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JP4185869B2 - 可変動弁機構 - Google Patents

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JP4185869B2
JP4185869B2 JP2004044857A JP2004044857A JP4185869B2 JP 4185869 B2 JP4185869 B2 JP 4185869B2 JP 2004044857 A JP2004044857 A JP 2004044857A JP 2004044857 A JP2004044857 A JP 2004044857A JP 4185869 B2 JP4185869 B2 JP 4185869B2
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Description

本発明は、内燃機関の運転状況に応じてバルブのリフト量及び作用角を連続的に又は段階的に変化させる可変動弁機構に関するものである。
可変動弁機構としては、図8に示すように、ロッカアーム50にシーソーアーム51をその中央部において揺動可能に軸着し、シーソーアーム51の一端部と他端部とを異なった回転カム52,53にて位相を異ならせて押圧することで、バルブ54のリフト量を変化させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、図9に示すように、ローラ61を備える二つのロッカアーム60の近傍に、支持シャフト62が設けられ、支持シャフト62の周りに回転カム67により押圧されるローラ64が軸着された第一介在アーム63と、第一介在アーム63の左右に位置してローラ61をそれぞれ押圧する第二介在アーム66とが回動可能に軸着され、第一介在アーム63と第二介在アーム66との相対角度を変化させて、バルブ68のリフト量及び作用角を変化させる相対角度制御機構が設けられているものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−309918公報 特開2001−263015公報
ところが、前記の可変動弁機構の場合、次のような問題があった。
(1)シーソーアーム51を備えるロッカアーム50は、シーソーアーム51の上部に回転カム52、53を設けるため、内燃機関が嵩高くなる。さらに、二本の回転カム52、53の位相を変えて回転させることが必要で、駆動が難しい。
(2)ローラ61を備えるロッカアーム60は、ローラ61の上部に相対角度制御機構を追加するため、内燃機関が嵩高くなり、さらに部品点数が多く、組付けが複雑になる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、組付けが簡便で、精密な制御ができるとともに、構造が簡単でコンパクトな可変動弁機構を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の可変動弁機構は、ロッカアームに、該ロッカアームの上下方向位置に対しそれぞれ実質的に同等位置又は下方位置に配置される被軸支部、回転カム摺接部及び制御カム摺接部を備えたサブアームを被軸支部において揺動可能に軸支して複合ロッカアームとし、回転カム摺接部を押圧してサブアームを揺動させる回転カムを回転可能に設け、制御カム摺接部をサブアームの揺動時に摺動させるカム面を備えた制御カムを小角度回転可能に設け、カム面は、制御カムの小角度回転中心からの距離が等しい非作用面部と、非作用面部から連続し非作用面部から離れるに従って小角度回転中心からの距離が離れる作用面部とから構成され、小角度回転中心を被軸支部に一致させ、サブアームの揺動時、制御カム摺接部が非作用面部を摺動している間は、被軸支部は小角度回転中心と一致したままで、ロッカアームの揺動に繋がらず、制御カム摺接部が作用面部を摺動すると、被軸支部は小角度回転中心から下方へずれて、サブアームの揺動がロッカアームの揺動に繋がるように構成され、制御カムが内燃機関の運転状況に応じて小角度回転制御されると、カム面における制御カム摺接部の摺動開始位置が変わり、サブアームの揺動がロッカアームの揺動に繋がる程度及びタイミングが変わることによりバルブのリフト量及び作用角が変化するよう構成されたことを特徴とする。なお、本明細書において「上下」とは内燃機関のシリンダの軸線方向(図4に例示するシリンダCの軸線A方向を参照)を意味し、「上方」とはシリンダから離れる方向、「下方」とはシリンダに近づく方向を意味する。
