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JP4190357B2 - 放送データ送信装置、放送データ送信方法および放送データ受信装置 - Google Patents

放送データ送信装置、放送データ送信方法および放送データ受信装置 Download PDF

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JP4190357B2 JP2003168265A JP2003168265A JP4190357B2 JP 4190357 B2 JP4190357 B2 JP 4190357B2 JP 2003168265 A JP2003168265 A JP 2003168265A JP 2003168265 A JP2003168265 A JP 2003168265A JP 4190357 B2 JP4190357 B2 JP 4190357B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタル放送技術に関し、特に立体視を行うことのできる3次元画像データを含む放送データを送信する放送データ送信装置、および3次元画像データを含む放送データを受信するための放送データ受信装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、3次元画像を表示する様々な方法が提案されている。その中でも一般的に用いられているのは両眼視差を利用する2眼式と呼ばれるものである。すなわち、両眼視差を持った左眼画像と右眼画像を用意し、それぞれ独立に左右の眼に投影することにより立体視を行う。2眼式の代表的な方式としてフィールドシーケンシャル方式やパララクスバリア方式が提案されている。
【0003】
図25は、フィールドシーケンシャル方式を説明するための概念図である。このフィールドシーケンシャル方式は、図25のように、左眼画像と右眼画像が垂直方向1画素おきに交互にならんだ形に配置され、左眼画像の表示と右眼画像の表示が交互に切り替えて表示されるものである。左眼画像および右眼画像は通常の2次元表示時に比べて垂直解像度が1/2になっている。観察者はディスプレイの切り替え周期に同期して開閉するシャッタ式のメガネを着用する。ここで使用するシャッタは、左眼画像が表示されている時は左眼側が開いて右眼側が閉じ、右眼画像が表示されている時は左眼側が閉じて右眼側が開く。こうすることで、左眼画像は左眼だけで、右眼画像は右眼だけで観察されることになり、立体視を行うことができる。
【0004】
図26は、パララクスバリア方式を説明するための概念図である。図26(A)は、視差が生じる原理を示す図である。一方、図26(B)は、パララクスバリア方式で表示される画面を示す図である。
【0005】
図26(A)では、図26(B)に示すような左眼画像と右眼画像が水平方向1画素おきに交互にならんだ形に配置された画像を、画像表示パネル2601に表示し、同一視点の画素の間隔よりも狭い間隔でスリットを持つパララクスバリア2602を画像表示パネル2601の前面に置くことにより、左眼画像は左眼2603だけで、右眼画像は右眼2604だけで観察することになり、立体視を行うことができる。
【0006】
表示の方式に適した画像の形式が異なるため、それぞれの表示形式に合わせて3次元画像を作成する必要があり、3次元画像に汎用性がないという問題があった。
【0007】
このような問題を解決するために、特開2003−111101号公報(2003年4月11日公開)では、画像の構成や視点数など立体画像を表示するための一連の処理において参照すべき情報を、3次元画像データに付加することで、立体画像に汎用性を持たせることのできる立体画像処理方法、装置、およびシステムが開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−111101号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2003−111101号公報では、前記情報は画像データのヘッダ領域に配置されるため、通信回線を利用したデータ配信やファイルへの記録を目的としており、画像データを放送する場合が考慮されておらず、そのままでは画像データの放送に適用できないという問題がある。
【0010】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、汎用性を具備した3次元画像を含む放送データの送受信をすることのできる放送データ送信装置、放送データ送信方法および放送データ受信装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、画像データを含むコンテンツを放送データとして送信する放送データ送信装置であって、前記コンテンツを再生するために使用される番組配列情報を作成する番組配列情報作成手段を備え、前記番組配列情報は前記コンテンツに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、前記番組配列情報作成手段は、前記3次元画像データの再生時間帯を示す情報を前記3次元制御情報に格納することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、画像データを含むコンテンツを放送データとして送信する放送データ送信装置であって、前記コンテンツを再生するために使用される番組配列情報を作成する番組配列情報作成手段を備え、前記番組配列情報は前記コンテンツに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、前記番組配列情報作成手段は、前記3次元画像データを2次元表示するときに選択される視点画像を示す2次元表示画像情報を前記3次元制御情報に格納することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、画像データを含むコンテンツを放送データとして送信する放送データ送信方法であって、前記コンテンツを再生するために使用される番組配列情報を作成する番組配列情報作成ステップを持ち、前記番組配列情報は前記コンテンツに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、前記番組配列情報作成ステップは、前記3次元画像データの再生時間帯を示す情報を前記3次元制御情報に格納することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、画像データを含むコンテンツを放送データとして送信する放送データ送信方法であって、前記コンテンツを再生するために使用される番組配列情報を作成する番組配列情報作成ステップを持ち、前記番組配列情報は前記コンテンツに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、前記番組配列情報作成ステップは、前記3次元画像データを2次元表示するときに選択される視点画像を示す2次元表示画像情報を前記3次元制御情報に格納することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、放送データを受信する放送データ受信装置であって、前記放送データに含まれるコンテンツに対する制御情報を解析する番組配列情報解析手段と、入力された画像データを2次元表示するか、もしくは3次元表示するかを外部の入力により切り替えて表示することのできる表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段とを備え、前記番組配列情報は、放送データに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、更に前記3次元制御情報は、コンテンツ中に3次元画像データが存在する時間帯を示す3次元表示時間情報を含み、前記番組配列情報解析手段は、前記番組配列情報を解析することにより前記3次元制御情報を表示制御手段に送り、前記表示制御手段は、内部にタイマーを備え、入力された前記3次元制御情報に従って前記表示手段を2次元表示するか、もしくは3次元表示するかを切り替え、前記3次元表示時間情報と前記タイマーの時刻から受信した放送データに含まれる画像データが2次元画像データであるか、もしくは3次元画像データであるかを判定し、2次元画像データであれば2次元表示を、3次元画像データであれば3次元表示を行うように前記表示手段を制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、放送データを受信する放送データ受信装置であって、前記放送データに含まれるコンテンツに対する制御情報を解析する番組配列情報解析手段と、入力された画像データを2次元表示する表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記番組配列情報は、放送データに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、前記3次元制御情報は、受信した放送データに含まれる受信画像データが2次元画像データであることを示す識別子と、3次元画像データであることを示す識別子をそれぞれ定義する識別子情報を含み、前記番組配列情報解析手段は、前記番組配列情報を解析することにより前記3次元制御情報を表示制御手段に送り、前記表示制御手段は、入力された前記3次元制御情報に従って前記表示手段を制御し、前記識別子情報と前記受信画像データの識別子から、前記受信画像データが2次元画像データであるか、もしくは3次元画像データであるかを判定し、2次元画像データである場合は表