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JP4196608B2 - Method for producing colored zirconia composite ceramic sintered body - Google Patents

Method for producing colored zirconia composite ceramic sintered body Download PDF

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JP4196608B2
JP4196608B2 JP2002220265A JP2002220265A JP4196608B2 JP 4196608 B2 JP4196608 B2 JP 4196608B2 JP 2002220265 A JP2002220265 A JP 2002220265A JP 2002220265 A JP2002220265 A JP 2002220265A JP 4196608 B2 JP4196608 B2 JP 4196608B2
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浩一 山口
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Kansai Research Institute KRI Inc
Panasonic Corp
Matsushita Electric Works Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば産業機械部品、事務・理化学用品、生体用材料、医療用具等に好適に使用される着色ジルコニア系複合セラミック焼結体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来2〜3モル%のイットリア(Y)を安定化剤として含む正方晶ジルコニア多結晶体(Y−TZP)は、汎用材料であるアルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等に比較し、高強度で且つ高靱性であるといった優れた機械的特性を有するため、光コネクタフェルール、粉砕メディア、種々の刃物類、スポーツレジャー用品等に至るまで幅広く実用に供されている。
【0003】
また近年、疾病、災害などにより手足の関節機能が失われた場合に、これらを修復するために用いられている人工関節に摺動部材、あるいは老齢、疾病等によって失われた歯牙を再建するために用いられる人工歯根、アパットメント、クラウン等の生体用材料への応用も徐々に進んできている。
【0004】
しかしながら、従来のイットリア系正方晶ジルコニア(Y−TZP)は、比較的低温域(200〜300℃)において、準安定相である正方晶が単斜晶へ相転移するものであり、この相転移時には約4.6%の体積膨張が生じて内部クラックが発生しやすく、著しい強度劣化を引き起こす原因となっていることが指摘されている(以下、この相転移による劣化を「低温劣化」という)。また加えて、水分を含む湿潤環境下では、さらに相転移が加速されることも周知の事実である。
【0005】
Y−TZPは、3価のYイオンが4価のZrイオンの8配位の位置に侵入型に固溶しているため、価数の相違により、ジルコニア側に酸素欠陥が生じ、これが低温劣化を引き起こす本質的な原因になっているものと解釈されている。
【0006】
近年、焼結体の結晶粒径を約0.5μm以下に制御することにより低温劣化を抑制しようとする試みがなされているが、Y−TZPを200〜300℃の湿潤環境下に曝露した場合には容易に相転移が起こる点、或いは環境温度が約37℃と低温であっても常に湿潤環境下にある生体内では徐々に相転移が起こることが危惧され、生体材料への応用に対して慎重に対処せざるを得ない状況となっている。
【0007】
これに対して、セリア(CeO)を安定化剤として含む正方晶ジルコニア多結晶体(Ce−TZP)は、Y−TZPとは異なり、安定化剤であるセリア(CeO)が4価のCeイオンとしてジルコニアに固溶し、酸素欠陥が生じないため、結晶学的に低温劣化を起こさない材料であることが多くの実験データから裏付けられている。加えて、セラミックスとしては他に類を見ないほど高い靱性値を有していることも知られている。
【0008】
しかし、Ce−TZPはY−TZPに比べて、強度及び硬度が著しく低いため、従来は全く実用化されていないのが実情であった。
【0009】
一方、アクセサリー等の装飾品、あるいは刃物類、スポーツレジャー用品等においても嗜好性が求められる分野においては、ジルコニア結晶体に赤色、青色、黄色あるいは黒色に着色させたものが要求されるようになってきた。さらに、人工歯、クラウン等の生体に適用する分野においては、天然歯と同一の質感を有するカラーバリエーションを持ち、かつ審美性に優れた着色ジルコニアが強く求められている。
【0010】
このような要求に対して、ジルコニアに希土類金属、あるいは遷移金属などの酸化物を混合添加し焼結することにより、好みの色調を付与した種々の着色ジルコニアが開発されてきた。例えば特開平6−199098号公報には、イットリアを3モル%含むジルコニアに、着色剤を0.05重量%含ませた系において、ジルコニアの色調と各種着色剤の種類として、オレンジ色(CeO)からオリーブ色(Cr)、ライラック(Co,Nd)、黄色(CuO,Fe,NiO,TiO)、ピンク色(Er,Eu,Ho)、茶色(MnO)、アンバー色(Pr)、緑色(Tm,V)に至るまで、幅広く開示されている。また特開平8−310860号公報では、黒色ジルコニア焼結体が、さらに、特開平8−33650号公報では、審美性が要求される分野として、ジルコニア製歯列矯正用ブラケットが開示されている。
【0011】
しかしこれらの着色ジルコニアは、いずれも安定化剤としてイットリアを主体として含む正方晶ジルコニア多結晶体(Y−TZP)、あるいはそれをベースとした複合結晶体であり、本質的に前記の低温劣化に関わる諸問題を抱えているために、実用上何らかの制限が加わるのが実情であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、十分な機械的特性を有し、且つ低温劣化を示さない優れた着色ジルコニア系複合セラミック焼結体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
求項に係る着色ジルコニア系複合セラミック焼結体の製造方法は、少なくともセリアを安定化剤として含む、主として正方晶ジルコニアからなる第一相と、アルミナ粒子からなる第二相とが分散してなるジルコニア系複合セラミック焼結体であって、着色成分元素として、周期律表6族並びに8〜10族に属する元素から選ばれた少なくとも一種の元素を、第二相中に含有して成る着色ジルコニア系セラミック焼結体の製造方法であって、少なくともセリアを安定化剤として含む正方晶ジルコニアからなる第一の原料成分と、アルミナ粉末中に周期律表6族並びに8〜10族に属する元素から選ばれた少なくとも一種の元素を含有させた第二の原料成分とを混合し、所望の形状に成形した後、酸素含有雰囲気下で焼成するものである。この製造方法では、アルミナ粉末に対して、Cr、Fe、Coから選ばれる少なくとも一種の着色成分元素又はその化合物を混合して調製してなる予備調合粉末であって、この予備調合粉末全体に対する着色成分元素又はその化合物の酸化物換算での配合量がCr 2 3 0.01〜20モル%、Fe 2 3 0.01〜20モル%、CoO0.01〜15モル%のうちの、少なくともいずれかを満たすと共にこれらの酸化物換算での配合量の合計が0.01〜20モル%となるように混合した予備調合粉末を調製し、この予備調合粉末を酸素含有雰囲気下で500〜1000℃の温度範囲で加熱処理したものを、前記第二の原料成分として用いる。
【0020】
また請求項の発明は、請求項において、Cr23、Fe23、CoOから選ばれた少なくとも一種の金属酸化物粉末をアルミナ粉末と混合することにより予備調合粉末を調製することを特徴とするものである。
【0021】
また請求項の発明は、請求項において、3価のCr、3価のFe、又は2価のCoを含む金属塩、有機金属錯体、金属アルコキシドから選ばれた少なくとも一種の酸化物前駆体を有機溶媒に溶解し、アルミナ粉末と混合した後、溶媒を除去することにより予備調合粉末を調製することを特徴とするものである。
【0022】
また請求項の発明は、請求項乃至のいずれかにおいて、セリアを8〜12モル%含有するセリア系正方晶ジルコニア粉末を第一の原料成分とすると共に第一の原料成分の比表面積を5〜20m2-1とし、第二の原料成分の平均粒径を0.1〜0.3μmとすることを特徴とするものである。
【0023】
また請求項の発明は、請求項乃至のいずれかにおいて、第一の原料成分と第二の原料成分とを混合・成形したものを焼成した後、その焼成温度以下の温度であり、且つ1000℃以上の温度条件で、酸素含有雰囲気下、アニール処理を施すことを特徴とするものである。
【0024】
また請求項の発明は、請求項において、アニール処理として、酸素含有雰囲気下、熱間静水加圧を施すことを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
まず本発明の着色ジルコニア系複合セラミック焼結体を構成する各相並びに複合セラミック焼結体の構成について説明し、その後に着色成分及び添加形態について説明する。
【0027】
本発明の着色ジルコニア系複合セラミック焼結体は、主として正方晶ジルコニアからなる第一相の結晶粒子と、主としてアルミナからなる第二相の結晶粒子とが分散して構成される。
【0028】
正方晶ジルコニアからなる第一相の結晶粒子は、少なくともセリアを安定化剤として含むことが必須である。セリアは、前述したように正方晶ジルコニアの安定化剤として作用すると共に、結晶学的にジルコニアの低温劣化を抑制する上で、極めて重要である。第一相中の正方晶の割合は、第一相全体に対して90体積%以上となるようにすることが好ましい。
【0029】
第一相中でのセリアの含有量は特に限定されないが、例えば第一相の全量に対して好ましくは8〜12モル%、より好ましくは10〜12モル%である。この含有量が過少であると準安定相である正方晶化が不充分となって単斜晶が支配的に多くなり、焼結した後に割れたり、マイクロクラックが内在したりするおそれがあり、強度劣化を示すおそれがある。またこの含有量が過剰であると、高温安定相である立方晶が出現し始め、正方晶量が90体積%未満となり、十分な強度、靱性が得られなくなるおそれがある。
【0030】
なお、第一相中には、ジルコニア及び安定化剤としてのセリアの他に、マグネシア、カルシア、あるいはイットリア等の他の安定化剤を含有させても良く、またその他の微量の不純物が更に含まれていても良い。他の不純物が含まれる場合には、その含有量は第一相の全量に対して0.5モル%以下であることが望ましい。
【0031】
またアルミナからなる第二相の結晶粒子中には、着色成分元素が含有される。
【0032】
着色成分元素としては、周期律表における6族(旧6a族)並びに8〜10族(旧8族)に属する元素から選ばれた少なくとも一種の元素のみを用いることが好ましい。また添加形態としては、主に第二相を構成するアルミナ粒子に固溶させる形で含有させ、第一相中には固溶させないようにすることが好ましい。
【0033】
ここで、従来の一般的なジルコニアの着色方法としては、無機の着色剤を添加して焼結する方法、あるいはジルコニアに希土類金属、あるいは遷移金属などの酸化物を混合添加して焼結する方法が知られている。このとき、無機の着色剤の添加は、所望の色調を得るためには、通常数十重量%以上の添加が必要となり、ジルコニアの持つ優れた機械的性能(高強度、高靱性)を損なうことが多い。またこれに対して、f軌道に空席をもつ希土類イオン、あるいはd軌道に空席があってエネルギー位が配位子場の影響により分裂する遷移金属イオンの添加は、無機顔料の添加に比べれば微量でジルコニアを発色させることが可能であるが、ジルコニアに各種金属イオンを固溶させることによって、光の吸収域を制御して発光させるものであったので、上記金属イオンのジルコニアへの固溶が正方晶の安定化を阻害させる要因となり、機械的性質に悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0034】
