JP4195406B2 - Seismic isolation method for existing building and seismic isolation building - Google Patents
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Description
本発明は、既存建物の免震化工法および該工法を用いた免震建物に係り、特に、戸建て住宅の免震化に適しており、既存建物の基礎を上下に分断し、その間に免震装置を設置して免震化する工法と、この工法により免震化された免震建物に関する。 The present invention relates to a seismic isolation method for an existing building and a seismic isolation building using the method, and is particularly suitable for seismic isolation of a detached house. The present invention relates to a method of installing a device to make it seismically isolated, and to a seismically isolated building that has been seismically isolated by this method.
従来、この種の既存建物の免震化方法としては、既存柱の免震装置設置箇所の上部外周面に上枠体を巻着する一方、免震装置設置箇所の下部外周面に下枠体を巻着する第1工程と、上枠体と下枠体との間に鉛直支持材を挿入し、この鉛直支持材の両端を両枠体に取り付ける第2工程と、両枠体間の既存柱を切除する第3工程と、上枠体の下面に上蓋体を取り付けて切除後の上側の既存柱である上既存柱の下端面を覆う一方、下枠体の上面に下蓋体を取り付けて切除後の下側の既存柱である下既存柱の上端面を覆う第4工程と、既存柱が切除されてなる空間に免震装置を挿入し、この免震装置を両蓋体に取り付ける第5工程と、鉛直支持材を除去して、上既存柱を下既存柱によって免震装置を介して支持させる第6工程で構成される。(例えば、特許文献1参照)。
ところで、前記の免震化方法は、既存柱としてRC柱の例が記載されており、RC柱や鉄骨柱を有する既存建物の免震化には適しているが、木造住宅やプレハブ住宅等の戸建て住宅の免震化には適していない。例えば、木造住宅に特許文献1に記載の免震化方法を用いると、上部構造体を構成する多数の柱の全てに対して前記の6工程を行う必要があり、施工作業が極めて煩雑となり、作業時間が多大となる問題点があった。また、免震装置自体も多数が必要となり、コスト的にも不利であり、さらに居住者がいない状態でないと施工できない問題点があった。
By the way, the above-mentioned seismic isolation method describes an example of an RC column as an existing column, and is suitable for seismic isolation of an existing building having an RC column or a steel column. It is not suitable for seismic isolation of detached houses. For example, if the seismic isolation method described in
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、施工作業が容易で工期が短縮され、免震化に伴う費用のコストダウンを達成でき、住居の場合は居住したままの施工が可能であり、倉庫等では収容物を移動しない状態での施工が可能な既存建物の免震化工法を提供することにある。また、既存建物の免震化に伴う廃棄物を少なくでき、環境性に優れた既存建物の免震化工法と、この工法で免震化した免震建物を提供することにある。 The present invention has been made in view of such problems, and the purpose of the present invention is to facilitate construction work, shorten the construction period, achieve cost reduction associated with seismic isolation, and In some cases, it is possible to provide a seismic isolation method for an existing building that can be constructed in a resident state and that can be constructed without moving its contents in a warehouse or the like. Another object of the present invention is to provide a seismic isolation method for existing buildings, which can reduce the amount of waste associated with the seismic isolation of existing buildings, and which is excellent in environmental friendliness.
