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JP4168088B2 - クリップ - Google Patents

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Description

本発明は、衣服のポケットなどの薄い被挾着物だけでなく、それよりも厚みのあるノートやボードなどにも挟み込んで保持可能なレバー式(バインダー式)のクリップに関する。
詳しくは、クリップ本体を軸筒又はキャップなどの筒体に対して揺動自在に装着し、その挟持部をバネ力で筒体の表面へ向け弾性的に押圧するクリップに関する。
従来、この種のクリップとして、クリップ本体(クリップ部)と、その長手方向へ突出する延長部とが連続して打ち抜かれ、この延長部をクリップ本体の裏面に沿って折り返すと共に略V字形に折り曲げ加工して、その先端部を軸筒又はキャップなどの筒体側に装着することにより、バネ部がクリップ本体に一体形成され、このバネ部の弾性変形でクリップ本体を揺動させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−82533号公報(第7頁、図7)
しかし乍ら、このような従来のクリップでは、バネ部がクリップ本体から長手方向へ延長して一体形成されるため、その延長部の分だけ材料か余計に必要となって打抜き面積が拡大し、その分だけ一枚の原料板から打ち抜き可能なクリップ本体の個数が減少して製造コストのアップになるという問題があった。
本発明のうち第一の発明は、クリップ本体の全体面積を広げることなくバネ部を確保することを目的としたものである。
第二の発明は、第一の発明の目的に加えて、支持部の軽量化を図りながら分解を防止することを目的としたものである。
第三の発明は、第一の発明の目的に加えて、支持部の形状を簡素化して強度アップを図ることを目的としたものである。
第四の発明は、第一の発明の目的に加えて、クリップ本体内に押し込み嵌合箇所を完全に隠すことを目的としたものである。
前述した目的を達成するために、本発明のうち第一の発明は、クリップ本体の一部を切り欠き、この切り欠き部を折り曲げてバネ部を一体形成したことを特徴とするものである。
ここで言う「クリップ本体の一部を切り欠き」とは、原料板をプレス加工により所定の外形状に打ち抜くことでクリップ本体が形成される場合には、この打ち抜かれたクリップ本体の内側部分を切り欠くことである。
第二の発明は、第一の発明の構成に、前記クリップ本体の取付片と、筒体の表面に一対突設された支持部とを回転自在に軸着すると共に、両支持部の間にクリップ本体のバネ部を挟み込むように配置した構成を加えたことを特徴とする。
第三の発明は、第一の発明の構成に、前記体の表面に支持部を設け、この支持部とクリップ本体の長手方向へ接触しないようにバネ部を配置した構成を加えたことを特徴とする。
第四の発明は、第一の発明の構成に、前記筒体の表面に突設された支持部と、それに対向して前記クリップ本体に形成される取付凹部の内面に、互いに嵌め合う係合凸部と係合凹部を夫々対向位置に設け、この筒体の支持部に対するクリップ本体の押し込みに伴い、これらのどちらか一方又は両方が弾性変形して該クリップ本体の取付凹部内で上記係合凸部と係合凹部が回転自在に嵌合するような配置とした構成を加えたことを特徴とする。
本発明のうち第一の発明は、クリップ本体の一部を切り欠き、この切り欠き部を折り曲げてバネ部を一体形成することにより、クリップ本体の一部分である切り欠き部がバネ部として利用される。
従って、クリップ本体の全体面積を広げることなくバネ部を確保することができる。
その結果、バネ部がクリップ本体から長手方向へ延長して一体形成される従来のものに比べ、クリップ本体全体の打抜き面積を減少でき、一枚の原料板当りの打抜き個数を増大できるから製造コストの低減化が図れる。
第二の発明は、第一の発明の効果に加えて、クリップ本体の取付片と、筒体の表面に一対突設された支持部とを回転自在に軸着すると共に、両支持部の間にクリップ本体のバネ部を挟み込むように配置することにより、各支持部の肉厚寸法を薄く成形しても、これらの間にバネ部が挟み込まれるため、両支持部が相互に接近する方向へ変形して軸着が外れない。
