JP4192604B2 - コイル部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル機器のノイズ除去に使用されるコモンモードチョークコイルあるいはインダクタ等のコイル部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル機器のノイズ除去に用いられる電子部品として、インダクタやコモンモードチョークコイルが1つのチップ内に複数形成された、いわゆるアレイタイプのものが広く利用されている。アレイタイプとすることで、インダクタやコモンモードチョークコイルの高密度実装が可能となるが、近年、このようなアレイタイプのコイル部品に対して、益々小型化が要望されるようになっている。
【0003】
アレイタイプのコイル部品の例としては、特開平8−138937号公報に示すコモンモードチョークコイルアレイがある。前記コモンモードチョークコイルアレイは、絶縁性体層とコイル導体層の積層により、2つのコイルが磁気的に結合したいわゆるバイファイラ構造のコモンモードチョークコイルが形成され、前記コモンモードチョークコイルが前記積層方向と垂直な方向に2つ配置されることによりアレイタイプのコイル部品を構成するものである。アレイタイプとすることでコモンモードチョークコイルの高密度実装が可能である。
【0004】
図4は、このような構造のコモンモードチョークコイルアレイの例(上面図)である。コイル20a及びコイル20bは、それぞれ異なるコモンモードチョークコイルを構成し、積層方向と垂直な方向に互いに隣接している。
【0005】
また、他の例として、特開平11−16738号公報に示すチップインダクタアレイがある。前記チップインダクタアレイは、複数のコイル素子が磁気遮蔽金属部材を介して積層方向に積み重ねされるタイプのものである。このチップインダクタアレイは、複数のコイル素子が積層シートの面方向に隣接して配置される構造に比べ、積層シートの面方向でコイルが占める面積を広くとることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−138937号公報
【特許文献2】
特開平11−16738号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図4に示すように、前記コイル20aとコイル20bの間で、互いに近接かつ対向しあうコイル導体辺が平行に配置される。このとき、コイル20aにおいてコイル20bに近接するコイル導体辺に流れる電流がつくる磁束21が、コイル20bに達することにより、両コイル間でクロストークが発生する。このクロストークは信号の伝達、及びノイズ除去にとって有害であり、これを回避するためには、前記両コイル間の距離を離す必要がある。このため、チップ内でコイルパターンが占有できる面積が狭くなり、コイルが取得できるインダクタンス、インピーダンスが低く制限されるという問題があった。
【0008】
一方、特開平11−16378号公報に示されるチップインダクタアレイは、コイル間に磁束を遮蔽する層が形成されることにより、互いに隣接しあうコイル間で及ぼし合う磁気的な影響を低減できるが、各コイルがつくる磁束が遮蔽されるため、特性劣化が避けられない。
【0009】
本発明では、上述の問題を解決することにより、複数のコイルを備えたアレイタイプのコイル部品において、小型化による特性の低下を防ぐことが可能な構造を実現することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を達成するため、本発明のコイル部品は、絶縁体層が積層されてなる積層体の内部で複数のコイルが前記積層方向と垂直な方向に隣接して配置され、前記コイルは直線状導体より構成される略うず形状または略らせん形状を有し、隣接しあう前記コイル間において、前記絶縁体層の同一面上で近接かつ対向しあう前記直線状導体が、その延長線上で略直交することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のコイル部品は、絶縁体層が積層されてなる積層体の内部で複数のコイルが前記積層方向に配置されてなるコモンモードチョークコイルが、前記積層方向と垂直な方向に複数隣接して配置され、前記コイルは直線状導体より構成される略うず形状または略らせん形状を有し、隣接しあう前記コモンモードチョークコイル間において、前記絶縁体層の同一面上で近接かつ対向しあう前記直線状導体が、その延長線上で略直交することを特徴とする。
【0012】
このような構成とすることで、互いに隣接しあう一方のコイルに流れる電流により生じた磁束のうち、他方のコイルに到達する磁束が低減するため、両コイル間のクロストークの低減によりコイル部品の性能が向上する。また、クロストークの低減により隣接しあうコイル間の距離を縮めることが可能となるため、コイルが占有する面積を広くとれ、コイル部品の特性が向上する。
