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JP4185854B2 - 油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造 - Google Patents

油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造 Download PDF

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JP4185854B2 JP2003402138A JP2003402138A JP4185854B2 JP 4185854 B2 JP4185854 B2 JP 4185854B2 JP 2003402138 A JP2003402138 A JP 2003402138A JP 2003402138 A JP2003402138 A JP 2003402138A JP 4185854 B2 JP4185854 B2 JP 4185854B2
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Description

本発明は、ロータリーバルブを介してシリンダチューブ内の一対の油圧室に選択的に油が供給されることにより、操舵補助力が発生する油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造に関する。
従来、油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造は、シリンダチューブ内に軸方向に進退可能に設けられるラック軸が設けられ、ロータリーバルブを介してシリンダチューブ内の一対の油圧室に選択的に油が供給されることにより、前記ラック軸の軸方向の移動に補助力を与え、換言するとステアリングホイールの操舵力に操舵補助力が与えられるようになっている(特許文献1参照)。
また、ステアリングホイールのフル転蛇時、換言するとラック軸が突き当て状態となる際には、ラック軸のロックプレートがシリンダチューブのエンドキャップの段部に突き当たる状態となる(特許文献2参照)。
特開2002−274400号公報 実開S62−3368号公報
しかしながら、特許文献1、2の発明にあっては、ステアリングホイールのフル転蛇によってラック軸が突き当て状態になった際、ロータリーバルブの油圧が供給されない側の油路が極端に絞られてしまうため、油圧が供給される側の油圧が最高油圧に上昇する。
そして、この状態からステアリングホイールが中立方向に転蛇されてラック軸が中立状態に戻り始めるとき、前記上昇したシリンダチューブ内の油はロータリーバルブを介して低圧側へ急激に戻るため、油圧回路内で急激な油圧変化が生じて異音が発生するという問題点があった。
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、ラック軸が突き当て状態から中立状態に戻り始める際における該ラック軸とシリンダチューブとの急激な相対移動を抑制することにより、油圧回路内の異音の発生を防止できる油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造を提供することである。
本発明の請求項1記載の発明では、ロータリーバルブを介してシリンダチューブ内の一対の油圧室に選択的に油が供給されることによって操舵補助力を発生する油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造において、前記シリンダチューブ内を軸方向に進退可能なラック軸が設けられ、前記シリンダチューブまたはラック軸には、該ラック軸が突き当て状態から中立状態になり始める際に互いの相対移動に対して抵抗となるような抵抗部材が設けられることとした。
従って、請求項1記載の発明にあっては、ラック軸が突き当て状態から中立状態に戻り始めるとき、抵抗部材でラック軸とシリンダチューブとの間に抵抗を発生させて急激な相対移動を抑制でき、これによりロータリーバルブの油路の切替えが徐々に行われて油圧変化を緩やかにでき、油圧回路内の異音の発生を防止できる。
以下、本発明の油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造の実施例を説明する。
以下、本発明の実施例1を説明する。
図1は本発明の実施例1の油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造を示す全体図、図2は実施例1のロータリーバルブを説明する断面図、図3は実施例1のシリンダチューブの端部付近を示す断面図である。
図4は実施例1の弾性部材を示す平面図、図5は図4のS5−S5線における側断面図、図6はラック軸が突き当て状態になる時の作用を説明する図、図7はラック軸が突き当て状態から中立状態に戻り始める時の作用を説明する図である。
図1に示すように、本実施例の油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造は、後述するロータリーバルブ1と、シリンダチューブ2と、該シリンダチューブ2内に軸方向に進退可能なラック軸3と、該ラック軸3の両端部に連結され、図外の車輪に連結されるタイロッド4,4を主要な構成としている。
なお、前記シリンダチューブ2の両端部付近にはダストブーツD,Dが外嵌されている。
また、図2に示すように、前記ロータリーバルブ1は図外のステアリングホイールから操舵力が入力される入力シャフト1aと、ラック軸3に嵌合されるピニオン歯1bを有する出力シャフト1cと、前記入力シャフト1aと出力シャフト1cを連結するトーションバー1dと、車体側に固定されるバルブハウジング1eと、トーションバー1dを囲繞するように入力シャフト1aに一体的に形成された円筒状のロータ1fと、前記出力シャフト1cに一体的に形成され、その内部に前記ロータ1fが相対回転可能に嵌挿されるスリーブ1gとで構成されている。