ここで、サブアームの被軸支部、回転カム摺接部及び制御カム摺接部が、それぞれロッカアームの上下方向位置に対し「実質的に同等位置」に配置されるとは、ロッカアームの上下方向位置と同一位置に配置される(すなわちサブアームの前記各部を含む略全体がロッカアームの横に重なるように並んで配置される)場合のみならず、ロッカアームの上面の上方約30mmからロッカアームの下面の下方約30mmまでの範囲に配置される(すなわちサブアームの一部はロッカアームの横に重なるように並んで配置されるが、前記各部は多少上下にずれるように配置される)場合も含む意味である。また、「下方位置」については格別の数値的制限はないが、各部品の寸法上又は配設上の問題から、ロッカアームの下面の下方50mmまでが現実的である。もっとも、各部を個別に見ると、被軸支部は、ロッカアームに軸支されるのであるから、被軸支部の全体又は一部(実施例参照)が前記「実質的に同等位置」に配置されることになる。また、回転カム摺接部は、回転カムを下方へは配設しにくいことから、前記「実質的に同等位置」に配置されることが好ましい。一方、制御カム摺接部は、制御カムの配設位置に応じて変えることができ、下方への制限も格別に無いことから、前記「実質的に同等位置」でも「下方位置」でもよい。
ム面を、制御カムの小角度回転中心からの距離が等しい非作用面部(ベース円)と、非作用面部から連続し非作用面部から離れるに従って前記小角度回転中心からの距離が離れる作用面部とから構成するとともに、制御カムの小角度回転中心(不動点)をサブアームの被軸支部(揺動中心)に一致させ、制御カム摺接部の摺動開始位置を非作用面部のどこにするか(作用面部の近くにするか遠くにするか)を制御する。
被軸支部を除いたサブアームの形状は、隣合うロッカアームの間隔より幅が狭く形成され、サブアームのうちロッカアームの真上部位に軸支される部位が形成され、サブアームのうちロッカアームの真上部位から外れた部位に制御カム摺接部及び回転カム摺接部が形成されることが好ましい。制御カム摺接部及び回転カム摺接部の位置をどのように決めてもロッカアームと干渉しないからである。これにより、例えば、制御カム摺接部及び回転カム摺接部の位置を軸支部より低くすることができる。
複合ロッカアームの揺動とサブアームの揺動及び傾動とは別の面内であってもよいが、スペース効率上、複合ロッカアームの揺動とサブアームの揺動及び傾動とは同一面内で行われることが好ましい。
サブアームの回転カム摺接部は、固定面でも回転可能なローラでもよい。サブアームの制御カム摺接部も、固定面でも回転可能なローラでもよい。いずれも、コストの観点では固定面が好ましく、摺動抵抗や摩耗の観点では回転可能に軸着されたローラであることが好ましい。前記の点から、回転カム摺接部又は制御カム摺接部の少なくとも一方が、回転可能に軸着されたローラであることが好ましい。回転カム摺接部及び制御カム摺接部が共に回転可能なローラである場合、両ローラは同軸上に並設しても平行な別々の軸上に設けてもよい。また、いずれか一方のローラの1つを対称面にして他方のローラを2つ配するようにし、回転カム及び制御カムから受ける力がサブアームにねじれ応力を生じさせないようにしてもよい。
制御カムを小角度回転制御する装置としては、特に限定されないが、ヘリカルスプライン機構と、油圧を用いた駆動部と、マイクロコンピュータ等の制御装置とを備えたものを例示できる。
ロッカアームは、その揺動中心部がアーム長方向の中央部にあるものでも、一端部にあるもの(いわゆるスイングアーム)でもよい。その揺動中心部は軸着でもピボット支持でもよい。また、揺動中心部にタペットクリアランス調整機構が設けられることが好ましい。ロッカアームとサブアームとが同一面内で揺動する場合、そのサブアームがロッカアームからはみ出しにくくスペース効率が良い点で、本発明はロッカアームの揺動中心部がアーム長方向の一端部にあるタイプに具体化することが好ましい。すなわち、ロッカアームは、その一端部に揺動中心部があり、中央部に軸支部があり、他端にバルブ押圧部があるタイプであることが好ましい。
