JP4100880B2 - インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及び第2の水性インク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインクセット、特に、記録信号に応じてオリフィスから吐出させて記録媒体に記録を行う、インクジェット記録に好適に使用できるインクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及び第2の水性インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録方法を用いたカラー記録には、例えば、各々の色調を有する染料を水溶性媒体中に溶解した水性インクが用いられている。これらのインクに対しては、例えば、下記(1)〜(10)に挙げたようなインクジェット記録特性をできるだけ高いレベルで達成できるものであることが望まれる。
(1)充分な濃度の画像を与えること
(2)被記録材上での乾燥性がよいこと
(3)記録画像に滲みがないこと
(4)水、アルコール等と接触しても、記録画像の流れ出しがないこと
(5)記録画像が耐光性に優れること
(6)ノズルの先端での目詰まりを生じないこと
(7)連続印字したときや、長時間放置後の記録開始時に記録画像の掠れ等の不都合が生じないこと
(8)保存時、インクが安定であること
(9)使用時、記録手段を構成する部材と接触しても問題を起さないこと
(10)耐熱性に優れ、且つ、熱エネルギー発生素子に悪影響を与えないこと
【0003】
更に近年では、インクジェット記録物のカラー化が進むと共に、より高精細、高画質な画像の実現が求められている。これらの要求に対し、発色性に優れた色材を選択することで色再現範囲の広いカラー画像を実現し、インク滴を小液滴とすることによって画像のドットサイズを小さくし、これによって高精細な画質の達成を図っている。更には、色材濃度の異なる2種以上の同一の色調のインクを用いることによって、形成しようとする画像の濃淡部分に対応してこれらのインクを使い分けると共に、多様なインク付与プロセスの制御によって、より一層なめらかな画像を得ることが可能となってきている。そして、以上に挙げたような技術を通じて、近年では、インクジェット記録方式により、銀塩写真に匹敵する高画質のインクジェット記録画像が得られている。
【0004】
しかしながら、以上のような技術によって銀塩写真に匹敵するような高画質のインクジェット記録画像の形成ができたとしても、画像の保存時の環境によっては、カラーバランスが崩れ、視覚的に劣化した印象を与えるものになってしまい、画像の耐久性に問題がある場合があった。このため、インクジェット記録画像に対しては、もはや高い画質だけでなく、より優れた耐久性、具体的には、例えば、長期間の保存によっても褪色の少ないインクジェット記録画像が求められるようになってきている。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】
従って、本発明の目的は、画像を長期間保存した場合にも、カラーバランスが崩れにくいインクジェットカラー画像を与えることのできるインクセットを提供することにある。
又、本発明の他の目的は、より一層の耐久性を備え、画像を長期間保存した場合にも、視覚的に劣化が認識しにくいインクジェットカラー画像を形成することのできるインクジェット記録方法、及びそれに用いるインクジェット記録装置を提供することにある。
又、本発明の他の目的は、画像を長期間保存した場合にも、特に、マゼンタカラー画像の劣化に起因する視覚的なカラーバランスの変化を抑えることのできるマゼンタカラーのインクセットを提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、マゼンタカラー画像の劣化等に起因する画像劣化が認識しにくいインクジェットカラー画像の形成に極めて有効に用いることのできる記録ユニット、インクカートリッジを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明のインクセットの一実施態様は、同一の色調の第1及び第2の水性インクを有するインクセットであって、第1及び第2のインクの各々は、少なくとも共通する染料を色材として含み、第2のインクは第1のインクよりも低い色材濃度を有し、且つ、第2のインクによって得られる画像を所定の条件下に放置した後の第2インク画像の反射濃度の残存率が、第1のインクによって得られる画像を上記と同様の条件下に放置した後の第1インク画像の反射濃度の残存率以上であり、該第1インク画像及び第2インク画像の反射濃度の残存率の関係を満足させるために、第1及び第2のインクの各々は少なくとも共通する染料を色材として含み、第1のインクが更に他の染料を色材として含むことを特徴とする。
そして、上記のような態様を採用することによって、長期の保存によってもカラーバランスの崩れの少ないカラー画像を得ることが可能となる。
【0007】
又、上記目的を達成することのできるインクジェット記録装置の一実施態様は、同一の色調を有する第1及び第2の水性インクを収容しているインク収容部と該インクを吐出するためのヘッド部とを備えたインクジェット記録装置であって、第1及び第2のインクの各々は、少なくとも共通する染料を色材として含み、第2のインクは第1のインクよりも低い色材濃度を有し、且つ、第2のインクによって得られる画像を所定の条件下に放置した後の第2インク画像の反射濃度の残存率が、第1のインクによって得られる画像を上記と同様の条件下に放置した後の第1インク画像の反射濃度の残存率以上であり、該第1インク画像及び第2インク画像の反射濃度の残存率の関係を満足させるために、第1及び第2のインクの各々は少なくとも共通する染料を色材として含み、第1のインクが更に他の染料を色材として含むことを特徴とする。
【0008】
更に、上記の目的を達成することのできるインクジェット記録方法の一実施態様は、同一の色調を有し、少なくとも共通の染料を色材として含み、且つ、色材濃度が互いに異なる第1の水性インクと第2の水性インクとを各々記録媒体に付与する工程を有するインクジェット記録方法であって、上記第2のインクは第1のインクよりも低い色材濃度を有し、且つ、第2のインクによって得られる画像を所定の条件下に放置した後の第2インク画像の反射濃度の残存率が、第1のインクによって得られる画像を上記と同様の条件下に放置した後の第1インク画像の反射濃度の残存率以上であり、該第1インク画像及び第2インク画像の反射濃度の残存率の関係を満足させるために、第1及び第2のインクの各々は少なくとも共通する染料を色材として含み、第1のインクが更に他の染料を色材として含むことを特徴とする。
そして、上記のような態様を採用することによって、長期の保存によってもカラーバランスの崩れの少ないインクジェットカラー画像を得ることが可能となる。
【0015】
前記した目的を達成することのできる第2の水性インクの一実施態様は、同一の色調の第1及び第2の水性インクを有するインクセットに用いられる第2の水性インクであって、該第1の水性インクが含有する色材としての染料と共通した染料を色材として含み、且つ第1のインクよりも低い色材濃度を有する第2の水性インクにおいて、該第2のインクによって得られる画像を所定の条件下に放置した後の第2インク画像の反射濃度の残存率が、第1のインクによって得られる画像を上記と同様の条件下に放置した後の第1インク画像の反射濃度の残存率以上であり、該第1インク画像及び第2インク画像の反射濃度の残存率の関係を満足させるために、第1及び第2のインクの各々は少なくとも共通する染料を色材として含み、第1のインクが更に他の染料を色材として含むことを特徴とする。
そして、本発明においては、上記に挙げたような態様を採用することによって、マゼンタ色を有するインク画像の劣化に起因する経時劣化が抑えられた耐久性に優れたインクジェットカラー画像の形成が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明者らは、前記した従来の技術的背景の中で、より優れた耐久性を備えたインクジェットカラー画像の形成を目指して検討を重ねてきた。その検討を通じて、本発明者らは、光褪色が色材濃度の低い淡色部においてより速やかに進むこと、即ち、同一の色調を有する濃度の異なる2種類のインクで形成された画像においては、双方のインクに耐光性能として同レベルの色材を用いた場合でも、淡色インクを用いて形成した画像部分は褪色がより顕著となり、画像全体としてもカラーバランスが崩れ、視覚的に画像劣化がより進んでいる印象を与えがちであるとの知見を得るに至った。又、この傾向は、マゼンタの濃淡インクが関与している画像部分において特に顕著であることがわかった。
【0017】
