JP4172764B2 - Maxillary sinus floor elevation device and system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工歯根フィクスチャー埋設用の穴を上顎に形成するため上顎の所望部位を上顎洞内に押し上げるための上顎洞底挙上器具およびそのシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人工歯根フィクスチャー(以下、フクスチャーと略称する)を顎骨に固定する際、下顎骨はフィクスチャー埋設用の穴を形成するために十分な深さがあるのに対して、図9に示すように上顎骨13はその歯槽頂11から上顎洞底12aまでの深さが小さいので、上顎骨13側にフィクスチャーを設置する際には、フィクチャー埋設用の穴の形成と同時に図10に示すような器具20を用いて上顎洞底12aを上顎洞12の内方に押し上げる。これは、前記穴が上顎洞12に貫通してしまうと細菌感染の恐れがあるためである。
【0003】
この器具20は上顎骨13の所望部位を上顎洞12内に押し上げるための先端棒状部21を把持部22の先端側に備え、この先端棒状部21に、凹状をなす先端面23の周縁に切削縁24を形成したものであり、上顎洞底挙上器具と呼ばれる。
【0004】
前記上顎骨13の所望部位の皮質骨と界面骨をドリルバーで穿設した後、前記上顎洞底挙上器具20を前記上顎洞12に向けて押し上げる。この時、削られた骨が前記先端棒状部21の先端面23側に押し込まれていくことによって上顎洞底12aが上顎洞12内方に押し込まれる。そして、フィクスチャーを埋設するためのスペースを確保した上で、所望のフィクチャーを埋設することが行われていた。
【0005】
図9に示すように、前記上顎洞底挙上器具20において、前記先端棒状部21は略ストレート状であった(非特許文献1)。
【非特許文献1】
Summers RB, "Sinus floor elevation with osteotomes",J. Esthet Dent, 1998; 10(3): p.164-171
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この上顎洞底挙上器具は、前記先端棒状部が略ストレート状であるためフィクスチャー埋入用の穴壁近傍の骨がほとんど圧縮されず、その骨の密度が小さいので、骨がフィクスチャーをグリップする力が小さかった。そのため、フィクチャーが離脱してしまうことがあった。
【0007】
また、ドリルバーで形成した穴をガイドとして用いないので、前記先端棒状部の押し上げ方向を誤り易く、その場合、形成される穴の方向も不適となる。その結果、フィクスチャーが誤った方向に向いてしまう恐れがあった。
【0008】
このような課題に鑑み、本発明は、上顎側のフィクチャーの離脱を防止し、また、フィクスチャーの設置方向を誤ることがないようにすることが可能な上顎洞底挙上器具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明の上顎洞底挙上器具は、上顎骨の所望部位を上顎洞内に押し上げるための先端棒状部を一方端側に備え、この先端棒状部の他方端側に、他方端側に向かって末拡がりとなるテーパー部を、前記先端棒状部の一方端側に、前記先端棒状部の先端面から前記テーパー部まで伸びるストレート状の先端部を形成し、前記テーパー部は、少なくとも一方端側に位置する1段目のテーパー部と、該1段目のテーパー部より他方端側に位置する2段目のテーパー部と、前記1段目のテーパー部と前記2段目のテーパー部との間に位置する円筒状部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、前記テーパー部がフィクスチャー埋入用の穴壁近傍の骨を圧縮するため、その部分の骨の密度が大きくなる。その結果、骨がフィクスチャーをグリップする力が大きくなる。
【0011】
さらに、前記先端棒状部の先端側(テーパー部よりも先方)が小径であるが、そのため穴底側は径が小さく形成される。このため穴底側ではフィクスチャーと骨との密着力が大きく、これによっても骨がフィクスチャーをグリップする力が大きくなる。加えて、段階的に径の大きな前記上顎洞底挙上器具を使用していく場合に、1段目のテーパー部と2段目のテーパー部との間の円筒状部分に対応する穴の円筒状部分をガイドとして次に径の大きなものを挿入することができる。そして、2段目以降のテーパー部に対応する穴壁の骨は切削されずに、前記器具のテーパー部により圧縮されていくので、特に、穴の入り口に近い部分の骨の密度が高くなる。その結果、この部分の骨が非常に大きな力でもってフィクスチャーをグリップすることができる。したがって、フィクチャーの離脱を防止することができる。
【0014】
