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JP4193224B2 - 動画像符号化装置及び方法並びに動画像復号装置及び方法 - Google Patents

動画像符号化装置及び方法並びに動画像復号装置及び方法 Download PDF

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JP4193224B2 JP03628898A JP3628898A JP4193224B2 JP 4193224 B2 JP4193224 B2 JP 4193224B2 JP 03628898 A JP03628898 A JP 03628898A JP 3628898 A JP3628898 A JP 3628898A JP 4193224 B2 JP4193224 B2 JP 4193224B2
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  • Television Signal Processing For Recording (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力されたビットストリームを復号して画像信号とする動画像復号化装置及び方法、並びにこの画像信号を再びビットストリームとして出力する動画像符号化装置及び方法関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像信号の圧縮符号化に、動き補償(motion compensation;MC)及び離散余弦変換(descrete cosine transformation;DCT)等の直交変換による冗長度低減処理とを組み合わせたMPEG(moving picture experts group)や、MPEG2が広く用いられるようになった。
【0003】
非圧縮の映像データを上記MPEG等の手法により、フレーム内符号化画像(Iピクチャ)、フレーム間予測符号化画像(Pピクチャ)、双方向予測符号化画像(Bピクチャ)のような符号化画像に圧縮して光磁気ディスク等の格納媒体に記録したり、あるいは通信回線を使用して伝送したりする。
【0004】
ここで、MPEG方式にて画像圧縮された信号を再生する場合について説明する。
【0005】
例えば、記録媒体には、図10(a)に示すようなデータストリームの符号化データが記録されている。この図10(a)に示すように記録されているデータストリームは復号されて、図10(b)に示すようなピクチャの順番で表示が行われる。ここで、各ピクチャに符号として付けている“I”,“P”,“B”は、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャの区別を示しており、各添字は、GOP(Group of Pictures)内の表示順序を表すいわゆるテンポラリリファレンスを示している。
【0006】
図10(a)に示すようなデータストリームの符号化データを再生する為に、まず、I0の復号が行われる。Iピクチャは画面内で符号化が完結しているものであるので、他のピクチャを復号することなくI0を単独で復号することができる。続いて、復号したI0に基づき、順方向予測符号化がされたP2の復号を行う。Pピクチャは時間的に前のIピクチャ又はPピクチャから予測符号化がされるものであるので、従来の記録再生装置はこのP2を復号する前にI0を復号していなければならない。続いて、復号したI0及びP2に基づき、双方向予測符号化がされたB1の復号を行う。Bピクチャは時間的に前後のIピクチャ又はPピクチャから双方向符号化がされるものであるので、このB1を復号する前にI0とP2を復号していなければならない。このように、図10(a)に示すようなデータストリームの符号化データを、I0→P2→B1→P4→B3→P6→B5→I8→B7→P10→B9→・・・といった順序で復号を行う。
【0007】
そして、このような順序で復号した各ピクチャを表示する場合には、図10(b)に示すようにその順序を入れ換えて、I0→B1→P2→B3→P4→B5→P6→B7→I8→B9→P10→・・・といった順序で表示を行う。
【0008】
ここで、MPEG方式によるデータストリームにおける、Iピクチャ又はPピクチャの間隔をMとする。次に、M=3の場合のエンコーダとデコーダの入出力のタイミングを数1に示す。
【0009】
【数1】
Figure 0004193224
【0010】
エンコーダへのピクチャの入力(a)は、ビットストリームに符号化され、3フレーム時間だけ遅れてエンコーダからのビットストリームの出力(b)として出力されている。また、エンコーダからのビットストリームの出力(b)は、デコーダへのビットストリームの入力(c)となり、ピクチャに復号されて、デコーダへのビットストリームの入力(c)より1フレーム時間だけおくれてデコーダからのピクチャ出力(d)となっている。
【0011】
記号“I”,“P”,“B”は、それぞれIピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャを示しており、(a)又は(d)のように画像を示している場合と、(b)又は(d)のように符号化されたビットストリームを示している場合がある。各記号の添字数字は、画像の表示順序である。
【0012】
Mの値は、エンコーダへ動画像信号が入力されてから、ビットストリームが出力されるまでの遅延量に関係しており、Mが大きいほど、この遅延量は大きくなる。これは、Bピクチャを符号化する前に、時間的に前にあるPピクチャを先に符号化するので、(M−1)枚のBピクチャをメモリにバッファリングする必要があるためである。したがって、Mが大きくなるにしたがって、エンコーダに必要なフレームメモリ量が増加する。
【0013】
なお、上の例では、エンコーダからビットストリームが出力されるまでの遅延量を3フレーム時間としているが、この時間の大きさは、エンコードアルゴリズムに依存するものであり、特に動きベクトル予測(Motion Estimation )のアルゴリズムに関係する。実際のエンコーダでは、この遅延量は、3フレーム時間よりも大きい場合が多い。
【0014】
動きベクトル予測などのアルゴリズムが同じ条件の時に、Mが大きいほど、エンコーダからビットストリームが出力されるまでの遅延量が大きくなり、エンコーダに必要なフレームメモリ量が増加する関係がある。
【0015】
続いて、再エンコードを効率よく行うための従来方法について説明する。
【0016】
MPEGビデオビットストリームを復号して、その復号画像を再びMPEG符号化して、ビットストリームを出力する場合に、画像を高画質に符号化するためには、その画像を符号化するときのピクチャコーディングタイプ(picture coding type )を元のビットストリームの時と同じにすると有効であることが広く知られている。
