JP4181726B2 - ロール製品輸送用コンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール製品輸送用コンテナに係り、さらに詳しくは、比較的に短尺なロール製品を輸送するために適したロール製品輸送用コンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
比較的に長尺のロール製品を輸送するために適した組立式コンテナとして、たとえば特開平11−130062号公報に示すコンテナが知られている。このコンテナによれば、ロール製品は横向きに置かれ、コンテナの内部に懸架されるように収納してある。
【0003】
しかしながら、この公報に示すコンテナでは、たとえば小サイズにカットされた、比較的に短尺なロール製品を効率的に収納することが困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、比較的に短尺なロール製品を多数輸送するために適したロール製品輸送用コンテナを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るロール製品輸送用コンテナは、
パレットと、
前記パレットの上に収容空間を形成するように、当該パレットの周囲に立設される複数の側板と、
前記パレットの上に配置され、複数の下端支持孔が形成された下端支持部材と、
前記下端支持部材に形成された各下端支持孔に底部が差し込まれ、コンテナ内部に立設される複数のシャフトと、
前記シャフトの頭部が差し込まれるように、前記下端支持孔に対応する位置に形成してある複数の上端支持孔を具備する上端支持部材と、を有する。
【0006】
前記側板は、前記パレットに対して着脱自在、分解自在または折り畳み自在に組み立てられることが好ましい。
前記下端支持部材は、前記パレットの上に載置される底板の上に配置されることが好ましい。下端支持部材に形成された下端支持孔の数は、収容するロール製品の外径に基づき適宜決定することができる。その数は、通常、底板の一辺と平行方向に4〜8個、これと直角の方向に4〜8個である。また、下端支持部材は、底板の表面に、接着などの手段により一体化してあることが好ましい。底板には、前記下端支持孔に連通する貫通孔が形成されていないことが好ましい。
【0007】
前記上端支持部材は、単独で用いても良いが、補強板の下面に、接着などの手段により一体化してもよい。補強板には、前記上端支持孔に連通する貫通孔が形成してあることが好ましい。
【0008】
下端支持部材および上端支持部材の材質は、特に限定されないが、緩衝作用を有する材質であることが好ましく、たとえば発泡プラスチックなどで構成される。
【0009】
シャフトとしては、中空管または中実棒のいずれでも良い。中空管の場合には、両端部が閉塞されていても開口してあっても良い。シャフトの横断面は円形が好ましい。シャフトの外径は、ロール製品の中心孔の内径よりは小さく設計され、シャフトがロール製品の中心孔に挿入され、1本のシャフトで複数のロール製品が縦方向に積み重ねて配置されることが好ましい。下端支持孔および上端支持孔の内径は、シャフトの外径と略同一であることが好ましい。シャフトの長さは、ロール製品の積み重ね数に基づき決定される。シャフトの材質は、特に限定されず、合成樹脂、金属、セラミックス、あるいはこれらの複合材料などが例示されるが、軽量化の観点からは、合成樹脂が好ましい。
【0010】
パレットおよび側板の材質としては、特に限定されず、木材、金属、プラスチック、あるいはこれらの複合材料が例示される。
【0011】
本発明に係るコンテナに収容されるロール製品としては、特に限定されないが、たとえば縦方向サイズが200mm以下程度の比較的短尺のロール製品である場合に効果が大きく、具体的には、アルミ箔ロール、粘着テープのロールなどを例示することができる。
【0012】
【作用】
本発明に係るロール製品輸送用コンテナでは、比較的に短尺のロール製品を、シャフトに沿って縦方向に積み重ねて積載することができる。このため、ロール製品の収納および取り出し作業が容易であると共に、多数のロール製品をコンテナの内部に収納することができる。また、シャフトを軸心として積み重ねられたロール製品は、その上下端が、上下端支持部材により挟み込まれて固定されるので、コンテナの輸送中にロール製品が軸方向に移動することはない。また、上下端支持部材が、緩衝作用を有するので、ロール製品が傷つくこともない。また、上下端支持部材は、周囲の側板により囲まれるように固定されるので、シャフトに保持されたロール製品がシャフトと略垂直方向に移動することもなく、安全に輸送が可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示す本実施形態に係るロール製品輸送用コンテナ2は、図4に示すように、シャフト54により保持してある複数のロール製品56を収容して輸送するためのコンテナであって、底部にパレット8を有する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態のパレット8には、フォークリフトの爪部が差し込まれるリフト用孔10が形成してある。パレット8は、本実施形態では、合成樹脂で構成してある。