これに対して、本発明では着色成分として、主として第二相を構成するアルミナに優先的に固溶すると共に、好ましくは第一相を構成するジルコニアには実質的には固溶しないものを用いることにより、ジルコニアのもつ優れた機械的特性(高強度、高靱性)を維持しつつ、多種類の色調を付加することが可能となる。ここで、第一相中に不可避的に微少量の着色成分元素が固溶する場合が考えられるが、この場合でも、第一相中の着色成分元素の固溶量が、酸化物換算で0.01モル未満となるようにすることが好ましい。
【0035】
前記観点より、着色成分としては、特に周期律表6族に属する元素としてCr、8〜10族に属する元素としてFe、Coを用いることが好ましい。またこれらの元素の添加量は、前記着色成分元素の酸化物換算で、第二相全量に対して、Crが0.01〜20モル%、Feが0.01〜20モル%、或いはCoOが0.01〜15モル%となるように、少なくとも一種以上配合することが好ましく、このとき着色成分元素の添加量の合計が0.01〜20モル%の範囲となるようにすることが好ましい。各着色成分元素のより好ましい添加量はそれぞれ0.05〜8モル%であり、更に好ましい添加量はそれぞれ0.05〜1モル%である。また着色成分元素の添加量の合計の、より好ましい範囲は0.05〜8モル%であり、更に好ましい範囲は0.05〜1モル%である。着色成分元素の添加量が過少であると、十分な着色効果が得られにくくなり、この添加量が過剰であると着色成分元素をアルミナ中に固溶させることが困難となってくる。
【0036】
また本発明に係る着色ジルコニア系複合セラミック焼結体は、アルミナからなる第二相のうち、数十ナノメートルサイズの極めて微細な結晶粒子からなるものが、第一相を構成する結晶粒子内に分散した、いわゆる「ナノ複合化組織」を形成していることが好ましく、これによりジルコニア系複合セラミック焼結体の強度、硬度が飛躍的に改善される。
【0037】
より詳しく説明すると、正方晶ジルコニアからなる第一相の結晶粒子内に取り込まれた、アルミナからなる第二相の微細な結晶粒子は、第一相の結晶粒子内に熱膨張差に起因する局所的な残留応力場を形成し、正方晶から単斜晶へ応力誘起相転移する臨界応力の増大をもたらすこと、及び第一相の結晶粒子内に転移及び転移がパイルアップしたサブグレインバインダリーを形成し、第一相の結晶粒子を仮想的に細分化することにより、高強度化に有効に寄与する。その結果、セリア系ジルコニア(Ce−TZP)の欠点である低強度及び低硬度を、イットリア系ジルコニア(Y−TZP)に匹敵するレベルまで改善し、且つY−TZPの3倍以上の高い靱性を兼ね備えた強靱なジルコニア系セラミックスの実現が可能となる。
【0038】
なお、第一相を構成する粒子内に分散して存在する第二相の粒子は、着色ジルコニア系複合セラミック焼結体中の第二相の結晶粒子の全数量に対して、好ましくは2数量%以上となるようにするものであり、その割合は、多ければ多いほど好ましい。
【0039】
ここで、ジルコニア粒子の粒成長を促進させる効果を有するチタニアを第一相中に固溶させて含有させてもよい。この場合、焼結過程において、より多くの第二相の粒子を第一相内に分散させて、ナノ複合化組織の形成を促進することができる。このとき、第一相中のチタニアの含有量は、特に限定されるわけではないが、例えば、第一相全量に対して、0.02〜4モル%の範囲に留めることが望ましく、更に好ましくは0.05〜1モル%である。チタニアの含有量が過少であるとチタニアによる十分な第一相の粒成長向上の効果が得られず、また過剰となると第一相の粒子の粗大化により、著しい強度低下をもたらすことがあるため好ましくない。
【0040】
また、着色ジルコニア系複合セラミック焼結体における、第二相の含有量は、特に限定されるわけではないが、例えば、焼結体全量に対して、好ましくは0.5〜50体積%、更に好ましくは30〜40体積とする。この第二相の含有量が0.5体積%に満たないと強度、靱性向上の効果が十分に得られにくくなり、また40体積%を超えると第二相の粒子同士が互いに焼結して、第一相の粒子内に取り込まれる第二相の粒子が減少するため、緩やかな強度、靱性の低下を示し、更に50体積%を超えると第二相がマトリックス化するため、著しい強度、靱性の低下を示すおそれがある。
【0041】
次に、本発明に係る着色ジルコニア系複合セラミック焼結体の製造方法について、説明する。
【0042】
着色ジルコニア系複合セラミック焼結体は、少なくともセリアを安定化剤として含む正方晶ジルコニアからなる第一の原料成分と、アルミナからなる第二の原料成分とから形成することができる。
【0043】
第一の原料成分としては、セリアを8〜12モル%含有し、残部がジルコニアからなるセリア系正方晶ジルコニア粉末(Ce−TZP)を用いることが好ましい。またこのセリア系正方晶ジルコニア粉末には、マグネシア、カルシア、あるいはイットリア等の他の安定化剤を固溶させることもできる。また他の微量の不純物が含まれていてもよいが、その含有量は酸化物換算で0.05モル%以下であることが好ましい。また焼結体のナノ複合化組織の形成を促進するために第一相中にチタニアを含有させる場合には、第一の原料成分としてチタニアを含有したものを用いるものであり、この場合、第一の原料成分中において第一相全量に対して0.02〜4モル%の範囲でチタニアを含有させることが好ましい。
【0044】
また、第二の原料成分としては、アルミナ粉末と、着色成分原料とが用いられる。
【0045】
着色成分原料としては、周期律表6族(旧6a族)並びに8〜10族(旧8族)に属する元素から選ばれた少なくとも一種の着色成分元素、又はその化合物を挙げることができる。特にCr、Fe及びCoから選ばれた少なくとも一種の元素又はその化合物であることが好ましい。この着色成分原料としては、着色成分元素の酸化物の状態のものを用いることができ、例えばCr、Fe、CoOの中から選ばれる少なくとも一種の酸化物粉末を用いることができる。あるいは、3価のCr、3価のFe、又は2価のCoを含む金属塩、有機金属錯体、或いは金属アルコキシドから選ばれた少なくとも一種の酸化物前駆体を用いることもできる。
【0046】
上記のような第一の原料成分及び第二の原料成分を混合して、混合原料を調製する。このとき第二の原料成分は、アルミナ粉末と着色成分原料とを別個に混合原料中に配合することができる。
【0047】
またより好ましくは、第二の原料成分として、アルミナ粉末中に、着色成分元素が含有したものを用いるものであり、この場合には、焼成により焼結体を得る際に、アルミナに対する着色成分元素の優先的な固溶を促進することができ、またジルコニアからなる第一相の周囲に着色成分原料が残存するなどにより良好な発色が阻害されることを防止することができる。
【0048】
た、第二の原料成分として、着色成分元素を含有する着色成分原料をアルミナ粉末と混合して得られる予備調合粉末を焼成することにより得られるものを用いるものである。この場合、焼成による焼結体の形成前に、予めアルミナ中に着色成分元素を優先的に固溶させることができて、焼結体中の着色成分原料の残存を更に効果的に防止することができる。
【0049】
予備調合粉末の調製時には、前記のような着色成分原料を有機溶媒中に分散又は溶解させた後、アルミナ粉末と混合し、これから有機溶媒を除去することにより、予備調合粉末を得ることができる。また予備調合粉末の焼成は、大気中等の酸素含有雰囲気下、500〜1000℃の温度範囲で加熱処理する。この処理を施すことにより、着色成分元素のイオンをアルミナ中に優先的に固溶させることができる。
【0050】
このようにして得られる第二の原料成分中には、所望の着色ジルコニア系複合セラミック焼結体中の第二相の組成と同一組成で、着色成分元素を含有させる。着色成分元素としてCr、Fe、Coのうちの少なくとも一種を含有させる場合には、これらの着色成分元素を酸化物に換算した際に、第二の原料成分中に、第二の原料成分の全量に対して、Cr23が0.01〜20モル%、Fe23が0.01〜20モル%、或いはCoOが0.01〜15モル%となるように、少なくとも一種以上配合する。このとき着色成分元素の添加量の合計が0.01〜20モル%の範囲となるようにする。各着色成分元素のより好ましい添加量はそれぞれ0.05〜8モル%であり、更に好ましい添加量はそれぞれ0.05〜1モル%である。また着色成分元素の添加量の合計の、より好ましい範囲は0.05〜8モル%であり、更に好ましい範囲は0.05〜1モル%である。着色成分元素の添加量が過少であると、十分な着色効果が得られにくくなり、この添加量が過剰であると着色成分元素をアルミナ中に固溶させることが困難となってくる。
【0051】
また第一の原料成分として、セリアを8〜12モル%含有し、残部がジルコニアからなる比表面積が5〜20m−1のものを用いると共に、第二の原料成分として平均粒径が0.1〜0.3μmのものを用いることが好ましい。このような組み合わせの原料成分を用いると、焼結過程において、第一の原料成分から形成される第一相中に、第二の原料成分から形成される第二相が取り込まれやすくなり、より多くの第二相の結晶粒子を第一相内に分散させて、ナノ複合化組織の形成を促進することができる。
【0052】
第一の原料成分と第二の原料成分とは、所望の着色ジルコニア系複合セラミック焼結体における第一相と第二相との割合と合致する配合割合で混合されるものであり、好ましくは第一の原料成分と第二の原料成分との総量に対して、第二の原料成分の割合が0.5〜50体積%、更に好ましくは30〜40体積%となるように配合する。
【0053】
次いで、このようにして得られる第一の原料成分と第二の原料成分との混合粉末を、加圧成形等により所望の形状に形成した後、焼成する。焼成条件は特に制限されないが、大気中等の酸素含有雰囲気下で、1400〜1550℃の温度範囲で3〜5時間焼成を行うことが好ましい。このときの焼成温度が1400℃に満たないと緻密な焼結体を得ることが困難となって、焼結体に十分な強度を付与することが困難となり、また焼成温度が1550℃を超えると、第一相及び第二相の結晶粒子が過剰に成長して強度の低下を招くおそれがある。このとき、焼成により、相対密度、すなわち焼結体を構成する各成分の組成比に基づいて導出される理論密度に対する、実際の焼結体の密度の百分率が、99%以上となるように焼結体を形成することが可能となる。
【0054】
また、このようにして得られる焼結体に対して、更にトランスルーセント(半透明性)を付与する処理を施すことが好ましいものであり、この場合、得られる着色ジルコニア系複合セラミック焼結体を、種々のカラーバリエーションと審美性とが要求されるクラウン等に適用する場合に好適である。
【0055】
ここで、一般にアルミナやジルコニアは、特定波長域に吸収端を持たないため、基本的にトランスルーセントを示す。更に、これらのセラミックスは、多結晶粒界の整合性を高めて光の散乱を抑制し、あるいは光の散乱源をなくした単結晶とすることにより、透明性を付与することも可能である。その代表的な例が、前者としてキュービックジルコニア、後者としてサファイアが挙げられる。これに対して、本発明に係る着色ジルコニア系複合セラミック焼結体は、各種金属イオンを固溶させることによって、光の吸収域を制御し、発色させる原理であるため、トランスルーセントの発現に対してはマイナスに作用する。従って、トランスルーセントを付与するためには、複合焼結体の粒界の整合性を高め、粒界での光散乱を抑制することが重要な要素となる。
【0056】
