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JP4192876B2 - バッテリ充電装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンにより駆動される交流発電機の整流出力でバッテリを充電するバッテリ充電装置に関するものである。
エンジンにより駆動される車両に搭載されるバッテリ充電装置は、エンジンにより駆動される交流発電機の出力が入力される入力端子と、正極側及び負極側の出力端子と、入力端子に与えられた交流電圧を整流して設定値を超えないように調整された直流電圧を正極側出力端子と負極側出力端子との間に出力する電圧調整機能付きの整流電源回路とを備えていて、整流電源回路の出力電圧でバッテリを充電するようにしている。
最近のエンジン駆動車両においては、バッテリにより駆動される電装品負荷が多くなっているため、エンジン始動用電動機を駆動するメインバッテリの外にサブバッテリを設けて、電装品負荷の増大に対処し得るようにしている。この種の車両に搭載するバッテリ充電装置は、メインバッテリとサブバッテリとの双方を充電することが要求される。
メインバッテリとサブバッテリとを充電し得るようにしたバッテリ充電装置としては、特許文献1や特許文献2に示されたものが知られている。これらの特許文献に示されたバッテリ充電装置では、メインバッテリの正極端子と発電機の出力端子との間及びサブバッテリの正極端子と発電機の出力端子との間にそれぞれカソードをバッテリ側に向けた別個のダイオードを接続して、メインバッテリとサブバッテリとを分離していた。
特開平2−276428号公報 特開平9−46919号公報
従来のバッテリ充電装置においては、機関始動用電動機を負荷として含むメインバッテリと、他の負荷を駆動するサブバッテリとの間をダイオードにより完全に分離して、メインバッテリにより機関始動用電動機を駆動するようにしていたため、メインバッテリが消耗したときに、サブバッテリが正常であっても機関を始動することができなくなるという問題があった。
本発明の目的は、メインバッテリの消耗によりエンジンを始動することができなくなったり、メインバッテリの負荷を駆動することができなくなったりするのを防ぐことができるようにしたバッテリ充電装置を提供することにある。
本発明は、エンジンにより駆動される交流発電機の出力が入力される入力端子と正極側及び負極側の出力端子と入力端子に与えられた交流電圧を整流して設定値を超えないように調整された直流電圧を正極側出力端子と負極側出力端子との間に出力する回路とを有する電圧調整機能付きの整流電源回路を備えて、該整流電源回路の出力でメインバッテリとサブバッテリとを充電するバッテリ充電装置に適用される。
本発明においては、補助出力端子と、整流電源回路の正極側出力端子にドレインが接続され、ソースが補助出力端子に接続されたNチャンネル型のMOSFETと、MOSFETのゲートとドレインとの間に接続された第1の抵抗器と、MOSFETのゲートと整流電源回路の負極側出力端子との間に第2の抵抗器を通して接続されたFET駆動用スイッチと、交流発電機が出力を発生したときにFET駆動用スイッチに駆動信号を与えて該FET駆動用スイッチをオン状態にするFET駆動用スイッチ駆動回路とが設けられる。メインバッテリはエンジンの始動用電動機を駆動するバッテリで、整流電源回路の正極側出力端子と負極側出力端子との間にメインバッテリが接続され、補助出力端子と整流電源回路の負極側出力端子との間にサブバッテリが接続される。
上記のように構成すると、交流発電機が出力を発生しているときには、整流電源回路の出力でメインバッテリを充電すると同時に、整流電源回路からMOSFETを通してサブバッテリを充電することができる。またメインバッテリが消耗したときには、サブバッテリからMOSFETの寄生ダイオードを通してメインバッテリを充電して、メインバッテリを回復させることができるため、メインバッテリの消耗によりエンジンを始動できなくなる事態が生じるのを防ぐことができる。更に、エンジンが停止していて交流発電機が出力を停止しているときには、MOSFETがオフ状態になり、かつMOSFETの寄生ダイオードによりメインバッテリがサブバッテリ側に放電するのが阻止されるため、メインバッテリが消耗するのを防ぐことができる。
上記のように、整流電源回路の正極側出力端子にドレインが接続され、ソースが補助出力端子に接続されたNチャンネル型のMOSFETを、正極側出力端子と補助端子との間に設けると、MOSFETのドレインソース間に形成されている寄生ダイオードをアイソレータ構成用ダイオードとして用いることができるため、構成を簡単にすることができる。