示を行うように前記表示手段を制御し、3次元画像データである場合は表示できない、または正しく表示できない旨を観察者に通知する表示制御手段であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、放送データを受信する放送データ受信装置であって、前記放送データに含まれるコンテンツに対する制御情報を解析する番組配列情報解析手段と、入力された画像データを2次元表示する表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段とを備え、前記番組配列情報は、放送データに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、更に前記3次元制御情報は、コンテンツ中に3次元画像データが存在する時間帯を示す3次元表示時間情報を含み、前記番組配列情報解析手段は、前記番組配列情報を解析することにより前記3次元制御情報を表示制御手段に送り、前記表示制御手段は、内部にタイマーを備え、入力された前記3次元制御情報に従って前記表示手段を制御し、前記3次元表示時間情報と前記タイマーの時刻から、受信した放送データに含まれる受信画像データが2次元画像データであるか、もしくは3次元画像データであるかを判定し、2次元画像データである場合は表示を行うように前記表示手段を制御し、3次元画像データである場合は表示できない、または正しく表示できない旨を観察者に通知する表示制御手段であることを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明における実施の形態の説明をする前に、本明細書において使用する用語について、以下のように定義する。
【0039】
放送データとは、放送局から送出されるデータの総称であり、無線や有線を介して送信される放送や、インターネットのストリーミング放送など含む。
コンテンツとは、一般的には放送される番組と同じ意味であるが、ここでは少なくともビデオデータとオーディオデータとデータ放送用データのいずれか1つを含むデータの集まりである。放送データには、複数のコンテンツが含まれる。
【0040】
番組配列情報とは、放送データ中にどのようなコンテンツが含まれているかを管理するための情報であり、複数のコンテンツの内容を示す情報である。
【0041】
番組配列情報には、PMT(Program Map Table)やEIT(Event Information Table)などがある。
【0042】
PMTとは、放送データの中からチャンネルを構成するビデオデータやオーディオデータなどを分離するためのPID(Packet ID)などのストリーム情報を含み、同じチャンネル内のコンテンツで共通する番組配列情報である。PMTは、同じチャンネル内のコンテンツで共通の番組配列情報であるため、頻繁に更新されないという特徴がある。
【0043】
EITとは、チャンネルに含まれる各コンテンツの放送時間帯を示す番組時間情報などの番組情報を含み、コンテンツ毎に異なる固有の情報を1つまたは複数のコンテンツ分だけ含む番組配列情報である。EITは、コンテンツ毎に異なる固有の情報であるため、頻繁に更新されるという特徴がある。
【0044】
これらの番組配列情報は、受信機におけるチャンネルの切り替えがどの時点で行われても対応できるように、図12に示すように放送データ中に繰り返し多重化されて送信される。
【0045】
3D画像とは、視差のある複数の画像の組により構成される画像である。図13に3D画像の一例を示す。この例の3D画像は、左眼画像と右眼画像の2つの視点に対応する画像を、横並びに配置した3D画像である。
3D画像制御情報とは、3D画像の特徴を示す2視点や横並びといった情報や、3D画像の表示を制御する際に用いる情報である。
3D表示とは、複数の視点画像を用いて、観察者の左眼と右眼が異なる視点画像を画像を観察できるように表示することである。これに対して、2D表示とは、観察者の左眼と右眼が同じ画像を観察できるように表示することである。
【0046】
3Dコンテンツとは、コンテンツ中に3D画像からなるビデオデータやデータ放送用データを含むコンテンツのことである。
【0047】
画像多重方式とは、3D画像を構成する各視点画像がどのように配置されているかを示す情報である。本実施形態では、画像多重方式として、統合方式、時分割方式、マルチストリーム方式の3つを用いる。ここで、画像多重方式について、図14を用いて説明する。図14は、2視点の場合の画像多重方式を説明するための模式図である。図14(A)に示すように、3D画像の画像多重に用いられる各視点のビデオデータは、複数のフレームから構成され、それぞれ独立した系列であるものとする。
【0048】
統合方式とは、図14(B)に示すように、各視点画像をフレーム毎に隣接させて伝送する方式である。時分割方式とは、図14(C)に示すように、フレーム周期で左眼画像と右眼画像を交互に切り替えて伝送する方式である。ここで伝送される右眼画像のフレームは、先に送られる左眼画像のフレームと同じ時間のものである。この例では左眼画像を先に伝送しているが、右眼画像が先であってもよい。マルチストリーム方式とは、図14(A)に示す左眼画像と右眼画像のビデオデータを、それぞれ別のデータ列として伝送する方式である。
なお、走査方式がインターレースの場合には、上記のフレームをフィールドで置き換えてもよい。
また、それぞれの画像多重方式は視点数が3以上であっても適用できる。
【0049】
<第1の実施形態>
本発明における第1の実施形態について説明する。第1の実施形態による送信装置は、3Dコンテンツを送信する際、3Dコンテンツに含まれる3D画像の3D画像制御情報を、番組配列情報に格納して送信するものである。その際、図11に示すように、3D画像制御情報の中でも、同じチャンネル内に含まれる3Dコンテンツで共通であり、頻繁に更新されない情報(以下、3D共通情報とする)をPMTに格納し、3Dコンテンツ毎に固有であり、頻繁に更新される情報(以下、3D固有情報とする)をEITに格納し、3Dコンテンツと多重して繰り返し送信する。PMTやEITは、例えば約1秒に1回の割合で送信するというように、それぞれある一定の時間毎に送信してもよいし、また、例えばビデオデータのキーフレームを送信する時にPMTやEITも送信するというように、送信するビデオデータを構成するフレームの種別と同期させて送信してもよい。3D共通情報と3D固有情報の詳細については後述する。また、本実施形態の受信装置は、番組配列情報に格納されている3D共通情報と3D固有情報をもとに、3D画像の立体表示を行う。
【0050】
はじめに、本実施形態による放送データ送信装置の詳細について説明する。図1は本実施形態による放送データ送信装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、放送データ送信装置100は、番組配列情報作成手段101と、多重化手段102と、伝送路符号化手段103から構成される。
【0051】
番組配列情報作成手段101は、3D画像制御情報を含むPMTやEITなどの番組配列情報を作成する。番組配列情報作成手段101の詳細については後述する。
【0052】
多重化手段102は、番組配列情報作成手段101で作成された番組配列情報と、MPEG(Moving Picture Experts Group)−1、MPEG−2、MPEG−4などを含むビデオデータと、AAC(Advanced Audio Coding)、MP3(MPeg audio layer3)、WMA(Windows(R) Media Audio)などを含むオーディオデータと、JPEG(Joint Picture Experts Group)、PNG(Portable Network Graphics)、BML(Broadcast Markup Language)などを含むデータ放送用データなどを、それぞれTS(Transport Stream)パケットに格納して多重化をする。
伝送路符号化手段103は、TSパケットを既定の変調方式に従って符号化し、放送データとして送信する。
【0053】
ここで、番組配列情報作成手段101の詳細について説明する。図2は番組配列情報作成手段101の構成例を示すブロック図である。番組配列情報作成手段101は、PMTを作成するPMT作成手段200と、EITを作成するEIT作成手段201を含む構成となっている。
【0054】
まず、PMT作成手段200について説明する。PMT作成手段200には、チャンネルを構成するビデオデータやオーディオデータなどのストリームを、放送データの中から分離するためのPIDを含むストリーム情報が入力される。ストリーム情報が、3D画像を含む、または3D画像を構成するビデオデータに関するストリーム情報の場合、ストリーム情報の他に3D共通情報が入力される。3D共通情報は、3D画像制御情報の中で、同じチャンネル内に含まれる3Dコンテンツで共通の情報である。3D共通情報に含まれる情報の例として、視点数情報や画像多重方式情報、強制2Dフラグ情報などが挙げられる。
【0055】
視点数情報は、3D画像を構成する画像の視点数を示す情報である。
また、画像多重方式情報は、前述の画像多重方式を示す情報である。
また、強制2Dフラグ情報は、受信装置において3Dコンテンツを強制的に2D表示させるための情報である。強制2Dフラグ情報については後述する。
【0056】
次に、PMT作成手段200が作成するPMTの構成例を図5に示す。
図5(A)のPMTは、PMTを識別するPMT識別子500と、PMTのバージョン番号を含むPMT制御情報501と、チャンネルを構成するストリームを識別するPIDを含むストリーム情報502、504と、各ストリーム情報の拡張情報を格納する記述子503、505を含む構成となっている。
