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JP4193377B2 - 潜像形成可能な転写箔及び潜像を有する転写媒体 - Google Patents

潜像形成可能な転写箔及び潜像を有する転写媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常の状態では印刷インキよりなる画像や反射・回折光が互いに干渉して再生されるホログラム画像や回折格子画像等の画像が観察されるのみであるが、専用の検証媒体を介して観察したときには潜像が認識できるようにした、潜像形成可能な転写箔及び潜像を有する転写媒体である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、所望の部分に潜像を設け、必要な時にその潜像を目視できるようにした潜像記録媒体が種々ある。例えば万線のピッチの間隙を利用して潜像(隠し文字等)を入れ、万線部分を検証媒体で隠蔽することで潜像化していた像が現れるようにした万線画や、フィラーを入れた透明インキで潜像を印刷し、鉛筆で潜像部分を擦ると鉛筆の粉が印刷部分に付着して隠しパターン等が現れるようにした鉛筆出し印刷物(デコマット)等である。これらの潜像記録媒体は隠されている潜像がよく観察すると分かってしまうため、本格的な潜像記録媒体というよりは、遊び用として使用されている。
【0003】
これらの潜像記録媒体中の潜像を記録するための画像記録用材料としては、不可逆性感熱発色インキ、フィラー含有の白色インキ、可逆性感熱発色インキ、フォトクロミックインキ、蛍光インキ、磁性インキ、赤外線吸収インキ等があり、種々の形態で使用されている。
【0004】
不可逆性感熱発色インキは熱を加えることによって不可逆的に発色するインキであるが、このインキの白色もしくは無色透明タイプのものにより基材上に潜像を形成して潜像記録媒体とする。しかし、このような構成の潜像記録媒体は、潜像を表示させるためには熱源装置が必要であり、しかも一回発色表示させた画像は消色することができないため、用途が限定されている。
【0005】
また、フィラー含有の白色インキは、例えば酸化チタン等の金属よりも硬いフィラーを含有させた白色インキであるが、このインキにより白色の紙に潜像を印刷し、必要であればマット調のニスで潜像部分をオーバーコートして潜像記録媒体とする。このような構成の潜像記録媒体は潜像の部分をコイン等で擦ることにより所期の像を表示させることができるが、表示できるのは一回限りであり用途が限定されている。
【0006】
さらにまた、可逆性感熱発色インキ(サーモクロミックインキ)は、熱をかけることにより可逆的に発色もしくは消色するインキであり、加熱をやめて暫く放置すると元の状態に戻るという特性を利用し、潜像記録媒体中の潜像形成用材料として、あるいは画像を一時的に隠蔽して潜像化するための隠蔽層形成用材料等として使用されている。しかしこのインキならびにこのインキにより潜像を記録した潜像記録媒体は、耐性、特に耐熱性が弱く、用途が限定されている。
【0007】
さらにまた、フォトクロミックインキは、光を照射することにより発色するインキで、白色もしくは無色透明タイプのものが潜像記録媒体の潜像形成用材料として使用されている。しかし、このインキならびにこのインキにより潜像を記録した潜像記録媒体は、耐性、特に耐光性が弱く、用途が限定されている。
【0008】
さらにまた、蛍光インキは紫外線等の活性光線を照射することにより蛍光を発光するインキであるが、このインキの白色または無色透明タイプのもので潜像を形成することがある。蛍光インキには有機タイプと無機タイプのものがあるが、有機タイプのものはインキ中にごく少量の有機系蛍光物質を含有するだけで発光が確認されるが、耐光性が弱いために用途が限定されている。また、無機タイプのものはインキ中に無機系蛍光物質を多く入れる必要があり(10〜20%程度)、これにより形成された潜像はそれ単独ではその存在が目視でも分かってしまうため、デザイン等に工夫を凝らす必要がある。
【0009】
さらにまた、磁性インキは磁性微粒子をインキ中に分散したものである。これを利用して潜像を形成するには、まず磁気記録可能な保持力(約300Oe以上)のある磁性層を形成し、しかる後にこの磁性層の一部をパターン状に磁化させればよい。そして、潜像の可視化は、磁性層上に鉄粉等を振りかけ、磁化させた潜像部分のみに選択的に吸着させてやればよい。しかし、この方式では潜像を表示させる工程が煩雑であり、また画像の書き換えが可能であり、用途が限定されている。
【0010】
さらにまた、赤外線を吸収するインキにて画像を形成し、しかる後この画像を隠蔽して潜像化(目視できないようにする)するための隠蔽層を赤外線は透過する材料で設けてなる潜像記録媒体があるが、この隠蔽されている潜像化画像を現出・表示させるためには赤外線照射装置や赤外線カメラ等が必要であり、装置的に大がかりとなる。
また、可視光照射下では白色もしくは無色で、赤外線域に吸収のあるインキ(IVインキ)により潜像を形成した潜像記録媒体もあるが、これも前記同様、潜像を可視化するためには赤外線カメラ等が必要である。
【0011】
