JP4170277B2 - 感光性樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents
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一方、ポリイミド樹脂自身に感光性を付与する技術が最近注目を集めてきており、例えば感光性ポリイミド樹脂として、下記式(12)等がある。
さらには、近年特に半導体の高速化が進み、配線に銅が使用されるようになってきたため、銅との密着性がよい感光性樹脂の開発が望まれていた。
[2]エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、前記有機ケイ素化合物(C)が1〜20重量部である[1]記載の感光性樹脂組成物。
[3]環状オレフィン系樹脂がポリノルボルネン系樹脂である[1]又は[2]記載の感
光性樹脂組成物。
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R10は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよい。]
[5]エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(7)で示される繰り返し単
位を含むものである[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
=CH−のいずれかであり、lは0〜5までの整数である。R1〜R4はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、エポキシ基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R4は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR1〜R4のうち、少なくとも一つはエポキシ基を有する。]
上記のうち、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合させて得られる付加(共)重合体が好ましいが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
配位重合に用いる金属触媒として代表的なニッケルと白金触媒は、PCT WO 9733198とPCT WO 00/20472に述べられている。配位重合用金属触媒の例としては、(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(メシレン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(ベンゼン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(テトラヒドロ)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(エチルアセテート)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(ジオキサン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケルなどの公知の金属触媒が挙げられる。
一般的にはラジカル重合はラジカル開始剤の存在下、温度を50℃〜150℃に上げ、モノマーを溶液中で反応させる。ラジカル開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、アゾビスイソカプトロニトリル、アゾビスイソレロニトリル、t−ブチル過酸化水素などである。
アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基等が、アルケニル基の具体例としては、ビニル、アリル、ブチニル、シクロヘキシル基等が、アルキニル基の具体例としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル基等が、アリール基の具体例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル基等が、アラルキル基の具体例としてはベンジル、フェネチル基等がそれぞれ挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。
エステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基ついては、これらの基を有している官能基であれば特に構造は限定されない。エポキシ基を含有する官能基の好ましい具体例としては、グリシジルエーテル基を有する官能基が挙げられるが、エポキシ基を有する官能基であれば特に構造は限定されない。
ハロゲンを含有している光酸発生剤の例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)トリアジン、2−アリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、α,β,α−トリブロモメチルフェニルスルフォン、α、α―2,3,5,6−ヘキサクロロキシレン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロキシレン、1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタンとそれらの混合物である。
スルフォネート系の光酸発生剤としては、2−ニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、2,4−ジニトロベンジルトシレート、2−ニトロベンジルメチルスフォネート、2−ニトロベンジルアセテート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルフォネート、1,2,3−トリス(メタンスルフォニルロキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(エタンスルフォニルロキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(プロパンスルフォニルロキシ)ベンゼンなどであるがこれに限定されない。
好ましくは、光酸発生剤としては4,4’−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムトリフレート、4,4’,4"−トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルフォニウムジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートとそれらの混合物である。
本発明における光酸発生剤の配合割合としては、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して0.1から100重量部であり、より好ましくは0.1から10重量部である。
一般式(8)、(9)、(10)、(11)の有機ケイ素化合物は、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルファン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ヘキサスルファン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)オクタスルファン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドエチルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルメチルジメトキシシラン、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルメチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルエチル)イソシアネート、1,3,5−トリス(3−メチルジエトシキシリルプロピル)イソシアネート等であり、これらに限定されない。
次に未照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。現像液としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンやシクロヘキサンなどのアルカンやシクロアルカンなどの炭化水素、トルエン、メシチレン、キシレン、メシチレン等の芳香族溶媒である。またリモネン、ジペンテン、ピネン、メクリンなどのテルペン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノンなどのケトン類を用いることができ、それらに界面活性剤を適当量添加した有機溶剤を好適に使用することができる。
現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、アルコールを使用する。次に50〜200℃で加熱処理を行い、現像液やリンス液を除去し、さらにエポキシ基の硬化が完了し耐熱性に富む最終パターンを得る。