【0017】
すなわち、ビットストリームの構成要素であるIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャを構成する画素の実質的な情報量はそれぞれ異なるので、画像信号をビットストリームに符号化するピクチャの種類を元のピクチャの種類と一致させることにより、画像信号符号化を効率よく行うことができる。
【0018】
エンコーダへ入力された画像の元のピクチャコーディングタイプを知るための手段として、ディジタル画像のブランキング部分のビデオインデックスにピクチャコーディングタイプを記録する方法がある。ビデオインデックスの中におけるピクチャコーディングタイプの記録位置については、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Enginneers)のRecommended PracticesのRP 186-1995に書かれている。
【0019】
MPEGビデオビットストリームを復号して、復号画像を再びMPEG符号化して、ビットストリームを出力する場合のデコーダとエンコーダの入出力のタイミングを次の数2に示す。
【0020】
【数2】
Figure 0004193224
【0021】
デコーダへのビットストリーム入力(a)においては、M=3としている。デコーダへのビットストリーム入力(a)がピクチャに復号された、デコーダからのピクチャの出力(b)は、デコーダへのビットストリームの入力(a)より1フレーム時間遅延している。デコーダからのピクチャ出力(b)はエンコーダへのピクチャの入力(c)となり、ビットストリームに符号化されて、エンコーダへのピクチャの入力より3フレーム時間だけ遅れてエンコーダからのビットストリームの出力(d)として出力される。
【0022】
このようなビットストリームを出力する従来の動画像符号化装置の例を示す。
【0023】
従来の動画像符号化装置の第1の例は、図11に示すように、ビットストリームを復号して復号動画像とするデコーダ101と、復号動画増のビデオインデックスにピクチャコーディングタイプを書き込みビデオインデックス書き込み器104と、復号動画像からピクチャコーディングタイプを読み出すビデオインデックス読み出し器103と、デコーダ101からの復号動画像信号及びビデオインデックス読み出し器103からのピクチャコーディングタイプに基づいて符号化行ったビットストリームを記録媒体10に出力するエンコーダ102とから構成される。
【0024】
ここで、デコーダ101へ入力するビットストリームは、上記デコーダへのビットストリームの入力(a)に、デコーダ101からエンコーダ102へ送られる復号動画像信号は上記デコーダからのピクチャの出力(b)及び上記エンコーダへのピクチャの入力(c)に、エンコーダ102出力されるビットストリームは上記エンコーダからのビットストリームの出力(d)に対応している。
【0025】
従来の動画像符号化装置の第2の例は、図12に示すように、復号動画像信号からピクチャコーディングタイプを読み出すビデオインデックス読み出し器103と、復号動画像信号及びビデオインデックス読み出し器103からのピクチャコーディングタイプに基づいてビットストリームを出力するエンコーダ102とから構成されている。
【0026】
ここで、デコーダ101へ入力するビットストリームは、上記エンコーダへのピクチャ入力(c)に、エンコーダ102から出力されるビットストリームは上記エンコーダからのビットストリームの出力(d)に対応している。
【0027】
これら従来の動画像符号化装置の第1及び第2の例は、いずれもビデオインデックス読み出し器103から得られるピクチャコーディングタイプに基づいて、エンコーダ102における符号化の際のピクチャコーディングタイプを下のビットストリームと同じにすることにより、画像を高画質に符号化している。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記図11に示した従来の動画像符号化装置の第1の例及び図12に示した従来の動画像符号化装置の第2の例では、再符号化を行うエンコーダ102には、M=3に固定されたビットストリームが入力した。しかし、Mの値が入力画像の途中で3より大きく変わる場合には、問題が生じる。
【0029】
すなわち、MPEGビデオストリームを復号して、復号画像を再びMPEG符号化して、ビットストリームを出力する場合において、デコーダに入力されるビットストリームのMの値が途中で変化しているときには、次の数3に示すような問題が生じる。
【0030】
【数3】
Figure 0004193224
【0031】
すなわち、デコーダへのビットストリームの入力(a)においては、I0とP3の間ではM=3であり、P3とP8の間はM=5に変化している。デコーダへのビットストリームの入力(a)に対する動画像の出力を示すデコーダからのピクチャ出力(b)の各画像のビデオインデックスに、その画像が符号化されていた時のピクチャコーディングタイプを記録しておく。
【0032】
エンコーダへのピクチャの入力(c)は、エンコーダへのデコーダからのピクチャの出力(b)の入力を示している。エンコーダは、各画像のビデオインデックスから、その画像が圧縮されていた時のピクチャコーディングタイプを読み出し、その情報に基づいて入力画像を符号化する。これに応じて、エンコーダからのビットストリームの出力(d)が出力される。
【0033】
上述の例と同様に、エンコーダへのピクチャ入力(c)及びエンコーダからのビットストリームの出力(d)に見られるように、エンコーダへ動画像信号が入力されてから、3フレーム時間遅延してから、ビットストリームを出力開始する。この時、エンコーダからのビットストリームの出力(d)の”X”のところでエンコードが破錠している。具体的には、P8のPピクチャの”X”のタイミングにP8のビットストリームが出力できない問題が発生する。
【0034】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされるものであって、Mの値が一定ではないビットストリームに対しても再符号化をするようにする動画像符号化装置及び方法並びに動画像復号化装置及び方法を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明に係る動画像符号化装置は、表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを復号した画像信号並びに上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を入力される動画像符号化装置であって、上記ビットストリームにおける各符号化画像の符号化型と一致するように上記画像符号化型に基づいて上記画像信号を上記第1の符号化画像及び第2の符号化画像からなるビットストリームに符号化する際に上記第1の符号化画像信号の間隔が基準値を越えるとき、直前の上記第1の符号化画像信号から上記基準値の範囲内の位置の上記第2の符号化画像を上記第1の符号化画像に変更して符号化する符号化手段を有する。
