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JP4196368B2 - 建設機械の昇降用ラダー装置 - Google Patents

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JP4196368B2
JP4196368B2 JP36128499A JP36128499A JP4196368B2 JP 4196368 B2 JP4196368 B2 JP 4196368B2 JP 36128499 A JP36128499 A JP 36128499A JP 36128499 A JP36128499 A JP 36128499A JP 4196368 B2 JP4196368 B2 JP 4196368B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、大型油圧ショベル等の建設機械の昇降用ラダー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず、従来の油圧ショベルについて、本願の実施形態でもある図1〜図3に基づいて説明すると、油圧ショベルは、下部走行体1と、下部走行体に旋回可能に支持された上部車体2と、上部車体2に回動可能に取付けられたブーム、アーム、バケット等から成る作業機3とを備えており、上部車体2に運転室4が設けられている。そして油圧ショベルが大型になった場合、オペレータの運転室4への昇降のために昇降用ラダー装置Aが使用される。この昇降用ラダー装置Aは、上部車体2の側部において、その車体フレーム5に取付けられているものである。
【0003】
上記昇降用ラダー装置の従来例としては、例えば、実開昭60−4649号を挙げることができる。この昇降用ラダー装置について、本願の実施形態でもある図4に基づいて説明する。このラダー装置Aは、車体フレーム2に取付けられたガイド部10と、このガイド部10にスライド自在に支持されたラダー11とを備えている。ガイド部10は、図1及び図3に示しているように、互いに平行に配置された左右一対のガイド部材12、12を有している。各ガイド部材12には、ラダー摺動部13と、その背部の位置にバランスウエイト摺動部14とが形成されている。ラダー摺動部13にはラダー11がスライド自在に配置され、またバランスウエイト摺動部14にはバランスウエイト15がスライド自在に配置されている。上記ラダー11とバランスウエイト15とは、ロープ16によって接続されており、このロープ16の途中が、上記ガイド部材12の頂部に軸支されたシーブ17に掛けられている。
【0004】
そして、地上に居るオペレータは、図4(b)のように、ラダー11を下降位置へと引き下ろし、これを使用して上部車体2のキャットウオーク6に上り、次いで階段7から運転室4に乗車する。また、これとは逆に降車する際にも同様に利用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記した従来の昇降用ラダー装置においては、ラダー11はバランスウエイト15によって、常に格納位置に位置するように付勢されてはいるものの、格納位置や下降位置において、その移動の規制されたロック状態にある訳ではない。従って、オペレータの乗車時に、ラダー11を下降位置へと引き下ろした状態においても、ラダー11の位置は安定せず、そのためオペレータの乗降動作がスムーズに行えないという欠点があった。また格納位置にあるはずのラダー11が、運転時に不用意に突出して、他の部分と干渉して破損を招くという問題もあった。さらに、従来の昇降用ラダー装置は、車幅を越えて外方へと突出した状態で取り付けられているため、その運転時に、他の部分と干渉して破損を招き易いという問題もあった。
【0006】
この発明は上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、ラダーを引き下ろした下降位置においてラダーを安定させ、オペレータの乗降動作を容易にすることが可能な建設機械の昇降用ラダー装置を提供することにある。また、周囲への突出を防止して、運転動作時の周囲部分との干渉、及びそれに起因する破損の問題を解消し得る建設機械の昇降用ラダー装置を提供することもこの発明の目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段及び効果】
