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JP4178975B2 - Surface material for pen input device and pen input device - Google Patents

Surface material for pen input device and pen input device Download PDF

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JP4178975B2
JP4178975B2 JP2003022653A JP2003022653A JP4178975B2 JP 4178975 B2 JP4178975 B2 JP 4178975B2 JP 2003022653 A JP2003022653 A JP 2003022653A JP 2003022653 A JP2003022653 A JP 2003022653A JP 4178975 B2 JP4178975 B2 JP 4178975B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記感に優れるペン入力装置用表面材およびそれを用いたペン入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイなどの各種ディスプレイの前面に設けられ、その表面を入力ペンで接触することにより検出される接触位置信号により入力操作を行うペン入力装置は、入力ペンによる細かな操作、そして曲線や直線などの連続した線状の入力が可能である。そのため比較的小さな画面においても多くの情報の入力が可能であり、さらに入力ペンでディスプレイ上に文字を書くという紙感覚で入力操作が行える利点を生かして、携帯情報端末、電子手帳およびマルチメディア機器など幅広くその利用範囲が急速に拡大している。
【0003】
従来このペン入力装置に用いられている表面材としては、ガラス板や表面にハードコート層を形成したプラスチック板などが用いられてきた。しかし、その表面のスベリ感が適切でなかったり凹凸が極めて少ないなどの理由により、通常の紙に対してペンで書く場合とは大きな隔たりがあり、筆記感が極めて悪かった。筆記感を改善するために、幾つかの提案がなされている。
【0004】
例えば、基材の最表面にハードコート材を使用し、基材の下に弾性変形性を有する粘着層を使用したパネル板を備えたペン入力装置が知られている(特許文献1を参照)。また、アクリル樹脂などの微粒子により凹凸のある表面層を形成した電離放射線硬化性樹脂の表面材を備えたペン入力装置用表面材が知られている(特許文献2を参照)。さらに、自己修復性および耐擦傷性を有する透明な軟質合成樹脂を備えたペン入力装置用保護フィルムが知られている(特許文献3を参照)。
【0005】
一般にペン入力装置は、入力ペンによりパネルなどの表面に描画する動作を行うことにより情報を入力するため、入力ペンによる筆記感が特に重要である。その筆記感は、スベリ感、ヘコミ感およびザラザラ感の三つの感覚に分けて考えることができ、これらの三つの感覚をバランス良く満たすことが最も好ましい。この中でスベリ感は特に重要であり、入力ペンの先とパネルなどのペン入力装置表面との摩擦抵抗を測定することによりスベリ感を評価できる。この摩擦抵抗は、描画動作中のスベリ感に相当する動摩擦抵抗と書き始めのスベリ感に相当する静摩擦抵抗の2つに分けることができる。その両方を制御することが重要である。また、このスベリ感とあわせて紙の柔らかい感じをヘコミ感として持たせることで筆記感がより良好になる。さらに鉛筆で紙に書いたときのようなザラザラ感を持たせるとより筆記感が良好になる。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−309990号公報(第2頁および第3頁)
【特許文献2】
特開平7−244552号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開平6−180628号公報(第2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先の開示された技術では、これら三つの感覚に基づく評価がなされていない上に、筆記感が十分ではなかった。即ち、特許文献1に開示された技術では、最表面がハードコート層で形成されているためにスベリ感が適切でない。また紙のような表面の凸凹がなく、ザラザラ感が不足しているという問題があった。
【0008】
また、特許文献2に開示された技術では、表面の凹凸によりザラザラ感はあるもののスベリ感が適切でなく、ヘコミ感が不足しているという問題があった。さらに、特許文献3に開示された技術では、軟質合成樹脂によりヘコミ感はあるが、スベリ感が適切でない。さらに表面の凸凹形成などの工夫が不足しているためにザラザラ感が不足しているという問題があった。
【0009】
従って、スベリ感、ヘコミ感およびザラザラ感の三つの感覚をバランス良く満たした良好な筆記感が望まれているが、特にスベリ感について十分満足できるペン入力装置用表面材がないのが現状である。
【0010】
本発明の目的は、特にスベリ感に基づく筆記感に優れるペン入力装置用表面材およびそれを用いたペン入力装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、ペン入力装置用表面材の表面層の動摩擦係数および静摩擦係数の両方が特定の範囲内にある場合に前記3つの感覚のうち特にスベリ感が良好となり、筆記感が優れたものとなる知見を得て本発明を完成した。
【0012】
即ち、第1の発明は、基材と表面層とからなり、前記表面層は下記に示す樹脂組成物(1)、(2)、(3)または(4)を、基材上に20〜30μmの厚みで塗布し硬化してなるものであり、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で入力ペンを用いて荷重200gで表面層の表面を10cm/secの速度で移動させたときの動摩擦係数が0.10.4であり、かつ静摩擦係数が0.51.0であり、さらに20℃、50%相対湿度の雰囲気下で先端径0.75mmの超硬製加傷体を用いて表面層の表面を10cm/secの速度で引っ掻いたときに超硬製加傷体に対する荷重が20〜1000gで復元するペン入力装置用表面材である。
(1)ウレタン変性アクリレートを含む樹脂組成物。
(2)ウレタン変性アクリレートと、アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
(3)アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物と、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
(4)ウレタン変性アクリレートと、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
【0014】
の発明は、さらに、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で直径20mmの円盤形状をなす綿布を用いて荷重200gでペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で1000回往復させたときのヘイズ値の増加が10%以下である前記のペン入力装置用表面材である。
【0015】
の発明は、表面層がアクリル基含有化合物を主成分として含む樹脂組成物の硬化物である前記のペン入力装置用表面材である。
の発明は、表面層の表面は中心線平均粗さが0.1〜5.0μmである前記のペン入力装置用表面材である。
【0016】
の発明は、表面層がポリシロキサン系化合物を0.01〜10重量%含有する前記のペン入力装置用表面材である。
の発明は、前記表面層とは反対側の基材面に粘着層をさらに有する前記のペン入力装置用表面材である。
【0017】
の発明は、前記のペン入力装置用表面材を備えてなるペン入力装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。
ペン入力装置は、パネルなどの表面に鉛筆やボールペンなどに似せたペン形状の器具を用いて描画する動作を行うことにより入力操作を行う装置であり、かつパネルまたはペン形状の器具の少なくとも一方に電気や電磁波などによる信号出力回路または信号記録回路を持つ装置であれば特に限定されない。例えば、各種ディスプレイの前面に設けられるペン入力タッチパネル装置や、ディスプレイの前面に設けられずにコンピューターに接続されて使用されるペン入力装置や、電子ペーパーなどを挙げることができる。
【0019】
ペン入力タッチパネル装置は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイ、ブラウン管(CRT)ディスプレイなどの表示面上にタッチパネルが配置され、その表面を入力ペンで接触することにより検出される接触位置信号で入力操作を行う装置である。そして、タッチパネルは上記のような各種ディスプレイに組み込まれた一体型の場合や、各種ディスプレイ装置表示面上に配置されるセパレート型がある。タッチパネルの方式としては公知の方式が何れも使用可能であり、特に限定されない。具体的に例示すると、例えば、超音波方式、抵抗膜方式、静電容量方式、電気歪み方式、磁気歪み方式および赤外線方式などのタッチパネルの方式が挙げられる。
【0020】
このようなペン入力装置の入力ペンが直接触れる面にペン入力装置用表面材が使用される。本発明のペン入力装置用表面材は、樹脂からなる基材と入力ペンが直接触れる表面層からなる。表面層は単層であってもよいし、複数の層により形成されていてもよい。入力ペンは、ペン入力装置での入力操作に使用できるペンであれば特に限定されない。公知の入力ペンとしては、例えば、ポリアセタール樹脂を主成分とする材質を用い、ペン先の形状は直径が1.6mm程度のものが挙げられる。
【0021】
第1の発明のペン入力装置用表面材は、入力ペンに対する摩擦抵抗を表面性試験機(新東科学(株)製、商品名:トライボギア、TYPE:14DR)により測定した値が特定の範囲にあるものである。即ち、20℃、50%相対湿度雰囲気下で入力ペンを用いて荷重200gでペン入力装置用表面材上を10cm/secの速度で移動させたとき、動摩擦係数が0.1〜0.4であり、かつ静摩擦係数が0.5〜1.0となるペン入力装置用表面材である。
【0022】
ペン入力装置用表面材の入力ペンに対する動摩擦係数が0.1未満である場合または静摩擦係数が0.5未満である場合、いずれの場合も上記入力ペンがすべりすぎる結果、筆記感の悪いものとなる。逆に動摩擦係数が0.4を超える場合または静摩擦係数が1.0を超える場合、いずれの場合も入力ペンのすべりが悪くて重く感じる結果、筆記感の悪いものとなる。
【0023】
筆記感のうちのヘコミ感をより向上させるという観点から、次のようなペン入力装置用表面材はより好ましいものである。即ち、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で先端径0.75mmの超硬製加傷体を用いてペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で引っ掻いたときに超硬製加傷体に対する荷重が20〜1000gで復元するペン入力装置用表面材である。復元する荷重が20g未満である場合には、入力ペンによる入力時にヘコミが生じ、そのヘコミが視認性を阻害する上に筆記感を悪くする傾向にある。一方、1000gを越える場合には、表面層の表面が軟らかくなりすぎ、かえって筆記感が低下する。ここで、復元性は一度生じたヘコミが経時的に消失する性質を意味し、一時的に生じるへこみによりヘコミ感を得ることができ、また加わった力を吸収するために傷つき防止性能を持つことができる。
【0024】
また、筆記感のうち耐久性をより向上させるという観点から、次のようなペン入力装置用表面材はより好ましいものである。即ち、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で直径20mmの円盤形状をなす綿布を用いて荷重200gでペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で1000回往復させたときのヘイズ値の増加が好ましくは10%以下、より好ましくは9%以下であるペン入力装置用表面材である。ヘイズ値の増加が10%を越える場合、ペン入力装置用表面材は入力ペンによる入力に対して耐久性がなく、長時間の使用により視認性と筆記感が悪化する傾向にある。
【0025】
また、本発明のペン入力装置用表面材は、基材と表面層との間、または表面層が形成されている基材面の反対側に必要に応じて反射防止層、透過光制御層、導電性層および帯電防止層などの機能を有する層(以下、機能層と略記する。)を単層または複数層の形態で形成することができる。また、基材としても複数層からなる層で形成することができ、特に限定されない。
【0026】
本発明のペン入力装置用表面材に使用される基材の材質としては、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、再生セルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン3元共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリエチレン、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ノルボルネン系樹脂などが挙げられる。これらの中では、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの透明性のある基材は、好ましい基材として挙げられる。
【0027】
また表面層は、基材あるいは基材に積層された機能層の最表面上に、通常表面層形成用組成物を20〜30μmの厚みで塗布後、硬化させて樹脂とすることにより形成される。そのような表面層形成用組成物中には、紫外線硬化型または熱硬化型の不飽和アクリル樹脂組成物、ウレタン変性(メタ)アクリレートなどの不飽和ポリウレタン樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物、熱硬化型のシリコーン系、メラミン系およびエポキシ系の樹脂組成物などが含まれている。
【0028】
より具体的には、例えば多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物などのアクリロイル基、メタクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物を含む樹脂組成物やウレタン変性(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物、そしてシリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物を含む樹脂組成物などを挙げることができる。係る表面層としては、下記に示す樹脂組成物(1)、(2)、(3)または(4)を硬化してなるものが用いられる。
(1)ウレタン変性アクリレートを含む樹脂組成物。
(2)ウレタン変性アクリレートと、アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
