JP4193618B2 - 放熱構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フラットパッケージ型の半導体集積回路から発生する熱を吸収・発散させる放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラットパッケージ型の半導体集積回路(以下、フラットパッケージと称する。)は、近年、高速化・高機能化及び高集積化が進んでおり、それに伴って回路動作時の発熱量も増加の傾向にある。半導体集積回路は高温になると各素子の動作が不安定になるため、回路を安定動作させるためには回路の冷却が不可欠である。従来、フラットパッケージを冷却するための安価な方法としては、ヒートシンクを用いてフラットパッケージから発生する熱を吸収・発散させる方法が一般的であった。また、フラットパッケージにヒートシンクを取り付ける方法としては、熱伝導性の両面テープや接着剤を用いる方法が一般的であった。
【0003】
しかし、ヒートシンクをフラットパッケージに取り付けるために両面テープを使用した場合、フラットパッケージから発生する熱により両面テープが加熱されると、両面テープの粘着材が柔らかくなり、両面テープがはがれやすくなる。そのため、ヒートシンクが振動などによりフラットパッケージから脱落することがあった。また、ヒートシンクをフラットパッケージに取り付けるために接着剤を使用した場合、接着剤の乾燥に時間が必要なため、作業効率が悪いという問題があった。また、ヒートシンクの接着後にフラットパッケージの交換が必要になった場合、フラットパッケージをヒートシンクから容易に取り外しできないために、フラットパッケージの取り外しにくいという問題があった。
【0004】
そこで、従来、IC、LSIなどの電子部品に対してヒートシンクを、コイルバネとこれと組み合わせたネジを利用して圧接固定するヒートシンクの取り付け機構が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、放熱板が、プリント配線基板上に設けたバネ部材によりQFPIC上に押圧固定された構成の半導体集積回路が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−243439号公報(第3頁、第1−2図)
【特許文献2】
特開2000−183256号公報(第2−3頁、第1−8図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されたヒートシンクの取り付け機構や、特許文献2に記載された半導体集積回路を用いることで、ヒートシンク(放熱板)の取り外しが容易となるので、プリント配線基板に実装したフラットパッケージも容易に取り外しできるようになる。しかしながら、上記のヒートシンクの取り付け機構や半導体集積回路を採用してヒートシンクをフラットパッケージに取り付けるためには、コイルバネと組み合わせたネジをプリント配線基板上に取り付けるための複数のネジ穴や、バネ部材を取り付けるためにコの字型の金属製ピンをプリント配線基板上に設ける必要があり、所定のスペースが必要である。そのため、部品の実装密度が高いプリント配線基板の場合、これらを設けるスペースの確保が困難なために、これらの方法でヒートシンクを取り付けられない場合があるという問題があった。また、特許文献1に記載されたヒートシンクの取り付け機構の場合、ヒートシンクがフラットパッケージのリードを覆ってしまうため、半田ブリッジやリードの浮きなどによって不具合が発生した場合、ヒートシンクからネジを取り外してこれらを修正し、再度ヒートシンクをネジで取り付けなければならず、作業が手間であった。
【0008】
そこで、この発明は、上記の問題を解決するために、フラットパッケージへの取り付け・取り外しが容易で、取り付け後もフラットパッケージのリードの状態確認や不具合の修正を容易に行うことができるフラットパッケージ用の放熱構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0010】
(1) 上面に複数のフィンが立設された金属製の放熱板と、該放熱板に一端が固着され、該放熱板の側方に延出したのち該放熱板の下面側に屈曲した金属棒である固定ピンと、を有する放熱装置と、
グランドパターンに接続されランドを有するスルーホールを備えたプリント配線基板と、
を備え、
前記プリント配線基板に実装されたフラットパッケージ上に前記放熱装置を載置し、前記プリント配線基板のスルーホールに、前記放熱板の固定ピンの他端を挿入して、半田により固定したフラットパッケージの放熱構造であって、