そこで請求項1の建設機械の昇降用ラダー装置は、車体フレーム5に設けられたガイド部10と、このガイド部10に上下方向にスライド可能に支持され、格納された格納位置と使用時の下降位置との間で昇降するラダー11とより成り、上記ラダー11を格納位置でロックするロック機構51と下降位置でロックするロック機構52とを設け、さらに、上記ラダー11を格納位置にスライドさせるバランスウエイト15と、上記ラダー11が格納位置でロックされているときに上記ラダー11を下降位置方向に付勢する付勢手段41を設けていることを特徴としている。
【0008】
上記請求項1の建設機械の昇降用ラダー装置においては、ラダー11は、引き下ろした下降位置において、その移動がロック機構52によって規制される。そのため、この下降位置においてラダー11が安定し、この結果、オペレータの乗降動作がスムーズに行えるようになる。また、ラダー11を格納位置においてロックできることから、運転中において、ラダー11が不用意に突出するのを防止できる。そのため、不用意に突出したラダー11が周囲部分と干渉して、破損してしまうという不具合を解消できる。さらに、格納位置においてロックを解除すれば、ラダー11には、付勢手段41によって下降位置方向に強制的な移動が生じる。このため、ロック解除を確実に行うことができ、ラダー11のその後の引き下ろし動作を容易、かつ円滑に行うことができる。
【0011】
請求項の建設機械の昇降用ラダー装置は、上記ラダー11を下降位置でロックするロック機構52によるロックを車上で解除可能としていることを特徴としている。
【0012】
請求項の建設機械の昇降用ラダー装置においては、例えば、オペレータがキャットウオークに上がった後で、キャットウオーク上からロック機構52によるロックを解除することができる。そのため、ラダー11を格納位置へと格納する作業を容易に行えることになる。例えば、バランスウエイト15を用いて、ラダー11を格納位置に自然復帰するようにしてある場合には、上記ロック解除により、ラダー11はそのままで格納位置に復帰するので、使用上の利便性が向上する。
【0015】
請求項の建設機械の昇降用ラダー装置は、上記ラダー11の格納位置におけるロック解除状態を検出する検出手段44を設け、ロックが解除されているときに、建設機械の動作を規制する動作規制手段を設けていることを特徴としている。
【0016】
請求項の建設機械の昇降用ラダー装置においては、ラダー11が格納位置においてロックされていないときには、例えば、油圧ショベルにおける下部走行体1の走行動作規制、上部車体2の旋回動作規制のような建設機械の動作規制が行われるので、昇降用ラダー装置の破損等の事故を防止することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の建設機械の昇降用ラダー装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図1は、建設機械の一実施形態としての油圧ショベルの正面図、図2は、その油圧ショベルの背面図、図3は、その平面図である。
【0020】
本実施形態の油圧ショベルは、下部走行体1と、下部走行体1に旋回可能に支持された上部車体2と、上部車体2に回動可能に取付けられたブーム、アーム、バケット等から成る作業機3とを備えており、上部車体2に運転室4が設けられている。また上部車体2の側部において、その車体フレーム5には、昇降用ラダー装置Aが取付けられている。この昇降用ラダー装置Aは、地上に居るオペレータが、ラダー11を下降位置へと引き下ろし、これを使用して上部車体2のキャットウオーク6に上り、次いで階段7から運転室4に乗車する際に利用するものである。また、これとは逆に降車する際にも同様に利用する。
【0021】