従って、支持部の軽量化を図りながら分解を防止することができる。
第三の発明は、第一の発明の効果に加えて、筒体の表面に支持部を設け、この支持部とクリップ本体の長手方向へ接触しないようにバネ部を配置することにより、支持部がバネ部と干渉しない。
従って、支持部の形状を簡素化して強度アップを図ることができる。
その結果、支持部の金型成形が容易になってその分だけ製造コストを低減化できると共に、支持部が破損し難くなって長期に亘り使用できる。
第四の発明は、第一の発明の効果に加えて、筒体の表面に突設された支持部と、それに対向してクリップ本体に形成される取付凹部の内面に、互いに嵌め合う係合凸部と係合凹部を夫々対向位置に設け、この筒体の支持部に対するクリップ本体の押し込みに伴い、これらのどちらか一方又は両方が弾性変形して該クリップ本体の取付凹部内で上記係合凸部と係合凹部が回転自在に嵌合するような配置とすることにより、係合凸部と係合凹部の嵌合部分が、取付凹部を囲む壁面で覆われて露出しない。
従って、クリップ本体内に押し込み嵌合箇所を完全に隠すことができる。
その結果、クリップ本体の表面に孔状係止部及び凸状保持部が露出するものに比べ、外観に優れると共に、デザインの自由度が増大して、高級な商品へ採用できる。
本発明のクリップAは、図1〜図14に示す如く、金属などで平板状に形成された原料板(図示せず)をプレス加工で所定形状に打ち抜いて折り曲げることにより、クリップ本体1が所定の立体形状に形成され、その後工程で各クリップ本体1を、軸筒又はキャップなどの筒体Bに対して揺動自在に装着することにより製作される。
そして、本発明のクリップAの特徴としては、上記原料板(図示せず)からクリップ本体1の外形状を打抜く際に、このクリップ本体1の一部として、その外形状の内側部分を部分的に切り欠き、この切り欠き部2を所定形状に折り曲げ加工して、その先端部2aを上記筒体B側に接地させるか又は接近させることで、バネ部3を一体形成している。
それにより、このバネ部3のバネ力で、クリップ本体1の一端側に形成される挟持部1aを筒体Bの表面へ向け弾性的に押圧させ、この挟持部1aと逆の他端側に形成される操作部1bの操作によって、該挟持部1aが筒体Bの表面から離れるようにしている。
その具体例としては、クリップ本体1の略中央内側部分をその長手方向へ直線状に切り欠き、この直線状の切り欠き部2を略U字形又は略V字形に折り曲げて折り曲げ部2bを形成すると共に、その先端部2aを筒体Bの表面に直接接地させるか、或いは該先端部2aを筒体Bの表面に向け接近して間接的に接地させることにより、該切り欠き部2の全体又は一部をバネ部3として機能させることが好ましい。
更に、上記クリップ本体1と筒体Bを装着する手段は、クリップ本体1の長手方向中間位置に形成された取付片4と、筒体Bの表面に一体形成されるか又は一体的に固着される支持部B1とを、該クリップ本体1の長手方向へ回転自在に軸着する軸着構造だけでなく、後述する圧入構造や挟持構造などにより、該クリップ本体1の全体又は一部を除く略全体が、筒体Bの表面に対して揺動自在に支持される。
その具体例としては、クリップ本体1の長手方向と直交する左右幅方向両端部を同方向へ略平行に折り曲げ加工することにより、一対の取付片4が取付凹部を挟むように形成され、また上記筒体Bの表面には、各取付片4と対向して支持部B1を一体形成するか又は一体的に突設し、これら左右の取付片4と支持部B1に、互いに嵌め合う係合孔又は係合凹部と係合凸部を夫々対向位置に設け、これらの回転可能な嵌合により、筒体Bの支持部B1に対してクリップ本体1の取付片4を揺動自在に軸着することが好ましい。
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例1は、図1〜図2に示す如く、前記筒体Bの表面に左右一対の支持部B1,B1を左右幅方向へ適宜間隔が空くように分離して一体に突設し、この支持部B1,B1の外側に対向するように前記クリップ本体1の取付片4を配置し、これら支持部B1,B1の外側面と取付片4の内側面を夫々部分的に凹凸嵌合させて回転自在に軸着すると共に、上記支持部B1,B1の間隙Sに、前記切り欠き部2の折り曲げ部2b及びバネ部3を挟み込むように配置したものである。