(3)アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物と、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
(4)ウレタン変性アクリレートと、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
これらの中では、耐久性や取扱いの容易さの点で、紫外線、電子線または加熱により硬化することのできる多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物やウレタン変性(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル基含有化合物を主成分として含む樹脂組成物が優れている。
【0029】
前記多価アルコールとしては、たとえばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2'−チオジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの2価のアルコール;トリメチロールプロパン、ペンタグリセロール、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ジペンタグリセロールなどの3価以上のアルコールが挙げられる。
【0030】
また、前記ウレタン変性(メタ)アクリレートは、末端イソシアネートポリウレタンと水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体とのウレタン化反応によって得ることができる。末端イソシアネートポリウレタンは、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートなどポリイソシアネートと、ポリカプロラクトンジオールやポリテトラメチレンジオールなど複数の水酸基を有するオリゴマーとの反応によって製造される。水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、たとえば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどを挙げることができる。これらの成分は単独で用いても良いし、2種類以上併用してもよい。また筆記感のうちのヘコミ感と耐久性を得るために、上記各種樹脂のうち長鎖の成分を多く含むものが好ましい。
【0031】
また、反応性希釈剤として単官能の成分を併用してもよい。これらは主成分として用いる樹脂との相溶性がよい単量体であれば特に限定されない。例えば、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミドなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0032】
さらに塗料の粘度を調整するために、希釈溶媒を用いてもよい。これらは、非重合性のものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチルセルソルブアセテート、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトンなどが挙げられる。これらの希釈溶媒は、単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0033】
筆記感のうちのザラザラ感をより向上させるために、ペン入力装置用表面材の表面層に中心線平均粗さ(Ra)が好ましくは0.1〜5.0μm、より好ましくは1.0〜4.0μmである微細な凹凸を形成させる方がより好ましい。中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm未満であると表面粗さが不足し、5.0μmを越える場合には光学特性が悪くなる。表面層の表面に粗面化処理を施して微細な凹凸を形成させる方法としては、エンボス加工やサンドブラスト加工、エッチング加工などの方法が適宜採用される。
【0034】
また、表面層に微細な凸凹を形成させるために微粒子物質などを添加してもよい。微粒子物質としては、例えばシリカ、酸化カルシウム、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ、酸化インジウム、酸化カドミウムおよび酸化アンチモンなどの無機系微粒子物質や、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタンおよびポリスチレンなどの架橋または未架橋ポリマーからなる有機系微粒子物質などが使用できる。用いる微粒子物質の平均粒径は、100μm以下が好ましく、0.1〜50μmがさらに好ましく、0.5〜20μmが特に好ましい。また、前記の粗面化処理と微粒子などの添加を併用してもよい。
【0035】
筆記感のうちのスベリ感をより適切にするために、表面層形成組成物中にポリシロキサン系化合物を含有させることができる。ポリシロキサン系化合物としては直鎖状あるいは分岐状のポリジオルガノシロキサン系化合物が好ましい。またはポリオルガノシロキサン基含有共重合体であっても良い。さらに主鎖や側差の末端にビニル基や(メタ)アクリロイル基などの反応性基を持っていても良い。ポリジオルガノシロキサンの代表例はポリジメチルシロキサンである。そのメチル基の一部ないし全部が他の有機基に置換された構造のもの(ただし、そのメチル基が置換される位置は末端であっても連鎖内であってもよい)であってもよい。
【0036】
そのような他の有機基としては、例えば、メチル基以外のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、およびポリオキシアルキレン鎖やポリエステル鎖などの繰り返し単位を有する連鎖などがある。さらにこれらの有機基は水酸基、アミノ基、エポキシ基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、その他の官能基を有することができる。前記繰り返し単位を有する連鎖としては、例えばポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシテトラメチレン鎖、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)鎖などのポリオキシアルキレン鎖や、ポリカプロラクトン鎖やポリエチレンセバケート鎖、ポリエチレンアジペート鎖などのポリエステル鎖が挙げられる。
【0037】
またこれら連鎖の末端は水酸基やカルボキシル基、(メタ)アクリル基やビニル基であっても、その末端が有機基で封鎖されていてもよい。例えばアルキルエーテル化、アルキルエステル化などで封鎖されていてもよい。また、この連鎖は通常ジメチレン基やトリメチレン基などのアルキレン基を介して珪素原子と結合しているが、これに限られるものではない。
【0038】
ポリオルガノシロキサン基含有共重合体は、ポリオルガノシロキサン基含有化合物とビニル系化合物とから形成されるポリオルガノシロキサン基含有グラフト共重合体セグメントAとビニル系化合物から形成されるポリオルガノシロキサン基を含有しない重合体セグメントBとからなるA−B型ブロック共重合体が好ましい。そのような化合物としては、例えば市販品として入手できるモディパーFS700、FS710、FS720、FS730(いずれも日本油脂(株)製)等がある。本発明に用いるポリシロキサン系化合物の表面層形成用組成物中の含有量は、通常0.01〜10重量%であり、特に0.01〜5重量%が好ましい。
【0039】
表面材である表面層形成組成物を基材に直接あるいは基材に積層された機能層の上に塗布する方法としては、ロールコート法、ディップコート法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、カーテンフローコート法、リバースコート法、キスコート法、コンマコート法など公知のいかなる方法でもよい。また塗布に際しては、必要に応じて基材と表面層である被膜との密着性を向上させるために、あらかじめコロナ放電などの何らかの前処理を施してもよい。
【0040】
上記のようにして基材に直接あるいは基材に積層された機能層の上に塗布され、乾燥された表面層形成用組成物を硬化する方法としては、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。紫外線照射により硬化させる場合には、従来公知の光重合開始剤を表面層形成用組成物中に添加した後に硬化させる。光重合開始剤の具体例としては、例えば2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N',N'−テトラメチル−4,4'−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、その他チオキサント系化合物などが挙げられる。
【0041】
上記の硬化に用いられるエネルギー線源としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素などの線源が使用される。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜5000mJ/cm2 が好ましい。照射量が、50mJ/cm2 未満の場合には、硬化が不十分となるため、表面層の耐摩耗性や硬度が低下する。また、5000mJ/cm2 を超えると、表面層が着色して透明性が低下する。
【0042】
また加熱による硬化を行う場合、従来公知の熱重合開始剤を表面層形成用組成物中に添加した後に硬化させる。熱重合開始剤の具体例としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネートなどが挙げられる。これら熱重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0043】
上記表面層形成用組成物中には、性能を損なわない範囲で、必要に応じて、顔料、充填剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加することができる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0044】
また表面層が形成されている基材の反対面に粘着層を形成することができ、それにより筆記感のうちのヘコミ感をより改善することができる。このような粘着層としては、例えばアクリル系粘着剤やゴム系粘着剤などを用いることができるが、透明性の点でアクリル系粘着剤を用いるのが特に好ましい。これら粘着剤中には、粘着性ポリマー成分のほか、可塑剤、粘着付与成分などを含ませることができるが、透明性を損なわない添加剤を使用する方がより望ましい。
【0045】
アクリル系粘着剤の主成分である粘着性ポリマーとしては、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピルなどのアルキル基の炭素数が1〜10のアルコールと(メタ)アクリル酸とのアルキルエステルと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチルなどの官能基含有不飽和単量体との共重合体が好ましく用いられる。
【0046】
また、ゴム系粘着剤の主成分である粘着性ポリマーとしては、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレン系ブロツク共重合体、天然ゴムなどが好ましく用いられる。これらの成分による粘着層を5〜100μmの厚みで形成するのが好ましい。
【0047】
表面層が形成されている基材の反対面に形成される導電性層としては、酸化錫(SnO2 など)、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム、インジウム錫酸化物(ITO)などの金属酸化物や、金、銀、銅、アルミニウム、錫、ニッケルなどの金属膜が挙げられる。これらの中では、酸化亜鉛、酸化錫などの単一金属からなる酸化物が化学量論比による制御が容易で高性能な薄膜が得られる点で好ましい。上記導電性層の積層方法は特に限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、低圧プラズマ法、塗工法、および常圧プラズマ化学蒸着(CVD)法などが挙げられる。上記導電性層の厚みは、導電性能や、赤外線および電磁波の低減性能が発現し、かつ透明性が保たれる厚み、即ち、可視光透過率が60%以上であるためには、膜厚は30〜200nmであることが好ましい。
【0048】
以上の実施形態により発揮される効果を以下にまとめて説明する。
・ 本実施形態のペン入力装置用表面材は、表面層の動摩擦係数が0.10.4、かつ静摩擦係数が0.51.0に設定されている。このため、入力ペンを操作面に接触させたとき、その後入力ペンで入力操作を行っている間、特にスベリ感に基づく優れた筆記感を得ることができる。
【0049】
・ また、表面層の復元性が前記所定の条件下で荷重が20〜1000gで復元する場合には、表面層の表面のヘコミ感をより向上させることができ、ペン入力の際に紙の柔らかい感じを得ることができる。さらに、表面層のヘイズ値の増加が10%以下である場合には、表面層の耐久性をより向上させることができる。加えて、表面層の表面における中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜5.0μmである場合には、表面層の表面のザラザラ感をより向上させることができる。
【0050】
・ 従って、実施形態のペン入力装置用表面材を組み込んだペン入力装置に対する接触位置信号での入力操作は筆記感に優れ、入力操作を繰り返し行なっても疲労感がなく快適である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
また、各ペン入力装置用表面材について、静摩擦係数、動摩擦係数、塗膜復元性、ヘイズ値、中心線平均粗さ(Ra)、全光線透過率および筆記感を下記の方法で評価した。
【0052】
1)静摩擦係数および動摩擦係数
20℃、50%相対湿度の雰囲気下で入力ペンを用いて荷重200gでペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で移動させたときにおける動摩擦係数(μs、単位なし)および静摩擦係数(μk、単位なし)を表面性試験機器により測定した。なお、入力ペンはパーム(palm)社製、商品名:スタイラスを用い、表面性試験機器は新東科学製、商品名:トライボギア、TYPE:14DRを用いた。
【0053】
2)塗膜復元性
20℃、50%相対湿度の雰囲気下先端径0.75mmの超硬製加傷体を用いてペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で引っ掻いたときに復元する超硬製加傷体に対する荷重(g)を塗膜復元性として引っ掻き式硬度計(ドイツ・エリクセン社製、商品名:引っ掻き式硬度計、モデル318)により測定した。
【0054】
3)ヘイズ値
20℃、50%相対湿度の雰囲気下で綿布(直径20mmの円盤形状)を用いて荷重200gでペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で1000回往復させたときのヘイズ値(%)の増加量を表面性試験機器と直読ヘイズメーターにより測定した。なお、増加量は、1000回往復させた後のヘイズ値(%)−初期のヘイズ値(%)にて算出した。また、表面性試験機器は新東科学(株)製、商品名:トライボギア、TYPE:14DRを用い、直読ヘイズメーターは東洋精機製作所社製、商品名:直読ヘイズメーター(No.206)を用いた。
