JP4196138B2 - Gas ejection adjustment device for vacuum chamber - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空槽のガス噴出量調整装置に係り、とくに真空槽内に配されているガス供給パイプから噴出されるガスの噴出量を調整するようにしたガス噴出量調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空槽内に不活性ガスとともに酸素、窒素、フッ素、水素、塩素等のような活性ガスを供給すると、反応性スパッタリングが行なわれるようになる。すなわちターゲットをSiによって構成するとともに真空槽内に反応性ガスとしてO2を供給するとSiO2の成膜を行なうことが可能になる。このような場合には、例えば図25に示すようなガス供給パイプ1を真空槽内に配するとともに、このガス供給パイプ1の雌ねじ孔2に図26に示すようなボルト3をねじ込むようにしている。各種の寸法のガス噴出口4を有するボルト3を予め用意しておき、これらのボルト3を選択することによって、所望の大きさのガス噴出口4をガス供給パイプ1上に設けることが可能になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図25および図26に示すようなガス供給パイプ1のガス噴出口4の大きさの調整は、ガス供給パイプ1に取付けられるボルト3を変更することによって達成される。従ってガス噴出口4の大きさを変える場合には、ボルト3を交換する必要があり、このために交換作業が面倒になる。また真空槽内を大気圧に戻してからでないとボルト3の交換作業を行なうことができず、このためにガス噴出口4の大きさを調整するための時間的ロスが多くなる。
【0004】
そこで真空槽内に設置されるガス供給パイプを複数の系統とし、各系統のガス流量を制御することによってガス分圧を調整するようにした方法が試みられている。ところがこの場合には、真空槽の外から流量を調整することができるものの、大面積の成膜の場合にはガスの噴出系統が多くなるとともに、真空槽内におけるスペース上の制約を生ずるという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、真空槽内を大気圧に戻すことなくしかも真空槽の外から任意にかつ短時間でガス噴出量を自由に調整することが可能なガス噴出量調整装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、真空槽内に配されているガス供給パイプと、
前記ガス供給パイプのガス供給口と選択的に整合し、しかも互いに大きさまたはコンダクタンスが異なる複数のガス噴出口を有し、前記ガス供給パイプに移動可能に嵌合されているスリーブと、
を具備し、前記スリーブを前記ガス供給パイプに対して相対的に移動させて前記ガス供給口と整合されるガス噴出口を選択してガス噴出口の大きさ、ガス噴出量、またはコンダクタンスを変更するようにしたことを特徴とする真空槽のガス噴出量調整装置に関するものである。
【0007】
前記スリーブの円周方向に沿って大きさが異なる複数のガス噴出口が形成され、前記スリーブを前記ガス供給パイプに対して相対的に回転操作することによってガス噴出口の大きさまたは有効長さを変更するようにしてよい。また前記スリーブの外周面上に突出するように被操作部が設けられ、レバーによって前記被操作部を操作することによって前記スリーブの回転位置を相対的に規制するようにしてよい。
【0008】
前記ガス供給パイプ上にその長さ方向に沿って複数のスリーブが回転可能に取付けられるとともに、前記ガス供給パイプとほぼ平行に配されている操作軸上に前記複数のスリーブに対応して複数のレバーが取付けられ、前記操作軸の操作によって前記複数のスリーブの回転位置をそれぞれ相対的に規制するようにしてよい。さらに前記ガス供給パイプ上における前記スリーブの取付けピッチと前記操作軸上におけるレバーの取付けピッチとがそれぞれ異なっており、前記操作軸を軸線方向にシフトすることによって回転位置を規制するスリーブを選択するようになされてよい。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
本発明の好ましい態様は、互いに大きさが異なる複数のガス噴出口を複数個設けたロータリスリーブをガス供給口を有するガス供給パイプ上に多数並べた構造をなすものであって、上記ロータリスリーブを回転駆動することによってガス噴出口の大きさを変えるようにしている。ロータリスリーブの回転駆動のためにこのロータリスリーブの外周面上にピンを設け、このピンを操作軸のレバーに当接させることによって回転を伝達させる。操作軸にはロータリスリーブに対応するレバーが設けられており、このために操作軸をシフトすることによって調整するロータリスリーブの位置を選択するようにしている。
【0020】
このような構造によれば、真空槽外からそれぞれの位置のガス噴出量の調整を行なうことが可能になり、真空槽を大気に戻すことなく真空槽内のガス分布を調整することが可能になる。すなわち成膜分布の調整をリアルタイムに行なうことができ、一々真空槽を大気に開放してそれぞれの位置のガスの噴出量を調整する従来の方法に比べて格段に短い時間での成膜分布の調整が可能になる。
【0021】
本発明は、遷移領域での反応性スパッタによる成膜において、上記の態様の装置を利用することによってさらに大きな効果が期待できる。何故ならば、遷移領域での反応性スパッタにおいては、反応性ガスの分布の僅かな差が成膜分布に非常に大きな影響を与えることが分っている。すなわち真空槽内でのガス噴出量の分布を非常に微妙に調整する必要がある。このような成膜プロセスにおいて、真空槽を大気に戻すことなく真空槽内のガス分布を調整することができる装置は、成膜分布の調整時間短縮の意味で大きな効果がもたらされるものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1および図2は本発明の一実施の形態に係る反応性スパッタリング装置を構成する真空槽10の全体を示すものであって、この真空槽10は図外の吸引手段によって中の空気が排気されるようになっており、真空スパッタリングによる反応性成膜装置を構成している。このような真空槽10内にはその上部に供給ロール11と巻取りロール12とが互いに平行に配され、供給ロール11からポリエステルフィルム15が繰出されるとともに、冷却ドラム16によって案内され、ここでポリエステルフィルム15上に成膜を行なった後に巻取りロール12によって巻取るようになっている。
【0023】
ポリエステルフィルム15が巻付けられる冷却ドラム16の外周面に臨むように下方および側方には3つのカソード20が配されている。これらのカソード20はその上部にそれぞれターゲット21を備えており、このターゲット21から放出される原子によってポリエステルフィルム15上に成膜が行なわれるようになっている。なお上記スパッタリングカソード20がデュアルマグネトロンから構成されてよい。
【0024】
上記ターゲット21はほぼ矩形状の形状を有し、その側方には細長いガスチャンバ25が配されるようになっている。ガスチャンバ25はその両側に図4に示すようにそれぞれ小孔26を配列して成り、このような小孔26から反応性ガスを供給するようになっている。すなわちガスチャンバ25が反応性ガス供給装置を構成している。反応性ガスはターゲット21から放出される原子と反応するようになっている。例えば上記ターゲット21がSiから構成されるとともに、ガスチャンバ25によってO2ガスが供給されると、フィルム15上にSiO2の成膜が行なわれる。
【0025】