図示例の場合には、上記筒体Bが筆記具の軸筒であり、上述したクリップ本体1の装着手段として、上記支持部B1の外側面に一対突設された円柱状の係合凸部B2と、クリップ本体1の取付片4に開穿された円形の係合孔4aとを回転自在に嵌合している。
更に、上記装着手段の他の例として、図3に示す如く、各支持部B1に突設された円柱状の係合凸部B2と、取付片4に凹設された円形の係合凹部4bとを回転自在に嵌合することも可能ある。
この際、この係合凸部B2の先端面を、支持部B1に対する取付片4の嵌挿方向へ向けて、その断面形状が徐々に幅広となるように傾斜させ、この案内傾斜面B3に沿って取付片4を嵌挿することにより、左右外側へ拡開させて係合凹部4b又は図2に示す係合孔4aが該係合凸部B2とスムーズに嵌合するようにしても良い。
それ以外の例として、図4に示す如く、各支持部B1に凹設された円形の係合凹部B4と、取付片4に突設された円柱状の係合凸部4cとを回転自在に嵌合することも可能ある。
また、クリップ本体1のバネ部3は、図1〜4に示す如く、その弾性変形中心位置を、前記クリップ本体1の揺動中心位置である上記取付片4と支持部B1との軸着部、即ち係合孔4a又は係合凹部4b若しくは係合凸部4cと係合凸部B2又は係合凹部B4の嵌合位置と略一致させることにより、クリップ本体Aの揺動に伴ってバネ部1をしなやかに弾性変形させることが好ましい。
それにより、クリップ本体1を抵抗感なくスムーズに開閉動できるという利点がある。
図示例の場合には図1(a)〜(c)に示す如く、クリップ本体1の幅方向中央位置を長手方向へ延びる帯状に切り欠き、この切り欠き部2を筒体Bの前方(図面では左方向)へ向け略U字形に折り曲げて、その折り曲げ端2cを筒体Bの後方(図面では右方向)へ向けると共に、この折り曲げ端2cから先端部2aに至る部分を山型状に折り曲げることでバネ部3としている。
このバネ部3の変形例として、折り曲げ端2cから先端部2aに至る部分を山型状に折り曲げず、全体的に略U字形又は略V字形に折り曲げただけでも良い。
次に、斯かるクリップAの作動について説明する。
先ず、図1(a)に示すクリップ本体1の後端側の操作部1bが押されていない状態では、バネ部3のバネ力によりクリップ本体1の前端側の挟持部1aが筒体Bの表面へ向け弾性的に押圧されて接触している。
この状態から図1(b)に示す如く、クリップ本体1の操作部1bを筒体B側へ押圧操作すると、バネ部3が弾性変形して、取付片4と支持部B1との軸着部である係合孔4aと係合凸部B2を中心としてクリップ本体1全体が揺動し、その挟持部1aが筒体Bの表面から離れて、衣服のポケットなどの薄い被挾着物だけでなく、それよりも厚みのあるノートやボードなどにも挟み込んで保持可能となる。
この実施例2は、図5に示す如く、前記筒体Bの表面に支持部B1を左右幅方向へ分離することなく一体に突設し、この支持部B1と前記クリップ本体1の長手方向へ接触しないように前記切り欠き部2の折り曲げ部2b及びバネ部3を配置した構成が、前記図1〜2又は図3〜4に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は実施例1と同じものである。
詳しくは、前記切り欠き部2を、取付片4と支持部B1との軸着部である係合孔4aと係合凸部B2よりも後方でしかも支持部B1と干渉しないように折り曲げて折り曲げ部2bが形成されている。
図示例では、前記クリップ本体1と筒体Bとの装着状態で、そのクリップ本体1の上記支持部B1よりも前方部分を切り欠き、この切り欠き部2の後端部分から筒体Bの表面へ向け略U字形又は略V字形に折り曲げて、この折り曲げ部2bと支持部B1との間に隙間を形成して全く接触しないように配置している。
その他の例として、図12(a),図13及び図14に示す如く、前記クリップ本体1の後方部分を切り欠き、この切り欠き部2の前端部分から折り曲げて筒体Bの表面に接地させることも可能である。