【0057】
図5(A)において、ストリーム情報502が、3D画像を含む、または3D画像を構成するビデオデータに関するストリーム情報であるとすると、ストリーム情報502に続く記述子503に3D共通情報記述子を格納する。
【0058】
図5(B)に3D共通情報記述子の構成例を示す。3D共通情報記述子は、3D画像制御情報を含む記述子であることを識別する3D識別子506と、3D共通情報記述子を識別する3D共通情報識別子507と、前述した視点数情報508および画像多重方式情報509、強制2Dフラグ情報510と、付加情報511を含む構成となっている。付加情報511については後に説明する。
【0059】
続いて、図5のPMTを作成する際のPMT作成手段200の動作について、図3のフローチャートを用いて説明する。
まず、作成する番組配列情報がPMTであることを示すPMT識別子を作成し(ステップS300)、続いてPMTのバージョン番号を含むPMT制御情報を作成する(ステップS301)。次に、コンテンツを構成するビデオデータやオーディオデータなどのストリーム毎に、PIDを含むストリーム情報を作成する(ステップS302)。次に、ストリームがビデオデータかどうかを判定し(ステップS303)、ビデオデータである場合は、3D共通情報を格納する3D共通情報記述子を作成する(ステップS304)。全てのストリーム情報が完成するまで以上の動作を繰り返し、全てのストリーム情報が完成するとPMTの作成を終了する(ステップS305)。なお、画像多重方式がマルチストリームの場合は、3D画像を構成する各ビデオデータごとにストリーム情報と3D共通情報記述子を作成する。
【0060】
ここで、ステップS304の3D共通情報記述子の作成方法について、図4のフローチャートを用いて説明する。まず、作成する記述子が3D共通情報記述子であることを示す3D識別子および3D共通情報識別子などを作成する(ステップS400)。次に、必須共通情報を作成する(ステップS401)。必須共通情報とは、3D共通情報記述子に必ず格納しなければならない情報を指す。例えば、前述の視点数情報、画像多重方式情報、強制2Dフラグ情報などが挙げられる。
【0061】
次に、必須共通情報の付加情報を作成する。必須共通情報の付加情報とは、必須共通情報の拡張情報であり、必須共通情報の値によって異なる情報である。必須共通情報の付加情報を作成する例として、画像多重方式情報ごとに異なる付加情報を作成する例を挙げる。
【0062】
まず、画像多重方式が統合方式かどうかを判定する(ステップS402)。統合方式であれば統合方式固有の付加情報を作成する(ステップS403)。統合方式固有の付加情報の例として、フレーム内の各視点画像の配置が、横並びか縦並びかを示す画像配置情報と、フレーム内の各視点画像の縮小率を示す画像縮小情報が挙げられる。
【0063】
画像多重方式が統合方式でなければ、時分割方式かどうかを判定する(ステップS404)。時分割方式であれば時分割方式固有の付加情報を作成する(ステップS405)。時分割方式固有の付加情報の例として、例えば2視点の場合、どのフレームが左眼画像または右眼画像に対応するかを示す視点・フレーム対応情報が挙げられる。
【0064】
画像多重方式が時分割方式でなければ、マルチストリーム方式であるので、マルチストリーム方式固有の付加情報を作成する(ステップS406)。マルチストリーム方式固有の付加情報の例として、3D共通情報と関連づけられている各ビデオデータが、どの視点に相当する画像であるかを示す視点位置情報が挙げられる。このようにして、3D共通情報記述子を作成する。
【0065】
上記の例は、全てのチャンネルに含まれるPMTに3D共通情報記述子を含める場合について述べているが、3Dコンテンツを含まないチャンネルにおいては、PMTに3D共通情報記述子を含めないようにすることを選択できるようにしてもよい。
【0066】
また、上記の例では、ストリーム情報が、3D画像を含む、または3D画像を構成するビデオデータに関するストリーム情報である場合に3D共通情報記述子を付加しているが、ストリーム情報が、3D画像を含む、または3D画像を構成するデータ放送用データに関するストリーム情報である場合にも3D共通情報記述子を付加してもよい。
【0067】
また、あるチャンネルには画像多重方式が統合方式である3Dコンテンツのみを送信し、別のチャンネルには画像多重方式が時分割方式である3Dコンテンツのみを送信するというように、複数のチャンネルに、異なった画像多重方式の3Dコンテンツを送信してもよい。
【0068】
次に、EIT作成手段201について説明する。EIT作成手段201には、コンテンツの放送時間帯を示す番組時間情報を含む番組情報が入力される。また、番組に3D画像が含まれている場合、番組情報の他に、3D固有情報が入力される。3D固有情報は、3D画像制御情報の中で、3Dコンテンツ毎に固有の情報である。3D固有情報に含まれる情報の例として、2D表示画像情報や視差量調整情報、3Dシーン時間情報などが挙げられる。
【0069】
2D表示画像情報は、受信装置において3D画像を2D表示する際に選択すべき視点の画像を示す情報である。
また、視差量調整情報は、3D画像を立体表示した時の飛び出し具合の程度の調整値を示す情報である。
【0070】
また、3Dシーン時間情報は、ビデオデータが3Dシーンと2Dシーンで構成されている場合に、3Dシーンの時間帯を指定する情報である。図6に示すように、3Dシーン時間情報は、3Dシーンデータが始まる時刻を示す3Dシーン開始時刻と、3Dシーン開始時刻から3Dシーンが継続する時間を示す3Dシーン継続時間を含む構成となっている。ビデオデータの中に3Dシーンが複数含まれている場合は、3Dシーンの数だけ3Dシーン開始時刻と3Dシーン継続時間を格納する。
【0071】
また、ビデオデータの中に含まれる3Dシーンの数を3Dシーン時間情報に格納してもよい。また、3Dシーン継続時間の代わりに、3Dシーンが終了する時刻を示す3Dシーン終了時刻を用いてもよい。また、ビデオデータの中に、2Dビデオデータが含まれず、3Dシーンだけで構成される場合は、3Dシーン時間情報はなくてもよい。また、3D固有情報の中に、3Dシーン時間情報を含むかどうかを示すフラグを格納してもよい。また、3Dシーン時間情報の代わりに、2Dシーンが始まる時刻を示す2Dシーン開始時刻と、2Dシーン開始時刻から2Dシーンが継続する時間を示す2Dシーン継続時間を含む、2Dシーン時間情報を用いてもよい。
【0072】
次に、EIT作成手段201が作成するEITの構成例を図9に示す。図9(A)のEITは、EITを識別するEIT識別子900と、EITのバージョン番号を含むEIT制御情報901と、チャンネルに含まれるコンテンツの放送時間帯を記述した番組時間情報を含む番組情報902、904と、各番組情報の拡張情報を格納する記述子903、905を含む構成となっている。
【0073】
図9(A)において、番組情報902が3Dシーンを含む番組に関する情報であるとすると、番組情報902に続く記述子903に3D固有情報記述子を格納する。
【0074】
図9(B)に3D固有情報記述子の構成を示す。3D固有情報記述子は、3D画像制御情報を含む記述子であることを識別する3D識別子906と、3D固有情報記述子を識別する3D固有情報識別子907と、前述した2D表示画像情報908、視差量調整情報909、3Dシーン時間情報910を含む構成となっている。
【0075】
続いて、図9のEITを作成する際のEIT作成手段201の動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、どの番組の番組情報を作成してEITに格納するかを指定する(ステップS700)。例えば、全番組の番組情報の作成を指定したり、ある1つの番組のみの番組情報の作成を指定することができる。次に、作成する番組配列情報がEITであることを示すEIT識別子を作成し(ステップS701)、続いてEITのバージョン番号を含むEIT制御情報を作成する(ステップS702)。
【0076】
次に、番組毎に番組時間情報を含む番組情報を作成する(ステップS703)。次いで、番組が3Dコンテンツかどうかを判定し(ステップS704)、3Dコンテンツである場合は3D固有情報を格納する3D固有情報記述子を作成する(ステップS705)。ステップS700において指定された番組の番組情報が完成するまで以上の動作を繰り返し、完成するとEITの作成を終了する(ステップS706)。
【0077】
ここで、ステップS705の3D固有情報記述子の作成方法について、図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、作成する記述子が3D固有情報記述子であることを示す3D識別子および3D固有情報識別子などを作成する(ステップS800)。次に、必須固有情報を作成する(ステップS801)。ここで、必須固有情報とは、3D固有情報記述子に必ず格納しなければならない情報を指す。例えば、前述の2D表示画像情報や視差量調整情報などが挙げられる。次に、前述の3Dシーン時間情報を作成する。まず、ビデオデータに2Dシーンが含まれるかを判定し(ステップS802)、2Dシーンを含んでいれば、3Dシーンの数だけ前述の3Dシーン時間情報を作成し(ステップS803)、2Dビデオデータを含んでいなければ、ビデオデータは3Dシーンのみで構成されているので、3Dシーン時間情報は作成しない。このようにして、3D固有情報記述子を作成する。
【0078】
次に、データ放送用データに含まれる3D画像に対応する3D固有情報の格納場所について説明する。