本発明におけるトランスルーセントを付与する処理としては、特に制限されないが、アニール処理を施すことにより焼結体中の粒界の整合性を高める方法があげられる。また、焼結体のアニール処理としては、特に酸素含有雰囲気下、熱間静水圧加圧(HIP)を施すことが、有効な手段としてあげられる。熱間静水圧加圧(HIP)を行う場合には、処理中の雰囲気は特に制限されるものではないが、アルゴン等の不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いることができ、このとき混合ガス全量に対する酸素ガス濃度が5体積%であることが好ましい。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0058】
〈参考例1〜3〉
平均粒径0.2μmのアルミナ粉末(以下、単に「Al」と表記する)に対し、着色成分として、Cr(NO・9HO、Fe(NO・9HO又はCo(NO・6HOの各硝酸塩を配合し、エタノール溶媒中24時間湿式ボールミル混合した。このとき各硝酸塩は、Alと着色成分の総量に対する酸化物換算(Cr、Fe、CoO)でのモル分率が、表1に示す割合となるように添加した。
【0059】
次いで、乾燥した粉末をφ20mmの金型を用いて、20MPaの条件下一軸加圧成形し、更に145MPaの条件下でCIP(冷間静水圧加圧)成形して、タブレット状の成形体を得た。
【0060】
次いで、各成形体を大気中で1440℃で4時間焼成し、焼結体を得た。
【0061】
参考例4〜6
安定化剤としてCeOを10モル%含む、比表面積15m2-1の正方晶ジルコニア粉末(以下、「Ce−TZP」と表記する)と、Al23と、着色成分として、Cr(NO33・9H2O、Fe(NO33・9H2O又はCo(NO32・6H2Oの各硝酸塩とを配合し、エタノール溶媒中24時間湿式ボールミル混合した。このとき各硝酸塩は、Al23と着色成分の総量に対する酸化物換算(Cr23、Fe23、CoO)でのモル分率が表1に示す割合となるようにし、またAl23と着色成分の配合量は、得られる焼結体全量に対するAl23と着色成分との固溶体の体積分率が30体積%となるようにした。
【0062】
次いで、乾燥した粉末を、参考例1〜3の場合と同様に成形・焼成し、焼結体を得た。
【0063】
〈比較例1〜3〉
Ce−TZPに、着色成分として、Cr(NO・9HO、Fe(NO・9HO又はCo(NO・6HOの各硝酸塩を配合し、エタノール溶媒中24時間湿式ボールミル混合した。このとき、各硝酸塩は、Ce−TZPと着色成分の総量に対する酸化物換算(Cr、Fe、CoO)でのモル分率が表1に示す割合となるようにした。
【0064】
次いで、乾燥した粉末を、参考例1〜3の場合と同様に成形・焼成し、焼結体を得た。
【0065】
〈評価〉
このようにして得られる各参考例及び比較例の焼結体は、いずれも焼結体中の構成成分の組成比から導出される理論密度に対して、相対密度が99%以上となった緻密なものであり、参考例4〜6におけるジルコニアからなる第一相の結晶粒子、及び比較例1〜3では、焼結体中のジルコニアからなる第一相の結晶粒子は、X線回折により正方晶−単斜晶−立方晶の相同定を行った結果、単斜晶が5体積%以下となる、ほぼ正方晶が主相となるものであった。
【0066】
また各参考例及び比較例について、目視にて外観調査し、色調を評価した。この結果を表1にまとめて示す。この結果によると、Al23に対して着色成分を添加した参考例1〜3と、Ce−TZP、Al23及び着色成分を配合した参考例4〜6とでは、クロムを添加した場合には総じてピンク色に、鉄を添加した場合は総じて黄色に、コバルトを添加した場合は総じてブルー色にそれぞれ着色した焼結体が得られた。但し、参考例4〜6の焼結体の色調は、参考例1〜3と比較して暗色がかった色を呈した。
【0067】
これに対して、Ce−TZPに着色成分を添加した比較例1〜3では、いずれも焼結体は灰黒色を呈し、参考例1〜3の焼結体とは著しく異なる様相を示した。
【0068】
また、各参考例及び比較例の焼結体中における、着色成分元素の固溶の有無を、X線回折測定により導出される格子定数に基づき評価した。これによると、参考例1〜では、測定されたアルミナの結晶に基づく回折ピークから導出される格子定数は、純粋なアルミナの場合よりも増大していた。ここで、Cr3+イオンのイオン半径は0.82Å、Fe3+イオンのイオン半径は0.67Å、Co2+イオンのイオン半径は0.82Åであり、いずれもAl3+イオンのイオン半径0.57Åと比較して大きいものであり、従ってアルミナの格子定数の増大はアルミナ中にこれらの着色成分元素が固溶したためと考えられる。これに対して、参考例4〜6及び比較例1〜3においては、ジルコニアの結晶に基づく回折ピークから導出される格子定数は、原料として用いたCe−TZPの格子定数と比べて変化が認められず、着色成分元素の固溶は認められなかった。
【0069】
従って、比較例1〜3の焼結体がいずれも灰黒色を示したのは、着色成分として添加した各硝酸塩粉末の色を反映したものであり、各種金属イオンの固溶による発色は一切生じていないことが明らかとなった。
【0070】
また参考例4〜6の焼結体が、参考例1〜3に比べていずれも暗色がかった色となったのは、焼結時にCe−TZP粒子周辺に存在した金属イオンがCe−TZP中に固溶せずに硝酸塩の状態で残存し、この硝酸塩の色が反映されることとなったためと考えられる。
【0071】
以上の結果により、着色成分であるCr、Fe、及びCoは、優先的にアルミナのみに固溶し、ジルコニアには固溶しないことが、焼結後の色調観察及びX線回折による格子定数の導出により、確認された。
【0072】
【表1】
【0073】
〈実施例4〜16〉
Alに対し、着色成分として、Cr(NO・9HO、Fe(NO・9HO及びCo(NO・6HOの各硝酸塩のうち二種又は三種を、Alと着色成分の合計量に対する酸化物換算(Cr、Fe、CoO)でのモル分率が表2に示す割合となるように添加し、エタノール溶媒中24時間湿式ボールミル混合した後、乾燥して、予備調合粉末を調製した。
【0074】
この予備調合粉末を、大気中で800℃で1時間焼成し、第二の原料成分を得た。
【0075】
また第一の原料成分として、比表面積15m−1のCe−TZPを用いた。
【0076】
そして、第一の原料成分と第二の原料成分の合計に対する第二の原料成分の体積分率が30体積%となるようにこの二種の粉末を配合し、エタノール溶媒中24時間湿式ボールミル混合した。
【0077】
次いで、乾燥した粉末をφ20mmの金型を用いて、20MPaの条件下一軸加圧成形し、更に147MPaの条件下でCIP(冷間静水圧加圧)成形して、タブレット状の成形体を得た。
【0078】
次いで、各成形体を大気中で1440℃で4時間焼成し、焼結体を得た。
【0079】
〈評価〉
このようにして得られる各実施例の焼結体は、いずれも相対密度が99%以上となった緻密なものであり、また焼結体中のジルコニアからなる第一相の結晶粒子は、X線回折により正方晶−単斜晶−立方晶の相同定を行った結果、単斜晶が1体積%以下となる、ほぼ正方晶が主相となるものであった。
【0080】
また各実施例について、目視にて外観調査し、色調を評価した。この結果を表2にまとめて示す。この結果によると、実施例4〜12のように、着色成分であるCr、Fe、及びCoイオンをアルミナ中に二元系で固溶させると、それぞれの単独色を補間する色調が得られることが明らかとなった。またこのとき実施例1〜3の場合のような暗色がかった色は見受けられず、極めてクリアーなものであった。これは、予め着色成分をアルミナ粉末に固溶させた第二の原料成分を調製したことから、着色成分元素のアルミナへの固溶が促進されると共に、焼結体中に固溶されていない着色成分の残存が生じなかったためと考えられる。また実施例13〜16のように、着色成分を三元系で固溶させてより光の吸収端をより多くすることにより、灰黒色系の色調を得ることも可能であることが確認された。
【0081】
また、各実施例の焼結体中における、着色成分元素の固溶の有無を、実施例1〜3等の場合と同様にX線回折測定により導出される格子定数に基づき評価した。これによると、アルミナ中への着色成分元素の固溶が確認されると共に、ジルコニアに対する着色成分元素の固溶は認められなかった。
【0082】
以上の結果により、着色成分であるCr、Fe、及びCoは、優先的にアルミナのみに固溶し、ジルコニアには固溶しないことが確認された。また、予め着色成分をアルミナ粉末に固溶させた第二の原料成分を調製したことから、着色成分元素のアルミナへの固溶を促進すると共に、焼結体中における着色成分の残存が抑制されることが確認された。
【0083】
【表2】
【0084】
〈実施例17〜19〉
Alに対し、着色成分として、Cr(NO・9HO、Fe(NO・9HOの各硝酸塩のうちの一種を、Alと着色成分との合計量に対する酸化物換算(Cr、Fe)でのモル分率が表3に示す割合となるように添加し、エタノール溶媒中24時間湿式ボールミル混合した後、乾燥して、予備調合粉末を調製した。
【0085】
この予備調合粉末を、大気中で800℃で1時間焼成し、第二の原料成分を得た。
【0086】
また第一の原料成分として、比表面積15m−1のCe−TZPを用いた。
【0087】
そして、第一の原料成分と第二の原料成分の合計に対する第二の原料成分の体積分率が30体積%となるようにこの二種の粉末を配合し、エタノール溶媒中24時間湿式ボールミル混合した。
【0088】
次いで、乾燥した粉末をφ68mmの金型を用いて、7MPaの条件下一軸加圧成形し、更に147MPaの条件下でCIP(冷間静水圧加圧)成形して、タブレット状の成形体を得た。
【0089】
次いで、各成形体を大気中で1440℃で4時間焼成し、焼結体を得た。
【0090】
〈比較例4〉
着色成分を配合しないこと以外は、実施例17〜19と同様にして、焼結体を得た。
【0091】
〈評価〉
このようにして得られた各焼結体は、いずれも相対密度が99%以上の緻密なものであった。
【0092】
また、各実施例及び比較例について、目視にて外観調査し、色調を評価した。この結果を表3にまとめて示す。
【0093】
また、各実施例及び比較例について、成形された直径50mm、厚み5mmの焼結体から、ダイヤモンドブレードにて3mm×4mm×40mmの角柱状試料を5枚切りだし、機械的特性評価用サンプルとした。尚、試料の稜線には、C0.1mmの面取りを施し、側面は600〜800番のダイヤモンド砥石にて研磨した。また曲げ強度の試験時には、サンプルの引っ張り面を、最終ダイヤモンドペーストにて鏡面仕上げを施すようにした。
【0094】
このようなサンプルを用い、下部スパン30mm、クロスヘッドスピード0.5mm/min、の条件下、3点曲げ試験を行い、曲げ強度を求めた。
【0095】
また、サンプル鏡面に、加重490N(50kgf)、保持時間15秒の条件下で、ビッカース圧子を打痕し、IF法により破壊靱性値を測定した。
【0096】
尚、破壊靱性値は、ビッカース圧子の押し込みにより生じたクラックの長さと圧痕の大きさを測定し、下記に示すpalmqvist型クラックに対応した、下記のNiiharaの式を用いて算出した。
【0097】
IC=0.018H・a1/2・(l/a)1/2・(H/E)−2/5
IC:破壊靱性値
:ビッカース硬度
a:ビッカース圧痕の対角線の1/2の長さ
l:l=c−a
c:ビッカース圧痕から延びたクラックの長さ
E:ヤング率(弾性率)
これらの結果も、表3にまとめて示す。この結果によれば、実施例17〜19は、着色成分を用いていない比較例4と遜色のない機械的特性を有し、着色成分を用いても機械的強度が劣化しないことが確認された。これにより、着色成分を正方晶ジルコニアからなる第一相には固溶させずに、アルミナからなる第二相に優先的に固溶させることにより、機械的性質を維持しつつ、多種類の色調を付加することが可能であることが確認された。
【0098】
また、これらの焼結体の微細組織を、走査型電子顕微鏡及び透過型電子顕微鏡により観察した結果、いずれの焼結体においても、第二相の結晶粒子のうち、数十から数百ナノメートルサイズの極めて微細な第二相の結晶粒子の一部が、第一相の結晶粒子内に分散した、いわゆる「ナノ複合化組織」を有していることが確認された。
【0099】