また図示せぬが、上記支持部B1の後側面の一部に凹部を形成して、この凹部内に切り欠き部2の折り曲げ部2bが部分的に入り込むように配置することも可能である。
従って、図5に示す実施例2は、上述した実施例1と同様な作用効果が得られ、更に加えて、筒体Bの支持部B1が一体もので、実施例1のように左右幅方向へ分割して一対配置する必要がないため、支持部B1の形状が簡素化され、それにより支持部B1の金型成形が容易になると共に、該支持部B1が強度的に優れて破損し難いという利点がある。
この実施例3は、図6に示す如く、前記切り欠き部2の先端部2aを、前記筒体Bの支持部B1の突出端面B5に接地させて係止することにより、該切り欠き部2の全体又は一部がバネ部3として機能するように一体形成した構成が、前記図1〜2又は図3〜4に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は実施例1と同じものである。
図示例の場合には、切り欠き部2の折り曲げ部2bを図面の手前から見て半円弧以上の角度まで折り曲げ、その折り曲げ端2cから先端部2aへ至る部分を平面状に折り曲げて、筒体Bの突出端面B5と嵌合させることにより、移動不能に位置決めしている。
それ以外の例として、切り欠き部2の先端部2aを他の形状にして筒体Bの先端面B5に接地させ係止することも可能である。
従って、図6に示す実施例3は、上述した実施例1と同様な作用効果が得られ、更に加えて、筒体Bの支持部B1が一体もので良く、実施例1のように左右幅方向へ分割して一対配置する必要がないため、支持部B1の金型成形が容易でしかも強度的に優れて破損し難いという利点がある。
更に図示例の場合には、バネ部3の曲げ径が実施例1に比べて大きくなるため、弾性変形に伴うヘタリを軽減でき、それにより復元力が増して耐久性が向上するという利点もある。
この実施例4は、図7に示す如く、前記切り欠き部2の先端部2aを、前記筒体Bの支持部B1に開設された孔B6に挿入して接地させることにより、該切り欠き部2の全体又は一部がバネ部3として機能するように一体形成した構成が、前記図1〜2又は図3〜4に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は実施例1と同じものである。
従って、図6に示す実施例3は、上述した実施例1と同様な作用効果が得られ、更に加えて、筒体Bの支持部B1が一体もので良く、実施例1のように左右幅方向へ分割して一対配置する必要がないため、強度的に優れて破損し難いという利点がある。
この実施例5は、図8に示す如く、前記切り欠き部2の先端部2aを二股状に分岐させ、この分岐部分2dを、前記筒体Bの支持部B1に凹設された一対の凹溝B7と嵌挿して接地させ係止することにより、該切り欠き部2の全体又は一部がバネ部3として機能するように一体形成した構成が、前記図1〜2又は図3〜4に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は実施例1と同じものである。
従って、図8に示す実施例5は、上述した実施例1と同様な作用効果が得られ、更に加えて、筒体Bの支持部B1が一体もので良く、実施例1のように左右幅方向へ分割して一対配置する必要がないため、強度的に優れて破損し難いというという利点がある。
この実施例6は、図9に示す如く、前記切り欠き部2の根本部分から筒体Bの後方へ略V字形に折り曲げ、そこから折り曲げ部2bが後方向へ向け突出するように略U字形又は略V字形に折り曲げると共に、その先端部2aを筒体Bの前方へ向けて筒体Bの表面に直接接地させるか又は、筒体Bの表面に向け接近して間接的に接地させることにより、該切り欠き部2の全体又は一部がバネ部3として機能するように一体形成した構成が、前記図1〜2又は図3〜4に示した実施例1や実施例2〜5とは異なり、それ以外の構成は実施例1や実施例2〜5と同じものである。