なお、本発明の可変動弁機構は、吸気バルブ又は排気バルブの何れか一方に適用することもできるが、両方に適用することが好ましい。
本発明の可変動弁機構によれば、組付けが簡便で、精密な制御ができるとともに、構造が簡単でコンパクト化を図ることができるという優れた効果を奏する。
可変動弁機構は、ロッカアームに、ロッカアームの上下方向位置に対しそれぞれ実質的に同等又は下方に位置する被軸支部と回転カム摺接部と制御カム摺接部とを備えたサブアームを揺動可能に被軸支部において軸支して複合ロッカアームとし、回転カム摺接部を押圧して複合ロッカアームを揺動させる回転カムを回転可能に設け、回転カム摺接部の押圧時に制御カム摺接部を摺動させてサブアームを傾動させるカム面を備えた制御カムを小角度回転可能に設ける。この制御カムが内燃機関の運転状況に応じて小角度回転制御されると、カム面における制御カム摺接部の摺動開始位置が変わり、複合ロッカアームの揺動時におけるロッカアームに対するサブアームの相対角度が変わることによりバルブのリフト量及び作用角が変化するよう構成する。
カム面における制御カム摺接部の摺動開始位置が変わり、サブアームの揺動がロッカアームの揺動に繋がる程度及びタイミングが変わるための具体的態様としては、カム面は、制御カムの小角度回転中心からの距離が等しい非作用面部と、非作用面部から連続し前記非作用面部から離れるに従って小角度回転中心からの距離が離れる作用面部とから構成する。この小角度回転中心を被軸支部に一致させ、サブアームの揺動時、制御カム摺接部が非作用面部を摺動している間は、被軸支部は小角度回転中心と一致したままで、ロッカアームの揺動に繋がらない。また、制御カム摺接部が作用面部を摺動すると、被軸支部は小角度回転中心から下方へずれて、サブアームの揺動がロッカアームの揺動に繋がる。このロッカアームの揺動とサブアームの揺動及び傾動とは同一面内で行われ、回転カム摺接部及び制御カム摺接部はサブアームに回転可能に軸着されたローラである。
図1〜図6は本実施例1の可変動弁機構を示している。本機構においては、スイングアームタイプの二つのロッカアーム1が間隔をおいて並ぶように配され、二つのロッカアーム1の基端部1aはロッカシャフト2により軸支されロッカアーム1の揺動中心部となっている(各ロッカアーム1の基端部1aは同部に形成された凹球面部がピボットに支持されていてもよい。)。この二つのロッカアーム1の基端部1aは、ロッカシャフト2を包むように連結部1bにて連結され、二つのロッカアーム1を備えた部品となっている。ロッカアーム1の先端部1cにはバルブ5の基端部を押圧するバルブ押圧部3が設けられている。二つのロッカアーム1の長さ方向の略中央部には、ロッカシャフト2と平行に延びた略半円柱状に凹んだ軸支部4がそれぞれ設けられている。以下の説明において、便宜上、ロッカアーム1の先端方向(図1〜図5において右方向)を「前」あるいは必要に応じて前方又は前側といい、基端方向(同じく左方向)を「後」あるいは必要に応じて後方又は後側ということにする。
この可変動弁機構の特徴は、ロッカアーム1の軸支部4にサブアーム10の上端部の被軸支部11を揺動可能に軸支して複合ロッカアーム9とし、サブアーム10の略全体がロッカアーム1と実質的に同等又は下方に位置するようになっていることにある。さらに、サブアーム10は回転カム摺接部12及び制御カム摺接部13を備えており、回転カム摺接部12を押圧して複合ロッカアーム9を揺動させる回転カム7を回転可能に設けており、回転カム摺接部12の押圧時に制御カム摺接部13を摺動させてサブアーム10を傾動させるカム面18を備えた制御カム15を小角度回転可能に設けたことにある。以下、これらを詳述する。