前記放熱板は、その当接面が前記フラットパッケージと同じサイズで、その上面に立設された前記複数のフィンの幅が前記フラットパッケージと同じサイズであり、
前記固定ピンは、前記放熱板の側辺に一端が固着され、前記当接面に平行に、前記フラットパッケージのリードの長さよりも長く前記放熱板から延出し、さらに前記放熱板の下面側に屈曲した金属棒であることを特徴とする。
【0011】
この構成においては、半導体集積回路を内蔵するフラットパッケージのプリント配線基板上の実装位置近傍に、固定ピン用のスルーホールとランドを形成しておくことで、フラットパッケージ用の放熱装置から延出する固定ピンをスルーホールに挿入後に半田付けして、放熱装置をプリント配線基板に固定することができる。また、放熱装置の固定ピンは、プリント配線基板に挿入された他のディスクリート部品やプリント配線基板のパターン面に接着剤で取り付けられたチップ部品などとともにフロー半田付け装置によって半田付けを行うことができ、この放熱装置を採用したプリント配線基板の組み立て工程を簡略化することができる。さらに、放熱装置をプリント配線基板上に固定するためには、プリント配線基板に固定ピンを挿入するスルーホールとランドを設けるだけで良く、放熱装置の固定のためのスペースがほとんど必要ない。加えて、固定ピン用のスルーホールをプリント配線基板のグランドパターンに接続した構成にしておくことで、フラットパッケージから発生した熱を放熱するだけでなく、ノイズを放熱装置によって抑制できる。
また、この構成においてはフラットパッケージと当接面が同じサイズであり、また、フラットパッケージと複数のフィンの幅とが同じサイズであるので、放熱装置をフラットパッケージの上面に取り付けた際に、放熱装置はフラットパッケージ全体を覆わず、フラットパッケージの周囲は露出した状態になる。したがって、フラットパッケージがSOPやQFPのようにリードを有している場合、放熱装置を取り付けた後でもリードの状態確認や半田ブリッジの確認・修正などを行うことができる。また、固定ピンは当接面に平行な方向においてフラットパッケージのリードよりも延出しているので、放熱装置の固定ピンとフラットパッケージのリードとが接触してショートすることがない。また、当接面から所定の距離をおいて放熱部の側面から固定ピンが延出する構成にすることで、放熱装置を取り付け後に、固定ピンの下部に位置するリードの状態確認や半田ブリッジの修正などを容易に行うことができる。さらに、SOPやQFPなどのようなリードを有するフラットパッケージの場合、放熱装置を取り付けても固定ピンが放熱部の側辺から延出しているので、固定ピンがリードの上にさしかかることがなく、リードの状態を容易に確認することができる。
【0012】
(2)前記放熱板の下面に、前記放熱板と前記フラットパッケージの両当接面を接着する熱伝導性の粘着材が貼り付けまたは塗布されたことを特徴とする。
【0013】
この構成においては、放熱装置の放熱板とフラットパッケージの両当接面に、熱伝導性を有する粘着材が接着されているので、フラットパッケージ上に放熱装置を仮固定することができ、放熱装置を取り付けてから固定ピンに半田付けするまでの間に、放熱装置が脱落するのを防止することが可能となる。また、この粘着材は熱伝導性を有し、フラットパッケージと放熱部とを密着させることができるので、フラットパッケージから発生した熱の放熱効率を高めることができる。
【0014】
(3)前記フラットパッケージは、QFPであることを特徴とする。
【0015】
この構成においてはQFPに放熱装置を取り付けた後でもリードの状態確認や半田ブリッジの確認・修正などを行うことができる。また、固定ピンは当接面に平行な方向においてフラットパッケージのリードよりも延出しているので、放熱装置の固定ピンとフラットパッケージのリードとが接触してショートすることがない。また、当接面から所定の距離をおいて放熱部の側面から固定ピンが延出する構成にすることで、放熱装置を取り付け後に、固定ピンの下部に位置するリードの状態確認や半田ブリッジの修正などを容易に行うことができる。さらに、放熱装置を取り付けても固定ピンが放熱部の端部近傍から延出しているので、固定ピンがリードの上にさしかかることがなく、リードの状態を容易に確認することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係るフラットパッケージ用放熱装置の概略構成を示した3面図である。図2は、本発明の実施形態に係るフラットパッケージ用放熱装置の概略構成を示した斜視図である。フラットパッケージ用放熱装置であるヒートシンク1は、放熱板である放熱部11、固定ピン12、固定ピン13、両面テープ14を備えている。放熱部11は、アルミニウムや銅など熱伝導率の高い金属製で、フラットパッケージ2に密着する台板上に複数の放熱フィンが立設された構造である。すなわち、放熱部11のフラットパッケージ2と当接させる当接面21は正方形または長方形で凹凸のない平面であり、フラットパッケージ2の上面41とほぼ同じサイズである。また、この当接面21の裏面から所定の長さの板状である放熱フィン22〜29が当接面21に対して垂直方向にほぼ等間隔で延出している。なお、放熱部1における放熱フィンの枚数は、フラットパッケージ2の発熱量に応じて変更すると良い。また、放熱フィンの形状は、柱状や他の形状であっても良い。