【0013】
また、前記絶縁体層が非磁性体よりなり、前記積層体の積層方向の両端に磁性体層が形成されることを特徴とする。
【0014】
このような構成とすることで、前記コイルは略閉磁路構造の内部に配置されるため、コイルのインダクタンス、インピーダンスが向上する。また、コモンモードチョークコイルを構成するコイル間で、高い結合度が得られる。
【0015】
また、前記コイル部品において、近接かつ対向しあう前記直線状導体が、前記各コイルにおいて、中央で略直角に屈曲した「く」の字型の形状を構成することを特徴とする。
【0016】
このような構成とすることで、前記コイルの巻軸に垂直な面上で前記コイルが占有する面積を広くとれるため、コイル部品の性能が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づき説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態によるコイル部品の外観斜視図である。図2は、前記コイル部品の分解斜視図である。また、図3は、前記コイル部品の上面図である。前記コイル部品は、一つのチップ内に二つのコモンモードチョークコイルを備えたコモンモードチョークコイルアレイである。
【0019】
図1に示すように、コモンモードチョークコイルアレイ1は、回路積層体(図示せず)が磁性体基板2a及び磁性体基板2bに挟み込まれた構造の部品素体の外表面に、外部電極3a〜3hが形成されたものである。
【0020】
図2に示すように、前記回路積層体は非磁性の絶縁体層4a〜4eと接着層5が積層されてなる。
【0021】
絶縁体層4b上にはコイル導体6a〜6fが、絶縁体層4c上にはコイル導体6g、6hが、絶縁体層4d上にはコイル導体6i〜6nが、絶縁体層4e上にはコイル導体6o、6pがそれぞれ形成される。
【0022】
前記コイル導体6aの一方の端部は絶縁体層4b上に形成されたスルーホール8を介して絶縁体層4c上のコイル導体6gの途上に接続され(二点鎖線参照)、他方の端部は絶縁体層4bの片側縁に形成された引き出し部7aに接続される。また、コイル導体6bの両端は絶縁体層4bに形成されたスルーホール8を介してコイル導体6gの途上にそれぞれ接続される(二点鎖線参照)。また、コイル導体6cの一方の端部は絶縁体層4bに形成されたスルーホール8を介してコイル導体6gの途上に接続される(二点鎖線参照)。前記コイル導体6cの他方の端部は、絶縁体層4bの片側縁に形成された引き出し部7bに接続されるとともに、スルーホール8を介して絶縁体層4cの片側縁に形成された引き出し部7fに接続される(二点鎖線参照)。また、コイル導体6cの途上に接して形成されたスルーホール接続用パッド9aと、コイル導体6gの途上に接して形成されたスルーホール接続用パッド9cが、絶縁体層4bに形成されたスルーホール(図示せず)を介して接続される(二点鎖線参照)。また、コイル導体6gの一方の端部に接続するように、引き出し部7eが形成される。
【0023】
このようにコイル導体6a、6b、6c、6gは計6ヶ所のスルーホールを介して接続され、図3に示すコイル10aを構成する。そして、前記引き出し部7a、7eは図3に示す外部電極3cに接続され、前記引き出し部7b、7fは外部電極3dに接続される。
【0024】
前記コイル10aは、絶縁体層4b上に形成されたコイルと、絶縁体層4c上に形成されたコイルが、近接するスルーホール間で導体の一部を共有しつつ、外部電極間で並列接続された構造を有する(図5の模式図を参照)ため、コイルが一つである場合に比べてコイル導体の断面積が2倍となり導体抵抗が低減し、特性が向上する。さらに、絶縁体層4b上のコイル導体6a〜6cと絶縁体層4c上のコイル導体6gが近接して配置されることで上下層のコイルが結合し、インダクタンスの低下も抑えられる。なお、このような上下層のコイル間の結合を得るには、絶縁体層4bの厚みが1〜3μmであることが好ましい。
【0025】
上述と同様に、コイル導体6d、6e、6f、6hが、絶縁体層4bに形成された計6箇所のスルーホール、コイル導体6fの途上に接して形成されるスルーホール接続用パッド9b及びコイル導体6hの途上に接して形成されるスルーホール接続用パッド9dを介して互いに接続され、図3に示すコイル10bを構成する。そして、コイル導体6d、6hにそれぞれ接続する引き出し部7c、7gが図3に示す外部電極3eに接続され、コイル導体6fに接続する引き出し部7d、7hが外部電極3fに接続される。
【0026】
