JP4170827B2 - Polycarbonate resin composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物に関し、詳しくはポリカーボネート樹脂とシロキサン化合物とからなる透明性及び流動性に優れたポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂、特にポリカーボネート樹脂は、優れた機械的強度や耐衝撃強度、耐熱性、電気的性質、透明性等を有することから、広範囲な用途に用いられている。しかし、一般に、溶融温度が高く、しかも、溶融時の粘度が高いため、成形性が悪いという欠点を有している。
【0003】
この為、ポリカーボネート樹脂の分子量を下げて流動性を改善できることが一般に知られているが、同時に、機械的特性、特に耐衝撃性が低下すると言う問題点がある。
【0004】
そこで、従来より、ポリカーボネート樹脂の流動性を改良するために、各種可塑剤や、各種樹脂などを、配合する試みがなされている。
【0005】
例えば、環状シロキサン化合物を配合する方法が特開昭55−18406号公報に、シロキシ−オキシアルキレンブロック共重合体を配合する方法が特開昭54−100453号公報に、ポリカーボネートにシリコーン鎖を共重合する方法が特開平3−79626号公報に、ポリジメチルシロキサン付加イソプロペニルフェノールをポリカーボネートの連鎖停止剤とする方法が特開平3−84028号公報に、両末端エポキシ基オルガノシロキサンとポリカーボネートを反応させる方法が特許第3090764号明細書に、各々記載されている等、種々の方法が提案されているが、いずれも効果が不十分であったり、透明性や、機械物性や、耐熱性等が犠牲になったり、また高価であったりと、それぞれ問題を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、透明性と流動性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その要旨は、(A)ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、(B)シロキサン化合物0.001〜20重量部を含有してなるポリカーボネート樹脂組成物において、成分(B)のシロキサン化合物が、その構造中のシリコン原子に、少なくとも(1)芳香族炭化水素基、(2)カルボン酸エステル結合及び/又はエーテル結合を少なくとも1個有する脂肪族もしくは芳香族の有機基、及び(3)リン原子含有基を結合してなるポリオルガノシロキサンであることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0008】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明に於けるポリカーボネート樹脂は、公知の方法により得ることが出来、例えば、ポリカーボネート樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社(1992))に詳述されており、界面重合法、ピリジン法、エステル交換法をはじめとする各種製造方法が挙げられている。
具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物と、一般にホスゲンとして知られている塩化カルボニル、又はジメチルカーボネートやジフェニルカーボネートに代表される炭酸ジエステル、又は一酸化炭素や二酸化炭素と言ったカルボニル系化合物とを、反応させることによって得られる、直鎖状又は、分岐していても良い熱可塑性芳香族ポリカーボネートの重合体又は共重合体である。
【0009】
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示される、ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独で或いは二種以上混合して使用してもよい。これらの中で、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好適に用いられている。
【0010】
又、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログリシン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等で例示されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどを用いればよい。
【0011】
界面重合法ポリカーボネートの場合、末端停止剤又は分子量調節剤を使用しても良い。末端停止剤又は分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基、又は、一価のカルボン酸誘導体構造を有する化合物が挙げられる。一価のフェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、フェノール、アルキルフェノール、ハロゲン化フェノール、アルコキシフェノール、アルコキシカルボニルフェノール等の置換フェノール類が挙げられ、具体的には、フェノール、メチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、アリルフェノール、クミルフェノール、ナフチルフェノール、ナフトール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、トリフルオロフェノール、メトキシフェノール、ブトキシフェノール、メトキシカルボニルフェノール、ブトキシカルボニルフェノール、ドデシロキシカルボニルフェノール、オクタデシロキシカルボニルフェノール、等が挙げられる。一価のカルボン酸誘導体構造を有する化合物としては、例えば、カルボン酸、カルボン酸クロライド、が挙げられ、具体的には、酢酸、アクリル酸、ギ酸、プロピオン酸、プロピオル酸、酪酸、イソ酪酸、メタクリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピルビン酸、アセト酢酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、ヘキサフルオロ酢酸、安息香酸、ナフトエ酸、メチル安息香酸、ブチル安息香酸、ビニル安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、ペンタブロモ安息香酸、メチルナフトエ酸、エチルナフトエ酸等のカルボン酸、及びこれらカルボン酸から誘導されるカルボン酸クロライドが、挙げられる。
【0012】
エステル交換法ポリカーボネートの場合、通常、原料のジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのモル比を調節したり、減圧度を調節したりする事によって、その末端のヒドロキシ末端構造の比率が調整できる。また、より積極的な方法として、反応時に別途、末端停止剤を添加する調整方法も周知である。この際の末端停止剤としては、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類が挙げられ、例えば、炭素数が9以上の一価フェノールや一価カルボン酸が好適に使用され、具体的には、p−プロピルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、クミルフェノール、tert−オクチルフェノール、フェニルフェノール、ナフチルフェノール、4−ヒドロキシ−p−クオーターフェニル、ブチル安息香酸、オクチル安息香酸、フェニル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、等が挙げられ、炭酸ジエステル類としては、例えば、上記炭素数9以上の一価フェノールから誘導される炭酸ジエステル類が好適に使用され、具体的には、フェニルブチルフェニルカーボネート、ジ(ブチルフェニル)カーボネート、フェニルクミルフェニルカーボネート、ジ(ノニルフェニル)カーボネート、メチルフェニルナフチルフェニルカーボネート等が挙げられる。本発明で使用されるポリカーボネート樹脂においては、一種類でも、又は二種類以上を混合して使用しても良い。
【0013】
ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度20℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、好ましくは10,000〜100,000であり、より好ましくは15,000〜50,000である。
【0014】
本発明で使用するシロキサン化合物は、その構造中のシリコン原子に、少なくとも(1)芳香族炭化水素基、(2)カルボン酸エステル結合及び/又はエーテル結合を少なくとも1個有する脂肪族もしくは芳香族の有機基、及び(3)リン原子含有基を結合してなるポリオルガノシロキサンである。
【0015】