前記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明による既存建物の免震化工法は、上部構造体と、上部構造体を支持する基礎とを備えた既存建物を免震化する工法で、既存建物の基礎に切欠き部を形成する工程と、該切欠き部に支持手段を挿入し、該支持手段で切欠き部の上面を支持する工程と、基礎を水平方向に切断して上部基礎と下部基礎に分断する工程と、分断された下部基礎と上部基礎との間に免震装置を設置する工程と、支持手段を取り除き、免震装置で上部基礎を支持する工程と、を備えることを特徴とする。すなわち、既存の基礎を上下に分断し、上部基礎を免震化後の上部構造体の剛床確保のために使用し、下部基礎を免震化後の基礎として使用し、上部基礎と下部基礎との間に免震装置を設置して上部基礎を支持する。
In order to achieve the above object, the seismic isolation method for an existing building according to the invention described in
前記のごとく構成された既存建物の免震化工法は、基礎にジャッキ等の支持手段を挿入する切欠き部を形成し、ジャッキ等で切欠き部の上面を支持してから基礎を上下に切断し
て上部基礎と下部基礎に分断し、上部基礎と下部基礎の間隙に免震装置を設置し、この免震装置で上部基礎を支持して免震化するため、既存の建物を解体或いは移動しなくてもよく、短い工期、低コストで既存建物を免震化でき、廃棄物を少なくすることができる。また、既存建物が住居の場合、居住したまま免震化でき、倉庫等の場合でも物品等を収容したまま免震化できるため、引越や移動の手間および費用を削減できる。
The seismic isolation method for existing buildings constructed as described above forms a notch for inserting support means such as a jack into the foundation, and then supports the upper surface of the notch with a jack or the like and then cuts the foundation up and down. The base is divided into an upper foundation and a lower foundation, and a seismic isolation device is installed in the gap between the upper and lower foundations. The existing building can be seismically isolated with a short construction period and low cost, and waste can be reduced. In addition, if the existing building is a residence, it can be seismically isolated while it is resident, and even in the case of a warehouse, etc., it can be seismically isolated while accommodating articles and the like.
また、請求項2に記載の発明による既存建物の免震化工法としては、前記基礎を分断する工程の後工程として、分断された下部基礎および/または上部基礎を補強する工程をさらに備えることを特徴としている。例えば、上部基礎の下面にアンカー部材を用いて鉄骨フレーム材を固定することや、鉄骨の架台等を固定して補強し、下部基礎はコンクリート厚を増やすことや、ベタ基礎とすることで補強することができる。この構成によれば、上下に分断された上部基礎と下部基礎の少なくとも一方を必要に応じて補強するため、上下に分断されて強度が低くなった上下の基礎の強度を増して、安定した免震性能を得ることができる。
Moreover, as a seismic isolation method of the existing building by the invention of
請求項3に記載の発明による既存建物の免震化工法は、前記基礎を分断する工程の後工程として、上部構造体と基礎とを連結してあるアンカー部材の上方への引き抜き防止処理を行うことを特徴としている。例えば、基礎を上下に分断したときアンカーボルトの下端が上部基礎から突出した状態とし、この突出端部にねじ切りしてナットを結合することで上方への引き抜き防止を行うことができる。このように構成すると、アンカー部材を用いて上部基礎と上部構造体との結合を強固にでき、分断された上部基礎に鉄骨のフレーム材や架台等の補強材を挟んで引き抜き防止することにより、上部基礎の補強と引き抜き防止とを同時に効率良く行うこともできる。
In the seismic isolation method for an existing building according to the invention described in
請求項1に記載の既存建物の免震化工法によれば、戸建てのような既存建物の免震化を容易な施工で行うことができる。また、既存の建物を解体、移動しなくてもよいため、住居の場合には居住したまま施工でき、引越を不要として免震化のコストを削減できる。さらに既存の基礎を利用するため、廃棄物を削減できて環境に優しい施工が可能となり、基礎の解体、再打設を省略でき工期を短縮できる。