また実施例17〜19の場合と、比較例4の場合とでは、同様のナノ複合化組織が形成されており、着色成分を用いた場合でも微細組織に対する悪影響が認められず、着色成分を用いない場合と同様のナノ複合化組織が維持されることが確認された。
【0100】
【表3】
【0101】
〈実施例20〉
実施例18と同様にして焼結体を形成した後、大気中で1340℃で3時間処理し、その後1000℃まで0.5℃/minの降温速度で降温するアニール処理を施した。
【0102】
〈実施例21〉
実施例18と同様にして焼結体を形成した後、アルゴンガス/酸素の体積比が90/10の酸素含有混合ガス雰囲気下で、熱間静水圧加圧(HIP)により、1.5MPaの条件で1300℃で3時間処理し、その後100℃まで0.5℃/minの降温速度で降温するアニール処理を施した。
【0103】
〈評価〉
実施例20,21について、既述と同様の色調評価及び機械的特性評価を行った。この結果を、実施例18の結果と併せて、表4に示すと、アニール処理を施した実施例20,21では、同一組成でアニール処理を施していない実施例18と比べると、1〜2割程度の曲げ強度の改善が認められ、特に熱間静水圧加圧によるアニール処理で大きな改善が認められた。
【0104】
また、これらの焼結体の微細組織を、走査型電子顕微鏡及び透過型電子顕微鏡により観察した結果、アニール処理を施した実施例18と比べて、実施例20,21ではアニール処理を施したことによる結晶粒子の粒成長は認められなかった。
【0105】
この結果により、アニール処理を施した実施例20,21では、粒界における結晶性が高められて粒界界面での結晶方位の整合性が改善され、これにより焼結体の強度が向上したものと推察される。
【0106】
また各実施例について、焼結体を厚み0.2mmに薄片化し、可視光の透過度合いを目視観察することによりトランスルーセントを評価したところ、実施例18と比較して実施例20,21では若干の不透明性の改善が認められた。このようなトランスルーセントの改善は、アニール処理による粒界界面での整合性が向上した結果、粒界での光散乱が抑制されてもたらされたものと考えられる。
【0107】
【表4】
【0113】
【発明の効果】
求項に係る着色ジルコニア系複合セラミック焼結体の製造方法は、少なくともセリアを安定化剤として含む、主として正方晶ジルコニアからなる第一相と、アルミナ粒子からなる第二相とが分散してなるジルコニア系複合セラミック焼結体であって、着色成分元素として、周期律表6族並びに8〜10族に属する元素から選ばれた少なくとも一種の元素を、第二相中に含有して成る着色ジルコニア系セラミック焼結体の製造方法であって、少なくともセリアを安定化剤として含む正方晶ジルコニアからなる第一の原料成分と、アルミナ粉末中に周期律表6族並びに8〜10族に属する元素から選ばれた少なくとも一種の元素を含有させた第二の原料成分とを混合し、所望の形状に成形した後、酸素含有雰囲気下で焼成するため、得られる着色された焼結体は、セリアにより正方晶ジルコニアの低温劣化が抑制されると共に、正方晶ジルコニアに対する着色成分元素の固溶を抑制して焼結体の強度劣化が抑制され、更にアルミナからなる第二相により焼結体の強度を向上し、十分な靱性と強度とを有するものであり、また焼成時には、着色成分元素が予めアルミナに含有されていることから、アルミナからなる第二相への着色成分元素の固溶が促進されると共に正方晶ジルコニアからなる第一相の周囲に着色成分元素又はその化合物が残存することにより発色の阻害を防止することができるものである。
【0114】
た、アルミナ粉末に対して、Cr、Fe、Coから選ばれる少なくとも一種の着色成分元素又はその化合物を混合して調製してなる予備調合粉末であって、この予備調合粉末全体に対する着色成分元素又はその化合物の酸化物換算での配合量がCr230.01〜20モル%、Fe230.01〜20モル%、CoO0.01〜15モル%のうちの、少なくともいずれかを満たすと共にこれらの酸化物換算での配合量の合計が0.01〜20モル%となるように混合した予備調合粉末を調製し、この予備調合粉末を酸素含有雰囲気下で500〜1000℃の温度範囲で加熱処理したものを、第二の原料成分として用いるため、着色成分元素による十分な着色の効果が得られると共に、第二相に固溶しきれない着色成分元素が生じることを防止することができるものであり、また第二の原料成分に予め着色成分元素を固溶させておくことができて、正方晶ジルコニアからなる第一相の周囲に着色成分元素又はその化合物が残存することにより発色の阻害を更に確実に防止することができるものである。
【0115】
また請求項の発明は、請求項において、Cr23、Fe23、CoOから選ばれた少なくとも一種の金属酸化物粉末をアルミナ粉末と混合することにより予備調合粉末を調製するため、この予備調合粉末の加熱処理により、着色成分元素が固溶された第二の原料成分を容易に得ることができるものである。
【0116】
また請求項の発明は、請求項において、3価のCr、3価のFe、又は2価のCoを含む金属塩、有機金属錯体、金属アルコキシドから選ばれた少なくとも一種の酸化物前駆体を有機溶媒に溶解し、アルミナ粉末と混合した後、溶媒を除去することにより予備調合粉末を調製するため、この予備調合粉末の加熱処理により、着色成分元素が固溶された第二の原料成分を容易に得ることができるものである。
【0117】
また請求項の発明は、請求項乃至のいずれかにおいて、セリアを8〜12モル%含有するセリア系正方晶ジルコニア粉末を第一の原料成分とすると共に第一の原料成分の比表面積を5〜20m2-1とし、第二の原料成分の平均粒径を0.1〜0.3μmとするため、焼成時に第二相の結晶粒子の一部を、第一相の結晶粒子の内部に分散させて、焼結体の微細構造をいわゆる「ナノ複合化組織」とすることができて、焼結体の強度、硬度を更に向上することができるものである。
【0118】
また請求項の発明は、請求項乃至のいずれかにおいて、第一の原料成分と第二の原料成分とを混合・成形したものを焼成した後、その焼成温度以下の温度であり、且つ1000℃以上の温度条件で、酸素含有雰囲気下、アニール処理を施すため、焼結体の粒界の整合性を高め、粒界での光散乱を抑制することができて、焼結体のトランスルーセントを向上することができるものである。
【0119】
また請求項の発明は、請求項において、アニール処理として、酸素含有雰囲気下、熱間静水加圧を施すため、焼結体の粒界の整合性を高め、粒界での光散乱を抑制することができて、焼結体のトランスルーセントを向上することができるものである。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
  The present invention is a colored zirconia composite ceramic sintered material suitably used for, for example, industrial machine parts, office / physical and chemical supplies, biomaterials, medical tools, etc.the body'sIt relates to a manufacturing method.
[0002]
[Prior art]
Conventionally 2-3 mol% yttria (Y2O3) Tetragonal zirconia polycrystal (Y-TZP) as a stabilizer is superior in mechanical properties such as high strength and high toughness compared to general-purpose materials such as alumina, silicon nitride and silicon carbide. Therefore, they are widely used in practical applications from optical connector ferrules, grinding media, various blades, sports and leisure goods, and the like.
[0003]
Also, in recent years, when joint function of limbs is lost due to illness, disaster, etc., to reconstruct a sliding member or a tooth lost due to aging, illness, etc. on an artificial joint used to restore these Applications to biomaterials such as artificial tooth roots, attachments, and crowns used in the field of medicine are gradually advancing.
[0004]
However, conventional yttria-based tetragonal zirconia (Y-TZP) is a phase transition from a metastable tetragonal crystal to a monoclinic crystal at a relatively low temperature range (200 to 300 ° C.). It has been pointed out that the volume expansion of about 4.6% sometimes causes internal cracks and causes a significant strength deterioration (hereinafter referred to as "low temperature deterioration"). . In addition, it is a well-known fact that the phase transition is further accelerated in a humid environment containing moisture.
[0005]
In Y-TZP, trivalent Y ions are dissolved in an interstitial form at the 8-coordinate position of tetravalent Zr ions, so oxygen defects occur on the zirconia side due to the difference in valence, which deteriorates at low temperatures. It is interpreted that it is an essential cause.
[0006]
In recent years, attempts have been made to suppress low-temperature degradation by controlling the crystal grain size of the sintered body to about 0.5 μm or less, but when Y-TZP is exposed to a humid environment of 200 to 300 ° C. However, there is a risk that phase transitions will occur easily, or that phase transitions will gradually occur in a living body that is always in a moist environment even when the ambient temperature is as low as about 37 ° C. The situation has to be handled carefully.