更に、フォト調の画像を作成する場合には、なめらかな階調性を得るために、中間色部分において淡色インクを多く使用して画像を形成する傾向がある。又、濃色部と淡色部との間での色調の連続性を維持する一つの方法として、色材濃度の異なる濃色インクと淡色インクとの各々に、少なくとも1種類、共通の色材を含有させることが挙げられる。これに対し、本発明者らは、上記したような状況下でインクジェット記録画像の耐久性を向上させるためには、共通の色材を含む濃色インクと淡色インクとの各々による画像の耐久性のバランスをとること、言い換えれば、濃色インクと淡色インクとの組み合わせをどのように設定するかが極めて重要であり、視覚的な画像劣化がとりわけ目立ち易いフォト調のインクジェット記録画像にあって、その耐久性のより一層の向上を図るためには、濃淡インクの最適な組み合わせを見いだすことが特に重要であるとの認識を持つに至った。本発明はこのような認識に基づきなされたものである。
【0018】
従来知られている濃度の異なるインクを用いて耐光性、鮮明性に優れた画像を提供する記録方法としては、特開平2−127482号公報に、マゼンタインクにおいて濃色インクと淡色インクで異なる染料を用いることが開示されている。しかしながら、これらには、濃色部と淡色部との色調の連続性を考慮して濃色インクと淡色インクとに共通の色材を含有させたときに特有の技術課題の提示、更に、かかる課題に対する解決手段の提示は何らなされていない。本発明者らの検討によれば、本発明の一態様に用いている一般式(I)で示されるアントラピリドン骨格を有するマゼンタ色の色材は、上記の特開平2−127482号公報で淡色インクに用いられる染料に比べて、かなり上回る耐光性を有するものであり、濃色インクに用いた場合においても、優れた耐光性と鮮明性とを両立した画像が提供されることがわかった。
【0019】
又、特開昭59−74173号公報、特開平2−16171号公報等には、アントラピリドン骨格を有する染料を用いたマゼンタ色の水性染料インクが開示され、該染料が耐光性に優れていることが記載され、又、特開昭57−197191号公報、特開2000−169776公報には、アントラピリドン骨格を有する染料を含むマゼンタ色の水性染料インクを用いたインクジェットカラープリント方式が開示されている。しかし、これらの発明には、アントラピリドン系マゼンタ染料と他のマゼンタ染料との混合については何らの開示もなく、まして、複数のインクを用いた混合系のインクによって形成した画像の耐光性の向上効果については、示唆すらされていない。更に、画像濃度の異なる同一色調の2種以上のインクを使用することによって、高画質化と耐光性の向上の両立を図ることについても何ら記載はない。
【0020】
(第1及び第2の態様)
本発明の第1の態様にかかる特徴事項の1つは、カラー画像の形成に、色材濃度の異なる2種のインクを用いるにあたり、2種のインクとして、同一の色調の第1及び第2の水性インクであって、これらのインクの各々が、少なくとも共通の色材を含み、且つ、第2のインクは、第1のインクよりも低い色材濃度を有し、更に、第2のインクによって得られた画像が、第1のインクによって得られた画像と比較して、光褪色の程度を同程度か若しくは少なくしたものを用いる点にある。
【0021】
前述したように、本発明者らは、同一の色調を有する濃度の異なる2種類のインクで形成された画像においては、光褪色が色材濃度の低い淡色部においてより速やかに進み、双方のインクに耐光性能として同レベルの色材を用いた場合でも、淡色インクを用いて形成した画像部分は褪色がより顕著となり、この結果、画像全体としてもカラーバランスが崩れ、視覚的に画像劣化がより進んでいる印象を与えることを見いだした。そこで、かかる現象を抑制すべく、本発明では、同一の色調の、少なくとも共通の色材を含む第1及び第2の水性インクを有するインクセットを構成する場合に、色材濃度の低い第2のインクによって得られる画像を、色材濃度の高い第1のインクによって得られる画像と比較して、光褪色の程度を同程度か、若しくは少なくしたものを用いる。
【0022】
又、本発明の第2の態様にかかる特徴事項の1つは、カラー画像の形成に色材濃度の異なる2種のインクを用いるにあたり、2種のインクとして、同一の色調の第1及び第2の水性インクであって、これらのインクの各々が少なくとも共通の色材を含み、且つ、第2のインクは、第1のインクよりも低い色材濃度を有し、更に、第2のインクによって得られる画像を所定の条件下に放置した後の第2インク画像の反射濃度の残存率が、第1のインクによって得られる画像を上記と同様の条件下に放置した後の第1インク画像の反射濃度の残存率以上である点にある。ここで、第1及び第2のインクによって得られる夫々の画像の反射濃度残存率は80%以上であることが好ましい。また、上記の所定の条件とは、例えば、キセノンランプでの6,000klux・hr.程度の照射が挙げられる。即ち、このような条件下に放置した場合には、インク画像が光褪色し、反射濃度が低下して、視覚的な画像劣化が生じる。そこで、本発明では、同一の色調の、少なくとも共通の色材を含む第1及び第2の水性インクを有するインクセットを構成する場合に、上記したような画像劣化の起こり易い一定の条件下に放置した際に生じる、相対的に色材濃度の低い第2のインクによって得られた画像に対する反射濃度の残存率の低下が、相対的に色材濃度の高い第1のインクによって得られる画像に対する反射濃度の残存率の低下以上にならないように、色材濃度の高い第1のインクと、色材濃度の低い第2のインクを組み合わせて用いる。
【0023】
第1及び第2のインクをこのような関係にする1つの方法としては、第1及び第2のインク中の色材を適宜に選択したインクを組み合わせたインクセットを用いる方法が挙げられる。例えば、第1のインクに少なくとも2種の色材を含むインクセット、或いは、当該インクセットがシアンの色調を有するものとする場合には、例えば、第1及び第2のインクの共通の色材としてC.I.ダイレクトブルー199を用い、第1のインクに、色材として更にC.I.アシッドブルー9を用いる組み合わせや、共通の色材としてC.I.アシッドブルー307を用い、第1のインクに、色材として更にC.I.アシッドブルー9を用いる組み合わせ等が挙げられる。
又、インクセットがイエローの色調を有するものとする場合には、例えば、第1及び第2のインクの共通の色材としてC.I.ダイレクトイエロー86を用い、第1のインクに、更にC.I.アシッドイエロー23を用いる組み合わせや、両インクの共通の色材としてC.I.ダイレクトイエロー132を用い、第1のインクに、更にC.I.アシッドイエロー23を用いる組み合わせ等が挙げられる。
【0024】
次に、インクセットが、マゼンタの色調を有するものの場合について、以下に説明する。
(色材)
本発明のインクセットに用いることのできる色材については、特に限定されるものではないが、カラーインデックスに記載されている、例えば、水溶性のキサンテン系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、モノアゾ系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、テトラアゾ系、銅フタロシアニン系の染料等を用いることが好ましい。
【0025】
マゼンタ色の第1及び第2のインクに共通に用いる好適な色材としては、例えば、下記一般式(I)で示されるアントラピリドン系の染料が挙げられる。
上記一般式(I)中、R1は、置換若しくは未置換のアルコキシ基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表し、R2及びR4は、各々独立に、水素原子又は置換若しくは未置換のアルキル基を表し、R3は、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルコキシ基、置換若しくは未置換のアリールオキシ基又はハロゲン原子を表す。X1は、カルボキシル基若しくはその塩、又はスルホン酸基若しくはその塩を表す。nは1又は2を表す。
【0026】
上記一般式(I)中のR1〜R4について、より具体的には、R1としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルコキシ基や置換若しくは未置換のフェニル基等が挙げられる。ここで、フェニル基の置換基としては、例えば、メチル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン酸基若しくはその塩、カルボキシル基若しくはその塩又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)等が挙げられる。R2としては、例えば、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状の低級アルキル基等が挙げられ、R3としては、例えば、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルコキシ基、さらにはアリールオキシ基として、例えばフェノキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基を構成するアリール基は、例えば炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、スルホン酸基若しくはその塩、カルボキシル基若しくはその塩等で置換されていても良い。更に、R4としては、例えば、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状の低級アルキル基等が挙げられる。又、X1について詳述すると、X1としては、例えば、−COOMや−SO3M[但し、Mは、水素原子、アルカリ金属(例えば、Li、Na等)、アンモニウム(NH4)、有機アンモニウム(N(R8)4)]等が挙げられる。ここで、R8としては、メチル基又はエチル基等が挙げられる。