次に、請求項2の上顎洞底挙上器具は、前記テーパー部の各テーパー端にマーキング線が形成されたことを特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、前記上顎洞底挙上器具の挿入深さを目視で確認することができる。
【0016】
また、請求項3の上顎洞底挙上器具は、前記先端棒状部の先端面から前記テーパー部までの距離が5〜10mmであることを特徴とする。
【0017】
かかる構成において、前記先端棒状部の先端面の径をドリルバーで穿設した下穴(パイロットホール)の径と合わせることで、前記テーパー部までの部分をパイロット部(ガイド)として、前記下穴に沿って確実に穴を拡げていくことができる。これによりフィクスチャーの設置方向を誤ることがない。
【0018】
請求項4の上顎洞底挙上器具のシステムは、前記先端棒状部の先端面の径が段階的に大きくなる請求項1記載の上顎洞底挙上器具を複数本用意し、前記先端面の径が最も大きなものを除く各上顎洞底挙上器具は、前記テーパー部の1段目のテーパー部と2段目のテーパー部との間の円筒状部分の径が、次に先端面の径が大きな前記上顎洞底挙上器具の先端面の径と等しいことを特徴とする。
【0019】
かかる構成によれば、前記円筒状部分に対応する穴の円筒状部分をガイドとして次に径の大きなものを挿入することができる。そして、2段目以降のテーパー部に対応する穴壁の骨は切削されずに、前記器具のテーパー部により圧縮されていくので、特に、穴の入り口に近い部分の骨の密度が高くなる。その結果、この部分の骨が非常に大きな力でもってフィクスチャーをグリップすることができる。
【0020】
請求項5の上顎洞底挙上器具のシステムは、前記複数本の上顎洞底挙上器具とともに、球面状先端面を有する先端棒状部を一方端側に備えた仕上げ用の上顎洞底挙上器具を含むことを特徴とする。
【0021】
かかる構成によれば、仕上げ用の上顎洞底挙上器具の先端棒状部でフィクスチャー埋入用の穴壁近傍の骨を圧縮し、フィクスチャー埋入用の穴をフィクスチャーの形状にほぼ一致させることができる。これにより、フィクスチャーを埋入する骨が元から比較的緻密であってもフィクスチャーを極めて容易に埋入することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に使って説明する。
【0023】
図1は、先端棒状部の径が異なる本実施形態における3本の上顎洞底挙上器具1を示す。これら上顎洞底挙上器具1は併せて本実施形態において1つのシステムとして用いられる。
【0024】
なお、図1中、左端記載の、0,2,6,8,10,12,14,16,18の数字は先端面からの距離目盛り(mm)である。
【0025】
それぞれの上顎洞底挙上器具1は、上顎の所望部位を上顎洞内に押し上げるための先端棒状部2を把持部8の先端側に備え、この先端棒状部2に、図2の断面図に示すように凹状をなす先端面3の周縁に切削縁4を形成するとともに後方に向かって段状に末拡がりとなるように前記テーパー部5を複数形成した構成となっている。また、前記先端棒状部2のテーパー部5は、1段目のテーパー部5bと2段目のテーパー部5cとの間の円筒状部5aが、次の(先端棒状部の径が次に大きいもの)上顎洞底挙上器具1の先端面3の径と等しい。これら上顎洞底挙上器具1の材質としては、ステンレス等の生体に対し毒性のない金属材料を用いることができる。
【0026】
前記先端棒状部2のテーパー部5において、各テーパー部5b,5cのテーパー端にはレーザー等の手段によりマーキング線(図1中、黒塗線部分)が形成されている。
【0027】
図3乃至8は、前記上顎洞底挙上器具1の取り扱いについての説明図である。なお、図3乃至8の実施形態ではφ1.6mmのパイロットホールを形成し、最終的にφ4.2mmのフィクスチャー6を設置する例を説明するが、設置するフィクスチャー6の径によって、上顎洞底挙上器具1の径や本数、或いはテーパー部5の形態は任意の設定とすることができる。
【0028】
図3はパイロットホールを形成する状態を示す。歯槽粘膜剥離後、ドリルバー30を用いてφ1.6mmのパイロットホールを形成する。その際、予めレントゲン上で確認された上顎洞底12aより3〜4mm程度、骨を残す深さまでドリリングする。
【0029】
図4は上顎洞底粘膜を挙上する状態を示す。φ1.6mmの前記上顎洞底挙上器具(図1の左側のもの)1をパイロットホールに挿入し、慎重に槌打し、先端棒状部2に付与されているマーキング線を確認しながら、埋入予定フィクスチャーの標準埋入深さまで押し込む。その際、常に骨の感触を確認しながら、上顎洞底12aの粘膜を突き破らないよう注意する。
【0030】
図5はこのように形成中の窩洞(フィクスチャー埋入用穴)を拡大する状態を示す。φ2.1mmの前記上顎洞底挙上器具(図1の真中のもの)1を窩洞に挿入・槌打し、水平方向への拡大を進める。
【0031】
図6はさらに窩洞を拡大する状態を示す。φ2.8mmの前記上顎洞底挙上器具(図1の右側のもの)1を窩洞に挿入・槌打し、さらに水平方向への拡大を進める。骨内長14mmまで挙上した場合、窩洞入り口は直径3.8mmまで拡大される。