次にガスチャンバ25内のガス供給パイプ27について説明すると、図3に示すようにこのガス供給パイプ27はガスチャンバ25内に挿入されており、しかもガスチャンバ25の端部に配されているブラケット28上に取付けられている軸受29によって回転可能に支持されている。またガス供給パイプ27の中間部分はガスチャンバ25の中間位置に設けられているブラケット30上の中間軸受31によって回転可能に支持されている。
【0026】
真空槽10の壁面の部分には図3に示すように円形の開口35が形成されるとともに、このような開口35によって真空槽の内外を貫通するようにガス供給パイプ27が配されている。そして開口35には筒体36が取付けられるとともに、この筒体36の先端側の開口部を閉塞するように真空隔壁37が設けられており(図5参照)、この真空隔壁37に取付けられている真空スリーブ38を上記ガス供給パイプ27が貫通するようになっている。
【0027】
ガス供給パイプ27の基端側の部分は真空槽10の外側において連通パイプ39とロータリジョイント40を介して連結されている。これに対してガス供給パイプ27の先端側の部分は連結パイプ41とガスチャンバ25の端部に配されているロータリジョイント42を介して連結されている。また上記ガス供給パイプ27には真空槽10の外側から手動で回転操作するためのハンドル43が上記ロータリジョイント40の近傍に取付けられている。
【0028】
ガス供給パイプ27にはその長さ方向に沿って所定のピッチで図6に示すようにガス供給口47が設けられている。そしてこのようなガス供給口47を閉塞するようにガス供給パイプ27に回転可能にロータリスリーブ48が嵌合されている。ロータリスリーブ48は図7に示すようにその円周方向に沿って互いに異なる直径の複数の、例えば6個のガス噴出口49を備えており、ロータリスリーブ48のガス供給パイプ27に対する相対的な回転操作によってこれらの大きさが異なる複数のガス噴出口49を選択するようにしている。またロータリスリーブ48とガス供給パイプ27との間にはOリング50が装着されており、これによってロータリスリーブ48とガス供給パイプ27との間の隙間からのガスが漏れるのを防止するようにしている。
【0029】
ガス供給パイプ27に対して平行に操作軸54が配されている。操作軸54はガスチャンバ25内に挿入されるとともに、図3に示すブラケット55に取付けられている軸受56によって複数個所で回転自在に支持されている。また操作軸54は上記開口35を閉塞する真空隔壁37に取付けられている真空スリーブ57(図5参照)によって真空槽10の外側に引出されるようになっている。また操作軸54上にはロータリスリーブ48と対応するように複数のレバー58が固着されている。これらのレバー58は図6および図7に示すようにロータリスリーブ48に設けられているピン59を押圧し、これによってロータリスリーブ48の回転位置を規制するようにしている。
【0030】
操作軸54の基端部であって真空槽10から引出された部分には手動操作用ハンドル62が取付けられるとともに、この操作軸54には連結部材63を介してX軸アクチユエータ64が連結されるようになっている。
【0031】
とくにこの実施の形態においては、図3において開口35が形成されている真空槽10の隔壁を貫通するようにガス供給パイプ27が貫通しており、このガス供給パイプ27がガスチャンバ25内に挿入されるとともに、ロータリスリーブ48が多数取付けられている。ロータリスリーブ48にはとくに図7に示すように円周方向に複数の異なる直径のガス噴出口49が設けられている。またガス供給パイプ27のロータリスリーブ48のガス噴出口49と対応する位置には、上記ガス噴出口49よりも十分に大きなガス供給口47が設けられている。
【0032】
ガス供給パイプ27は軸受29、31と真空隔壁37の真空スリーブ38によって回転可能に支持されており、ハンドル43を回転させることによって真空スリーブ38とともに回転するようになっている。このガス供給パイプ27へは、連通パイプ39および41によってその両端に反応性ガスが供給されるようになっている。またガス供給パイプ27とロータリスリーブ48との間にはOリング50が介装されており、ロータリスリーブ48とガス供給パイプ27との間の隙間からのガスの流出を防止している。
【0033】
ロータリスリーブ48をガス供給パイプ27に対して相対的に回転させることによって、ロータリスリーブ48上の複数の穴径のガス噴出口49の内の任意のガス噴出口49を選択することができる。また各ロータリスリーブ48のガス噴出口49の穴径をそれぞれ独立して選択することによって、図2に示すポリエステルフィルム15の幅方向の反応性ガスのガス分布を調整できるようになる。
【0034】
次に上記ロータリスリーブ48の相対的な回転によるガス噴出口49の選択について説明する。ロータリスリーブ48にはピン59が設けられており、このピン59と対応する位置にはレバー58が配されている。レバー58は操作軸54に取付けられている。今ハンドル62によって操作軸54を回転させた状態で、ハンドル43によってガス供給パイプ27を図7において反時計方向に回転させると、ピン59がレバー58に当接する。さらに反時計方向にガス供給パイプ27をハンドル43で回転させると、このガス供給パイプ27のみが同方向に回転し、これに対してロータリスリーブ48はレバー58にピン59が当接した位置においてその回転を停止する。従ってガス供給パイプ27の回転角度をハンドル43によって任意の位置まで回転操作して止めることにより、ロータリスリーブ48の複数のガス噴出口49の内の任意のガス噴出口49にガス供給パイプ27のガス供給口47を整合させ、これによって任意のガス噴出口49を選択することが可能になる。
【0035】
このようにしてガス供給パイプ27上に取付けられている複数のロータリスリーブ48の内の図3において1番左側のロータリスリーブ48のガス噴出口49が選択されることになる。次にその右側のロータリスリーブ48のガス噴出口49の選択のための調整を行なう。
【0036】
この操作はハンドル43によってガス供給パイプ27を図7において時計方向に少し回転させた後、X軸アクチュエータ64を操作し、操作軸54を図3中で右方向へ約3mm移動させる。すると図3中の1番左側のロータリスリーブ48のピン59と操作軸54のレバー58との位置が軸線方向において互いにずれることになり、今度は左から2番目のロータリスリーブ48のピン59と隣りのレバー58の位置が軸線方向において一致するようになる。従ってこの状態において第1のロータリスリーブ48を調整したときと同じ手順でガス噴出口49の穴を選択すればよい。以下この動作を総てのロータリスリーブ48について繰返す。
【0037】
本実施の形態に係るガス噴出量調整装置によれば、操作軸54上のレバー58はロータリスリーブ48に対してそのピッチが3mmずつずれた位置に配されている。従ってガス供給パイプ27上に30個のロータリスリーブ48が設けられている場合には、
3mm×30=90mm
であるから、X軸アクチュエータ64による操作軸54の合計90mmの移動によって、30個のロータリスリーブ48のガス噴出口49の穴をそれぞれ別々に調整することが可能になる。
【0038】
なおガス供給パイプ27上におけるガス供給口47あるいはロータリスリーブ48の取付けのピッチは、50cm以下であることが好ましく、20cm以下であることがより好ましい。さらに2cm以上であって10cm以下であることがより好ましい。
【0039】