【0027】
又、上記した色材に共に使用することのできる第1のインクに追加して添加する染料としては、キサンテン系の染料、例えば、C.I.アシッドレッド52やC.I.アシッドレッド289等から選ばれる少なくとも1つの染料、下記一般式(II)及び(III)から選ばれる少なくとも1つの染料、若しくはそれらの両方が挙げられる。特に、第1のインク中の色材として、上記した一般式(I)で示される染料と下記一般式(II)で示される染料とC.I.アシッドレッド289とを組み合わせた場合は、当該インクによる画像のマゼンタの色調は特に優れたものとなり、カラーバランスの変化抑制効果とあいまって、写真調のカラー画像の形成のためには特に好ましいものである。
【0028】
上記一般式(II)中、Ar1は置換若しくは未置換のフェニル基、又は置換若しくは未置換のナフチル基を表し、Ar2は、アセチル基、ベンゾイル基、1,3,5−トリアジニル基、SO2−C6H5基又はSO2−C6H4−CH3基のいずれかを表す。Mは、スルホン酸基の対イオンであり、水素原子、アルカリ金属(例えば、Li、Na等)、アンモニウム(NH4)及び有機アンモニウム(N(R9)4)のいずれかを表す。ここでR9としては、メチル基またはエチル基等が挙げられる。
【0029】
上記Ar1のフェニル基やナフチル基は、例えば、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基等から選ばれる1つ又は2つ以上の基や原子で置換されていてもよい。また上記Ar2が、ベンゾイル基若しくは1,3,5−トリアジニル基である場合には、ベンゼン環若しくは1,3,5−トリアジン環中の少なくとも1つの水素原子が、カルボキシル基やその塩、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、1〜3級アミノ基、アルコキシ基、水酸基等で置換されていてもよい。
【0030】
上記一般式(III)中、Ar3及びAr4は、各々独立に、置換若しくは未置換のフェニル基、又は置換若しくは未置換のナフチル基を表す。フェニル基やナフチル基の置換基としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルコキシル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)等が挙げられ、Ar3及びAr4の少なくとも1つはカルボキシル基若しくはその塩、或いはスルホン酸基若しくはその塩の置換基を有す。Mは、スルホン酸基の対イオンであり、水素原子、アルカリ金属(例えば、Li、Na等)、アンモニウム(NH4)及び有機アンモニウム(N(R10)4)のいずれかを表す。ここで、R10としては、メチル基又はエチル基等が挙げられる。R5は、1,3,5−トリアジンジイル基を表し、1,3,5−トリアジン環中の少なくとも1つの水素原子が、カルボキシル基やその塩、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、1〜3級アミノ基、アルコキシ基、水酸基等で置換されていてもよい。
R6及びR7は、独立に、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルケニル基置換若しくは未置換のアラルキル基又はNと共にペルヒドロキシアジン環を形成するに必要な原子群を表し、Lは、2価の有機連結基を表す。R6及びR7について、より具体的には、例えば、炭素数1〜6の直鎖上若しくは分岐鎖状のアルキル基や炭素数1〜4の直鎖上若しくは分岐鎖状のアルケニル基やベンジル基等があげられる。ここで、アルキル基、アルケニル基及びベンジル基の置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩等が挙げられる。
【0031】
以下に、本発明において好適に用いられる上記一般式(I)で示される第1の色材の具体例として、例示化合物I−1〜I−7を示すが、本発明はこれらの色材に限定されるものではない。又、これらの色材を同時に2種類以上用いてもよい。以下、例示化合物I−1〜I−7中のMは、H、Li、Na、NH4及びN(R8)4のいずれかを表す。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
本発明に好適に用いられる色材である前記一般式(II)で表される化合物としては、例えば、C.I.Reactive Red 180や、以下に挙げる構造を有する例示化合物II−8〜II−13、更には、特開平8−73791号公報、特開平11−209673号公報等に記載されている構造の化合物が挙げられる。以下、例示化合物II−8〜II−13中のMは、H、Li、Na、NH4及びN(R9)4のいずれかを表す。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
本発明において、好適な色材として用いられる一般式(III)の化合物としては、下記構造を有する例示化合物III−14〜III−22が挙げられる。以下、例示化合物III−14〜III−22中のMは、H、Li、Na、NH4及びN(R10)4のいずれかを表す。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
マゼンタ系の第1のインク中における一般式(I)で表される色材と、一般式(I)以外の色材との質量比は、鮮明な色調と高い画像濃度と更に優れた耐光性が得られるという効果を考慮すると、95:5〜20:80の範囲とすることが好ましい。
ところで、本発明において使用する各インクは、そのインクの色調に関わらず、各インクにおける全色材の含有量が、色材濃度の高い第1のインクの濃色インクおいては、インク全量に対して1.0〜15.0質量%、色材濃度の低い第2のインクの淡色インクおいては、インク全量に対して0.1〜5.0質量%の範囲のものを用いることが好ましい。
【0046】
(水性媒体)
本発明で使用する各インクは、上記に挙げたような色材と水性媒体とを有する水性インクである。この際に使用する水性媒体としては、水、又は水と水溶性有機溶剤との混合媒体に含まれる水溶性有機溶剤は、水溶性を示すものであれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤はインクの保湿性維持や色材の溶解性向上、インクの記録紙への効果的な浸透等を考慮すると、水溶性有機溶剤の含有量は、インク全体の1〜40質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは3〜30質量%の範囲とする。又、色材である染料のインク中における溶解性が良好であり、安定したインク吐出のための粘度を有し、且つ、ノズル先端における目詰まりを生じさせないために、インク中の水の含有量は30〜95質量%の範囲が好ましい。
【0047】
(pH)
本発明で使用する各インクのpHは、色材の溶解度性を満足するものであれば特に限定されるものではない。但し、安全性等の面を考慮すると、pH4.0〜11.0の範囲内のものが好ましい。
【0048】
(添加剤)
本発明で使用する各インクを作製する場合には、インクの保湿性維持のために、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン等の保湿性固形分もインク成分として用いてもよい。尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン等、保湿性固形分のインク中の含有量は、一般には、インクに対して0.1〜20.0質量%の範囲が好ましく、より好ましくは3.0〜10.0質量%の範囲である。更に本発明で使用する各インクには、上記成分以外にも、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー等、種々の添加剤を含有させてもよい。
以上説明した本発明のインクセットの各実施態様にかかるインクは、熱エネルギーの作用により液滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録方式にとりわけ好適に用いられるが、他のインクジェット記録方法や一般の筆記用具としても使用できることはいうまでもない。
