JP4193663B2 - 金属部材の接合方法 - Google Patents
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Description
このような接着法では、特に、熱硬化性の接着剤を適用し、両金属部材の重ね合わせ部に接着剤を介在させた上で、所定温度範囲に加熱することで高強度の接合が得られる。
この場合、上記回転工具の押し込み量や押し込み後の保持時間等を制御することで、比較的容易かつ確実に所要の接合強度を得ることができ、また、金属部材の変形もより抑制することができる。
そして、上記仮止め接合の後に、車体構成部材の塗装後の乾燥工程において、未硬化の熱硬化性接着剤を硬化させるので、接着剤硬化のための工程を特別に設ける必要なしに、後工程の加熱作用を利用して未硬化の熱硬化性接着剤を硬化させることができる。
特に、軽金属製の第1金属部材に設けた突起部を第2金属部材に形成した貫通穴に嵌挿させた状態で、上記突起部を塑性変形させることにより、重ね合わせ部の所定箇所を塑性変形させることによる接合力をより高めることができる。
図1は、本実施形態に係る自動車用ドアの内側部材をなすインナ部材1(ドアインナ)の正面説明図である。この図に示すように、上記ドアインナ1は、ドアヒンジ取付部(不図示)が設けられるフロント部材2と、ドアロック取付部(不図示)が設けられるリヤ部材3と、両者2,3を上下において掛け渡して連結する上下の連結部材4,5と、これら連結部材4,5とフロント部材2及びリヤ部材3とで囲まれる領域を覆うように配設されたベース板6とで構成されている。
このように、接着剤による接合法を適用することにより、重ね合わせ部の略全域について接合が得られるので、局所的な接合法に比してより均一で高強度の接合が得られる。特に、熱硬化性の接着剤を適用し、両金属部材の重ね合わせ部に接着剤を介在させた上で、所定温度範囲に加熱することで、より高強度の接合が得られる。
本実施形態では、後で詳しく説明するように、この仮接合の接合強度を高めることにより、より少ない仮接合箇所で2つの金属部材の重ね合わせ部の位置ズレによる不具合発生を防止するようにしている。
この塗装後の乾燥工程において、未硬化の熱硬化性接着剤が硬化する。すなわち、ドアインナ1の各部材2〜6の重ね合わせ部が本接合される。従って、接着剤硬化のための工程を特別に設ける必要なしに、後工程の加熱作用を利用して未硬化の熱硬化性接着剤を硬化させることができるのである。
本実施形態では、金属部材の変形を抑制した上で確実に仮接合できるようにし、また、仮止め接合の強度を高めることで、より少ない仮接合箇所で2つの金属部材の重ね合わせ部の位置ズレによる不具合発生を防止できるようにするために、上記重ね合わせ部の所定箇所(仮止め箇所)を、所定工具により発熱を伴って塑性変形させることにより、上記仮止め箇所で重ね合わせ部を接合するとともに、この仮止め箇所近傍の熱硬化性接着剤を硬化させるようにしている。
尚、上記回転工具Kは、その先端がテーパ状に形成され、テーパ部の先端が工具径Dkを規定している。
特に、上記重ね合わせ部では、後述するように、両金属部材10,20間に介在した熱硬化性接着剤Aのうち、仮止め接合箇所の近傍の接着剤が、回転工具Kの回転/押し込みにより発生した摩擦熱で硬化するので、上記仮止め接合箇所を塑性変形させることによる接合力だけでなく、これに加えて、当該仮止め接合箇所近傍の熱硬化性接着剤を硬化させることによる接合力(接着力)も得られる。その結果、仮接合強度がより高められ、より少ない仮接合箇所で2つの金属部材10,20の重ね合わせ部の位置ズレによる不具合発生を防止できるのである。
図3(a)及び(b)は、第1具体例を示す接合部の断面説明図で、図3(a)は接合前の状態を示し、図3(b)は接合後の状態を示している。
これらの図に示すように、本具体例では、第1金属部材10の重ね合わせ部の所定箇所には突起部11が設けられている。一方、第2金属部材20の重ね合わせ部には、上記突起部11に対応した箇所に貫通穴21が形成されている。尚、前述のドアインナ1の場合と対応させて説明すれば、上記第1金属部材10が例えば軽合金鋳物製のフロント部材2又はリヤ部材3に相当し、第2金属部材20が例えば軽合金押出成形品の上側連結部材4又は下側連結部材5に相当する。
このとき、この仮止め接合箇所近傍の熱硬化性接着剤Aが、回転工具Kの適用による摩擦熱で硬化する。すなわち、上記突起部11を塑性変形させることによる接合力だけでなく、これに加えて、当該仮止め接合箇所近傍の熱硬化性接着剤Aを、摩擦熱で硬化させながら押し込み圧を作用させることによる接合力(接着力)も得られる。
これらの図に示すように、本具体例では、第1金属部材10の重ね合わせ部の所定箇所には裏面側に突出する突起部12が設けられている。一方、第2金属部材20の重ね合わせ部には、上記突起部12に対応した箇所に貫通穴22が形成されている。
尚、この第2具体例では、回転工具Kの先端面に突状部Ktが設けられ、突起部12の塑性変形を促進するようにしている。この具体例においても、突起部12及び貫通穴22が設けられていない場合(後述する第4具体例参照)に比して、より高い接合強度が得られ、仮止め接合箇所を削減することができる。
これらの図に示すように、本具体例では、第1具体例の場合と同様に、第1金属部材10の重ね合わせ部の所定箇所には突起部13が設けられ、第2金属部材20の重ね合わせ部には、上記突起部13と組み合される貫通穴23が形成されているが、本具体例の場合には、突起部13の周囲に所定高さの段部14が形成されている。
