JP4184590B2 - 回路基板の実装コスト評価方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板の実装コスト評価方法及びその装置に関し、より特定的には、回路基板設計段階において回路基板の材料費及び製造費を高精度に試算・評価することにより、実装コストを最適化させた回路基板設計を可能とする方法及び当該方法を用いた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、設計段階において設計された回路基板の実装コストは、次式(1)に基づいた方法で算出されている。
実装コスト=材料費+製造費 …(1)
ここで、材料費は、言うまでもなく次式(2)で求められる。
材料費=(部品毎の[単価×員数]の総和)+生基板費 …(2)
一方、製造費は、部品1点当たりの製造コストを定数Cとして、次式(3)に基づいて求められている。
製造費=部品毎の[定数C×員数]の総和 …(3)
このように定数Cを用いて製造費を求めているのは、設計段階の回路基板へ実際に部品実装させた場合の設備タクトを精度良くシミュレーションし、これに基づいて単位時間当たりの生産可能な基板枚数を計算し、さらにこの結果を製造費に反映させることが、従来は困難であったからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、上述した従来の実装コスト算出方法では、回路基板の生産性が製造費に反映されず、上式(3)で求めた製造費が、実際に工場で部品実装した場合の製造費と大きく異なるという問題があった。
また、部品1点当たりの製造費が固定(定数C)であるため、回路設計者は、生産性を考慮せずに材料費を下げることだけを考えて部品選定を行いがちである。このため、材料費は下がったが生産性が落ちて製造費が上がり、結果的に全体の実装コストが高くなってしまうという問題があった。
さらに、実際に回路基板を製造した結果、生産性が悪い場合には、回路基板設計の修正を行う必要が生じてくる。従って、従来の実装コスト算出方法によって誤ったコスト算出を繰り返していると、かなりの時間と労力を無駄に消費させられることになるという問題もある。
【0004】
それ故、本発明の目的は、回路基板設計段階において生産性を考慮して製造費を精度良く求めることで、設計者がこれを回路基板設計に反映させて実装コストを下げることができると共に、実際の製造時における生産性の悪化を事前に回避し、設計修正に伴う時間及び労力のロスを削減することができる回路基板の実装コスト評価方法及びその装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、回路基板設計段階において設計された回路基板の実装コストを評価する方法であって、
回路基板の表面/裏面の部品番号及び使用員数等からなる部品データと、基板サイズ及び基板種別等からなる基板データとで構成される、回路基板の設計データを入力するステップと、
工場設備で使用可能な部品に関する情報(部品番号や単価等)が格納された部品データベース、及び工場設備で使用可能な基板に関する情報(基板種別及び単位面積当たりの価格等)が格納された基板データベースを参照し、設計データに基づいて、予め定めたアルゴリズムに従って回路基板の材料費を算出するステップと、
部品データベース、実装工場における製造ラインの設備構成に関する情報が格納されたライン構成データベース、設備への部品割り当て条件に関する情報が格納された実装条件データベース、及び人件費、設備償却費及び製造経費等の回路基板の製造に必要な費用に関する情報が格納された製造費データベースを参照し、設計データに基づいて、予め定めたアルゴリズムに従って回路基板の製造費を算出するステップと、
算出された材料費及び製造費に基づいて、回路基板の実装コストの算出及び評価を行い、その結果を設計者へ出力するステップとを備える。
【0006】
上記のように、第1の発明によれば、回路基板設計段階において生産性を考慮して製造費を精度良く求めることができるので、設計者がこれを回路基板設計に反映させて実装コストを下げることができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
製造費を算出するステップは、各設備の累積タクトタイムが近似するように、部品データを構成する各部品の実装を各設備にそれぞれ割り当てた後、回路基板の製造費を算出することを特徴とする。