以上のように、本発明によれば、メインバッテリが消耗したときに、サブバッテリからMOSFETの寄生ダイオードを通してメインバッテリを充電してメインバッテリを回復させることができるので、メインバッテリの消耗によりエンジンの始動ができなくなる事態が生じるのを防ぐことができる。
またメインバッテリが正常であるときには、MOSFETの寄生ダイオードにより、メインバッテリがサブバッテリ側の回路を通して放電するのを防止できるため、エンジンが停止しているときにメインバッテリが消耗するのを防ぐことができる。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係わるバッテリ充電装置の好ましい構成例を示したもので、同図において1は図示しないエンジンにより駆動される磁石式交流発電機、2は交流発電機1の出力が入力される入力端子2u,2v及び2wと、正極側及び負極側の出力端子2a及び2bと、入力端子2u〜2wに与えられた交流電圧を整流して設定値を超えないように調整された直流電圧を正極側出力端子2aと負極側出力端子2bとの間に出力する回路とを有する電圧調整機能付きの整流電源回路、3はメインバッテリ、4はサブバッテリである。メインバッテリ3には電源スイッチ5を通してメイン負荷6が接続され、サブバッテリ4には電源スイッチ7を通してサブ負荷8が接続されている。メイン負荷6には、エンジン始動用電動機の外、エンジンを点火する点火装置、エンジンに燃料を供給する燃料噴射装置、点火装置や燃料噴射装置を制御する電子式制御ユニット(ECU)など、エンジンを運転するために駆動することが必須の電装品負荷が含まれている。サブ負荷8には、適宜の負荷、例えば、オプションで車両に取り付けられる各種の負荷が含まれている。
整流電源回路2は、カソードが共通接続されたダイオードDu,Dv及びDwと、ダイオードDu,Dv及びDwのアノードにカソードがそれぞれ接続され、アノードが共通接続されたダイオードDx,Dy及びDzとからなるダイオードブリッジ全波整流回路2Aと、この整流回路のブリッジの下辺を構成するダイオードDx,Dy及びDzにそれぞれ逆並列接続された出力短絡用サイリスタTh1,Th2及びTh3と、サイリスタTh1〜Th3を制御する制御回路2Bとからなっている。整流回路2Aを構成するダイオードDu,Dv及びDwのそれぞれのアノードとダイオードDx,Dy及びDzのそれぞれのカソードとの接続点から整流電源回路2の入力端子2u,2v及び2wが引き出され、ダイオードDu,Dv及びDwのカソードの共通接続点及びダイオードDx,Dy及びDzのアノードの共通接続点からそれぞれ整流電源回路2の正極側出力端子2a及び負極側出力端子2bが引き出されている。入力端子2u,2v及び2wは、磁石式交流発電機1に設けられて星形結線された3相の電機子コイルLu,Lv及びLwの非中性点側の端子に接続されている。
制御回路2Bは出力端子2a,2b間の電圧が設定値を超えないようにサイリスタTh1ないしTh3を制御する回路で、図示の制御回路2Bは、正極側出力端子2aにエミッタが接続され、コレクタが抵抗器R1ないしR3を通してサイリスタTh1ないしTh3のゲートにそれぞれ接続されたPNPトランジスタTR1と、サイリスタTh1ないしTh3のゲートカソード間にそれぞれ並列接続された抵抗器R4ないしR6と、トランジスタTR1のエミッタベース間に接続された抵抗器R7と、トランジスタTR1のベースにカソードが接続されたツェナーダイオードZD1と、ツェナーダイオードZD1のアノードと負極側出力端子2bとの間に接続された抵抗器R8とからなっている。
図示の整流電源回路2においては、出力短絡用サイリスタTh1ないしTh3と制御回路2Bとにより出力短絡式のレギュレータが構成されている。この整流電源回路2の動作は次の通りである。
ダイオードDuないしDw及びDxないしDzからなる整流回路2Aは、発電機1が出力する交流電圧を直流電圧に変換して出力端子2a,2b間から出力する。出力端子2a,2b間の電圧が設定値を超えると、ツェナーダイオードZD1がオン状態になるため、トランジスタTR1にベース電流が流れて該トランジスタTR1がオン状態になる。トランジスタTR1がオン状態になると出力端子2a側からトランジスタTR1と抵抗器R1ないしR3とを通してサイリスタTh1ないしTh3のゲートにトリガ信号が与えられるため、これらのサイリスタのうち、アノードの電位がカソードの電位よりも高くなっているものがオン状態になり、オン状態になっているサイリスタと整流回路のブリッジの下辺を構成するダイオードDxないしDzのいずれかとを通して発電機1の出力が短絡される。これにより発電機1の出力電圧が低下させられ、出力端子2a,2b間の電圧が低下させられる。出力端子2a,2b間の電圧が前記設定電圧よりも低くなるとトランジスタTR1がオフ状態になるため、サイリスタTh1ないしTh3へのトリガ信号の供給が停止する。サイリスタTh1ないしTh3は、それぞれのアノード電流が保持電流未満になった時点でオフ状態になり、発電機1の出力の短絡が解除される。これにより発電機1の出力電圧が上昇し、出力端子2a,2b間の電圧が上昇する。これらの動作の繰り返しにより、出力端子2a,2b間の電圧が設定値を超えないように制御され、発電機1の出力電圧が設定値を超えている状態では、出力端子2a,2b間の電圧がほぼ設定値付近に保たれる。