According to the seismic isolation method for an existing building according to
請求項2に記載の既存建物の免震化工法によれば、上下に分断された基礎を必要に応じて補強することにより、強度が低くなった上下の基礎の強度を増して、安定した免震性能を得ることができる。また、請求項3に記載の既存建物の免震化工法によれば、アンカー部材を用いて上部基礎と上部構造体との結合を強固にでき、免震性能を向上させることが
できる。
According to the seismic isolation method for an existing building according to
以下、本発明に係る既存建物の免震化工法の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る免震化工法を実施する既存建物の立面図、図2は、図1の既存建物の基礎を示す斜視図である。図1,2において、既存建物1は木造2階建ての戸建て住宅であり、例えば鉄筋コンクリート製の基礎2の上部に柱や梁で構成された木造の上部構造体3が設置され、基礎2が上部構造体3を直接支持する直接基礎を構成している。上部構造体3の上部には瓦等で葺かれた屋根部4が形成されている。
Hereinafter, an embodiment of a seismic isolation method for an existing building according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 is an elevation view of an existing building that implements the seismic isolation method according to the present embodiment, and FIG. 2 is a perspective view showing the foundation of the existing building of FIG. 1 and 2, the existing
木造の上部構造体3は軸組構造であるため、多数の柱材や梁材が使用されており、上部構造体3の土台と基礎2とは、基礎2に埋設された多数のアンカーボルト5で連結してある。このような戸建ての建物を、前記した従来技術の免震化方法で免震化すると、柱の数が多くて施工が煩雑となってしまう。なお、上部構造体は木造の軸組構造に限らず、鉄骨造や鉄骨ラーメン構造の建物ユニットを使用した構造等の適宜の構造でもよく、屋根も陸屋根形式、寄せ棟形式のものでもよい。また、基礎は布基礎、ベタ基礎、無筋のコンクリート製基礎等、適宜の形態のものでもよい。
Since the wooden
ここで、本実施形態の免震化工法で使用する免震装置の一例を図3に基づいて説明する。図3は免震装置の鉛直方向の断面図と水平方向の断面図である。免震装置10は一般的には基礎と上部構造体との間に設置されるもので、扁平な擂鉢状の凹面11を有する下部受皿12と、これを上下反転した形状の凹面13を有する上部受皿14と、上下の受皿の間に位置する鋼球からなる転がり体15とから構成され、基礎16に下部受皿12を固定すると共に上部構造体17に上部受皿14を固定することで基礎16と上部構造体17とを絶縁状態とし、地震等の震動による基礎16の変位が直接上部構造体17に伝達されるのを防止している。このタイプの免震装置10の設置は、基礎16の上面に下部受皿12をボルト等で固定し、上部受皿14を下向きに上部構造体17に固定して上下の受皿間に転がり体15を介在させる。なお、上下の受皿の擂鉢状面の代わりに、曲率半径の大きい円弧面や楕円面を中央部が凹むように形成してもよい。
Here, an example of the seismic isolation device used in the seismic isolation method of this embodiment will be described with reference to FIG. FIG. 3 is a vertical sectional view and a horizontal sectional view of the seismic isolation device. The
つぎに、前記の構造を有する既存建物1を免震化する工法について、図4〜7を用いて詳細に説明する。この工法の施工にあたっては、既存建物1に居住している住人は基本的には引越しする必要はなく、家財道具等もそのままの状態で行うことができる。また、既存の建物が倉庫等で居住用でない場合、同様に内部に収容されている物品等を移動することを要しないで施工することができる。
Next, a method for making the existing
先ず、第1の工程として、図4aの基礎2に図4bに示すように、ジャッキ等の支持手段や、後述する免震装置を挿入するための長方形状の切欠き部20を形成する。切欠き部としては、所定の厚さを有する基礎2を貫通する形状が好ましいが、貫通しない凹部や窪みの形状でもよい。切欠き部20の形成は、例えばウォータージェットによりコンクリート部分を切除して行うことができる。また、チェーンソウ等により基礎2のコンクリートを切り抜いて形成することもできる。さらに、ホールソウ等の孔開け機を用いて貫通孔を連続して形成してもよい。本実施形態では、外周の基礎には2〜3m間隔で幅が数10cmの切欠き部20…を形成し、図示していない内部の基礎部分にも同様の間隔で水平に複