【0008】
上記のように、第2の発明によれば、累積タクトタイムが近似するように部品の設備への割り当てを行うことで、実際の製造時における生産性の悪化を事前に回避し、設計修正に伴う時間及び労力のロスを削減することができる。
【0009】
第3の発明は、第2の発明に従属する発明であって、
入力するステップは、回路基板の設計パターンに対応した部品配置情報をさらに入力し、
製造費を算出するステップは、部品配置情報に従って、割り当てた部品の実装順番を設備毎に決定した後、回路基板の製造費を算出することを特徴とする。
【0010】
上記のように、第3の発明によれば、部品配置情報を用いて、割り当てられた部品の実装順番を設備毎に最適化させるので、より正確なタクトタイムを反映させた製造費の算出が可能となる。
【0011】
第4の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
CAMシステムから必要なデータを取り込んで、実装条件データベースを自動的に生成するステップをさらに備える。
【0012】
上記のように、第4の発明によれば、元々CAMシステムが有するデータを利用して自動的に実装条件データベースを生成させるので、操作者の入力作業を大幅に軽減させることができる。
【0013】
第5の発明は、第1〜第4の発明に従属する発明であって、
部品データベース及び基板データベースに基づいた設計データの変更及び追加、又は設計データの削除を行う修正ステップをさらに備え、
設計者が、出力するステップから出力される結果を参照して、修正ステップによって設計データの修正を行い、修正後の新たな設計データによる実装コストの算出及び評価が可能なことを特徴とする。
【0014】
上記のように、第5の発明によれば、設計者が、現在の実装コストの算出及び評価結果を次の回路基板設計に反映させることができるので、最終的に最適な実装コストの低減を図った回路基板設計を行うことができる。
【0015】
第6の発明は、回路基板設計段階において設計された回路基板の実装コストを評価する装置であって、
回路基板の表面/裏面の部品番号及び使用員数等からなる部品データと、基板サイズ及び基板種別等からなる基板データとで構成される、回路基板の設計データを入力するデータ入力部と、
工場設備で使用可能な部品に関する情報(部品番号や単価等)が格納された部品データベースと、工場設備で使用可能な基板に関する情報(基板種別及び単位面積当たりの価格等)が格納された基板データベースと、実装工場における製造ラインの設備構成に関する情報が格納されたライン構成データベースと、設備への部品割り当て条件に関する情報が格納された実装条件データベースと、人件費、設備償却費及び製造経費等の回路基板の製造に必要な費用に関する情報が格納された製造費データベースとを、記憶したデータベース記憶部と、
部品データベース及び基板データベースを参照し、設計データに基づいて、予め定めたアルゴリズムに従って回路基板の材料費を算出する材料費算出部と、
部品データベース、ライン構成データベース、実装条件データベース及び製造費データベースを参照し、設計データに基づいて、予め定めたアルゴリズムに従って回路基板の製造費を算出する製造費算出部と、
算出された材料費及び製造費に基づいて、回路基板の実装コストの算出及び評価を行い、その結果を設計者へ出力する結果出力部とを備える。
【0016】
上記のように、第6の発明によれば、回路基板設計段階において生産性を考慮して製造費を精度良く求めることができるので、設計者がこれを回路基板設計に反映させて実装コストを下げることができる。
【0017】
第7の発明は、第6の発明に従属する発明であって、
製造費算出部は、各設備の累積タクトタイムが近似するように、部品データを構成する各部品の実装を各設備にそれぞれ割り当てた後、回路基板の製造費を算出することを特徴とする。
【0018】
上記のように、第7の発明によれば、累積タクトタイムが近似するように部品の設備への割り当てを行うことで、実際の製造時における生産性の悪化を事前に回避し、設計修正に伴う時間及び労力のロスを削減することができる。
【0019】
第8の発明は、第7の発明に従属する発明であって、
データ入力部は、回路基板の設計パターンに対応した部品配置情報をさらに入力し、
製造費算出部は、部品配置情報に従って、割り当てた部品の実装順番を設備毎に決定した後、回路基板の製造費を算出することを特徴とする。