[0007]
In contrast, Ceria (CeO2Unlike Y-TZP, tetragonal zirconia polycrystal (Ce-TZP) containing) as a stabilizer is a ceria (CeO) which is a stabilizer.2) Is dissolved in zirconia as tetravalent Ce ions, and no oxygen defects occur, so that it is supported by many experimental data that it is a material that does not cause crystallographic degradation at low temperatures. In addition, it is also known that ceramics have an unprecedented high toughness value.
[0008]
However, Ce-TZP has a remarkably low strength and hardness compared to Y-TZP, so that it has been practically not used at all.
[0009]
On the other hand, in a field where palatability is also required for accessories such as accessories, cutlery, sports and leisure goods, etc., zirconia crystals colored in red, blue, yellow or black have been required. I came. Furthermore, in the field applied to living bodies such as artificial teeth and crowns, there is a strong demand for colored zirconia having color variations having the same texture as natural teeth and excellent in aesthetics.
[0010]
In response to such demands, various colored zirconia having a desired color tone have been developed by adding and sintering a rare earth metal or an oxide such as a transition metal to zirconia. For example, JP-A-6-199098 discloses orange (CeO) as the color tone of zirconia and the types of various colorants in a system in which 0.05% by weight of a colorant is contained in zirconia containing 3 mol% of yttria.2) To olive color (Cr2O3), Lilac (Co2O3, Nd2O3), Yellow (CuO, Fe2O3, NiO, TiO2), Pink (Er2O3, Eu2O3, Ho2O3), Brown (MnO2), Amber color (Pr2O3), Green (Tm2O3, V2O3) Until now. JP-A-8-310860 discloses a black zirconia sintered body, and JP-A-8-33650 discloses a zirconia orthodontic bracket as a field requiring aesthetics.
[0011]
However, any of these colored zirconia is a tetragonal zirconia polycrystal (Y-TZP) mainly containing yttria as a stabilizer, or a composite crystal based on it. The fact was that some limitations were put on practical use due to various problems involved.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
  The present invention has been made in view of the above points, and has excellent mechanical properties and excellent colored zirconia composite ceramic sintering that does not exhibit low-temperature deterioration.the body'sThe object is to provide a manufacturing method.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
  ContractClaim1The method for producing a colored zirconia composite ceramic sintered body according toA zirconia-based composite ceramic sintered body in which a first phase mainly composed of tetragonal zirconia and a second phase composed of alumina particles containing at least ceria as a stabilizer is dispersed, and as a coloring component element, a period Containing at least one element selected from elements belonging to Groups 6 and 8-10 in the second phaseA method for producing a colored zirconia-based ceramic sintered body, which comprises a first raw material component composed of tetragonal zirconia containing at least ceria as a stabilizer, and belongs to groups 6 and 8 to 10 in the periodic table in alumina powder. A second raw material component containing at least one element selected from the elements is mixed, formed into a desired shape, and then fired in an oxygen-containing atmosphere.Is. In this production method, a pre-prepared powder prepared by mixing alumina powder with at least one coloring component element selected from Cr, Fe, and Co or a compound thereof, and coloring the pre-prepared powder as a whole The amount of component element or its compound in terms of oxide is Cr 2 O Three 0.01 to 20 mol%, Fe 2 O Three Mixing was performed so that at least one of 0.01 to 20 mol% and CoO 0.01 to 15 mol% was satisfied and the total amount of these oxides in terms of oxide was 0.01 to 20 mol%. A pre-prepared powder is prepared, and the pre-mixed powder is heat-treated in an oxygen-containing atmosphere at a temperature range of 500 to 1000 ° C. and used as the second raw material component.
[0020]
  And claims2The invention of claim1In Cr2OThree, Fe2OThreeThe pre-prepared powder is prepared by mixing at least one metal oxide powder selected from CoO and alumina powder.
[0021]
  And claims3The invention of claim1In at least one oxide precursor selected from a metal salt containing trivalent Cr, trivalent Fe, or divalent Co, an organometallic complex, or a metal alkoxide is dissolved in an organic solvent and mixed with alumina powder. Then, a pre-prepared powder is prepared by removing the solvent.
[0022]
  And claims4The invention of claim1Thru3In any of the above, ceria-based tetragonal zirconia powder containing 8 to 12 mol% of ceria is used as the first raw material component, and the specific surface area of the first raw material component is 5 to 20 m.2g-1And the average particle diameter of the second raw material component is 0.1 to 0.3 μm.
[0023]
  And claims5The invention of claim1Thru4In any one of the above, after firing the mixture of the first raw material component and the second raw material component, the temperature is equal to or lower than the firing temperature and 1000 ° C or higher in an oxygen-containing atmosphere. An annealing process is performed.
[0024]
  And claims6The invention of claim5In the above, as the annealing process, hot isostatic pressing is performed in an oxygen-containing atmosphere.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below.
[0026]
First, each phase constituting the colored zirconia composite ceramic sintered body of the present invention and the structure of the composite ceramic sintered body will be described, and then the coloring component and the added form will be described.
[0027]
The colored zirconia composite ceramic sintered body of the present invention is constituted by dispersing first phase crystal particles mainly composed of tetragonal zirconia and second phase crystal particles mainly composed of alumina.
[0028]
The first phase crystal particles made of tetragonal zirconia must contain at least ceria as a stabilizer. As described above, ceria acts as a stabilizer for tetragonal zirconia, and is extremely important for crystallographically suppressing low temperature degradation of zirconia. The ratio of tetragonal crystals in the first phase is preferably 90% by volume or more with respect to the entire first phase.
[0029]
Although the content of ceria in the first phase is not particularly limited, for example, it is preferably 8 to 12 mol%, more preferably 10 to 12 mol%, based on the total amount of the first phase. If this content is too small, tetragonal crystallization, which is a metastable phase, is insufficient and monoclinic crystals are predominantly increased, and there is a risk of cracking after sintering, or microcracks are inherent, There is a risk of strength degradation. On the other hand, when the content is excessive, cubic crystals which are high-temperature stable phases begin to appear, and the amount of tetragonal crystals becomes less than 90% by volume, which may result in insufficient strength and toughness.
[0030]
In addition to the zirconia and ceria as a stabilizer, the first phase may contain other stabilizers such as magnesia, calcia, or yttria, and further contains other trace amounts of impurities. It may be. When other impurities are contained, the content is desirably 0.5 mol% or less with respect to the total amount of the first phase.
[0031]
The second phase crystal particles made of alumina contain a coloring component element.
[0032]
As the coloring component element, it is preferable to use only at least one element selected from elements belonging to Group 6 (former Group 6a) and Group 8 to Group 10 (former Group 8) in the periodic table. Moreover, as an addition form, it is preferable to make it contain mainly in the form dissolved in the alumina particle which comprises a 2nd phase, and not to make it dissolve in a 1st phase.
[0033]
  Here, as a conventional general zirconia coloring method, a method of sintering by adding an inorganic colorant, or a method of sintering by adding an oxide such as a rare earth metal or a transition metal to zirconia It has been known. At this time, in order to obtain a desired color tone, the addition of an inorganic colorant usually requires addition of several tens of weight% or more, and the excellent mechanical performance (high strength, high toughness) of zirconia is impaired. There are many. On the other hand, rare earth ions with vacancies in f orbit, or vacancies in d orbit and energyAssociateAddition of transition metal ions whose position is split by the influence of the ligand field can develop zirconia in a trace amount compared to the addition of inorganic pigments, but by dissolving various metal ions in zirconia, Since the light absorption region is controlled to emit light, the solid solution of the metal ion in zirconia becomes a factor that inhibits the stabilization of tetragonal crystals, and there is concern that the mechanical properties may be adversely affected.
[0034]
On the other hand, in the present invention, as the coloring component, one which is preferentially dissolved in alumina mainly constituting the second phase and preferably not substantially dissolved in zirconia constituting the first phase is used. Accordingly, it is possible to add various kinds of colors while maintaining the excellent mechanical properties (high strength and high toughness) of zirconia. Here, it is conceivable that a very small amount of the coloring component element is unavoidably dissolved in the first phase. Even in this case, the amount of the coloring component element in the first phase is 0 in terms of oxide. It is preferable to be less than 0.01 mole.
[0035]
From the above viewpoint, it is preferable to use Cr as an element belonging to Group 6 of the periodic table and Fe and Co as elements belonging to Group 8 to 10 as the coloring component. Moreover, the addition amount of these elements is Cr equivalent to the total amount of the second phase in terms of oxide of the coloring component element.2O30.01 to 20 mol%, Fe2O3Is preferably 0.01 to 20 mol%, or CoO is preferably 0.01 to 15 mol%, and at least one of them is preferably blended. % Range is preferable. A more preferable addition amount of each coloring component element is 0.05 to 8 mol%, and a more preferable addition amount is 0.05 to 1 mol%. Moreover, the more preferable range of the total addition amount of a coloring component element is 0.05-8 mol%, and a still more preferable range is 0.05-1 mol%. If the addition amount of the coloring component element is too small, it is difficult to obtain a sufficient coloring effect, and if this addition amount is excessive, it becomes difficult to make the coloring component element dissolve in the alumina.
[0036]
Further, in the colored zirconia composite ceramic sintered body according to the present invention, among the second phase made of alumina, those made of extremely fine crystal particles of several tens of nanometers are contained in the crystal particles constituting the first phase. It is preferable to form a so-called “nanocomposite structure” which is dispersed, whereby the strength and hardness of the zirconia composite ceramic sintered body are dramatically improved.
[0037]
More specifically, the second phase fine crystal particles made of alumina incorporated in the first phase crystal particles made of tetragonal zirconia are localized in the first phase crystal particles due to a difference in thermal expansion. A critical residual stress field, resulting in an increase in the critical stress of the stress-induced phase transition from tetragonal to monoclinic, and a subgrain bindery in which the transition and transition piled up in the first phase grains By forming and virtually subdividing the first phase crystal particles, it effectively contributes to high strength. As a result, the low strength and low hardness, which are disadvantages of ceria-based zirconia (Ce-TZP), have been improved to a level comparable to yttria-based zirconia (Y-TZP), and a high toughness that is three times or more that of Y-TZP. It is possible to realize tough zirconia ceramics that have both.
[0038]
The number of the second phase particles dispersed and present in the particles constituting the first phase is preferably 2 with respect to the total number of the second phase crystal particles in the colored zirconia composite ceramic sintered body. %, And the larger the ratio, the better.
[0039]
Here, titania having an effect of promoting grain growth of the zirconia particles may be dissolved in the first phase and contained. In this case, in the sintering process, more second phase particles can be dispersed in the first phase to promote the formation of the nanocomposite structure. At this time, the content of titania in the first phase is not particularly limited. For example, the content of titania is preferably 0.02 to 4 mol%, more preferably, based on the total amount of the first phase. Is 0.05 to 1 mol%. If the content of titania is too small, the effect of improving the grain growth of the first phase due to titania cannot be obtained, and if it is excessive, the strength of the first phase may become coarse, resulting in a significant decrease in strength. It is not preferable.