サブアーム10は、対峙した一対のく字型の板状の側面部14と、側面部14のそれぞれの上端部から同軸上を外方へ向けて垂直に突出する被軸支部11と、対峙した側面部14の途中部に挟まれるように回転可能に軸着されたローラからなる回転カム摺接部12と、対峙した側面部14の下端部に挟まれるように回転可能に軸着されたローラからなる制御カム摺接部13とを備えている。このサブアーム10は、軸支部4に被軸支部11が揺動可能に軸支され、ロッカアームの上下方向位置に被軸支部11が重なっており、最上位置にある回転カム摺接部12及び制御カム摺接部13は、ロッカアームの上端より約20mm上方までの範囲に配置されている。また、サブアームは、二つのロッカアーム1間の間隔に非接触で入り込んで下方に延び、制御カム摺接部13を下記する制御カム15のカム部17のカム面18に当接させている。言い換えると、被軸支部11を除いたサブアーム10はロッカアーム1間より幅が狭く形成されており、サブアーム10がロッカアーム1と干渉しないため、制御カム摺接部13は軸支部4より下方に位置している。この軸支部4に軸支されている被軸支部11の中心軸がサブアーム10の揺動中心Qとなっている。
本例では、サブアーム10の被軸支部11と回転カム摺接部12と制御カム摺接部13とは、回転カム摺接部12が前方に張り出した「く」字配置(側面視)になっている。そして、回転カム7と軸支部4と間に介在するサブアーム10は、傾動すると、回転カム7と軸支部との距離を変えることができるように設計されている。
サブアーム10の側方には、1本のカムシャフト6が回転可能に軸支されている。カムシャフト6には、回転カム摺接部12を側方に押圧することで、サブアーム10を介してロッカアーム1を押圧することによりバルブ5をリフトさせる回転カム7が形成されている。回転カム7は、ベース円7aと、突出量が漸増するノーズ漸増部7bと、最大突出量となるノーズ7cと、突出量が漸減するノーズ漸減部7dとからなっている。回転カム7の回転方向は、ノーズ7cが回転カム摺接部12に上方から接近する方向(図示例では反時計回り)である。そして、最上位置にある時(図4(a)及び図5(a))のサブアーム10の上端部より回転カム7の回転中心(カムシャフト6の軸線)が上にならないようにして回転カム7が配置されている。本実施例では、サブアーム10に備えられている回転カム摺接部12はロッカアーム1の上下方向位置に対し実質的に同等に位置しているので、回転カム7はロッカアーム1の略側方に位置していることにもなる。
制御カム15は、突起を持つベース円のカム部17と、隣接するカム部17を連結しサブアーム10の被軸支部11の上方に被軸支部11と平行に延びた連結部16とからなり、図示しない小角度回転装置により内燃機関の運転状況に応じて小角度回転可能に設けられている。カム部17は、二つのロッカアーム1間の間隔の上方位置にあって、サブアーム10の対峙した側面部14の間隔にカム部17の突起部分が入り込むように配置されており、連結部16と一体となって小角度回転するようになっている。制御カム15の小角度回転中心Rはベース円部分の中心軸である。カム部17は、その周面の突起部分の前面から前方向のベース円までの制御カム摺接部13が当接するカム面18を備えている。カム面18は、前半部のベース円の周面が制御カム15の小角度回転中心Rに対して距離が略等しい凸円弧面状の非作用面部18aであり、後半部の突起部分の前面がサブアーム10の小角度回転中心Rに対して後側ほど距離が離れる作用面部18bとなっている。なお、サブアーム10はこの小角度回転とは独立して揺動自在である。連結部16は、制御カム15の小角度回転の際にロッカアーム1やサブアーム10と接触しないように、上方に凸の弓形状となっている。連結部16とカム部17とが一体形成されてもよい。
また、制御カム15は、小角度回転装置により、小角度回転制御されてカム部17の配向角を1回転以内の範囲で連続的に又は段階的(少なくとも二段階、好ましくは三段階、さらに好ましくは四段階以上の多段階)に変えることができる。カム部17の配向角が変わると、制御カム摺接部13のカム面18との当接位置Pが変わるとともに、回転カム摺接部12と回転カム7との接点が上下に変わる。そのことにより、カム面18における制御カム摺接部13の当接位置Pである摺動開始位置が変わり、サブアーム10の揺動がロッカアーム1の揺動に繋がる程度及びタイミングが変わるために、制御カム15の小角度回転中心R(不動点)をサブアーム10の被軸支部11(揺動中心)に一致させ、制御カム摺接部13の摺動開始位置を非作用面部18aのどこにするか(作用面部の近くかにするか遠くにするか)を制御することができる。それにより、複合ロッカアーム9の揺動時におけるロッカアーム1に対するサブアーム10の相対角度が変わることでバルブ5のリフト量、作用角及びタイミングが変化する。