次にパターン形成されたシリコンウエハーをダイシングにより小片化し、得られた半導体チップとリードフレームを加熱接着により接着固定し、金線ワイヤーで電気的に結合させる。その後、エポキシ系封止樹脂を用いて半導体チップを封止し半導体装置を作製する。封止方法としてはトランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールドなどの方式で可能である。環状オレフィン系ポリマー環状オレフィン系炭
《実施例1》
デシルノルボルンネン/グリシジルメチルエーテルノルボルネン=70/30コポリマーの共重合体(A−1)の例を挙げる。
すべてのガラス機器は60℃で0.1トル下で18時間乾燥する。その後ガラス機器はグローボックスに移され、グローボックスに備え付けられる。エチルアセテート(917g)、シクロヘキサン(917g)、デシルノルボルネン(192g、0.82mol)とグリシジルメチルエーテルノルボルネン(62g、0.35mol)が反応フラスコに加えられた。反応フラスコはグローボックスから取り出し、乾燥窒素ガスを導入した。反応中間体は30分間溶液中に窒素ガスを通して脱気した。グローボックス中でニッケル触媒すなわちビストルエンビスパーフルオロフェニルニッケル9.36g(19.5mmol)がトルエン15mlに溶解して、25mlのシリンジに入れ、グローボックスから取り出し、反応フラスコに加えられた。20℃にて5時間攪拌して反応を終了した。次に過酢酸溶液(975mmol)を加え18時間攪拌した。攪拌を止めると水層と溶媒層に分離した。水層を分離した後、1lの蒸留水を加え、20分間攪拌した。水層が分離するので取り除いた。1lの蒸留水で3回洗浄を行った。その後ポリマーをメタノールに投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥した。乾燥後243g(収率96%)の環状オレフィン系樹脂ポリマーを回収した。得られた環状オレフィン系樹脂の分子量はGPCによりMw=115,366 Mn=47,000、単分散性=2.43であった。環状オレフィン系樹脂の組成はH−NMRからデシルノルボルネンが70モル%エポキシノルボルネンが30モル%であった。
特性評価
作製したこの感光性樹脂組成物をシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で5分乾燥し、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜にi線ステッパー露光機NSR−4425i(ニコン(株)製)によりレチクルを通して300mJ/cm2で露光を行った。その後ホットプレートにて100℃で4分、露光部の架橋反応を促進させるため加熱した。
次にリモネンに30秒浸漬することによって未露光部を溶解除去した後、イソプロピルアルコールで20秒間リンスした。その結果、パターンが成形形成されていることが確認できた。この時の残膜率(現像後の膜厚/現像前の膜厚)は99.6%と非常に高い値を示した。また形成後のパターンにおいて、微細パターン剥がれは全く観察されず、現像時の密着性が優れていることが確認できた。その後160℃、60分で硬化し、架橋反応を完結させた。この硬化膜の吸水率は0.2%であった。
この感光性樹脂組成物を硬化後5μmになるように銅メッキ処理された6インチシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、次にクリーンオーブンを用いて酸素濃度1000ppm以下で、160℃/60分で加熱硬化を行った。得られた塗膜のパターン開口を行っていない未露光部分の塗膜を1mm角に100個の碁盤目にカットした。これにセロテープ(登録商標)貼り付け、引き剥がそうとしたが、剥がれた塗膜の数は0であり、硬化膜の金属への密着性も優れていることが確認できた。
[物性評価2]
物性評価1での基板を6インチのベアシリコンウエハーに置き換えて、同様の密着性を評価した。その結果、塗膜の剥がれ数は0であることが確認できた。
実施例1における環状オレフィン系樹脂(A−1)をデシルノルボルンネン/フェネチルノルボルネン/グリシジルメチルエーテルノルボルネン=70/15/15コポリマーの共重合体(A−2)に替えて評価を行った。物性評価の結果は、表1に示した。
実施例1における有機ケイ素化合物(C−1)を有機ケイ素化合物(C−2)にして評価を行った。物性評価の結果は、表1に示した。
実施例1における有機ケイ素化合物(C−1)を有機ケイ素化合物(C−3)にして評価を行った。物性評価の結果は、表1に示した。
実施例1における有機ケイ素化合物(C−1)を有機ケイ素化合物(C−4)にして評価を行った。物性評価の結果は、表1に示した。
実施例1における有機ケイ素化合物(C−1)を10重量部にして評価を行った。
物性評価の結果は、表1に示した。
実施例1における有機ケイ素化合物(C−1)を3重量部にして評価を行った。
物性評価の結果は、表1に示した。
実施例2〜7においても、実施例1と同様に半導体装置を作製し、実際のプリント配線板に実装され、半導体装置としての動作に支障のないことが確認された。
実施例1で合成した環状オレフィン系樹脂(A−1)228gをデカヒドロナフタレン342gに溶解した後、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(B−1)(0.2757g、2.71×10-4mol)1−クロロ−4−プロポロキシ−9H−チオキサントン(0.826g、2.71×10-4mol)、フェノチアジン(0.054g、2.71×10-4mol)、3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(0.1378g、2.60×10-4mol)を加えて溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し感光性樹脂組成物を得た。
実施例1と同様にして評価を行ったところ、現像時間30秒で露光量400mJ/cm2、8μmのパターンまで開口していることが確認できた。物性評価1、2は、実施例1と同様に評価して、剥がれ塗膜の数はそれぞれ80個と80個であり、密着性が劣ることが確認された。また、半導体装置の動作確認も実施例1と同様にして行ったが、正常に作動しなかった。
実施例1における有機ケイ素化合物(C−1)を有機チタン化合物(D−1)にして評価を行った。物性評価の結果は、表2に示した。
実施例1と同様にして評価を行ったところ、現像時間30秒で露光量400mJ/cm2、8μmのパターンまで開口していることが確認できた。物性評価1、2は、実施例1と同様に評価して、剥がれ塗膜の数はそれぞれ80個と80個であり、密着性が劣ることが確認された。また、半導体装置の動作確認も実施例1と同様にして行ったが、正常に作動しなかった。
Claims (6)
- エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)、光酸発生剤(B)および有機ケイ素化合物(C)を含む感光性樹脂組成物であって、前記エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(2)および式(3)で示される繰り返し単位を含むものであり、前記有機ケイ素化合物(C)が、一般式(8)、(9)、(10)、(11)で示されるものであることを特徴とする感光性樹脂組成物。
[式(2)(3)中、R 1 〜R 7 はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R 1 〜R 7 は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよい。]
- エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、前記有機ケイ素化合物(C)が1〜20重量部である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 環状オレフィン系樹脂がポリノルボルネン系樹脂である請求項1又は2記載の感光性樹
脂組成物。 - エポキシ基を有する環状オレフィン系樹脂(A)が式(7)で示される繰り返し単位を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
=CH−のいずれかであり、lは0〜5までの整数である。R1〜R4はそれぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、エポキシ基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R1〜R4は単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR1〜R4のうち、少なくとも一つはエポキシ基を有する。] - 請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて製作された半導体装置。
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