上記昇降用ラダー装置Aの概略構造について、図4に基づいて説明する。このラダー装置Aは、車体フレーム2に取付けられたガイド部10と、このガイド部10にスライド自在に支持されたラダー11とを備えている。図4(a)は、ラダー11がガイド部10内に格納された格納位置にある場合の断面図であり、図4(b)は、ラダー11が引き出され下降位置にある場合の断面図である。ガイド10は、図1及び図3に示しているように、互いに平行に配置された左右一対のガイド部材12、12を有しており、各ガイド部材12、12は、図4に示すように、車体フレーム2から約15°の角度でもって斜め下方に向けて延びている。各ガイド部材12には、ラダー摺動部13と、その背部の位置にバランスウエイト摺動部14とが形成されている。ラダー摺動部13にはラダー11がスライド自在に配置され、またバランスウエイト摺動部14にはバランスウエイト15がスライド自在に配置されている。なお、上記ラダー摺動部13は、ラダー11をスライド自在に保持するため、その側方に向けて開口している(図8参照)。上記ラダー11とバランスウエイト15とは、ロープ16によって接続されており、このロープ16の途中が、上記ガイド部材12の頂部に軸支されたシーブ17に掛けられている。上記バランスウエイト15の重量は、ラダー11よりも大きくなっており、そのため外部からの力の全く作用しない状態では、ラダー11は、バランスウエイト15によって、上方に引き上げられ、図4(a)に示す格納位置に位置するようになっており、ラダー11を使用するときに、ラダー11を引き下げるようにしている。
【0022】
次に、上記ラダー11の構造について説明する。ラダー11は、左右一対の側部材18、18(図4には、片側だけが図示されている)と、この側部材18、18間に所定の間隔を置いて架設された足掛部材19とを有する梯子状のもので、上記各側部材18、18が上記ガイド部10の各ラダー摺動部13、13内にスライド自在に支持されている。上記各側部材18、18には、図4及び図8に示すように、複数のガイドローラ20が取付けられており、各ガイドローラ20が上記ラダー摺動部13内を転動するようになっている。なお、図8において、21はガイドレールを示している。また図4に示すように、ラダー11の下端部には、チェーン22によってリング状の引き下ろし用把手23が取付けられている。
【0023】
上記バランスウエイト15の構造について、図9に基づいて説明する。このバランスウエイト15には、複数のガイドローラ24が取付けられており、これらガイドローラ24が、上記バランスウエイト摺動部14の上下両面を転動するようになっている。なお、これらガイドローラ24は、バランスウエイト摺動部14の上下両面に設けられたレール25によって案内される。
【0024】
上記昇降用ラダー装置において特徴的な点は、上記ラダー11が使用時の下降位置に位置するとき、及び非使用時の格納位置に位置するときにラダー11の移動を規制するロック機構を設けている点である。このロック機構は、車体フレーム5のガイド部10の下部の位置に出退自在に支持された係止ロッド31と、ラダー11の背面下部の位置に取付けられた格納時係合部32と、ラダー11の背面上部の位置に取付けられた下降時係合部33とを有するものである。そして上記係止ロッド31と格納時係合部32とによって格納位置ロック機構51を構成し、また上記係止ロッド31と下降時係合部33とによって下降位置ロック機構52を構成している。
【0025】
上記係止ロッド31の支持構造の詳細を図7に示している。同図のように、係止ロッド31は、車体フレーム5に取付けられた案内スリーブ34にスライド自在に支持されている。また、この係止ロッド31は、付勢手段としてのバネ35によって、ラダー11の方向に向けて、突出する方向に付勢されている。上記係止ロッド31の背部に位置において、車体フレーム5には、回動アーム36が回動可能に支持されており、この回動アーム36が上記係止ロッド31の後端部にピン接続されている。つまり、上記回動アーム36の回動によって、上記係止ロッド31をバネ35の付勢力に抗して、上記ラダー11から離反する後方へと移動し得るようにしているのである。上記回動アーム36には、チェーン37を介して操作用把手38が取付けられており、この操作用把手38を引き下げることで上記回動アーム36を回動し得るようにしている。また図7において、39は操作ノブであるが、この操作ノブ39に接続したワイヤ40を回動アーム36に接続し、この操作ノブ39を引き上げることによっても、上記回動アーム36を回動し得るようにしている。なお、この操作ノブ39は、キャットウオーク6に上がったオペレータが操作可能な位置に配置している。
【0026】