【0036】
本発明に係る動画像符号化方法は、表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを復号した画像信号並びに上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を入力される動画像符号化方法であって、上記ビットストリームにおける各符号化画像の符号化型と一致するように上記画像符号化型に基づいて上記画像信号を上記第1の符号化画像及び第2の符号化画像からなるビットストリームに符号化する際に上記第1の符号化画像信号の間隔が基準値を越えるとき、直前の上記第1の符号化画像信号から上記基準値の範囲内の位置の上記第2の符号化画像を上記第1の符号化画像に変更して符号化する符号化工程を有する。
【0037】
本発明に係る動画像符号化装置は、表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームであって、このビットストリームにおける上記第1の符号化画像の間隔の最大値を特徴情報として有するビットストリームを復号した画像信号及び上記特徴点情報並びに上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を入力される動画像符号化装置であって、上記ビットストリームにおける符号化画像の符号化型と一致するように上記画像符号化型に基づいて上記画像信号を上記第1の符号化画像及び第2の符号化画像からなるビットストリームに符号化する符号化手段を有し、上記符号化手段は、上記画像信号が入力されてから上記ビットストリームが出力されるまでの遅延量や符号化に必要なメモリ量を、上記特徴点情報の上記最大値に対応させて制御する。
【0038】
本発明に係る動画像符号化方法は、表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームであって、このビットストリームにおける上記第1の符号化画像の間隔の最大値を特徴点情報として有するビットストリームを復号した画像信号及び上記特徴点情報並びに上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を入力される動画像符号化方法であって、上記ビットストリームにおける符号化画像の符号化型と一致するように上記画像符号化型に基づいて上記画像信号を上記第1の符号化画像及び第2の符号化画像からなるビットストリームに符号化する符号化工程を有し、上記符号化工程では、上記画像信号が入力されてから上記ビットストリームが出力されるまでの遅延量や符号化に必要なメモリ量を、上記特徴点情報の上記最大値に対応させて制御する
【0040】
本発明に係る動画像符号化方法は、表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを復号した画像信号並びに上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を符号化したビットストリームを出力する動画像符号化方法であって、上記ビットストリームにおける符号化画像の符号化型と一致するように上記画像符号化型に基づいて上記画像信号を上記第1の符号化画像及び第2の符号化画像からなるビットストリームに符号化すると共に、上記第1の符号化画像信号の間隔の最大値を特徴点情報として符号化する符号化工程を有する。
【0043】
本発明に係る動画像復号装置は、表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを入力される動画像復号装置であって、上記ビットストリームを画像信号に復号する復号手段と、上記ビットストリームにおける上記第1の符号化画像の間隔の最大値を特徴点情報として出力する特徴点情報出力手段とを有する。
【0044】
本発明に係る動画像復号方法は、表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを入力される動画像復号方法であって、上記ビットストリームを画像信号に復号する復号工程と、上記ビットストリームにおける上記第1の符号化画像の間隔の最大値を特徴点情報として出力する特徴点情報出力工程とを有する。
【0045】
本発明に係る動画像復号装置は、表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを入力される動画像復号装置であって、上記ビットストリームを画像信号に復号する復号手段と、上記復号手段にて上記ビットストリームを復号する際に、復号に係る当該画像から表示順序に次の第1の符号化画像までの距離を特徴点情報として出力する特徴点情報手段とを有する。
【0046】
本発明に係る動画像復号方法は、表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを入力される動画像復号方法であって、上記ビットストリームを画像信号に復号する復号工程と、上記ビットストリームにおける上記第1の符号化画像の間隔の最大値を特徴点情報として出力する特徴点情報出力工程とを有する。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る動画像符号化装置及び方法並びに動画像復号化装置及び方法について、図面を参照して詳細に説明する。
【0049】
最初に、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0050】
第1の実施の形態は、ビットストリームが入力される場合に、MPEGビデオビットストリームについて、Iピクチャ又はPピクチャの現れる間隔であるMの最大値をあらかじめストリームを解析して調べておき、MPEGビデオビットストリームを復号して、復号画像を再びMPEG符号化して、ビットストリームを出力する場合に、エンコーダへ動画像信号が入力されてから、ビットストリームが出力されるまでの遅延量やエンコーダに必要なメモリ量を、上記Mの最大値に基づいて制御するものである。
【0051】
動画像符号化装置の第1の例は、図1に示すように、入力されるビットストリームを復号して復号動画像及びピクチャコーディングタイプを出力する復号手段であるデコーダ1と、デコーダ1からの復号動画像信号及びピクチャコーディングタイプ並びに外部からのビットストリーム特徴点情報を入力され、これらに基づいて再符号化を行ってビットストリームを出力する符号化手段であるエンコーダ2とから構成される。
【0052】
デコーダ1は、ビットストリームを入力され、このビットストリームを復号して、復号動画像及びピクチャコーディングタイプを出力する。
【0053】