このようなガス噴出量調整装置によれば、真空槽10の外側からガス供給パイプ27上に設けられている複数のロータリスリーブ48のガス噴出口49を任意に相対的に回転させ、これによってそれぞれのロータリスリーブ48の最適な大きさのガス噴出口49を選択することができる。このためにガス噴出口49の大きさを調整するために真空槽10を一旦大気圧に戻す必要がなくなるばかりか、成膜中においてもハンドル43および62とX軸アクチュエータ64の操作によって、ガス噴出口49の大きさを調整することができる。このことからポリエステルフィルム15上におけるその幅方向の成膜分布の調整を短時間でかつリアルタイムで行なうことができるようになる。
【0040】
上記の実施の形態によれば、操作軸54の軸線方向に90mmの移動ストロークを確保する必要がある。そこで図8に示すように、操作軸54上におけるレバー58を10本ずつの3つのグループに分けるようにし、それぞれのグループのレバー58を操作軸54の軸線方向に対してそれぞれ120°ずつずれた角度で取付けるようにしている。
【0041】
このような構成によると、各レバー58がロータリスリーブ48に対して3mmずつずれた位置に配置されている場合には、
3mm×10=30mm
となり、操作軸54の移動量を合計で30mmにすることが可能になる。すなわち操作軸54の移動と3つのグループのレバー58の角度の組合わせによって、30個のロータリスリーブ48のガス噴出口49の選択調整を30mmのストロークで行なうことが可能になる。
【0042】
これをより詳細に説明すると、図9および図10に示す状態においては、左から1番目と11番目と21番目のロータリスリーブ48のピン59のX軸方向の位置がそれぞれレバー58に一致している。しかし実際にはガス供給パイプ27を回転させてピン59とレバー58とが当接するのは第2グループの1番左側、すなわち11番目のロータリスリーブ48のみである。何故ならば第1グループの1番左側の1番目と第3グループの1番左側の21番目のロータリスリーブ48の位置に相当するレバー58は角度が11番目のロータリスリーブ48と対応するレバー58に対してそれぞれ120°ずれているからである。
【0043】
従って図9および図10に示す状態のレバー58の角度では、3mm×10=30mmのストロークで選択できるのは、第2グループの10個のロータリスリーブ48のみである。第1のグループの10個のロータリスリーブ48の内の任意のロータリスリーブを選択して回転させる場合には、図10において操作軸54を時計方向に120°回転させる必要がある。これによって第1のグループの10本のレバー58は総て下向きになる。従ってこれによって上述と同様に30mmのストローク内で今度は第1のグループの10個のロータリスリーブ48の回転によるガス噴出口49の選択が可能になる。
【0044】
同様にして今度は図10に示す状態から操作軸54を反時計方向に120°回転させると、第3のグループの10個のロータリスリーブ48が同じ30mmのストローク内で選択できるようになる。このようにして操作軸54の回転角度と操作軸54の3mm×10=30mmのストロークの組合わせによって、30個所のロータリスリーブ48の回転によるガス噴出口49の選択が可能になる。
【0045】
次に別の実施の形態を図11によって説明する。この実施の形態は、ロータリスリーブ48の3つのガス噴出口49の有効長lを変化させ、これによってこのガス噴出口49のコンダクタンスを変更するようにした構成を示すものである。すなわち円周方向に沿ってそれぞれ半径方向に貫通するように設けられている6個のガス噴出口49の内の5個のガス噴出口49については座ぐりの凹部66の中心部に連通するように形成されている。しかも凹部66の座ぐりの深さを変更することによって、ガス噴出口49の有効長さlを変更するようにしている。このような構成によれば、ガス噴出口49の直径dが同じ寸法であっても、ガスの流動抵抗に差異を生じ、これによって各噴出口49から噴出されるガスの噴射量を変化させることが可能になる。
【0046】
またレバー58に代えて図12に示すように操作軸54上に欠歯状レバー68を取付けるとともに、このような欠歯状レバー68と噛合う歯69をロータリスリーブ48の外周面上に配し、このような欠歯状レバー68と歯69との組合わせによって操作軸54の回転をロータリスリーブ48に伝達し、これによってガス噴出口49の選択を行なうようにしてもよい。
【0047】
次にさらに別の実施の形態を図13および図14によって説明する。この実施の形態は、ロータリスリーブ48に単一のしかも円周方向に延びるガス噴出口49を設けるようにしたものである。ここでガス噴出口49はその幅が連続的に変化するようになっており、ロータリスリーブ48の回転に応じて噴出されるガスの噴出量を任意に調整できるようにしている。
【0048】
すなわちガス供給パイプ27を回転させると、ロータリスリーブ48に設けられているピン59が操作軸54のレバー58に当接することによって、ロータリスリーブ48の回転角度を変化させることが可能になる。そしてこの例においては、ロータリスリーブ48に連続したスリット49が設けられているために、最小スリット幅から最大スリット幅までの間で連続的に任意のスリット幅を選択することができる。すなわちガス吹出し口のコンダクタンスを連続的に調整することが可能になる。
【0049】
次にさらに別の実施の形態を図15〜図18によって説明する。この実施の形態は先に説明した実施の形態において、ガス供給パイプ27の外周面上に軸線方向に沿って一定の幅のスリットから成るガス供給口47を設けるとともに、ロータリスリーブ48の形状を円筒状ではなくて断面がC字状の形状とし、このようなC字状のロータリスリーブ48をガス供給パイプ27上に互いに端面が接した状態で配列したものである。
【0050】
上記実施の形態と同様に操作軸54によって任意のスリーブ48を回転させる。ここでスリーブ48のガス噴出口49の位置をC型スリーブ48の回転操作によって調整することによって、ガス供給パイプ27のスリット47を任意の幅だけ塞ぐことが可能になる。すなわちガス供給パイプ27上に互いに隣接して図15に示すように取付けられているC字型のロータリスリーブ48の回転位置をそれぞれ独立に調整することによって、連続したガス吹出し口47の任意の位置の開口度の調整を行なうことができる。
【0051】
図16は操作軸54のレバー58によってピン59を介してロータリスリーブ48を回転調整する状態を示している。また図17はガス供給パイプ27のガス供給口47をほぼ全開にした状態を示している。これに対して図18はガス供給パイプ27のガス供給口47を少しだけ開いた状態を示している。
【0052】
次にさらに別の実施の形態を図19〜図21によって説明する。この実施の形態は、真空槽10内にガス供給チャンバ75を配するようにしている。このガス供給チャンバ75には真空槽10外から引込まれたガス供給管76、77が接続されている。なおガス供給管76、77は真空槽10の壁面の開口部においてOリング78、79によってシールされるようになっている。
【0053】
ガス供給チャンバ75にはその長さ方向に沿って複数個のガス供給口82が配されている(図21参照)。そしてそれぞれのガス供給口82に対応するように回転円板83が設けられている。回転円板83には互いに大きさが異なる複数のガス噴出口84が円周方向に沿って設けられている。またこの回転円板83はガス供給チャンバ75に対して支軸85により回転可能に支持されている。
【0054】
上記回転円板83は摩擦円板86によって回転駆動されるようになっている。すなわち摩擦円板86はモータ87の出力軸88に固着されており、モータ87を介して摩擦円板86を駆動することにより、回転円板83が回転されるようになっている。
【0055】
モータ87はブラケット91に取付けられるとともに、このブラケット91の基端側の部分にはスライドブロック92が固着されている。そしてこのスライドブロック92はスプライン93を備えるとともに、このスプライン93が上記ガス供給チャンバ75とほぼ平行に配されているスプライン軸94に嵌合されている。