一方、ピッチもしくは角度を部分的に変えた網点や万線で構成される潜像を通常の印刷インキにより形成することもある。このような構成の潜像の可視化は、整然と並んだ網点もしくは万線を設けた透明フィルムをこの潜像上にモアレを発生するように重ね合わせたり、あるいは潜像以外の万線部分を前記した透明フィルムの万線部分で隠蔽するように重ね合わせて行っていた。この場合、潜像ならびに潜像記録媒体の構成が簡単で、しかも潜像の現出、消去が繰り返し行えるが、複雑な形状の潜像パターンを形成できないという問題がある。
【0012】
他方、従来から、ホログラム画像や回折格子画像等は光の回折・干渉効果を用いて立体画像や特殊な装飾画像を表現でき、その製造方法は高度な製造技術を要するため、偽造防止手段として、クレジットカード、有価証券、証明書類等の一部あるいは全面に使用されている。
【0013】
ホログラムは製造方法により、レリーフ型ホログラム及び体積型ホログラムに分けられる。
レリーフ型ホログラムは、光学的撮影方法により微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマスターホログラムを作製し、さらにこれから電気メッキ法により凹凸パターンを複製してニッケル製のプレス版を作製し、しかる後このプレス版をホログラム形成層上に加熱押圧して製造するものである。
一方、体積型ホログラムは、感光性樹脂等の記録材料を用いて、体積方向に干渉縞を記録したものである。この型のホログラムでは、リップマンホログラムと呼ばれるものが一般に使用されており、感光性樹脂の屈折率を体積方向に変化させ、反射型ホログラムとしたものである。
【0014】
また、回折格子画像は回折格子からなる微少セルが回折形成層表面に複数配置されて形成され、回折格子の空間周波数、回折格子の方向、各セルの並び方の少なくとも何れかを変化させてなる画像であり、前述したホログラム同様、偽造防止の有効な手段としてカードや印刷物等の分野で採用されている。
【0015】
しかし、これらのホログラム画像や回折格子画像は、上述したように偽造防止のための手段としては有効なものではあるが、必要に応じて何処にでも簡単に形成されるものではなく、しかも最近は、複製技術の進歩により、ホログラムや回折格子画像を有する画像記録媒体の真正品に近似する複製物も得られるようになってきている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような状況に鑑みなされたものであり、通常の状態では印刷インキよりなる画像や反射・回折光が互いに干渉して再生されるホログラム画像、更には回折格子画像等の画像が観察されるのみであるが、専用の検証媒体を介して観察したときのみに潜像が形成・可視化できるようにした転写箔及び転写媒体で、特に潜像化された画像が検証媒体を介して観察した時に明瞭に認識されるようにした潜像形成可能な転写箔及び潜像を有する転写媒体の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、基材上に、少なくとも剥離兼保護層、回折形成構造層、高屈折率材料からなる高屈折率層、潜像形成可能な高分子液晶層、金属反射層及び接着層を順次積層してなり、少なくとも金属反射層が透明蒸着膜と反射膜からなることを特徴とする潜像形成可能な転写箔である。
【0019】
さらにまた、請求項に記載の発明は、請求項1に記載の潜像形成可能な転写箔において、潜像形成可能な高分子液晶層がサーモトロピック性を有する高分子液晶材料からなることを特徴とする。
【0020】
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の潜像形成可能な転写箔において、金属反射層が透明蒸着膜と金属材料を含む反射膜からなることを特徴とする。
【0021】
さらにまた、請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の潜像形成可能な転写箔において、潜像形成可能な液晶高分子層には高分子材料からなる液晶配向促進層積層してあることを特徴とする。
【0023】
さらにまた、請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の潜像形成可能な転写箔において、接着層が少なくとも熱可塑性樹脂と体質顔料を主体とすることを特徴とする。
【0024】
さらにまた、請求項に記載の発明は、少なくとも剥離兼保護層、回折形成構造層、高屈折率材料からなる高屈折率層、潜像形成可能な高分子液晶層、金属反射層及び接着層が基材上に順次積層してなると共に、少なくとも金属反射層が透明蒸着膜と反射膜からなることを特徴とする潜像形成可能な転写箔の接着層、金属反射層、潜像形成可能な高分子液晶層及び剥離兼保護層をこの順序で熱圧転写し、潜像形成可能な高分子液晶層には潜像が形成してあることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態によって詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態の一例を示す潜像形成可能な転写箔1の概略断面説明図である。
本発明の潜像形成可能な転写箔1は、基本的には、基材11上に剥離兼保護層12、回折形成構造層13、高屈折率材料からなる高屈折率層14、潜像形成可能な高分子液晶層15、金属反射層19及び接着層18がこの順序で少なくとも積層されてなり、金属反射層19は少なくとも透明蒸着膜16と反射膜17とからなるものである