数の切欠き部を形成する。この切欠き部20…を形成する位置は、基礎2と上部構造体3の土台を固定するアンカーボルト5…を避ける位置が好ましい。なお、中間の基礎に切欠き部を形成するときは、一部の床板を外すことが必要となる。
First, as a first step, as shown in FIG. 4B, a
第2の工程として、図4cに示すように、前記の工程で形成した切欠き部20…に支持手段としてジャッキ21…を挿入し、ジャッキのベースを切欠き部の底面に対接させ、ジャッキの可動軸を切欠き部20の上面に対接させて基礎2の上部を支持させる。すなわち、ジャッキ21の可動軸を上昇させ、可動軸で切欠き部の上面を所定の圧力で押圧する。本実施形態では、図4cに示すように外周側の一面に5つの切欠き部20を形成し、3つのジャッキ21を挿入している。外周に露出していない基礎に形成した切欠き部には、例えば外した床板の一部からジャッキを挿入する。このようにして、横方向基礎および縦方向基礎に所定の間隔で切欠き部20を形成し、切欠き部内にジャッキ21を挿入して基礎2の上部を支持する。ジャッキは油圧式或いは機械式のものを使用する。なお、図4bに示すように破線で示す切欠き部を含めて7つの切欠き部を形成し、1つおきの3つの切欠き部にジャッキを挿入してもよい。
As a second step, as shown in FIG. 4c, jacks 21 are inserted as support means in the
ついで、第3の工程として、図4cに示すように、基礎2を水平方向に切断して上部基礎2Aと下部基礎2Bに分断する。すなわち、前記の第1の工程で使用したウォータージェットやチェーンソウ、コンクリートカッター等の工具を用いて、切欠き部20の上辺に合わせて水平に切断線22を入れると共に、切欠き部20の下辺に合わせて水平に切断線23を入れ、上下の切断線22,23でブロック状に切断されたコンクリート塊を除去して、作業空間を形成する。なお、下辺に沿う切断線23でアンカーボルト5を切断し、上辺に沿う切断線22は、アンカーボルト5を切断しないように切り込んでアンカーボルトの下端を突出させると、後述する引き抜き防止処理を容易に行える。
Next, as a third step, as shown in FIG. 4c, the
図5は前記の切断線22,23による基礎2の分断工程後の上部基礎2Aと下部基礎2Bとを離した状態で示しており、後述する免震装置10の設置工程では、基礎の立上り部のコーナー部分や交差部分に対して免震装置を設置し、本実施形態では12個(図示は6個)の免震装置10を設置する構成となっている。
FIG. 5 shows the state in which the
このようにして、図6aに示すように基礎2を水平に上下に分断して上部基礎2Aと下部基礎2Bを構成した後、第4の工程として、突出しているアンカーボルト5の下端にねじ切りを行い、下方より鉄板等のプレート24を挟んでナットを螺合させて締付け、引き抜き防止処理を行う。この引き抜き防止処理工程によりアンカーボルト5が上部基礎2Aから抜け出ることが防止され、図6bに断面で示すようにアンカーボルト5による上部構造体3と上部基礎2Aとの結合を強固にすることができる。なお、アンカーボルト5が上部基礎の下面から突出しないように基礎2を水平に切断した場合は、アンカーボルト下端周辺のコンクリートをタガネ等で掘り込んで露出させ、ねじ切り後にナットを螺合させて引き抜き防止をしてもよい。
In this way, as shown in FIG. 6a, after the
この引き抜き防止処理に際して、上部基礎2Aの鉛直曲げ剛性や床面内剛性が不足しているときには、プレート24の代わりに補強用の部材としてH鋼等の鉄骨フレーム材等を挟んで螺着して上部基礎2Aの補強を実施する。鉄骨フレーム材を長尺のものとして、後述する免震装置の上部と対接するように構成すると好適である。この上部基礎2Aの補強工程は、基礎2を分断する工程の後工程、すなわち第5の工程として実施されるが、この補強固定については後述する。
In this pull-out prevention process, when the vertical bending rigidity or in-floor rigidity of the
本実施形態では、前記した上部基礎2Aの補強と共に、第6の工程として下部基礎2Bの補強も行う。下部基礎2Bの補強は、既存の基礎が布基礎の場合にはスラブ配筋を施してベタ基礎とすること等で補強することができる。また、ジャッキ21の部分を除いて鉄
筋を配筋し、鉄筋を埋設するようにコンクリートを増し打ちすることもできる。さらに、単にコンクリートを増し打ちするだけでもよい。この第6の下部基礎の補強工程も後述する。このようにして、水平方向に分断された上部基礎2Aと、下部基礎2Bとを補強することにより、免震装置10の上下の取付部が強固となり、施工後の免震性能を向上させることができる。
In the present embodiment, the reinforcement of the