【0056】
上記スプライン93を備えるブロック92は連結部材95と連結されている。そしてこの連結部材95にボールナット96が取付けられており、このボールナット96がボールねじ97と係合されている。
【0057】
なお上記スプライン軸94はその両側を軸受99によって回転可能に支持されている。またボールねじ97は軸受100によってその両側を支持された状態でボールねじ97とほぼ平行に配されている。そしてスプライン軸94とボールねじ97とがそれぞれ真空槽10の外側の回転操作部101、102によって回転操作されるようになっている。
【0058】
すなわちこの実施の形態においては、真空槽10の外側からガス供給管76、77が真空槽10の壁面を貫通してガス供給チャンバ75に接続されている。ガス供給チャンバ75には複数の支軸85が取付けられており、各支軸85には回転円板83が回転自在に取付けられている。そして回転円板83は複数のガス吹出し口84を備えている。1つの回転円板83内の複数のガス吹出し口84は互いに異なるコンダクタンスになっている。またガス供給チャンバ75の回転円板83の下側の部位にはそれぞれ1つずつのガス供給口82が設けられている。
【0059】
一方ガスチャンバ75とほぼ平行にスプライン軸94およびボールねじ97がそれぞれ軸受99、100に支持されて配されており、何れも真空槽10の真空シール103、104を経て真空槽10外にある回転操作部101、102に接続されている。
【0060】
スプライン軸94にはスライドブロック92がスプライン93を介してこのスプライン軸94の軸線方向に移動自在に取付けられている。またスライドブロック92にはブラケット91が取付けられており、さらにブラケット91にはモータ87が取付けられている。モータ87の出力軸88には摩擦円板86が取付けられている。なお図示を省略しているが、モータ87の制御回線は真空槽10の壁面を経由して大気側の制御装置へと接続されている。
【0061】
スライドブロック92にはとくに図20に示すようにスリーブ105が取付けられており、このスリーブ105には軸受を介して連結部材95が回転自在に取付けられている。この連結部材95の下端側に図21に示すようにボールナット96が取付けられている。
【0062】
次にこのような構造のガス噴出量調整装置の動作を説明する。真空槽10外の回転操作部101の回転操作によってスプライン軸94が回転される。スプライン軸94が回転されるとスプライン93が取付いているスライドブロック92が回転するために、これによって図21Aに示すように摩擦円板86が回転円板83に接した状態と、図21Bに示すように摩擦円板86が回転円板83から離れた状態に切換えることが可能になる。
【0063】
図21Aのように摩擦円板86が回転円板83に接した状態でモータ87を回転駆動することによって、摩擦円板86の回転動作が回転円板83に伝達され、この回転円板83の互いにコンダクタンスの異なる複数のガス噴出口84の内の所望のガス噴出口84を選択することが可能になる。すなわちガス供給チャンバ75のガス供給口82に整合するように所望のガス噴出口84が選択される。
【0064】
他の回転円板83上のガス噴出口84を選択する場合には次のようにして行なう。回転操作部101の回転操作によって、スプライン軸94を回転させ、図21Bに示すように摩擦円板86が回転円板83から離れた状態にする。このような状態において回転操作部102を回転操作することによって、ボールねじ97を回転させる。するとこれによってボールナット96がボールねじ97の軸線方向に移動されるために、連結部材95、スライドブロック92、およびブラケット91をボールねじ97の軸線方向に移動させることが可能になる。これによってガス噴出口84を変更したい部分の回転円板83の位置でスライドブロック92を停止させる。
【0065】
その後に再び回転操作部101の回転操作によって、スプライン軸94を回転させ、摩擦円板86が回転円板83に図21Aに示すように接した状態とし、先に述べた動作と同様の操作によって回転円板83を回転させて所望のコンダクタンスのガス噴出口84を選択すればよい。
【0066】
このような一連の動作によって、ガス供給チャンバ75に設けられた複数個の回転円板83のガス噴出口84を所望のコンダクタンスのものに変更することが可能になる。
【0067】
次にさらに別の実施の形態を図22によって説明する。図22に示すように真空槽10内には複数個のガス供給チャンバ75が設けられており、しかも各ガス供給チャンバ75には複数のガス噴出口84が設けられている。そしてそれぞれのガス供給チャンバ75にはガス供給管76が接続されている。ガス供給管76は真空槽10の壁面を貫通して真空槽10外に設置されている減圧弁111に接続されている。各減圧弁111の一次側はガスの供給源に接続されている。
【0068】
しかも上記減圧弁111はコントローラ112に接続されている。コントローラ112には真空槽10内のガス分圧センサ113が接続されている。
【0069】
真空槽10内のガス分布を調整する際には、各ガス供給チャンバ75に接続されている減圧弁111を操作してガス圧を調整する。これによって各ガス供給チャンバ75のガス噴出口84から噴出するガスの噴出量が変わるために、真空槽10内のガス分布を調整することが可能になる。
【0070】
とくにここでは、真空槽10内のガスの分圧をガス分圧センサ113によって検出するとともに、この検出出力をコントローラ112に入力し、コントローラ112によってそれぞれのガス供給管76に設けられている減圧弁111の調整を行なうようにしている。すなわちここではガス供給チャンバ75のガス噴出口84から噴出されるガスの噴出量がフィードバック制御されることになる。
【0071】
次にさらに別の実施の形態を図23によって説明する。この実施の形態においては真空槽10内に複数の、例えば4個のガス供給チャンバ75が設置されている。各ガス供給チャンバ75にはそれぞれ複数のガス噴出口84が設けられている。そしてそれぞれのガス供給チャンバ75には対応するガス供給パイプ76が接続されている。
【0072】
各ガス供給パイプ75にはコンダクタンス調整バルブ116が接続されており、しかも真空槽10の壁面を貫通して大気側のガス供給源に接続されている。また各コンダクタンス調整バルブ116にはそれぞれモータ117が取付けられている。なおモータ117の制御線は真空槽10の壁面を経由して大気側の制御装置112に接続されている。しかもこの制御装置112にはガス分圧センサ113が接続されている。
【0073】
真空槽10内のガスの分圧を調整する際には、各ガス供給チャンバ75に接続されているガス供給管76のコンダクタンス調整バルブ116をコンダクタンス調整モータ117を用いて制御する。これによって各ガス供給チャンバ75のガス噴出口84から噴射するガスの噴出量が変更されるために、真空槽10内のガス分布が調整される。とくにこの実施の形態においては、ガス分圧センサ113によって真空槽10内のガスの分圧を検出し、この検出に応じてコントローラ112がコンダクタンス調整バルブ116をモータ117を介して制御するようにしているために、真空槽10内のガスの分圧の制御がより正確に行なわれることになる。
【0074】
図24は図23に示す実施の形態に若干の変更を加えたものである。すなわち図24においては、コンダクタンス調整バルブ116が真空槽10の外側に配され、同じく真空槽10の外側に配されているコントローラ112によって制御されるようになっている。しかもここでは、真空槽10内において印加されるプラズマ電圧を電圧計121によって検出するとともに、この電圧計121の電圧に応じてコンダクタンス調整バルブ116がコントローラ112によって制御されるようになっており、プラズマ電圧に基くコンダクタンス調整バルブ116のフィードバック制御が行なわれている。