【0021】
放熱フィン22と放熱フィン23との間の底部には、放熱部11の側面32から固定ピン12を差し込んでカシメ固定するための溝30が、放熱フィン22と平行に、かつ放熱部11の当接面21とほぼ平行な方向に形成されている。また、放熱フィン28と放熱フィン29との間には、放熱部11の側面33から固定ピン13を差し込んでカシメ固定するための溝31が、放熱フィン29と平行に、かつ放熱部11の当接面21とほぼ平行な方向に形成されている。
【0022】
固定ピン12は、放熱部11に一端が固着され、放熱部の側面32から側方に延出したのち放熱板の下面側に屈曲したL型形状の金属製ピンである。また、固定ピン12は、放熱部11に差し込んでカシメ固定した状態では、放熱部11の側辺近傍である放熱フィン22と放熱フィン23との間に設けられた溝30の端部から所定の長さ(例えば、約5ミリ)だけ当接面21と平行な方向に延出し、当接面21の方向に直角に曲がっている。
【0023】
固定ピン13は、固定ピン12と同様、放熱部11に一端が固着され、放熱部の側面32から側方に延出したのち放熱板の下面側に屈曲したL型形状の金属製ピンである。また、固定ピン13は、放熱部11に差し込んでカシメ固定した状態では、放熱部11の別の側辺近傍である放熱フィン28と放熱フィン29との間に設けられた溝31の端部から所定の長さ(例えば、約5ミリ)だけ当接面21と平行な方向に延出し、当接面21の方向に直角に曲がっている。
【0024】
なお、固定ピン12,13はL型形状に限るものではなく、後述するスルーホール4,5に対して垂直に挿入できる形状であれば、例えばC型(円弧)形状やくの字形状であっても良い。また、固定ピン12,13は、半田の濡性を向上させるために、少なくとも先端部付近に半田メッキまたはクロムメッキなどを施すと良い。
【0025】
また、放熱フィン22〜29の長さは、ヒートシンク1を取り付けるフラットパッケージ2の発熱量や、プリント配線基板3を取り付ける装置内に取り付けられた他の部品との位置関係に応じて調整すると良い。
【0026】
熱伝導性の両面テープ14は、放熱部11の当接面21のほぼ全面に貼り付けられている。この両面テープ14は、放熱部11の当接面21とフラットパッケージ2の上面41とを密着させることができる。また、フラットパッケージ2にヒートシンク1を貼り付け後も所定の力を加えることで、フラットパッケージ2がプリント配線基板3からはがれることなく、フラットパッケージ2からヒートシンク1を取り外すことができる。
【0027】
なお、この両面テープ14に代えて、フラットパッケージ2に対していつでも放熱部11を着脱することができ、熱伝導性を有した接着剤を放熱部11の当接面21に塗布しておいても良い。また、プリント配線基板に実装したフラットパッケージ2の上面に両面テープ14を貼り付けてから、ヒートシンク1を取り付けるようにしても良い。
【0028】
ヒートシンク1は上記のように簡単な構造であるため、安価に製造することができる。また、設計変更も容易であり、後述する固定ピンの位置変更やピン数の増加も容易に行うことができる。
【0029】
図3は、本発明の実施形態に係るフラットパッケージ用放熱装置をフラットパッケージに取り付けた状態を示した3面図である。図4は、本発明の実施形態に係るフラットパッケージ用放熱装置をフラットパッケージに取り付けた状態を示した斜視図である。
【0030】
固定ピン12及び固定ピン13が放熱部11から当接面21と平行な方向に延出する長さAは、放熱部11を取り付けるフラットパッケージ2のリード41における当接面21と平行な方向の長さBよりも長くしておく。例えば、フラットパッケージ2のリード42の当接面21と平行な方向の長さBが3ミリの場合、固定ピン12,13の当接面21と平行な方向の長さAを5ミリ程度にすると良い。これにより、固定ピン12,13とリード42とが接触することがない。
【0031】