【0032】
図7(a)は骨補填材7の填入の状態を示す。窩洞形成が終了したら、アパタイトなどの骨補填材7を少量ずつ前記上顎洞底挙上器具1を用いて上顎洞底12aの直下に填入していく。目安としては、フィクスチャーの埋入深さより約2mm浅いところまで填入する。
【0033】
図8はフィクスチャー埋入の状態を示す。骨補填材7の填入によって埋入予定のフィクスチャー骨内長より約2mmアンダーとなった窩洞にフィクスチャー6を適性な深さまで埋入する。挙上された上顎洞底12aの下の骨と上顎洞底12aの粘膜を破断しないよう慎重に埋入を完了する。
【0034】
以上の実施形態により明らかなように、前記テーパー部5がフィクスチャー埋入用の穴壁近傍の骨を圧縮するため、その部分の骨の密度が大きくなる。その結果、骨がフィクスチャー6をグリップする力が大きくなる。
【0035】
さらに、前記上顎洞底挙上器具1の先端棒状部2の先端側(テーパー部よりも先方)が小径であるが、そのため前記窩洞の穴底側は径が小さく形成される。このため穴底側ではフィクスチャー6と骨との密着力が大きく、これによっても骨がフィクスチャー6をグリップする力が大きくなる。したがって、フィクチャーの離脱を防止することができる。
【0036】
なお、前記上顎洞底挙上器具1のシステムによれば、前記先端面3の径が段階的に大きくなる前記上顎洞底挙上器具1を複数本用意し、前記先端面3の径が最も大きなものを除く各上顎洞底挙上器具は、前記テーパー部5の1段目のテーパー部5bと2段目のテーパー部5cとの間の円筒状部5aの径が、次に先端面3が大きな前記上顎洞底挙上器具1の先端面の径と等しいことから、前記円筒状部5aに対応する穴の円筒状部分をガイドとして次に径の大きなものを挿入することができる。そして、2段目のテーパー部5cに対応する穴壁の骨は切削されずに、前記器具1のテーパー部5cにより圧縮されていくので、特に、穴の入り口に近い部分の骨の密度が高くなる。その結果、この部分の骨が非常に大きな力でもってフィクスチャーをグリップすることができる。
【0037】
なお、前記上顎洞底挙上器具1は、前記先端棒状部2の先端面3から前記テーパー部5までの距離tが5〜10mmであることが好ましい。これにより前記1段目のテーパー部5bまでの部分をパイロット部とし、前記下穴に沿って確実に穴を拡げていくことができる。これによりフィクスチャー6の設置方向を誤ることがない。前記距離tが5mm未満の場合、前記上顎洞底挙上器具1を窩洞に挿入する方向が安定しない恐れがあり、他方、10mmを超えるとテーパー部5が後方配置となってしまい、前記窩洞の穴底近傍領域の骨密度を高める作用が弱く、その結果、骨がフィクスチャー6をグリップする力が弱くなる恐れがある。
【0038】
なお、図7(b)(c)は、球面状先端面11を有する先端棒状部12を一方端側に備えた仕上げ用の上顎洞底挙上器具10を示す。図7(b)は先端棒状部がストレートであり、(c)は緩やかなテーパー状である。これら仕上げ用の上顎洞底挙上器具10は、フィクスチャー6を埋入する骨が元から比較的緻密である場合に用いられるものである。このような場合、フィクスチャー6を埋入する穴とフィクスチャー6の形状が段部等の存在により大きく相違する場合に、フィクスチャー6の螺子込むのに多大な力が必要となる。そして、圧入の際に骨折を引き起こす恐れがある。そこで、球面状先端面11を備えた前記仕上げ用の上顎洞底挙上器具10により、フィクスチャー埋入用の穴壁近傍の骨を圧縮し、フィクスチャー埋入用の穴をフィクスチャー6の形状にほぼ一致させることで、フィクスチャー6を極めて容易に埋入することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明の上顎洞底挙上器具によれば、上顎骨の所望部位を上顎洞内に押し上げるための先端棒状部を一方端側に備え、この先端棒状部の他方端側に、他方端側に向かって末拡がりとなるテーパー部を、前記先端棒状部の一方端側に、前記先端棒状部の先端面から前記テーパー部まで伸びるストレート状の先端部を形成し、前記テーパー部は、少なくとも一方端側に位置する1段目のテーパー部と、該1段目のテーパー部より他方端側に位置する2段目のテーパー部と、前記1段目のテーパー部と前記2段目のテーパー部との間に位置する円筒状部と、を備えていることにより、このテーパー部がフィクスチャー埋入用の穴壁近傍の骨を圧縮するため、その部分の骨の密度が大きくなる。その結果、骨がフィクスチャーをグリップする力が大きくなる。
【0040】
さらに、前記上顎洞底挙上器具の先端棒状部の先端側(テーパー部よりも先方)が小径であるが、そのため穴底側は径が小さく形成される。このため穴底側ではフィクスチャーと骨との密着力が大きく、これによっても骨がフィクスチャーをグリップする力が大きくなる。加えて、段階的に径の大きな前記上顎洞底挙上器具を使用していく場合に、1段目のテーパー部と2段目のテーパー部との間の円筒状部分に対応する穴の円筒状部分をガイドとして次に径の大きなものを挿入することができる。そして、2段目以降のテーパー部に対応する穴壁の骨は切削されずに、前記器具のテーパー部により圧縮されていくので、特に、穴の入り口に近い部分の骨の密度が高くなる。その結果、この部分の骨が非常に大きな力でもってフィクスチャーをグリップすることができる。したがって、フィクチャーの離脱を防止することができる。