また、コイル導体6i、6j、6k、6oが、絶縁体層4dに形成された計6箇所のスルーホール、コイル導体6kに接して形成されるスルーホール接続用パッド9e及びコイル導体6oに接して形成されるスルーホール接続用パッド9gを介して互いに接続され、図3に示すコイル10cを構成する。そして、コイル導体6i、6oにそれぞれ接続する引き出し部7i、7mが図3に示す外部電極3aに接続され、コイル導体6fに接続する引き出し部7j、7nが外部電極3bに接続される。
【0027】
また、コイル導体6l、6m、6n、6pが、絶縁体層4dに形成された計6箇所のスルーホール、コイル導体6nに接して形成されるスルーホール接続用パッド9f及びコイル導体6pに接して形成されるスルーホール接続用パッド9hを介して互いに接続され、図3に示すコイル10dを構成する。そして、コイル導体6l、6pにそれぞれ接続する引き出し部7k、7oが図3に示す外部電極3gに接続され、コイル導体6nに接続する引き出し部7l、7pが外部電極3hに接続される。
【0028】
前記コイル10b、10c、10dは、上述したコイル導体10aと同様、上下の絶縁体層にそれぞれ形成されたの2つのコイルが導体の一部を共有つつ並列接続された構造を有する。
【0029】
そして、前記コイル10aと前記コイル10cは、積層方向に近接して配置されることにより電磁気的に結合し、第一のコモンモードチョークコイルを構成する。また、前記コイル10bと前記コイル10dも、積層方向に近接して配置されることにより電磁気的に結合し、第二のコモンモードチョークコイルを構成する。そして、前記第一のコモンモードチョークコイルと第二のコモンモードチョークコイルは、積層方向と垂直な方向に隣接して配置される。このようにして、コモンモードチョークコイルアレイ1が構成される。
【0030】
上述のコモンモードチョークコイルアレイ1において、各絶縁体層4b〜4eに形成されるコイル導体の形状は、他のコイル導体と共用する部分及び引き出し部を除いて、同一の形状を有している。その形状は図3に示されるコイル10a(10c)、コイル10b(10d)の通りであって、直線状導体より構成された略うず形状かつ略5角形状を有する。そして、コイル10aとコイル10bの間で、互いに近接かつ対向しあう直線状導体が、その延長線上で略直交するように形成される。すなわち、略5角形状のコイル10aを構成する辺Aの延長線と、同じく略5角形状のコイル10bを構成する辺Cの延長線が略直交し、コイル10aの辺Bの延長線が、コイル10bの辺Dの延長線と略直交する。そして、コイル導体10aにおける辺Aと辺B、またはコイル導体10bにおける辺Cと辺Dが、それぞれ中央で略直角に屈曲した「く」の字型の形状を構成する。
【0031】
このように、コイル10aとコイル10b間で互いに近接かつ対向しあう導体部がその延長線上で略直交するように配置されることで、一方のコイルに流れる電流により生じた磁束のうち、他方のコイルに到達する磁束が低減する。つまり、前記コイル10aの辺A、Bを流れる電流により生じる磁束11が、コイル10bの辺C、Dに到達することが防止される。これにより、コイル10aとコイル10b間のクロストークが低減され、コモンモードチョークコイルアレイ1の性能が向上する。
【0032】
また、クロストークの低減によりコイル10aとコイル10bの間の距離を縮めることができるため、コイル導体の形状を略5角形とした場合でもコイルの占有面積を低下させずにすむ。このため、コモンモードチョークコイルアレイの特性が向上する。
【0033】
さらに、本実施形態のように、互いに隣接しあうコイル間で、互いに近接かつ対向しあう直線状導体が、中央で略直角に屈曲した「く」の字型の形状を構成することが好ましい。このような構成とすることにより、前記コイルの巻軸に垂直な面上で前記コイルが占有する面積をより広くとることができ、コイル部品の性能が向上する。
【0034】
また、前記コモンモードチョークコイルアレイ1は、各コモンモードチョークコイルが非磁性層の内部に形成されるとともに、前記非磁性層が磁性体層により上下から挟み込まれている。このような構成とすることで、前記両コイルは略閉磁路構造中に配置されるため、コイルのインダクタンス、インピーダンスが向上するとともに、前記両コイル間で、高い結合度が得られる。なお、このようにコモンモードチョークコイルを上下から磁性体層で挟み込む構造とする場合、本実施形態のように複数のコモンモードチョークコイルが積層方向に垂直な方向に隣接して配置されることが好ましい。これは、コモンモードチョークコイルが積層方向に積み重ねられると、前記コモンモードチョークコイルを上下から挟む磁性体層間の距離が広がってしまうため、上述したコモンモードチョークコイルを構成するコイル間の高結合を得にくいためである。
【0035】