【0026】
ここで、基材11は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の合成樹脂、天然樹脂等のフィルム、合成紙、紙、薄膜ガラスあるいはこれらの材料から選択されたものを適宜組み合わせた複合体等からなる。
【0027】
一方、この基材11上の剥離兼保護層12は、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ゴム樹脂、あるいはこの塩化ゴム樹脂とニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、ポリスチレン又は塩酢ビ樹脂の混合物等からなる。また、これらの材料にメラミン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂あるいは尿素樹脂等の熱硬化性樹脂を加えた材料により構成してもよい。
この剥離兼保護層はこれらの層構成材料をグラビア法やマイクログラビア法などの公知のコーティング法を用いて0.1μmから10μmの厚さで基材11上にコーティングすることにより形成する。
【0028】
この剥離兼保護層12は、図3に示すように、この転写箔1を被転写基材3上に熱圧転写をし、転写媒体4を得た時、基材11側から剥離し、転写された転写部2を保護する役割を果たす層であるが、基材11から剥がれにくい場合には、基材11と剥離兼保護層12との間に基材11との密着はよいが剥離兼保護層12との密着は悪い離型層をさらに設けてもよい。この離型層は剥離兼保護層と同様に、所謂離型剤をグラビア法やマイクログラビア法などの公知のコーティング法を用いて0.1μmから10μmの厚さでコーティングして設ければよい。
【0029】
一方、剥離兼保護層12上に形成されているのが回折形成構造層13である。この回折形成構造層13はここに照射されて反射されたり、回折される光が互いに干渉して再生される画像、すなわちホログラム画像や回折格子画像が観察されるようにした層である。
【0030】
ここで、回折格子画像とは、回折格子からなる微少セルが複数配置されて構成され、回折格子の空間周波数、回折格子の方向、各セルの並べ方の少なくとも何れかを変化させてなる画像構成部分に光を照射したときの反射・回折光が互いに干渉して再生される画像である。
【0031】
回折形成構造層13は上述したようにこれらの回折格子画像やホログラムが再生されるようにした層で、ホログラム画像や回折格子画像等を再生させるための干渉縞や微少凹凸が安定的に成形可能な材料で形成すればよく、熱プレスによる成形性が良好で、プレスムラが生じ難く、明るい再生像が得られるような材料からなる。具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはラジカル重合性不飽和基を有する紫外線や電子線硬化性樹脂或いはこれらの複合材料等である。
【0032】
このような回折形成構造層13上には、図1に示すように高屈折率層14がさらに設けてある。
この高屈折率層14はホログラム画像や回折格子画像の再生時における回折効率を高め、より鮮明な画像の再生や色の変化が得られるようにするために設けるものである。
【0033】
この高屈折率層14はホログラム画像や回折格子画像等を再生させるための干渉縞や微少凹凸が形成されている回折形成構造層13の構成材料よりも屈折率や反射効果が高く、しかも下部の高分子液晶層15の存在が認識できる程度の透明性は少なくとも有する材料で形成する。
【0034】
具体的には、屈折率の異なるTiO2、Si23、SiO、Fe23、ZnS等の高屈折率材料や反射効果がより高いAl、Sn、Cr、Ni、Cu、Au等の金属材料を単層であるいは積層して設ける。
この層は真空蒸着法、スパッタリング等の公知の薄膜形成方法にて形成するが、その膜厚は用途によって異なるが、5〜1000nm程度であればよい。上記以外でも、高屈折率層14を構成する材料としては、その屈折率が、回折形成構造層13で使用する高分子材料(屈折率n=1.3〜1.5)よりも高い材料であれば、上記の無機材料以外の有機系、有機無機複合体、有機系材料に無機系フィラーを分散したものであっても使用可能である。これらの材料によりグラビアコート、ダイコート、スクリーン印刷等の公知のコーティング法や印刷法にて形成すればよい。さらに、上記以外の材料であっても後述する高分子液晶層15中の潜像を確認する際に支障のない程度の透明性を有する材料であれば、適宜使用することが可能である。
【0035】
一方、高屈折率層14上に形成されている、潜像形成可能な高分子液晶層15はその一部の分子配列を特定方向に配向させて潜像を記録、形成できるようになっており、専用の検証媒体を介して観察したときのみにその潜像化されていた画像が認識できるようにした層である。
【0036】
この高分子液晶層15は、例えばポリエステル共重合体、ポリエーテル、ポリカーボネイト、ポリイソシアネート、ポリグルタミン酸エステル等のサーモトロピック性を有する高分子液晶材料からなるものであり、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷手段やノズルコーター法等の塗布手段等の既知の層形成手段により形成すればよい。