データ放送用データに含まれる3D画像に対応する3D固有情報は、DII(Download Information Indication)と呼ばれるデータ放送用データの制御情報が定義してあるテーブルに格納する。DIIの構成例を図10に示す。図10のDIIは、DIIを識別するDII識別子1000と、データ放送用データを構成するモジュールの制御情報を記述したモジュール情報1001、1003と、各モジュール情報の拡張情報が格納されている記述子1002、1004とを含む構成となっている。モジュール情報1001が、3D画像を含む、または3D画像を構成するモジュールに関するモジュール情報であるとすると、モジュール情報1001に続く記述子1002に前述の3D固有情報記述子を格納する。
【0079】
ここで、モジュール情報1001に対応するモジュールが複数のサブモジュールで構成され、各サブモジュールに3D画像が含まれているとすると、各サブモジュールの3D画像毎に3D固有情報記述子を作成し、記述子1002に格納する。この際、各サブモジュールの3D画像と3D固有情報記述子を関連付けるために、3D固有情報記述子を記述子1002に格納する順番を決めておいてもよいし、各3D画像を識別するインデックス情報を3D固有情報記述子に格納してもよい。なお、DIIはチャンネルの切り替えがどの時点で行われても対応できるように、放送データ中に繰り返し多重化されて送信される。また、データ放送用データに含まれる3D画像に対応する3D固有情報をEITに格納してもよい。
【0080】
以上説明したように、PMT作成手段200で作成された3D共通情報を含むPMTと、EIT作成手段201で作成された3D固有情報を含むEITと、PMTとEIT以外の番組配列情報は、多重化手段102でTSパケットに変換され、ビデオデータやオーディオデータなどのTSパケットと多重化される。多重化されたTSパケットは、伝送路符号化手段103で変調方式に従って符号化され、放送データとして送信される。
【0081】
なお、上記の実施形態では、3D共通情報をPMTに格納し、3D固有情報をEITに格納しているが、3D共通情報と3D固有情報をPMTもしくはEITにまとめて格納してもよし、PMTとEIT以外の番組配列情報に格納してもよい。その際、3D共通情報と3D固有情報をまとめて同じ記述子に格納してもよい。
【0082】
また、上記の実施形態では、3D共通情報と3D固有情報をPMTやEITなどの番組配列情報に格納して送信しているが、番組配列情報のようなテーブルを含む情報以外の情報に格納して送信してもよい。また、3D共通情報と3D固有情報をそれぞれ単独で送信してもよい。
【0083】
また、上記の実施形態では、3D共通情報記述子と3D固有情報記述子の先頭を3D識別子としているが、3D識別子は省略し、3D共通情報記述子の先頭を3D共通情報識別子、3D固有情報記述子の先頭を3D固有情報識別子としてもよい。
【0084】
次に、本発明の実施形態における放送データ受信装置について説明する。図15は本発明の実施形態における放送データ受信装置1500の構成例を示すブロック図である。放送データ受信装置1500は、放送データを入力とし、入力された放送データをTSパケットデータに復号する伝送路復号手段1501と、TSパケットデータを分離する分離手段1502と、番組配列情報解析手段1503と、3D表示の制御を行う3D制御手段1504と、ビデオデータを復号するビデオ復号手段1505と、データ放送用データを処理するデータ処理手段1506と、オーディオデータを復号するオーディオ復号手段1507と、ビデオ復号手段1505とデータ処理手段1506の出力を合成する合成手段1508とを含んで構成される。
【0085】
なお、図には示さないが、伝送路復号手段1501の先にはチューナが接続されており、チューナから受信した放送データが入力される。また、合成手段1508の先には画面データを表示するための表示装置が接続される。この際の表示装置は、入力された画面データを、外部の入力によって2D表示を行うか、もしくは、3D表示を行うかを切り替えることのできる表示装置とする。また、表示装置は2D/3D切り替えのために、3D制御手段1504と接続してもよい。また、オーディオ復号手段1507の先にはスピーカ等が接続される。
【0086】
以上のように構成された放送データ受信装置1500について、その動作を説明する。伝送路復号手段1501には、チューナにより受信された放送データが入力される。
伝送路復号手段1501は、入力された放送データに対して、デジタル復調や誤り訂正を施してTSパケットデータを得る。
【0087】
分離手段1502はTSパケットデータに付けられたPIDを参照し、必要なTSパケットデータを選択する。不必要なTSパケットデータは廃棄する。PIDはビデオデータ、オーディオデータ、データ放送用データごとに一意に割り当てられ、1つのビデオデータを構成するデータを含むTSパケットデータには、同一のPIDが付される。前述のPMTやEITにも一意のPIDが付されている。分離手段1502はPIDをもとに、目的とするPMTまたはEITを含むTSパケットデータをサーチし、TSパケットデータを番組配列情報解析手段1503に出力する。
【0088】
番組配列情報解析手段1503は、分離手段1502から入力されたPMTを解析し、番組を構成するビデオデータ、オーディオデータ、データ放送用データのPIDを得て、分離手段1502に出力する。PMTに3D共通情報記述子が含まれている場合には、解析した結果として得られる3D共通情報を3D制御手段1504に出力する。
【0089】
同様に、分離手段1502から入力されたEITを解析し、番組情報を得る。EITに3D固有情報記述子が含まれている場合には、解析した結果として得られる3D固有情報を3D制御手段1504に出力する。
【0090】
3D制御手段1504は、表示装置において3D表示ができるように、3D画像制御情報に基づいて表示画面の制御を行う。また、3D画像制御情報の有無等により、表示装置に対する表示モードの指定を決定する。これらの動作については後述する。
【0091】
PMTやEITは一定の周期で継続して送信されるため、3D画像制御情報が、繰り返し3D制御手段1504に入力される。3D制御手段1504は、入力された3D画像制御情報を保持しておき、新たに番組情報解析手段1503から3D画像制御情報が入力された場合には、保持している3D画像制御情報と、入力された3D画像制御情報とを比較する。この結果、3D画像制御情報が更新されていれば、保持している3D画像制御情報を入力された3D画像制御情報に置き換える。3D画像制御情報の一部の情報が更新されている場合には、その情報のみを更新する。以上の動作を、3D制御手段1504における更新動作と呼ぶ。
【0092】
分離手段1502は、番組配列情報解析手段1503から入力されたPIDを基に、目的とするビデオデータ、オーディオデータ、データ放送用データを含んだTSパケットデータをサーチし、それぞれビデオ復号手段1505、オーディオ復号手段1507、データ処理手段1506に出力する。
ビデオ復号手段1505は、入力されたビデオデータを復号する。復号後のビデオデータは合成手段1508に出力される。
【0093】
データ処理手段1506は、データ放送用データを処理し、文字や図形、静止画データなどを得る。文字や図形、静止画データは合成手段1506に出力される。なお、図15には図示しないが、データ処理手段1506と3D制御手段1504は接続されており、データ放送用データの制御情報であるDIIに3D固有情報が格納されている場合には、データ処理手段1506によりDIIから読み取られた3D固有情報が、3D制御手段1504に対して出力される。3D制御手段1504は、この3D固有情報に基づいてデータ放送用データの表示制御を行う。
【0094】
オーディオ復号手段1507は入力されたオーディオデータを復号する。復号後のオーディオデータはスピーカ等に出力される。
合成手段1508は、ビデオデータ、静止画データおよび文字や図形を表示するための表示用画面を複数持っており、必要に応じてそれぞれを重ね合わせて1つの画面を合成し、画面データを画面の表示方式に合わせて変換し、表示装置に対して出力する。
【0095】
ここで、画面の表示形式とは、表示装置により規定されるビデオの構造に関する形式である。例えば、表示装置がフィールドシーケンシャル方式の場合、入力として想定されているのは、図25に示すような左眼画像と右眼画像が垂直方向に1画素おきに交互に並べられた形式である。また、表示装置がパララクスバリア方式の場合には、図26(B)に示すような左眼画像と右眼画像が水平方向に1画素おきに交互に並べられた形式が、入力として想定されている。
【0096】
次に、3D制御手段1504の動作について説明する。3D制御手段1504は、番組配列情報解析手段1503から入力された3D画像制御情報を参照することで、ビデオデータや静止画データの構造に関する形式を知ることができる。以下の説明では、ビデオデータについて述べるが、静止画データや図形や文字に関しても同様の制御を行う。
【0097】
まずはじめに、受信するビデオデータに3Dシーンが含まれるかどうかの判定を行う。番組配列情報解析手段1503から3D共通情報が入力されない場合には、受信するビデオデータには3Dシーンが含まれないと判定する。3D共通情報が入力される場合には、受信したビデオデータには3Dシーンが含まれると判定する。ビデオデータに3Dシーンが含まれる場合、ビデオデータは2Dシーンと3Dシーンが混在している可能性があるため、3D固有情報に含まれる3Dシーン時間情報の内容により、以下のように判定する。
【0098】