【0055】
4)中心線平均粗さ(Ra)
JIS B0601−1982に従い、カットオフ値0.8mm、縦倍率5000倍として触針式表面粗さ形状測定機(東京精密社製、商品名:サーフコム550A)を用いてペン入力装置用表面材の表面層における中心線平均粗さ(Ra、単位:μm)を測定した。
【0056】
5)全光線透過率
直読ヘイズメーター(東洋精機製作所社製、商品名:直読ヘイズメーター(No.206))を使用して、光学特性としての全光線透過率(%)を測定した。
【0057】
6)筆記感
入力ペンを用いて表面層上に実際に筆記し、筆記感をスベリ感、ヘコミ感およびザラザラ感の三つの観点で10人が評価した。そして鉛筆を用いて紙に書いているような良好な筆記感として10人中6人が判断した場合を○とし、10人中3〜5人が判断した場合を△とし、そして10人中2人以下が判断した場合を×として分類評価した。
【0058】
実施例1
ウレタンアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名:NKオリゴU−108A)80重量部とペンタエリスリトールトリアクリレート10重量部とアクリル酸20重量部とポリシロキサン系化合物(ビックケミー(Byk−chemie)社製、商品名:BYK−300)0.1重量部からなる混合液に平均粒径10μmのポリスチレン系微粒子5重量部を添加後、十分に攪拌することにより表面層用樹脂液を調製した。
【0059】
それをロールコーターにて厚み100μmのトリアセチルセルロースフィルム上に20μmの厚みで均一に塗布し、エレクトロンカーテン型EB装置(ESI社製)により電子線を照射(150keV、5Mrad)し、塗膜を硬化させた。
【0060】
次に、硬化面とは反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工、乾燥することにより本発明のペン入力装置用表面材を作成した。このペン入力装置用表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて静摩擦係数、動摩擦係数、塗膜復元性、ヘイズ値、中心線平均粗さ(Ra)、全光線透過率および筆記感についての評価を行った。その結果を表1に示す。
【0061】
実施例2
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート40重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート10重量部とジメチルアクリルアミド50重量部とポリシロキサン系化合物(信越化学工業(株)社製、商品名:KF−351A)0.1重量部と2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(光重合開始剤)5重量部からなる混合液に平均粒径14μmのアクリル系微粒子5重量部を添加後、十分に攪拌することにより表面層用樹脂液を調製した。
【0062】
それをロールコーターにて厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に20μmの厚みで均一に塗布し、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯(日本電池(株)社製)により紫外線を照射(3J/cm2)し、塗膜を硬化させた。
【0063】
次に、硬化面の反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工、乾燥することにより本発明のペン入力装置用表面材を作成した。このペン入力装置用表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0064】
実施例3
水酸基価50のアクリルポリオール100重量部とヘキサメチレンジイソシアネート20重量部とシリカ系微粒子7重量部からなる混合液を十分に攪拌することにより表面層用樹脂液を調整した。それをロールコーターにて厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に30μmの厚みで均一に塗布し、100℃で10分間乾燥させ、塗膜を硬化させた。
【0065】
次に、硬化面とは反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工、乾燥することにより本発明のペン入力装置用表面材を作成した。このペン入力装置用表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0066】
実施例4
ポリエチレングリコール#1000ジアクリレート60重量部とエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート10重量部とラウリルアクリレート30重量部とジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート5重量部からなる混合液に粒径10μmのアクリル系微粒子を3重量部添加後、十分に攪拌して表面層用樹脂液を調製した。この液をロールコーターにて厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に20μmの厚みで均一に塗布し、100℃で10分間乾燥させ、塗膜を硬化させた。
【0067】
次に、硬化面の反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工、乾燥することにより本発明のペン入力装置用表面材を作成した。このペン入力装置表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0068】
実施例5
トリエチレンジイソシアネート誘導体(武田薬品工業(株)社製、商品名:タケネートD−212)40重量部とポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業(株)社製、商品名:プラクセルFA3)60重量部からなるウレタンアクリレート77重量部とポリジメチルシロキサンマクロモノマー(チッソ(株)社製、商品名:FM0721)15重量部とメチルメタクリレート25重量部とブチルメタクリレート25重量部とイソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工(株)社製、商品名:カレンズMOI)15重量部とペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)社製、商品名:アロニックスM305)20重量部からなる紫外線硬化性シリコーン共重合体20重量部と1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(光開始剤)3重量部からなる表面層用樹脂液を調製した。
【0069】
それをロールコーターにて厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に20μmの厚みで均一に塗布し、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯(日本電池(株)社製)により紫外線を照射(1J/cm2)し、塗膜を硬化させた。
【0070】
次に、硬化面の反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工、乾燥することにより本発明のペン入力装置用表面材を作成した。このペン入力装置用表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0071】
実施例6
ウレタンアクリレート72重量部と、紫外線硬化性シリコーン共重合体20重量部と、ポリオルガノシロキサン基含有共重合体〔日本油脂(株)製、商品名:モディパーFS710〕5重量部と、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン3重量部とよりなる表面層用樹脂液を調製した。上記のウレタンアクリレートは、トリエチレンジイソシアネート誘導体〔武田薬品工業(株)製、商品名:タケネートD−212〕30重量部とポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA3〕70重量部とを反応させて得たものである。紫外線硬化性シリコーン共重合体は、ポリジメチルシロキサンマクロモノマー〔チッソ(株)製、商品名FM0721〕10重量部と、ブチルメタクリレート30重量部と、イソシアネートエチルメタクリレート〔昭和電工(株)製、商品名:カレンズMOI〕15重量部と、ペンタエリスリトールアクリレート〔東亞合成(株)製、商品名:アロニックスM305〕20重量部と、メチルメタクリレート25重量部とを反応させて得たものである。1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンは光重合開始剤である。
【0072】
得られた表面層用樹脂液を、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に30μmの厚みでロールコータにて均一に塗布し、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(1J/cm2)し、塗膜を硬化させた。次いで、塗膜による硬化面の反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工し、乾燥することにより、ペン入力装置用表面材を作製した。このペン入力装置用表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着して貼付することによりペン入力装置を作製した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0073】
比較例1
厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにアクリル系ハードコート樹脂を厚さ5μmに塗工した後、硬化し、さらにこの基材の反対面にアクリル酸2−エチルヘキシル100重量部とアクリル酸10重量部との共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤を厚さ40μmで塗工して透明粘着剤層を作成し、乾燥することにより表面材を作成した。
【0074】
この表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0075】
比較例2
厚さ100μm厚の透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に紫外線硬化型アクリル系樹脂100重量部と、粒径5〜10μmのアクリル樹脂系ビーズ2重量部と、微量のシリコン樹脂とを含有する樹脂液を塗布し、紫外線照射により硬化させ、厚さ5μmの樹脂層を形成した。
【0076】
このポリエチレンテレフタレートフィルムの反対面にアクリル系粘着剤を溶液状で塗工、乾燥することにより表面材を作成した。この表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0077】
比較例3
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にポリカプロラクトントリオールとポリシロキサン系化合物を主成分とするポリオール液とヘキサメチレンイソシアネートを主成分とするイソシアネート液を重量比100対90で混合しながら厚さ300μmで塗工し、120℃で20分加熱して硬化させた。
【0078】
その後ポリエチレンテレフタレートフィルムと剥離し、軟質樹脂フィルムを作成した。この軟質樹脂フィルムの表面にアクリル系粘着剤を溶液状で塗工、乾燥することにより表面材を作成した。この表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0079】
【表1】

Figure 0004178975
実施例1〜4では、すべてにおいてスベリ感、ヘコミ感、ザラザラ感の筆記感を得ることができ、総合的な筆記感においても良好であった。実施例5および6では、ザラザラ感が不足するもののヘコミ感があり、またスベリ感が適切であるため総合的な筆記感は良好であった。
【0080】
それに対して比較例は全てにおいてスベリ感が適切でなく、さらに比較例1では特にザラザラ感が不足し、良好な筆記感を得ることができなかった。また、比較例2では特にヘコミ感が不足し、良好な筆記感を得ることができなかった。また、比較例3では特にザラザラ感が不足し、良好な筆記感を得ることができなかった。
【0081】
なお、前記実施形態を次のように変更して実施することもできる。
・ 表面層にスベリ感を向上させるために、ポリシロキサン系化合物に代えてフッ素系化合物を含有させてもよい。
【0082】
・ 表面層とは反対側の基材面に設ける粘着層を省略し、ペン入力装置用表面材接着剤によってディスプレイの前面に接着してもよい。
さらに、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
【0083】
・ 前記アクリル基含有化合物は、多価アルコールとアクリル酸とのエステル化物またはウレタン変性アクリレートである請求項4〜7のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。このように構成した場合、ペン入力装置用表面材の耐久性を向上させることができる。
【0084】
・ ポリシロキサン系化合物は、ポリオルガノシロキサン基含有グラフト共重合体セグメントAとポリオルガノシロキサン基を含有しない重合体セグメントBとからなるA−B型ブロック共重合体である請求項6または請求項7に記載のペン入力装置用表面材。このように構成した場合、表面層の表面のスベリ感を向上させることができる。
【0085】
【発明の効果】
本発明のペン入力装置用表面材は、表面層の動摩擦係数および静摩擦係数を特定の範囲に設定したことから、入力ペンを操作面に接触させたときに、特にスベリ感に基づく優れた筆記感が得られる。
【0086】
また、本発明のペン入力装置用表面材は、表面層の復元性が特定の範囲にある場合には、表面層の表面のヘコミ感をより向上させることができる。さらに、本発明のペン入力装置用表面材は、表面層のヘイズ値が特定の範囲にある場合には、耐久性をより向上させることができる。
【0087】
また、本発明のペン入力装置用表面材は、表面層の表面の中心線平均粗さ(Ra)が特定の範囲にある場合には、表面層の表面のザラザラ感をより向上させることができる。従って、本発明のペン入力装置用表面材を組み込んだペン入力装置に対する接触位置信号での入力操作は筆記感に優れ、入力操作を繰り返し行なっても疲労感がなく快適である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pen input device surface material excellent in writing feeling and a pen input device using the same.
[0002]
[Prior art]