【0037】
これらのサーモトロピック性を示す高分子液晶材料等からなる高分子液晶層15は、通常に形成した状態では特定の結晶構造を有してないランダムな分子配列状態になっている。
このような分子配列状態にて形成されている高分子液晶の層に対してサーマルヘッド、レーザービーム、ホットスタンパー等により部分的に熱を加え、その部分を溶融すると、その部分に一定方向の配向が生じ、加熱部分に対応した潜像が形成されることになる。
この潜像はそのままではその存在が確認されないが、偏光フィルムや偏光フィルター等の検証媒体を介して観察すると、認識されるようになる。
【0038】
この時の状況が図2に示してある。図2の(a)は、図3に示すように、被転写基材3に図1に示す転写箔の転写部2を被転写基材3上に熱圧転写して得られた転写媒体4の状態を示す平面説明図であり、図2の(b)は、その時の状態を検証媒体6で観察している時の状態を示す平面説明図である。
被転写基材3上に転写された転写部2は、図2の(a)に示すように、単に目視しただけでは潜像が確認できず、ホログラム画像や回折格子画像等の再生画像51が認識されるだけである。しかしながら、図2の(b)に示すようにこの潜像部2を検証媒体6を介して観察すると潜像化されていた画像5が出現する。この部分は高分子液晶層15の一部を熱、電気、磁気エネルギー等で選択的に配向した部分である。
【0039】
潜像の可視化の際に使用される検証媒体6とは、具体的には偏光フィルムや偏光フィルター等である。偏光フィルムや偏光フィルターのタイプには、PVA延伸フィルムにヨードを吸収させたPVA−ヨウ素型、二色性染料型、金属または金属化合物含有型、ポリエン型などの高分子多結晶型等種々のものがあるが、これらの中から適宜のものを選択して図2のbに示すように潜像の部分に重ね合わせて使用すればよい。
偏光フィルムには、前記偏光フィルムに1/4波長フィルムを重ねた円偏光フィルムもあるが、この円偏光フィルムを用いることで観察角度に依存することなく、潜像を可視画像として容易に現出させることが可能となる。
【0040】
また、叙述の高分子液晶層15上に積層してある金属反射層19は、高分子液晶層15を透過してきた照射光を反射させるための層であり、少なくとも透明蒸着膜16と反射膜17とからなる。
【0041】
透明蒸着膜16は、例えば透明性を有する各種セラミックを用いることができる。例えば、Fe23、TiO2、CdS、CeO2、ZnS、PdCl2、CdO、Sb23、WO3、SiO、Si23、In23、Pb02、Ta23、ZnO、ZrO2、MgO、SiO2、MgF2、CeF3、CaF2、AlF3、Al23、GaO等により形成する。形成方法は公知の手法を用いることができ、膜厚、成膜速度、積層数、あるいは光学膜厚(=n・d、n:屈折率、d:膜厚)などの制御が可能な、通常の真空蒸着法、スパッタリング法などの物理的気相析出法やCVD法などの化学的気相析出法を用いることができる。膜厚は5〜1000nm程度とすればよい。
この透明蒸着層16を設けることで、前記した高分子液晶層15を加圧・加熱して液晶の分子配列を部分的に配向させて潜像を形成する時、配向に伴う歪みがその下の金属反射層19に及ぶことがなくなり、明瞭な潜像とすることが可能となる。しかも、転写部の表面状態が安定し、回折形成構造層13の安定化ならびにこの回折形成構造層13におけるホログラム画像や回折画像の鮮鋭な再現が可能となる。
【0042】
ここで、金属反射層19を構成する反射膜17は、反射性を有するものであれば特に限定されるものではなく、各種金属、合金等を用いることができる。例えば金属としてAl、Cr、Ni、Cu、Ag等があり、合金としてはPt−Rh、Ni−Cr等がある。この反射層17は真空蒸着法、スパッタリング等の公知の薄膜形成技術にて形成され、膜厚は5〜500nm程度とすればよい。
【0043】
一方、接着層18は転写時に転写箔1の基材11以外の転写部2を転写対象となるカードや預金通帳等の被転写基材3上に熱圧転写し接着するための層であり、接着成分と脆性成分である体質顔料やゴム系樹脂等をグラビア印刷法やマイクログラビア印刷法などの公知のコーティング法を用いて1μmから10μmの厚さで形成する。
【0044】
本発明に係る潜像形成可能な転写箔は以上のような構成であり、接着層を被転写基材の所望部分に熱圧転写して接着させ、しかる後に基材を剥離させて使用する。このようにして得られた転写媒体の状態を示すのが図3である。
【0045】
一方、図4から図7は本発明の他の実施の形態に係る潜像形成可能な転写箔7、10とそれらを使用して得られた転写媒体8、41の状態を示す説明図である。
これらの潜像を有する転写箔7、10は、図1に示す潜像を有する転写箔1と同じように、基材20、30上に少なくとも剥離兼保護層21、31、回折形成構造層22、32、高屈折率層23、33、潜像形成可能な高分子液晶層25、36、金属反射層53、54及びに接着層28、39がこの順序で積層されている。転写箔1と転写箔7とにおいて異なるのは、高分子液晶層25の上下にアンカー層241、242がそれぞれ形成されている点である。
また、転写箔1と転写箔10とにおいて異なるのは、高屈折率層33と高分子液晶層36との間にアンカー層34と液晶配向促進層35が形成されている点である。
【0046】