3D制御手段1504は、その内部に時間を管理するためのタイマーを備えている。タイマーの示す時刻が、前述の3Dシーン時間情報により指定された3Dシーンの放送時間帯であれば、3Dシーンであると判定し、それ以外の場合には2Dシーンであると判定する。この際、3Dシーン時間情報をもとに、番組表中に3Dシーンの時間帯を表示してもよい。
【0099】
2Dシーンの場合、3D制御手段1504は、合成手段1508に対して入力されたビデオデータをそのままの形式で合成し、表示するように制御する。また、表示モードを2Dとする。
【0100】
一方、3Dシーンの場合には、前述したように画像多重方式情報により統合方式、時分割方式、マルチストリーム方式のいずれかが指定される。また、例えば画像多重方式情報が統合方式を示す場合には、さらに画像配置情報と、画像縮小情報が指定されている。
【0101】
また、3Dシーンの場合、強制2Dフラグ情報をもとに3Dシーンのビデオデータの表示制御を行ってもよい。強制2Dフラグ情報が1の場合、3Dシーンのビデオデータから、2D表示画像情報で指定される視点のビデオデータを選択し、画素アスペクト比が1:1となるように、拡大または縮小処理を行うように合成手段1508の表示制御を行う。ここで、2D表示画像情報で指定される視点のフレームを選択しているが、受信装置であらかじめ決められた視点のフレームを選択してもよいし、ユーザが自由に選択できるようにしてもよい。2D表示画像情報で指定されない場合も同様である。3D制御手段1504は、表示モードを2Dとする。
【0102】
一方、強制2Dフラグ情報が0の場合、3D表示するように合成手段1508に対して表示制御を行い、表示モードを3Dとする。例えば画像多重方式情報が統合方式を示し、画像配置情報が横並びを示す場合には、ビデオデータとして入力される画像フレームは図13で示した形態となっている。したがって、表示装置がパララクスバリア方式であるならば、画像フレームを図26(B)で示す形式に変換するように合成手段1508を制御する。
【0103】
なお、3D制御手段1504は、内部に保持した3D画像制御情報に基づいて合成手段1508に対する表示制御を行うが、新たに3D画像制御情報が入力された場合には、該3D画像制御情報の3Dシーン時間情報をチェックし、現在の時刻から3Dシーンの開始時刻までの時間が所定の時間より短い場合には、前述の更新動作を後まわしにして、直ちに該3D画像制御情報に基づいて合成手段1508に対する表示制御を行うようにしてもよい。
【0104】
また、3Dシーンの場合、視差量調整情報を用いて表示装置の表示面から3D画像が飛び出して見える量を調整してもよい。飛び出し量について、図16を用いて説明する。図16において、左眼画像の画素L1は表示位置1601に表示され、右眼画像の対応する画素R1は表示位置1602に表示される。これらの画素は位置1603に結像する。
【0105】
ここで、右眼画像の画素R1の表示位置を左に移動して表示位置1602から表示位置1604に変更すると、位置1603に像を結んでいた画像が位置1605に見えるようになる。位置1605は位置1603と比べて手前にあるため、表示面から飛び出して見えるようになる。逆に画素R1を表示位置1602よりも右に移動させると、位置1603に像を結んでいた画像が表示面よりも奥に見えるようになる。ここで、画素R1を画素L1の対応点と呼ぶ。
【0106】
このように視差量調整情報により指定された飛び出し量を実現するために、3D制御手段1504は左右いずれかの画像を、水平方向に所定の画素数だけシフトさせるように、合成手段1508に対して制御情報を出力する。
【0107】
図17は右眼画像を左にシフトした場合を示す図である。図17(A)はシフト前の状態を示しており、表示画面の全域が3D表示されている。図17(B)はシフト後の状態を示しており、右眼画像をシフトさせた結果、右眼画像のうち点線で示した領域1701が表示画面の外にでるため画像全体は表示できなくなる。
【0108】
図18はこのときの表示例を示す図である。図18(A)はシフトすることにより表示画面の外に出てしまった右眼画像(ここでは図17で示した領域1701のことである)を表示せず、左眼画像のうち右眼画像との対応点がなくなった領域を2D表示する場合である。図18(B)は反対に右眼画像を残して左眼画像を表示しない場合を示しており、図18(A)と同様に右眼画像のうち左眼画像との対応点のなくなった領域を2D表示している。図18(C)は対応点のある領域のみを3D表示した場合を示している。
【0109】
なお、視差量調整情報は、放送データ受信装置1500において予め決められた設定を用いてもよいし、ユーザ指定により変更できるようにしてもよい。
以上のような動作で、3D制御手段1504は受信したビデオデータに対する処理を行う。
【0110】
上記の例では、合成手段1508に接続される表示装置を、入力された画面データに対して、外部の指示によって2D表示を行うか、もしくは、3D表示を行うかを切り替えて表示することのできる表示装置としたが、この表示装置を2D表示のみが可能な表示装置としてもよい。この場合、前述の説明と同様に、表示装置を3D制御手段1504と接続して、入力された画面データが3D表示用のデータである場合は、入力された画面データのかわりに前の画面データを保持したり、特定の画面データを表示するなどして、3D表示用の画面データは表示しないようにしてもよい。
【0111】
また、3D表示用の画面データをそのまま2D表示してもよい。
また、合成手段1508と表示装置の間に、3D表示用の画面データから2D表示用の画面データを変換する変換手段を設けて、2D表示用の画面データを作成し、その画面データを2D表示するようにしてもよい。
【0112】
また、3D表示用の画面データを2D表示のみが可能な表示装置で表示する場合、現在表示している画面データが3D表示用の画面データであることを観察者に伝えるための、ブザー、発光灯などの光源、警告メッセージなどの伝達手段を設けてもよい。その際、画面データを表示しない場合は画面データが不適切なため表示できない旨を通知したり、3D表示用の画面データをそのまま2D表示する場合は3D表示用の画面データをそのまま表示する旨を通知したり、変換手段による変換を行って表示する場合は変換して表示する旨を通知したりするような通知手段を設けてもよい。
また、3D表示のみが可能な表示装置に2D表示用のデータが入力された場合も同様の動作を行う。
【0113】
以上のように、表示装置に不適切な表示方法の画像データから構成されている放送データを受信した際であっても、適切な画面データに変換して表示したり、不適切である旨を観察者に伝えて表示を行ったり、画面データ自体を非表示にすることができる。
【0114】
また、番組配列情報解析手段1503において解析した画像多重方式情報が、放送データ受信装置が対応していない画像多重方式情報であった場合、番組配列情報解析手段1503が受信したビデオデータを表示できないことを示す情報を3D制御手段1504に送り、その情報に従って3D制御手段1504が前記のように表示を行わないように表示装置を制御してもよい。
【0115】
また、非対応の画像多重方式の種類を表示してもよい。
また、上記の例では、3D画像を含む、または3D画像を構成するビデオデータを受信した場合の動作を説明したが、3D画像を含む、または3D画像を構成するデータ放送用データを受信した場合にも同様の動作を行う。
【0116】
また、上記の実施形態は、放送データ送信装置においてPMTおよびEITに3D画像制御情報を格納し、放送データ受信装置において3D画像制御情報の有無とその内容により、2Dビデオデータと3Dビデオデータの判定を行っているが、2Dビデオデータと3Dビデオデータの種別を示すフラグ情報をビデオデータに付加してもよい。
【0117】
ビデオデータをTSパケットにする際は、符号化により得られるビット列を所定の処理単位で分割してPES(Packetized Elementary Stream)パケットに格納し、さらに前記パケットを所定のサイズのTSパケットに分割する。したがって、フラグ情報をPESパケットのヘッダ部や、TSパケットのヘッダ部に記録してもよいし、符号化後のビット列の所定位置に格納するようにしてもよい。例えばMPEG−4の場合には、VOL(Video Object Layer)内のユーザデータに格納する。
【0118】
<第2の実施形態>
次に、本発明における第2の実施形態の放送データ送信装置と放送データ受信装置について説明する。
【0119】
本発明における第2の実施形態の放送データ送信装置は、1つのPMTの中で、2Dシーンのみで構成されるビデオデータのPIDと、3Dシーンのみで構成されるビデオデータのPIDを別々に定義するというように、種別の違うビデオデータのPIDを定義したPMTを含む放送データを作成し、送信する放送データ送信装置である。
【0120】
また、本発明における第2の実施形態の放送データ受信装置は、上記の放送データを受信する放送データ受信装置である。放送データを上記のような構成にすると、PIDの違いから、受信したビデオデータが2Dシーンのみで構成されるビデオデータなのか、3Dシーンのみで構成されるビデオデータなのかを区別することが出来る。
【0121】
以下に、本実施形態の放送データ送信装置と放送データ受信装置について詳細に説明する。
まず、本実施形態による放送データ送信装置について、図面を参照して説明する。
【0122】
本実施形態による放送データ送信装置の構成は、図1及び図2で説明した第1の実施形態の放送データ送信装置と同じであり、相違点は、図2のPMT作成手段200における、ビデオデータのストリーム情報の作成部分のみである。
【0123】