【0015】
パレット8の上には、厚みが5.5mm程度の合板などで構成してある底板12が載置される。底板12の表面には、平板状の下端支持部材50が接着してある。下端支持部材50は、クッション性を有する材質で構成してあり、本実施形態では、たとえば厚みが20mm程度の発泡ポリプロピレン樹脂で構成してある。この下端支持部材50には、図2に示すように、内径が70mm程度の下端支持孔51が、4×4の行列状に配置してある。各下端支持孔51の中心間距離(ピッチ)は、たとえば284mm程度である。なお、下端支持孔の配置は、収容するロール製品が最密充填となるように、一列ごとに下端支持孔の位置を1つずつずらした配置とすることもできる。
【0016】
図1に示すように、パレット8の四辺位置には、相互に略平行に向き合う一対の第1側板14,14と、これら第1側板14,14の両側端部を連結するように、しかも相互に略平行に向き合う一対の第2側板16,16とが着脱自在に装着される。
【0017】
パレット8の上で、第1側板14,14および第2側板16,16で囲まれた空間が、ロール製品56を収容するための収容空間18となる。これら側板で囲まれた空間18を閉じるために、側板14,14,16,16の上端には、矩形の蓋20が着脱自在に装着される。
【0018】
本実施形態では、各第1側板14は、それぞれ一枚の補強合板から成るパネルで構成してあり、下述するような構造を採用することにより、パレット8に対して折り畳み自在となっている。また、各第2側板16は、それぞれ一枚の補強合板から成るパネルで構成してあり、下述するような構造を採用することにより、パレット8および第1側板14に対して着脱自在な構成となっている。
【0019】
本実施形態では、これら側板14および16は、金属枠などで補強された補強木製合板で構成してある。側板14および16の厚みは、特に限定されないが、たとえば9mm程度である。
【0020】
本実施形態では、図3に示すように、パレット8の上の四隅位置には、下金具24が立設してある。各下金具24の内側には、断面略L字形状の係止片26が固定してあり、上下方向に延びる垂直溝28と、その溝28の下端部に連続するように水平方向に延びる水平溝30とを形成するようになっている。
【0021】
一方、第1側板14を構成するパネルの両側端部には、高さ方向に沿って金属製の側端金枠32が装着してある。各側端金枠32は、第1側板14を補強する作用を有する。また、各側端金枠32には、図1に示す第2側板16の両端部がそれぞれスライド式に差し込まれるためのスライド溝34が形成してある。また、この側端金枠32の下端部に、回動用突起42が具備してある。
【0022】
各回動用突起42は、図3に示すように、下金具24の垂直溝28に沿って挿入され、その溝28の下端部で、水平方向に移動させることで(図3中矢印A)、回動用突起42は係止片26により上方への抜け止めがなされる。したがって、各第1側板14は、パレット8に対して上方への抜け止めがなされ、その状態で、第1側板14は、コンテナ2の内側方向Bへの回動が許容される。第1側板14のコンテナ外側への回動は、第1側板14が、パレット8の上に固定された下金具24、係止片26および帯状金具44に当接することにより制限される。また、第1側板14の両側端部が、図1に示す止め金具15により第2側板16の側端部と連結されることによっても、第1側板14のコンテナ外側への回動が制限される。
【0023】
本実施形態では、上述した構造を採用することにより、第1側板14および第2側板16を構成するパネルが、パレット8に対して折り畳み自在または着脱自在に装着される。
【0024】
本実施形態では、図4に示すように、コンテナ2の内部には、下端支持部材50に形成された各下端支持孔51に底部が差し込まれて立設される複数のシャフト54が、支持孔51の個数に対応して配置される。シャフト54は、たとえば合成樹脂パイプで構成してあり、収容されるべきロール製品56に形成してある中心孔の内径よりも僅かに小さい外径を持ち、たとえば下端支持孔51の内径と略同一である。
【0025】
シャフト54の軸方向長さは、シャフト54に沿って積み重ねられるロール製品56の積み重ね数などに応じて決定されるが、コンテナ2の収容空間18の内部に収まる程度の長さである。なお、図1に示すパレット8の上に着脱自在に配置される側板14および16を、高さの違うものに変えることで、その高さに合わせて、シャフト54も、その高さの違うものを選択すればよい。