【0020】
上記のように、第8の発明によれば、部品配置情報を用いて、割り当てられた部品の実装順番を設備毎に最適化させるので、より正確なタクトタイムを反映させた製造費の算出が可能となる。
【0021】
第9の発明は、第6の発明に従属する発明であって、
CAMシステムから必要なデータを取り込んで、実装条件データベースを自動的に生成する実装条件生成部をさらに備え、
データベース記憶部には、実装条件生成部で生成された実装条件データベースが記憶されることを特徴とする。
【0022】
上記のように、第9の発明によれば、元々CAMシステムが有するデータを利用して自動的に実装条件データベースを生成させるので、操作者の入力作業を大幅に軽減させることができる。
【0023】
第10の発明は、第6〜第9の発明に従属する発明であって、
部品データベース及び基板データベースに基づいた設計データの変更及び追加、又は設計データの削除を行うデータ修正部をさらに備え、
設計者が、結果出力部から出力される結果を参照して、データ修正部を介して設計データの修正を行い、修正後の新たな設計データによる実装コストの算出及び評価が可能なことを特徴とする。
【0024】
上記のように、第10の発明によれば、設計者が、現在の実装コストの算出及び評価結果を次の回路基板設計に反映させることができるので、最終的に最適な実装コストの低減を図った回路基板設計を行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る回路基板の実装コスト評価方法を用いた装置の構成を示すブロック図である。図1において、本実施形態の実装コスト評価装置は、データ入力部1と、データ修正部2と、材料費算出部3と、部品データベース4と、基板データベース5と、製造費算出部6と、ライン構成データベース7と、実装条件データベース8と、製造費データベース9と、結果出力部10とを備える。
まず、図1を参照して、本実施形態の実装コスト評価装置の各構成の概要を説明する。
【0026】
データ入力部1には、設計された回路基板の設計データが入力される。データ修正部2は、設計者の指示に応じて、データ入力部1に入力された設計データの変更(置換)、追加又は削除を行う。部品データベース4には、工場設備で使用可能な部品に関する情報が格納されている。基板データベース5には、工場設備で使用可能な基板に関する情報が格納されている。材料費算出部3は、部品データベース4及び基板データベース5を参照し、設計データに基づいて材料費を算出する。ライン構成データベース7には、実装工場における製造ラインの設備構成に関する情報が格納されている。実装条件データベース8には、設備への部品割り当て条件に関する情報が格納されている。製造費データベース9には、回路基板の製造に必要な費用に関する情報が格納されている。製造費算出部6は、部品データベース4、ライン構成データベース7、実装条件データベース8及び製造費データベース9を参照し、設計データに基づいて製造費を算出する。結果出力部10は、材料費算出部3で算出された材料費及び製造費算出部6で算出された製造費に基づいて実装コスト等の結果を求め、この求めた結果を設計者へフィードバックさせるため画面表示やプリントアウト等によって出力する。
【0027】
次に、図2〜図13をさらに参照して、上記構成による実装コスト評価装置で行われる回路基板の実装コスト評価方法を、具体例を挙げて説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る回路基板の実装コスト評価方法の手順を示すフローチャートである。
まず、データ入力部1には、設計された回路基板のデータである設計データが入力される(ステップS201)。この設計データの一例を図3に示す。図3に示すように、設計データは、部品データ31と基板データ32とで構成される。部品データ31には、回路基板に使用される部品の種類毎に、予め固有に与えられている部品番号、使用個数を表す員数及び基板上のいずれの面(表面か裏面か)に配置されるのかを表す実装面等のデータが格納されている。基板データ32には、使用される回路基板の番号、基板サイズ(幅、長さ)、基板種別、1枚の生基板上で回路基板をいくつ取れるかを表す多面取数及び表面/裏面を実装する時に使用するライン等のデータが格納されている。
【0028】