また、ヒートシンク1をフラットパッケージ2に取り付けられるようにするために、プリント配線基板3の設計時に、フラットパッケージ2の実装位置近傍の所定位置に予め固定ピン12及び固定ピン13を挿入して半田付けするためにランドを備えたスルーホール4,5を設けておく。
【0032】
プリント配線基板3の組み立て時には、フラットパッケージ2を実装後にリフローを行いフラットパッケージ2をプリント配線基板3上に固定してからヒートシンク1を取り付ける。すなわち、ヒートシンク1の固定ピン12をスルーホール4へ挿入し、また固定ピン13をスルーホール5へ挿入して、放熱部11の当接面21とフラットパッケージ2の上面41とをほぼ一致させて、放熱部11をフラットパッケージ2に貼り付ける。続いて、プリント配線基板3に挿入された他のディスクリート部品や、プリント配線基板のパターン面に接着剤で取り付けられたチップ部品などとともに、フロー半田付け装置によってフロー半田付けを行って固定ピン12,13の半田付けが完了すると、固定ピン12,13のプリント配線基板3から延出している部分を所定の長さ(例えば2〜3ミリ)だけ残して切断する。なお、固定ピン12,13は、フラットパッケージ2の上面41にヒートシンク1を取り付けたときに、スルーホール4,5から2ミリ以上突出するように予め長さを調整しておくと良い。
【0033】
このように、プリント配線基板3の組み立て時には、ヒートシンク1を両面テープ14でフラットパッケージ2の上面41に貼り付けるので、ヒートシンク1をフラットパッケージ2に取り付けてからフロー半田付けを行うまでの間に、ヒートシンク1がはずれてしまうことがない。また、フロー半田付け後には、固定ピン12,13が半田によって固定されるので、振動などによりヒートシンク1がはずれることがない。
【0034】
また、前記のように、ヒートシンク1の当接面21とフラットパッケージ2の上面41とはほぼ同じサイズであり、また、固定ピン12,13は放熱部11の側辺近傍である溝30と溝31とに挿入されているので、図3に示すように、フラットパッケージ2のリード42を容易に確認することができる。したがって、プリント配線基板3の組み立て完了後に、フラットパッケージ2や他部品のリードの状態を確認できるので、製造工程や検査工程を簡略化することができ、また、検査後に半田ブリッジやリードの浮きの修正などを容易に行うことができる。
【0035】
さらに、プリント配線基板3の検査の結果、フラットパッケージ2を交換しなければならなくなった場合、半田吸い取り器などでヒートシンク1の固定ピン12,13の半田を取り除いてから、ヒートシンク1に対して所定の力を加えることで容易にヒートシンク1を取り外すことができる。したがって、フラットパッケージ2の取り外しも容易に行うことができる。
【0036】
加えて、前記のように、ヒートシンク1の固定ピン12,13をプリント配線基板3に固定するためには、プリント配線基板3にランドを備えたスルーホールを2カ所だけ設ければ良いので、ヒートシンク1の固定部材をプリント配線基板3上に設けるためのスペースがほとんど不要であり、部品実装密度の高い基板にも本発明を適用することができる。また、部品配置の関係で固定ピン12,13が邪魔になる場合には、固定ピン12,13を挿入する溝の位置を変更することも可能であり、例えば、冷却フィン25と冷却フィン26との間に溝30を設けて、冷却フィン25と冷却フィン26との間から固定ピン12を延出するようにすることもできる。この場合も、前記のように、固定ピン12が放熱部11から当接面21と平行な方向に延出する長さを、放熱部11を取り付けるフラットパッケージ2のリード41における当接面21と平行な方向の長さよりも長くなるように設定しておけば良い。これにより、固定ピン12がリード42と接触することがなく、また、プリント配線基板3の検査時には固定ピン12の側方からリードの状態を確認することができ、半田修正時には、固定ピン12の側方から半田ごての先を挿入することができる。
【0037】
また、フラットパッケージ2のサイズが大きい場合には、ヒートシンク1をプリント配線基板3に対して確実に固定するために、ヒートシンク1の固定ピンを3本や4本に増加させても良い。この場合も、もちろんヒートシンク1の側辺近傍から各固定ピンが延出するように設計すると良い。
【0038】
なお、ヒートシンク1の固定ピン12,13を挿入するスルーホール4,5を、プリント配線基板3のグランドパターンに接続しておく良い。これにより、フラットパッケージ2に内蔵された半導体集積回路から放射されるノイズをヒートシンク1によって抑制することができる。
【0039】