【0026】
シャフト54をコンテナ2の内部に立設させた状態で、ロール製品56の中心孔にシャフト54を通し、シャフト54に沿ってロール製品56を積み重ねる。本実施形態では、ロール製品56の積み重ね数は4つである。全てのシャフト54に沿ってロール製品56を積み重ねた後、コンテナ2の内部には、図1および図4に示す平板状の上端支持部材52が、最上部のロール製品56の上に載置される。
【0027】
上端支持部材52には、下端支持部材50の下端支持孔51と対応する位置に上端支持孔53が形成してあり、各上端支持孔53の内部にシャフト54の頭部が挿入される。上端支持部材52は、たとえば下端支持部材50と同じ材質で構成してある。上端支持部材52は、単独で用いても良いが、たとえば補強板の下面に、接着などの手段により一体化してもよい。補強板には、上端支持孔に連53通する貫通孔が形成してある。上端支持部材52を補強板と組み合わせて用いる場合には、上端支持部材52の厚みは、5mm程度であり、補強板としては、厚さ5.5mm程度の合板が用いられる。上端支持孔53の内径は、下端支持孔51と略同一である。
【0028】
本実施形態に係るロール製品輸送用コンテナ2では、比較的に短尺のロール製品56を、シャフト54に沿って縦方向に積み重ねて積載することができる。このため、ロール製品56の収納および取り出し作業が容易であると共に、多数のロール製品56をコンテナ2の内部に収納することができる。また、シャフト54を軸心として積み重ねられたロール製品56は、その上下端が、上下端支持部材50および52により挟み込まれて固定されるので、コンテナ2の輸送中にロール製品56が軸方向に移動することはない。また、上下端支持部材50および52が、緩衝作用を有するので、ロール製品56が傷つくこともない。また、上下端支持部材50および52は、周囲の側板14および16により囲まれるように固定されるので、シャフト54に保持されたロール製品56がシャフト54と略垂直方向に移動することもなく、安全に輸送が可能である。
【0029】
また、本実施形態に係るコンテナ2は、各側板を構成するパネルとパレット8とが着脱自在であり、折り畳むことができるので、ロール製品56を運送した後の空コンテナ2を、折り畳んで小さくして返送し再利用することができる。したがって、返送のための輸送効率が向上すると共に、廃棄処分となるゴミが発生せず、資源の再利用に寄与する。また、コンテナ2を使用しないときにも、小さく折り畳んで保管することもできるので、保管スペースの省スペース化も図れる。
【0030】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、シャフト54の配置個数や寸法などは、ロール製品56のサイズなどに合わせて種々に改変可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、比較的に短尺なロール製品を多数輸送するために適したロール製品輸送用コンテナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施形態に係るロール製品輸送用コンテナの分解斜視図である。
【図2】 図2は下端支持部材の平面図である。
【図3】 図3は側板とパレットとの取付構造を示す分解斜視図である。
【図4】 図4はコンテナの内部におけるシャフトとロール製品との関係を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2… コンテナ
8… パレット
12… 底板
14… 第1側板
16… 第2側板
18… 収容空間
20… 蓋
50… 下端支持部材
51… 下端支持孔
52… 上端支持部材
53… 上端支持孔
54… シャフト
56… ロール製品
Claims (1)
- パレットと、
前記パレットの上に収容空間を形成するように、当該パレットの周囲に立設される複数の側板と、
前記パレットの上に載置される貫通孔の形成されていない底板と、
前記底板の上に配置され、複数の下端支持孔が形成された下端支持部材と、
前記下端支持部材に形成された各下端支持孔に底部が差し込まれ、コンテナ内部に立設される複数のシャフトと、
前記シャフトの頭部が差し込まれるように、前記下端支持孔に対応する位置に形成してある複数の上端支持孔を具備する上端支持部材と、を有し、
前記下端支持部材および前記上端支持部材は、緩衝作用を有する材質の部材であることを特徴とするロール製品輸送用コンテナ。
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