ここで、ピクチャコーディングタイプ(picture-coding-type )とは、当該フレームが画像内符号化画像であるIピクチャ、順方向予測符号化画像であるPピクチャ、双方向予測符号化画像であるBピクチャのいずれであるかを同定する画像符号化型である。Iピクチャ及びPピクチャは表示順序に従って後方を参照することなく復号する第1の符号化画像を構成し、Bピクチャは表示順序に従って後方を参照して復号する第2の符号化画像を構成する。
【0054】
エンコーダ2は、デコーダ1からピクチャコーディングタイプ及び復号画像情報を、外部からビットストリームの特徴点情報を、それぞれ与えられ、これらに基づいて復号動画像を符号化してビットストリームを記録媒体10に出力する。
【0055】
Mの最大値は、MPEGビットストリームの特徴点情報として用意する。この時、Mの最大値をGOP(group of pictures )単位に計算して、GOPの特徴点情報として用意してもよい。
【0056】
この特徴点情報は、ビットストリーム中に埋め込んだり、別ファイルとして用意したり、メモリインカセットに記録することができる。このような特徴点情報の記録形態については、以下の例についても同様である。
【0057】
多重化器4により、復号動画像信号に特徴点情報を多重化する。例えば、画像信号の垂直部ランキングに特徴点情報を多重化する。ビデオインデックスは、垂直ブランキングに情報を書き込む方法の1つである。
【0058】
続いて、デコーダ1及びエンコーダ2におけるビットストリーム及び復号動画像の具体的な処理について説明する。
【0059】
この動画像符号化装置には、Mの最大値が5のビットストリームが入力されている。次の数4に示すように、デコーダへのビットストリームの入力(a)に対して、デコーダからのピクチャ出力(b)は1フレーム時間だけ遅延している。そして、デコーダへのビットストリームの入力(a)のMの最大値が5であるので、エンコーダへのピクチャの入力(c)及びエンコーダからのビットストリームの出力(d)に示すように、エンコーダへピクチャの入力(c)から、エンコーダからのビットストリームの出力(d)までの遅延量を5フレーム時間にしている。
【0060】
【数4】
Figure 0004193224
【0061】
このようにビットストリームが出力されるまでの遅延量を5フレーム時間にする、すなわちMの最大値に対応させてビットストリームが出力されるまでの遅延量やメモリ量を設定すると、Mの値が変わってもバッファリングのためのメモリが足りなくなったり、ビットストリームが出力できなくなったりすることはない。
【0062】
続いて、動画像符号化装置にビットストリームをデコードした復号動画像信号が入力される場合について説明する。
【0063】
動画像符号化装置の第2の例は、図2に示すように、復号動画像信号から画像に多重化されている情報のピクチャコーディングタイプと特徴点情報を分離する分離器3と動画像の特徴点情報、復号動画像信号、及び分離器3からのピクチャコーディングタイプに基づいて復号動画像信号を符号化してビットストリームを出力するエンコーダ2とから構成されている。特徴点情報が、画像信号に多重化されている場合は、それを使用する。外から入力しても、かまわない。
【0064】
上述のように動画像符号化装置は、エンコーダへのピクチャの入力(c)の復号動画像の各画像のピクチャコーディングタイプが復号画像の多重化情報等からわかる時、各画像のピクチャコーディングタイプをあらかじめ解析して、Mの最大値を調べておき、復号画像を再びMPEG符号化して、ビットストリームを出力する場合に、エンコーダへ動画像信号が入力されてから、ビットストリームが出力されるまでの遅延量やエンコーダに必要なメモリ量を、上記Mの最大値に基づいて制御することによりMの値が変わる場合に対応している。また、このMの最大値をあらかじめ画像信号に多重化しておくとよい。
【0065】
動画像符号化装置におけるエンコーダ2は、動画像の特徴点情報、復号動画像情報、及び分離器3からのピクチャコーディングタイプに基づいて、復号動画像信号を符号化したビットストリームを出力する。
【0066】
Mの最大値は、エンコーダへのピクチャ入力(c)の復号動画像の特徴点情報として用意する。Mの最大値は、例えば、動画像信号のヘッダ情報においたり、ブランキングなどの画像信号の空き領域、すなわち有効画像信号でない領域に埋め込んだりすると良い。
【0067】
この動画像符号化装置においては、上に示したように、エンコーダへのピクチャの入力(c)からエンコーダからのビットストリームの入力(d)までの遅延量を、Mの最大値に対応させて5フレーム時間とすることにより、エンコーダ2における符号化の破綻を防止している。
【0068】
エンコーダ2から出力されるビットストリームは、記録媒体10に記録される。この記録媒体10については後述する。
【0069】
続いて、動画像符号化方法に係る一連の手順を図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0070】
最初のステップS1においては、MPEG画像信号が符号化されたビットストリームを復号して画像信号すると共に、画像信号のピクチャコーディングタイプを取り出す。
【0071】
ステップS1に続くステップS2においては、特徴点情報としてMの最大値を入力され、このMの最大値に応じてビットストリームへの遅延時間やメモリ量を設定して、ステップS1からの復号動画像信号及びピクチャコーディングタイプに基づいて上記復号動画像を符号化したビットストリームを出力する。
【0072】
ステップS2においては、ビットストリームの特徴点情報として与えられるMの最大値に応じて符号化の際の遅延時間やメモリ量を設定することにより、Mが変化する場合にも符号化が破綻しないようにしている。
【0073】
続いて、記録媒体10について説明する。
記録媒体10は、上述のエンコーダ2に入力される画像信号について、ピクチャコーディングタイプに応じて上記画像信号のMが所定の基準値を越えないように予測構造を変更された画像信号が符号化されたビットストリームが記録されてなるものである。
【0074】
この記録媒体10は、例えばCD−ROM等の光ディスクとして提供されるが、いわゆるマルチメディア通信回線を介して提供されることもある。
【0075】
上述のように、本発明の第1の実施の形態は、エンコーダへ入力される復号動画像シーケンスのMの最大値をあらかじめ調べておいて、エンコーダの入出力の遅延量やエンコーダに必要なメモリ量を、上記Mの最大値に基づいて制御するものである。
【0076】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0077】
本発明の第2の実施の形態は、Mの最大値が基準値を越えないように、ピクチャコーディングタイプに基づいて、画像信号をビットストリームに符号化する際に、BピクチャをIピクチャ又はPピクチャに変更するものである。
【0078】
最初に、動画像符号化装置にビットストリームが入力される場合について説明する。
【0079】