【0042】
次に、請求項2の上顎洞底挙上器具によれば、前記テーパー部の各テーパー端にマーキング線が形成されたことにより、前記上顎洞底挙上器具の挿入深さを目視で確認することができる。
【0043】
また、請求項3の上顎洞底挙上器具によれば、前記先端棒状部の先端面から前記テーパー部までの距離を5〜10mmとしたことにより、前記先端棒状部の先端面の径をドリルバーで穿設した下穴(パイロットホール)の径と合わせることで、前記テーパー部までの部分をパイロット部(ガイド)として、前記下穴に沿って確実に穴を拡げていくことができる。
これによりフィクスチャーの設置方向を誤ることがない。
【0044】
次に、請求項4の上顎洞底挙上器具のシステムによれば、前記先端棒状部の先端面の径が段階的に大きくなる請求項1記載の上顎洞底挙上器具を複数本用意し、前記先端面の径が最も大きなものを除く各上顎洞底挙上器具は、前記テーパー部の1段目のテーパー部と2段目のテーパー部との間の円筒状部分の径が、次に先端面が大きな前記上顎洞底挙上器具の先端面の径と等しいことにより、前記円筒状部分に対応する穴の円筒状部をガイドとして次に先端面の径の大きなものを挿入することができる。
そして、2段目以降のテーパー部に対応する穴壁の骨は切削されずに、前記器具のテーパー部により圧縮されていくので、特に、穴の入り口に近い部分の骨の密度が高くなる。
その結果、この部分の骨が非常に大きな力でもってフィクスチャーをグリップすることができる。
【0045】
また、請求項5の上顎洞底挙上器具のシステムは、前記複数本の上顎洞底挙上器具とともに、球面状先端面を有する先端棒状部を一方端側に備えた仕上げ用の上顎洞底挙上器具を含むことから、仕上げ用の上顎洞底挙上器具の先端棒状部でフィクスチャー埋入用の穴壁近傍の骨を圧縮し、フィクスチャー埋入用の穴をフィクスチャーの形状にほぼ一致させることができる。これにより、フィクスチャーを埋入する骨が元から比較的緻密であってもフィクスチャーを極めて容易に埋入することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は先端棒状部の径が異なる本発明一実施形態における3本の上顎洞底挙上器具を示す。
【図2】 図1の領域Aの断面図である。
【図3】 パイロットホールを形成する状態を示す説明図である。
【図4】 上顎洞底粘膜を挙上する状態を示す説明図である。
【図5】 形成中の窩洞を拡大する状態を示す説明図である。
【図6】 形成中の窩洞を拡大する状態を示す説明図である。
【図7】 (a)は骨補填材の填入の状態を示す説明図であり、(b)(c)は仕上げ用の上顎洞底挙上器具の側面図である。
【図8】 フィクチャー埋入の状態を示す説明図である。
【図9】 上顎の歯槽頂から上顎洞底までの深さを示すための説明図である。
【図10】 従来の上顎洞底挙上器具の使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 上顎洞底挙上器具
2 先端棒状部
3 先端面
4 切削縁
5 テーパー部
6 フィクスチャー
7 骨補填材
10 上顎洞底挙上器具
11 球面状先端面
12 棒状先端部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a maxillary sinus floor raising device and a system for pushing a desired portion of the maxilla into the maxillary sinus in order to form a hole for implanting an artificial dental root fixture in the maxilla.
[0002]
[Prior art]
When an artificial root fixture (hereinafter abbreviated as “fixture”) is fixed to the jawbone, the mandible is deep enough to form a hole for embedding the fixture, as shown in FIG. Since the
[0003]
This
[0004]
After drilling a cortical bone and an interface bone at a desired site of the
[0005]
As shown in FIG. 9 , in the maxillary sinus