さらに、本実施例の複合ロッカアーム9は、サブアーム10が揺動しても、制御カム摺接部13が非作用面部18aを摺動している間は、サブアーム10の揺動中心Qである被軸支部11は制御カム15の小角度回転中心Rと一致したまま不動なので、サブアーム10の揺動はロッカアーム1の揺動に繋がらない。そして、制御カム摺接部13が作用面部18bを摺動するようになると、サブアーム10の揺動に伴い、サブアーム10の揺動中心Qである被軸支部11は制御カム15の小角度回転中心Rから下方へずれるようになるので、サブアーム10の揺動がロッカアーム1の揺動に繋がるようになる。
小角度回転装置は、例えば、ヘリカルスプラインを設けたピストンが油圧により所定角の回転を伴いながら軸方向に移動し、該回転が制御カム15を回転させることによりカム部17の配向角を1回転以内の範囲で変える構造となっており、内燃機関の回転センサやアクセル開度センサ等からの検知値に基づいてマイクロコンピュータ等の制御装置により制御されるようになっている。小角度回転装置は、例えばステップモータ等の電動機を用いたものであってもよい。
以上のように構成された可変動弁機構は、次のように作用する。
まず、図4(a)及び図4(b)は最大リフト量・最大作用角が必要な運転状況下を示し、図4(a)は回転カム7のベース円7aが回転カム摺接部12に当接するとき(いわゆるベース時)を、図4(b)は同じくノーズ7cが回転カム摺接部12に当接するとき(いわゆるノーズ時)をそれぞれ示している。この運転状況下では、制御カム15の小角度回転制御によりカム部17の突起部分が最も下側に小角度回転制御され、サブアーム10は最下位置に変位される。
図4(a)のベース時において、前記小角度回転制御によりカム部17の突起部分が下方へ傾いた位置にあり、回転カム摺接部12と回転カム7との接点は(後述する微小リフト時(図5)との比較で)略同位置にあるとともに、制御カム摺接部13は二つのロッカアーム1間に入り込んでいる(制御カム摺接部13は制御カム15に当接している)。これが同運転状況下におけるサブアーム10の揺動開始位置である。このとき、カム面18における制御カム摺接部13の当接位置Pは非作用面部18aの後端部にあり、サブアーム10の揺動中心Qと制御カム15の回転中心Rとが一致しており、未だロッカアーム1は押し下げられないので、バルブ5のリフトは発生しない。そして、図4(a)から図4(b)までの間でノーズ漸増部7bが回転カム摺接部12に当接するようになると、回転カム7が回転カム摺接部12を押圧し始め、サブアーム10が上端の揺動中心Qを軸にして後方へ揺動して、制御カム摺接部13がカム面18に沿って下方に摺接し始める(カム面18における制御カム摺接部13の当接位置Pは下方へ後退し始める。)。よって、揺動中心Qを中心としてサブアーム10が揺動し始めるとともに、被軸支部11が軸支部4を押圧しながらカム面18における制御カム摺接部13の当接位置Pは後退して作用面部18bにかかり、回転中心Rからずれて揺動中心Qの位置が後下方へ変位し始め、ロッカアーム1はロッカシャフト2を中心として前下方へ揺動し始め、バルブ5のリフトが始まる。
そして、図4(b)のノーズ時になると、回転カム7が回転カム摺接部12を押圧し、サブアーム10が後方へ揺動する(前記の通り、制御カム摺接部13とロッカアーム1とは干渉しない)。このため、カム面18における制御カム摺接部13の当接位置Pは作用面部18bを先端方向へ後退するので、サブアーム10は、被軸支部11が軸支部4を押圧しながら傾動し、揺動中心Qの位置がロッカシャフト2を中心として下方へ最大に変位し、複合ロッカアーム9は下方へ最大に揺動するため、バルブ5のリフト量Lは最大値Lmaxに達する。また、ベース時に当接位置Pは非作用面部18aの後端部にあり、サブアーム10が変位し始めてから最大に変位するまでの広い範囲でバルブ5がリフトされることから、作用角は最大となる。(図6参照)。