動画像符号化装置の第3の例は、図4に示すように、入力されるビットストリームを復号して復号動画像、ピクチャコーディングタイプ及びテンポラルレファレンス(temporal reference)をエンコーダ2に出力するデコーダ1と、ビットストリームの特徴点情報、及びデコーダ1からのピクチャコーディングタイプ及びテンポラルリファレンスに基づいて、復号動画像信号をビットストリームに符号化するエンコーダ2と、ビットストリームの特徴点情報並びにデコーダ1からのピクチャコーディングタイプ及び復号動画像信号を多重化する多重化部7とから構成される。
【0080】
動画像符号化装置のエンコーダ2はM=3を標準値又は基準値としており、最大M=3までエンコード可能である。すなわち、次の数5に示すように、デコーダへのビットストリームの入力(a)の内のピクチャP8がデコーダ1に入力された時点で、デコーダは局所的なMの値を計算して、デコーダからのピクチャの出力(b)をエンコーダへのピクチャの入力(c)としてその値をエンコーダ2へ入力する。
【0081】
【数5】
Figure 0004193224
【0082】
動画像符号化装置は、ビットストリームの中の局所的なMの値が、エンコード可能な最大のMの標準値を越える位置情報を、そのビットストリームの特徴点情報として用意しておいて、MPEGビデオビットストリームを復号して、復号動画像を再びMPEG符号化する時に使用する。
【0083】
例えば、上のビットストリームにおいて、P3とP8の間の局所的なMの値が、Mの標準値を越えることを特徴点情報として用意する。
【0084】
また、MPEGビデオビットストリームのMの最大値を特徴点情報として用意しておくと、そのビットストリームの復号動画像を再エンコードする時に、ピクチャの予測構造の変更(Mの変更)が必要か否かを知ることができるので便利である。この時、Mの最大値をGOP単位に計算して、GOPの特徴点情報として用意しても良い。
【0085】
多重化器7により復号動画像信号に特徴点情報を多重化する。GOPのMの最大値の場合は、Iピクチャを復号した画像または、GOPの先表示順序で先頭の画像に多重化すると良い。例えば、画像の垂直ブランキングに特徴点情報を多重化する。
【0086】
局所的なMの値は、MPEGのピクチャヘッダ(Picture header)にあるテンポラルリファレンス(temporal reference)のピクチャ間での差分値から計算できる。
【0087】
ここで、ピクチャヘッダはMPEG2規格のストリームのピクチャ層にあり、テンポラルリファレンスとはピクチャの表示順序を表す番号でGOPの先頭でリセットされる1024の剰余値である。
【0088】
これを受けて、エンコーダ2は、P3の画像からP8までのピクチャの予測構造がM=5であることを、あらかじめ理解する。エンコーダ2は、入力される動画像であるエンコーダへのピクチャの入力(c)のP3からP8までのM=5の予測構造を、変更されたピクチャコーディングタイプ(d)に示すようにエンコード可能なM=3とM=2の組み合わせに変更する。これにより、エンコーダ2における符号化の際の破綻を防止している。そして、エンコーダからのビットストリームの出力(e)として出力する。
【0089】
続いて、ビットストリームをデコードした動画像信号のみ存在する場合について説明する。
【0090】
動画像符号化装置の第4の例は、図5に示すように、復号動画像から画像に多重化されているピクチャコーディングタイプを分離してメモリ5に出力する分離器3と、復号動画像信号を記憶するメモリ4と、分離器3からのピクチャコーディングタイプを記憶するメモリ5と、動画像信号の特徴点情報、メモリ4から読み出した復号動画像信号、及びメモリ5から読み出した復号動画像に基づいて、復号動画像を符号化したビットストリームを出力するエンコーダ2とを有している。
【0091】
特徴点情報が画像に多重化されている時は、それを使用する。別に外から入力しても構わない。
【0092】
動画像符号化装置は、エンコーダへのピクチャの出力(c)の復号動画像の各画像のピクチャコーディングタイプがビデオインデックス等からわかる時、エンコード可能な最大のMがMxであるところのエンコーダ2は、各ピクチャのピクチャコーディングタイプを未来のMx枚について先読みしておく。
【0093】
そして、エンコーダ2は未来に符号化するMx枚のピクチャの中にPピクチャまたはIピクチャが存在しないことがわかった場合、ピクチャの予測構造をM=Mx以下に変更する。
【0094】
例えば、上述した例のMx=3であるエンコーダ2は、エンコーダへのピクチャの入力(c)のP3の入力時点でそれより未来の3ピクチャ(B4,B5,B6)の中にPピクチャまたはBピクチャがないことがわかると、エンコーダからのビットストリームの出力(d)に示すようにピクチャの予測構造を変更して、B6をPピクチャにする。
【0095】
動画像符号化装置は、このようにして、動画像の符号化の際に破綻が起こらないようにしている。
【0096】
ここで、エンコーダへのピクチャの入力(c)の復号動画像の特徴点情報として、各ピクチャのピクチャコーディングタイプと共に、そのピクチャから次のPピクチャまたはIピクチャまでのピクチャ数を記録しておくと良い。
【0097】
こうすれば、上述したようにエンコーダが、未来のMx枚のピクチャコーディングタイプを先読みする必要がなくなる。したがって、図6に示す動画像符号化装置の第5の例のように、図7に示した動画像符号化装置の第4の例におけるメモリ4及びメモリ5を省略することができる。
【0098】
この特徴点情報は、例えば、動画像信号のヘッダ情報においたり、ブランキングなどの画像信号の空き領域、すなわち有効画像信号でない領域に埋め込んだりすると良い。ブランキングに記録する場合には、ビデオインデックスが使用できる。
【0099】
エンコーダ2から出力されるビットストリームは、記録媒体10に記録される。この記録媒体10については後述する。
【0100】
続いて、動画像符号化方法の一連の工程について、図7を参照して説明する。
【0101】
最初のステップS21においては、入力されるMPEGビットストリームを復号動画像に復号すると共に、テンポラルリファレンス及びピクチャコーディングタイプを取り出す。
【0102】
ステップS21に続くステップS22においては、ビットストリームの特徴点情報としてのMの最大値に符号化の予測構造の変更を行い、ステップ21からの復号動画像、テンポラルリファレンス及びピクチャコーディングタイプに基づいて復号動画像を符号化したビットストリームを出力する。
【0103】
先に説明したように、予測構造を特徴点情報として与えられるMの最大値に応じて変更することにより、標準のMの値より大きいMのビットストリームが入力されても、ステップS2における符号化は破綻することはない。
【0104】
続いて、記録媒体10について説明する。
記録媒体10は、上述のエンコーダ2に特徴点情報と共に入力される画像信号について、上記特徴点情報であるMの最大値に応じて予測構造を変更された画像信号が符号化されたビットストリームが記録されてなるものである。