【0049】
(記録装置、インクカートリッジ、記録ユニット)
ところで、本発明のインクセットを用いて記録を行うのに好適な記録装置としては、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーによりオリフィスより液滴を吐出させる本発明のインクジェット記録装置が挙げられる。
【0050】
その主要部である記録ヘッドの構成例を、図1〜図3に示した。図1は、インクの流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は、図1のA−B線での断面図である。ヘッド13は、インクを通す溝14を有するガラス、セラミックス、又はプラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱抵抗体を有する発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は、酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、畜熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基板20より成っている。インク21は、吐出オリフィス(微細孔)22まで満たされており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
【0051】
ここで電極17−1及び17−2に電気信号が加わると、発熱ヘッド15nで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生する。その圧力でメニスカスが吐出し、オリフィス22より記録液滴24となり、被記録材(記録媒体)25に向かって飛翔する。図3には図1に示したノズルを多数並べた、マルチ溝26を有する記録ヘッドの概略図を示す。該記録ヘッドは多数の流路を有するガラス板等27と図1において説明したヘッドと同様の発熱ヘッド28を密着して作られる。
【0052】
図4に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示した。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端は、ブレード保持部材によって保持されて、固定端となりカンチレバーの形態をなす。ブレード61は、記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設され、又、図4に示した例の場合は、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して、吐出面と当接しキャッピングを行う構成を具える。更に、図4中の63は、ブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵やほこり等の除去が行われる。
【0053】
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は、記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68(不図示)によって駆動されるベルト69と接続している。これにより、キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
51は、被記録材を挿入するための給紙部、52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて、排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
【0054】
上記構成において、記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中へ突出するように移動する。
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても、記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
上記した記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って、上記ワイピングが行われる。
【0055】
図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す断面図である。ここで40は供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にできる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。本発明においては、このようなインクカートリッジのインク収容部に、本発明のインクセットを構成する第1のインク及び第2のインクを各々充填し、各々のインクカートリッジを、各々のインクを吐出させるためのインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェットプリンタのヘッドに装着して画像形成を行なうことで、本発明の優れた効果の達成を図る。
【0056】
又、本発明のインクセットを構成する第1のインク及び第2のインクが夫々充填された本発明のカートリッジの他の例としては、例えば、図7に示したような、第1のインクと第2のインクとを各々個別に収納している2つの収容部703及び705を備え、図8に示したように、各々のインクを個別に吐出させるためのインクジェットヘッドに対して着脱可能に構成されているカートリッジ701が挙げられる。具体的には、図7において、701がカートリッジであり、703は第1のインクを収容している第1のインク収容部、705が第2のインクを収容している第2のインク収容部である。そして、図7に示したような構成のカートリッジは、図8に示すように、第1のインク及び第2のインクの色材濃度の異なる2種類のインク各々を吐出せしめる記録ヘッド801に着脱可能に構成されてなると共に、該カートリッジ701を記録ヘッド801に装着した状態では、2種類の色材濃度の異なるインクが、記録ヘッド801に供給されるように構成されている。
【0057】
本発明のインクジェット記録装置としては、上記の如き記録ヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示すように、それらが一体になったものも好適に用いられる。図6において、70は記録ユニットであって、この中には、本発明のインクセットを構成する各インクが収容されているインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが、複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。72は、記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッド65に代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
【0058】
更に、本発明の他の実施態様としては、本発明のインクセットを構成する第1のインクと第2のインクとを、1個のインクタンク内の各々のインク収納部に収納し、且つ、各々のインクを吐出させるための記録ヘッドを一体的に備えた記録ユニット、具体的には、例えば、図9に示すように第1のインクを収容部901に、又、第2のインクを収納部903に収納し、更に各々のインクを個別に吐出させることができるようにインク流路を分けて構成した記録ヘッド905を備えているような記録ユニット907が挙げられる。
尚、上記では、本発明に使用される記録装置として、インクに熱エネルギーを作用させてインク液滴を吐出するインクジェット記録装置を例に挙げたが、その他、圧電素子を使用するピエゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に利用することができる。
【0059】
次に、本発明に好適に使用できる記録装置及び記録ヘッドの他の具体例について説明する。
図10は、本発明に好適な吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の液体吐出ヘッドとしての液体吐出ヘッド、及び、この液体吐出ヘッドを用いる液体吐出装置としてのインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。図10に示したインクジェットプリンタは、ケーシング1008内に、長手方向に沿って設けられる被記録材としての用紙1028を、図10に示す矢印Pで示す方向に間欠的に搬送するための搬送装置1030と、該搬送装置1030による用紙1028の搬送方向Pに略直交する方向Sに略平行に、ガイド軸1014に沿って往復運動せしめられる記録部1010と、記録部1010を往復運動させるための駆動手段としての移動駆動部1006とを含んで構成されている。