【0075】
なお上記実施の形態は、反応性スパッタリングを行なうための真空槽における反応性ガスの供給のためのガス噴出量調整装置に関するものであるが、上記の機構のガス噴出量調整装置は、CVD(Chemical Vapour Deposition 化学的気相成長法)や蒸着による真空成膜プロセスのための真空槽におけるガス供給装置に適用可能である。さらにはまた真空成膜プロセスに用いられる真空槽のみならずエッチングプロセスに用いられる真空加工装置におけるガスの供給装置に適用可能である。
【0076】
また上記実施の形態は、酸素、窒素、フッ素、水素、塩素等の反応性活性ガスを真空槽に供給するための装置に関するものであるが、このようなガスに代えて、アルゴン、クリプトン、ヘリウム、ネオン、キセノン等の希ガスあるいは不活性ガスを真空槽内に供給するためのガス噴出量調整装置に適用可能である。
【0077】
また上記実施の形態においては、ロータリスリーブ48の複数のガス噴出口49によってガス噴出口の大きさを段階的に変化させるようにしているが、このような構成に代えて、ガス噴出口の大きさを連続的に変化させるようにすることも可能である。
【0078】
【発明の効果】
以上のように本発明は、真空槽内に配されているガス供給パイプと、ガス供給パイプのガス供給口と選択的に整合し、しかも互いに大きさまたはコンダクタンスが異なる複数のガス噴出口を有し、ガス供給パイプに移動可能に嵌合されているスリーブとを具備し、スリーブをガス供給パイプに対して相対的に移動させてガス供給口と整合されるガス噴出口を選択してガス噴出口の大きさ、ガス噴出量、またはコンダクタンスを変更するようにしたものである。
【0079】
従ってスリーブをガス供給パイプに対して相対的に移動させることによって、スリーブ上に設けられている複数のガス噴出口の内の1つのガス噴出口を選択することが可能になり、これによってガス噴出口の大きさ、コンダクタンス、またはガス噴出量が任意に変更できるようになる。
【0080】
スリーブの円周方向に沿って大きさまたは有効長さが異なる複数のガス噴出口が形成され、スリーブをガス供給パイプに対して相対的に回転操作することによってガス噴出口の大きさを変更するようにした構成によれば、スリーブをガス供給パイプに対して相対的に回転させることによって大きさの異なるガス噴出口を選択できるようになる。
【0081】
スリーブの外周面上に突出するように被操作部が設けられ、レバーによって被操作部を操作することによってスリーブの回転位置を相対的に規制するようにした構成によれば、レバーによってスリーブ上の被操作部を操作することによってスリーブが相対的に回転され、これによってガス噴出口の選択が行なわれる。
【0082】
ガス供給パイプ上にその長さ方向に沿って複数のスリーブが回転可能に取付けられるとともに、ガス供給パイプとほぼ平行に配されている操作軸上に複数のスリーブに対応して複数のレバーが取付けられ、操作軸の操作によって複数のスリーブの回転位置をそれぞれ相対的に規制するようにした構成によれば、ガス供給パイプ上に設けられている複数のスリーブを共通の操作軸によって相対的に回転操作することが可能になり、これによって簡潔な調整機構を有するガス噴出量調整装置が提供される。
【0083】
ガス供給パイプ上におけるスリーブの取付けピッチと操作軸上におけるレバーの取付けピッチとがそれぞれ異なっており、操作軸を軸線方向にシフトすることによって回転位置を規制するスリーブを選択するようにした構成によれば、操作軸を軸線方向に順次少しずつ移動させることによって、複数のスリーブを互いに独立に相対回転させてそのガス噴出口の選択を行なうことが可能になる。
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【図面の簡単な説明】
【図1】 真空槽の全体の構成を示す正面図である。
【図2】 同真空槽の内部の構成を示す側面図である。
【図3】 反応ガス供給装置の構成を示す縦断面図である。
【図4】 ガスチャンバの斜視図である。
【図5】 真空槽の開口に取付けられている真空隔壁の部分の断面図である。
【図6】 コントロールスリーブによるガス噴出口の大きさの調整を示す縦断面図である。
【図7】 図6におけるA〜A断面図である。
【図8】 別の実施の形態の操作軸の斜視図である。
【図9】 同操作軸とガス供給パイプとの組合わせを示す側面図である。
【図10】 同組合わせを示す正面図である。
【図11】 別の実施の形態のスリーブの断面図である。
【図12】 別の実施の形態のロータリスリーブの回転操作機構の縦断面図である。
【図13】 さらに別の実施の形態のロータリスリーブの外観斜視図である。
【図14】 同ロータリスリーブを取付けたガス供給パイプの断面図である。
【図15】 さらに別の実施の形態のロータリスリーブを取付けたガス供給パイプの正面図である。
【図16】 ロータリスリーブの回転操作を示す断面図である。
【図17】 ロータリスリーブによる開口度の調整を示す断面図である。
【図18】 ロータリスリーブによる開口度の調整を示す断面図である。
【図19】 さらに別の実施の形態のガス噴出量調整装置を示す要部正面図である。
【図20】 スプライン軸に対する取付けを示す一部を破断した正面図である。
【図21】 スプライン軸による切換え動作を示す断面図である。
【図22】 さらに別の実施の形態のガス噴出装置を示す正面図である。
【図23】 さらに別の実施の形態のガス噴出装置を示す正面図である。
【図24】 さらに別の実施の形態のガス噴出装置を示す正面図である。
【図25】 従来のガス供給パイプを示す縦断面図である。
【図26】 ガスの噴出口調整用ボルトの斜視図である。
【符号の説明】
1‥‥ガス供給パイプ、2‥‥雌ねじ孔、3‥‥ボルト、4‥‥ガス噴出口、10‥‥真空槽、11‥‥供給ロール、12‥‥巻取りロール、15‥‥ポリエステルフィルム、16‥‥冷却ドラム、20‥‥カソード、21‥‥ターゲット、25‥‥ガスチャンバ(反応性ガス供給装置)、26‥‥小孔、27‥‥ガス供給パイプ、28‥‥ブラケット、29‥‥軸受、30‥‥ブラケット、31‥‥中間軸受、35‥‥開口、36‥‥筒体、37‥‥真空隔壁、38‥‥真空スリーブ、39‥‥連通パイプ、40‥‥ロータリジョイント、41‥‥連通パイプ、42‥‥ロータリジョイント、43‥‥ハンドル、47‥‥ガス供給口、48‥‥ロータリスリーブ、49‥‥ガス噴出口、50‥‥Oリング、54‥‥操作軸、55‥‥ブラケット、56‥‥軸受、57‥‥真空スリーブ、58‥‥レバー、59‥‥ピン、62‥‥手動操作用ハンドル、63‥‥連結部材、64‥‥X軸アクチュエータ、66‥‥座ぐりの凹部、68‥‥欠歯状レバー、69‥‥歯、75‥‥ガス供給チャンバ、76、77‥‥ガス供給管、78、79‥‥Oリング、82‥‥ガス供給口、83‥‥回転円板、84‥‥ガス噴出口、85‥‥支軸、86‥‥摩擦円板、87‥‥モータ、88‥‥出力軸、91‥‥ブラケット、92‥‥スライドブロック、93‥‥スプライン、94‥‥スプライン軸、95‥‥連結部材、96‥‥ボールナット、97‥‥ボールねじ、99、100‥‥軸受、101、102‥‥回転操作部、105‥‥スリーブ、106‥‥軸受、111‥‥減圧弁、112‥‥コントローラ、113‥‥ガス分圧センサ、116‥‥コンダクタンス調整バルブ、117‥‥モータ、121‥‥電圧計[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a gas ejection amount adjusting device for a vacuum chamber, and more particularly to a gas ejection amount adjusting device for adjusting the amount of gas ejected from a gas supply pipe disposed in the vacuum chamber.