Pen input devices that are provided in front of various displays such as liquid crystal displays and perform input operations based on contact position signals detected by touching the surface with an input pen are fine operations with input pens, curves, straight lines, etc. A continuous linear input is possible. Therefore, it is possible to input a large amount of information even on a relatively small screen. Furthermore, taking advantage of the ability to perform input operations like a paper by writing characters on the display with an input pen, portable information terminals, electronic notebooks and multimedia devices The range of use is expanding rapidly.
[0003]
Conventionally, as a surface material used in this pen input device, a glass plate or a plastic plate having a hard coat layer formed on the surface has been used. However, there was a big difference from writing on a normal paper with a pen because the surface was not smooth and the unevenness was very small, and the writing feeling was very bad. Several proposals have been made to improve writing feeling.
[0004]
For example, a pen input device is known that includes a panel board that uses a hard coat material on the outermost surface of a substrate and uses an adhesive layer having elastic deformation under the substrate (see Patent Document 1). . Further, a surface material for a pen input device including a surface material of an ionizing radiation curable resin in which an uneven surface layer is formed by fine particles such as an acrylic resin is known (see Patent Document 2). Furthermore, a protective film for a pen input device including a transparent soft synthetic resin having self-repairing properties and scratch resistance is known (see Patent Document 3).
[0005]
In general, a pen input device inputs information by performing an operation of drawing on the surface of a panel or the like with an input pen, and thus writing feeling with the input pen is particularly important. The writing feeling can be considered by dividing it into three senses of smooth feeling, dent feeling and rough feeling, and it is most preferable to satisfy these three feelings in a well-balanced manner. Of these, the slip feeling is particularly important, and the slip feeling can be evaluated by measuring the frictional resistance between the tip of the input pen and the surface of the pen input device such as a panel. This frictional resistance can be divided into two types: a dynamic frictional resistance corresponding to a sliding feeling during a drawing operation and a static frictional resistance corresponding to a sliding feeling at the beginning of writing. It is important to control both. In addition to this slipping feeling, the writing feeling becomes better by giving the paper a soft feeling as a dent feeling. In addition, the feeling of writing becomes better if it has a rough feeling as if it were written on paper with a pencil.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-6-309990 (pages 2 and 3)
[Patent Document 2]
JP 7-244552 A (2nd page)
[Patent Document 3]
JP-A-6-180628 (2nd page)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the previously disclosed technique has not been evaluated based on these three senses, and the writing feeling has not been sufficient. That is, in the technique disclosed in Patent Document 1, since the outermost surface is formed of a hard coat layer, the slipperiness is not appropriate. There is also a problem that there is no unevenness on the surface like paper and the feeling of roughness is insufficient.
[0008]
In addition, the technique disclosed in Patent Document 2 has a problem that although it has a rough feeling due to the unevenness of the surface, the smooth feeling is not appropriate and the feeling of dent is insufficient. Furthermore, in the technique disclosed in Patent Document 3, there is a feeling of dent due to the soft synthetic resin, but a feeling of slip is not appropriate. Furthermore, there is a problem that the feeling of roughness is insufficient due to lack of ingenuity such as the formation of irregularities on the surface.
[0009]
Therefore, a good writing feeling that satisfies the three feelings of smooth feeling, dent feeling and rough feeling is desired in a balanced manner. However, there is currently no surface material for pen input devices that can satisfy the feeling of slipping. .
[0010]
An object of the present invention is to provide a surface material for a pen input device which is particularly excellent in writing feeling based on a smooth feeling and a pen input device using the same.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventors have found that the above three sensations are achieved when both the dynamic friction coefficient and the static friction coefficient of the surface layer of the surface material for a pen input device are within a specific range. In particular, the present invention was completed by obtaining knowledge that the feeling of slipping was particularly good and the writing feeling was excellent.
[0012]
  That is, the first invention comprises a base material and a surface layer, and the surface layer comprises a resin composition (1), (2), (3) or (4) shown below.And apply to the substrate with a thickness of 20-30 μmThe coefficient of dynamic friction when the surface of the surface layer is moved at a speed of 10 cm / sec with a load of 200 g using an input pen in an atmosphere of 20 ° C. and 50% relative humidity.0.1~0.4And the coefficient of static friction is0.5~1.0InFurther, when the surface of the surface layer is scratched at a speed of 10 cm / sec using a cemented carbide wound body having a tip diameter of 0.75 mm in an atmosphere of 20 ° C. and 50% relative humidity, the carbide wound body Restoring with a load against 20 to 1000 gThis is a surface material for a pen input device.
(1) A resin composition containing a urethane-modified acrylate.
(2) A resin composition comprising a urethane-modified acrylate and a polyfunctional polymerizable compound containing two or more acryloyl groups.
(3) A resin composition comprising a polyfunctional polymerizable compound containing two or more acryloyl groups and a silicone, melamine or epoxy polyfunctional polymerizable compound.
(4) A resin composition comprising a urethane-modified acrylate and a silicone-based, melamine-based, or epoxy-based polyfunctional polymerizable compound.
[0014]
  First2Further, the invention of the present invention further uses a cotton cloth having a disk shape with a diameter of 20 mm in an atmosphere of 20 ° C. and 50% relative humidity at a load of 200 g on the surface layer of the surface material for a pen input device 1000 times at a speed of 10 cm / sec. It is the said surface material for pen input devices whose increase in haze value when reciprocating is 10% or less.