【0060】
上記搬送装置1030は、互いに略平行に対向配置されている一対のローラユニット1022a及び1022bと、一対のローラユニット1024a及び1024bと、これらの各ローラユニットを駆動させるための駆動部1020とを備えている。かかる構成により、搬送装置1030の駆動部1020が作動状態とされると、用紙1028が、夫々のローラユニット1022a及び1022bと、ローラユニット1024a及び1024bにより狭持されて、図10に示す矢印P方向に間欠送りで搬送されることとなる。
又、移動駆動部1006は、所定の間隔をもって対向配置される回転軸に配されるプーリ1026a及び1026bに巻きかけられるベルト1016と、ローラユニット1022a及び1022bに略平行に配置され、且つ、記録部1010のキャリッジ部材1010aに連結されるベルト1016を順方向及び逆方向に駆動させるためのモータ1018、とを含んで構成されている。
【0061】
そして、モータ1018が作動状態とされてベルト1016が図10の矢印R方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは、図10の矢印S方向に所定の移動量だけ移動される。又、モータ1018が作動状態とされてベルト1016が図10の矢印R方向とは逆方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは、図10の矢印S方向とは反対の方向に所定の移動量だけ移動されることとなる。更に、この移動駆動部1006の一端部には、キャリッジ部材1010aのホームポジションとなる位置に、記録部1010の吐出回復処理を行うための回復ユニット1026が、記録部1010のインク吐出口配列に対向して設けられている。
【0062】
記録部1010には、インクジェットカートリッジ(以下、単にカートリッジと記述する場合がある)1012Y、1012M、1012C及び1012Bが、各色用毎に、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラック用毎に、キャリッジ部材1010aに対して夫々着脱自在に備えられている。
【0063】
図11に、上述のインクジェット記録装置に搭載可能なインクジェットカートリッジの一例を示した。本例におけるカートリッジ1012は、シリアルタイプのものであり、インクジェット記録ヘッド100と、インク等の液体を収容するための液体タンク1001とで主要部が構成されている。インクジェット記録ヘッド100は、液体を吐出するための多数の吐出口832が形成されており、インク等の液体は、液体タンク1001から図示しない液体供給通路を介して液体吐出ヘッド100の共通液室(図12参照)へと導かれるようになっている。図11に示したカートリッジ1012は、インクジェット記録ヘッド100と液体タンク1001とを一体的に形成し、必要に応じて液体タンク1001内に液体を補給できるようにしたものであるが、この液体吐出ヘッド100に対し、液体タンク1001を交換可能に連結した構造を採用するようにしてもよい。
【0064】
以下に、上記したような構成のインクジェットプリンタに搭載され得る液体吐出ヘッドの具体例を、更に詳しく説明する。
図12は、本発明の基本的な形態を示す液体吐出ヘッドの要部を模式的に示す概略斜視図であり、図13〜図16は、図12に示した液体吐出ヘッドの吐出口形状を示す正面図である。尚、電気熱変換素子を駆動するための電気的な配線等は省略している。
【0065】
本例の液体吐出ヘッドにおいては、例えば、図12に示されるような、ガラス、セラミックス、プラスチック或いは金属等からなる基板934が用いられる。このような基板の材質は、本質的なものではなく、流路構成部材の一部として機能し、インク吐出エネルギー発生素子、及び後述する液流路、吐出口を形成する材料層の支持体として機能し得るものであれば、特に限定されるものではない。本例では、Si基板(ウエハ)を用いた場合で説明する。吐出口は、レーザー光による形成方法の他、例えば、後述するオリフィスプレート(吐出口プレート)935を感光性樹脂として、MPA(Mirror Projection Aliner)等の露光装置により形成することもできる。
【0066】
図12において、934は、電気熱変換素子(以下、ヒータと記述する場合がある)931及び共通液室部としての長溝状の貫通口からなるインク供給口933を備える基板であり、インク供給口933の長手方向の両側に、熱エネルギー発生手段であるヒータ931が夫々1列ずつ千鳥状に、例えば、電気熱変換素子(ヒータ)の間隔が300dpiで配列されている。この基板934上には、インク流路を形成するためのインク流路壁936が設けられている。このインク流路壁936には、更に、吐出口832を備える吐出口プレート935が設けられている。
【0067】
ここで、図12においては、インク流路壁936と吐出口プレート935とは、別部材として示されているが、このインク流路壁936を、例えば、スピンコート等の手法によって基板934上に形成することにより、インク流路壁936と吐出口プレート935とを同一部材として同時に形成することも可能である。本例では、更に、吐出口面(上面)935a側は、撥水処理が施されている。
【0068】
本例では、先に説明した図10の矢印S方向に走査しながら記録を行うシリアルタイプのヘッドを用い、例えば、1200dpiで記録を行う。駆動周波数は10kHzであり、一つの吐出口では、最短時間間隔100μs毎に吐出を行うことになる。又、ヘッドの実例寸法の一例としては、例えば、図13に示すように、隣接するノズルを流体的に隔離する隔壁936aは、幅w=14μmである。図中の1337は発泡室を示す。又、図16に示すように、インク流路壁936により形成される発泡室1337は、N1(発泡室の幅寸法)=33μm、N2(発泡室の長さ寸法)=35μmである。ヒータ931のサイズは30μm×30μmで、ヒータ抵抗値は53Ωであり、駆動電圧は10.3Vである。又、インク流路壁936及び隔壁936aの高さは12μmで、吐出口プレート935の厚さは11μmのものが使用できる。
【0069】
図12に示した、吐出口832を含む吐出口プレート935に設けられた吐出口部940の断面のうち、インクの吐出方向(オリフィスプレート935の厚み方向)に交差する方向で切断してみた断面の形状は、図14に示したように、概略星形となっており、鈍角の角を有する6つの起部832aと、これら起部832aの間に交互に配され、且つ、鋭角の角を有する6つの伏部832bとから概略構成されている。即ち、吐出口の中心Oから局所的に離れた領域としての伏部832bをその頂部、この領域に隣接する吐出口の中心Oから局所的に近い領域としての起部832aをその基部として、図12に示すオリフィスプレートの厚み方向(液体の吐出方向)に、6つの溝1141が形成されている(図14参照)。
【0070】
本例においては、吐出口部940は、例えば、その厚み方向に交差する方向で切断した断面が、一辺27μmの二つの正三角形を60度回転させた状態で組み合わせた形状となっており、図14に示すT1は8μmである。起部832aの角度はすべて120度であり、伏部832bの角度はすべて60度である。従って、吐出口の中心Oと、互いに隣接する溝の中心部(溝の頂部と、この頂部に隣接する2つの基部とを結んでできる図形の中心(重心))を結んで形成される多角形の重心Gとが一致するようになっている。本例の吐出口832の開口面積は400μm2であり、溝部の開口面積(溝の頂部と、この頂部に隣接する2つの基部とを結んでできる図形の面積)は、1つあたり約33μm2となっている。図15は、図14に示した吐出口の部分のインク付着状態を示す模式図であるが、図中のCは濡れインクである。
【0071】
次に、上述した構成のインクジェット記録ヘッドによる液体の吐出動作について、図17〜図24を用いて説明する。図17〜図24は、図12〜図16に記載の液体吐出ヘッドの液体吐出動作を説明するための断面図であり、図16に示す発泡室1337のX−X断面図である。この断面において、図12に示した吐出口部940のオリフィスプレート厚み方向の端部は、溝1141の頂部1141aとなっている。図17は、ヒータ上に膜状の気泡が生成した状態を示し、図18〜図24は、その後の気泡の状態を経時的に表したものである。即ち、図18は、図17の約1μs後、図19は、図17の約2μs後、図20は、図17の約3μs後、図21は、図17の約4μs後、図22は、図17の約5μs後、図23は、図17の約6μs後、図24は図17の約7μs後の状態を夫々示している。尚、以下の説明において、「落下」又は「落とし込み」、「落ち込み」とは、所謂、重力方向への落下という意味ではなく、ヘッドの取り付け方向によらず、電気熱変換素子の方向への移動のことを意味している。
【0072】