[0002]
[Prior art]
When an active gas such as oxygen, nitrogen, fluorine, hydrogen, chlorine or the like is supplied together with an inert gas into the vacuum chamber, reactive sputtering is performed. That is, the target is S i And as a reactive gas in the vacuum chamber 2 Supply S i O 2 It is possible to perform film formation. In such a case, for example, the gas supply pipe 1 as shown in FIG. 25 is arranged in the vacuum chamber, and the
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Adjustment of the size of the gas outlet 4 of the gas supply pipe 1 as shown in FIGS. 25 and 26 is achieved by changing the
[0004]
Therefore, a method has been attempted in which the gas supply pipes installed in the vacuum chamber have a plurality of systems, and the gas partial pressure is adjusted by controlling the gas flow rate of each system. However, in this case, the flow rate can be adjusted from the outside of the vacuum chamber, but in the case of film formation of a large area, there are many gas ejection systems, and there is a problem in that space in the vacuum chamber is restricted. There is.
[0005]
The present invention has been made in view of such problems, and it is possible to freely adjust the amount of gas ejection from the outside of the vacuum chamber arbitrarily and in a short time without returning the inside of the vacuum chamber to atmospheric pressure. An object of the present invention is to provide a gas ejection amount adjusting device that can be used.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention includes a gas supply pipe disposed in a vacuum chamber,
A sleeve having a plurality of gas outlets selectively aligned with the gas supply port of the gas supply pipe and having different sizes or conductances, and movably fitted to the gas supply pipe;
And moving the sleeve relative to the gas supply pipe to select a gas injection port aligned with the gas supply port to change the size, gas injection amount, or conductance of the gas injection port The present invention relates to a gas ejection amount adjusting device for a vacuum chamber.
[0007]
A plurality of gas jets having different sizes along the circumferential direction of the sleeve are formed, and the size or effective length of the gas jet is obtained by rotating the sleeve relative to the gas supply pipe. May be changed. Further, an operated portion may be provided so as to protrude on the outer peripheral surface of the sleeve, and the rotational position of the sleeve may be relatively regulated by operating the operated portion with a lever.
[0008]
A plurality of sleeves are rotatably mounted along the length direction on the gas supply pipe, and a plurality of sleeves corresponding to the plurality of sleeves are disposed on an operation shaft arranged substantially parallel to the gas supply pipe. A lever may be attached, and the rotational positions of the plurality of sleeves may be relatively regulated by operation of the operation shaft. Further, the mounting pitch of the sleeve on the gas supply pipe is different from the mounting pitch of the lever on the operation shaft, and the sleeve that restricts the rotational position is selected by shifting the operation shaft in the axial direction. May be made.