[0015]
  First3This invention is the above-mentioned surface material for a pen input device, wherein the surface layer is a cured product of a resin composition containing an acrylic group-containing compound as a main component.
  First4The surface of the surface of the pen input device according to the present invention is such that the surface layer has a center line average roughness of 0.1 to 5.0 μm.
[0016]
  First5This invention is the above-mentioned surface material for a pen input device, wherein the surface layer contains 0.01 to 10% by weight of a polysiloxane compound.
  First6The present invention is the pen input device surface material further comprising an adhesive layer on the base material surface opposite to the surface layer.
[0017]
  First7The present invention is a pen input device comprising the surface material for a pen input device.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
The pen input device is a device that performs an input operation by performing a drawing operation using a pen-shaped instrument resembling a pencil or a ballpoint pen on the surface of a panel or the like, and at least one of the panel or the pen-shaped instrument. The device is not particularly limited as long as the device has a signal output circuit or a signal recording circuit using electricity or electromagnetic waves. For example, a pen input touch panel device provided on the front surface of various displays, a pen input device that is connected to a computer without being provided on the front surface of the display, and electronic paper can be used.
[0019]
A pen input touch panel device has a touch panel arranged on a display surface such as a liquid crystal display, a plasma display (PDP), an electroluminescent (EL) display, a cathode ray tube (CRT) display, etc., and touches the surface with an input pen. It is a device that performs an input operation with the detected contact position signal. And a touch panel has a separate type | mold arrange | positioned on the display surface of various display apparatuses, and the case where it is integrated in the above various displays. As a touch panel system, any known system can be used and is not particularly limited. Specific examples include touch panel methods such as an ultrasonic method, a resistive film method, a capacitance method, an electric strain method, a magnetostriction method, and an infrared method.
[0020]
The surface material for pen input devices is used for the surface which the input pen of such a pen input device touches directly. The surface material for a pen input device of the present invention comprises a base material made of a resin and a surface layer in direct contact with the input pen. The surface layer may be a single layer or may be formed of a plurality of layers. An input pen will not be specifically limited if it is a pen which can be used for input operation with a pen input device. As a known input pen, for example, a material mainly composed of polyacetal resin is used, and the shape of the pen tip is about 1.6 mm in diameter.
[0021]
  In the surface material for a pen input device according to the first aspect of the invention, the value measured by a surface property tester (manufactured by Shinto Kagaku Co., Ltd., trade name: Tribogear, TYPE: 14DR) is within a specific range. There is something. That is, when the input pen is moved at a speed of 10 cm / sec with a load of 200 g using an input pen in an atmosphere of 20 ° C. and 50% relative humidity, the dynamic friction coefficientIs 0. 1 to 0.4, and coefficient of static frictionIs 0. It is the surface material for pen input devices which will be 5-1.0.
[0022]
  The coefficient of dynamic friction of the pen input device surface material against the input pen is0.1If the coefficient of static friction is less than0.5In any case, the above input pen slips too much, resulting in poor writing feeling. Conversely, the coefficient of dynamic friction is0.4Or the coefficient of static friction is1.0In any case, the input pen slips badly and feels heavy, resulting in poor writing feeling.
[0023]
  From the viewpoint of further improving the feeling of writing in the writing feeling, the following surface materials for pen input devices are more preferable. That is, when the surface of the surface material for a pen input device is scratched at a speed of 10 cm / sec using a cemented carbide wound body having a tip diameter of 0.75 mm in an atmosphere of 20 ° C. and 50% relative humidity, Load on hard wound2It is a surface material for pen input devices which is restored at 0 to 1000 g. The load to restore20If it is less than g, dents are generated when the input pen is used, and the dents tend to hinder visibility and deteriorate writing feeling. On the other hand, when it exceeds 1000 g, the surface of the surface layer becomes too soft, and the writing feeling is rather lowered. Here, the resilience means the property that the dent once generated disappears with time, and it is possible to obtain a dent feeling due to the temporarily generated dent, and also has the ability to prevent damage to absorb the applied force. Can do.
[0024]
Moreover, the following surface materials for pen input devices are more preferable from a viewpoint of improving durability among writing feelings. That is, when reciprocating 1000 times at a speed of 10 cm / sec on the surface layer of the surface material for a pen input device using a cotton cloth having a disk shape with a diameter of 20 mm under an atmosphere of 20 ° C. and 50% relative humidity with a load of 200 g. The haze value of the pen input device surface material is preferably 10% or less, more preferably 9% or less. When the increase in haze value exceeds 10%, the surface material for a pen input device is not durable against input by an input pen, and the visibility and writing feeling tend to be deteriorated by long-term use.
[0025]
In addition, the surface material for a pen input device of the present invention includes an antireflection layer, a transmitted light control layer, as necessary, between the base material and the surface layer, or on the opposite side of the base material surface on which the surface layer is formed. Layers having functions such as a conductive layer and an antistatic layer (hereinafter abbreviated as a functional layer) can be formed in a single layer or a plurality of layers. Moreover, it can form with the layer which consists of multiple layers as a base material, and is not specifically limited.
[0026]
Examples of the material of the base material used for the surface material for the pen input device of the present invention include polyester such as polyethylene terephthalate, polycarbonate, polymethyl methacrylate, polystyrene, regenerated cellulose, diacetyl cellulose, triacetyl cellulose, acrylonitrile / styrene / butadiene. Examples include terpolymers, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, polyvinyl alcohol, nylon, polyethylene, cellulose acetate, polypropylene, polyamide, polyimide, polysulfone, polyethersulfone, and norbornene resins. In these, transparent base materials, such as a triacetyl cellulose, a polyethylene terephthalate, and a polycarbonate, are mentioned as a preferable base material.
[0027]
  In addition, the surface layer usually has a composition for forming the surface layer on the outermost surface of the base material or the functional layer laminated on the base material.With a thickness of 20-30 μmAfter application, it is formed by curing to make a resin. In such a surface layer forming composition, an ultraviolet curable or thermosetting unsaturated acrylic resin composition, an unsaturated polyurethane resin composition such as urethane-modified (meth) acrylate, an unsaturated polyester resin composition, Polyamide resin compositions, thermosetting silicone-based, melamine-based, and epoxy-based resin compositions are included.
[0028]
  More specifically, for example, a resin composition or a urethane-modified (meth) acrylate containing a polyfunctional polymerizable compound containing two or more acryloyl groups and methacryloyl groups such as an esterified product of a polyhydric alcohol and (meth) acrylic acid. And a resin composition containing a silicone-based, melamine-based, or epoxy-based polyfunctional polymerizable compound.As the surface layer, those obtained by curing the resin composition (1), (2), (3) or (4) shown below are used.
(1) A resin composition containing a urethane-modified acrylate.
(2) A resin composition comprising a urethane-modified acrylate and a polyfunctional polymerizable compound containing two or more acryloyl groups.
(3) A resin composition comprising a polyfunctional polymerizable compound containing two or more acryloyl groups and a silicone, melamine or epoxy polyfunctional polymerizable compound.
(4) A resin composition comprising a urethane-modified acrylate and a silicone-based, melamine-based, or epoxy-based polyfunctional polymerizable compound.
Among these, in terms of durability and ease of handling, such as esterified products of polyhydric alcohol and (meth) acrylic acid that can be cured by ultraviolet rays, electron beams or heating, and urethane-modified (meth) acrylates. A resin composition containing a (meth) acrylic group-containing compound as a main component is excellent.
[0029]
Examples of the polyhydric alcohol include ethylene glycol, polyethylene glycol, propylene glycol, polypropylene glycol, propanediol, butanediol, pentanediol, hexanediol, neopentylglycol, 2-ethyl-1,3-hexanediol, 2,2 Examples include dihydric alcohols such as' -thiodiethanol and 1,4-cyclohexanedimethanol; trihydric alcohols such as trimethylolpropane, pentaglycerol, glycerol, pentaerythritol, diglycerol, and dipentaglycerol.
[0030]
The urethane-modified (meth) acrylate can be obtained by a urethanization reaction between a terminal isocyanate polyurethane and a (meth) acrylic acid derivative having a hydroxyl group. The terminal isocyanate polyurethane is produced by reacting a polyisocyanate such as hexamethylene diisocyanate or isophorone diisocyanate with an oligomer having a plurality of hydroxyl groups such as polycaprolactone diol or polytetramethylene diol. Examples of the (meth) acrylic acid derivative having a hydroxyl group include 2-hydroxyethyl (meth) acrylate and 2-hydroxypropyl (meth) acrylate. These components may be used alone or in combination of two or more. Further, in order to obtain a dent feeling and durability in the writing feeling, those containing a lot of long-chain components among the various resins are preferable.
[0031]
Moreover, you may use a monofunctional component together as a reactive diluent. These are not particularly limited as long as they are monomers having good compatibility with the resin used as the main component. For example, ethyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, lauryl acrylate, styrene, methylstyrene, N-vinylpyrrolidone, dimethylacrylamide and the like can be mentioned. These may be used alone or in combination of two or more.
[0032]
Further, a diluent solvent may be used to adjust the viscosity of the paint. These are not particularly limited as long as they are non-polymerizable, and examples thereof include toluene, xylene, ethyl acetate, butyl acetate, methyl cellosolve, ethyl cellosolve, ethyl cellosolve acetate, isopropyl alcohol, and methyl ethyl ketone. These diluent solvents may be used alone or in combination of two or more.