先ず、図17に示すように、記録信号等に基づいたヒータ931への通電に伴い、ヒータ931上の液流路1338内に気泡101が生成されると、約2μs間に、図18及び図19に示すように、気泡101は急激に体積膨張して成長する。気泡101の最大体積時における高さは吐出口面935aを上回るが、このとき、気泡の圧力は大気圧の数分の1から10数分の1にまで減少している。
【0073】
次に、気泡101の生成から約2μs後の時点で、上述のように、気泡101は最大体積から体積減少に転じるが、これとほぼ同時に、メニスカス102の形成も始まる。図20に示すように、このメニスカス102もヒータ931側への方向に後退、即ち、落下してゆく。ここで、本例においては、先に述べたように、吐出口部に複数の溝1141を分散させて有していることにより、メニスカス102が後退する際に、溝1141の部分では、メニスカス102の後退方向FMとは反対方向FCに毛管力が作用する。その結果、仮に何らかの原因により気泡101の状態に多少のバラツキが認められたとしても、メニスカス102の後退時のメニスカス及び主液滴(以下、液体又はインクと記述する場合がある)Iaの形状が、吐出口中心に対して略対称形状となるように補正される。
【0074】
そして、本例では、このメニスカス102の落下速度が気泡101の収縮速度よりも速いために、図21に示すように、気泡の生成から約4μs後の時点で気泡101が吐出口832の下面近傍で大気に連通する。このとき、吐出口832の中心軸近傍の液体(インク)は、ヒータ931に向かって落ち込んでゆく。これは、大気に連通する前の気泡101の負圧によってヒータ931側に引き戻された液体(インク)Iaが、気泡101が大気と連通した後も慣性でヒータ931面方向の速度を保持しているからである。ヒータ931側に向かって落ち込んでいった液体(インク)は、図22に示すように、気泡101の生成から約5μs後の時点でヒータ931の表面に到達し、図23に示すようにヒータ931の表面を覆うように拡がってゆく。
【0075】
このようにヒータ931の表面を覆うように拡がった液体は、ヒータ931の表面に沿った水平方向のベクトルを有するが、ヒータ931の表面に交差する、例えば、垂直方向のベクトルは消滅し、ヒータ931の表面上に留まろうとし、それよりも上側の液体、即ち、吐出方向の速度ベクトルを保つ液体を下方向に引っ張ることになる。その後、ヒータ931の表面に拡がった液体と上側の液体(主液滴)との間の液体Ibが細くなってゆき、図24に示したように、気泡101の生成から約7μs後の時点でヒータ931の表面の中央で液体Ibが切断され、吐出方向の速度ベクトルを保つ主液滴Iaと、ヒータ931の表面上に拡がった液体Icとに分離される。このように、分離の位置は、液流路1338内部、より好ましくは、吐出口832よりも電気熱変換素子(ヒータ)931側が望ましい。
【0076】
主液滴Iaは、吐出方向に偏りがなく、吐出ヨレすることなく、吐出口832の中央部分から吐出され、被記録材の被記録面の所定位置に着弾される。又、ヒータ931の表面上に拡がった液体Icは、従来であれば、主液滴の後続としてサテライト滴となって飛翔するものであるが、ヒータ931の表面上に留まり、吐出されない。このように、サテライト滴の吐出を抑制することができるため、サテライト滴の吐出により発生し易いスプラッシュを防止することができ、霧状に浮遊するミストにより被記録材の被記録面が汚れるのを確実に防止することができる。尚、図18〜24において、Iはインクを、Idは溝部に付着したインク(溝内のインク)を、又、Ieは液流路内に残存しているインクを表している。
【0077】
上記で説明したように、本例の液体吐出ヘッドでは、気泡が最大体積に成長した後の体積減少段階で液体を吐出する際に、吐出口の中心に対して分散した複数の溝により、吐出時の主液滴の方向を安定化させることができる。その結果、吐出方向のヨレのない、着弾精度の高い液体吐出ヘッドを提供することができる。又、高い駆動周波数での発泡ばらつきに対しても吐出を安定して行うことができることにより、高速高精細印字を実現することができる。
【0078】
特に、気泡の体積減少段階で、この気泡を始めて大気と連通させることで液体を吐出することにより、気泡を大気に連通させて液滴を吐出する際に発生するミストを防止できるので、所謂、突然不吐の要因となる、吐出口面に液滴が付着する状態を抑制することもできる。又、本発明に好適に使用できる、吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の記録ヘッドの他の実施態様としては、例えば、日本特許登録第2783647号に記載のように、所謂エッジシュータータイプが挙げられる。
【0079】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。尚、特に指定のない限り、実施例、比較例のインク成分は「質量部」を意味する。
<実施例1〜7、比較例1〜6>
下記のインク組成1に示した各成分に、表1又は2に示した色材を表中に示した量加え、更にイオン交換水を加えて全体量を100部としたものを混合し、その後、0.20μmフィルターにて加圧濾過を行って、各々の色材濃度の異なる2種類のインクからなる実施例1〜7、比較例1〜6のインクセットを夫々作製した。
【0080】
(インク組成1)
・グリセリン 5.0部
・尿素 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)0.3部
・エタノール 5.0部
【0081】
【0082】
【0083】
<評価>
上記で得られた実施例1〜7と比較例1〜6の各インクセットについて、インクセットを構成している第1及び第2のインクを夫々用いて画像を形成し、下記の方法で第1及び第2インクの耐光性、及び第1インクの発色性の評価を行なった。その際、インクジェット記録装置を使用して画像形成を行ったが、発熱素子をインク吐出のエネルギー源にするオンデマンド式インクジェットプリンタを使用して印字を行った。
【0084】
[耐光性]
インクジェットプリンタに、色材濃度の高い濃インク(第1のインク)と、色材濃度の低い淡インク(第2のインク)とが組み合わされて構成されている上記各実施例若しくは比較例のインクセットをセットし、PPC用紙(キヤノン製)及び光沢紙(PR−101;キヤノン製)の2種類の被記録材に夫々ベタ部を印字した印字物を得た。得られた夫々の印字物を24時間自然乾燥させ、紫外線カットフィルターを装着したキセノンフェードメーターCi3000(アトラス社製)にて、槽内温度35℃、相対湿度60%の条件下で、照射強度60kluxで100時間曝露照射した。そして、反射濃度計マクベスRD−918(商品名:マクベス社製)で、試験前後での印字物の各インク画像の反射濃度を測定し、試験後における濃度残存率を求めた。その時の濃色インク(第1のインク)における濃度残存率を下記基準で評価し、表3中の[1−a]に示した。更に、得られた濃度残存率を用い、各インクセットを構成する第1及び第2インク間の濃度残存率を比較し、そして、下記基準を用いて評価し、表3中の[1−b]に示した。
【0085】
[1−a]濃色インク(第1のインク)の濃度残存率
A:濃色インクの濃度残存率が80%以上
B:濃色インクの濃度残存率が60%以上80%未満
C:濃色インクの濃度残存率が60%未満
【0086】
[1−b]濃色(第1)インクと淡色(第2)インクとの耐光性の比較
A:淡色インクの濃度残存率が濃色インクの濃度残存率以上
B:淡色インクの濃度残存率が濃色インクの濃度残存率未満
【0087】
[発色性]
上記で得られた実施例1〜7と比較例1〜6の各インクセットを構成しているインクのうちの濃色インク(第1インク)を夫々用いて画像を形成し、下記の方法で発色性を調べた。前記のインクジェットプリンタに、各インクセットを構成するインクの色材濃度の高い濃色インク(第1インク)をセットして、PPC用紙(キヤノン製)及び光沢紙(PR−101;キヤノン製)の2種類の被記録材を用い、その各々にベタ部を印字した。得られた印字物を24時間自然乾燥させ、その発色性を目視にて観察し、下記の基準で評価し、結果を表3中に示した。
AA:特に鮮やかな色調を有するもの。
A:鮮やかな色調を有するもの。
B:ややくすみのある色調を有するもの。
【0088】
【0089】