そして、図6bに示すように複数のジャッキ21を均等に上昇させて作業空間を拡大する。すなわち、複数のジャッキ21を均等に上昇させ、上部基礎2Aのジャッキアップを行って免震装置を挿入して設置する作業空間が広くなるようにする。なお、ジャッキアップ工程は必要に応じて実施するものであり、設置される免震装置の上下高さが小さく、作業空間が広く必要でない場合は省略することができる。油圧式のジャッキを使用し、全てのジャッキに加圧装置(図示せず)から配管することで、上部基礎2Aを均等に上昇させることができる。
Then, as shown in FIG. 6b, the plurality of
この後、第7の工程として、図6cに示すようにジャッキアップされた作業空間内で免震装置10を設置する。免震装置10は、設置の際には上下の受皿12,14が転がり体15を挟んだ状態で図示していない連結バーにより連結されている。下部基礎2Bの免震装置の設置場所に対してホールインアンカーやケミカルアンカー(図示せず)等の加工を行い、これらのアンカーを用いて下部受皿12を下部基礎2Bに固定する。また、上部基礎2Aに対しても同様にホールインアンカーやケミカルアンカー等の加工を行い、ジャッキ21を下げると上部基礎2Aと免震装置の上部受皿14とが対接するので、これらのアンカーを用いて上部受皿14を上部基礎2Aに固定する。
Thereafter, as a seventh step, the
そして、第8の工程として、ジャッキ21を完全に下げて取り除くと、ジャッキ21の代わりに免震装置10…で上部基礎2Aおよび上部構造体3を支持することができる。また、免震装置10の上下の受皿を固定している連結バーを外すと、上部受皿14は下部受皿12に対してフリーとなり、下部基礎2Bに対して上部基礎2Aを移動可能に連結することができる。これにより、図7に示すように既存建物1の免震化が完了する。
Then, as the eighth step, when the
免震装置10は通常時には鋼球等の転がり体15が下部受皿12と上部受皿14の中心に位置しているが、地震等の震動で下部基礎2Bが震動しても転がり体15が移動して震動が直接上部基礎2Aには伝達されない。地震が治まると、転がり体15は下部受皿12の中心に復帰すると共に、転がり体15上に上部受皿14の中心が復帰して、免震装置10は元の位置に復元する。また、ダンパー機能を有する免震装置を併用すると地震エネルギーを減衰させて免震装置の復元を早めることができる。
In the
本実施形態では、免震装置10は転がり支承型を用いているが、滑り支承型の免震装置を用いてもよく、ゴムと鋼板とを積層した免震装置を用いてもよい。また、ガイドレールとスライダーとを有するリニアガイドをクロスさせて連結したクロスリニアガイドタイプの免震装置を用いてもよい。さらに、免震装置として、上部基礎と下部基礎との相対変位を減衰させるダンパー機能を有する免震装置や、強風時に風圧による上部構造体の移動を防止する風固定型の免震装置を併用して用いてもよい。
In the present embodiment, the
つぎに、基礎2を分断する工程の後工程、すなわち第5の工程として、分断された下部基礎2Bおよび/または上部基礎2Aを補強する工程について、図8を参照して説明する。上部基礎2Aの補強は、一例としてアンカーボルト5の引き抜き防止処理の際に、例えば鉄製のプレート24の代わりにアングル材等の補強材(図示せず)を挟んでナットで締め付けることで達成できる。また、図8に示すように、C鋼やH鋼等の補強材25を複数のアンカーボルト5とナットで締め付けることにより達成できる。このようにして固定された補強材25で免震装置10の上部受皿14を受けることにより、免震装置10の上部
受皿14と上部基礎2Aとの連結部における応力集中を防止でき、免震建物の耐久性を向上させることができる。
Next, a step of reinforcing the divided
また、基礎2を分断する工程の後工程、すなわち第6の工程として、分断された下部基礎2Bを補強してもよい。図9は下部基礎を補強する工程における基礎の補強部の断面図を示している。図9aにおいて、基礎2は上部基礎2Aと下部基礎2Bとに分断され、下部基礎2Bには立ち上げ部とフーチング部とに合わせて補強アングル材30がボルト締めされている。また、図9bにおいては、下部基礎2Bに鉄筋31がメッシュ状に差し込まれ、この鉄筋を埋設するようにベタ基礎32が打ち込まれている。さらに、前記の両者を併用して補強することもできる。このように、下部基礎2Bを補強することで上下に分断された基礎の剛性を高めることができる。
Moreover, you may reinforce the divided | segmented
図10は下部基礎2Bを補強する工程における基礎の補強部の要部斜視図を示している。図10aにおいて、下部基礎2Bはコーナー部に対して幅広の補強ベース部35を形成している。また、図10bにおいて、下部基礎2Bの交差部分において補強ベース部36を形成している。この補強ベース部35,36は、形枠を組んで下部基礎2Bの上面と同じ高さにコンクリートを打ち込み、この部分で免震装置10の下部受皿を支持すると好ましく、図9bのベタ基礎部と同時に打ち込んで形成するとコンクリートの打設工程が簡略化され、補強部の強度を大幅に向上できる。
FIG. 10 shows a perspective view of the main part of the reinforcing portion of the foundation in the step of reinforcing the