[0033]
In order to further improve the rough feeling of the writing feeling, the center line average roughness (Ra) is preferably 0.1 to 5.0 μm, more preferably 1.0 to the surface layer of the surface material for the pen input device. It is more preferable to form fine irregularities of 4.0 μm. When the center line average roughness (Ra) is less than 0.1 μm, the surface roughness is insufficient, and when it exceeds 5.0 μm, the optical properties are deteriorated. As a method for roughening the surface of the surface layer to form fine irregularities, methods such as embossing, sandblasting, and etching are appropriately employed.
[0034]
Further, a fine particle substance or the like may be added to form fine irregularities on the surface layer. Examples of the particulate material include inorganic particulate materials such as silica, calcium oxide, alumina, titania, zirconia, tin oxide, indium oxide, cadmium oxide and antimony oxide, and crosslinked or uncrosslinked polymers such as polymethyl methacrylate, polyurethane and polystyrene. Organic fine particle materials composed of, for example, can be used. The average particle size of the particulate material used is preferably 100 μm or less, more preferably 0.1 to 50 μm, and particularly preferably 0.5 to 20 μm. Moreover, you may use together the said roughening process and addition of microparticles | fine-particles.
[0035]
In order to make the smooth feeling of writing feeling more appropriate, a polysiloxane compound can be contained in the surface layer forming composition. The polysiloxane compound is preferably a linear or branched polydiorganosiloxane compound. Alternatively, it may be a polyorganosiloxane group-containing copolymer. Furthermore, you may have reactive groups, such as a vinyl group and a (meth) acryloyl group, in the principal chain or the terminal of a side difference. A representative example of polydiorganosiloxane is polydimethylsiloxane. It may have a structure in which part or all of the methyl group is substituted with another organic group (however, the position at which the methyl group is substituted may be a terminal or a chain). .
[0036]
Examples of such other organic groups include alkyl groups other than methyl groups, aryl groups, cycloalkyl groups, and chains having repeating units such as polyoxyalkylene chains and polyester chains. Furthermore, these organic groups can have a hydroxyl group, an amino group, an epoxy group, an acyl group, an acyloxy group, a carboxyl group, and other functional groups. Examples of the chain having a repeating unit include polyoxyalkylene chains such as polyoxyethylene chains, polyoxypropylene chains, polyoxytetramethylene chains, poly (oxyethyleneoxypropylene) chains, polycaprolactone chains, and polyethylene sebacate chains. And polyester chains such as polyethylene adipate chains.
[0037]
Moreover, even if the terminal of these chains is a hydroxyl group, a carboxyl group, a (meth) acryl group or a vinyl group, the terminal may be blocked with an organic group. For example, it may be blocked by alkyl etherification or alkyl esterification. In addition, this chain is usually bonded to a silicon atom via an alkylene group such as a dimethylene group or a trimethylene group, but is not limited thereto.
[0038]
The polyorganosiloxane group-containing copolymer contains a polyorganosiloxane group-containing graft copolymer segment A formed from a polyorganosiloxane group-containing compound and a vinyl compound and a polyorganosiloxane group formed from a vinyl compound. An AB type block copolymer comprising polymer segment B which is not used is preferable. Examples of such a compound include Modiper FS700, FS710, FS720, and FS730 (all manufactured by Nippon Oil & Fats Co., Ltd.) that are available as commercial products. The content of the polysiloxane compound used in the present invention in the composition for forming a surface layer is usually 0.01 to 10% by weight, particularly preferably 0.01 to 5% by weight.
[0039]
As a method of applying the surface layer forming composition as a surface material directly on the base material or on the functional layer laminated on the base material, a roll coating method, a dip coating method, a brush coating method, a spray coating method, a bar coating method. Any known method such as a method, a knife coating method, a die coating method, a gravure coating method, a curtain flow coating method, a reverse coating method, a kiss coating method, or a comma coating method may be used. In addition, when applying, some pretreatment such as corona discharge may be performed in advance in order to improve the adhesion between the base material and the surface layer coating.
[0040]
The method for curing the composition for forming a surface layer that is applied directly on the base material or on the functional layer laminated on the base material as described above and dried is not particularly limited, and is performed by a known method. be able to. In the case of curing by ultraviolet irradiation, a conventionally known photopolymerization initiator is added to the surface layer forming composition and then cured. Specific examples of photopolymerization initiators include, for example, 2,2-dimethoxy-2-phenylacetophenone, acetophenone, benzophenone, xanthone, 3-methylacetophenone, 4-chlorobenzophenone, 4,4′-dimethoxybenzophenone, benzoin propyl ether, Benzyldimethyl ketal, N, N, N ′, N′-tetramethyl-4,4′-diaminobenzophenone, 1- (4-isopropylphenyl) -2-hydroxy-2-methylpropan-1-one, 2-hydroxy -2-methyl-1-phenyl-propan-1-one, and other thioxanthate compounds.
[0041]
As the energy ray source used for the above-mentioned curing, for example, a high-pressure mercury lamp, a halogen lamp, a xenon lamp, a nitrogen laser, an electron beam accelerator, a radioactive element, or the like is used. The irradiation amount of the energy ray source is 50 to 5000 mJ / cm as an integrated exposure amount at an ultraviolet wavelength of 365 nm.2 Is preferred. Irradiation amount is 50mJ / cm2 If it is less than 1, the curing becomes insufficient, so that the wear resistance and hardness of the surface layer are lowered. Also, 5000mJ / cm2 If it exceeds 1, the surface layer is colored and the transparency is lowered.
[0042]
Moreover, when hardening by heating, it hardens | cures, after adding a conventionally well-known thermal polymerization initiator in the composition for surface layer formation. Specific examples of the thermal polymerization initiator include ketone peroxide, peroxyketal, hydroperoxide, dialkyl peroxide, diacyl peroxide, peroxydicarbonate, and the like. These thermal polymerization initiators may be used alone or in combination of two or more.
[0043]
In the composition for forming the surface layer, a pigment, a filler, a surfactant, a dispersant, a plasticizer, an ultraviolet absorber, an antioxidant, and the like may be added as necessary within a range that does not impair the performance. Can do. These may be used alone or in combination of two or more.
[0044]
In addition, an adhesive layer can be formed on the opposite surface of the base material on which the surface layer is formed, thereby improving the sensation of writing feeling. As such a pressure-sensitive adhesive layer, for example, an acrylic pressure-sensitive adhesive or a rubber-based pressure-sensitive adhesive can be used, but it is particularly preferable to use an acrylic pressure-sensitive adhesive from the viewpoint of transparency. These pressure-sensitive adhesives can contain a plasticizer, a tackifier component and the like in addition to the pressure-sensitive polymer component, but it is more desirable to use an additive that does not impair the transparency.
[0045]
Examples of the adhesive polymer that is the main component of the acrylic adhesive include alcohols having 1 to 10 carbon atoms in the alkyl group such as 2-ethylhexyl acrylate, butyl acrylate, isooctyl acrylate, butyl methacrylate, and propyl methacrylate. A copolymer of an alkyl ester with (meth) acrylic acid and a functional group-containing unsaturated monomer such as acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, fumaric acid, hydroxyethyl acrylate or hydroxyethyl methacrylate is preferably used. It is done.
[0046]
Moreover, as the adhesive polymer which is the main component of the rubber-based adhesive, a styrene-butadiene random copolymer, a styrene-isoprene block copolymer, natural rubber and the like are preferably used. It is preferable to form an adhesive layer made of these components with a thickness of 5 to 100 μm.
[0047]
As the conductive layer formed on the opposite surface of the substrate on which the surface layer is formed, tin oxide (SnO2 Etc.), metal oxides such as indium oxide, antimony oxide, zinc oxide (ZnO), cadmium oxide and indium tin oxide (ITO), and metal films such as gold, silver, copper, aluminum, tin and nickel. . Among these, oxides made of a single metal such as zinc oxide and tin oxide are preferable because they can be easily controlled by the stoichiometric ratio and provide a high-performance thin film. The method for laminating the conductive layer is not particularly limited, and examples thereof include a sputtering method, a vacuum deposition method, an ion plating method, a low pressure plasma method, a coating method, and an atmospheric pressure chemical vapor deposition (CVD) method. The thickness of the conductive layer is such that the conductive performance and the infrared and electromagnetic wave reducing performance are expressed and the transparency is maintained, that is, the visible light transmittance is 60% or more. It is preferable that it is 30-200 nm.
[0048]
  The effects exhibited by the above embodiment will be described together below.
  -The surface material for the pen input device of this embodiment has a dynamic friction coefficient of the surface layer.0.1~0.4And the coefficient of static friction is0.5~1.0Is set to For this reason, when the input pen is brought into contact with the operation surface, it is possible to obtain an excellent writing feeling particularly based on the slip feeling while the input operation is subsequently performed with the input pen.
[0049]
  ・ In addition, the resilience of the surface layer is20When restoring at ˜1000 g, it is possible to further improve the dent feeling on the surface of the surface layer, and to obtain a soft feeling of paper during pen input. Furthermore, when the increase in the haze value of the surface layer is 10% or less, the durability of the surface layer can be further improved. In addition, when the center line average roughness (Ra) on the surface of the surface layer is 0.1 to 5.0 μm, it is possible to further improve the roughness of the surface of the surface layer.
[0050]
Therefore, the input operation with the contact position signal for the pen input device incorporating the surface material for the pen input device of the embodiment is excellent in writing feeling and is comfortable without feeling tired even if the input operation is repeated.
[0051]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail based on examples.