[Non-Patent Document 1]
Summers RB, "Sinus floor elevation with osteotomes", J. Esthet Dent, 1998; 10 (3): p.164-171
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in this maxillary sinus floor elevation device, the bone near the hole wall for fixture placement is hardly compressed because the tip rod-shaped portion is substantially straight, and the bone density is small. The power to grip Char was small. As a result, the fixture may have left.
[0007]
Moreover, since the hole formed by the drill bar is not used as a guide, the push-up direction of the tip end bar-shaped portion is likely to be erroneous, and in this case, the direction of the hole to be formed is also inappropriate. As a result, there was a risk that the fixture would turn in the wrong direction.
[0008]
In view of such a problem, the present invention provides a maxillary sinus floor raising device that prevents the fixture on the upper jaw side from being detached and prevents the fixture from being installed in the wrong direction. With the goal.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the maxillary sinus floor raising device of the present invention is provided with a distal end rod-like portion for pushing up a desired portion of the maxilla into the maxillary sinus on one end side, and on the other end side of the distal end rod-like portion , a tapered portion which becomes late spread toward the other end side, at one end of the tip rod portion, the straight tip portion is formed extending from the distal end surface of the tip rod-like portion to the tapered portion, the tapered portion A first-stage tapered portion located at least on one end side, a second-stage tapered portion located on the other end side of the first-stage tapered portion, the first-stage tapered portion, and the second-stage tapered portion. And a cylindrical portion positioned between the tapered portions .
[0010]
According to this configuration, the tapered portion compresses the bone in the vicinity of the hole wall for fixture insertion, so that the density of the bone in that portion increases. As a result, the force with which the bone grips the fixture increases.