[0009]
[0010]
[0011]
[0012]
[0013]
[0014]
[0015]
[0016]
[0017]
[0018]
[0019]
According to a preferred aspect of the present invention, there is provided a structure in which a large number of rotary sleeves each having a plurality of gas ejection ports of different sizes are arranged on a gas supply pipe having a gas supply port, The size of the gas outlet is changed by rotational driving. In order to rotationally drive the rotary sleeve, a pin is provided on the outer peripheral surface of the rotary sleeve, and the rotation is transmitted by bringing the pin into contact with the lever of the operation shaft. The operation shaft is provided with a lever corresponding to the rotary sleeve. For this purpose, the position of the rotary sleeve to be adjusted is selected by shifting the operation shaft.
[0020]
According to such a structure, it is possible to adjust the gas ejection amount at each position from the outside of the vacuum chamber, and it is possible to adjust the gas distribution in the vacuum chamber without returning the vacuum chamber to the atmosphere. Become. That is, the film formation distribution can be adjusted in real time, and the film formation distribution can be adjusted in a much shorter time than the conventional method in which the vacuum chamber is opened to the atmosphere and the gas ejection amount at each position is adjusted. Adjustment is possible.
[0021]
In the present invention, a greater effect can be expected by using the apparatus of the above aspect in film formation by reactive sputtering in the transition region. This is because, in reactive sputtering in the transition region, it is known that a slight difference in the distribution of reactive gas has a very large influence on the film formation distribution. That is, it is necessary to finely adjust the distribution of the gas ejection amount in the vacuum chamber. In such a film formation process, an apparatus that can adjust the gas distribution in the vacuum chamber without returning the vacuum chamber to the atmosphere has a great effect in terms of shortening the adjustment time of the film formation distribution.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1 and 2 show an
[0023]
Three
[0024]
The
[0025]
Next, the
[0026]
As shown in FIG. 3, a
[0027]
A portion on the base end side of the
[0028]
As shown in FIG. 6,
[0029]
An
[0030]
A manual operation handle 62 is attached to the base end portion of the
[0031]
In particular, in this embodiment, the
[0032]
The
[0033]
By rotating the
[0034]
Next, selection of the
[0035]
Thus, the
[0036]
In this operation, the
[0037]
According to the gas ejection amount adjusting device according to the present embodiment, the
3mm × 30 = 90mm
Therefore, by moving the
[0038]
Note that the mounting pitch of the
[0039]
According to such a gas ejection amount adjusting device, the
[0040]
According to the above embodiment, it is necessary to ensure a movement stroke of 90 mm in the axial direction of the
[0041]
According to such a configuration, when each
3mm × 10 = 30mm
Thus, the movement amount of the
[0042]
This will be described in more detail. In the state shown in FIGS. 9 and 10, the positions of the
[0043]
Accordingly, in the angle of the
[0044]
Similarly, when the
[0045]
Next, another embodiment will be described with reference to FIG. This embodiment shows a configuration in which the effective length l of the three
[0046]
Further, in place of the
[0047]
Next, still another embodiment will be described with reference to FIGS. In this embodiment, the
[0048]
In other words, when the
[0049]
Next, still another embodiment will be described with reference to FIGS. In this embodiment, in the embodiment described above, a
[0050]
As in the above embodiment, an
[0051]
FIG. 16 shows a state in which the
[0052]
Next, still another embodiment will be described with reference to FIGS. In this embodiment, a
[0053]
A plurality of
[0054]
The
[0055]
The
[0056]
The
[0057]
The
[0058]
That is, in this embodiment, the
[0059]
On the other hand, a
[0060]
A
[0061]
In particular, a
[0062]
Next, the operation of the gas ejection amount adjusting device having such a structure will be described. The
[0063]
As shown in FIG. 21A, by rotating the
[0064]
The selection of the
[0065]
Thereafter, the
[0066]
By such a series of operations, the
[0067]
Next, still another embodiment will be described with reference to FIG. As shown in FIG. 22, a plurality of
[0068]
Moreover, the
[0069]
When adjusting the gas distribution in the
[0070]
In particular, here, the partial pressure of the gas in the
[0071]
Next, still another embodiment will be described with reference to FIG. In this embodiment, a plurality of, for example, four
[0072]
A
[0073]
When adjusting the partial pressure of the gas in the
[0074]
FIG. 24 is obtained by adding some modifications to the embodiment shown in FIG. That is, in FIG. 24, the
[0075]
The above embodiment relates to a gas ejection amount adjusting device for supplying reactive gas in a vacuum chamber for performing reactive sputtering, but the gas ejection amount adjusting device of the above mechanism is a CVD (Chemical). (Vapor Deposition Chemical Vapor Deposition) or a gas supply apparatus in a vacuum chamber for vacuum film forming process by vapor deposition. Furthermore, the present invention can be applied not only to a vacuum chamber used for a vacuum film forming process but also to a gas supply device in a vacuum processing apparatus used for an etching process.
[0076]
The above embodiment relates to an apparatus for supplying a reactive active gas such as oxygen, nitrogen, fluorine, hydrogen, and chlorine to a vacuum chamber. Instead of such a gas, argon, krypton, helium The present invention is applicable to a gas ejection amount adjusting device for supplying a rare gas such as neon or xenon or an inert gas into a vacuum chamber.
[0077]
Further, in the above embodiment, the size of the gas outlet is changed stepwise by the plurality of
[0078]
【The invention's effect】
As described above, the present invention has a gas supply pipe disposed in the vacuum chamber and a plurality of gas injection ports that are selectively aligned with the gas supply port of the gas supply pipe and have different sizes or conductances. A sleeve that is movably fitted to the gas supply pipe, and moves the sleeve relative to the gas supply pipe to select a gas outlet that is aligned with the gas supply port. The size of the outlet, the amount of gas ejection, or the conductance is changed.
[0079]
Therefore, by moving the sleeve relative to the gas supply pipe, it is possible to select one gas outlet among the plurality of gas outlets provided on the sleeve, and thereby the gas outlet. The size of the outlet, the conductance, or the gas ejection amount can be arbitrarily changed.
[0080]
A plurality of gas outlets having different sizes or effective lengths are formed along the circumferential direction of the sleeve, and the size of the gas outlet is changed by rotating the sleeve relative to the gas supply pipe. According to such a configuration, it is possible to select gas jet outlets having different sizes by rotating the sleeve relative to the gas supply pipe.