従って、図9に示す実施例6も上述した実施例1〜5と同様な作用効果が得られ、更に加えて、図示せる如く切り欠き部2の先端部2aを、前記クリップ本体1の取付片4と筒体Bの支持部B1との軸着部である係合孔4aと係合凸部B2よりも後方に配置すれば、クリップ本体1の後端側の操作部1bの押圧操作によりバネ部3を弾性変形させても先端部2aが筒体Bの長手方向(軸方向)へ位置ズレせず、クリップ本体1を抵抗感なくスムーズに開閉動させることができるという利点がある。
この実施例7は、図10に示す如く、前記クリップ本体1の装着手段が、上述したクリップ本体1の取付片4と筒体Bの支持部B1の軸着構造に代えて、前記切り欠き部2の先端部2aを、筒体Bに開設される係止孔B8に嵌挿することにより、筒体Bの軸方向へ移動不能に圧着される圧入構造を採用した構成が、前記図1〜2又は図3〜4に示した実施例1や実施例2〜6とは異なり、それ以外の構成は実施例1や実施例2〜6と同じものである。
図示例では、前記切り欠き部2の先端部2aを筒体Bの後方へ向け突出させ、前方へ向けて開口する係止孔B8に圧入させている。
その他の例として図示せぬが、これと逆に切り欠き部2の先端部2aを筒体Bの前方へ向け突出させ、後方へ向けて開口する筒体Bの係止孔B8に圧入させることも可能である。
また必要に応じて、切り欠き部2の先端部2aに例えば鋸歯状の抜け止め爪を形成することも可能である。
更に、図示例では、前記切り欠き部2の根本部分から筒体Bの後方へ折り曲げ、そこから略U字形又は略V字形に折り曲がった折り曲げ部2bを連続形成している。
その他の例として、切り欠き部2の根本部分から筒体Bの前方へ折り曲げ、そこから略U字形又は略V字形に折り曲がった折り曲げ部2bを連続形成するなど、その折り曲げ形状を図示例以外に変更することも可能である。
従って、図10に示す実施例7も上述した実施例1〜6と同様な作用効果が得られる。
この実施例8は、図11に示す如く、前記クリップ本体1の装着手段が、上述したクリップ本体1の取付片4と筒体Bの支持部B1の軸着構造に代えて、前記切り欠き部2の先端部2aを環状(輪)に形成し、この環状部2eが尾栓などの止め具Cの挿着で筒体Bに対して筒体Bの軸方向へ移動不能に挟み込まれる挟持構造を採用した構成が、前記図1〜2又は図3〜4に示した実施例1や実施例2〜6とは異なり、それ以外の構成は実施例1や実施例2〜6と同じものである。
図示例では、前記切り欠き部2の根本部分から筒体Bの後方へ折り曲げ、そこから略U字形又は略V字形に折り曲がった折り曲げ部2bを連続形成している。
その他の例として、切り欠き部2の根本部分から筒体Bの前方へ折り曲げ、そこから略U字形又は略V字形に折り曲がった折り曲げ部2bを連続形成するなど、その折り曲げ形状を図示例以外に変更することも可能である。
従って、図11に示す実施例8も上述した実施例1〜6と同様な作用効果が得られる。
この実施例9は、図12(a)(b)に示す如く、前記筒体Bの表面に突設された支持部B1の両側面と、それに対向して前記クリップ本体1に形成される取付凹部4sの内面に、互いに嵌め合う係合凸部B2と係合凹部4bを夫々対向位置に設け、この筒体Bの支持部B1に対するクリップ本体1の押し込みに伴い、これらのどちらか一方又は両方が弾性変形して該クリップ本体1の取付凹部4s内で上記係合凸部B2と係合凹部4bが回転自在に嵌合するような配置とした構成が、前記図1〜2又は図3〜4に示した実施例1や実施例2〜6とは異なり、それ以外の構成は実施例1や実施例2〜6と同じものである。
詳しくは、前記クリップ本体1の原料板をプレス機などにより打ち抜く段階で、一対の取付片4と、夫々端縁に連続する一対の折り返し部4dとを形成し、これら取付片4を断面コの字形に夫々折り曲げ加工することにより、両取付片4の間に取付凹部4sが区画形成され、これに続いて各取付片4の端縁から各折り返し部4dを該取付凹部4sへ向け夫々折り返すことにより、各折り返し部4dが前記筒体Bの支持部B1と夫々対向するように配置される。
この取付凹部4sを挟んで対向する各折り返し部4dには、上記係合凸部B2及び係合凹部4bのどちらか一方を、支持部B1の両側面と対向して設け、またこれら係合凸部B2及び係合凹部4bの他方を該支持部B1の両側面の対向位置に設けている。