[0040]
Further, the content of the second phase in the colored zirconia composite ceramic sintered body is not particularly limited, but is preferably 0.5 to 50% by volume, for example, based on the total amount of the sintered body. Preferably it is 30-40 volumes. If the content of the second phase is less than 0.5% by volume, the effect of improving the strength and toughness is hardly obtained, and if it exceeds 40% by volume, the particles of the second phase are sintered together. Since the second phase particles incorporated into the first phase particles are reduced, the strength and toughness are gradually lowered. Further, when the volume exceeds 50% by volume, the second phase is matrixed. May decrease.
[0041]
Next, a method for producing a colored zirconia composite ceramic sintered body according to the present invention will be described.
[0042]
The colored zirconia composite ceramic sintered body can be formed from a first raw material component made of tetragonal zirconia containing at least ceria as a stabilizer and a second raw material component made of alumina.
[0043]
As the first raw material component, it is preferable to use ceria-based tetragonal zirconia powder (Ce-TZP) containing 8 to 12 mol% of ceria and the balance being zirconia. In addition, other stabilizers such as magnesia, calcia, or yttria can be dissolved in the ceria-based tetragonal zirconia powder. Other trace amounts of impurities may be contained, but the content is preferably 0.05 mol% or less in terms of oxide. Further, when titania is contained in the first phase in order to promote the formation of the nanocomposite structure of the sintered body, the one containing titania as the first raw material component is used. In one raw material component, it is preferable to contain titania in a range of 0.02 to 4 mol% with respect to the total amount of the first phase.
[0044]
As the second raw material component, alumina powder and a coloring component raw material are used.
[0045]
Examples of the coloring component material include at least one coloring component element selected from elements belonging to Group 6 (former group 6a) and Group 8 to 10 (former group 8) of the periodic table, or a compound thereof. In particular, at least one element selected from Cr, Fe and Co or a compound thereof is preferable. As the coloring component raw material, one in the state of an oxide of the coloring component element can be used, for example, Cr2O3, Fe2O3At least one oxide powder selected from CoO can be used. Alternatively, at least one oxide precursor selected from a metal salt containing trivalent Cr, trivalent Fe, or divalent Co, an organometallic complex, or a metal alkoxide can also be used.
[0046]
The first raw material component and the second raw material component as described above are mixed to prepare a mixed raw material. At this time, as the second raw material component, the alumina powder and the coloring component raw material can be blended separately in the mixed raw material.
[0047]
More preferably, as the second raw material component, an alumina powder containing a coloring component element is used. In this case, when obtaining a sintered body by firing, the coloring component element with respect to alumina is used. The preferential solid solution can be promoted, and good color development can be prevented from being inhibited by the coloring component raw material remaining around the first phase made of zirconia.
[0048]
  MaTheAs the second raw material component, one obtained by firing a pre-prepared powder obtained by mixing a coloring component raw material containing a coloring component element with alumina powder is used. In this case, before forming the sintered body by firing, the coloring component elements can be preferentially dissolved in alumina in advance, and the remaining of the coloring component raw material in the sintered body can be further effectively prevented. Can do.
[0049]
  At the time of preparing the pre-prepared powder, the coloring component raw materials as described above are dispersed or dissolved in an organic solvent, and then mixed with the alumina powder, and the organic solvent is removed therefrom, whereby the pre-prepared powder can be obtained. The pre-prepared powder is fired in a temperature range of 500 to 1000 ° C. in an oxygen-containing atmosphere such as the air.TheBy applying this treatment, the ions of the coloring component elements can be preferentially dissolved in alumina.
[0050]
  In the second raw material component thus obtained, a coloring component element is contained in the same composition as the second phase composition in the desired colored zirconia composite ceramic sintered body. When at least one of Cr, Fe, and Co is contained as a coloring component element, when these coloring component elements are converted into oxides, the total amount of the second raw material component in the second raw material component Against Cr2OThree0.01 to 20 mol%, Fe2OThreeIs blended so that at least 0.01 to 20 mol% or CoO is 0.01 to 15 mol%.TheAt this time, the total addition amount of the color component elements should be in the range of 0.01 to 20 mol%.TheA more preferable addition amount of each coloring component element is 0.05 to 8 mol%, and a more preferable addition amount is 0.05 to 1 mol%. Moreover, the more preferable range of the total addition amount of a coloring component element is 0.05-8 mol%, and a still more preferable range is 0.05-1 mol%. If the addition amount of the coloring component element is too small, it is difficult to obtain a sufficient coloring effect, and if this addition amount is excessive, it becomes difficult to make the coloring component element dissolve in the alumina.
[0051]
Moreover, the specific surface area which contains 8-12 mol% ceria as a 1st raw material component and a remainder consists of zirconia is 5-20m.2g-1It is preferable to use those having an average particle size of 0.1 to 0.3 μm as the second raw material component. When such a combination of raw material components is used, the second phase formed from the second raw material component is easily taken into the first phase formed from the first raw material component in the sintering process, and more Many second phase crystal particles can be dispersed within the first phase to facilitate the formation of a nanocomposite structure.
[0052]
The first raw material component and the second raw material component are mixed at a blending ratio that matches the ratio of the first phase and the second phase in the desired colored zirconia composite ceramic sintered body, preferably It mix | blends so that the ratio of a 2nd raw material component may be 0.5-50 volume% with respect to the total amount of a 1st raw material component and a 2nd raw material component, More preferably, it is 30-40 volume%.
[0053]
Next, the mixed powder of the first raw material component and the second raw material component thus obtained is formed into a desired shape by pressure molding or the like, and then fired. The firing conditions are not particularly limited, but firing is preferably performed in a temperature range of 1400 to 1550 ° C. for 3 to 5 hours in an oxygen-containing atmosphere such as the air. If the firing temperature at this time is less than 1400 ° C., it will be difficult to obtain a dense sintered body, it will be difficult to impart sufficient strength to the sintered body, and if the firing temperature exceeds 1550 ° C. There is a possibility that the crystal grains of the first phase and the second phase grow excessively and cause a decrease in strength. At this time, the firing is performed so that the percentage of the actual density of the sintered body relative to the theoretical density derived based on the relative density, that is, the composition ratio of each component constituting the sintered body, is 99% or more. It becomes possible to form a ligature.
[0054]
In addition, it is preferable that the sintered body thus obtained is further subjected to a treatment for imparting translucency (translucency). In this case, the obtained colored zirconia composite ceramic sintered body is obtained. It is suitable for application to crowns and the like that require various color variations and aesthetics.
[0055]
Here, generally, alumina and zirconia do not have an absorption edge in a specific wavelength region, and thus basically show translucency. Further, these ceramics can be imparted with transparency by improving the consistency of the polycrystalline grain boundaries to suppress light scattering, or by forming a single crystal without the light scattering source. A typical example is cubic zirconia as the former and sapphire as the latter. On the other hand, the colored zirconia composite ceramic sintered body according to the present invention is a principle that controls the light absorption region by causing various metal ions to be dissolved, and develops color. Will act negatively. Therefore, in order to impart translucency, it is an important factor to enhance the consistency of the grain boundary of the composite sintered body and suppress light scattering at the grain boundary.
[0056]
The treatment for imparting translucent in the present invention is not particularly limited, and there is a method for enhancing the consistency of grain boundaries in the sintered body by performing an annealing treatment. In addition, as an annealing treatment of the sintered body, it is particularly effective to perform hot isostatic pressing (HIP) in an oxygen-containing atmosphere. When performing hot isostatic pressing (HIP), the atmosphere during the treatment is not particularly limited, but a mixed gas of an inert gas such as argon and oxygen gas can be used. The oxygen gas concentration with respect to the total amount of the mixed gas is preferably 5% by volume.
[0057]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail by way of examples.
[0058]
<Reference Examples 1-3>
Alumina powder having an average particle size of 0.2 μm (hereinafter simply referred to as “Al2O3As a coloring component for Cr (NO)3)3・ 9H2O, Fe (NO3)3・ 9H2O or Co (NO3)2・ 6H2Each nitrate of O was blended and wet ball mill mixed in an ethanol solvent for 24 hours. At this time, each nitrate is Al2O3And oxide equivalent to the total amount of coloring components (Cr2O3, Fe2O3, CoO) was added so that the molar fraction in Table 1 would be the ratio shown in Table 1.
[0059]
Next, the dried powder is uniaxially pressed under a condition of 20 MPa using a φ20 mm mold, and further CIP (cold isostatic pressing) under a condition of 145 MPa to obtain a tablet-like molded body. It was.
[0060]
Subsequently, each compact was fired in the atmosphere at 1440 ° C. for 4 hours to obtain a sintered body.
[0061]
  <Reference Examples 4-6>
  Specific surface area of 15 m containing 10 mol% of CeO as a stabilizer2g-1Tetragonal zirconia powder (hereinafter referred to as “Ce-TZP”), Al2OThreeAnd Cr (NOThree)Three・ 9H2O, Fe (NOThree)Three・ 9H2O or Co (NOThree)2・ 6H2Each nitrate of O was blended and wet ball mill mixed in an ethanol solvent for 24 hours. At this time, each nitrate is Al2OThreeAnd oxide equivalent to the total amount of coloring components (Cr2OThree, Fe2OThree, CoO) so that the molar fraction is as shown in Table 1, and Al2OThreeThe blending amount of the coloring component is Al based on the total amount of the sintered body obtained2OThreeThe volume fraction of the solid solution with the coloring component was set to 30% by volume.
[0062]
Next, the dried powder was molded and fired in the same manner as in Reference Examples 1 to 3, to obtain a sintered body.
[0063]
<Comparative Examples 1-3>
In Ce-TZP, Cr (NO3)3・ 9H2O, Fe (NO3)3・ 9H2O or Co (NO3)2・ 6H2Each nitrate of O was blended and wet ball mill mixed in an ethanol solvent for 24 hours. At this time, each nitrate is converted to oxide (Cr) with respect to the total amount of Ce-TZP and coloring components.2O3, Fe2O3, CoO) so that the molar fraction in Table 1 is as shown in Table 1.
[0064]
Next, the dried powder was molded and fired in the same manner as in Reference Examples 1 to 3, to obtain a sintered body.
[0065]
  <Evaluation>
  Each obtained in this wayreferenceThe sintered bodies of the examples and the comparative examples are dense ones in which the relative density is 99% or more with respect to the theoretical density derived from the composition ratio of the constituent components in the sintered body.Reference Examples 4-6In the first to third crystal grains composed of zirconia and Comparative Examples 1 to 3, the first phase crystal grains composed of zirconia in the sintered body are homologous to tetragonal-monoclinic-cubic crystals by X-ray diffraction. As a result, the monoclinic crystal was 5 vol% or less, and the tetragonal crystal was the main phase.