アンカー層241、242、34は、それを挟む層同士をしっかりと接着させるために必要に応じて設けるものである。その構成材料としては熱可塑性樹脂が好ましく、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂等の単体或いは共重合体の単独もしくはこれらの複合材料が使用可能であるが、必ずしもこれに限定されるものではない。アンカー層はこれらのアンカー層構成材料により、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルコーター法等の既知の塗布手段等により形成すればよい。
【0047】
また、液晶配向促進層35は、ポリイミド、ポリビニルアルコール等からなる層であり、耐熱性を有すると共に、これに隣接して設けてある高分子液晶層36における潜像形成時に、分子配列が効率よく配向するように必要に応じて設ける層である。
【0048】
このような構成の転写箔7、10を用い、被転写基材29、42にその転写部9、40を熱圧転写して得られた転写媒体の状態を示すのが図5と図7である。
【0049】
一方、図8は本発明の潜像を有する転写媒体の転写部に偏光フィルム43を重ね合わせて高分子液晶層44中の潜像を観察しているときの、偏光フィルム43、高分子液晶層44及び金属反射層45の3層間の光路状態を概念的に説明した図である。
光源46から照射された白色照射光47は偏光フィルム43を透過して直線偏光となり、さらに部分的に分子配向に異方性をもたせた透明性を有する高分子液晶層44を透過していくと楕円偏光に変わり、金属反射層45により反射される。反射された楕円偏光は再度偏光フィルム43を透過して透過反射光48として戻ってくる。この透過反射光48は波長によって光の強さが異なるため、多彩な色相を有する画像が目視できるようになる。また、偏光フィルム43の配向方向と分子配向された高分子液晶層44との角度によっても見える色相が異なってくる。
【0050】
【実施例】
本発明を、具体的な実施例を挙げて詳細に説明する。
【0051】
<実施例1>
厚さ16μmのPET基材上に下記[剥離兼保護層の組成]からなる剥離兼保護材料インキを用い、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件でグラビア印刷をし、剥離兼保護層を形成した。
次に、この剥離兼保護層の上に、下記[回折形成構造層(ホログラム形成層)の組成]からなる回折形成構造材料インキを用い、乾燥温度80℃、塗布厚0.6μmの条件でグラビア印刷をし、回折構造形成層を形成した。
次いで、ホログラムレリーフパターンを有するニッケル製の画像金型を100℃に加熱し、公知のロールエンボス法により、前記工程で形成した回折形成構造層(ホログラム形成層)上に押圧することで、回折形成構造層(ホログラム形成層)上にレリーフパターンを形成した。
続いて、上記方法でレリーフパターンを形成した回折形成構造層(ホログラム形成層)上に、真空蒸着法を用いて膜厚0.05μmのZnSからなる高屈折率層を形成した。
さらにその上に、下記[高分子液晶層の組成]からなるサーモトロピック性高分子液晶材料インキを用い、グラビア印刷法にて、「ABC」の文字柄を形成し、乾燥温度60℃で乾燥した。文字柄の印刷膜厚は0.5μmであった。
次に、高分子液晶層上に、真空蒸着法により膜厚200nmのMgF2からなる透明蒸着膜を設けた。
更にその上に、真空蒸着法により約75nmのAlからなる反射膜を形成した。そして最後に、下記[接着層の組成]からなる接着材料インキを用い、グラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚2.0μmの条件で接着層を形成し、高分子液晶転写箔を得た。
この高分子液晶転写箔を被転写媒体上に重ね、120℃、0.2秒間の条件でホットスタンプにて熱圧をかけて転写し、潜像を有する転写媒体を得た。
【0052】
Figure 0004193377
【0053】
得られた潜像形成可能な転写箔及び潜像を有する転写媒体においては目視では潜像が全く視認できず、ホログラム画像のみが見えた。しかし、潜像を有する転写媒体に偏光フィルムを重ねることで潜像化されていたパターンが鮮明に出現した。
【0054】
<実施例2>
厚さ16μmのPET基材上に、下記[剥離兼保護層の組成]からなる剥離兼保護材料インキを用い、グラビア印刷法により乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件で剥離兼保護層を形成した。
次に、この剥離兼保護層の上に、下記[回折形成構造層(ホログラム形成層)の組成]からなる回折形成構造材料インキを用い、グラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚0.6μmの条件で回折形成構造層を形成した。
次いで、ホログラムレリーフパターンを有するニッケル製の画像金型を100℃に加熱し、公知のロールエンボス法により、回折形成構造層(ホログラム形成層)上に押圧することで、回折形成構造層(ホログラム形成層)上にレリーフパターンを形成した。
さらに、上記方法でレリーフパターンを形成した回折形成構造層(ホログラム形成層)上に、真空蒸着法を用いて膜厚0.05μmのTiO2からなる高屈折率層を形成した。