図7は、ラダー11が格納位置に位置する状態を示しているが、そのときの格納位置ロック機構51を、図5に示している。同図に示すように、ラダー11が格納位置へと上昇していく過程において、ラダー11の裏面に設けた格納時係合部32が、係止ロッド31を押し下げつつ上昇し、係止ロッド31の位置を越えて上昇したときに、係止ロッド31が突出し、格納時係合部32の下端面が係止ロッド31に、その上方から係合してラダー11の下降を規制するようになっている。この格納時係合部32は、上記のように係止ロッド31を押し下げつつ、係止ロッド31の位置を越えて上昇していくときに、係止ロッド31の押し下げを円滑に行えるように、係止ロッド31の押し下げ面をテーパ状に形成している。
【0027】
また図4(b)は、ラダー11が下降位置に位置する状態を示しているが、そのときの下降位置ロック機構52を、図6に示している。同図に示すように、ラダー11が下降位置へと下降していく過程において、ラダー11の裏面に設けた下降時係合部33が、係止ロッド31を押し下げつつ下降し、係止ロッド31の位置を越えて下降したときに、係止ロッド31が突出し、下降時係合部33の上端面が係止ロッド31に、その下方から係合してラダー11の上昇を規制するようになっている。この下降時係合部33は、上記のように係止ロッド31を押し下げつつ、係止ロッド31の位置を越えて下降していくときに、係止ロッド31の押し下げを円滑に行えるように、係止ロッド31の押し下げ面を、上記格納時係合部32の場合よりもさらに緩やかなテーパ状に形成している。これは、上記格納位置ロック機構51の動作がバランスウエイト15の力によってなされるのに対して、上記下降位置ロック機構52の動作はバランスウエイト15の力に抗したオペレータの力によってなされるため、下降位置ロック機構52の動作に必要な力を小さくしているのである。
【0028】
上記昇降用ラダー装置Aにおける他の特徴点について説明する。それは図10に示すように、ラダー11が、図4(a)に示している格納位置に位置する際に、ラダー11を下方へと付勢している付勢手段、例えばバネを41を用いている点である。すなわち、ガイド部10の上部の位置にブラケット42を取り付けると共に、このブラケット42に出没自在に押圧ロッド43を支持し、この押圧ロッド43をバネ41で突出方向に付勢しているのである。そして、ラダー11が格納位置に位置して、上記図5のように、格納時係合部32が係止ロッド31に係合している状態においては、上記押圧ロッド43が上方に押し上げられ、ラダー11に対しては、バネ41により下方への押圧力が作用している。これは格納位置ロック機構51によるロックが解除されたときに、バネ41の力でラダー11を強制的に一定距離だけ下降させ、上記格納時係合部32と係止ロッド31との係合状態を確実に解除するためである。
【0029】
また、図11に示すように、格納位置ロック機構51によるロックが解除された状態を検出する検出手段として、リミットスイッチ44を設けている点もこの実施形態の他の特徴である。すなわち、ガイド部10側にリミットスイッチ44を設ける一方、このリミットスイッチ44を動作させるスイッチ部材45をラダー11に取り付け、格納位置ロック機構51によるロック状態ではリミットスイッチ44をOFF、ロック解除状態ではリミットスイッチ44をON動作させるようにしている。そして、リミットスイッチ44のON動作を、図示しない制御部に出力して、リミットスイッチ44がON動作をしている状態においては、下部走行体1の走行動作、上部車体2の旋回動作等の禁止すると共に、ロック解除状態であることを、運転室4内のパネルに発光表示するようにしている。これは、格納位置ロック機構51によるロックが解除された状態において、動作規制手段(図示せず)によって、建設機械の動作を規制し、これにより昇降用ラダー装置Aの破損等の事故を防止するためである。
【0030】
次に、上記昇降用ラダー装置Aの作動状態について説明する。まず、オペレータが乗車する際には、昇降用ラダー装置Aは、図4(a)、及び図7に示す格納状態にある。このとき、オペレータは、操作用把手38を引き下ろす。そうすると、回動アーム36が回動して、係止ロッド31はバネ35の力に抗して没入方向に移動して、格納位置ロック機構51によるロックが解除される。そのとき、上記図10に示しているバネ41の付勢力によって、ラダー11は下方へと押圧され、一定距離だけ強制的に移動する。これにより、上記格納位置ロック機構51のロック解除を確実に行える。そしてこの状態で今度は、引き下ろし用把手23を把持し、ラダー11を下方へと引き下ろす。ラダー11を一定距離だけ引き下ろすと、図6のように、下降位置ロック機構52のロック動作が自動的になされ、ラダー11が下降位置においてロックされる。この状態において、オペレータがラダー11を利用してキャットウオーク6に上がる。