そして、この筒体Bの支持部B1にクリップ本体1の取付凹部4sを被せるように押し込むワンタッチ操作により、筒体Bの支持部B1か又はクリップ本体1の取付片4のどちらか一方又は両方が弾性変形し、この支持部B1の両側面及び該取付凹部4sと対向する各折り返し部4dに夫々形成した係合凸部B2と係合凹部4bが嵌合して、該筒体Bにクリップ本体1が取り付けられる。
図示例では、筒体Bの支持部B1の両側面に係合凸部B2を夫々突設し、これらと対向するクリップ本体1の取付凹部4sに係合凹部4bを夫々凹設し、上述した押し込みワンタッチ操作により、クリップ本体1の両取付片4が夫々外方へ弾性的に押し広げられて更なる押し込みが可能となり、それらの係合凹部4bが、支持部B1の係合凸部B2に夫々密接するように嵌合して、筒体Bの支持部B1に対しクリップ本体1の取付凹部4sが揺動自在に装着されている。
更に、上記取付片4の端縁に連続する折り返し部4dとして、略台形の折り曲げ片4eが複数形成され、これら折り曲げ片4eを該取付片4の側面形状が略半円形となるように折り返すことで、各折り曲げ片4eの端縁に半円状の係合凹部4bが形成されるようにしている。
上記折り返し部4dの他の例として、図13に示す如く、略半円形状の折り曲げ片4fを連続形成して、この折り曲げ片4fを該取付片4の側面形状が略半円形となるように折り返すことで、該折り曲げ片4fの端縁に半円状の係合凹部4bが配置されるようにすることも可能である。
それ以外の例として図示せぬが、略円形や楕円形などの折り曲げ片4fを連続形成して、この折り曲げ片4fを折り返すことで、該折り曲げ片4fの中央に開穿された円形の係合凹部4bが配置されるようにすることも可能である。
また、前記クリップ本体1のバネ部3として、クリップ本体1の幅方向中央位置を長手方向へ延びる帯状に切り欠き、この切り欠き部2の根本部分を筒体Bの後方へ向けて略V字形に折り曲げると共に、その先端部2aを筒体Bの表面に直接接地させるか又は、筒体Bの表面に向け接近して間接的に接地させることにより、該切り欠き部2の全体又は一部がバネ部3として機能するように一体形成している。
上記バネ部3の他の例として、前記図1に示した実施例1や図5に示した実施例2や図9に示した実施例6のように折り曲げることも可能である。
従って、図12(a)(b)又は図13に示す実施例9も上述した実施例1〜6と同様な作用効果が得られ、更に加えて、前記クリップ本体1と筒体Bとの装着状態で、上記係合凸部B2と係合凹部4bの嵌合部分が、取付凹部4sを囲む壁面で覆われて露出しないため、クリップ本体1内に押し込み嵌合箇所を完全に隠すことができる共に、各取付片4の折り返し部4dを取付凹部4sへ向け夫々折り曲げ加工して係合凹部4bが形成される場合には、各取付片4全体の強度が向上して変形し難くなるため、取り付け状態でクリップ本体1が筒体Bの係合凸部B2に対して振れ難くなるとと共にガタ付きをも防止できるという利点がある。
この実施例10は、図14に示す如く、前記筒体Bの表面に貫通孔B9を開設すると共に、該筒体1の内部に支持軸B10を突設し、この貫通孔B9に対し、前記クリップ本体1の両取付片4に一体形成された突出片4gを挿入すると共に、その先端に開設された係止孔4hと上記支持軸B10とを係合させることにより、筒体Bの表面に対してクリップ本体1を揺動自在に装着した構成が、前記図1〜2又は図3〜4に示した実施例1や実施例2〜6とは異なり、それ以外の構成は実施例1や実施例2〜6と同じものである。
詳しくは、前記筒体1の貫通孔B9は、前記クリップ本体1の両突出片4gよりも若干大きく一対開穿され、これら貫通孔B9に対するクリップ本体1の両突出片4gの挿入方向の延長線上には、このクリップ押し込み方向と交差させて支持軸B10を突設している。
この支持軸B10は、上記クリップ本体1の両突出片4gを挟むように一対、夫々離して配置すると共に、これら支持軸B10の対向面を、上記クリップ押し込み方向へ向け徐々に接近するように夫々傾斜させることが好ましい。