部品データベース4には、各種部品毎に部品情報が予め記憶されている。この部品情報の一例を図4に示す。図4に示すように、部品情報41は、各種部品(部品番号)毎に、単価、部品種別、仕様及び工程区分等で構成されている。
基板データベース5には、基板種別毎に基板情報が予め記憶されている。この基板情報の一例を図5に示す。図5に示すように、基板情報51は、1平方メートル当たりの生基板の単価で構成される。
【0029】
はじめに、材料費算出部3は、部品データベース4及び基板データベース5を参照し、設計データに基づいて材料費を算出する(ステップS202)。この材料費は、上述した従来の方法と同様に、式(2)に基づいて算出される。ここで、生基板費は、設計データの基板データ32の幅及び長さを用いて回路基板1枚当たりの面積が計算され、基板データベース5の基板情報51で与えられる単価を掛けて算出される。図3及び図5の例では、生基板費は、約265円(≒0.165×0.294×5500)となる。
【0030】
次に、製造費算出部6は、部品データベース4、ライン構成データベース7、実装条件データベース8及び製造費データベース9を参照し、設計データに基づいて製造費を算出する(ステップS203)。
ここで、製造費算出に用いられるライン構成データベース7、実装条件データベース8及び製造費データベース9に格納されている情報を、まず説明する。
【0031】
ライン構成データベース7には、実装工場における製造ラインの設備構成に関する情報が格納されている。このライン情報の一例を図6に示す。図6に示すように、ライン情報61は、工場が有しているライン毎に、ライン名称及び設置されている実装設備を示すデータ(名称、識別番号)等の情報で構成されている。
【0032】
実装条件データベース8には、設備への部品割り当て条件に関する情報が格納されている。この実装条件情報の一例を図7に示す。図7に示すように、実装条件情報71は、部品番号毎に、実装に使用できる設備を示すデータ(名称、識別番号)、実装時のタクトタイム、設備への部品の供給方法、部品のローディング時間及び実装ロス係数等の情報で構成される。なお、図7のように、複数の設備での使用が可能な部品については、その複数の設備毎に実装条件が示されることとなる。また、この実装条件データベース8に格納される実装条件情報71は、通常、一般的なCAM(Computer aided manufacturing)システムが有しているデータと等価である。従って、CAMシステムからそのデータを読み出して、実装条件データベース8を自動生成させる構成を備えることで、操作者の入力作業を大幅に軽減させることができる。
【0033】
製造費データベース9には、回路基板の製造に必要な各種費用に関する情報が格納されている。この費用情報の一例を図8に示す。図8に示すように、費用情報81は、ライン毎に、人件費、設備償却費、製造経費及び稼働時間等の情報で構成される。
人件費は、1シフト当たりの間接管理者、オペレータ、点検者、メンテナンス及び材料準備者等で発生する費用を合計することによって求めることができる。設備償却費は、設備購入価格×(1+金利[年利]/100)/(年数×12×1ヶ月当たりの稼働日数)によって求めることができる。製造経費は、原動費、修繕費、間接材料費、配賦費、ハウジング費、消耗品費及び製造管理費等の合計を、1ヶ月当たりの稼働日数で除算することによって求めることができる。なお、原動費は、電力、ガス、水道及びエア等の費用からなる。稼働時間は、勤務時間、平均立上げ時間、設備停止時間及び機種切替等で発生するロス時間等によって求めることができる。
【0034】
上記各データベースを用いて、製造費算出部6は、以下の方法に従って、製造費を算出する。図9は、製造費算出部6で行われる製造費算出の手順(図2,ステップS203)を詳細に示すフローチャートである。
図9を参照して、まず、製造費算出部6は、設計データに不具合がないか、すなわち実装不可能な部品が指定されていないかを判断する(ステップS901)。例えば、実装条件データベース8(図7)にない部品が指定されていた場合や、実装条件データベース8にある部品が指定されていても、設計者が希望する実装面へその部品を実装できる設備がない場合である。このような場合、製造費算出部6は、その不具合の内容を判断し(ステップS902)、画面表示やプリントアウト等によって設計者に対して通知する(図2,ステップS204)。