前述の第1の実施形態による放送データ送信装置では、1つのビデオデータに2Dシーンと3Dシーンが混在している例を説明したが、本実施形態の放送データ送信装置では、2Dシーンのみで構成されるビデオデータと、3Dシーンのみで構成されるビデオデータを作成し、PMT内でこれらのビデオデータの種別ごとにPIDを定義する。以下の説明では、2Dシーンのみで構成されるビデオデータを2Dビデオデータ、3Dシーンのみで構成されるビデオデータを3Dビデオデータとする。
【0124】
また、図1の多重化手段102において、ビデオデータとオーディオデータとデータ放送用データとを多重化する際に、番組配列情報作成手段101で作成されたPMTにおけるPIDの定義と対応させて、TSパケットデータを作成する。
【0125】
次に、本実施形態の放送データ受信装置において、図2のPMT作成手段200で作成されるPMTにについて詳細に説明する。本実施形態では、図5(A)の記載のストリーム情報と記述子を合わせたものをPID定義情報とする。
まず、2DビデオデータのPID定義情報について図面を用いて詳細に説明する。
【0126】
図19は、2DビデオデータのPID定義情報を含むPMTの構造の一例を示す図である。
PMT1900はPID定義情報1901を含んでおり、このPID定義情報1901がどのような種別のデータであるか示すストリームタイプと、PIDを含む構成となっている。ストリームタイプの定義の例として、「MPEG−4圧縮符号化を用いたビデオデータ」や、「MPEG−2AAC符号化によるオーディオデータ」や、「データ放送用データ」などがある。
【0127】
ここで、例えばPID定義情報1901のストリームタイプが「MPEG−4圧縮符号化を用いたビデオデータ」、PIDが「0x01」であるとすると、PIDの値が「0x01」のデータはすべて、2Dシーンのみで構成されるMPEG−4圧縮符号化を用いたビデオデータとなる。
【0128】
一方、図20は、前述の画像多重方式が統合方式または時分割方式である場合における、3DビデオデータのPID定義情報を含むPMTの構造の一例を示す図である。
【0129】
PMT2000はPID定義情報2001を含んでおり、このPID定義情報2001は、ストリームタイプおよびPIDと、このPID定義情報が3Dビデオデータ用のPID定義情報であることを示す3D共通情報記述子2002を含む。3D共通情報記述子2002は図5(B)で示した3D共通情報記述子と同様のものであり、3D共通情報記述子2002に含まれる画像多重方式情報は、統合方式または時分割方式を示すものとする。
【0130】
ここで例えば、PID定義情報2001のストリームタイプが「MPEG−4圧縮符号化を用いたビデオデータ」、PIDが「0x02」と記述されているとすると、PIDの値が「0x02」のデータはすべて、3Dシーンのみで構成されるMPEG−4圧縮符号化を用いたビデオデータとなる。
【0131】
上記で説明した2Dビデオデータに対するPID定義情報と、3Dビデオデータに対するPID定義情報は、同一のPMT内に格納することができる。この場合、複数のビデオデータに対するPID定義情報がPMT内で存在することになるが、3D共通情報記述子2002の有無により、3Dビデオデータに対するPID定義情報と2Dビデオデータに対するPID定義情報の区別が可能である。
【0132】
つまり、PID定義情報内に3D共通情報記述子2002が存在すれば、そのPID定義情報は3Dビデオデータに対応したPID定義情報であり、またPID定義情報内に3D共通情報記述子2002が存在しなければ、そのPID定義情報は2Dビデオデータに対応したPID定義情報であると判定することができる。
【0133】
次に、画像多重方式情報がマルチストリーム方式を示す場合のPID定義情報について説明する。
【0134】
画像多重方式情報がマルチストリーム方式である場合、放送データ内に複数のビデオデータのストリームが存在する。この場合、3Dビデオデータを復元するために複数のビデオデータのストリームが必要となる。よってPMT内において、3Dビデオデータに対するPID定義情報は、放送データ受信装置が3D表示するのに必要なビデオデータのストリームの数だけ必要となる。
【0135】
図21は、画像多重方式情報がマルチストリーム方式を示す場合の3DビデオデータのPID定義情報を含むPMTの構造の一例を示す図である。
PMT2100は、PID定義情報2101とPID定義情報2102を含んでおり、このPID定義情報2101は、ストリームタイプとPID、3D共通情報記述子2103を、PID定義情報2102は、ストリームタイプとPID、3D共通情報記述子2104を、それぞれ含んでいる。
【0136】
ここで、例えばPID定義情報2101において、ストリームタイプが「MPEG−4圧縮符号化を用いたビデオデータ」、PIDが「0x03」と記述されているとすると、PIDの値が「0x03」のデータはすべて3DシーンのMPEG−4圧縮符号化を用いたビデオデータとなり、また、PID定義情報2102において、ストリームタイプが「MPEG−4圧縮符号化を用いたビデオデータ」、PIDが「0x04」と記述されているとすると、PIDの値が「0x04」のデータも、すべて3Dシーンのみで構成されるMPEG−4圧縮符号化を用いたビデオデータとなる。
【0137】
3D共通情報記述子2103と3D共通情報記述子2104には、3D識別子と画像多重方式情報等がそれぞれ含まれている。ここで、3D共通情報記述子2103と3D共通情報記述子2104に含まれる画像多重方式情報は、両方ともマルチストリーム方式を示すものとする。
【0138】
以上のように、画像多重方式情報がマルチストリーム方式を示す場合は、3D画像を復元するのに必要なストリームの数だけ、PMT内でPID定義情報が定義される。
【0139】
また、マルチストリーム方式のように3D画像を構成するビデオデータのPID定義情報が複数存在する場合、放送データ受信装置が3D画像を3D表示するためには、各PID定義情報と対応するビデオデータがどの視点を示しているかを区別できるように、各ビデオデータがどの視点の画像であるかを示す視点位置情報が必要となる。
【0140】
例えば、3D共通情報記述子2103にはマルチストリーム方式固有の情報である付加情報2105を、3D共通情報記述子2104には同じくマルチストリーム方式固有の情報である付加情報2106を、それぞれ含むような構成にし、さらに、付加情報2105には視点位置情報2107を、付加情報2106には視点位置情報2108をそれぞれ含むような構成にする。
【0141】
上記のようにすると、画像多重方式がマルチストリーム方式であっても、3Dビデオデータに対するPID定義情報を定義することができる。
【0142】
以上で述べたような本実施形態による放送データ送信装置が放送データを送信する際の送信方法について、図22のフローチャートを用いて説明する。
【0143】
まず、ステップS2200において、放送データ送信装置に放送の開始を示す情報が入力され、放送データ送信装置は、放送データの作成及び送信を開始する。次に、ステップS2201において、放送データの作成に必要な、ビデオデータ、オーディオデータ、データ放送用データ、制御情報などが放送データ送信装置に入力される。次に、ステップS2202において、放送するチャンネルに3Dビデオデータを含むかどうかを判定する。3Dビデオデータを含まない場合はステップS2204に、3Dビデオデータを含む場合はステップS2203に処理が進む。
【0144】
ステップS2204において、放送データ送信装置は、入力されたビデオデータ、オーディオデータ、データ放送用データ、制御情報などを用いて、2Dビデオデータを含む放送データを作成し、作成したデータを送信した後、ステップS2207に処理が進む。
【0145】
一方、ステップS2203において、制御情報に含まれる画像多重方式情報から、画像多重方式がマルチストリーム方式か否かを判定する。マルチストリーム方式である場合はステップS2205に、そうでない場合はステップS2206に処理が進む。
【0146】
ステップS2205において、入力されたビデオデータ、オーディオデータ、データ放送用データ、制御情報などを用いて、複数のストリームから構成される3Dビデオデータを含む放送データを作成し、作成したデータを送信した後、ステップS2207に処理が進む。
【0147】
一方、ステップS2206において、入力されたビデオデータ、オーディオデータ、データ放送用データ、制御情報などを用いて、3Dビデオデータを含む放送データを作成し、作成したデータを送信した後、判定S2207に処理が進む。
【0148】
ステップS2207は、放送を継続するか否かを外部の入力から判定する。例えば、放送を終了したい場合にその旨を外部から入力する。放送を継続する場合は、ステップS2201に戻って放送データの作成および送信を引き続き行い、そうでない場合はステップS2208に処理が進む。ステップS2208では、放送データ送信装置は、放送データの作成と送信を止め、放送を終了する。
【0149】
以上のようにして、本実施形態の放送データ送信装置は放送データを作成し、作成した放送データを送信する。
【0150】
次に、第2の実施形態における放送データ受信装置について説明する。図15を用いて説明したように、第1の実施形態における放送データ受信装置は、3D制御手段1504において、3Dシーン時間情報と現在の時刻とを比較することにより、受信したビデオデータの2D表示と3D表示を切り替える例を説明したが、第2の実施形態における放送データ受信装置は、分離手段1502が受信したビデオデータが2Dビデオデータであるか、3Dビデオデータであるかを判定し、3Dビデオデータである場合には、3Dビデオデータを受信したことを示す情報を3D制御手段1504へ送る。
【0151】