【0105】
この記録媒体10は、例えばCD−ROM等の光ディスクとして提供されるが、いわゆるマルチメディア通信回線を介して提供されることもある。
【0106】
上述のように、第2の実施の形態は、入力される復号動画像のMの値が基準値である標準のMの値を越える時、その部分の画像のピクチャの予想構造を上記基準値以下に変更して符号化を行うものである。
【0107】
このことにより、ビットストリームが出力されるまでの遅延量やエンコーダに必要なメモリ量が有限であるエンコーダ、特にM=3を標準値とする現在のエンコーダにも対応することができる。
【0108】
第3の実施の形態は、ビデオエンコードフォーマットの中で、Mの値の上限を規定するものである。
【0109】
これにより、エンコーダは、その最大のMでエンコードできる構成にしておき、エンコーダへ動画像信号が入力されてから、ビットストリームが出力されるまでの遅延量を、上記Mの最大値に対応するように設定すれば良い。
【0110】
ビットストリームが入力される場合には、動画像符号化装置は、図1に示した動画像符号化装置と同様に、デコーダ1、エンコーダ2及び多重化器4の構成からなり、同様の動作をなす。ただし、エンコーダ2へ入力される特徴点情報がMの値の上限となっている。
【0111】
この特徴点情報により、Mの値の上限で符号化ができるようにビットストリームへの遅延時間やメモリ量を設定しておくことにより、Mの値が変わる場合にも符号化が破綻しないようにすることができる。
【0112】
復号動画像が入力される場合には、動画像符号化装置は、図2に示した動画像符号化装置と同様に、分離器3及びエンコーダ2の構成からなり、同様の動作をなす。ただし、エンコーダ102に入力される特徴点情報がMの値の上限となっている。
【0113】
上記のように、この特徴点情報に応じて遅延時間やメモリ量を設定することにより、Mの値が変わる場合にも符号化が破綻しないようにすることができる。
【0114】
上述のように、本発明の第3の実施の形態は、Mの上限を特徴点情報としてエンコーダに与え、この特徴点情報に応じてビットストリームへの遅延量やメモリ量を設定することにより、Mの値が変わった場合にも符号化が破綻しないようにするものである。
【0115】
なお、上記Mの上限は特徴点情報としてエンコーダに与える必要は必ずしもなく、ビットストリーム規格として予め規定しておくこともできる。
【0116】
次に、動画像符号化装置におけるデコーダ1及びエンコーダ2の構造及び機能について簡単に説明する。
【0117】
デコーダ1は、図8に示すように、入力されるビットストリームを一時的に蓄えるバッファ11と、バッファ11から読みだしたビットストリームを可変長復号する可変長復号回路12と、可変長復号回路12からの信号を逆DCT変換する逆DCT回路13と、逆DCT回路13からの信号を逆量子化する逆量子化回路14と、逆量子化回路14及び動き補償回路18からの信号を加算する加算回路15とを有している。
【0118】
バッファ11は、入力されるビットストリームを一時的に蓄え、可変長復号回路12にて読み出される。可変長復号回路12は、バッファ11に蓄積されたビットストリームを読み出して可変長復号し、復号結果を逆DCT回路13に出力する。また可変長復号回路12は、テンポラルレファレンスをM算出回路18に与え、ピクチャタイプをこのデコーダ1全体及びM算出回路18に与える。逆DCT回路は、可変長復号回路12にて復号された信号に対して逆DCT変換を施して逆量子化回路14に出力する。逆量子化回路14は、逆DCT回路14にて逆DCT変換された信号に対して逆量子化を行い加算器15に出力する。加算回路15は、逆量子化回路14からの出力及び動き補償回路18からの出力を加算し、その結果をピクチャ順序並べ替え回路16及びフレームメモリ17に出力する。
【0119】
また、デコーダ1は、加算回路15からの信号を1フレーム蓄えるフレームメモリ17と、フレームメモリからの画像に動き補償を施す動き補償回路18と、加算回路15からの信号についてピクチャを並び替えて出力するピクチャ並び替え回路16とを有している。
【0120】
フレームメモリ17は、1フレームの画像信号を記憶するメモリであり、ここでは加算回路15からの出力を蓄え、動き補償回路18にて読み出される。動き補償回路18は、フレームメモリ17に記憶された画像に対して動き補償を行い、動き補償された画像を加算回路15に出力する。ピクチャ並べ替え回路は、加算回路15からの信号に基づいて、ピクチャを所定順序に並び替えた出力画像を出力する。
【0121】
さらに、可変長復号回路12から与えられるテンポラルレファレンス及びピクチャタイプに基づいてMを算出するM算出回路18と、M算出回路18からのM及びピクチャ並べ替え回路16からの出力画像に基づいてMを調整した画像信号を多重化して出力するマルチプレクサ19とを有している。
【0122】
M算出回路18は、可変長復号回路12から与えられるテンポラルレファレンス及びピクチャタイプに基づいてMを算出し、算出したMをマルチプレクサ19に与える。マルチプレクサ19では、M算出回路18からのMに応じて、ピクチャ並べ替え回路16からの出力信号に埋め込みを行って出力する。この埋め込みとしては、例えば画像信号のブランキング部分に埋め込むことにより行う。
【0123】
エンコーダ2は、図9に示すように、入力画像を1フレーム単位で蓄えるフレームメモリ21と、フレームメモリ21からの画像を動き予測する動き予測する動き予測回路22と、動き予測回路22からの信号についてピクチャ順序並べ替えを行うピクチャ順序並べ替え回路23と、ピクチャ順序並べ替え回路23からの信号から動き舗装回路33からの信号を減じる減算回路24とを有している。
【0124】
フレームメモリ21は入力信号を1フレーム毎に記憶し、動き予測回路22はフレームメモリ22から読みだしたピクチャについて動き予測を行い、ピクチャ並べ替え回路23にピクチャを、動き補償回路33に動きベクトル33を出力する。ピクチャ並べ替え回路23は動き予測回路23からのピクチャに並べ替えを施し、減算回路24に出力する。減算回路24は、ピクチャ並べ替え回路23からの出力から動き補償回路33からの出力を減じてその結果をDCT回路25に出力する。
【0125】
また、エンコーダ2は、減算回路24からの信号にDCTを施すDCT回路25と、DCT回路25からの信号を量子化する量子化回路26と、量子化回路からの信号を逆量子化する逆量子化回路29と、逆量子化回路29からの信号に逆DCTを施す逆DCT回路30と、逆DCT回路30からの信号及び動き補償回路33からの信号を加算する加算回路31と、加算回路31からの出力をフレーム単位で蓄積するフレームメモリ32と、フレームメモリ32からの信号に動き補償を行う動き補償回路33とを有している。
【0126】