一方、設計データに不具合がない場合、製造費算出部6は、部品データベース4の工程区分を参照し、設計データの各部品を工程毎に分類する(ステップS903)。
【0035】
次に、製造費算出部6は、工程毎に、分類した部品を、工程を構成する各設備に割り当てる。この割り当ては、次の方法に基づいて行われる。
最初に、製造費算出部6は、使用可能な設備が1台だけである部品を割り当てる(ステップS904)。次に、製造費算出部6は、残った部品について、使用可能な設備毎にタクトタイムt(部品1点当たりの装着タクト×員数)を算出し、そのタクトタイムtの最大値と最小値との差dをそれぞれ求める(ステップS905、図10)。そして、製造費算出部6は、この差dが大きい部品から順番に、各設備に割り当てられる累積タクトタイムが近似する(いずれかが突出することなく、全体的にバランスがとれる)ように、実装に使用される設備を決定する(ステップS906)。この決定は、例えば、次の判断に基づいて行われる。製造費算出部6は、タクトタイムtが最小の設備に部品を割り当てた場合の累積タクトタイムを求め、それが最大値となるかどうかを判断する。そして、製造費算出部6は、累積タクトタイムが最大値とならない場合にはその設備を、最大値となる場合には最大値が一番小さくなる他の設備を選出し、部品の実装設備として決定する。また、製造費算出部6は、部品が割り当てられる設備の供給容量(カセットやトレイの数)の制限を確認し、制限を越えて部品が割り当てられるようであれば、他の設備を選出して部品の実装設備として決定する。
【0036】
なお、タクトタイムtの最大値と最小値との差dが同じ部品が複数ある場合には、部品番号順等で上記決定が行われればよい。また、タクトタイムtが最小の設備が複数ある場合には、工程において前方に位置する設備が優先的に決定されるようにすればよい。また、入力される設計データに設計パターンに対応した部品配置情報(XY座標等)が含まれている場合には、その部品配置情報に従って、割り当てられた部品の実装順番を設備毎に最適化させることが可能となる。このようにすれば、より正確なタクトタイムを反映させて製造費を算出することができる。
【0037】
上記のように、部品が各設備に割り当てられた後、製造費算出部6は、生産可能な基板台数を算出する(ステップS907)。この生産可能な基板台数は、次のようにして求められる。まず、製造費算出部6は、上記部品割り当て結果に基づいて、次式(4)によりライン毎の各設備のタクトタイム(設備タクト)を求める。
設備タクト=(割り当てられた部品毎の[点数×装着タクト]の総和)
×α+ローディング時間+β …(4)
この式(4)において、αは、設備固有の実装ロス時間(XY移動ロス等)を考慮させるための係数である。βは、特に複数の機能を有する設備(多機能機)について、動作上必要な時間(基板マーク認識時間、個別マーク認識時間、認識部品点数、ツールチェンジ時間、切替回数等)を考慮させるための定数である。また、部品の点数は、多面取りを考慮した数となっている。
次に、製造費算出部6は、設備タクトが最大の設備、すなわちライン上でネックとなる設備を判断し、その設備タクト(ラインタクト)と製造費データベース9の稼働時間(図8)とから、次式(5)により1日当たりの生産可能な基板枚数を求める。
生産可能基板枚数=稼働時間/ラインタクト …(5)
さらに、製造費算出部6は、設計データの基板データ32の多面取数(図3)から、次式(6)により1日当たりの生産可能な基板台数を求める。
生産可能基板台数=生産可能基板枚数×多面取数 …(6)
【0038】
そして、製造費算出部6は、上記求めた1日当たりの生産可能な基板台数と製造費データベース9に示される1日当たりの各費用(図8)とから、基板1台当たりに必要な製造費を算出する(ステップS908)。この製造費は、次式(7)により求められる。
製造費=(人件費+設備償却費+製造経費)/生産可能基板台数 …(7)
【0039】