このように、本実施形態の免震化工法によれば、既存建物1の基礎2に切欠き部20を形成(第1工程)してジャッキ21を挿入し、ジャッキ21で切欠き部の上面を支持(第2工程)してから水平方向に切断して上部基礎2Aと下部基礎2Bに分断(第3工程)し、上部基礎2Aと下部基礎2Bとの間に免震装置10を設置(第7工程)してからジャッキ21を外して上部基礎を免震装置10で支持(第8工程)するため、施工が容易で工期を短くでき、低コストで既存建物を免震化することができる。また、必要に応じてアンカーボルト5の引き抜き防止処理(第4工程)を行うと共に、上下に分割された基礎を補強(第5,6工程)することができ、免震性能を向上させることができる。
Thus, according to the seismic isolation method of the present embodiment, the
本発明の他の実施形態を図11に基づき詳細に説明する。図11は本発明に係る免震化工法の他の実施形態による基礎の分断状態を示す立面図である。なお、この実施形態は前記した実施形態が既存建物の基礎を上部基礎と下部基礎に切断する工程において、切断線を2本として基礎を上下に分断するのに対し、切断線を1本として基礎を上下に分断することを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。 Another embodiment of the present invention will be described in detail with reference to FIG. FIG. 11 is an elevational view showing a divided state of a foundation according to another embodiment of the seismic isolation method according to the present invention. In addition, in this embodiment, in the process of cutting the foundation of the existing building into the upper foundation and the lower foundation in the above-described embodiment, the foundation is divided up and down with two cutting lines, whereas the foundation with one cutting line is used. It is characterized by dividing the top and bottom. Other substantially equivalent configurations are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
図11aでは、切欠き部20の上辺に沿った1本の切断線22aで切断して上部基礎2Cと下部基礎2Dとした基礎の立面図を示している。また、図11bでは、切欠き部20の下辺に沿った1本の切断線23aで切断して上部基礎2Eと下部基礎2Fとした基礎の立面図を示している。この実施形態では、前記の実施形態と同様に、例えば居住したままでの既存建物の免震化が行え、施工が容易で工期を短くでき、低コストで廃棄物を少なくすることができる効果を有する。また、この実施形態では、基礎の切断線を1本とすることで基礎の分断工程を簡略化することができ、施工時間を短縮することができ、さらにコンクリートの廃棄を少なくすることができ、分断後の強度も向上する。
FIG. 11 a shows an elevational view of a foundation cut by a
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、上部基礎と上部構造体とを支持する支持手段としてのジャッキは、支持する重量により必要な個数とすることは勿論である。また、使用する免震装置に合わせて必要なジャッキアップ量を有するジャッキを使用するこ
とも勿論である。
Although one embodiment of the present invention has been described in detail above, the present invention is not limited to the above-described embodiment, and various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention described in the claims. Design changes can be made. For example, as a support means for supporting the upper foundation and the upper structure, it is needless to say that the necessary number of jacks is set depending on the weight to be supported. Of course, it is also possible to use a jack having a necessary jack-up amount in accordance with the seismic isolation device to be used.