更に、上記の実施例及び比較例のインクセットで形成した印刷物について、耐光性を評価するために用いた光を照射する前後の印字物を夫々目視にて対比して、各印字物について褪色の様子を観察した。この結果、実施例1〜7のインクセットを使用して形成した印字物はいずれのものも、相対的に色材濃度の高い第1のインクによる印刷部分と、相対的に色材濃度の低い第2のインクによる印刷部分は、共に顕著な褪色は認められなかった。これに対し、比較例1〜6のインクセットを使用して形成した印字物は、光を照射した後の第2インクによる印刷部分の褪色によって部分的に色調の変化がみられ、このことが試験後の印字物に対して褪色が顕著であるとの印象を与えていることがわかった。本発明のインクセットを構成する第1及び第2のインクを用いて形成した画像は、耐光劣化速度の差に起因するカラー画像の経時的なカラーバランスの変化を抑制できることがわかった。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各種の記録用紙に印字した際に優れた耐光性と鮮明な画像を提供することができるインクセット、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法が提供される。又、本発明によれば、形成した画像を長期間保存した場合にも、カラーバランスが崩れにくいインクジェットカラー画像を与えることのできるインクセット、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法が提供される。
又、本発明によれば、画像により一層の耐久性を備え、画像を長期間保存した場合にも、視覚的に劣化が認識しにくいインクジェットカラー画像を形成することのできるインクジェット記録方法及びそれに用いるインクジェット記録装置、記録ユニット及びインクカートリッジが提供される。
更に、本発明によれば、画像を長期間保存した場合にも、特に、マゼンタカラー画像の劣化に起因する視覚的なカラーバランスの変化を抑えることのできるマゼンタ色のインクセット、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法が提供される。更に、本発明によれば、マゼンタカラー画像の劣化等に起因する画像劣化が認識しにくい優れたインクジェットカラー画像の形成に極めて有効に用いることのできる記録ユニット、インクカートリッジが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図である。
【図3】インクジェット記録装置のヘッド部の外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【図7】本発明のインクカートリッジの一実施態様を示す概略図である。
【図8】図7のインクカートリッジを装着した記録ヘッドの概略図である。
【図9】本発明の記録ユニットの一実施態様を示す概略図である。
【図10】液体吐出ヘッドを搭載可能なインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。
【図11】液体吐出ヘッドを備えたインクジェットカートリッジの一例を示す概略斜視図である。
【図12】液体吐出ヘッドの一例の要部を模式的に示す概略斜視図である。
【図13】液体吐出ヘッドの一例の一部を抽出した概念図である。
【図14】図13に示した吐出口の部分の拡大図である。
【図15】図14に示した吐出口の部分のインク付着状態を示す模式図である。
【図16】図13における主要部の模式図である。
【図17】図16中のX−X矢視断面形状に対応し、図18〜図24と共に液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図18】図16中のX−X矢視断面形状に対応し、図17及び図19〜図24と共に液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図19】図16中のX−X矢視断面形状に対応し、図17、図18及び図20〜図24と共に液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図20】図16中のX−X矢視断面形状に対応し、図17〜図19及び図21〜図24と共に液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図21】図16中のX−X矢視断面形状に対応し、図17〜図20及び図22〜図24と共に液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図22】図16中のX−X矢視断面形状に対応し、図17〜図21、図23及び図24と共に液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図23】図16中のX−X矢視断面形状に対応し、図17〜図22及び図24と共に液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図24】図16中のX−X矢視断面形状に対応し、図17〜図23と共に液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
13:ヘッド
14:溝
15:発熱ヘッド
16:保護膜
17−1、17−2:アルミニウム電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス
23:メニスカス
24:記録液滴
25:被記録材
26:マルチ溝
27:ガラス板等
28:発熱ヘッド
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ワイピング部材(ブレード)
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モータ
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
100:インクジェット記録ヘッド
101:気泡
102:メニスカス
701:カートリッジ
703:第一のインク収容部
705:第二のインク収容部
801:記録ヘッド
832:吐出口
832a:起部
832b:伏部
901:第一のインク収容部
903:第二のインク収容部
905:記録ヘッド
907:記録ユニット
931:電気熱変換素子(ヒータ、インク吐出エネルギー発生素子)
933:インク供給口(開口部)
934:基板
935:オリフィスプレート(吐出口プレート)
935a:吐出口面
936:インク流路壁
936a:隔壁
940:吐出口部
1001:液体タンク
1006:移動駆動部
1008:ケーシング
1010:記録部
1010a:キャリッジ部材
1012:カートリッジ
1012Y、M、C、B:インクジェットカートリッジ
1014:ガイド軸
1016:ベルト
1018:モータ
1020:駆動部
1022a、1022b:ローラユニット
1024a、1024b:ローラユニット
1026:回復ユニット
1026a、1026b:プーリ
1028:用紙
1030:搬送装置
1141:溝
1141a:頂部
1337:発泡室
1338:液流路
C:濡れインク
FM:メニスカス後退方向
FC:メニスカス後退方向と反対方向
G:重心
I:インク
Ia:主液滴(液体、インク)
Ib、Ic:液体(インク)
Id:溝部に付着したインク(溝内のインク)
Ie:液流路内に残存しているインク
N1:発泡室の幅寸法
N2:発泡室の長さ寸法
O:吐出口の中心
P:用紙の搬送方向
R:ベルトの回転方向
S:用紙の搬送方向と略直交する方向
w:隔壁の幅寸法
Claims (20)
- 同一の色調の第1及び第2の水性インクを有するインクセットであって、第1及び第2のインクの各々は、少なくとも共通する染料を色材として含み、第2のインクは第1のインクよりも低い色材濃度を有し、且つ、第2のインクによって得られる画像を所定の条件下に放置した後の第2インク画像の反射濃度の残存率が、第1のインクによって得られる画像を上記と同様の条件下に放置した後の第1インク画像の反射濃度の残存率以上であり、
該第1インク画像及び第2インク画像の反射濃度の残存率の関係を満足させるために、第1及び第2のインクの各々は少なくとも共通する染料を色材として含み、第1のインクが更に他の染料を色材として含むことを特徴とするインクセット。 - 前記所定の条件がキセノンランプの光に曝露することである請求項1に記載のインクセット。
- 前記第1のインク及び第2のインクが、共にシアンの色調を有するものである請求項1又は2に記載のインクセット。
- 前記第1のインク及び第2のインクが、共にイエローの色調を有するものである請求項1又は2に記載のインクセット。
- 前記第1のインク及び第2のインクが、共にマゼンタの色調を有するものである請求項1又は2に記載のインクセット。
- 第1のインクが、色材として、下記一般式(II)で示される染料及び下記一般式(III)で示される染料から選ばれる少なくとも1つの染料と、下記一般式(I)で示される染料とを含んでいる請求項5又は6に記載のインクセット。
(上記一般式(I)中、R1は、置換若しくは未置換のアルコキシ基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表し、R2及びR4は、各々独立に、水素原子又は置換若しくは未置換のアルキル基を表し、R3は、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルコキシ基、置換若しくは未置換のアリールオキシ基又はハロゲン原子を表す。X1は、カルボキシル基若しくはその塩、又はスルホン酸基若しくはその塩を表す。nは1又は2を表す。)