本発明においては、サブバッテリを接続するための補助出力端子2cが設けられ、この補助出力端子と整流電源回路の正極側出力端子2aとの間に充電制御用スイッチ10が接続されている。図示の例では、Nチャンネル型のMOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)F1により充電制御用スイッチ10が構成されていて、該MOSFETのドレインが正極側出力端子2aに、ソースが補助出力端子2cにそれぞれ接続されている。この例では、MOSFET F1のドレインソース間に形成されている寄生ダイオードDpが、アノードを補助出力端子2c側に向けた状態で充電制御用スイッチ10に対して並列に設けられるアイソレータ構成用ダイオードとして用いられている。
またMOSFET F1のゲートとドレインとの間に第1の抵抗器R9が接続され、MOSFETのゲートと整流電源回路の負極側出力端子との間に第2の抵抗器器R10を通してFET駆動用スイッチ11が接続されている。図示のFET駆動スイッチ11は、抵抗rbを通してベース端子が導出され、ベースエミッタ間に抵抗rbeが接続されたNPNトランジスタTR2からなっていて、このトランジスタTR2のコレクタが第2の抵抗器R10を通してMOSFETのゲートに接続され、エミッタが整流電源回路の負極側出力端子2bに接続されている。トランジスタTR2のベース端子にダイオードD1ないしD3のカソードが共通接続され、ダイオードD1ないしD3のアノードがそれぞれ整流電源回路の入力端子2uないし2wに接続されている。トランジスタTR2のベース端子と負極側出力端子2bとの間に平滑用コンデンサC1が接続されている。
この例では、ダイオードD1ないしD3とコンデンサC1とにより、交流発電機が出力を発生しているときにFET駆動用スイッチ11に駆動信号を与えて該FET駆動用スイッチをオン状態にするFET駆動用スイッチ駆動回路が構成され、このFET駆動用スイッチ駆動回路と、FET駆動用スイッチ11とにより、整流電源回路2の入力端子2uないし2w間に交流電圧が与えられているときに充電制御用スイッチ10に駆動信号を与えて該充電制御用スイッチをオン状態にする充電制御用スイッチ駆動回路が構成されている。またこの充電制御用スイッチ駆動回路と、充電制御用スイッチ10とにより、バッテリアイソレータ回路12が構成され、このバッテリアイソレータ回路12と整流電源回路2とによりバッテリ充電装置が構成されている。
本発明においては、メインバッテリ3が整流電源回路2の正極側出力端子2aと負極側出力端子2bとの間に接続され、サブバッテリ4が補助出力端子2cと負極側出力端子2bとの間に接続される。
上記のバッテリ充電装置において、交流発電機1が出力を発生していないときには、トランジスタTR2にベース電流が与えられないため、該トランジスタTR2がオフ状態にあり、MOSFET F1がオフ状態にある。この状態では、メインバッテリ3とサブバッテリ4との間にアイソレータ構成用ダイオードDpが存在するため、メインバッテリ3からサブバッテリ4側に電流が流れることはないが、メインバッテリ3が消耗していて、メインバッテリ3の両端の電圧がサブバッテリ4の両端の電圧よりも低い場合には、サブバッテリ4からダイオードDpを通してメインバッテリ3に充電電流が流れ、メインバッテリ3が充電される。従って、エンジンを停止した時点でメインバッテリ3が消耗している場合、或いはエンジンの停止中にメイン負荷6が投入されてメインバッテリ3が消耗した場合に、次のエンジンの始動に備えて該メインバッテリ3の電圧を回復させることができる。
またエンジンが運転されていて、交流発電機1が出力を発生しているときには、トランジスタTR2にベース電流が流れて該トランジスタがオン状態になり、これによりMOSFE F1に駆動信号が与えられてMOSFET(充電制御用スイッチ10)がオン状態になるため、整流電源回路2の出力でメインバッテリ3が充電されるとともに、サブバッテリ4が充電される。