DCT回路25は、減算回路24からの出力にDCT変換を施して量子化回路26に出力する。量子化回路26は、DCT回路25からの出力に量子化を施してその結果を可変長符号化回路27及び逆量子化回路29に出力する。逆量子化回路29は、量子化回路26の出力に逆量子化を施して逆DCT回路30に出力する。逆DCT回路30は、逆量子化回路29の出力に逆DCT変換を施してその結果を加算回路31に出力する。
【0127】
加算回路31は、逆DCT解度30及び動き補償回路33からの出力を加算し、その加算の結果をフレームメモリ32に入力する。フレームメモリ32は加算回路31からの出力を1フレーム毎に記憶し、動き補償回路33はフレームメモリ32から読み出したピクチャに対して動き補償を施し、その結果を加算回路31及び減算回路24に出力する。
【0128】
さらに、エンコーダ2は、量子化回路26からの信号を可変長符号化する可変長符号化回路27と、可変長符号化回路27からの信号を一時的に蓄積し、この蓄積されたビットストリームをビットストリームとして出力するバッファ28とを有している。
【0129】
可変長符号化回路27は、量子化回路26からの出力に可変長符号化を施してバッファ28に出力する。バッファ28は、可変長符号化回路27からの出力を一時的に記憶し、マルチプレクサ37により読み出される。
【0130】
そして、エンコーダ2は、テンポラルレファレンス及び特徴点情報に基づいてMを算出するM算出回路36と、M算出回路36からのM及びバッファ28からのビットストリームを多重化するマルチプレクサ37とを有している。
【0131】
M算出回路36は、テンポラルレファレンス及び特徴点情報に基づいてMを算出し、そのMをマルチプレクサ37に出力する。マルチプレクサ37は、バッファ28から読み出されたビットビットストリームについて、M算出回路36からのMを埋め込んで出力する。
【0132】
なお、本発明に係る動画像符号化装置及び方法は、上述のようなIピクチャ、Pピクチャ及びBピクチャからなるMPEG2規格の画像信号には限定されず、表示順序に従って後方を参照することなく復号する第1の符号化画像及び表示順序に従って後方を参照して復号する第2の符号化画像から構成される画像信号に適用することができる。
【0133】
また、上述のデコーダにおいてはM算出回路にて算出したMを画像信号に埋め込んだが、エンコーダにおいてはM算出回路にて算出してMをビットストリームに埋め込んだが、本発明はこれに限定されない。例えば、算出したMは別ファイルとして用意したり、メモリインカセットに記録することもできる。
【0134】
【発明の効果】
上述したように、本発明に係る動画像符号化装置は、MPEGビデオビットストリームを復号して、その復号動画像を再びMPEG符号化する場合に、上記MPEG符号化を行うエンコーダへ動画像信号が入力されてからビットストリームが出力されるまでの遅延量の決定、およびエンコーダに必要なフレームメモリ量の決定、および、およびピクチャの画像間予測符号化方法の制御に役立つ。
【0135】
また、本発明に係る動画像符号化方法は、MPEGビデオビットストリームを復号して、その復号動画像を再びMPEG符号化する場合に、上記MPEG符号化を行うエンコーダへ動画像信号が入力されてからビットストリームが出力されるまでの遅延量の決定、およびエンコーダに必要なフレームメモリ量の決定、および、およびピクチャの画像間予測符号化方法の制御に役立つ。
【0136】
上述したように、本発明に係る記録媒体は、第1の符号化画像の間隔が所定の基準値を越えないように画像信号が符号化されたビットストリームが記録されてなるので、上記間隔が標準値の装置に対しても適合する。
【図面の簡単な説明】
【図1】動画像符号化装置の第1の例のブロック図である。
【図2】動画像符号化装置の第2の例を示すブロック図である。
【図3】動画像符号化方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図4】動画像符号化装置の第3の例を示すブロック図である。
【図5】動画像符号化装置の第4の例を示すブロック図である。
【図6】動画像符号化装置の第5の例を示すブロック図である。
【図7】動画像符号化方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図8】デコーダの構造を概略的に示すブロック図である。
【図9】エンコーダの構造を概略的に示すブロック図である。
【図10】符号化された各ピクチャを説明する図である。
【図11】従来の動画像符号化装置の第1の例を示す図である。
【図12】従来の動画像符号化装置の第2の例を示す図である。
【符号の説明】
1 デコーダ、2 エンコーダ、3 分離器、7 多重化器、10 記録媒体

Claims (18)

  1. 表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを復号した画像信号並びに上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を入力される動画像符号化装置であって、
    上記ビットストリームにおける各符号化画像の符号化型と一致するように上記画像符号化型に基づいて上記画像信号を上記第1の符号化画像及び第2の符号化画像からなるビットストリームに符号化する際に、上記第1の符号化画像信号の間隔が基準値を越えるとき、直前の上記第1の符号化画像信号から上記基準値の範囲内の位置の上記第2の符号化画像を上記第1の符号化画像に変更して符号化する符号化手段
    を有することを特徴とする動画像符号化装置。
  2. 表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを画像信号に復号すると共に、上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を取り出す復号手段を有し、
    上記符号化手段は上記復号手段からの画像信号及び画像符号化型に基づいて上記画像信号をビットストリームに符号化すること
    を特徴とする請求項1記載の動画像符号化装置。
  3. 上記第1の符号化画像は画像内符号化画像及び表示順序に従った順方向予測符号化画像であり、上記第2の符号化画像は表示順序に従った双方向予測符号化画像であり、上記画像符号化型はピクチャコーディングタイプであることを特徴とする請求項1記載の動画像符号化装置。
  4. 表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを復号した画像信号並びに上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を入力される動画像符号化方法であって、
    上記ビットストリームにおける各符号化画像の符号化型と一致するように上記画像符号化型に基づいて上記画像信号を上記第1の符号化画像及び第2の符号化画像からなるビットストリームに符号化する際に、上記第1の符号化画像信号の間隔が基準値を越えるとき、直前の上記第1の符号化画像信号から上記基準値の範囲内の位置の上記第2の符号化画像を上記第1の符号化画像に変更して符号化する符号化工程