(上記一般式(II)中、Ar1は置換若しくは未置換のフェニル基、又は置換若しくは未置換のナフチル基を表し、Ar2は、アセチル基、ベンゾイル基、1,3,5−トリアジニイル基、SO2−C6H5基又はSO2−C6H4−CH3基のいずれかを表す。Mは、スルホン酸基の対イオンであり、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム及び有機アンモニウムのいずれかを表す。)
(上記一般式(III)中、Ar3及びAr4は、各々独立に、置換若しくは未置換のフェニル基、又は置換若しくは未置換のナフチル基であり、Ar3及びAr4の少なくとも1つはカルボキシル基若しくはその塩、或いはスルホン酸基若しくはその塩の置換基を有す。Mは、スルホン酸基の対イオンであり、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム及び有機アンモニウムのいずれかを表す。R5は、1,3,5−トリアジンジイル基を表す。R6及びR7は、独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、置換アラルキル基又はNと共にペルヒドロキシアジン環を形成するに必要な原子群を表し、Lは、2価の有機連結基を表す。) - 前記第1のインクが、更に色材として、C.I.アシッドレッド52及びC.I.アシッドレッド289の少なくとも一方を含んでいる請求項7に記載のインクセット。
- 前記第1のインクが、色材として、C.I.アシッドレッド52及びC.I.アシッドレッド289の少なくとも一方と、下記一般式(I)で示される染料とを含んでいる請求項5又は6に記載のインクセット。
(上記一般式(I)中、R1は、置換若しくは未置換のアルコキシ基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表し、R2及びR4は、各々独立に、水素原子又は置換若しくは未置換のアルキル基を表し、R3は、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルコキシ基、置換若しくは未置換のアリールオキシ基又はハロゲン原子を表す。X1は、カルボキシル基若しくはその塩、又はスルホン酸基若しくはその塩を表す。nは1又は2を表す。) - 前記第1のインク中の全色材の含有量が、インクに対して1.0〜15.0質量%の範囲である請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記第2のインク中の全色材の含有量が、インクに対して0.1〜5.0質量%の範囲である請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記第1のインク及び第2のインクによって得られる夫々の画像に6,000klux・hr.の光を照射した後の夫々の画像の反射濃度残存率が80%以上である請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記第1のインク及び第2のインクがインクジェット記録に用いられるインクである請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクセット。
- 同一の色調を有する第1及び第2の水性インクを収容しているインク収容部と該インクを吐出するためのヘッド部とを備えたインクジェット記録装置であって、第1及び第2のインクの各々は、少なくとも共通する染料を色材として含み、第2のインクは第1のインクよりも低い色材濃度を有し、且つ、第2のインクによって得られる画像を所定の条件下に放置した後の第2インク画像の反射濃度の残存率が、第1のインクによって得られる画像を上記と同様の条件下に放置した後の第1インク画像の反射濃度の残存率以上であり、
該第1インク画像及び第2インク画像の反射濃度の残存率の関係を満足させるために、第1及び第2のインクの各々は少なくとも共通する染料を色材として含み、第1のインクが更に他の染料を色材として含むことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記第1のインク及び第2のインクによって得られる夫々の画像に6,000klux・hr.の光を照射した後の夫々の画像の反射濃度残存率が80%以上である請求項14に記載のインクジェット記録装置。
- 同一の色調を有し、少なくとも共通の染料を色材として含み、且つ、色材濃度が互いに異なる第1の水性インクと第2の水性インクとを各々記録媒体に付与する工程を有するインクジェット記録方法であって、上記第2のインクは第1のインクよりも低い色材濃度を有し、且つ、第2のインクによって得られる画像を所定の条件下に放置した後の第2インク画像の反射濃度の残存率が、第1のインクによって得られる画像を上記と同様の条件下に放置した後の第1インク画像の反射濃度の残存率以上であり、
該第1インク画像及び第2インク画像の反射濃度の残存率の関係を満足させるために、第1及び第2のインクの各々は少なくとも共通する染料を色材として含み、第1のインクが 更に他の染料を色材として含むことを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記第1のインク及び第2のインクによって得られる夫々の画像に6,000klux・hr.の光を照射した後の夫々の画像の反射濃度残存率が80%以上である請求項16に記載のインクジェット記録方法。
- 同一の色調の第1及び第2の水性インクを有するインクセットに用いられる第2の水性インクであって、該第1の水性インクが含有する色材としての染料と共通した染料を色材として含み、且つ第1のインクよりも低い色材濃度を有する第2の水性インクにおいて、該第2のインクによって得られる画像を所定の条件下に放置した後の第2インク画像の反射濃度の残存率が、第1のインクによって得られる画像を上記と同様の条件下に放置した後の第1インク画像の反射濃度の残存率以上であり、
該第1インク画像及び第2インク画像の反射濃度の残存率の関係を満足させるために、第1及び第2のインクの各々は少なくとも共通する染料を色材として含み、第1のインクが更に他の染料を色材として含むことを特徴とする第2の水性インク。 - 前記第1のインク及び第2のインクによって得られる夫々の画像に6,000klux・hr.の光を照射した後の夫々の画像の反射濃度残存率が80%以上である請求項18に記載の第2の水性インク。
- 前記第2のインクは、下記一般式(I)で示される染料を唯一の色材として含んでいる水性インクであり、前記第1のインクは、色材として、下記一般式(II)で示される染料及び下記一般式(III)で示される染料から選ばれる少なくとも1つの染料と、下記一般式(I)で示される染料とを少なくとも含んでいる水性インクである請求項18又は19に記載の第2の水性インク。
(上記一般式(I)中、R1は、置換若しくは未置換のアルコキシ基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表し、R2及びR4は、各々独立に、水素原子又は置換若しくは未置換のアルキル基を表し、R3は、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアルコキシ基、置換若しくは未置換のアリールオキシ基又はハロゲン原子を表す。X1は、カルボキシル基若しくはその塩、又はスルホン酸基若しくはその塩を表す。nは1又は2を表す。)
(上記一般式(II)中、Ar1は置換若しくは未置換のフェニル基、又は置換若しくは未置換のナフチル基を表し、Ar2は、アセチル基、ベンゾイル基、1,3,5−トリアジニイル基、SO2−C6H5基又はSO2−C6H4−CH3基のいずれかを表す。Mは、スルホン酸基の対イオンであり、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム及び有機アンモニウムのいずれかを表す。)
(上記一般式(III)中、Ar3及びAr4は、各々独立に、置換若しくは未置換のフェニル基、又は置換若しくは未置換のナフチル基であり、Ar3及びAr4の少なくとも1つはカルボキシル基若しくはその塩、或いはスルホン酸基若しくはその塩の置換基を有す。Mは、スルホン酸基の対イオンであり、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム及び有機アンモニウムのいずれかを表す。R5は、1,3,5−トリアジンジイル基を表す。R6及びR7は、独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、置換アラルキル基又はNと共にペルヒドロキシアジン環を形成するに必要な原子群を表し、Lは、2価の有機連結基を表す。)
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