ここで(1)の芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜50である芳香族炭化水素基であり、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルキルアリールアルキル基、アリールアルキルアリール基、アリールアルキルアリールアルキル基などが挙げられる。例えば、アリール構造としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香環由来の構造が挙げられ、アルキル構造としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカンを出発物質とする、直鎖状もしくは分岐鎖状の構造が挙げられる。該芳香族炭化水素基としては、これらアリール構造とアルキル構造との組合せで示されるものである。具体的には、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ジメチルフェニル基、メチルエチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ジブチルフェニル基、フェニルフェニル基、フェニルメチルフェニル基、フェネチルフェニル基、クミルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、アントラセニル基、メチルアントラセニル基、フェナンスレニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルイソプロピル基、メチルフェニルエチル基、ナフチルメチル基、メチルナフチルエチル基、クミルフェニルエチル基等が挙げられる。これら芳香族炭化水素基は、分子中に一種類だけでなく、二種類以上混在していても良い。これらの芳香族炭化水素基の中で、好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、ナフチルエチル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基などが挙げられ、更に好ましくは、フェニル基、フェニルエチル基、ナフチル基、ナフチルエチル基が挙げられる。
【0016】
さらに、(2)の有機基は、カルボン酸エステル結合及び/又はエーテル結合を分子中に1個以上有する基であり、カルボン酸エステル結合を有する基を1個以上、好ましくはカルボン酸エステルの基を繰り返し単位として有する基が挙げられ、またエーテル結合を有する基を1個以上、好ましくはエーテル結合の基を繰り返し単位として複数有する基が挙げられ、さらにはカルボン酸エステル結合とエーテル結合とを両方持つ基も好ましい。例えば、−R1−(O−R1)m−O(−CO−R1−O)n−R2で示される基、−R1−(O−R1)m−O(−CO−R1−CO−O−R1−O)n−R2で示される基、−R1−O−(R1−O−)n−R2で示される基(式中R1はそれぞれ独立に炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基もしくは炭素数6〜50の脂肪族炭化水素基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、mは0〜100の整数、nは1〜100の整数を表す。R2は、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基若しくは炭素数6〜40の芳香族炭化水素基を表す。)が挙げられる。特に好ましくは、−R1−(O−R1)m−O(−CO−R1−O)n−R2で示される基、−R1−O−(R1−O−)n−R2で示される基が挙げられる。
【0017】
該式中R1の炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜30であるアルキリデン基が挙げられる。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、プロピリデン基、ブチレン基、ブチリデン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基、エイコシレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロヘキシルメチレン基、シクロヘキシルエチレン基、シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられ、直鎖状でも、分岐状でも良い。これらの脂肪族炭化水素基は、単独で或いは二種類以上を含んでいても良い。これらのアルキリデン基の中で、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、プロピリデン基、ブチレン基、ブチリデン基などが挙げられる。
【0018】
また、炭素数6〜50の脂肪族炭化水素基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基として、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、及びこれらの基に前述の脂肪族炭化水素基が置換したものが挙げられ、更にアリールアルキリデン基としては、これらのフェニル基、ナフチル基等のアリール基が前記のアルキリデン基に置換したものが挙げられる。
該置換基としての脂肪族置換基としては、上記のような基が挙げられ、これらとアリーレン基として上記したものを組み合わせたものをさす。
【0019】
該式中R2としては、たとえば、水素原子の他、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基として前に例示したものが挙げられる。
さらに、該式中mとしては、0〜100の整数であるが、下限は、好ましくは1以上であり、さらに好ましくは2以上である。上限は50以下が好ましい。また、nとしては、1〜100の整数であるが、下限は、好ましくは1以上であり、さらに好ましくは2以上である。上限は50以下が好ましい。
【0020】
(3)のリン原子含有基としては、リン原子が、亜リン酸、亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステル、リン酸、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、等の構造で存在するものである。具体的には、下記構造式(I)で示される基が好ましい。
【0021】
【化3】
(式中、R3としては、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6から50のアリール基、アリールアルキル基、ポリエーテルの基、ポリオルガノシロキサンの基を示す。)
【0022】
該R3におけるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基としては、前に例示したような基があげられるが、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等が挙げられる。
また、ポリエーテルの基としては、ジオールや環状エーテルから誘導される基であれば、脂肪族、芳香族のいずれでもよいが、好ましくは、エチレングリコール、エチレンオキサイド、プロピレングリコール、プロピレンオキサイドから誘導される基が好ましく、繰り返し単位の数としては、1〜100、好ましくは2〜100であり、又、その末端はOH構造でもアルキルエーテル構造でも良い。ポリオルガノシロキサンの基としては、繰り返し単位が3〜1000であり、好ましい下限は6であり、上限は100であり、さらに好ましくは50である。ポリオルガノシロキサンの基としては、炭素数1〜30のアルキル基や、炭素数6〜50のアリール基やアリールアルキル基を有するポリオルガノシロキサンの基であるのが好ましい。
【0023】
本発明で使用するシロキサン化合物としては、シロキサン結合が直鎖状に連結した構造のものが好ましいが、一部に分岐構造を有していてもよい。そして本発明では、直鎖状のシロキサン化合物の側鎖に、上述したような、少なくとも1つずつの(1)芳香族炭化水素基、(2)カルボン酸エステル結合及び/又はエーテル結合を少なくとも1個有する脂肪族もしくは芳香族の有機基、及び(3)リン原子含有基を結合してなるものがより好ましく使用される。
【0024】
該直鎖状のポリオルガノシロキサンとしては、M−(W)n−Mで示される構造のものが挙げられる。
(Mは一官能性構造単位を示し、Wは二官能性構造単位を示し、nは3〜1,000の整数を示す。Wは、脂肪族系構造単位(A)、芳香族系構造単位(B)、カルボン酸エステル結合及び/又はエーテル結合を有する構造単位(C)、リン原子含有構造単位(D)からなり、該Wを1としたとき、該Wを構成する各構造単位の割合が、それぞれA=0〜0.6、B=0.1〜0.9、C=0.01〜0.4、D=0.01〜0.4である。)
【0025】
Mの具体例としては、たとえば、
【0026】
【化4】
(式中、Rはそれぞれ独立に脂肪族炭化水素基を表す)
で示される構造の基が挙げられる。さらに具体的には、該式中のRとして、炭素数1〜10のアルキル基などが好ましい。例えば、
【0027】
【化5】
【0028】
等の基が挙げられるが、これに限定されない。
さらに本発明で使用するオルガノシロキサンは、下記構造式(II)で示されるような構造のものが好ましい。
【0029】
【化6】
【0030】
(式中、Rは、脂肪族炭化水素基を表し、Xは水素原子、脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基であって、ただし、少なくとも一方が芳香族炭化水素基を表し、Yは水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはカルボン酸エステル結合及び/又はエーテル結合を少なくとも一個有する脂肪族もしくは芳香族の有機基であって、ただし、少なくとも一方が該有機基であり、Zは水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはリン原子含有基であって、ただし、少なくとも一方がリン原子含有基であり、さらに3≦a+b+c+d≦1000であり、かつaは0以上の整数、b、c及びdはそれぞれ正の整数を表す。)
【0031】