[0066]
  Also eachreferenceAbout the example and the comparative example, the external appearance was visually inspected and the color tone was evaluated. The results are summarized in Table 1. According to this result, Al2OThreeReference Examples 1 to 3 in which coloring components were added to Ce, TZP, and Al2OThreeAnd coloring ingredientsReference Examples 4-6In this case, a sintered body was obtained which was generally colored pink when chromium was added, generally yellow when iron was added, and generally blue when cobalt was added. However,Reference Examples 4-6The color tone of the sintered body exhibited a darker color as compared with Reference Examples 1 to 3.
[0067]
On the other hand, in Comparative Examples 1 to 3 in which a coloring component was added to Ce-TZP, the sintered bodies exhibited a grayish black color, and showed significantly different aspects from the sintered bodies of Reference Examples 1 to 3.
[0068]
  Also, eachreferenceIn the sintered bodies of Examples and Comparative Examples, the presence or absence of solid solution of the coloring component elements was evaluated based on the lattice constant derived by X-ray diffraction measurement. According to this, reference examples 1 to6Then, the lattice constant derived from the diffraction peak based on the measured crystal of alumina was higher than that of pure alumina. Where Cr3+The ion radius of the ions is 0.82Å, Fe3+The ion radius of the ions is 0.67Å, Co2+The ion radius of the ions is 0.82Å, both of which are Al3+Therefore, the increase in the lattice constant of alumina is considered to be due to the solid solution of these coloring component elements in alumina. On the contrary,Reference Examples 4-6In Comparative Examples 1 to 3, the lattice constant derived from the diffraction peak based on the zirconia crystal does not change compared to the lattice constant of Ce-TZP used as the raw material, and the solid solution of the color component element is I was not able to admit.
[0069]
Therefore, the sintered bodies of Comparative Examples 1 to 3 all showed grayish black color because the color of each nitrate powder added as a coloring component was reflected, and coloration due to the solid solution of various metal ions occurred at all. It became clear that it was not.
[0070]
  AlsoReference Examples 4-6The sintered body of No. 1 became darker than Reference Examples 1 to 3 because the metal ions present around the Ce-TZP particles were not dissolved in Ce-TZP during sintering. It is thought that it remained in the state of nitrate and the color of this nitrate was reflected.
[0071]
Based on the above results, the coloring components Cr, Fe, and Co are preferentially dissolved only in alumina and not in zirconia. Confirmed by derivation.
[0072]
[Table 1]
[0073]
<Examples 4 to 16>
Al2O3On the other hand, Cr (NO3)3・ 9H2O, Fe (NO3)3・ 9H2O and Co (NO3)2・ 6H2Two or three of each nitrate of O2O3And oxide equivalent to the total amount of coloring components (Cr2O3, Fe2O3, CoO) was added so that the molar fraction in Table 2 would be the ratio shown in Table 2, followed by wet ball mill mixing in an ethanol solvent for 24 hours, followed by drying to prepare a pre-formulated powder.
[0074]
The pre-prepared powder was fired at 800 ° C. for 1 hour in the air to obtain a second raw material component.
[0075]
As a first raw material component, a specific surface area of 15 m2g-1Of Ce-TZP was used.
[0076]
Then, these two kinds of powders are blended so that the volume fraction of the second raw material component relative to the total of the first raw material component and the second raw material component is 30% by volume, and wet ball mill mixing is performed in an ethanol solvent for 24 hours. did.
[0077]
Next, the dried powder is uniaxially pressed under a condition of 20 MPa using a φ20 mm mold, and further subjected to CIP (cold isostatic pressing) under a condition of 147 MPa to obtain a tablet-like molded body. It was.
[0078]
Subsequently, each compact was fired in the atmosphere at 1440 ° C. for 4 hours to obtain a sintered body.
[0079]
<Evaluation>
The sintered bodies of the examples obtained in this way are all dense with a relative density of 99% or more, and the first-phase crystal particles made of zirconia in the sintered body are X As a result of phase identification of tetragonal crystal-monoclinic crystal-cubic crystal by line diffraction, monoclinic crystal was 1% by volume or less, and almost tetragonal crystal was the main phase.
[0080]
Moreover, about each Example, the external appearance was visually inspected and the color tone was evaluated. The results are summarized in Table 2. According to this result, as in Examples 4 to 12, when Cr, Fe, and Co ions, which are coloring components, are dissolved in a binary system in alumina, a color tone that interpolates each single color is obtained. Became clear. Further, at this time, a darkish color as in Examples 1 to 3 was not observed, and it was extremely clear. This is because the second raw material component in which the coloring component is dissolved in the alumina powder in advance is prepared, so that the solid solution of the coloring component element in the alumina is promoted and is not dissolved in the sintered body. This is probably because the coloring component did not remain. Further, as in Examples 13 to 16, it was confirmed that it is possible to obtain a grayish black color tone by increasing the absorption edge of the light by dissolving the coloring component in a ternary system. .
[0081]
Moreover, the presence or absence of the solid solution of the color component element in the sintered body of each example was evaluated based on the lattice constant derived by X-ray diffraction measurement in the same manner as in Examples 1 to 3 and the like. According to this, the solid solution of the color component element in alumina was confirmed, and the solid solution of the color component element in zirconia was not recognized.
[0082]
From the above results, it was confirmed that the coloring components Cr, Fe, and Co were preferentially dissolved in only alumina and not in zirconia. In addition, since the second raw material component in which the coloring component is solid-dissolved in the alumina powder is prepared in advance, the solid-solution of the coloring component element into the alumina is promoted and the remaining of the coloring component in the sintered body is suppressed. It was confirmed that
[0083]
[Table 2]
[0084]
<Examples 17 to 19>
Al2O3On the other hand, Cr (NO3)3・ 9H2O, Fe (NO3)3・ 9H2One kind of each nitrate of O is Al2O3In terms of oxide (Cr)2O3, Fe2O3) Were added so that the molar fraction in Table 3 would be the ratio shown in Table 3, mixed in an ethanol solvent for 24 hours by wet ball milling, and then dried to prepare a pre-prepared powder.
[0085]
The pre-prepared powder was fired at 800 ° C. for 1 hour in the air to obtain a second raw material component.
[0086]
As a first raw material component, a specific surface area of 15 m2g-1Of Ce-TZP was used.
[0087]
Then, these two kinds of powders are blended so that the volume fraction of the second raw material component is 30% by volume with respect to the total of the first raw material component and the second raw material component, and wet ball mill mixing is performed in an ethanol solvent for 24 hours. did.
[0088]
Next, the dried powder is uniaxially pressed under a condition of 7 MPa using a φ68 mm mold, and further CIP (cold isostatic pressing) under a condition of 147 MPa to obtain a tablet-like molded body. It was.
[0089]
Subsequently, each compact was fired in the atmosphere at 1440 ° C. for 4 hours to obtain a sintered body.
[0090]
<Comparative example 4>
Except not mix | blending a coloring component, it carried out similarly to Examples 17-19, and obtained the sintered compact.
[0091]
<Evaluation>
Each sintered body thus obtained was dense with a relative density of 99% or more.
[0092]
Moreover, about each Example and the comparative example, the external appearance was visually inspected and the color tone was evaluated. The results are summarized in Table 3.
[0093]
For each of the examples and comparative examples, 5 prismatic specimens of 3 mm × 4 mm × 40 mm were cut out from a molded sintered body having a diameter of 50 mm and a thickness of 5 mm with a diamond blade, and a sample for evaluating mechanical properties and did. The ridge line of the sample was chamfered with C of 0.1 mm, and the side surface was polished with a 600-800 diamond grindstone. In the test of bending strength, the tensile surface of the sample was mirror finished with the final diamond paste.
[0094]
Using such a sample, a three-point bending test was performed under the conditions of a lower span of 30 mm and a crosshead speed of 0.5 mm / min to obtain a bending strength.
[0095]
Further, a Vickers indenter was imprinted on the sample mirror surface under the conditions of a load of 490 N (50 kgf) and a holding time of 15 seconds, and the fracture toughness value was measured by the IF method.
[0096]
The fracture toughness value was calculated using the following Niihara equation corresponding to the palmqvist type crack shown below by measuring the length of the crack and the size of the indentation caused by the indentation of the Vickers indenter.
[0097]
KIC= 0.018Hv・ A1/2・ (L / a)1/2・ (Hv/ E)-2/5
KIC: Fracture toughness value
Hv: Vickers hardness
a: 1/2 length of diagonal line of Vickers indentation
l: l = c−a
c: Length of crack extending from Vickers indentation
E: Young's modulus (elastic modulus)
These results are also summarized in Table 3. According to this result, Examples 17 to 19 have the same mechanical characteristics as Comparative Example 4 in which no coloring component was used, and it was confirmed that the mechanical strength was not deteriorated even if the coloring component was used. . As a result, the coloring component is not dissolved in the first phase composed of tetragonal zirconia, but is preferentially dissolved in the second phase composed of alumina, thereby maintaining various mechanical properties while maintaining the mechanical properties. It was confirmed that can be added.
[0098]
In addition, as a result of observing the microstructure of these sintered bodies with a scanning electron microscope and a transmission electron microscope, in any of the sintered bodies, tens to hundreds of nanometers of the second phase crystal particles. It was confirmed that some of the very fine second-phase crystal particles have a so-called “nanocomposite structure” dispersed in the first-phase crystal particles.
[0099]
Moreover, in the case of Examples 17-19 and the case of Comparative Example 4, the same nanocomposite structure | tissue is formed, and even when a coloring component is used, the bad influence with respect to a fine structure is not recognized, A coloring component is used. It was confirmed that the same nanocomposite structure was maintained as in the case of no.
[0100]
[Table 3]
[0101]
<Example 20>
After the sintered body was formed in the same manner as in Example 18, it was treated in air at 1340 ° C. for 3 hours, and then annealed to 1000 ° C. at a rate of 0.5 ° C./min.
[0102]
<Example 21>
After forming the sintered body in the same manner as in Example 18, the pressure was 1.5 MPa by hot isostatic pressing (HIP) under an oxygen-containing mixed gas atmosphere with an argon gas / oxygen volume ratio of 90/10. An annealing treatment was performed at 1300 ° C. for 3 hours under the conditions, and then the temperature was lowered to 100 ° C. at a temperature lowering rate of 0.5 ° C./min.
[0103]
<Evaluation>
For Examples 20 and 21, the same color tone evaluation and mechanical property evaluation as described above were performed. The results are shown in Table 4 together with the results of Example 18, and in Examples 20 and 21 where the annealing treatment was performed, the results were 1 to 2 compared to Example 18 where the annealing treatment was performed with the same composition. The bending strength was improved by about 30%, and a great improvement was observed especially by annealing treatment by hot isostatic pressing.