前記バルブハウジング1eには油圧ポンプPに接続される供給ポート1hと、リザーバタンクRに接続されるドレンポート1iと、油路Y2を介してシリンダチューブ2内の一方の油圧室2aに接続される第1給排ポート1jと、油路Y1を介してシリンダチューブ2内の他方の油圧室2bに接続される第2給排ポート1kが設けられている。
前記ロータ1fとスリーブ1gとの間には前記各ポート1h〜1kに接続される複数の油路1m,1nが形成されており、両者1f,1gの相対回転位置に応じて該油路1m,1nの接続状態が適宜調整操作されるようになっている。
具体的には、ステアリングホイールの操舵力が小さくトーションバー1dが捩じれていない場合には、両給排ポート1j,1kがドレンポート1iに連通し、この状態から操舵トルクが大きくなってトーションバー1dが一方に捩じれると、ロータ1fとスリーブ1gの相対回転位置に応じた油圧が一方の給排ポート1j(1k)に供給されると共に、他方の給排ポート1k(1j)がドレンポート1iに連通するようになっている。
このように構成されたロータリーバルブ1は、ステアリングホイールの操舵力を入力シャフト1a、出力シャフト1cを介してラック軸3に伝達することにより、該ラック軸3を軸方向に適宜移動させてタイロッド4,4を介して車輪に蛇角を与えるようになっている。
その一方でロータリーバルブ1は、シリンダチューブ2内の油圧室2a,2bに選択的に油を供給してピストン2cを軸方向に押圧・移動させることにより、前記ステアリングホイールの操舵力に対する操舵補助力を発生させるようになっている。
以下、図3を用いてシリンダチューブ2の端部付近について説明する。
なお、図1に示すシリンダチューブ2の端部3a,3b付近は同様の構成であるため、本実施例ではシリンダチューブ2の端部3a付近についてのみ説明する。
図3に示すように、シリンダチューブ2の端部にはラック軸3を軸方向に進退可能な状態で支持する環状のエンドキャップ5が設けられている。
また、前記エンドキャップ5の軸方向外側端面には車幅方向内側に凹設した環状の凹部6が形成されている。
また、ラック軸3の端部にはボールジョイントBが固定され、該ボールジョイントBにはタイロッド4の一端が回動自在に連結されている。
さらに、前記ラック軸3の端部には前記ボールジョイントBに当接した状態で後述する弾性部材8(抵抗部材)が外嵌されている(請求項1に対応)。
図4、5に示すように、前記弾性部材8は、ゴム等の弾性部材を用いて環状に形成され、その内周部の2箇所から中心に向かって突出し、且つ、前記ラック軸3の端部の係止溝3c(図3参照)に嵌合する環状の固定部8aが形成されている。
また、弾性部材8の外周部には半円形断面形状に軸方向に突出した突起部8bが設けられている。
このように構成された油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造にあっては、ステアリングホイールが中立状態からフル転蛇されたとき、ラック軸3が突き当て状態となるが、この際、図6(a)、(b)に示すように、突起部8bが凹部6の側面6aに所定の抵抗を伴って摺動した後、図6(c)に示すように、前記突起部8bが凹部6の側面6aと底面6bに圧接した状態となるため、該ラック軸3が突き当て状態になる際の衝突音を緩和できる(後述の(イ)に対応)。
また、この際、ロータリーバルブ1の油圧が供給されない側の油路Y1が極端に絞られて油圧が供給される側の油路Y2が最高油圧に上昇した状態となっている。
そして、この状態からステアリングホイールが中立方向に転蛇されると、ラック軸2が中立状態に戻り始めることにより、前記高圧となったシリンダチューブ2内の油圧室2bの油がロータリーバルブ1を介してリザーバタンクR側へ急激に戻るように作用する。
しかし、この際、図7(a)〜(c)に示すように、弾性部材8の突起部8bが再び凹部6の側面6aに所定の抵抗を伴って摺動しながら解放されるため、ラック軸3の急激な移動を抑制できる(請求項1及び後述の(イ)に対応)。
従って、ロータリーバルブ1の油路の切替えが徐々に行われて油圧変化を緩やかにでき、ロータリーバルブ1内の異音の発生を防止できる。
以下、本発明の実施例2を説明する。
本実施例の油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造は、前記実施例1で説明した凹部6の形状を変更したこと以外は前記実施例1と同様であるため、同一の構成部材については同一の符号を付してその説明は省略する。
図8は本発明の実施例1の油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造におけるシリンダチューブの端部を示す断面図、図9は実施例2の油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造の作用を説明する図である。
図8に示すように、本実施例の凹部20にはその開口端側から底面21側へ行くほど外径が大きくなるように形成された第1テーパ部22と、該第1テーパ部22よりも軸方向外側に、凹部20の底面21側から開口端側へ行くほど外径が大きくなるように形成された第2テーパ部23が形成されている(後述の(ロ)、(ハ)に対応)。
このように構成された油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造にあっては、ステアリングホイールが中立状態からフル転蛇されたとき、ラック軸3が突き当て状態となるが、この際、図9(a)〜(c)に示すように、弾性部材8の突起部8bが凹部20の第2テーパ部23によって凹部20の底面21側に導かれた後、凹部20の第1テーパ部22に嵌合する。
従って、突起部8bが凹部20にスムーズに入り込むように嵌合するため、ラック軸3が突き当て状態になる際の抵抗を小さくできる(後述の(ハ)に対応)。
そして、この状態からステアリングホイールが再び中立方向に転蛇されると、ラック軸3が中立状態に戻り始めるが、この際、前述したように、第1テーパ部22と突起部8bとが嵌合しているため、突起部8bが凹部20から解放される際により強い抵抗力となって、ラック軸3の戻りを緩やかにすることができる(後述の(ロ)に対応)。