該構造式(II)において、前記M−(W)n−Mの式中で、Wの二官能性基に相当する部分としての、脂肪族系構造単位(A)、芳香族系構造単位(B)、カルボン酸エステル結合及び/又はエーテル結合を有する構造単位(C)、リン原子含有構造単位(D)は、それぞれ以下の通りであり、本発明で使用するポリオルガノシロキサンとしては、これらの構成単位AからDが、それぞれ以下のものから選ばれる化合物が好ましいものとして挙げられる。なお、以下の各構成単位の具体例においては、1単位のみの場合(すなわち、a,b,c,dがそれぞれ1の場合)を示した。
【0032】
【化7】
【0033】
構成単位Aの具体例
【0034】
【化8】
【0035】
構成単位Bの具体例
【0036】
【化9】
【0037】
構造単位Cの具体例
【0038】
【化10】
【0039】
構造単位Dの具体例
【0040】
【化11】
【0041】
また、各構成単位のa,b,c,dは、これら構成単位の、構成数を示すものであり、aは0を以上の整数、b、c及びdはそれぞれ正の整数を表す。好ましくはa+b+c+dの下限は3であり、上限は1000である。a+b+c+dが、3未満であると、揮散性等の問題があり、好ましくない。より好ましい下限は6である。また上限は、好ましくは100以下であり、より好ましくは50以下である。余り大きすぎると粘度が高くなり過ぎ、ハンドリング性が悪くなる。a,b,c,dを全二官能性構成単位(W)の数に対する割合で表現した値を各々A,B,C,Dと表現する。
Aの下限は、好ましくは0であり、上限は、好ましくは0.6である。Aが、0.6を超えると、透明性に影響を及ぼすので好ましくない。
【0042】
Bの下限は、好ましくは0.1であり、上限は、好ましくは0.9である。Bが0.1未満では、透明性に問題があるため好ましくなく、又、0.9を超える場合は、流動性改良効果に劣るため好ましくない。Bのより好ましい下限は、0.2である。又、より好ましい上限は、0.85である。
【0043】
Cの下限は、好ましくは0.01であり、上限が、好ましくは0.4である。Cが0.01未満であると透明性が劣るため好ましくなく、0.4を超えると耐熱性に劣るため、好ましくない。Cのより好ましい下限は、0.05である。又、より好ましい上限は、0.3である。
Dの下限は、好ましくは0.01であり、上限は、好ましくは0.4である。Dが0.01未満であると、流動性改良効果に劣り、0.4を超えると耐熱性に劣るため好ましくない。Dの好ましい下限は、0.05である。又、より好ましい上限は、0.3である。
なお、これらの構造単位の比率は、シロキサン化合物を、1H−NMRで分析した測定データから算出してモル含有率(mol/mol)で示したものである。
【0044】
本発明で使用するシロキサン化合物は、上述の特徴を有するものであり、これらは単独で使用しても、二種類以上混合して使用しても良い。
【0045】
また、該シロキサン化合物は、公知の方法により得ることが出来、例えば、シリコーンハンドブック(日刊工業新聞社(1990))に詳述されている。
具体的には、置換法や直接法により、オルガノクロロシランを合成し、更にアルコールなどを反応させて、オルガノアルコキシシラン等を得る。これらオルガノクロロシランやオルガノアルコキシシランを用いて縮合反応によりシロキサン化合物が得られる。この様にして得られるシロキサン化合物中のSi−H基に、目的のシロキサン化合物の置換基に対応する、アルケン、アルキン、アルコール、カルボン酸、リン酸等の各種官能基を含有する化合物を付加反応させることにより、得ることが出来る。このSi−H基の付加反応に際して、触媒として、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム等の金属或いはそれらの化合物や錯体等を用いて行っても良い。本発明で使用するシロキサン化合物は、例えば特開平6−128380号公報に記載のオルガノポリシロキサン−ポリラクトン共重合体の製造方法や、特開2001−247582号公報に記載のリン酸化ポリオルガノシロキサンの製造方法等を適用することができる。
また、このようなシロキサン化合物を市場より入手してもよい。
【0046】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に於けるポリカーボネート樹脂とシロキサン化合物の割合は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、シロキサン化合物0.001〜20重量部の範囲である。シロキサン化合物が0.001重量部未満では流動性改良効果が不十分であり、20重量部を超えると耐熱性が不十分となる。シロキサン化合物の割合の下限は、好ましくは0.05重量部以上であり、より好ましくは0.1重量部以上である。シロキサン化合物の割合の上限は、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは5重量部以下である。
【0047】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、流動性と透明性の両方に優れており、JIS K6714に基づき測定したヘーズ(試験片肉厚3mm)が10%以下である場合に、有用である。5%以下である場合には特に有用である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法としては、最終成形品を成形する直前までの任意の段階で、当業者に周知の種々の方法によって配合し、混練する方法が挙げられる。配合方法としては、例えば、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合する方法や、フィーダーにより定量的に押出機ホッパーに供給して混合する方法等が挙げられる。混練方法としては、一軸押出機、二軸押出機などを用いて混練する方法が挙げられる。
【0048】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には更にその目的に応じ、所望の特性を付与する為のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の他のポリマーや、難燃剤、耐衝撃改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、発泡剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、繊維状マグネシウム、チタン酸カリウムウィスカー、セラミックスウィスカー、マイカ、タルク等の補強剤、充填剤、染顔料等を、一種又は二種以上添加含有させてもよい。
【0049】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形等、慣用の成形方法に従って、所望の成形品とすることができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる成型品の用途としては、例えば、シート、フィルム、雑貨、家電部品、自動車部品、建築材料、中空容器などが挙げられる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
各実施例にて使用した原材料は下記の通りである。
(1)ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製品 商品名:ユーピロン S−2000(粘度平均分子量25,000)
(2)ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製品 商品名:ユーピロン H−3000(粘度平均分子量19,000)
(3)ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製品 商品名:ユーピロン E−2000(粘度平均分子量27,000)
(4)ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製品 商品名:ユーピロン H−4000(粘度平均分子量15,000)
(5)〜(19)シロキサン化合物A〜N,Q:日本ユニカー株式会社製(下記表1記載)
(20)シロキサン化合物O:ポリジメチルシロキサン:日本ユニカー株式会社製品 商品名:L−45
(21)シロキサン化合物P:メチルトリメトキシシラン:日本ユニカー株式会社製品 商品名:A−163
(22)PCL:ダイセル化学工業株式会社製 商品名:プラクセル H1P(ポリカプロラクトン;分子量10,000
なお、表中の構造単位の比率は、シロキサン化合物を、1H−NMRで分析した測定データから算出してモル含有率(mol/mol)で示し、粘度は50℃における測定値を示した。
【0051】
【表1】
【0052】
なお、表1中の置換基を示すA−1、B−1、B−2,C−1a、C−1b、C−2a、C−2b、C−2c、D−1、D−2、D−3は、それぞれ以下のような置換基を示す。
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】
〔実施例1〜17〕〔比較例1〜12〕
表2、表3に記載の比率で、ポリカーボネート樹脂と同表に記載のシロキサン化合物、またはPCLとを、ヘンシェルミキサー、又はタンブラーにて混合し、φ65mmの一軸ベント式押出機を用いて、バレル温度270℃で押出してペレットを得た。このペレットを熱風乾燥器中で120℃にて5時間以上乾燥した後、樹脂温度280℃、金型温度80℃にて、物性測定用試験片を射出成形し、評価を行った。結果を表2、表3に示す。
【0056】
【表2】
【表3】
【0057】
〔実施例18〕〔比較例13〕
表4に記載の比率で、ポリカーボネート樹脂に、同表に記載のシロキサン化合物Aを添加した場合(実施例18)と、添加しない場合(比較例13)の配合とし、ヘンシェルミキサー、又はタンブラーにて混合し、φ65mmの一軸ベント式押出機を用いて、バレル温度270℃で押出してペレットを得た。このペレットを熱風乾燥器中で120℃にて5時間以上乾燥した後、樹脂温度280℃、金型温度80℃にて、物性測定用試験片を射出成形し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