つまり、番組配列情報解析手段1503は受信したPMTを解析し、PMTに記載されている2DビデオデータのPIDと、3DビデオデータのPIDを分離手段1502に送り、分離手段1502はそれらのPIDをもとに、受信したビデオデータが2Dビデオデータであるか、3Dビデオデータであるかを判定し、3Dビデオデータである場合には、3Dビデオデータを受信したことを示す情報を3D制御手段1504へ送る処理を行う判定手段を備える。
【0152】
また、この判定手段を3D制御手段1504が備えるような構成にしてもよい。例えば、番組配列情報解析手段1503は受信したPMTを解析し、PMTに記載されている2DビデオデータのPIDと、3DビデオデータのPIDを3D制御手段1504に送り、また、分離手段1502は受信したビデオデータのPIDを3D制御手段1504に送り、3D制御手段1504は受け取ったPIDが2Dビデオデータであるか、3Dビデオデータであるかを判定する。
【0153】
また、この判定手段を別途設けて、分離手段1502、番組配列情報解析手段1503、3D制御手段1504にそれぞれ接続し、番組配列情報解析手段1503と分離手段1502からの情報から、ビデオデータが3Dビデオデータであると判定した場合に、3D制御手段1504に3Dビデオデータが入力されたこと示す情報を伝送するような構成にしても構わない。
【0154】
図23は、受信した放送データのビデオデータのPIDから、受信したビデオデータの種別を判定する方法のフローチャート図である。
ステップS2300で、放送データ受信装置は、受信した放送データを読み込む。このとき受信した放送データのPMTが、番組配列情報解析手段1503に送られる。番組配列情報解析手段1503では、2DビデオデータのPIDと3DビデオデータのPIDの情報が解析され、それらのPIDは分離手段1502に送られる。分離手段1502は、受信した放送データに含まれるビデオデータのPIDにより、受信したビデオデータの種別が2Dビデオデータなのか3DビデオデータなのかをステップS2301で判定する。3Dビデオデータであると判定された場合のみ、3D制御手段1504へ受信したビデオデータが3Dビデオデータであることを示す情報を送り、放送データ受信装置は、第1の実施形態による放送データ受信装置と同様にして3D表示を行う。
【0155】
以上のように、本実施形態の放送データ受信装置は、3Dシーン時間情報は使用せず、受信した放送データのビデオデータのPIDから、受信したビデオデータの種別を判定することが可能である。
【0156】
次に、上記で説明した本発明における第2の実施形態による放送データ送信装置と、放送データ受信装置を用いて、1つの番組内に2Dビデオデータと3Dビデオデータが混在する場合におけるそれぞれの装置の動作について説明する。
【0157】
図24は、1つの番組内に2Dビデオデータと3Dビデオデータが混在する場合の放送データ送信装置と、放送データ受信装置の動作について説明するための図である。例えば、図24のように、横軸を時間tとして、2Dビデオデータと3Dビデオデータが混在する1つの番組(プログラムAとする)が放送されているとする。
【0158】
表1に図24の時間tにおける放送データ送信装置の動作と放送データ受信装置の動作を示す。
【0159】
【表1】
Figure 0004190357
【0160】
例えば図24のように、プログラムAが時間t0から放送開始され、時間t3に放送終了されるとする。このプログラムAでは、時間t0から時間t1までの間は2Dビデオデータ、時間t1から時間t2までの間は3Dビデオデータ、時間t2から時間t3までの間は2Dビデオデータが放送されるものとする。
【0161】
放送データ送信装置は、時間t0から時間t1までの間と、時間t2から時間t3までの間は、ビデオデータとして2Dビデオデータを送信し、時間t1から時間t2までの間は、ビデオデータとして3Dビデオデータを送信する。
【0162】
一方、放送データ受信装置は、放送データ送信装置で送信された放送データを、時間t0'から時間t3'まで受信する。ここで、時間t0と時間t0'、時間t1と時間t1'、時間t2と時間t2'、時間t3と時間t3'は、それぞれほぼ同じ時間であり、その違いは放送データ送信装置が放送データを送信して放送データ受信装置が受信するまでのわずかな時間の違いでしかないものとする。
【0163】
放送データ受信装置は受信したビデオデータのPIDが、2DビデオデータのPIDであれば2D表示を行い(時間t0'から時間t1'までの間、及び、時間t2'から時間t3'までの間)、3DビデオデータのPIDであれば3D表示を行う(時間t1'から時間t2'までの間)。
【0164】
以上のように、本発明における第2の実施形態による放送データ送信装置は、2DビデオデータのPID定義情報と、3DビデオデータのPID定義情報をPMT内で別々に定義し、それらのPID定義情報に基づいて2Dビデオデータと3Dビデオデータで別のPIDを持つTSパケットを作成することにより、1つの番組内において2Dビデオデータと3Dビデオデータが混在した番組を放送することが出来る。
【0165】
また 本発明における第2の実施形態による放送データ受信装置は、受信したPMT内で定義されたビデオデータのPIDから、2DビデオデータのPIDと3DビデオデータのPIDを取得し、受信したビデオデータのTSパケットのPIDからビデオデータの種別を判定することにより、1つの番組内において2Dビデオデータと3Dビデオデータが混在した番組放送を受信することが出来る。
【0166】
またこの場合、3Dシーン時間情報が放送データ内に含まれていなくとも、1つの番組内において2Dビデオデータと3Dビデオデータが混在した番組を視聴することが出来るため、それらの3Dシーン時間情報を省略することによって放送データ内における番組配列情報の割合の削減が可能となる。
【0167】
また上記の例では、PIDを用いて放送データ受信装置が受信しているビデオデータの種別が2Dビデオデータなのか、3Dビデオデータなのかを判定する方法について説明したが、この場合でも、3Dシーン時間情報が放送データ内に含まれていて構わない。
【0168】
さらに、この場合、3Dシーン時間情報は、PMT内の3D共通情報に含まれていても、EIT内の3D固有情報に含まれていても構わない。
【0169】
また、受信したビデオデータの種別を判定する際、受信したビデオデータのPIDから判定する結果と、3Dシーン時間情報から判定する結果が異なる場合は、どちらか一方の情報を優先して用いてもよい。どちらの情報を優先して使うかは、予め端末に設定しておいてもよいし、途中でユーザが端末を操作して変更してもよい。
【0170】
また、本実施形態の放送データ送信装置では、2Dビデオデータと3Dビデオデータで別々のPIDを定義しているが、それに加えて、2Dビデオデータから3Dビデオデータへ、もしくは、3Dビデオデータから2Dビデオデータへ切り替わる時刻を示すビデオ切り替え時刻情報を、TSパケットのヘッダ部、PESパケットのヘッダ部、ビデオデータのヘッダ部などに挿入してもよい。
【0171】
また、放送データ受信装置は、PIDにより受信したが2Dビデオデータであるか3Dビデオデータであるかを区別し、かつ、ビデオ切り替え時刻情報により、ビデオデータの種別が切り替わる時刻を知ることが出来、事前に切り替えの準備を行うことが出来る。例えば、放送データ受信装置が、2Dビデオデータを受信している際に、受信中の2DビデオデータのTSパケットにビデオ切り替え時刻情報があった場合、次にビデオデータの種別が3Dビデオデータに切り替わる時刻を予め知ることが出来るため、観察者にビデオデータの種別が切り替わるまでの時間を通知することが出来る。
【0172】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、3D画像を表示するために使用される3D画像制御情報を繰り返し送信することで、コンテンツの途中から受信した場合でも、適切に立体表示を行うことができるという有利な効果が得られる。
また、本発明によれば、頻繁に更新されない3D画像制御情報である3D共通情報を、番組配列情報を構成する記述子のうち、頻繁に更新されない記述子に格納することで、画像制御処理の簡素化を行うことができるという有利な効果が得られる。
【0173】
また、本発明によれば、チャンネル毎に異なる番組配列情報毎に、3D画像制御情報を格納するので、チャンネル毎に異なる3D画像の設定ができるという有利な効果が得られる。
【0174】
また、本発明によれば、頻繁に更新される3D画像制御情報である3D固有情報を、番組配列情報を構成する記述子のうち、頻繁に更新される記述子に格納することで、コンテンツ毎に3D画像の制御パラメータを変更することができるという有利な効果が得られる。
【0175】
また、本発明によれば、3D固有情報に3Dシーン時間情報を格納することで、3Dコンテンツ中の任意のシーンだけを3D表示するように指定できるという有利な効果が得られる。
【0176】
また、本発明によれば、3D固有情報に3Dシーン時間情報を格納することで、番組表中に3Dビデオデータの時間帯を表示することが可能となるという有利な効果が得られる。
【0177】
また、本発明によれば、2DビデオデータのPIDと、3DビデオデータのPIDをそれぞれPMT内で定義し、そのPIDを用いて、受信したビデオデータの種別を判定することにより、1つの番組内において2Dビデオデータと3Dビデオデータが混在した番組を放送することができるという有利な効果が得られる。
【0178】
また 本発明によれば、受信したPMTから、2DビデオデータのPIDと3DビデオデータのPIDを取得し、受信したビデオデータのTSパケットのPIDから受信したビデオデータの種別を判定することにより、1つの番組内において2Dビデオデータと3Dビデオデータが混在した番組放送を受信することができるという有利な効果が得られる。