また、上述の実施形態では、コモンモードチョークコイルアレイの1つのチップに2個のコモンモードチョークコイルを内蔵しているが、コモンモードチョークコイルの個数は3個以上であってもよい。
【0036】
次に、コモンモードチョークコイルアレイ1の製造方法について、図2に基づき説明する。
【0037】
まず、フェライトよりなる磁性体基板2b上に、ポリイミド樹脂がスピンコート工法により塗布された後、熱硬化され、絶縁体層4eが形成される。なお、上述の工程を含む積層工程において、複数のチップが同時に形成される。
【0038】
ここで、前記磁性体基板の材料としては、上述のように高周波特性に優れるフェライトが好ましい。また、後述するフォトリソ工程を精度良く行うため、前記磁性体基板は表面粗さ0.5μm以下に研磨されていることが望ましい。
【0039】
また、絶縁体層の材料としては、上述のポリイミド樹脂の他に、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等の樹脂、SiO2等よりなるガラス、ガラスセラミックスあるいはこれらの材料の混合物等が用いられる。また、必要に応じてこれらの材料に感光性機能が付加されたものが用いられる。
【0040】
その後、絶縁体層4e上にフォトリソ工法によりコイル導体6o、6p、引き出し部7m〜7p及びスルーホール接続用パッド9g、9hが形成される。すなわち、前記絶縁体層4e上にスパッタ法等によりAgからなる導体層が形成され、その上に感光性レジストが塗布される。次に、前記感光性レジスト層上に所定形状のパターンを有するマスクが設置され露光処理される。次に、現像処理によりレジスト層にパターンが形成された後、前記パターンの非形成領域に露出した導体がエッチング処理により除去される。その後、レジスト層が除去され、所定の導体パターンが形成される。
【0041】
なお、コイル導体等の材料としては、上述のAgの他、Pd、Cu、Alあるいはこれらの合金等が用いられる。また、絶縁体層とコイル導体等の材料の組み合わせは、加工性、密着性等を考慮し選択される。
【0042】
次に、前記コイル導体6o、6p等が形成された絶縁体層4e上に、感光性ポリイミド樹脂が塗布され、乾燥後、フォトリソ工法(露光及び現像処理)により、所定の位置にスルーホール8が形成される。その後熱硬化処理され、絶縁体層4dが形成される。
【0043】
次に、絶縁体層4d上にフォトリソ工法によりコイル導体6i〜6n、引き出し部7i〜7l及びスルーホール接続用パッド9e、9fが形成される。前記コイル導体6i〜6n、引き出し部7j、7l及びスルーホール接続用パッド9e、9fは前記スルーホール8を介して絶縁体層4e上のコイル導体6o、6p、引き出し部7n、7p及びスルーホール接続用パッド9g、9hと接続される。
【0044】
次に、前記コイル導体6i〜6n等が形成された絶縁体層4d上に、ポリイミド樹脂が塗布された後、熱硬化され、絶縁体層4cが形成される。
【0045】
次に、絶縁体層4c上に上述と同様のフォトリソ工法によりコイル導体6g、6h、引き出し部7e〜7h及びスルーホール接続用パッド9c、9dが形成される。
【0046】
次に、前記コイル導体6g、6h等が形成された絶縁体層4c上に、感光性ポリイミド樹脂が塗布され、上述と同様のフォトリソ工法により所定の位置にスルーホール8を有する絶縁体層4bが形成される。
【0047】
次に、絶縁体層4b上にフォトリソ工法によりコイル導体6a〜6f、引き出し部7a〜7d及びスルーホール接続用パッド9a、9bが形成される。前記コイル導体6a〜6f、引き出し部7b、7d及びスルーホール接続用パッド9a、9bは前記スルーホール8を介して絶縁体層4c上のコイル導体6g、6h、引き出し部7f、7h及びスルーホール接続用パッド9c、9dと接続される。
【0048】
次に、前記コイル導体6a、6f等が形成された絶縁体層4b上に、ポリイミド樹脂が塗布された後、熱硬化され、絶縁体層4aが形成される。このように絶縁体層と導体層が交互に形成されることにより、回路層が形成される。
【0049】
次に、磁性体基板2aの一方の面に熱可塑性のポリイミド樹脂が塗布され、接着層5が形成される。そして、前記接着層5は前記絶縁体層4aと接合され、不活性ガス雰囲気または真空中にて加熱・加圧される。こうして、前記磁性体基板2aと前記絶縁体層4aが接着される。
【0050】
なお、磁性体基板2aと絶縁体層4aの接合の際には、磁性体基板2aと絶縁体層4aの双方に接着層が形成された後、これらの接着層が接合されることにより磁性体基板2aと絶縁体層4aが接着されてもよい。
【0051】
このように磁性体基板2aが絶縁体層4aに接着された後、ダイシング等の切断加工により個々のチップが切り出される。その後、図3に示すように外部電極3a〜3hが形成され、コモンモードチョークコイルアレイ1が得られる。