次に、プリント配線基板3の動作時には、フラットパッケージ2から発生した熱は、熱伝導性両面テープ14を介してヒートシンク1に吸収され、放熱フィン22から29から発散(放熱)される。前記のように、フラットパッケージ2の上面41とヒートシンク1の当接面21とは、熱伝導性両面テープ14によって密着されるので、フラットパッケージ2から発生した熱をヒートシンク1に高効率で伝導させることができる。また、前記のように、熱伝導性両面テープ14によってフラットパッケージ2の上面41に固定され、固定ピン12,13とによってプリント配線基板3に固定されているので、ヒートシンク1が振動などによってフラットパッケージ2からはずれることがない。
【0040】
なお、以上説明では、フラットパッケージがQFPの場合を図示して説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、フラットパッケージがSOP、TSOP、TQFP、BGA、CSPなどであっても本発明を適用することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0042】
(1)フラットパッケージ用の放熱装置から延出する固定ピンをスルーホールに挿入後に半田付けして、放熱装置をプリント配線基板に固定することができる。また、放熱装置の固定ピンは、プリント配線基板に挿入された他のディスクリート部品やプリント配線基板のパターン面に接着剤で取り付けられたチップ部品などとともにフロー半田付け装置によって半田付けを行うことができ、この放熱装置を採用したプリント配線基板の組み立て工程を簡略化することができる。さらに、放熱装置をプリント配線基板上に固定するためには、プリント配線基板に固定ピンを挿入するスルーホールとランドを設けるだけで良く、放熱装置の固定のためのスペースがほとんど必要ない。
【0043】
(2)放熱装置のフラットパッケージとの当接面に、熱伝導性を有する両面テープが接着されているので、フラットパッケージ上に放熱装置を仮固定することができ、放熱装置を取り付けてから固定ピンに半田付けするまでの間に、放熱装置が脱落するのを防止することができる。また、この粘着材は熱伝導性を有し、フラットパッケージと放熱部とを密着させることができるので、フラットパッケージから発生した熱の放熱効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るフラットパッケージ用放熱装置の概略構成を示した3面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るフラットパッケージ用放熱装置の概略構成を示した斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るフラットパッケージ用放熱装置をフラットパッケージに取り付けた状態を示した3面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るフラットパッケージ用放熱装置をフラットパッケージに取り付けた状態を示した斜視図である。
【符号の説明】
1−ヒートシンク、2−フラットパッケージ、3−プリント配線基板、
4,5−スルーホール、
11−放熱部、12−固定ピン、13−固定ピン、14−両面テープ
21−(ヒートシンク1の)当接面、22〜29−放熱フィン、
41−(フラットパッケージ2の)上面、42−リード
Claims (3)
- 上面に複数のフィンが立設された金属製の放熱板と、該放熱板に一端が固着され、該放熱板の側方に延出したのち該放熱板の下面側に屈曲した金属棒である固定ピンと、を有する放熱装置と、
グランドパターンに接続されランドを有するスルーホールを備えたプリント配線基板と、
を備え、
前記プリント配線基板に実装されたフラットパッケージ上に前記放熱装置を載置し、前記プリント配線基板のスルーホールに、前記放熱板の固定ピンの他端を挿入して、半田により固定したフラットパッケージの放熱構造であって、
前記放熱板は、その当接面が前記フラットパッケージと同じサイズで、その上面に立設された前記複数のフィンの幅が前記フラットパッケージと同じサイズであり、
前記固定ピンは、前記放熱板の側辺に一端が固着され、前記当接面に平行に、前記フラットパッケージのリードの長さよりも長く前記放熱板から延出し、さらに前記放熱板の下面側に屈曲した金属棒であることを特徴とするフラットパッケージの放熱構造。 - 前記放熱板の下面に、前記放熱板と前記フラットパッケージの両当接面を接着する熱伝導性の粘着材が貼り付けまたは塗布された請求項1に記載の放熱構造。
- 前記フラットパッケージは、QFPである請求項1また2に記載の放熱構造。
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