従って、ロータリーバルブの油路の切替えが徐々に行われて油圧変化を緩やかにでき、ロータリーバルブ1内の異音の発生を防止できる。
以上、本発明の実施例を説明してきたが、本発明の具体的構成は本実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
例えば、図10に示すように、実施例2で説明した第2テーパ部23を軸方向に平行な側面40に形成しても良い。
また、凹部6及び突起部8は環状に形成されていることが好ましいが周方向の一部に設けられていても良い。
また、本実施例では抵抗部材(弾性部材8)をラック軸3に設けたが、該抵抗部材をシリンダチューブ2に設けても良いし、この他、例えば、油圧室2a,2b内やタイロッド4などに設けても良い。
また、ラック軸3がエンドキャップ5に設けられるブッシュ等の摺動面において、その一部の摺動抵抗が大きくなるように表面処理することによって、シリンダチューブ2とラック軸3との間に抵抗を発生させるようにしても良い。
更に、上記実施例及び実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1記載の油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造において、
前記シリンダチューブの端部には環状のエンドキャップが設けられ、
前記エンドキャップの軸方向外側端面には凹部が形成され、
前記ラック軸の端部には、ラック軸が突き当て状態になった際に前記凹部の底面及び側面に圧接する弾性部材が設けられることを特徴とする油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造。
即ち、弾性部材が凹部の底面に圧接することによって、ラック軸の突き当て時の衝突音を緩和することができる。
また、弾性部材が凹部の側面に圧接することによって、ラック軸が突き当て状態から中立状態に戻り始める際に抵抗力を発生させ、これによりラック軸の戻りが緩やかになり、急激な油圧変化による異音の発生を抑制できる。
(ロ)上記(イ)記載の油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造において、
前記凹部は、該凹部の開口端から底面へ行くほど外径が大きくなるように形成された第1テーパ部が設けられ、
前記弾性部材は前記第1テーパ部の形状に対応するようにその外径が軸方向内側へ行くほど大きくなるように形成された突起部が設けられることを特徴とする油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造。
即ち、ラック軸の突き当て時において突起部が凹部の第1テーパ部に嵌合することによって、突起部が凹部から解放される際により強い抵抗力が作用し、ラック軸の戻りを緩やかにすることができる。
(ハ)上記(イ)または(ロ)に記載の油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造において、
前記凹部は前記第1テーパ部よりも軸方向外側に、凹部の底面から開口端側へ行くほど外径が大きくなるように形成された第2テーパ部が設けられることを特徴とする油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造。
即ち、弾性部材の突起部が凹部へスムーズに入り込むように嵌合するため、ラック軸が突き当て状態となる際の抵抗は小さく、該突き当て状態から中立方向へ戻り始める際の抵抗は大きくすることができ、操舵フィーリングを向上できる。
本発明の実施例1の油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造を示す全体図である。 実施例1のロータリーバルブを説明する断面図である。 実施例1のシリンダチューブの端部を示す断面図である。 実施例1の弾性部材を示す平面図である。 図4のS5−S5線における側断面図である。 ラック軸が突き当て状態になる時の作用を説明する図である。 ラック軸が突き当て状態から中立状態に戻り始める時の作用を説明する図である。 本発明の実施例2のシリンダチューブの端部を示す断面図である。 実施例2の油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造の作用を説明する図である。 その他のシリンダチューブの端部を示す断面図である。
符号の説明
B ボールジョイント
P 油圧ポンプ
R リザーバタンク
1 ロータリーバルブ
1a 入力シャフト
1b ピニオン歯
1c 出力シャフト
1d トーションバー
1e バルブハウジング
1f ロータ
1g スリーブ
1h 供給ポート
1i ドレンポート
1j 第1給排ポート
1k 第2給排ポート
1m、1n 油路
2 シリンダチューブ
2a、2b 油圧室
2c ピストン
3 ラック軸
3a、3b 端部
3c 係止溝
4 タイロッド
5 エンドキャップ
6 凹部
6a 側面
6b 底面
7 弾性部材
7a 固定部
7b 突起部
8 弾性部材
8a 固定部
8b 突起部
20 凹部
21 底面
22 第1テーパ部
23 第2テーパ部
40 側面

Claims (1)

  1. ロータリーバルブを介してシリンダチューブ内の一対の油圧室に選択的に油が供給されることによって操舵補助力を発生する油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造において、
    前記シリンダチューブ内を軸方向に進退可能なラック軸が設けられ、
    前記シリンダチューブまたはラック軸には、該ラック軸が突き当て状態から中立状態になり始める際に互いの相対移動に対して抵抗となるような抵抗部材が設けられることを特徴とする油圧パワーステアリング装置のシリンダ構造。
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