【0031】
次に、オペレータはキャットウオーク6上において、操作ノブ39を引き上げる。そうすると、回動アーム36が回動して、係止ロッド31はバネ35の力に抗して没入方向に移動して、下降位置ロック機構52によるロックが解除される。そしてこれにより、バランスウエイト15の力によって、ラダー11が自動的に上昇し、一定距離だけ上昇した後、今度は、格納位置ロック機構51のロック動作が自動的になされ、ラダー11が格納位置においてロックされる。なおこのとき、図10に示しているバネ41は、上昇しているラダー11の慣性力によって圧縮された状態となる。その後、オペレータは、階段7から運転室4に乗り込むのである。
【0032】
オペレータが降車する場合には、上記とは逆に、キャットウオーク6上から操作ノブ39を引き上げ操作して格納位置ロック機構51のロックを解除し、ラダー11の引き下ろし作業によって下降位置ロック機構52を自動的にロックし、、次いでラダー11を利用して降車し、その後、操作用把手38を引き下ろして下降位置ロック機構52のロックを解除し、バランスウエイト15の力によってラダー11を自動的に格納位置に復帰させ、格納位置ロック機構51で再度ロックを行うという動作手順を経るのである。
【0033】
上記昇降用ラダー装置Aにおいては、ラダー11を下降位置でロックする下降位置ロック機構52を設けているので、ラダー11は、引き下ろした下降位置において、その移動が下降位置ロック機構52によって規制される。そのため、この下降位置においてラダー11が安定し、この結果、オペレータの乗降動作がスムーズに行えるようになる。
【0034】
またオペレータがキャットウオーク6に上がった後で、キャットウオーク6上からロック機構52によるロックを解除することができる。そのため、ラダー11を格納位置へと格納する作業を容易に行えることになる。すなわち、バランスウエイト15を用いて、ラダー11を格納位置に自然復帰するようにしてあるので、上記ロック解除により、ラダー11はそのままで格納位置に自然に復帰するのであり、この結果、使用上の利便性が向上する。
【0035】
さらに、上記ラダー11を格納位置でロックする格納位置ロック機構51を設け、ラダー11を格納位置においてもロックできるようにしていることから、運転中において、ラダー11が不用意に突出するのを防止できる。そのため、不用意に突出したラダー11が周囲部分と干渉して、破損してしまうという不具合を解消できる。
【0036】
また、上記ラダー11が格納位置でロックされているときに、ラダー11を下降位置方向に付勢する付勢手段41としてバネを設けているので、格納位置においてロックを解除すれば、ラダー11には、付勢手段41によって下降位置方向に強制的な移動が生じ、このためロック解除を確実に行うことができる。従って、ラダー11のその後の引き下ろし動作を容易、かつ円滑に行うことができる。すなわち、このような付勢手段41を設けていない場合には、操作用把手38を引き下げた状態において、引き下ろし用把手23を把持して引き下ろし作業を行う必要があるが、上記付勢手段41を設けている場合には、操作用把手38を手放した状態において、引き下ろし用把手23を把持して引き下ろし作業を行うことが可能になるのである。
【0037】
さらに上記昇降用ラダー装置Aにおいては、上記ラダー11の格納位置におけるロック解除状態を検出するリミットスイッチ44を設け、ロックが解除されているときに、建設機械の動作を規制する動作規制手段を設けているので、ラダー11が格納位置においてロックされていないときには、下部走行体1の走行動作規制、上部車体2の旋回動作規制等の動作規制が行われるので、昇降用ラダー装置Aの破損等の事故を防止することが可能となる。
【0038】