〔実施例19〜23〕
表5に記載の比率で、ポリカーボネートと樹脂と同表に記載のシロキサン化合物とを、ヘンシェルミキサー、又はタンブラーにて混合し、φ65mmの一軸ベント式押出機を用いて、バレル温度270℃で押出してペレットを得た。このペレットを熱風乾燥器中で120℃にて5時間以上乾燥した後、樹脂温度280℃、金型温度80℃にて、物性測定用試験片を射出成形し、評価を行った。結果を表5に示す。
【0060】
【表5】
【0061】
各実施例における評価方法は下記の通りである。
透明性(Haze):JIS K6714に基づき、厚さ3mmの試験片を用いて、ヘーズを測定した。
流動性(Q値)(cc/s):高化式フローテスターを用いて、荷重160kgf/cm2、直径1mm×長さ10mmのノズルからの280℃における、樹脂の流出量を測定した。
引張強度(MPa):ASTM D638に基づき、23℃にて測定した。
荷重撓み温度(DTUL):ASTM D−648に基づき、荷重1.82MPaにて測定した。
BF長(mm):厚さ2mmのバーフロー金型を用い、樹脂温度280℃、金型温度80℃、射出圧力1500kgf/cm2、成形サイクル45秒の条件で成形を行い、試料15点のバーフロー長の平均値にて評価した。この数値が大きい程流動性が良いことを表す。
耐衝撃性(Izod衝撃強度(J/m)):ASTM D256に基づき、厚さ3.2mmの試験片を用いて、ノッチ付きアイゾッド法にて測定した。
【0062】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、流動性がポリカーボネート樹脂に比べ非常に優れており、ヘーズの値が小さく透明性に優れており、しかも耐熱性や耐衝撃性も良好であり、透明性を要し、且つ流動性、耐熱性及び耐衝撃性が必要な各種用途に有用である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polycarbonate resin composition, and more particularly, to a polycarbonate resin composition excellent in transparency and fluidity comprising a polycarbonate resin and a siloxane compound.
[0002]
[Prior art]
Thermoplastic resins, particularly polycarbonate resins, are used in a wide range of applications because they have excellent mechanical strength, impact strength, heat resistance, electrical properties, transparency, and the like. However, in general, since the melting temperature is high and the viscosity at the time of melting is high, the moldability is poor.
[0003]
For this reason, it is generally known that the flowability can be improved by lowering the molecular weight of the polycarbonate resin, but at the same time, there is a problem that the mechanical properties, particularly the impact resistance is lowered.
[0004]
Therefore, conventionally, attempts have been made to blend various plasticizers and various resins in order to improve the fluidity of the polycarbonate resin.
[0005]
For example, a method of blending a cyclic siloxane compound is disclosed in JP-A-55-18406, a method of blending a siloxy-oxyalkylene block copolymer is disclosed in JP-A-54-100453, and a silicone chain is copolymerized with polycarbonate. JP-A-3-79626 discloses a method using polydimethylsiloxane-added isopropenylphenol as a polycarbonate chain terminator. JP-A-3-84028 discloses a method of reacting an epoxy group organosiloxane with a polycarbonate at both ends. Various methods such as those described in Japanese Patent No. 3090764 have been proposed, but all of them are insufficient in effect, or sacrifices transparency, mechanical properties, heat resistance, etc. And expensive, each has a problem.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The objective of this invention is providing the polycarbonate resin composition excellent in transparency and fluidity | liquidity.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been made in order to solve the above-mentioned problems, and the gist thereof includes (B) siloxane compound 0.001 to 20 parts by weight with respect to (A) 100 parts by weight of the polycarbonate resin. In the polycarbonate resin composition, the siloxane compound of component (B) has at least one (1) aromatic hydrocarbon group, (2) carboxylic acid ester bond and / or ether bond on the silicon atom in the structure. The present invention relates to a polycarbonate resin composition, which is a polyorganosiloxane formed by bonding an aliphatic or aromatic organic group and (3) a phosphorus atom-containing group.
[0008]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The polycarbonate resin in the present invention can be obtained by a known method, for example, detailed in a polycarbonate resin handbook (Nikkan Kogyo Shimbun Co., Ltd. (1992)), and includes interfacial polymerization, pyridine, and transesterification. Various manufacturing methods including the above are mentioned.
Specifically, an aromatic dihydroxy compound or a small amount thereof and a polyhydroxy compound, carbonyl chloride generally known as phosgene, or a carbonic acid diester represented by dimethyl carbonate or diphenyl carbonate, or carbon monoxide or carbon dioxide It is a polymer or copolymer of a linear or branched thermoplastic aromatic polycarbonate obtained by reacting with the carbonyl compound.