[0081]
According to the configuration in which the operated portion is provided so as to protrude on the outer peripheral surface of the sleeve, and the rotational position of the sleeve is relatively regulated by operating the operated portion by the lever, By operating the operated portion, the sleeve is relatively rotated, whereby the gas outlet is selected.
[0082]
A plurality of sleeves are rotatably mounted along the length of the gas supply pipe, and a plurality of levers are mounted on the operation shaft arranged substantially in parallel with the gas supply pipe. According to the configuration in which the rotation positions of the plurality of sleeves are relatively regulated by operation of the operation shaft, the plurality of sleeves provided on the gas supply pipe are relatively rotated by the common operation shaft. This makes it possible to operate, thereby providing a gas ejection amount adjustment device having a simple adjustment mechanism.
[0083]
The sleeve mounting pitch on the gas supply pipe is different from the lever mounting pitch on the operating shaft, and the sleeve that restricts the rotational position is selected by shifting the operating shaft in the axial direction. For example, by moving the operation shaft little by little in the axial direction, the plurality of sleeves can be relatively rotated independently of each other to select the gas ejection port.
[0084]
[0085]
[0086]
[0087]
[0088]
[0089]
[0090]
[0091]
[0092]
[0093]
[0094]
[0095]
[0096]
[0097]
[0098]
[0099]
[0100]
[0101]
[0102]
[0103]
[0104]
[0105]
[0106]
[0107]
[0108]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing the overall configuration of a vacuum chamber.
FIG. 2 is a side view showing an internal configuration of the vacuum chamber.
FIG. 3 is a longitudinal sectional view showing a configuration of a reaction gas supply device.
FIG. 4 is a perspective view of a gas chamber.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a vacuum partition portion attached to an opening of a vacuum chamber.
FIG. 6 is a longitudinal sectional view showing adjustment of the size of the gas ejection port by the control sleeve.
7 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 8 is a perspective view of an operation shaft according to another embodiment.
FIG. 9 is a side view showing a combination of the operation shaft and a gas supply pipe.
FIG. 10 is a front view showing the same combination.
FIG. 11 is a cross-sectional view of another embodiment of a sleeve.
FIG. 12 is a longitudinal sectional view of a rotary operation mechanism of a rotary sleeve according to another embodiment.
FIG. 13 is an external perspective view of a rotary sleeve according to still another embodiment.
FIG. 14 is a sectional view of a gas supply pipe to which the rotary sleeve is attached.
FIG. 15 is a front view of a gas supply pipe to which a rotary sleeve according to still another embodiment is attached.
FIG. 16 is a cross-sectional view showing a rotary operation of the rotary sleeve.
FIG. 17 is a cross-sectional view showing the adjustment of the opening degree by the rotary sleeve.
FIG. 18 is a cross-sectional view showing adjustment of the opening degree by the rotary sleeve.
FIG. 19 is a front view of an essential part showing a gas ejection amount adjusting device of still another embodiment.
FIG. 20 is a partially cutaway front view showing attachment to the spline shaft.
FIG. 21 is a cross-sectional view showing a switching operation by a spline shaft.
FIG. 22 is a front view showing a gas ejection device according to still another embodiment.
FIG. 23 is a front view showing a gas ejection device according to still another embodiment.
FIG. 24 is a front view showing a gas ejection device according to still another embodiment.
FIG. 25 is a longitudinal sectional view showing a conventional gas supply pipe.
FIG. 26 is a perspective view of a gas jetting adjustment bolt.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Gas supply pipe, 2 ... Female screw hole, 3 ... Bolt, 4 ... Gas outlet, 10 ... Vacuum tank, 11 ... Supply roll, 12 ... Winding roll, 15 ... Polyester film, 16 ... Cooling drum, 20 ... Cathode, 21 ... Target, 25 ... Gas chamber (reactive gas supply device), 26 ... Small hole, 27 ... Gas supply pipe, 28 ... Bracket, 29 ... Bearing, 30 ... Bracket, 31 ... Intermediate bearing, 35 ... Opening, 36 ... Cylindrical body, 37 ... Vacuum partition, 38 ... Vacuum sleeve, 39 ... Communication pipe, 40 ... Rotary joint, 41 ... Communication pipe, 42 Rotary joint, 43 Handle, 47 Gas supply port, 48 Rotary sleeve, 49 Gas outlet, 50 O-ring, 54 Operation shaft, 55 Brake , 56 ... Bearing, 57 ... Vacuum sleeve, 58 ... Lever, 59 ... Pin, 62 ... Manual operation handle, 63 ... Connection member, 64 ... X-axis actuator, 66 ... Concavity recess , 68 ... Missing lever, 69 ... Teeth, 75 ... Gas supply chamber, 76, 77 ... Gas supply pipe, 78, 79 ... O-ring, 82 ... Gas supply port, 83 ...
Claims (6)
前記ガス供給パイプのガス供給口と選択的に整合し、しかも互いに大きさが異なる複数のガス噴出口を有し、前記ガス供給パイプに移動可能に嵌合されているスリーブと、
を具備し、前記スリーブを前記ガス供給パイプに対して相対的に移動させて前記ガス供給口と整合されるガス噴出口を選択してガス噴出口の大きさまたはガス噴出量を変更するようにしたことを特徴とする真空槽のガス噴出量調整装置。A gas supply pipe arranged in the vacuum chamber;
A sleeve that is selectively aligned with the gas supply port of the gas supply pipe and that has a plurality of gas ejection holes of different sizes, and is movably fitted to the gas supply pipe;
And moving the sleeve relative to the gas supply pipe to select a gas injection port aligned with the gas supply port to change the size or the gas injection amount of the gas injection port. An apparatus for adjusting a gas ejection amount of a vacuum chamber.
前記ガス供給パイプのガス供給口と選択的に整合し、しかも互いにコンダクタンスが異なる複数のガス噴出口を有し、前記ガス供給パイプに移動可能に嵌合されているスリーブと、
を具備し、前記スリーブを前記ガス供給パイプに対して相対的に移動させて前記ガス供給口と整合されるガス噴出口を選択してガス噴出口のコンダクタンスを変更するようにしたことを特徴とする真空槽のガス噴出量調整装置。A gas supply pipe arranged in the vacuum chamber;
A sleeve having a plurality of gas outlets selectively aligned with the gas supply port of the gas supply pipe and having different conductances, and movably fitted to the gas supply pipe;
The sleeve is moved relative to the gas supply pipe to select a gas outlet aligned with the gas supply port to change the conductance of the gas outlet. A device for adjusting the gas ejection amount of a vacuum chamber.
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