[0011]
Furthermore, the distal end side of the distal end rod-shaped portion (the front side of the tapered portion) has a small diameter, and therefore the hole bottom side is formed with a small diameter. For this reason, the adhesion force between the fixture and the bone is large on the bottom side of the hole, and this also increases the force with which the bone grips the fixture. In addition, when using the maxillary sinus floor raising device having a large diameter in stages, a cylinder with a hole corresponding to the cylindrical portion between the first-stage taper portion and the second-stage taper portion The next larger diameter can be inserted using the shaped portion as a guide. And since the bone of the hole wall corresponding to the taper part after the 2nd step is not cut, but is compressed by the taper part of the instrument, the density of the bone near the entrance of the hole is particularly high. As a result, this part of the bone can grip the fixture with a very large force. Therefore, it is possible to prevent the fixture from being detached.
[0014]
Next, the maxillary sinus floor raising device according to
[0015]
According to this configuration, the insertion depth of the maxillary sinus floor raising device can be visually confirmed.
[0016]
Further, Agohora bottom elevation device on the third aspect, the distance to the tapered portion from the distal end surface of the distal bar portion is characterized in that it is a 5 to 10 mm.
[0017]
In such a configuration, by matching the diameter of the tip surface of the tip bar-like portion with the diameter of the pilot hole drilled with a drill bar, the portion up to the taper portion is used as a pilot portion (guide) in the pilot hole. The hole can be expanded with certainty. Thereby, there is no mistake in the installation direction of the fixture.
[0018]
System Agohora bottom elevation device on the fourth aspect, the claim 1, wherein the upper jaw Horasokokyo on the instrument the diameter of the distal end surface of the tip rod-shaped portion is increased stepwise to a plurality of prepared, the front end surface Each of the maxillary sinus floor raising devices except the one with the largest diameter is the diameter of the cylindrical portion between the first tapered portion and the second tapered portion of the tapered portion. diameter, characterized in that is equal to the diameter of the front end surface of the large the maxillary sinus Sokokyo on the instrument.
[0019]
According to this configuration, the next largest diameter can be inserted using the cylindrical portion of the hole corresponding to the cylindrical portion as a guide. And since the bone of the hole wall corresponding to the taper part after the 2nd step is not cut, but is compressed by the taper part of the instrument, the density of the bone near the entrance of the hole is particularly high. As a result, this part of the bone can grip the fixture with a very large force.
[0020]
System Agohora bottom elevation device on according to
[0021]
According to such a configuration, the bone near the hole wall for fixture insertion is compressed with the tip rod-shaped portion of the maxillary sinus floor raising device for finishing, and the hole for fixture insertion substantially matches the shape of the fixture. Can be made. As a result, the fixture can be embedded very easily even if the bone into which the fixture is embedded is relatively dense from the beginning.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0023]
FIG. 1 shows three maxillary sinus floor raising devices 1 in this embodiment in which the diameters of the distal end bar-like portions are different. These maxillary sinus floor raising devices 1 are used together as one system in this embodiment.
[0024]
In FIG. 1, the
[0025]
Each maxillary sinus floor raising device 1 is provided with a distal end bar-
[0026]
In the tapered
[0027]
3 to 8 are explanatory views for the handling of the maxillary sinus floor raising device 1. In the embodiment of FIGS. 3 to 8, an example in which a pilot hole of φ1.6 mm is formed and a
[0028]
FIG. 3 shows a state in which a pilot hole is formed. After peeling the alveolar mucosa, a pilot hole of φ1.6 mm is formed using the
[0029]
FIG. 4 shows a state where the maxillary sinus floor mucosa is raised. Insert the above-mentioned maxillary sinus floor elevation device (left side in FIG. 1) 1 having a diameter of 1.6 mm into the pilot hole, carefully strike it, and check the marking line attached to the tip rod-
[0030]
FIG. 5 shows a state in which the cavity (fixing hole) being formed is enlarged. The above-mentioned maxillary sinus floor raising device 1 (diameter in FIG. 1) 1 of φ2.1 mm is inserted into the cavity and beaten to advance in the horizontal direction.
[0031]
FIG. 6 shows a further enlarged state of the cavity. The above-mentioned maxillary sinus floor elevation device (the right side in FIG. 1) 1 having a diameter of 2.8 mm is inserted and beaten into the cavity and further expanded in the horizontal direction. When raised to a bone length of 14 mm, the cavity entrance is expanded to a diameter of 3.8 mm.