[0009]
As aromatic dihydroxy compounds, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (= bisphenol A), 2,2-bis (3,5-dibromo-4-hydroxyphenyl) propane (= tetrabromobisphenol A) Bis (4-hydroxyphenyl) methane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) ethane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) butane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) octane, 2 , 2-bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) propane, 1,1-bis (3-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxy-3,5-dimethyl) Phenyl) propane, 2,2-bis (3-bromo-4-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3,5-dichloro) -4-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3-phenyl-4-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3-cyclohexyl-4-hydroxyphenyl) propane, 1,1-bis (4- Hydroxyphenyl) -1-phenylethane, bis (4-hydroxyphenyl) diphenylmethane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -1,1,1-trichloropropane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) Bis (1) exemplified by -1,1,1,3,3,3-hexachloropropane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -1,1,1,3,3,3-hexafluoropropane, etc. Hydroxyaryl) alkanes; 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclopentane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) silane Bis (hydroxyaryl) cycloalkanes exemplified by rhohexane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) -3,3,5-trimethylcyclohexane and the like; 9,9-bis (4-hydroxyphenyl) fluorene, Cardo structure-containing bisphenols exemplified by 9,9-bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) fluorene; 4,4′-dihydroxydiphenyl ether, 4,4′-dihydroxy-3,3′-dimethyldiphenyl ether, etc. Dihydroxy diaryl ethers, such as 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfide, 4,4′-dihydroxy-3,3′-dimethyldiphenyl sulfide, etc .; 4,4′-dihydroxydiphenyl Sulfoxide, 4,4'-dihydroxy Dihydroxydiaryl sulfoxides exemplified by -3,3'-dimethyldiphenyl sulfoxide and the like; dihydroxydiaryls exemplified by 4,4'-dihydroxydiphenylsulfone, 4,4'-dihydroxy-3,3'-dimethyldiphenylsulfone and the like Sulfones; hydroquinone, resorcin, 4,4′-dihydroxydiphenyl and the like. These aromatic dihydroxy compounds may be used alone or in admixture of two or more. Among these, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane is particularly preferably used.
[0010]
In order to obtain a branched aromatic polycarbonate resin, phloroglysin, 2,6-dimethyl-2,4,6-tris (4-hydroxyphenyl) -3-heptene, 4,6-dimethyl-2,4, 6-tris (4-hydroxyphenyl) -2-heptene, 1,3,5-tris (2-hydroxyphenyl) benzol, 1,1,1-tris (4-hydroxyphenyl) ethane, 2,6-bis ( Polyhydroxy compounds exemplified by 2-hydroxy-5-methylbenzyl) -4-methylphenol, α, α ′, α ″ -tris (4-hydroxyphenyl) -1,3,5-triisopropylbenzene, and the like, or 3,3-bis (4-hydroxyaryl) oxindole (= isatin bisphenol), 5-chlorisatin bisphenol, 5,7-dichloro Satin bisphenol, 5-bromoisatin bisphenol, or the like may be used.
[0011]
In the case of an interfacial polymerization polycarbonate, a terminal terminator or a molecular weight modifier may be used. Examples of the terminal terminator or molecular weight regulator include a monovalent phenolic hydroxyl group or a compound having a monovalent carboxylic acid derivative structure. Examples of the compound having a monovalent phenolic hydroxyl group include substituted phenols such as phenol, alkylphenol, halogenated phenol, alkoxyphenol, and alkoxycarbonylphenol. Specifically, phenol, methylphenol, pn -Butylphenol, p-tert-butylphenol, p-tert-octylphenol, allylphenol, cumylphenol, naphthylphenol, naphthol, bromophenol, tribromophenol, trifluorophenol, methoxyphenol, butoxyphenol, methoxycarbonylphenol, butoxycarbonyl Phenol, dodecyloxycarbonylphenol, octadecyloxycarbonylphenol, and the like. Examples of the compound having a monovalent carboxylic acid derivative structure include carboxylic acid and carboxylic acid chloride, and specifically include acetic acid, acrylic acid, formic acid, propionic acid, propiolic acid, butyric acid, isobutyric acid, methacrylic acid. Acid, palmitic acid, stearic acid, pyruvic acid, acetoacetic acid, glycolic acid, lactic acid, glyceric acid, hexafluoroacetic acid, benzoic acid, naphthoic acid, methylbenzoic acid, butylbenzoic acid, vinylbenzoic acid, pentafluorobenzoic acid, pentabromo Examples thereof include carboxylic acids such as benzoic acid, methyl naphthoic acid and ethyl naphthoic acid, and carboxylic acid chlorides derived from these carboxylic acids.
[0012]
In the case of a transesterification polycarbonate, the ratio of the terminal hydroxy terminal structure can be adjusted usually by adjusting the molar ratio of the starting dihydroxy compound and the carbonic acid diester or by adjusting the degree of vacuum. Further, as a more aggressive method, an adjustment method in which a terminal terminator is added separately during the reaction is also well known. Examples of the terminal terminator used here include monohydric phenols, monocarboxylic acids, and carbonic acid diesters. For example, monohydric phenols and monohydric carboxylic acids having 9 or more carbon atoms are preferably used. P-propylphenol, o-sec-butylphenol, p-tert-butylphenol, cumylphenol, tert-octylphenol, phenylphenol, naphthylphenol, 4-hydroxy-p-quarterphenyl, butylbenzoic acid, octylbenzoic acid , Phenylbenzoic acid, naphthalenecarboxylic acid, and the like. Examples of carbonic acid diesters include carbonic acid diesters derived from monohydric phenols having 9 or more carbon atoms. Butylphenyl carbonate, di (butylphenyl) carbo Over DOO, phenyl cumyl phenyl carbonate, di (nonylphenyl) carbonate, and the like methylphenyl naphthyl phenyl carbonate. In the polycarbonate resin used in the present invention, one kind may be used, or two or more kinds may be mixed and used.
[0013]
The molecular weight of the polycarbonate resin is a viscosity average molecular weight converted from the solution viscosity measured at a temperature of 20 ° C. using methylene chloride as a solvent, preferably 10,000 to 100,000, more preferably 15,000 to 50. , 000.
[0014]
The siloxane compound used in the present invention is an aliphatic or aromatic group having at least one (1) aromatic hydrocarbon group, (2) at least one carboxylate ester bond and / or ether bond on the silicon atom in the structure. It is a polyorganosiloxane formed by bonding an organic group and (3) a phosphorus atom-containing group.