このように、材料費算出部3において材料費が、製造費算出部6において製造費が算出されると、結果出力部10は、図11及び図12に例示するような実装コスト算出結果を、画面表示やプリントアウト等によって出力する(ステップS204)。図11では、ライン(表面/裏面)毎に各費用を明示している。図12では、ライン毎のラインタクトの状態を示している。これにより、設計者は、基板表面の製造では3番目の設備「MV2V」が、基板裏面の製造では1番目の設備「MV2F」がネックとなっていることが理解できる。従って、設計者は、この結果を参照して、各設備のラインタクトが近似するように、必要の応じて設計データの変更、追加又は削除を行い(ステップS205,S206)、再び実装コストを算出することで、最終的に最適な回路基板設計を行うことができる。この設計データの変更(置換)及び追加は、部品データベース4に格納される部品情報及び基板データベース5に格納される基板情報に基づいて行われる。なお、設備毎に割り当てられている部品に関する情報、例えばタクトタイムが大きい順に部品をソートさせた情報を、画面表示又は印刷出力できるようにすれば(例えば、画面表示でポップアップメニューのように表示させる)、実装コストの低減にネックとなっている部品を容易に設計者へ知らせることができる。
また、結果出力部10は、実装コスト算出結果に基づいて設計者が設計変更した結果を全て保持しておき、図13に示すように、それぞれの設計を比較した結果をまとめて表示させるようにする。こうすることで、設計者の利便性が向上し、設計変更に要する時間と労力を削減させることができる。
【0040】
以上のように、本発明の一実施形態に係る回路基板の実装コスト評価方法及び装置によれば、回路基板設計段階において生産性を考慮して製造費を精度良く求めることで、設計者がこれを回路基板設計に反映させて実装コストを下げることができる。また、実際の製造時における生産性の悪化を事前に回避し、設計修正に伴う時間及び労力のロスを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る回路基板の実装コスト評価方法を用いた装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る回路基板の実装コスト評価方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】データ入力部1に入力される設計データの一例を示す図である。
【図4】部品データベース4に格納される部品情報の一例を示す図である。
【図5】基板データベース5に格納される基板情報の一例を示す図である。
【図6】ライン構成データベース7に格納されるライン情報の一例を示す図である。
【図7】実装条件データベース8に格納される実装条件情報の一例を示す図である。
【図8】製造費データベース9に格納される費用情報の一例を示す図である。
【図9】製造費算出部6で行われる製造費算出の手順を詳細に示すフローチャートである。
【図10】製造費算出部6で求められたタクトタイムt及び差dの一例を示す図である。
【図11】結果出力部10から出力される実装コスト算出結果の一例を示す図である。
【図12】結果出力部10から出力される実装コスト算出結果の一例を示す図である。
【図13】結果出力部10から出力される実装コスト算出結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…データ入力部
2…データ修正部
3…材料費算出部
4…部品データベース
5…基板データベース
6…製造費算出部
7…ライン構成データベース
8…実装条件データベース
9…製造費データベース
10…結果出力部
Claims (10)
- 回路基板設計段階において設計された回路基板の実装コストを評価する方法であって、
回路基板の表面/裏面の部品番号及び使用員数等からなる部品データと、基板サイズ及び基板種別等からなる基板データとで構成される、回路基板の設計データを入力するステップと、
工場設備で使用可能な部品に関する情報(部品番号や単価等)が格納された部品データベース、及び工場設備で使用可能な基板に関する情報(基板種別及び単位面積当たりの価格等)が格納された基板データベースを参照し、前記設計データに基づいて、予め定めたアルゴリズムに従って回路基板の材料費を算出するステップと、
前記部品データベース、実装工場における製造ラインの設備構成に関する情報が格納されたライン構成データベース、設備への部品割り当て条件に関する情報が格納された実装条件データベース、及び人件費、設備償却費及び製造経費等の回路基板の製造に必要な費用に関する情報が格納された製造費データベースを参照し、前記設計データに基づいて、予め定めたアルゴリズムに従って回路基板の製造費を算出するステップと、