    を有することを特徴とする動画像符号化方法。
  5. 表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームであって、このビットストリームにおける上記第1の符号化画像の間隔の最大値を特徴点情報として有するビットストリームを復号した画像信号及び上記特徴点情報並びに上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を入力される動画像符号化装置であって、
    上記ビットストリームにおける符号化画像の符号化型と一致するように上記画像符号化型に基づいて上記画像信号を上記第1の符号化画像及び第2の符号化画像からなるビットストリームに符号化する符号化手段を有し、
    上記符号化手段は、上記画像信号が入力されてから上記ビットストリームが出力されるまでの遅延量や符号化に必要なメモリ量を、上記特徴点情報の上記最大値に対応させて制御すること
    を特徴とする動画像符号化装置。
  6. 表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームであって、このビットストリームにおける上記第1の符号化画像の間隔の最大値を特徴点情報として有するビットストリームを復号して画像信号及び特徴点情報とすると共に、上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を取り出す復号手段を有し、
    上記符号化手段は上記復号手段からの画像信号及び特徴点情報並びに画像符号化型に基づいて上記画像信号をビットストリームに符号化すること
    を特徴とする請求項5記載の動画像符号化装置。
  7. 上記第1の符号化画像は画像内符号化画像及び表示順序に従った順方向予測符号化画像であり、上記第2の符号化画像は表示順序に従った双方向予測符号化画像であり、上記画像符号化型はピクチャコーディングタイプであることを特徴とする請求項5記載の動画像符号化装置。
  8. 表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームであって、このビットストリームにおける上記第1の符号化画像の間隔の最大値を特徴点情報として有するビットストリームを復号した画像信号及び上記特徴点情報並びに上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を入力される動画像符号化方法であって、
    上記ビットストリームにおける符号化画像の符号化型と一致するように上記画像符号化型に基づいて上記画像信号を上記第1の符号化画像及び第2の符号化画像からなるビットストリームに符号化する符号化工程を有し、
    上記符号化工程では、上記画像信号が入力されてから上記ビットストリームが出力されるまでの遅延量や符号化に必要なメモリ量を、上記特徴点情報の上記最大値に対応させて制御すること
    を特徴とする動画像符号化方法。
  9. 表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを復号した画像信号並びに上記ビットストリームにおける画像が上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する画像符号化型を符号化したビットストリームを出力する動画像符号化方法であって、
    上記ビットストリームにおける符号化画像の符号化型と一致するように上記画像符号化型に基づいて上記画像信号を上記第1の符号化画像及び第2の符号化画像からなるビットストリームに符号化すると共に、上記第1の符号化画像信号の間隔の最大値を特徴点情報として符号化する符号化工程
    を有することを特徴とする動画像符号化方法。
  10. 表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを入力される動画像復号装置であって、
    上記ビットストリームを画像信号に復号する復号手段と、
    上記ビットストリームにおける上記第1の符号化画像の間隔の最大値を特徴点情報として出力する特徴点情報出力手段と
    を有することを特徴とする動画像復号装置。
  11. 上記第1の符号化画像は画像内符号化画像及び表示順序に従った順方向符号化画像であり、上記第2の符号化画像は表示順序に従った双方向予測符号化画像であることを特徴とする請求項10記載の動画像復号装置。
  12. 上記特徴点情報は、画像信号に多重化してあることを特徴とする請求項10の動画像復号装置。
  13. 上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する符号化型は、上記画像信号の垂直ブランキングに記録されることを特徴とする請求項12記載の動画像復号装置。
  14. 表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを入力される動画像復号方法であって、
    上記ビットストリームを画像信号に復号する復号工程と、
    上記ビットストリームにおける上記第1の符号化画像の間隔の最大値を特徴点情報として出力する特徴点情報出力工程と
    を有することを特徴とする動画像復号方法。
  15. 表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを入力される動画像復号装置であって、
    上記ビットストリームを画像信号に復号する復号手段と、
    上記復号手段にて上記ビットストリームを復号する際に、復号に係る当該画像から表示順序に次の第1の符号化画像までの距離を特徴点情報として出力する特徴点情報手段と
    を有することを特徴とする動画像復号装置。
  16. 上記第1の符号化画像は画像内符号化画像及び表示順序に従った順方向符号化画像であり、上記第2の符号化画像は表示順序に従った双方向予測符号化画像であることを特徴とする請求項15記載の動画像復号装置。
  17. 上記第1の符号化画像又は上記第2の符号化画像のいずれであるかを区別する符号化型は、上記画像信号の垂直ブランキングに記録されることを特徴とする請求項15記載の動画像復号装置。
  18. 表示順序に従った後方を参照することなく復号される第1の符号化画像及び表示順序に従った後方を参照して復号される第2の符号化画像からなるビットストリームを入力される動画像復号方法であって、
    上記ビットストリームを画像信号に復号する復号工程と、
    上記ビットストリームにおける上記第1の符号化画像の間隔の最大値を特徴点情報として出力する特徴点情報出力工程と
    を有することを特徴とする動画像復号方法。
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