[0015]
Here, the aromatic hydrocarbon group (1) is an aromatic hydrocarbon group having 6 to 50 carbon atoms, such as an aryl group, an alkylaryl group, an arylalkyl group, an alkylarylalkyl group, an arylalkylaryl group, An arylalkyl arylalkyl group etc. are mentioned. For example, examples of the aryl structure include structures derived from aromatic rings such as a benzene ring, a naphthalene ring, an anthracene ring, and a phenanthrene ring. Examples of the alkyl structure include methane, ethane, propane, butane, pentane, hexane, heptane, and octane. And a linear or branched structure starting from an alkane. The aromatic hydrocarbon group is represented by a combination of these aryl structures and alkyl structures. Specifically, phenyl group, methylphenyl group, ethylphenyl group, propylphenyl group, butylphenyl group, octylphenyl group, dimethylphenyl group, methylethylphenyl group, diethylphenyl group, dibutylphenyl group, phenylphenyl group, phenyl Methylphenyl group, phenethylphenyl group, cumylphenyl group, naphthyl group, methylnaphthyl group, ethylnaphthyl group, anthracenyl group, methylanthracenyl group, phenanthrenyl group, phenylmethyl group, phenylethyl group, phenylpropyl group, phenylisopropyl group, Examples thereof include a methylphenylethyl group, a naphthylmethyl group, a methylnaphthylethyl group, and a cumylphenylethyl group. These aromatic hydrocarbon groups may be mixed not only in one type but also in two or more types in the molecule. Among these aromatic hydrocarbon groups, a phenyl group, a methylphenyl group, a naphthyl group, a naphthylethyl group, a phenylethyl group, a methylphenylethyl group, and the like are preferable, and a phenyl group, a phenylethyl group are more preferable. Group, naphthyl group, and naphthylethyl group.
[0016]
Furthermore, the organic group of (2) is a group having at least one carboxylate ester bond and / or ether bond in the molecule, and at least one group having a carboxylate ester bond, preferably a group of carboxylate ester And a group having at least one group having an ether bond, preferably a group having a plurality of ether bond groups as a repeating unit, and further having both a carboxylic acid ester bond and an ether bond. Also preferred are groups possessed. For example, -R 1 -(O-R 1 ) m -O (-CO-R 1 -O) n -R 2 A group represented by -R 1 -(O-R 1 ) m -O (-CO-R 1 -CO-O-R 1 -O) n -R 2 A group represented by -R 1 -O- (R 1 -O-) n -R 2 A group represented by the formula: 1 Each independently represents an aromatic hydrocarbon group optionally having an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms or an aliphatic hydrocarbon group having 6 to 50 carbon atoms as a substituent, and m is 0 to 100. , N represents an integer of 1 to 100. R 2 Represents a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms, or an aromatic hydrocarbon group having 6 to 40 carbon atoms. ). Particularly preferably, -R 1 -(O-R 1 ) m -O (-CO-R 1 -O) n -R 2 A group represented by -R 1 -O- (R 1 -O-) n -R 2 The group shown by these is mentioned.
[0017]
R in the formula 1 Examples of the aliphatic hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms include alkylidene groups having 1 to 30 carbon atoms. For example, methylene group, ethylene group, propylene group, propylidene group, butylene group, butylidene group, pentylene group, hexylene group, octylene group, decylene group, dodecylene group, octadecylene group, eicosylene group, cyclopentylene group, cyclohexylene group, Examples include a cycloheptylene group, a cyclohexylmethylene group, a cyclohexylethylene group, a cyclohexanedimethylene group, and the like, and may be linear or branched. These aliphatic hydrocarbon groups may be used alone or in combination of two or more. Among these alkylidene groups, a methylene group, an ethylene group, a propylene group, a propylidene group, a butylene group, a butylidene group, and the like are preferable.
[0018]
Moreover, as an aromatic hydrocarbon group which may have an aliphatic hydrocarbon group having 6 to 50 carbon atoms as a substituent, an arylene group includes a phenylene group, a naphthylene group, and the above-described aliphatic group. Examples of the arylalkylidene group include those in which an aryl group such as a phenyl group or a naphthyl group is substituted with the alkylidene group.
Examples of the aliphatic substituent as the substituent include the above-described groups, and these are combinations of those described above with respect to the arylene group.
[0019]
R in the formula 2 Examples thereof include those exemplified above as an alkyl group, an aryl group, and an arylalkyl group in addition to a hydrogen atom.
Further, m in the formula is an integer of 0 to 100, but the lower limit is preferably 1 or more, and more preferably 2 or more. The upper limit is preferably 50 or less. Further, n is an integer of 1 to 100, but the lower limit is preferably 1 or more, and more preferably 2 or more. The upper limit is preferably 50 or less.
[0020]
As the phosphorus atom-containing group of (3), a phosphorus atom exists in a structure such as phosphorous acid, phosphorous acid monoester, phosphorous acid diester, phosphoric acid, phosphoric acid monoester, phosphoric acid diester, etc. is there. Specifically, a group represented by the following structural formula (I) is preferable.
[0021]
[Chemical 3]
(Wherein R Three Are each independently a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, an aryl group having 6 to 50 carbon atoms, an arylalkyl group, a polyether group, or a polyorganosiloxane group. )
[0022]
R Three Examples of the alkyl group, aryl group, and arylalkyl group in the group include those exemplified above, and preferred examples include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, and a phenyl group.
The polyether group may be aliphatic or aromatic as long as it is a group derived from a diol or cyclic ether, but is preferably derived from ethylene glycol, ethylene oxide, propylene glycol, or propylene oxide. The number of repeating units is 1 to 100, preferably 2 to 100, and the terminal may be an OH structure or an alkyl ether structure. As a group of polyorganosiloxane, a repeating unit is 3-1000, a preferable minimum is 6, an upper limit is 100, More preferably, it is 50. The polyorganosiloxane group is preferably a polyorganosiloxane group having an alkyl group having 1 to 30 carbon atoms, an aryl group having 6 to 50 carbon atoms, or an arylalkyl group.
[0023]
The siloxane compound used in the present invention preferably has a structure in which siloxane bonds are linked in a straight chain, but may partially have a branched structure. In the present invention, at least one (1) aromatic hydrocarbon group, (2) carboxylic acid ester bond and / or ether bond as described above is added to the side chain of the linear siloxane compound as described above. Those obtained by bonding an aliphatic or aromatic organic group and (3) a phosphorus atom-containing group are more preferably used.
[0024]
As the linear polyorganosiloxane, M- (W) n The thing of the structure shown by -M is mentioned.
(M represents a monofunctional structural unit, W represents a bifunctional structural unit, and n represents an integer of 3 to 1,000. W represents an aliphatic structural unit (A), an aromatic structural unit. (B), comprising a structural unit (C) having a carboxylic acid ester bond and / or an ether bond, and a phosphorus atom-containing structural unit (D), and when W is 1, the proportion of each structural unit constituting the W Are A = 0 to 0.6, B = 0.1 to 0.9, C = 0.01 to 0.4, and D = 0.01 to 0.4, respectively.)