Moreover, about the surface material for pen input devices, the following methods evaluated the static friction coefficient, the dynamic friction coefficient, the coating-film recoverability, the haze value, the centerline average roughness (Ra), the total light transmittance, and the writing feeling.
[0052]
1) Coefficient of static friction and coefficient of dynamic friction
Coefficient of dynamic friction (μs, no unit) when moving on the surface layer of the pen input device surface material at a speed of 10 cm / sec using an input pen in an atmosphere of 20 ° C. and 50% relative humidity with a load of 200 g The coefficient of static friction (μk, no unit) was measured with a surface property test equipment. In addition, the palm (palm) brand name and the stylus were used for the input pen, and the surface property test equipment was made by Shinto Kagaku, the brand name: Tribogear, and TYPE: 14DR.
[0053]
2) Coating film restoration
Carbide that is restored when it is scratched at a speed of 10 cm / sec on the surface layer of the surface material for a pen input device using a carbide wound body having a tip diameter of 0.75 mm in an atmosphere of 20 ° C. and 50% relative humidity. The load (g) with respect to the wound body made was measured by a scratch hardness meter (trade name: scratch hardness meter, model 318, manufactured by Eriksen, Germany) as a coating film recoverability.
[0054]
3) Haze value
Haze when reciprocating 1000 times at a speed of 10 cm / sec on a surface layer of a surface material for a pen input device using a cotton cloth (disk shape having a diameter of 20 mm) in an atmosphere of 20 ° C. and 50% relative humidity with a load of 200 g. The amount of increase in value (%) was measured with a surface property tester and a direct reading haze meter. The increase amount was calculated by haze value (%) after reciprocating 1000 times−initial haze value (%). Moreover, the surface property test equipment used was Shinto Kagaku Co., Ltd., trade name: Tribogear, TYPE: 14DR, and the direct reading haze meter was made by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd., trade name: direct reading haze meter (No. 206). .
[0055]
4) Centerline average roughness (Ra)
According to JIS B0601-1982, the surface of the pen input device surface material was measured using a stylus type surface roughness and shape measuring machine (trade name: Surfcom 550A, manufactured by Tokyo Seimitsu Co., Ltd.) with a cut-off value of 0.8 mm and a vertical magnification of 5000 times. The centerline average roughness (Ra, unit: μm) in the layer was measured.
[0056]
5) Total light transmittance
Using a direct reading haze meter (manufactured by Toyo Seiki Seisakusho, trade name: direct reading haze meter (No. 206)), the total light transmittance (%) as an optical property was measured.
[0057]
6) Writing feeling
Using an input pen, writing was actually performed on the surface layer, and the writing feeling was evaluated by 10 people from the three viewpoints of smooth feeling, dent feeling and rough feeling. And when 6 out of 10 judges as good writing feeling like writing on paper using a pencil, △ is judged when 3-5 out of 10 judges, and 2 out of 10 The case where a person or less judged was classified and evaluated as x.
[0058]
Example 1
80 parts by weight of urethane acrylate (manufactured by Shin-Nakamura Chemical Co., Ltd., trade name: NK Oligo U-108A), 10 parts by weight of pentaerythritol triacrylate, 20 parts by weight of acrylic acid, and a polysiloxane compound (Byk-chemie) A surface layer resin solution was prepared by adding 5 parts by weight of polystyrene-based fine particles having an average particle diameter of 10 μm to a mixed solution consisting of 0.1 parts by weight of a product manufactured by the company, trade name: BYK-300).
[0059]
It is applied uniformly on a 100 μm thick triacetylcellulose film with a roll coater to a thickness of 20 μm, and irradiated with an electron beam (150 keV, 5 Mrad) by an electron curtain type EB device (manufactured by ESI) to cure the coating film. I let you.
[0060]
Next, the surface material for pen input devices of this invention was created by applying and drying the solution containing an acrylic adhesive on the surface opposite to the cured surface. A pen input device was prepared by pressing and pasting the surface material for a pen input device on the surface of a liquid crystal display with a touch input device at room temperature. Using this, the static friction coefficient, dynamic friction coefficient, coating film recoverability, haze value, centerline average roughness (Ra), total light transmittance, and writing feeling were evaluated. The results are shown in Table 1.
[0061]
Example 2
Polyethylene glycol # 600 40 parts by weight of diacrylate, 10 parts by weight of trimethylolpropane triacrylate, 50 parts by weight of dimethylacrylamide, and 0.1 weight of polysiloxane compound (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., trade name: KF-351A) After adding 5 parts by weight of acrylic fine particles having an average particle diameter of 14 μm to a mixed liquid consisting of 5 parts by weight of 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one (photopolymerization initiator), A resin solution for the surface layer was prepared by stirring.
[0062]
It is uniformly coated on a polyethylene terephthalate film having a thickness of 100 μm with a roll coater to a thickness of 20 μm, and irradiated with ultraviolet rays by a 120 W high-pressure mercury lamp (manufactured by Nihon Battery Co., Ltd.) under a nitrogen atmosphere (3 J / cm2And the coating film was cured.
[0063]
Next, the surface material for pen input devices of this invention was created by applying the solution containing an acrylic adhesive to the surface on the opposite side of a hardening surface, and drying. A pen input device was prepared by pressing and pasting the surface material for a pen input device on the surface of a liquid crystal display with a touch input device at room temperature. Using this, various evaluations were performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0064]
Example 3
A resin solution for the surface layer was prepared by sufficiently stirring a mixed solution composed of 100 parts by weight of an acrylic polyol having a hydroxyl value of 50, 20 parts by weight of hexamethylene diisocyanate and 7 parts by weight of silica-based fine particles. It was uniformly coated with a thickness of 30 μm on a polyethylene terephthalate film having a thickness of 100 μm using a roll coater, dried at 100 ° C. for 10 minutes, and the coating film was cured.
[0065]
Next, the surface material for pen input devices of this invention was created by applying and drying the solution containing an acrylic adhesive on the surface opposite to the cured surface. A pen input device was prepared by pressing and pasting the surface material for a pen input device on the surface of a liquid crystal display with a touch input device at room temperature. Using this, various evaluations were performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0066]
Example 4
Acrylic system having a particle size of 10 μm in a mixed solution composed of 60 parts by weight of polyethylene glycol # 1000 diacrylate, 10 parts by weight of ethylene oxide-modified trimethylolpropane triacrylate, 30 parts by weight of lauryl acrylate, and 5 parts by weight of di-2-ethylhexyl peroxydicarbonate. After adding 3 parts by weight of fine particles, the mixture was sufficiently stirred to prepare a resin solution for the surface layer. This liquid was uniformly applied on a polyethylene terephthalate film having a thickness of 100 μm with a roll coater to a thickness of 20 μm, and dried at 100 ° C. for 10 minutes to cure the coating film.
[0067]
Next, the surface material for pen input devices of this invention was created by applying the solution containing an acrylic adhesive to the surface on the opposite side of a hardening surface, and drying. A pen input device was prepared by pressing and pasting the surface material of the pen input device on the surface of a liquid crystal display with a touch input device at room temperature. Using this, various evaluations were performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0068]
Example 5
40 parts by weight of a triethylene diisocyanate derivative (Takeda Pharmaceutical Co., Ltd., trade name: Takenate D-212) and 60 parts by weight of polycaprolactone-modified hydroxyethyl acrylate (Daicel Chemical Industries, trade name: Plaxel FA3) 77 parts by weight of urethane acrylate, 15 parts by weight of polydimethylsiloxane macromonomer (trade name: FM0721 manufactured by Chisso Corporation), 25 parts by weight of methyl methacrylate, 25 parts by weight of butyl methacrylate and isocyanate ethyl methacrylate (Showa Denko ( 20 parts by weight of an ultraviolet curable silicone copolymer consisting of 15 parts by weight, manufactured by the company, trade name: Karenz MOI, and 20 parts by weight of pentaerythritol triacrylate (trade name: Aronix M305, manufactured by Toagosei Co., Ltd.) 1-hydroxy Cyclohexyl - phenyl - ketone (the photoinitiator) surface layer resin solution consisting of 3 parts by weight was prepared.
[0069]
It is uniformly coated on a 100 μm thick polyethylene terephthalate film with a roll coater to a thickness of 20 μm, and irradiated with ultraviolet rays by a 120 W high pressure mercury lamp (manufactured by Nihon Battery Co., Ltd.) under a nitrogen atmosphere (1 J / cm2And the coating film was cured.
[0070]
Next, the surface material for pen input devices of this invention was created by applying the solution containing an acrylic adhesive to the surface on the opposite side of a hardening surface, and drying. A pen input device was prepared by pressing and pasting the surface material for a pen input device on the surface of a liquid crystal display with a touch input device at room temperature. Using this, various evaluations were performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0071]
Example 6
72 parts by weight of urethane acrylate, 20 parts by weight of UV curable silicone copolymer, 5 parts by weight of polyorganosiloxane group-containing copolymer [manufactured by NOF Corporation, trade name: MODIPER FS710], 1-hydroxy- A surface layer resin solution comprising 3 parts by weight of cyclohexyl-phenyl-ketone was prepared. The urethane acrylate is composed of 30 parts by weight of a triethylene diisocyanate derivative [Takeda Pharmaceutical Co., Ltd., trade name: Takenate D-212] and polycaprolactone-modified hydroxyethyl acrylate [manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd., trade name: Plaxel. FA3] obtained by reacting with 70 parts by weight. The ultraviolet curable silicone copolymer is composed of 10 parts by weight of a polydimethylsiloxane macromonomer (manufactured by Chisso Corporation, trade name FM0721), 30 parts by weight of butyl methacrylate, and isocyanate ethyl methacrylate (trade name, manufactured by Showa Denko KK). : Karenz MOI], 15 parts by weight of pentaerythritol acrylate [trade name: Aronix M305, manufactured by Toagosei Co., Ltd.] and 25 parts by weight of methyl methacrylate were reacted. 1-Hydroxy-cyclohexyl-phenyl-ketone is a photopolymerization initiator.