さらにまた、その上に、下記[液晶配向促進層の組成]からなる液晶配向促進材料をグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件で塗布し、液晶配向促進層を形成した
次に、この液晶配向促進層の上に、下記[高分子液晶層の組成]からなるサーモトロピック性液晶高分子材料インキを用い、スクリーン印刷法にて、「ABC」の文字柄を形成し、乾燥温度100℃で乾燥した。文字柄の印刷膜厚は1.2μmであった。
続いて、上記高分子液晶層上に、真空蒸着法にて膜厚300nmのSiO2からなる透明蒸着層を設け、さらに、真空蒸着法にて80nmのAl膜からなる反射膜を設けた。
最後にその上に、下記[接着層の組成]からなる接着材料インキを用い、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件でグラビア印刷により接着層を形成し、高分子液晶転写箔を得た。
この高分子液晶転写箔を被転写媒体(紙)上に重ね、120℃、0.2秒間の条件でホットスタンプにて熱圧をかけて転写し、潜像を有する転写媒体を得た。
【0055】
Figure 0004193377
【0056】
得られた潜像形成可能な転写箔と潜像を有する転写媒体においては目視では潜像が全く視認できなかった。しかし、潜像を有する転写媒体に偏光フィルムを重ねることで潜像化されていた「ABC」のパターンが鮮明に出現した。
【0057】
<実施例3>
厚さ12μmのPET基材上に、[剥離兼保護層の組成]からなる剥離兼保護材料インキを用い、グラビア印刷法で乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件で剥離兼保護層を形成した。
次に、この剥離兼保護層上に、下記[回折形成構造層(ホログラム形成層)の組成]からなる回折形成構造材料インキを用い、グラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚0.6μmの条件で回折構造形成層を形成した。
次いで、ホログラムレリーフパターンを有するニッケル製の画像金型を100℃に加熱し、公知のロールエンボス法により、回折形成構造層(ホログラム形成層)上に押圧することで、回折形成構造層(ホログラム形成層)上にレリーフパターンを形成した。
さらに、上記方法でレリーフパターンを形成した回折形成構造層(ホログラム形成層)上に、真空蒸着法を用いて膜厚0.05μmのZnSからなる高屈折率層を形成した。
続いてその上に、下記[アンカー層の組成]からなるアンカー材料を用い、グラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件でアンカー層を形成した。
そしてその上に、下記[液晶配向促進層の組成]からなる液晶配向促進材料を用い、グラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件で液晶配向形成層を形成した。
次に、下記[高分子液晶層の組成]からなるサーモトロピック性高分子材料インキを用い、グラビア印刷法にて、「ABC」の文字柄を形成し、乾燥温度100℃で乾燥し、高分子液晶層とした。印刷膜厚は1.0μmであった。
さらに上記高分子液晶層上に、真空蒸着法にて膜厚150nmの低屈折率のMgF2からなるを透明蒸着膜を設け、さらに、真空蒸着法にて約60nmのAl膜からなる反射膜を設けた。
そして最後に、下記[接着層の組成]からなる接着材料インキを用い、グラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚1.5μmの条件で接着層を設け、高分子液晶転写箔を得た。
この高分子液晶転写箔を被転写媒体(プラスチックシート)上に重ね、120℃、0.2秒間の条件でホットスタンプにて熱圧をかけて転写し、潜像を有する転写媒体を得た。
【0058】
Figure 0004193377
【0059】
得られた潜像形成可能な転写箔と潜像を有する転写媒体においては目視では潜像が全く視認できなかった。しかし、潜像を有する転写媒体に偏光フィルムを重ねて観察すると「ABC」というパターンが鮮明に出現した。
【0060】
<比較例1>
厚さ16μmのPET基材上に下記[剥離兼保護層の組成]からなる剥離兼保護材料インキを使用し、グラビア印刷法にて乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件で剥離兼保護層を形成した。
次に、剥離兼保護層の上に、下記[回折形成構造層(ホログラム形成層)の組成]からなる回折形成構造材料インキを使用し、グラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚0.6μmの条件で回折形成構造層を形成した。
次いで、ホログラムレリーフパターンを有するニッケル製の画像金型を100℃に加熱し、公知のロールエンボス法により、回折形成構造層(ホログラム形成層)上に押圧することで、回折形成構造層(ホログラム形成層)上にレリーフパターンを形成した。
続いて、上記方法でレリーフパターンを形成した回折形成構造層(ホログラム形成層)上に、真空蒸着法を用いて膜厚0.05μmのZnSからなる高屈折率層を設けた。