上部構造体と基礎とを連結するアンカー部材としてアンカーボルトの例を示したが、基礎にアンカープレートを固定し、このプレートにボルトを螺合させるものでもよい。また、アンカー部材で上部構造体の土台を固定する例を示したが、上部構造体が建物ユニットの場合は建物ユニットを構成する下梁を固定すればよい。さらに、基礎に切欠き部を形成するとき、アンカーボルト部分に切欠き部を形成して予め切断したアンカーボルトの引き抜き防止処理をしてもよい。 Although an example of an anchor bolt is shown as an anchor member for connecting the upper structure and the foundation, an anchor plate may be fixed to the foundation and the bolt may be screwed to the plate. Moreover, although the example which fixes the base of an upper structure with an anchor member was shown, when an upper structure is a building unit, what is necessary is just to fix the lower beam which comprises a building unit. Further, when the notch is formed on the foundation, the anchor bolt may be formed in the anchor bolt portion to prevent the anchor bolt from being pulled out in advance.
1:既存建物、2:基礎、2A:上部基礎、2B:下部基礎、3:上部構造体、5:アンカーボルト(アンカー部材)、10:免震装置、20:切欠き部、21:ジャッキ(支持手段)、22,23,22a,23a:切断線、25:補強材(上部基礎補強部)、30:補強アングル材(下部基礎補強部)、31:鉄筋(下部基礎補強部)、32:ベタ基礎(下部基礎補強部)、35,36:補強ベース部(下部基礎補強部) 1: existing building, 2: foundation, 2A: upper foundation, 2B: lower foundation, 3: upper structure, 5: anchor bolt (anchor member), 10: seismic isolation device, 20: notch, 21: jack ( Support means), 22, 23, 22a, 23a: cutting line, 25: reinforcing material (upper basic reinforcing part), 30: reinforcing angle material (lower basic reinforcing part), 31: reinforcing bar (lower basic reinforcing part), 32: Solid foundation (lower foundation reinforcement), 35, 36: Reinforcement base (lower foundation reinforcement)
Claims (3)
既存建物の基礎に切欠き部を形成する工程と、該切欠き部に支持手段を挿入し、該支持手段で前記切欠き部の上面を支持する工程と、前記基礎を水平方向に切断して上部基礎と下部基礎に分断する工程と、分断された前記下部基礎と上部基礎との間に免震装置を設置する工程と、前記支持手段を取り除き前記免震装置で前記上部基礎を支持する工程と、を備える既存建物の免震化工法。 A method of seismically isolating an existing building comprising an upper structure and a foundation that supports the upper structure,
Forming a notch in the foundation of an existing building, inserting support means into the notch, supporting the upper surface of the notch with the support means, and cutting the foundation horizontally. A step of dividing the upper foundation and the lower foundation, a step of installing a seismic isolation device between the divided lower foundation and the upper foundation, and a step of removing the support means and supporting the upper foundation with the seismic isolation device And seismic isolation method for existing buildings.
Priority Applications (1)
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