[0072]
The obtained surface layer resin solution is uniformly coated on a 100 μm-thick polyethylene terephthalate film with a thickness of 30 μm using a roll coater, and irradiated with ultraviolet rays using a 120 W high-pressure mercury lamp (manufactured by Nihon Battery Co., Ltd.) in a nitrogen atmosphere. (1J / cm2And the coating film was cured. Subsequently, the surface material for pen input devices was produced by apply | coating the solution containing an acrylic adhesive to the surface on the opposite side to the hardening surface by a coating film, and drying. The pen input device was manufactured by pressure-bonding the surface material for a pen input device to the surface of a liquid crystal display with a touch input device at room temperature. Using this, various evaluations were performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0073]
Comparative Example 1
A polyethylene terephthalate film having a thickness of 125 μm was coated with an acrylic hard coat resin to a thickness of 5 μm and then cured, and on the opposite surface of the substrate, 100 parts by weight of 2-ethylhexyl acrylate and 10 parts by weight of acrylic acid were added. A transparent pressure-sensitive adhesive layer was prepared by coating an acrylic pressure-sensitive adhesive mainly comprising a copolymer with a thickness of 40 μm, and a surface material was prepared by drying.
[0074]
A pen input device was created by pressing and pasting this surface material on the surface of a liquid crystal display with a touch input device at room temperature. Using this, various evaluations were performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0075]
Comparative Example 2
A resin liquid containing 100 parts by weight of an ultraviolet curable acrylic resin, 2 parts by weight of acrylic resin beads having a particle diameter of 5 to 10 μm, and a small amount of silicon resin on one side of a transparent polyethylene terephthalate film having a thickness of 100 μm. The resin layer was applied and cured by ultraviolet irradiation to form a resin layer having a thickness of 5 μm.
[0076]
A surface material was prepared by coating and drying an acrylic pressure-sensitive adhesive in the form of a solution on the opposite surface of the polyethylene terephthalate film. A pen input device was created by pressing and pasting this surface material on the surface of a liquid crystal display with a touch input device at room temperature. Using this, various evaluations were performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0077]
Comparative Example 3
At a thickness of 300 μm, a polyol liquid mainly composed of polycaprolactone triol and a polysiloxane compound and an isocyanate liquid mainly composed of hexamethylene isocyanate are mixed at a weight ratio of 100: 90 on one side of a polyethylene terephthalate film having a thickness of 100 μm. It was applied and cured by heating at 120 ° C. for 20 minutes.
[0078]
Thereafter, the film was peeled off from the polyethylene terephthalate film to prepare a soft resin film. A surface material was prepared by applying and drying an acrylic pressure-sensitive adhesive in the form of a solution on the surface of the soft resin film. A pen input device was created by pressing and pasting this surface material on the surface of a liquid crystal display with a touch input device at room temperature. Using this, various evaluations were performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0079]
[Table 1]
Figure 0004178975
In Examples 1 to 4, it was possible to obtain a writing feeling such as a smooth feeling, a dent feeling, and a rough feeling in all, and the overall writing feeling was also good. In Examples 5 and 6, although the rough feeling was insufficient, there was a feeling of dents, and since the smooth feeling was appropriate, the overall writing feeling was good.
[0080]
On the other hand, in all of the comparative examples, the smooth feeling was not appropriate, and in Comparative Example 1, the rough feeling was particularly insufficient, and a good writing feeling could not be obtained. Further, in Comparative Example 2, a feeling of dents was particularly insufficient, and a good writing feeling could not be obtained. Further, in Comparative Example 3, a particularly rough feeling was insufficient, and a good writing feeling could not be obtained.
[0081]
In addition, the said embodiment can also be changed and implemented as follows.
In order to improve the smoothness of the surface layer, a fluorine compound may be contained instead of the polysiloxane compound.
[0082]
-The adhesive layer provided on the base material surface opposite to the surface layer may be omitted, and may be adhered to the front surface of the display with a pen input device surface material adhesive.
Furthermore, the technical idea grasped from the embodiment will be described below.
[0083]
  · in frontAKuryl group-containing compound is a polyhydric alcoholAndEsterification with urethane or urethane modificationSexThe surface material for a pen input device according to any one of claims 4 to 7, wherein the surface material is a acrylate. When comprised in this way, durability of the surface material for pen input devices can be improved.
[0084]
The polysiloxane compound is an AB block copolymer comprising a polyorganosiloxane group-containing graft copolymer segment A and a polymer segment B not containing a polyorganosiloxane group. Surface material for pen input devices as described in 1. When comprised in this way, the smooth feeling of the surface of a surface layer can be improved.
[0085]
【The invention's effect】
The surface material for a pen input device of the present invention has a dynamic friction coefficient and a static friction coefficient of the surface layer set in a specific range, so that when the input pen is brought into contact with the operation surface, particularly excellent writing feeling based on smoothness. Is obtained.
[0086]
Moreover, the surface material for pen input devices of the present invention can further improve the dent feeling on the surface of the surface layer when the restoration property of the surface layer is in a specific range. Furthermore, the surface material for a pen input device of the present invention can further improve durability when the haze value of the surface layer is in a specific range.
[0087]
Moreover, when the center line average roughness (Ra) of the surface layer surface is in a specific range, the surface material for a pen input device of the present invention can further improve the roughness of the surface layer surface. . Therefore, the input operation with the contact position signal for the pen input device incorporating the surface material for the pen input device of the present invention is excellent in writing feeling, and is comfortable without feeling tired even if the input operation is repeated.

Claims (7)

基材と表面層とからなり、前記表面層は下記に示す樹脂組成物(1)、(2)、(3)または(4)を、基材上に20〜30μmの厚みで塗布し硬化してなるものであり、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で入力ペンを用いて荷重200gで表面層の表面を10cm/secの速度で移動させたときの動摩擦係数が0.10.4であり、かつ静摩擦係数が0.51.0であり、さらに20℃、50%相対湿度の雰囲気下で先端径0.75mmの超硬製加傷体を用いて表面層の表面を10cm/secの速度で引っ掻いたときに超硬製加傷体に対する荷重が20〜1000gで復元するペン入力装置用表面材。
(1)ウレタン変性アクリレートを含む樹脂組成物。
(2)ウレタン変性アクリレートと、アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
(3)アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物と、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
(4)ウレタン変性アクリレートと、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
It consists of a substrate and a surface layer, and the surface layer is formed by applying the resin composition (1), (2), (3) or (4) shown below on the substrate in a thickness of 20 to 30 μm and curing. The coefficient of dynamic friction when moving the surface of the surface layer at a speed of 10 cm / sec with a load of 200 g using an input pen in an atmosphere of 20 ° C. and 50% relative humidity is 0.1 to 0.00. 4 a and, and static friction coefficient of Ri 0.5-1.0 der further 20 ° C., 50% surface relative humidity the surface layer by using a cemented carbide scratching of tip diameter 0.75mm under an atmosphere of the point pen input device for surfacing restore load in 20~1000g for cemented carbide scratching body when scratched at a rate of 10 cm / sec.
(1) A resin composition containing a urethane-modified acrylate.
(2) A resin composition comprising a urethane-modified acrylate and a polyfunctional polymerizable compound containing two or more acryloyl groups.
(3) A resin composition comprising a polyfunctional polymerizable compound containing two or more acryloyl groups and a silicone, melamine or epoxy polyfunctional polymerizable compound.
(4) A resin composition comprising a urethane-modified acrylate and a silicone-based, melamine-based, or epoxy-based polyfunctional polymerizable compound.
さらに、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で直径20mmの円盤形状をなす綿布を用いて荷重200gで表面層の表面を10cm/secの速度で1000回往復させたときのヘイズ値の増加が10%以下である請求項1に記載のペン入力装置用表面材。Furthermore, the haze value increased when the surface of the surface layer was reciprocated 1000 times at a speed of 10 cm / sec using a cotton cloth having a disk shape with a diameter of 20 mm in an atmosphere of 20 ° C. and 50% relative humidity. The surface material for a pen input device according to claim 1, wherein the surface material is 10% or less. 表面層がアクリル基含有化合物を主成分として含む樹脂組成物の硬化物である請求項1または2に記載のペン入力装置用表面材。The surface material for pen input devices according to claim 1 or 2, wherein the surface layer is a cured product of a resin composition containing an acrylic group-containing compound as a main component. 表面層の表面は中心線平均粗さが0.1〜5.0μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。The surface material for pen input devices according to any one of claims 1 to 3, wherein the surface layer has a center line average roughness of 0.1 to 5.0 µm. 表面層がポリシロキサン系化合物を0.01〜10重量%含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。The surface material for pen input devices according to any one of claims 1 to 4, wherein the surface layer contains 0.01 to 10% by weight of a polysiloxane compound. 表面層とは反対側の基材面に粘着層をさらに有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。The surface material for pen input devices according to any one of claims 1 to 5, further comprising an adhesive layer on a base material surface opposite to the surface layer. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材を備えてなるペン入力装置。The pen input device provided with the surface material for pen input devices of any one of Claims 1-6.
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