算出された前記材料費及び前記製造費に基づいて、回路基板の実装コストの算出及び評価を行い、その結果を設計者へ出力するステップとを備える、回路基板の実装コスト評価方法。 - 前記製造費を算出するステップは、各設備の累積タクトタイムが近似するように、前記部品データを構成する各部品の実装を各設備にそれぞれ割り当てた後、回路基板の製造費を算出することを特徴とする、請求項1に記載の回路基板の実装コスト評価方法。
- 前記入力するステップは、回路基板の設計パターンに対応した部品配置情報をさらに入力し、
前記製造費を算出するステップは、前記部品配置情報に従って、割り当てた部品の実装順番を設備毎に決定した後、回路基板の製造費を算出することを特徴とする、請求項2に記載の回路基板の実装コスト評価方法。 - CAMシステムから必要なデータを取り込んで、前記実装条件データベースを自動的に生成するステップをさらに備える、請求項1に記載の回路基板の実装コスト評価方法。
- 前記部品データベース及び前記基板データベースに基づいた前記設計データの変更及び追加、又は前記設計データの削除を行う修正ステップをさらに備え、
設計者が、前記出力するステップから出力される結果を参照して、前記修正ステップによって前記設計データの修正を行い、修正後の新たな設計データによる実装コストの算出及び評価が可能なことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の回路基板の実装コスト評価方法。 - 回路基板設計段階において設計された回路基板の実装コストを評価する装置であって、
回路基板の表面/裏面の部品番号及び使用員数等からなる部品データと、基板サイズ及び基板種別等からなる基板データとで構成される、回路基板の設計データを入力するデータ入力部と、
工場設備で使用可能な部品に関する情報(部品番号や単価等)が格納された部品データベースと、工場設備で使用可能な基板に関する情報(基板種別及び単位面積当たりの価格等)が格納された基板データベースと、実装工場における製造ラインの設備構成に関する情報が格納されたライン構成データベースと、設備への部品割り当て条件に関する情報が格納された実装条件データベースと、人件費、設備償却費及び製造経費等の回路基板の製造に必要な費用に関する情報が格納された製造費データベースとを、記憶したデータベース記憶部と、
前記部品データベース及び前記基板データベースを参照し、前記設計データに基づいて、予め定めたアルゴリズムに従って回路基板の材料費を算出する材料費算出部と、
前記部品データベース、前記ライン構成データベース、前記実装条件データベース及び前記製造費データベースを参照し、前記設計データに基づいて、予め定めたアルゴリズムに従って回路基板の製造費を算出する製造費算出部と、
算出された前記材料費及び前記製造費に基づいて、回路基板の実装コストの算出及び評価を行い、その結果を設計者へ出力する結果出力部とを備える、回路基板の実装コスト評価装置。 - 前記製造費算出部は、各設備の累積タクトタイムが近似するように、前記部品データを構成する各部品の実装を各設備にそれぞれ割り当てた後、回路基板の製造費を算出することを特徴とする、請求項6に記載の回路基板の実装コスト評価装置。
- 前記データ入力部は、回路基板の設計パターンに対応した部品配置情報をさらに入力し、
前記製造費算出部は、前記部品配置情報に従って、割り当てた部品の実装順番を設備毎に決定した後、回路基板の製造費を算出することを特徴とする、請求項7に記載の回路基板の実装コスト評価装置。 - CAMシステムから必要なデータを取り込んで、前記実装条件データベースを自動的に生成する実装条件生成部をさらに備え、
前記データベース記憶部には、前記実装条件生成部で生成された実装条件データベースが記憶されることを特徴とする、請求項6に記載の回路基板の実装コスト評価装置。 - 前記部品データベース及び前記基板データベースに基づいた前記設計データの変更及び追加、又は前記設計データの削除を行うデータ修正部をさらに備え、
設計者が、前記結果出力部から出力される結果を参照して、前記データ修正部を介して前記設計データの修正を行い、修正後の新たな設計データによる実装コストの算出及び評価が可能なことを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の回路基板の実装コスト評価装置。
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