そして、クリップ本体1の両突出片4gを、筒体1の貫通孔B9に押し込むと、これら突出片4gの先端縁4iが、支持軸B10の傾斜した対向面に当接し、それらに沿って摺接することにより、両突出片4gが夫々互いに接近する方向へ弾性変形して、その先端の係止孔4hが到達した時に、両突出片4gが弾性復元力で拡開して各支持軸B10と係合し、夫々回転自在に軸着される。
また、その他の例として、上記支持軸B10の対向面の傾斜に代えるか、又はそれに加え、クリップ本体1から両突出片4gに至る部分のどこかを折り曲げ加工するなどして、上記筒体1の貫通孔B9へ押し込むと、該筒体B内では両突出片4gが弾性復元力で拡開して、その先端の係止孔4hを各支持軸B10と夫々係合させることも可能である。
従って、図14に示す実施例10も上述した実施例1〜6と同様な作用効果が得られ、更に加えて、筒体Bの貫通孔B9にクリップ本体1の突出片4gを押し込むことにより、その先端の係止孔4hが筒体B内の支持軸B10と係合して軸着されるため、クリップ本体1の押し込み操作だけで筒体Bへ簡単に取り付けることができるという利点がある。
尚、図示例では、前記筒体Bが筆記具の軸筒である場合を示したが、これに限定されず、筆記具以外の軸筒であったり、これら軸筒に対し着脱自在に挿着されるキャップや筆記具以外の筒体であっても良い。
更に、前記筒体Bの表面に支持部B1が一体形成される場合を示したが、これに限定されず、この筒体Bと別個に形成された支持部B1を、該筒体Bの表面に取り付けるか又は接着するなど、これら両者を一体的に固着しても良い。
本発明のクリップの実施例1を示し、(a)が閉状態の縦断面図であり、(b)が開状態の縦断正面図であり、(c)が分解斜視図である。 図1(a)の(2)−(2)線に沿える軸支部の拡大横断側面図である。 軸支部の変形例を示す拡大横断側面図である。 軸支部の変形例を示す拡大横断側面図である。 本発明のクリップの実施例2を示す縦断正面図である。 本発明のクリップの実施例3を示す縦断正面図である。 本発明のクリップの実施例4を示す分解斜視図である。 本発明のクリップの実施例5を示す分解斜視図である。 本発明のクリップの実施例6を示す縦断正面図である。 本発明のクリップの実施例7を示す分解斜視図である。 本発明のクリップの実施例8を示す分解斜視図である。 本発明のクリップの実施例9を示しており、(a)が一部切欠側面図であり、(b)が同図の(12B)−(12B)線に沿える拡大横断面図である。 折り返し部の変形例を示す一部切欠側面図である。 本発明のクリップの実施例10を示す縦断側面図である。
符号の説明
A クリップ B 筒体
B1 支持部 B2 係合凸部
1 クリップ本体 1a 挟持部
2 切り欠き部 3 バネ部
4 取付片 4b 係合凹部
4s 取付凹部

Claims (5)

  1. 軸筒又はキャップなどの筒体に対してクリップ本体を揺動自在に装着し、その挟持部をバネ力で筒体の表面へ向け弾性的に押圧するクリップにおいて、
    前記クリップ本体の一部を切り欠き、この切り欠き部をU字形又はV字形に折り曲げると共に、その先端部を前記筒体に接地させてバネ部を一体形成したことを特徴とするクリップ。
  2. 前記クリップ本体と前記筒体を装着する手段として、該クリップ本体に取付片を、前記バネ部とは別に形成した請求項1記載のクリップ。
  3. 前記クリップ本体の取付片と、筒体の表面に一対突設された支持部とを回転自在に軸着すると共に、両支持部の間にクリップ本体のバネ部を挟み込むように配置した請求項1または2記載のクリップ。
  4. 前記筒体の表面に支持部を設け、この支持部とクリップ本体の長手方向へ接触しないようにバネ部を配置した請求項1または2記載のクリップ。
  5. 前記筒体の表面に突設された支持部と、それに対向して前記クリップ本体に形成される取付凹部の内面に、互いに嵌め合う係合凸部と係合凹部を夫々対向位置に設け、この筒体の支持部に対するクリップ本体の押し込みに伴い、これらのどちらか一方又は両方が弾性変形して該クリップ本体の取付凹部内で上記係合凸部と係合凹部が回転自在に嵌合するような配置とした請求項1または2記載のクリップ。
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