本具体例では、図5(a)に示されるように、接着剤Aは段部14の外側に塗布されており、回転工具Kが押し込まれた際には、主として上記段部14が回転工具Kの押し込み圧力を受け止めるので、図5(b)に示されるように、その外側の接着剤層Aの厚さが段部14の高さを下回ることはない。つまり、この段部14の高さに等しい厚さの接着剤層Aを確保することができるのである。
このとき、この仮止め接合箇所近傍の熱硬化性接着剤Aが、回転工具Kの適用による摩擦熱で硬化する。すなわち、上記突起部13を塑性変形させることによる接合力だけでなく、これに加えて、当該仮止め接合箇所近傍の熱硬化性接着剤Aを硬化させることによる接合力(接着力)も得られる。
これらの図に示すように、本具体例では、従前の具体例と違って、第1及び第2の金属部材10及び20に突起部や貫通穴は設けられておらず、図6(a)に示されるように、平坦な重ね合わせ部に熱硬化性接着剤Aが適用されている。
このとき、この仮止め接合箇所近傍の熱硬化性接着剤Aが、回転工具Kの適用による摩擦熱で硬化する。すなわち、第2金属部材20を塑性変形させることによる接合力だけでなく、これに加えて、当該仮止め接合箇所近傍の熱硬化性接着剤Aを硬化させることによる接合力(接着力)も得られる。
これらの図に示すように、本具体例では、第2金属部材20の重ね合わせ面は平坦であるが、第1金属部材10の重ね合わせ面には、平面視で格子状に形成された所定高さの多数の突起部15が設けられている。
このとき、この仮止め接合箇所近傍の熱硬化性接着剤Aが、回転工具Kの適用による摩擦熱で硬化する。すなわち、第2金属部材20の塑性流動と第1金属部材10の格子状突起部15を塑性変形させることによる接合力だけでなく、これに加えて、当該仮止め接合箇所近傍の熱硬化性接着剤Aを硬化させることによる接合力(接着力)も得られる。
この試験は、以上の具体例中で最も接合強度が低くなると推測される第4具体例の構造を本発明実施例とし、比較例としては、第4具体例と同様に突起や貫通穴が設けられていない平坦な2枚の金属板どうしを、仮止め接合することなく接着剤のみで(つまり、本接合のみで)接合する場合を設定した。
試験片の材質はアルミニウム合金とし、本発明実施例で用いる接着剤は、硬化温度が150℃以上(300℃以下)のエポキシ系熱硬化性接着剤とした。
本試験における各試験サンプルの試験条件および試験結果を表1に示す。尚、表1において、「工具径」は回転工具Kの先端面の直径Dk(図8参照)を示し、「押込み量」は回転工具Kの先端面が金属部材20の表面から押し込まれる際の最大押し込み量を示している。また、「保持時間」は、押込み量に到達した時点からの回転の保持時間を示している。
表1の試験結果から良くわかるように、熱硬化性接着剤を加熱硬化処理(焼付処理)を行った後について、最も接合強度が低いと思われる第4具体例の構造(サンプル1〜6)でも、仮止め接合を行わない場合(サンプル0)に比して遜色のない接合強度(つまり、本接合後の接合強度)が得られることが確認できた。
また、仮接合を行った直後については、他の条件が同じであれば、「保持時間」が長くなるほど仮接合強度が高くなっている。これは、「保持時間」が長いほど発生摩擦熱が多いなり、母材の塑性流動および熱硬化性接着剤の硬化がより促進されることによるものと推測できる。
また、以上の実施形態では、仮止め接合に用いる「所定工具」として回転工具を用いたものであったが、本発明は、かかる場合に限定されるものではなく、例えば、所謂「通電カシメ」の工具を用いる場合にも、有効に適用できるものである。
このように、本発明は、上記実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や改良等が可能であることは言うまでもない。
2 フロント部材
3 リヤ部材
4,5 連結部材
10 第1金属部材
11,12 突起部
20 第2金属部材
21,22 貫通穴
A 熱硬化性接着剤
Ek 回転工具の押し込み量
K 回転工具
Claims (2)
- 車体構成部材である2つの金属部材の重ね合わせ部に接着剤を介在させて両金属部材どうしを接合する接合方法であって、
上記重ね合わせ部の所定箇所に突起部を設けた軽金属部材でなる第1金属部材と、上記重ね合わせ部の上記所定箇所に上記突起部を嵌挿させる貫通穴が形成された第2金属部材の上記重ね合わせ部に、熱硬化性接着剤を介在させる工程と、
上記貫通穴に上記突起部を嵌挿させて重ね合わせた上記重ね合わせ部の上記所定箇所に、回転工具を回転させながら押し込み、摩擦熱を発生させて上記所定箇所に塑性流動を生じさせ上記突起部を塑性変形させることにより、上記所定箇所で上記重ね合わせ部を接合するとともに、上記所定箇所近傍の熱硬化性接着剤を上記摩擦熱で硬化させる仮止め接合の工程と、
該仮止め接合の工程の後、上記車体構成部材の塗装後の乾燥工程において、未硬化の熱硬化性接着剤を硬化させる工程と、
を備えたことを特徴とする金属部材の接合方法。 - 上記車体構成部材が自動車のドアのインナ部材であり、上記第1金属部材は、ドアヒンジ取付部および/またはドアロック取付部が設けられる軽金属製鋳物部材であることを特徴とする請求項1に記載の金属部材の接合方法。
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