続いて、図5(a)及び図5(b)は微小リフト量・微小作用角が必要な運転状況下を示し、図5(a)はベース時を、図5(b)はノーズ時をそれぞれ示している。この運転状況下では、制御カム15の小角度回転制御によりカム部17の突起部分が図4の時よりも上側に制御されるので、サブアーム10が、ベース時は図4(a)の時と略同等の位置にあり、ノーズ時は図4(b)の時より上側の位置までしか変位されない。
図5(a)のベース時において、前記小角度回転制御によりカム部17の突起部分は図4の時よりも後方の上側に位置し、回転カム摺接部12と回転カム7との接点は(前述する最大リフト時(図4)との比較で)略同位置にあるとともに、制御カム摺接部13は二つのロッカアーム1間に入り込んでいる(制御カム摺接部13は制御カム15に当接している)。これが同運転状況下におけるサブアーム10の揺動開始位置である。このとき、カム面18における制御カム摺接部13の当接位置Pは、非作用面部18aの途中部にあり(図3の時よりも作用面部18bから離れた)、サブアーム10の揺動中心Qと制御カム15の回転中心Rとが一致しており、未だロッカアーム1は押し下げられないので、バルブ5のリフトは発生しない。そして、図5(a)から図5(b)までの間でノーズ漸増部7bが回転カム摺接部12に当接するようになり、さらに図5(b)のノーズ時になると、回転カム7が回転カム摺接部12を押圧し始め、サブアーム10が上端の揺動中心Qを軸にして後方へ揺動して、制御カム摺接部13がカム面18に沿って下方に摺接し始める(カム面18における制御カム摺接部13の当接位置Pは後退し始める。)。よって、揺動中心Qを中心としてサブアーム10が揺動し始めるとともに、カム面18における制御カム摺接部13の当接位置Pは後退して作用面部18bにかかり、揺動中心Qの位置が後下方へ僅かに変位し始め、ロッカアーム1はロッカシャフト2を中心として下方へ僅かに揺動し始め、バルブ5のリフトが始まる。
よって、サブアーム10は揺動し下方へ変位するが、非作用面部18aの途中部である揺動開始位置からの揺動なので、カム面18における制御カム摺接部13の当接位置Pは作用面部18bにかかり始めたところまでしか前進しない。このため、サブアーム10の揺動中心Qの位置は、図4の時よりも上側までしか変位しない。そのため、複合ロッカアーム9は前下方へ僅かに揺動するにすぎず、バルブ5のリフト量は微小となる。また、回転カム7とサブアーム10の位置関係は、制御カム15の小角度回転によっては変化しないため、バルブ5のリフト量が図4に示すような最大時でも、図5に示すような微小時であっても、リフトのピークが訪れるタイミングは同じである。(図6参照)。
なお、図4と図5との中間的なリフト量・作用角が必要な運転状況下では、制御カム15の小角度回転制御によりカム部17を図4と図5との中間的な位置に連続的に又は段階的に小角度回転制御することにより、図6に示すように中間的なリフト量・作用角・タイミングが連続的に又は段階的に得られる。
続いて、リフト休止が必要な運転状況下については、制御カム15の小角度回転制御によりカム部17の突起部分が図5の時よりもさらに上側に制御する。回転カム7がベース時には、サブアーム10は図4(a)及び図5(a)の各ベース時と略同位置にあり、カム面18における制御カム摺接部13当接位置Pは、図5の時よりもさらにカム面18の作用面部18bから離れた非作用面部18aとなっている。そして、回転カム7がノーズ時になった際は、サブアーム10は、作用面部18bから大きく離れた位置の非作用面部18aである揺動開始位置からの揺動なので、制御カム摺接部13は非作用面部18aを摺動するのみであるので、揺動中心Qを軸とした揺動しかせず、揺動中心Qは変位しない。よって、ロッカアーム1は揺動せず、リフト休止状態となる。