そして、その上に下記[高分子液晶層の組成]からなるサーモトロピック性高分子液晶材料インキを使用し、グラビア印刷法にて「TOPPAN」の文字柄を印刷し、乾燥温度60℃で乾燥した、印刷膜厚は0.5μmであった。
次にその上に、真空蒸着法にて約75nmのAlからなる反射膜を形成した。
そして最後に、下記[接着層の組成]からなる接着材料インキを使用し、グラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚2.0μmの条件で接着層を反射層上に形成し、高分子液晶転写箔を得た。
この高分子液晶転写箔を被転写媒体上に重ね、120℃、0.2秒間の条件でホットスタンプにて熱圧をかけて転写し、潜像を有する転写媒体を得た。
【0061】
Figure 0004193377
【0062】
得られた転写箔や転写媒体においては目視では潜像が全く視認できないが、その表面状態が粗れており、回折形成構造層が破壊され、ホログラムの効果が半減していた。また、偏光フィルムを重ねても潜像パターンが出現しなかった。
【0063】
<比較例2>
厚さ16μmのPET基材上に[剥離兼保護層の組成]からなる剥離兼保護材料インキを使用し、グラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件で剥離兼保護層を形成した。
次に、この剥離兼保護層の上に、下記[回折形成構造層(ホログラム形成層)の組成]からなる回折形成構造材料インキを使用し、グラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚0.6μmの条件で回折形成構造層を形成した。
次いで、ホログラムレリーフパターンを有するニッケル製の画像金型を100℃に加熱し、公知のロールエンボス法により、回折形成構造層(ホログラム形成層)上に押圧することで、回折形成構造層(ホログラム形成層)上にレリーフパターンを形成した。
続いて、上記方法でレリーフパターンを形成した回折形成構造層(ホログラム形成層)上に、真空蒸着法を用いて膜厚0.05μmのTiO2からなる高屈折率層を形成した。
そしてその上に、下記[液晶配向促進層の組成]からなる液晶配向促進材料を使用し、グラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件で液晶配向促進層を形成した。
次に、液晶配向促進層の上に、下記[高分子液晶層の組成]からなるサーモトロピック性高分子液晶材料インキでスクリーン印刷し、「ABC」の文字柄を形成し、乾燥温度100℃で乾燥した。印刷膜厚は1.2μmであった。
続いて、上記高分子液晶層上に、真空蒸着法にて80nmのAlからなる反射膜を形成した。
そして最後に、下記[接着層の組成]からなる接着材料インキでグラビア印刷法により、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件で接着層を高分子液晶層上に形成し、高分子液晶転写箔を得た。
この高分子液晶転写箔を被転写媒体(紙)上に重ね、120℃、0.2秒間の条件でホットスタンプにて熱圧をかけて転写し、潜像を有する転写媒体を得た。
【0064】
Figure 0004193377
【0065】
得られた転写箔と転写媒体においては目視では潜像画像が全く視認できないが、ホログラム転写箔の表面状態が粗ており、回折形成構造層が破壊され、ホログラムの効果が半減していた。また、偏光フィルムを重ねても潜像パターンが出現しなかった。
【0066】
<比較例3>
厚さ12μmのPET基材上に、下記[剥離兼保護層の組成]からなる剥離兼保護材料インキを使用し、グラビア印刷法で、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件で剥離兼保護層を形成した。
次に、この剥離兼保護層上に、下記[回折形成構造層(ホログラム形成層)の組成]からなる回折形成構造材料インキをグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚0.6μmの条件で塗布し、回折形成構造層を形成した。
次いで、ホログラムレリーフパターンを有するニッケル製の画像金型を100℃に加熱し、公知のロールエンボス法により、回折形成構造層(ホログラム形成層)上に押圧することで、回折形成構造層(ホログラム形成層)上にレリーフパターンを形成した。
そしてさらに、上記方法でレリーフパターンを形成した回折形成構造層(ホログラム形成層)上に、真空蒸着法を用いて膜厚0.05μmのZnSからなる高屈折率層を形成した。
さらにその上に、下記[アンカー層の組成]からなるアンカー材料をグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件で塗布し、アンカー層を形成した。
このアンカー層の上には、下記[液晶配向促進層の組成]からなる液晶配向促進材料をグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μmの条件で塗布し、液晶配向促進層を形成した
次に、この液晶配向促進層の上に、下記[高分子液晶層の組成]からなるサーモトロピック性高分子液晶材料インキでグラビア印刷し、「ABC」の文字柄を形成し、乾燥温度100℃で乾燥した。印刷膜厚は1.0μmであった。