[0032]
FIG. 7A shows the state of filling the
[0033]
Figure 8 shows the state of Fiku scan char implanted. The
[0034]
As apparent from the above embodiment, since the tapered
[0035]
Furthermore, although the distal end side of the distal end rod-
[0036]
Incidentally, according to the on Agohora bottom elevation device 1 of the system, the upper jaw Horasokokyo on the instrument 1 that the diameter of the
[0037]
Incidentally, the upper Agohora bottom elevation device 1, it is preferable that the distance t from the
[0038]
7 (b) and 7 (c) show a finishing maxillary sinus
[0039]
【The invention's effect】
As described above, according to the maxillary Horasokokyo on the instrument of the present invention, the desired site of maxillary includes a distal rod portion for pushing up the maxillary sinus to one end side, at the other end of the distal rod portion A taper portion that expands toward the other end side, and a straight tip portion that extends from the tip surface of the tip rod portion to the taper portion is formed on one end side of the tip rod portion, and the taper portion Includes at least a first-stage tapered portion located on one end side, a second-stage tapered portion located on the other end side of the first-stage tapered portion, the first-stage tapered portion, and the two-stage tapered portion. A cylindrical portion located between the taper portion of the eye and the taper portion compresses the bone near the hole wall for fixture embedding, so that the bone density of the portion is large. Become. As a result, the force with which the bone grips the fixture increases.
[0040]
Furthermore, the tip side of the tip bar-like portion of the maxillary sinus floor raising device has a small diameter, but the hole bottom side is formed with a small diameter. For this reason, the adhesion force between the fixture and the bone is large on the bottom side of the hole, and this also increases the force with which the bone grips the fixture. In addition, when using the maxillary sinus floor raising device having a large diameter in stages, a cylinder with a hole corresponding to the cylindrical portion between the first-stage taper portion and the second-stage taper portion The next larger diameter can be inserted using the shaped portion as a guide. And since the bone of the hole wall corresponding to the taper part after the 2nd step is not cut, but is compressed by the taper part of the instrument, the density of the bone near the entrance of the hole is particularly high. As a result, this part of the bone can grip the fixture with a very large force. Therefore, it is possible to prevent the fixture from being detached.
[0042]
Next, according to the maxillary sinus floor elevation device according to
[0043]
Further, according to the Agohora bottom elevation device on the third aspect, by the distal end surface of the distal rod portion was 5~10mm a distance to the tapered portion, the diameter of the distal end surface of the distal rod portion By matching with the diameter of the pilot hole (pilot hole) drilled by the drill bar, the portion up to the tapered portion can be used as a pilot portion (guide), and the hole can be reliably expanded along the pilot hole.
Thereby, there is no mistake in the installation direction of the fixture.
[0044]
Then, according to the system of Agohora bottom elevation device on according to
And since the bone of the hole wall corresponding to the taper part after the 2nd step is not cut, but is compressed by the taper part of the instrument, the density of the bone near the entrance of the hole is particularly high.
As a result, this part of the bone can grip the fixture with a very large force.
[0045]
The system of Agohora bottom elevation device on the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows three maxillary sinus floor raising devices according to an embodiment of the present invention in which the diameter of a distal end bar-like portion is different.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a region A in FIG.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing a state in which a pilot hole is formed.
FIG. 4 is an explanatory view showing a state in which the maxillary sinus floor mucosa is raised.
FIG. 5 is an explanatory view showing a state in which the cavity being formed is enlarged.
FIG. 6 is an explanatory view showing a state in which the cavity being formed is enlarged.
7 (a) is an explanatory view showing the Hama of the incoming state of the bone substitute material is a side view of (b) (c) is the maxillary sinus Sokokyo on the instrument for finishing.
FIG. 8 is an explanatory diagram showing a state of fixture embedding.
FIG. 9 is an explanatory diagram showing the depth from the alveolar crest to the maxillary sinus floor of the maxilla.
FIG. 10 is an explanatory view showing a use state of a conventional maxillary sinus floor raising device.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Maxillary sinus
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