以上のように構成された本実施例の可変動弁機構によれば、従来の駆動系を大きく変えることなく、1本のカムシャフト6を回転させるだけで、バルブ5のリフト量、作用角及びタイミングを連続的又は段階的に変化させることができる。また、ロッカアーム60のカム対応部としてのローラ61を、回転カム67が直接押圧してバルブ68をリフトさせるタイプの図7(a)に示す可変動弁機構や、改良されてローラ61と回転カム67との間にバルブ68のリフト量を精密に制御する部材が挟まれている図7(b)、図8及び図9に示す可変動弁機構と比較して、本実施例の可変動弁機構はバルブ5のリフト量を精密に制御する部材としてサブアーム10及び制御カム15が挟まれている上に、回転カム7の位置を下げることができることから、高さを抑えたコンパクトな可変動弁機構を形成することができる。このため、可変動弁機構の車両搭載性を向上させることができる。特に本実施例では、カム部17の位置を軸支部4より低くして、制御カム摺接部13が二つのロッカアーム1間に進入できるようにしたことから上下に延びるサブアーム10をより低く配置することができ、そのため、回転カム7もより低く配置しやすい。さらに、部品点数が少なく、組付けが簡便である
なお、本発明は前記実施例の構成に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で変更して具体化することもできる。
(1)小角度回転装置の構成や制御の仕方を適宜変更すること。
(2)中央部に揺動中心部があるロッカアームとすること。
(3)サブアーム10の形状を適宜変更すること。
(4)制御カム15の形状を適宜変更すること。
本発明の実施例に係る可変動弁機構を示す斜視図である。 同機構の要部を分解した状態を示す斜視図である。 同機構を示す、(a)は側面図、(b)は(a)のb−b断面図である。 同機構の最大リフト量・最大作用角が必要なときの作用を示す(a)はベース時の断面図、(b)はノーズ時の断面図である。 同機構の微小リフト量・最大作用角が必要なときの作用を示す(a)はベース時の断面図、(b)はノーズ時の断面図である。 本実施例に係る可変動弁機構により得られるバルブのリフト量、作用角及びタイミングを示すグラフである。 可変動弁機構の嵩高さを示す、(a)は従来の可変動弁機構の側面図、(b)は従来の可変動弁機構の側面図、(c)は本実施例に係る可変動弁機構の側面図である。 従来の可変動弁機構を示す斜視図である。 従来の可変動弁機構を示す斜視図である。
符号の説明
1 ロッカアーム
2 ロッカシャフト
4 軸支部
5 バルブ
6 カムシャフト
7 回転カム
9 複合ロッカアーム
10 サブアーム
11 被軸支部
12 回転カム摺接部
13 制御カム摺接部
15 制御カム
17 カム部
18 カム面

Claims (3)

  1. ロッカアームに、該ロッカアームの上下方向位置に対しそれぞれ実質的に同等位置又は下方位置に配置される被軸支部、回転カム摺接部及び制御カム摺接部を備えたサブアームを被軸支部において揺動可能に軸支して複合ロッカアームとし、
    前記回転カム摺接部を押圧してサブアームを揺動させる回転カムを回転可能に設け、
    前記制御カム摺接部を前記サブアームの揺動時に摺動させるカム面を備えた制御カムを小角度回転可能に設け、
    前記カム面は、前記制御カムの小角度回転中心からの距離が等しい非作用面部と、前記非作用面部から連続し前記非作用面部から離れるに従って前記小角度回転中心からの距離が離れる作用面部とから構成され、
    前記小角度回転中心を前記被軸支部に一致させ、
    サブアームの揺動時、前記制御カム摺接部が前記非作用面部を摺動している間は、前記被軸支部は前記小角度回転中心と一致したままで、ロッカアームの揺動に繋がらず、前記制御カム摺接部が前記作用面部を摺動すると、前記被軸支部は前記小角度回転中心から下方へずれて、サブアームの揺動がロッカアームの揺動に繋がるように構成され、
    前記制御カムが内燃機関の運転状況に応じて小角度回転制御されると、前記カム面における制御カム摺接部の摺動開始位置が変わり、前記サブアームの揺動がロッカアームの揺動に繋がる程度及びタイミングが変わることによりバルブのリフト量及び作用角が変化するよう構成された可変動弁機構。
  2. 前記ロッカアームの揺動と前記サブアームの揺動及び傾動とは同一面内で行われる請求項1記載の可変動弁機構。
  3. 前記回転カム摺接部又は制御カム摺接部の少なくとも一方が、前記サブアームに回転可能に軸着されたローラである請求項1又は2記載の可変動弁機構。
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