[0025]
As a specific example of M, for example,
[0026]
[Formula 4]
(In the formula, each R independently represents an aliphatic hydrocarbon group)
The group of the structure shown by these is mentioned. More specifically, R in the formula is preferably an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms. For example,
[0027]
[Chemical formula 5]
[0028]
And the like, but is not limited thereto.
Furthermore, the organosiloxane used in the present invention preferably has a structure represented by the following structural formula (II).
[0029]
[Chemical 6]
[0030]
(In the formula, R represents an aliphatic hydrocarbon group, X represents a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group, or an aromatic hydrocarbon group, provided that at least one represents an aromatic hydrocarbon group; Is a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group, an aromatic hydrocarbon group, or an aliphatic or aromatic organic group having at least one carboxylic acid ester bond and / or ether bond, at least one of which is the organic group Z is a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group, an aromatic hydrocarbon group, or a phosphorus atom-containing group, provided that at least one is a phosphorus atom-containing group, and further 3 ≦ a + b + c + d ≦ 1000, A represents an integer of 0 or more, and b, c, and d each represents a positive integer.)
[0031]
In the structural formula (II), the M- (W) n A structure having an aliphatic structural unit (A), an aromatic structural unit (B), a carboxylic acid ester bond and / or an ether bond as a moiety corresponding to the bifunctional group of W in the formula -M The unit (C) and the phosphorus atom-containing structural unit (D) are as follows, and as the polyorganosiloxane used in the present invention, these structural units A to D are each selected from the following compounds: Is preferable. In the following specific examples of each structural unit, the case of only one unit (that is, the case where a, b, c, and d are each 1) is shown.
[0032]
[Chemical 7]
[0033]
Specific example of structural unit A
[0034]
[Chemical 8]
[0035]
Specific example of structural unit B
[0036]
[Chemical 9]
[0037]
Specific example of structural unit C
[0038]
Embedded image
[0039]
Specific examples of structural unit D
[0040]
Embedded image
[0041]
Further, a, b, c, and d in each structural unit indicate the number of the structural units, a is an integer of 0 or more, and b, c, and d are positive integers. Preferably, the lower limit of a + b + c + d is 3, and the upper limit is 1000. When a + b + c + d is less than 3, there are problems such as volatility, which is not preferable. A more preferred lower limit is 6. Moreover, an upper limit becomes like this. Preferably it is 100 or less, More preferably, it is 50 or less. If it is too large, the viscosity will be too high and the handling will be poor. Values in which a, b, c, and d are expressed as a percentage of the total number of bifunctional structural units (W) are expressed as A, B, C, and D, respectively.
The lower limit of A is preferably 0, and the upper limit is preferably 0.6. If A exceeds 0.6, the transparency will be adversely affected.
[0042]
The lower limit of B is preferably 0.1, and the upper limit is preferably 0.9. If B is less than 0.1, there is a problem in transparency, which is not preferable. If it exceeds 0.9, the effect of improving fluidity is inferior. A more preferable lower limit of B is 0.2. A more preferred upper limit is 0.85.
[0043]
The lower limit of C is preferably 0.01, and the upper limit is preferably 0.4. When C is less than 0.01, the transparency is inferior, which is not preferable, and when C is more than 0.4, the heat resistance is inferior. A more preferable lower limit of C is 0.05. A more preferred upper limit is 0.3.
The lower limit of D is preferably 0.01, and the upper limit is preferably 0.4. If D is less than 0.01, the fluidity improving effect is inferior, and if it exceeds 0.4, the heat resistance is inferior, which is not preferable. A preferable lower limit of D is 0.05. A more preferred upper limit is 0.3.
In addition, the ratio of these structural units is siloxane compounds, 1 It is calculated from the measurement data analyzed by H-NMR and expressed as a molar content (mol / mol).
[0044]
The siloxane compound used in the present invention has the above-described characteristics, and these may be used alone or in combination of two or more.
[0045]
The siloxane compound can be obtained by a known method, and is described in detail, for example, in the Silicone Handbook (Nikkan Kogyo Shimbun (1990)).
Specifically, organochlorosilane is synthesized by a substitution method or a direct method, and further reacted with alcohol or the like to obtain organoalkoxysilane or the like. A siloxane compound is obtained by a condensation reaction using these organochlorosilanes or organoalkoxysilanes. Addition reaction of a compound containing various functional groups such as alkene, alkyne, alcohol, carboxylic acid, phosphoric acid, etc., corresponding to the substituent of the target siloxane compound is carried out on the Si-H group in the siloxane compound thus obtained. Can be obtained. In the addition reaction of the Si—H group, a metal such as platinum, palladium, nickel, rhodium or a compound or complex thereof may be used as a catalyst. Examples of the siloxane compound used in the present invention include a method for producing an organopolysiloxane-polylactone copolymer described in JP-A-6-128380, and a method for producing a phosphorylated polyorganosiloxane described in JP-A-2001-247582. Methods etc. can be applied.
Such a siloxane compound may be obtained from the market.
[0046]
The ratio of the polycarbonate resin and the siloxane compound in the thermoplastic resin composition of the present invention is in the range of 0.001 to 20 parts by weight of the siloxane compound with respect to 100 parts by weight of the polycarbonate resin. If the siloxane compound is less than 0.001 part by weight, the fluidity improving effect is insufficient, and if it exceeds 20 parts by weight, the heat resistance becomes insufficient. The lower limit of the ratio of the siloxane compound is preferably 0.05 parts by weight or more, more preferably 0.1 parts by weight or more. The upper limit of the ratio of the siloxane compound is preferably 10 parts by weight or less, more preferably 5 parts by weight or less.
[0047]
The polycarbonate resin composition of the present invention is excellent in both fluidity and transparency, and is useful when the haze (test piece thickness 3 mm) measured based on JIS K6714 is 10% or less. It is particularly useful when it is 5% or less.
Examples of the method for producing the thermoplastic resin composition of the present invention include a method of blending and kneading by various methods well known to those skilled in the art at an arbitrary stage until immediately before molding the final molded product. Examples of the blending method include a method of mixing with a tumbler, a Henschel mixer, etc., and a method of quantitatively feeding to an extruder hopper with a feeder and mixing. Examples of the kneading method include a kneading method using a single screw extruder, a twin screw extruder or the like.
[0048]
According to the purpose of the thermoplastic resin composition of the present invention, other polymers such as polyester resins, polystyrene resins, polyolefin resins for imparting desired properties, flame retardants, impact resistance improvers, Antioxidant, heat stabilizer, ultraviolet absorber, antistatic agent, plasticizer, mold release agent, lubricant, compatibilizer, foaming agent, glass fiber, glass beads, glass flake, carbon fiber, fibrous magnesium, titanic acid One or more reinforcing agents such as potassium whiskers, ceramic whiskers, mica and talc, fillers, dyes and pigments may be added and contained.