次に、上記建設機械の昇降用ラダー装置Aの実施形態のさらに他の特徴について説明する。この特徴点は、格納位置にあるときにラダー11が車幅を越えないように設けてある点である。すなわち、図2及び図3から明らかなように、ラダー11が格納状態にある場合、ラダー11、及び昇降用ラダー装置Aの全体が、側方へと突出しないように配置されているのである。図のように、この実施形態の油圧ショベルにおいて、側方へ最も突出しているのは階段7であって、車幅はこの階段7によって決まるのに対し、ラダー11、及び昇降用ラダー装置Aの全体は、これを越えて、外側方へ突出しないように配置している。
【0039】
そしてこのように、ラダー11が格納位置にあるときに車幅を越えないように設けられているので、突出しているラダー11が周囲部分と干渉して、破損してしまうという不具合の発生を解消できる。
【0040】
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記実施形態においては、ラダー11を格納位置へと復帰させるのにバランスウエイト15を用いているが、ラダー11を格納位置、あるいは下降位置に移動するのに、電動モータ、油圧モータ、油圧シリンダ等の他の駆動源を用いてもよいし、また駆動源を有さないものに対してもその適用が可能である。また格納位置において、ラダー11の全体がガイド部10内に格納される例を示しているが、格納状態とはこのような状態のみに限られるものではなく、ここにいう格納位置とは、ラダー11が非使用の状態位置にあることを意味している。
【0041】
さらに、上記実施の形態においては、建設機械として油圧ショベルを例示しているが、自走式クレーン等の他の建設機械に対しても上記と全く同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】昇降用ラダー装置を備えた建設機械の一実施形態としての油圧ショベルの正面図である。
【図2】上記油圧ショベルの背面図である。
【図3】上記油圧ショベルの平面図である。
【図4】この発明の建設機械の昇降用ラダー装置の一実施形態を示す図で、(a)は、ラダーが格納位置にある場合の断面図であり、(b)は、ラダーが下降位置にある場合の断面図である。
【図5】上記実施形態における格納位置ロック機構を示す要部拡大図である。
【図6】上記実施形態における下降位置ロック機構を示す要部拡大図である。
【図7】上記実施形態における係止ロッドの支持構造を示す要部拡大図である。
【図8】上記実施形態において、ガイド部におけるラダーの支持構造を示す断面図である。
【図9】上記実施形態において、ガイド部におけるバランスウエイトの支持構造を示す断面図である。
【図10】上記実施形態において、ガイド部の上部位置に設けた付勢手段を説明するための断面図である。
【図11】上記実施形態において、ガイド部とラダーとに設けた検出手段を説明するための説明図である。
【符号の説明】
5 車体フレーム
6 キャットウオーク
10 ガイド部
11 ラダー
31 係止ロッド
32 格納時係合部
33 下降時係合部
41 バネ(付勢手段)
44 リミットスイッチ(検出手段)
51 格納位置ロック機構
52 下降位置ロック機構

Claims (3)

  1. 車体フレーム(5)に設けられたガイド部(10)と、このガイド部(10)に上下方向にスライド可能に支持され、格納された格納位置と使用時の下降位置との間で昇降するラダー(11)とより成り、上記ラダー(11)を格納位置でロックするロック機構(51)と下降位置でロックするロック機構(52)とを設け、さらに、上記ラダー(11)を格納位置にスライドさせるバランスウエイト(15)と、上記ラダー(11)が格納位置でロックされているときに上記ラダー(11)を下降位置方向に付勢する付勢手段(41)を設けていることを特徴とする建設機械の昇降用ラダー装置。
  2. 上記ラダー(11)を下降位置でロックするロック機構(52)によるロックを車上で解除可能としていることを特徴とする請求項の建設機械の昇降用ラダー装置。
  3. 上記ラダー(11)の格納位置におけるロック解除状態を検出する検出手段(44)を設け、ロックが解除されているときに、建設機械の動作を規制する動作規制手段を設けていることを特徴とする請求項1又は請求項2の建設機械の昇降用ラダー装置。
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