[0104]
Moreover, as a result of observing the microstructure of these sintered bodies with a scanning electron microscope and a transmission electron microscope, it was found that annealing was performed in Examples 20 and 21 compared to Example 18 where annealing was performed. Grain growth of crystal grains due to was not observed.
[0105]
As a result, in Examples 20 and 21 where the annealing treatment was performed, the crystallinity at the grain boundary was increased, and the alignment of the crystal orientation at the grain boundary interface was improved, thereby improving the strength of the sintered body. It is guessed.
[0106]
Moreover, about each Example, when a sintered compact was sliced to thickness 0.2mm and the translucent was evaluated by visually observing the transmission degree of visible light, compared with Example 18, in Examples 20 and 21, it is a little. An improvement in opacity was observed. Such an improvement in translucency is considered to be brought about by suppressing the light scattering at the grain boundary as a result of improving the consistency at the grain boundary interface by the annealing treatment.
[0107]
[Table 4]
[0113]
【The invention's effect】
ContractClaim1The method for producing a colored zirconia composite ceramic sintered body according toA zirconia-based composite ceramic sintered body in which a first phase mainly composed of tetragonal zirconia and a second phase composed of alumina particles containing at least ceria as a stabilizer is dispersed, and as a coloring component element, a period Containing at least one element selected from elements belonging to Groups 6 and 8-10 in the second phaseA method for producing a colored zirconia-based ceramic sintered body, which comprises a first raw material component composed of tetragonal zirconia containing at least ceria as a stabilizer, and belongs to groups 6 and 8 to 10 in the periodic table in alumina powder. After mixing with a second raw material component containing at least one element selected from the elements, forming into a desired shape, and firing in an oxygen-containing atmosphere, the resulting colored sintered body is: Ceria suppresses low-temperature degradation of tetragonal zirconia, suppresses solid solution of colored component elements to tetragonal zirconia, suppresses strength deterioration of the sintered body, and further suppresses the deterioration of the sintered body by the second phase made of alumina. It has improved strength and has sufficient toughness and strength, and since the coloring component element is preliminarily contained in alumina at the time of firing, it is attached to the second phase made of alumina. Is capable of preventing the inhibition of color development by the coloring component element or a compound thereof to the periphery of the first phase of tetragonal zirconia with a solid solution of the constituent elements is promoted remains.
[0114]
  MaTheA pre-mixed powder prepared by mixing at least one color component element selected from Cr, Fe, Co or a compound thereof with alumina powder, and the color component element or compound thereof for the entire pre-powder powder The amount of oxide in terms of oxide is Cr2OThree0.01 to 20 mol%, Fe2OThreeMixing was performed so that at least one of 0.01 to 20 mol% and CoO 0.01 to 15 mol% was satisfied and the total amount of these oxides in terms of oxide was 0.01 to 20 mol%. Since a pre-prepared powder is prepared and heat-treated in a temperature range of 500 to 1000 ° C. in an oxygen-containing atmosphere is used as the second raw material component, the effect of sufficient coloring by the color component element is obtained. In addition to being obtained, it is possible to prevent the occurrence of colored component elements that cannot be completely dissolved in the second phase, and it is possible to previously dissolve the colored component elements in the second raw material component. Further, the coloring component element or the compound thereof remains around the first phase composed of tetragonal zirconia, so that inhibition of color development can be prevented more reliably.
[0115]
  And claims2The invention of claim1In Cr2OThree, Fe2OThreeIn order to prepare a pre-prepared powder by mixing at least one metal oxide powder selected from CoO and alumina powder, the second raw material in which the coloring component elements are dissolved in the pre-mixed powder by heat treatment Ingredients can be easily obtained.
[0116]
  And claims3The invention of claim1In at least one oxide precursor selected from a metal salt containing trivalent Cr, trivalent Fe, or divalent Co, an organometallic complex, or a metal alkoxide is dissolved in an organic solvent and mixed with alumina powder. Then, in order to prepare the pre-prepared powder by removing the solvent, the second raw material component in which the color component element is dissolved can be easily obtained by heat treatment of the pre-prepared powder.
[0117]
  And claims4The invention of claim1Thru3In any of the above, ceria-based tetragonal zirconia powder containing 8 to 12 mol% of ceria is used as the first raw material component, and the specific surface area of the first raw material component is 5 to 20 m.2g-1In order to set the average particle size of the second raw material component to 0.1 to 0.3 μm, a part of the second phase crystal particles is dispersed inside the first phase crystal particles at the time of firing. The microstructure of the aggregate can be a so-called “nanocomposite structure”, and the strength and hardness of the sintered body can be further improved.
[0118]
  And claims5The invention of claim1Thru4In any one of the above, after firing the mixture of the first raw material component and the second raw material component, the temperature is equal to or lower than the firing temperature and 1000 ° C or higher in an oxygen-containing atmosphere. Since the annealing treatment is performed, the consistency of the grain boundary of the sintered body can be improved, light scattering at the grain boundary can be suppressed, and the translucent of the sintered body can be improved.
[0119]
  And claims6The invention of claim5In this case, as the annealing treatment, hot isostatic pressing is performed in an oxygen-containing atmosphere, so that the consistency of the grain boundaries of the sintered body can be improved, and light scattering at the grain boundaries can be suppressed. Translucent can be improved.

Claims (6)

少なくともセリアを安定化剤として含む、主として正方晶ジルコニアからなる第一相と、アルミナ粒子からなる第二相とが分散してなるジルコニア系複合セラミック焼結体であって、着色成分元素として、周期律表6族並びに8〜10族に属する元素から選ばれた少なくとも一種の元素を、第二相中に含有して成る着色ジルコニア系セラミック焼結体の製造方法であって
少なくともセリアを安定化剤として含む正方晶ジルコニアからなる第一の原料成分と、アルミナ粉末中に周期律表6族並びに8〜10族に属する元素から選ばれた少なくとも一種の元素を含有させた第二の原料成分とを混合し、所望の形状に成形した後、酸素含有雰囲気下で焼成するものであり、
且つ、アルミナ粉末に対して、Cr、Fe、Coから選ばれる少なくとも一種の着色成分元素又はその化合物を混合して調製してなる予備調合粉末であって、この予備調合粉末全体に対する着色成分元素又はその化合物の酸化物換算での配合量がCr 2 3 0.01〜20モル%、Fe 2 3 0.01〜20モル%、CoO0.01〜15モル%のうちの、少なくともいずれかを満たすと共にこれらの酸化物換算での配合量の合計が0.01〜20モル%となるように混合した予備調合粉末を調製し、この予備調合粉末を酸素含有雰囲気下で500〜1000℃の温度範囲で加熱処理したものを、前記第二の原料成分として用いることを特徴とする着色ジルコニア系複合セラミック焼結体の製造方法。
A zirconia-based composite ceramic sintered body in which a first phase mainly composed of tetragonal zirconia and a second phase composed of alumina particles containing at least ceria as a stabilizer is dispersed, and the coloring component element is a periodic A method for producing a colored zirconia-based ceramic sintered body comprising at least one element selected from elements belonging to Group 6 and Group 8 to 10 in the second phase ,
A first raw material component composed of tetragonal zirconia containing at least ceria as a stabilizer, and alumina powder containing at least one element selected from elements belonging to Groups 6 and 8 to 10 in the periodic table. The two raw material components are mixed, formed into a desired shape, and then fired in an oxygen-containing atmosphere .
And, it is a pre-mixed powder prepared by mixing at least one kind of color component element selected from Cr, Fe, Co or its compound with respect to the alumina powder, amount is Cr 2 O 3 0.01 to 20 mol% as oxides of the compounds, Fe 2 O 3 0.01 to 20 mol%, of the CoO0.01~15 mol%, either at least A pre-prepared powder was prepared by mixing so that the total amount of these oxides in terms of oxide was 0.01 to 20 mol%, and the pre-prepared powder was heated to a temperature of 500 to 1000 ° C. in an oxygen-containing atmosphere. What was heat-processed in the range is used as said 2nd raw material component , The manufacturing method of the coloring zirconia type composite ceramic sintered compact characterized by the above-mentioned .
Cr23、Fe23、CoOから選ばれた少なくとも一種の金属酸化物粉末をアルミナ粉末と混合することにより予備調合粉末を調製することを特徴とする請求項に記載の着色ジルコニア系複合セラミック焼結体の製造方法。The colored zirconia system according to claim 1 , wherein a pre-prepared powder is prepared by mixing at least one metal oxide powder selected from Cr 2 O 3 , Fe 2 O 3 and CoO with an alumina powder. A method for producing a composite ceramic sintered body. 3価のCr、3価のFe、又は2価のCoを含む金属塩、有機金属錯体、金属アルコキシドから選ばれた少なくとも一種の酸化物前駆体を有機溶媒に溶解し、アルミナ粉末と混合した後、溶媒を除去することにより予備調合粉末を調製することを特徴とする請求項に記載の着色ジルコニア系複合セラミック焼結体の製造方法。After dissolving at least one oxide precursor selected from a metal salt containing trivalent Cr, trivalent Fe, or divalent Co, an organometallic complex, and a metal alkoxide in an organic solvent, and mixing with alumina powder 2. The method for producing a colored zirconia composite ceramic sintered body according to claim 1 , wherein a pre-prepared powder is prepared by removing the solvent. セリアを8〜12モル%含有するセリア系正方晶ジルコニア粉末を第一の原料成分とすると共に第一の原料成分の比表面積を5〜20m2-1とし、第二の原料成分の平均粒径を0.1〜0.3μmとすることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の着色ジルコニア系複合セラミック焼結体の製造方法。The ceria-based tetragonal zirconia powder containing 8 to 12 mol% of ceria is used as the first raw material component, and the specific surface area of the first raw material component is 5 to 20 m 2 g −1, and the average grain of the second raw material component The method for producing a colored zirconia composite ceramic sintered body according to any one of claims 1 to 3 , wherein the diameter is 0.1 to 0.3 µm. 第一の原料成分と第二の原料成分とを混合・成形したものを焼成した後、その焼成温度以下の温度であり、且つ1000℃以上の温度条件で、酸素含有雰囲気下、アニール処理を施すことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の着色ジルコニア系複合セラミック焼結体の製造方法。After firing and mixing the first raw material component and the second raw material component, annealing is performed in an oxygen-containing atmosphere at a temperature not higher than the baking temperature and not lower than 1000 ° C. A method for producing a colored zirconia composite ceramic sintered body according to any one of claims 1 to 4 . アニール処理として、酸素含有雰囲気下、熱間静水加圧を施すことを特徴とする請求項に記載の着色ジルコニア系複合セラミック焼結体の製造方法。The method for producing a colored zirconia composite ceramic sintered body according to claim 5 , wherein hot annealing is performed under an oxygen-containing atmosphere as the annealing treatment.
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