【0179】
また、本発明によれば、ビデオデータのTSパケットのPIDによりビデオデータの種別を判定するので、3Dシーン時間情報が放送データ内に含まれていなくとも、1つの番組内において2Dビデオデータと3Dビデオデータが混在した番組を視聴することができ、また、3Dシーン時間情報を省略することによって放送データ内における番組配列情報の割合の削減が可能となるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における放送データ送信装置を示すブロック図である。
【図2】番組配列情報作成手段を示すブロック図である。
【図3】PMT作成手段の動作を示すフローチャートである。
【図4】3D共通情報記述子の作成方法を示すフローチャートである。
【図5】PMTと3D共有情報記述子の構成を示す概念図である。
【図6】3Dシーン時間情報を示す概念図である。
【図7】EIT作成手段の動作を示すフローチャートである。
【図8】3D固有情報記述子の作成方法を示すフローチャートである。
【図9】EITと3D固有情報記述子の構成を示す概念図である。
【図10】DIIの構成の一例を示す図である。
【図11】本実施形態における放送データ送信方法を示す概念図である。
【図12】デジタル放送の放送データ送信方法を示す概念図である。
【図13】3D画像の一例を示す概念図である。
【図14】画像多重方式を示す概念図である。
【図15】本発明の第1の実施形態における放送データ受信装置を示すブロック図である。
【図16】飛び出し量調整の原理を説明するための図である。
【図17】飛び出し量調整時の画像形式の変化を説明するための図である。
【図18】飛び出し量調整時の表示方法を説明するための図である。
【図19】2DビデオデータのPID定義情報を含むPMTの構造の一例を示す図である。
【図20】画像多重方式情報がマルチストリーム方式でない場合の3DビデオデータのPID定義情報を含むPMTの構造の一例を示す図である。
【図21】画像多重方式情報がマルチストリーム方式である場合の3DビデオデータのPID定義情報を含むPMTの構造の一例を示す図である。
【図22】本発明の第2の実施形態の放送データ送信装置の送信動作のフローチャート図である。
【図23】受信した放送データのビデオデータのPIDから、受信したビデオデータの種別を判定する方法のフローチャート図である。
【図24】1つの番組内で2Dシーンと3Dシーンが混在する場合の放送データ送信装置と放送データ受信装置の動作について説明するための図である。
【図25】フィールドシーケンシャル方式の表示方式を説明するための図である。
【図26】パララクスバリア方式の表示方式を説明するための図である。
【符号の説明】
100 放送データ送信装置
101 番組配列情報作成手段
102 多重化手段
103 伝送路符号化手段
200 PMT作成手段
201 EIT作成手段

Claims (7)

  1. 画像データを含むコンテンツを放送データとして送信する放送データ送信装置であって、
    前記コンテンツを再生するために使用される番組配列情報を作成する番組配列情報作成手段を備え、
    前記番組配列情報は前記コンテンツに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、
    前記番組配列情報作成手段は、前記3次元画像データの再生時間帯を示す情報を前記3次元制御情報に格納することを特徴とする放送データ送信装置。
  2. 画像データを含むコンテンツを放送データとして送信する放送データ送信装置であって、
    前記コンテンツを再生するために使用される番組配列情報を作成する番組配列情報作成手段を備え、
    前記番組配列情報は前記コンテンツに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、
    前記番組配列情報作成手段は、前記3次元画像データを2次元表示するときに選択される視点画像を示す2次元表示画像情報を前記3次元制御情報に格納することを特徴とする放送データ送信装置。
  3. 画像データを含むコンテンツを放送データとして送信する放送データ送信方法であって、
    前記コンテンツを再生するために使用される番組配列情報を作成する番組配列情報作成ステップを持ち、
    前記番組配列情報は前記コンテンツに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、
    前記番組配列情報作成ステップは、前記3次元画像データの再生時間帯を示す情報を前記3次元制御情報に格納することを特徴とする放送データ送信方法。
  4. 画像データを含むコンテンツを放送データとして送信する放送データ送信方法であって、
    前記コンテンツを再生するために使用される番組配列情報を作成する番組配列情報作成ステップを持ち、
    前記番組配列情報は前記コンテンツに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、
    前記番組配列情報作成ステップは、前記3次元画像データを2次元表示するときに選択される視点画像を示す2次元表示画像情報を前記3次元制御情報に格納することを特徴とする放送データ送信方法。
  5. 放送データを受信する放送データ受信装置であって、
    前記放送データに含まれるコンテンツに対する制御情報を解析する番組配列情報解析手段と、
    入力された画像データを2次元表示するか、もしくは3次元表示するかを外部の入力により切り替えて表示することのできる表示手段と、
    前記表示手段を制御する表示制御手段と
    を備え、
    前記番組配列情報は、放送データに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、
    更に前記3次元制御情報は、コンテンツ中に3次元画像データが存在する時間帯を示す3次元表示時間情報を含み、
    前記番組配列情報解析手段は、前記番組配列情報を解析することにより前記3次元制御情報を表示制御手段に送り、
    前記表示制御手段は、
    内部にタイマーを備え、
    入力された前記3次元制御情報に従って前記表示手段を2次元表示するか、もしくは3次元表示するかを切り替え、
    前記3次元表示時間情報と前記タイマーの時刻から受信した放送データに含まれる画像データが2次元画像データであるか、もしくは3次元画像データであるかを判定し、2次元画像データであれば2次元表示を、3次元画像データであれば3次元表示を行うように前記表示手段を制御する表示制御手段である放送データ受信装置。
  6. 放送データを受信する放送データ受信装置であって、
    前記放送データに含まれるコンテンツに対する制御情報を解析する番組配列情報解析手段と、
    入力された画像データを2次元表示する表示手段と、
    前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
    前記番組配列情報は、放送データに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、
    前記3次元制御情報は、受信した放送データに含まれる受信画像データが2次元画像データであることを示す識別子と、3次元画像データであることを示す識別子をそれぞれ定義する識別子情報を含み、
    前記番組配列情報解析手段は、前記番組配列情報を解析することにより前記3次元制御情報を表示制御手段に送り、
    前記表示制御手段は、
    入力された前記3次元制御情報に従って前記表示手段を制御し、
    前記識別子情報と前記受信画像データの識別子から、前記受信画像データが2次元画像データであるか、もしくは3次元画像データであるかを判定し、
    2次元画像データである場合は表示を行うように前記表示手段を制御し、
    3次元画像データである場合は表示できない、または正しく表示できない旨を観察者に通知する表示制御手段である放送データ受信装置。
  7. 放送データを受信する放送データ受信装置であって、
    前記放送データに含まれるコンテンツに対する制御情報を解析する番組配列情報解析手段と、
    入力された画像データを2次元表示する表示手段と、
    前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
    前記番組配列情報は、放送データに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報を含み、
    更に前記3次元制御情報は、コンテンツ中に3次元画像データが存在する時間帯を示す3次元表示時間情報を含み、
    前記番組配列情報解析手段は、前記番組配列情報を解析することにより前記3次元制御情報を表示制御手段に送り、
    前記表示制御手段は、
    内部にタイマーを備え、
    入力された前記3次元制御情報に従って前記表示手段を制御し、
    前記3次元表示時間情報と前記タイマーの時刻から、受信した放送データに含まれる受信画像データが2次元画像データであるか、もしくは3次元画像データであるかを判定し、2次元画像データである場合は表示を行うように前記表示手段を制御し、
    3次元画像データである場合は表示できない、または正しく表示できない旨を観察者に通知する表示制御手段である放送データ受信装置。
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