上記高分子液晶層上には、真空蒸着法にて約60nmのAlからなる反射膜をさらに成膜した。
そして最後に、下記[接着層の組成]からなる接着材料インキをグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚1.5μmの条件で塗布し、接着層を形成し、高分子液晶転写箔を得た。
この高分子液晶転写箔を被転写媒体(プラスチックシート)上に重ね、120℃、0.2秒間の条件でホットスタンプにて熱圧をかけて転写し、潜像を有する転写媒体を得た。
【0067】
Figure 0004193377
【0068】
得られた転写箔と転写媒体においては目視では潜像が全く視認できないが、ホログラム転写箔の表面状態が粗ており、回折形成構造層が破壊され、ホログラムの効果が半減していた。また、偏光フィルムを重ねても鮮明な潜像パターンが出現しなかった。
【0069】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は高分子液晶層上に設ける金属反射層が少なくとも透明蒸着層と反射膜からなり、しかもその透明蒸着膜が高分子液晶層に接するように設けてあるため、高分子液晶層の所望部分を配向させて潜像を設ける際に、配向による部分的な歪みの影響を下の金属反射層が受けなくなるので、非常に鮮鋭な潜像の形成と潜像化画像の明瞭な現出が可能となる。しかも、回折形成構造層のホログラム画像や回折画像等の画像が被転写基材上においても所期の状態で明瞭に認識されるようになる。また、潜像の形成が簡便にでき、さらには簡単な検証方法により潜像パターンの確認ができる等の効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の潜像形成可能な転写箔の一実施形態を示す断面説明図。
【図2】転写箔の転写部を被転写基材上に転写して得られた転写媒体とその状態を検証媒体を介して観察しているときの状態の平面図説明図。
【図3】被転写基材上に転写箔の転写部を転写して得られた転写媒体のの断面説明図。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る潜像形成可能な転写箔の断面説明図。
【図5】図4に示す潜像形成可能な転写箔を使用して被転写基材に転写部を転写して得られた潜像を有する転写媒体の断面説明図。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係る潜像形成可能な転写箔の断面説明図。
【図7】図6に示す潜像形成可能な転写箔を使用して被転写基材に転写部を転写して得られた潜像を有する転写媒体の断面説明図。
【図8】本発明の潜像を有する転写媒体の転写部に偏光フィルムを重ね合わせて高分子液晶層中の潜像を観察しているときの、偏光フィルム、高分子液晶層及び金属反射層の3層間の光路状態を概念的に説明した説明図である。
【符号の説明】
1、7、10 潜像形成可能な転写箔
2、9、40 転写部
3、29、42 被転写基材
4、8、41 潜像を有する転写媒体
5 潜像
6 検証媒体
43 偏光フィルム
11、20、30 基材
12、21、31 剥離兼保護層
13、22、32 回折形成構造層(ホログラム形成層)
14、23、33 高屈折率層(ホログラム効果層)
15、25、36 高分子液晶層
16、26、37 透明蒸着膜
17、27、38 反射膜
18、28、39 接着層
19、53、54 金属反射層
241、242、34 アンカー層
35 液晶配向促進層
46 光源
47 白色照射光
48 透過反射光

Claims (6)

  1. 基材上に、少なくとも剥離兼保護層、回折形成構造層、高屈折率材料からなる高屈折率層、潜像形成可能な高分子液晶層、金属反射層及び接着層を順次積層してなり、少なくとも金属反射層が透明蒸着膜と反射膜からなることを特徴とする潜像形成可能な転写箔。
  2. 潜像形成可能な高分子液晶層がサーモトロピック性を有する高分子液晶材料からなることを特徴とする請求項1に記載の潜像形成可能な転写箔。
  3. 金属反射層が透明蒸着膜と金属材料を含む反射膜からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の潜像形成可能な転写箔。
  4. 潜像形成可能な高分子液晶層には高分子材料からなる液晶配向促進層が積層してあることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の潜像形成可能な転写箔。
  5. 接着層が少なくとも熱可塑性樹脂と体質顔料を主体とすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の潜像形成可能な転写箔。
  6. 少なくとも剥離兼保護層、回折形成構造層、高屈折率材料からなる高屈折率層、潜像形成可能な高分子液晶層、金属反射層及び接着層が基材上に順次積層してなると共に、少なくとも金属反射層が透明蒸着膜と反射膜からなることを特徴とする潜像形成可能な転写箔の接着層、金属反射層、潜像形成可能な高分子液晶層及び剥離兼保護層をこの順序で熱圧転写し、潜像形成可能な高分子液晶層には潜像が形成してあることを特徴とする潜像を有する転写媒体。
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