[0049]
The thermoplastic resin composition of the present invention can be formed into a desired molded article according to a conventional molding method such as injection molding or blow molding. As a use of the molded article which consists of the thermoplastic resin composition of this invention, a sheet | seat, a film, miscellaneous goods, household appliance parts, a motor vehicle part, a building material, a hollow container etc. are mentioned, for example.
[0050]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention still in detail, this invention is not limited to a following example, unless the summary is exceeded.
The raw materials used in each example are as follows.
(1) Polycarbonate resin: Mitsubishi Engineering Plastics Co., Ltd. Product name: Iupilon S-2000 (viscosity average molecular weight 25,000)
(2) Polycarbonate resin: Mitsubishi Engineering Plastics Co., Ltd. Product name: Iupilon H-3000 (viscosity average molecular weight 19,000)
(3) Polycarbonate resin: Mitsubishi Engineering Plastics Co., Ltd. Product name: Iupilon E-2000 (viscosity average molecular weight 27,000)
(4) Polycarbonate resin: Mitsubishi Engineering Plastics Co., Ltd. Product name: Iupilon H-4000 (viscosity average molecular weight 15,000)
(5) to (19) Siloxane compounds A to N, Q: manufactured by Nippon Unicar Co., Ltd. (described in Table 1 below)
(20) Siloxane compound O: Polydimethylsiloxane: Nippon Unicar Co., Ltd. Product name: L-45
(21) Siloxane compound P: Methyltrimethoxysilane: Nippon Unicar Co., Ltd. Product name: A-163
(22) PCL: Daicel Chemical Industries, Ltd. Product name: Plaxel H1P (polycaprolactone; molecular weight 10,000)
In addition, the ratio of the structural unit in a table | surface calculated from the measurement data which analyzed the siloxane compound by 1H-NMR, and showed it by the molar content rate (mol / mol), and the viscosity showed the measured value in 50 degreeC.
[0051]
[Table 1]
[0052]
In addition, A-1, B-1, B-2, C-1a, C-1b, C-2a, C-2b, C-2c, D-1, D-2 which show the substituent in Table 1 are shown. D-3 shows the following substituents, respectively.
[0053]
Embedded image
[0054]
Embedded image
[0055]
[Examples 1 to 17] [Comparative Examples 1 to 12]
Mixing the polycarbonate resin and the siloxane compound described in the same table or PCL in the ratios shown in Table 2 and Table 3 with a Henschel mixer or tumbler, using a uniaxial vent type extruder of φ65 mm, the barrel temperature Pellets were obtained by extrusion at 270 ° C. The pellets were dried in a hot air dryer at 120 ° C. for 5 hours or more, and then a physical property measurement test piece was injection molded at a resin temperature of 280 ° C. and a mold temperature of 80 ° C. for evaluation. The results are shown in Tables 2 and 3.
[0056]
[Table 2]
[Table 3]
[0057]
[Example 18] [Comparative Example 13]
In the ratio shown in Table 4, when the siloxane compound A shown in the same table was added to the polycarbonate resin (Example 18) and not added (Comparative Example 13), it was formulated with a Henschel mixer or tumbler. The mixture was mixed and extruded at a barrel temperature of 270 ° C. using a uniaxial vent type extruder of φ65 mm to obtain pellets. The pellets were dried in a hot air dryer at 120 ° C. for 5 hours or more, and then a physical property measurement test piece was injection molded at a resin temperature of 280 ° C. and a mold temperature of 80 ° C. for evaluation. The results are shown in Table 4.
[0058]
[Table 4]
[0059]
[Examples 19 to 23]
Polycarbonate, resin, and siloxane compound described in the same table are mixed at a ratio shown in Table 5 by a Henschel mixer or a tumbler, and extruded at a barrel temperature of 270 ° C. using a uniaxial vent type extruder of φ65 mm. Pellets were obtained. The pellets were dried in a hot air dryer at 120 ° C. for 5 hours or more, and then a physical property measurement test piece was injection molded at a resin temperature of 280 ° C. and a mold temperature of 80 ° C. for evaluation. The results are shown in Table 5.
[0060]
[Table 5]
[0061]
The evaluation method in each example is as follows.
Transparency (Haze): Based on JIS K6714, haze was measured using a test piece having a thickness of 3 mm.
Fluidity (Q value) (cc / s): Using a Koka flow tester, a load of 160 kgf / cm 2 The outflow amount of the resin at 280 ° C. from a nozzle having a diameter of 1 mm and a length of 10 mm was measured.
Tensile strength (MPa): measured at 23 ° C. based on ASTM D638.
Load deflection temperature (DTUL): Measured at a load of 1.82 MPa based on ASTM D-648.
BF length (mm): 2mm thick bar flow mold, resin temperature 280 ° C, mold temperature 80 ° C, injection pressure 1500kgf / cm 2 Molding was performed under the condition of a molding cycle of 45 seconds, and evaluation was made based on the average value of the bar flow length of 15 samples. The larger this value, the better the fluidity.
Impact resistance (Izod impact strength (J / m)): Measured by a notched Izod method using a 3.2 mm thick test piece based on ASTM D256.
[0062]
【The invention's effect】
The thermoplastic resin composition of the present invention has excellent fluidity compared to polycarbonate resin, has a small haze value and excellent transparency, and also has good heat resistance and impact resistance, and transparency. It is useful for various applications that require fluidity, heat resistance and impact resistance.
Claims (9)
(Mは一官能性構造単位を示し、Wは二官能性構造単位を示し、nは3〜1000の整数を示す。Wは、脂肪族系構造単位(A)、芳香族系構造単位(B)、カルボン酸エステル結合及び/又はエーテル結合を有する構造単位(C)、リン原子含有構造単位(D)からなり、該W中の構造単位の割合が、全Wを1として、それぞれA=0〜0.6、B=0.1〜0.9、C=0.01〜0.4、D=0.01〜0.4である。)The polycarbonate resin composition according to any one of claims 1 to 5, wherein the siloxane compound has a structure represented by M- (W) n -M.
(M represents a monofunctional structural unit, W represents a bifunctional structural unit, and n represents an integer of 3 to 1000. W represents an aliphatic structural unit (A), an aromatic structural unit (B ), A structural unit (C) having a carboxylic acid ester bond and / or an ether bond, and a phosphorus atom-containing structural unit (D). -0.6, B = 0.1-0.9, C = 0.01-0.4, D = 0.01-0.4.)
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