機能を有する。
このようなプラズマディスプレイ装置200において,カバープレート32は,高熱伝導固体部材27と並行するように位置しながら,スクリューのような締結部材26によって高熱伝導固体部材27に固定されることもできる。したがって,カバープレート32が高熱伝導固体部材27に結合されることによって,ドライバーIC23を高熱伝導固体部材27側に圧着させることが可能となる。
そして,カバープレート32とドライバーIC23との間には,ドライバーIC23より発生する熱をカバープレート32に伝達するための,シリコンシート状の熱伝導媒体36を介在させることができる。したがって,ドライバーIC23より発生する熱は,熱伝導媒体36を介してカバープレート32に伝導され,外部に放出される。
本実施形態によれば,ドライバーIC23と高熱伝導固体部材27との間には,ドライバーIC23より発生する熱を高熱伝導固体部材27を介してシャシーベース16に伝達するための,液状またはゲル状の熱伝導媒体31を介在させることができる。したがって,ドライバーIC23より発生する熱は,熱伝導媒体31を介して高熱伝導固体部材27に伝導され,高熱伝導固体部材27を介してシャシーベース16に伝導され,外部に放出される。
なお,本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置200において,他の構成は,第3の実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置と同一であるため,詳細な説明は省略する。
上記のように構成された本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置200において,カバープレート32を高熱伝導固体部材27に結合させると,カバープレート32がドライバーIC23を所定の圧力で加圧するようになる。このため,ドライバーIC23が高熱伝導固体部材27に密着された状態を維持することができるようになる。
したがって,プラズマディスプレイパネル12の駆動時には,ドライバーIC23より発生する熱の一部は,シート状の熱伝導媒体36を介してカバープレート32に伝導されながら外部に放出されるようになる。そして,外部に放出されなかった熱は,液状またはゲル状の熱伝導媒体31を介して高熱伝導固体部材16に伝導され,この高熱伝導固体部材27を介してシャシーベース16に伝達される。
このような過程で,ドライバーIC23より発生した熱が,熱伝導媒体31と高熱伝導固体部材27を介してシャシーベース16に伝達される。そうすると,第1放熱部50の高熱伝導媒体51は,プラズマディスプレイパネル12とシャシーベース16との間の第1領域Aで,熱を第1領域Aに相応するシャシーベース16の厚さ方向と平面方向に分散させる。これにより,ドライバーIC23の放熱特性を向上させることが可能となる。
(第5の実施形態)
図10は,本発明の第5の実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置を示した断面構成図である。
図10に示すように,本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置300は,第4の実施形態とは異なり,高熱伝導固体部材77とシャシーベース76とが一体化された構造を有する。このようにプラズマディスプレイ装置300を構成することによっても,他の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお,本実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置300において,他の構成および作用は,第3および第4の実施形態と同一であるため,詳細な説明は省略する。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は,プラズマディスプレイ装置に適用可能であり,特に,ドライバーICで発生する熱を効率的に放出することができる放熱プレートに適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかるドライバーIC放熱構造を有するプラズマディスプレイ装置を示した斜視図である。 図1のA−A線による断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかるドライバーIC放熱構造を有するプラズマディスプレイ装置を示した断面図である。 本発明の第3の実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置を示した分解斜視図である。 図4に示したシャシーベース部の部分切開斜視図である。 図4の結合断面構成図である。 本発明の第4の実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置を示した分解斜視図である。 図7に示したシャシーベース部の部分切開斜視図である。 図7の結合断面構成図である。 本発明の第5の実施形態にかかるプラズマディスプレイ装置を示した断面構成図である。
符号の説明
12 プラズマディスプレイパネル
16 シャシーベース
18 駆動回路部
21 FPC
23 ドライバーIC
25 TCP
27,127 高熱伝導固体部材
32 カバープレート
31,36,41,42,43 熱伝導媒体
50 第1放熱部
60 第2放熱部
51,61 高熱伝導媒体
52,62 低熱伝導媒体
100,200,300 プラズマディスプレイ装置

Claims (10)

  1. プラズマディスプレイパネルと;
    前記プラズマディスプレイパネルと平行に配置され,前記プラズマディスプレイパネルに対向する面の反対側の面に駆動回路部が装着されるシャシーベースと;
    前記駆動回路部より制御される信号に応じて,前記プラズマディスプレイパネルの電極に選択的に電圧を印加するドライバーICと;
    前記ドライバーICの外側に位置し,前記シャシーベースに結合されて前記ドライバーICを前記シャシーベース側に圧着するカバープレートと;
    前記プラズマディスプレイパネルと前記シャシーベースとの間に介在され,前記ドライバーICから放出される熱が実質的に集中する第1領域に位置し,前記第1領域で前記シャシーベースに付着される第1の高熱伝導媒体と,前記プラズマディスプレイパネルに付着される第1の低熱伝導媒体とを含む第1放熱部と;
    前記プラズマディスプレイパネルと前記シャシーベースとの間で,前記第1領域を除いた,第2領域に位置し,前記第2領域で前記プラズマディスプレイパネルに付着される第2の高熱伝導媒体と,前記シャシーベースに付着される第2の低熱伝導媒体とを含む第2放熱部と;
    を備えることを特徴とする,プラズマディスプレイ装置。
  2. 前記プラズマディスプレイパネルの一の周縁部分に相応する前記シャシーベースの周縁部分には,前記ドライバーICが位置することを特徴とする,請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  3. 前記第1領域は,前記ドライバーICの放熱領域であり,
    前記第2領域は,前記プラズマディスプレイパネルの放熱領域であることを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
  4. 前記第1の高熱伝導媒体は,0.5W/mK以上の熱伝導度を有する金属,シリコン,アクリル,グラファイト,ゴム系のシートまたは炭素ナノチューブからなる群より選択される材質で形成され,
    前記第1の低熱伝導媒体は,0.5W/mK以下の熱伝導度を有するプラスチック樹脂,シリコン,アクリル,ゴム系のシートからなる群より選択される材質で形成されることを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
  5. 前記第2の高熱伝導媒体は,0.5W/mK以上の熱伝導度を有する金属,シリコン,アクリル,グラファイト,ゴム系のシートまたは炭素ナノチューブからなる群より選択される材質で形成され,
    前記第2の低熱伝導媒体は,0.5W/mK以下の熱伝導度を有するプラスチック樹脂,シリコン,アクリル,ゴム系のシートからなる群より選択される材質で形成されることを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
  6. 前記ドライバーICは,TCP(Tape Carrier Package)形態にパッケージングされて,前記プラズマディスプレイパネルと前記駆動回路部とを電気的に連結するFPC(Flexible Printed Circuit)に繋がることを特徴とする,請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  7. 前記カバープレートと前記ドライバーICとの間に介在されて,前記ドライバーICより発生する熱を前記カバープレートに伝達する熱伝導媒体を含むことを特徴とする,請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  8. 前記ドライバーICと前記シャシーベースとの間には,高熱伝導固体部材が位置することを特徴とする,請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  9. 前記高熱伝導固体部材と前記ドライバーICとの間に介在されて,前記ドライバーICより発生する熱を前記高熱伝導固体部材に伝達する熱伝導媒体を含むことを特徴とする,請求項に記載のプラズマディスプレイ装置。
  10. 前記熱伝導媒体は,シリコンオイルまたはサーマルグリースであることを特徴とする,請求項に記載のプラズマディスプレイ装置。
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