上記のように、本発明においては、サブバッテリを接続するための補助出力端子を設けて、この補助出力端子と整流電源回路の正極側出力端子との間に、発電機が出力を発生しているときにオン状態になる充電用スイッチを設けるとともに、アノードを補助出力端子側に向けたアイソレータ構成用ダイオードを充電制御用スイッチに対して並列に設けて、整流電源回路の出力端子間にメインバッテリを接続し、補助出力端子と整流電源回路の負極側出力端子との間にサブバッテリを接続するようにしたので、メインバッテリが消耗したときに、サブバッテリからアイソレータ構成用ダイオードを通してメインバッテリを充電してメインバッテリを回復させることができる。従って、メインバッテリの消耗によりエンジンの始動ができなくなる事態が生じるのを防ぐことができる。
上記の実施形態では、充電制御用スイッチ10をMOSFETにより構成したが、トランジスタやリレーなどの他のオンオフ制御が可能なスイッチ素子により充電制御用スイッチを構成することもできる。MOSFET以外のスイッチ素子(寄生ダイオードを有しないスイッチ素子)により充電制御用スイッチを構成する場合には、該スイッチ素子に対して並列に、補助出力端子2c側にアノードを向けたアイソレータ構成用ダイオードを接続する。
整流電源回路の入力端子間に交流電圧が与えられているときに充電制御用スイッチに駆動信号を与えて該充電制御用スイッチをオン状態にする充電制御用スイッチ駆動回路の構成は、上記の例に示したものに限られるものではなく、充電制御用スイッチ10を構成するスイッチ素子に応じて適宜の構成をとることができる。
上記の実施形態では、整流電源回路2として、出力短絡式のレギュレータを備えたものを用いたが、整流電源回路は、出力電圧が設定値を超えないように制御するレギュレータ機能を備えたものであればよく、上記のものに限定されない。例えば、ダイオードとサイリスタとの混合ブリッジ回路からなる制御整流回路を設けて、該制御整流回路のサイリスタの導通角を制御することにより出力電圧が設定値を超えないように制御するようにした整流電源回路を用いることもできる。また交流発電機1として励磁式の同期発電機が用いられる場合には、発電機の出力を整流する整流回路と、整流回路の出力が設定値を超えないように、発電機の励磁電流を制御する回路とにより整流電源回路を構成することができる。
上記の実施形態では、サブバッテリ4が1つだけ設けられているが、サブバッテリが複数個設けられる場合にも本発明を適用することができる。サブバッテリを複数個設ける場合には、サブバッテリの数だけ補助出力端子を設けて、各補助出力端子と整流電源回路の正極側出力端子との間に、発電機が出力を発生しているときにオン状態になる充電用スイッチを設けるとともに、アノードを各補助出力端子側に向けたアイソレータ構成用ダイオードを各充電制御用スイッチに対して並列に接続し、各補助出力端子と整流電源回路の負極側出力端子との間に各サブバッテリを接続する。この場合充電制御用スイッチ駆動回路は、複数の充電制御用スイッチに対して共通に設けてもよく、複数の充電制御用スイッチに対して個別に設けてもよい。
本発明の実施形態を示した回路図である。
符号の説明
1 交流発電機
2 整流電源回路
3 メインバッテリ
4 サブバッテリ
6 メイン負荷
8 サブ負荷
10 充電制御用スイッチ
11 FET駆動用スイッチ
F1 MOSFET
Dp 寄生ダイオード(アイソレータ構成用ダイオード)

Claims (1)

  1. エンジンにより駆動される交流発電機の出力が入力される入力端子と正極側及び負極側の出力端子と前記入力端子に与えられた交流電圧を整流して設定値を超えないように調整された直流電圧を前記正極側出力端子と負極側出力端子との間に出力する回路とを有する電圧調整機能付きの整流電源回路を備えて、前記整流電源回路の出力でメインバッテリとサブバッテリとを充電するバッテリ充電装置において、
    補助出力端子と、前記整流電源回路の正極側出力端子にドレインが接続され、ソースが前記補助出力端子に接続されたNチャンネル型のMOSFETと、前記MOSFETのゲートとドレインとの間に接続された第1の抵抗器と、前記MOSFETのゲートと前記整流電源回路の負極側出力端子との間に第2の抵抗器を通して接続されたFET駆動用スイッチと、前記交流発電機が出力を発生したときに前記FET駆動用スイッチに駆動信号を与えて該FET駆動用スイッチをオン状態にするFET駆動用スイッチ駆動回路とを具備し、
    前記メインバッテリは前記エンジンの始動用電動機を駆動するバッテリであり、
    前記整流電源回路の正極側出力端子と負極側出力端子との間に前記メインバッテリが接続され、前記補助出力端子と前記整流電源回路の負極側出力端子との間に前記サブバッテリが接続されること、
    を特徴とするバッテリ充電装置。
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