【0052】
以上、本発明のコイル部品の実施形態について、コモンモードチョークコイルアレイを例に説明してきたが、本発明は上述の構成あるいは製造方法に限定されるものではない。
【0053】
上述の実施形態では、コモンモードチョークコイルアレイ1を構成する各コイルは、図5を用いて説明したように二つのコイルが並列接続した構造を有するが、各コイルが単一のコイルであってもよい。また、3つ以上のコイルが並列接続した構造であってもよい。
【0054】
また、本発明のコイル部品はインダクタアレイであってもよい。インダクタアレイであっても、互いに隣接しあうコイル間で、互いに近接かつ対向しあう直線状導体が、その延長線上で略直交する構成とすることにより、上述の効果と同様の効果が得られる。
【0055】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明のコイル部品は、直線状導体より構成される複数のコイルあるいコモンモードチョークコイルが、絶縁体層が積層されてなる積層体の内部で積層方向に垂直な方向に隣接して配置されてなるコイル部品であって、隣接しあう前記コイル間あるいは前記コモンモードチョークコイル間において、前記絶縁体層の同一面上で近接かつ対向しあう前記直線状導体がその延長線上で略直交する構成を有する。このような構成とすることにより、一方のコイルに流れる電流がつくる磁束が他方のコイルに到達しにくくなり、両コイル間のクロストークが低減するため、コイル部品の性能が向上するという効果を有する。また、クロストークの低減により、隣接しあうコイル間の距離を縮めることができるため、コイルが占有する面積をより広くとることが可能となり、コイル部品の特性が向上するという効果を有する。
【0056】
また、前記コモンモードチョークコイルが非磁性体層よりなる積層体の内部に形成されるとともに、前記積層体の両側に磁性体層が形成されることにより、前記コイルが略閉磁路構造の内部に配置されるため、コイルのインダクタンス、インピーダンスが向上する。また、前記コモンモードチョークコイルを構成するコイル間で高い結合度が得られる。
【0057】
また、前記コイル部品において、互いに近接かつ対向しあう前記直線状導体が、各コイルにおいて中央で略直角に屈曲した「く」の字型の形状を構成することにより、前記コイルの巻軸に垂直な面上で前記コイルが占有する面積を広くとれるため、コイル部品の性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるコイル部品の外観図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるコイル部品の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるコイル部品の上面図である。
【図4】従来の実施の形態によるコイル部品の上面図である。
【図5】図2に示すコイル部品におけるコイルの構造を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 コモンモードチョークコイルアレイ
2a、2b 磁性体基板
3a〜3h 外部電極
4a〜4e 絶縁体層
5 接着層
6a〜6p コイル導体
7a〜7p 引き出し部
8 スルーホール
9a〜9h スルーホール接続用パッド
10a〜10d、20a、20b コイル
11、21 磁束
30 スルーホール接続
A、B、C、D (コイル導体の)辺
Claims (4)
- 絶縁体層が積層されてなる積層体の内部で複数のコイルが前記積層方向と垂直な方向に隣接して配置され、前記コイルは直線状導体より構成される略うず形状または略らせん形状を有し、隣接しあう前記コイル間において、前記絶縁体層の同一面上で近接かつ対向しあう前記直線状導体が、その延長線上で略直交することを特徴とするコイル部品。
- 絶縁体層が積層されてなる積層体の内部で複数のコイルが前記積層方向に配置されてなるコモンモードチョークコイルが、前記積層方向と垂直な方向に複数隣接して配置され、前記コイルは直線状導体より構成される略うず形状または略らせん形状を有し、隣接しあう前記コモンモードチョークコイル間において、前記絶縁体層の同一面上で近接かつ対向しあう前記直線状導体が、その延長線上で略直交することを特徴とするコイル部品
- 前記絶縁体層が非磁性体よりなり、前記積層体の積層方向の両端に磁性体層が形成されることを特徴とする、請求項2に記載のコイル部品。
- 近接かつ対向しあう前記直線状導体が、前記各コイルにおいて、中央で略直角に屈曲した「く」の字型の形状を構成することを特徴とする、請求項1〜請求項3に記載のコイル部品。
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