JP4162482B2 - 高分子量ビニルラクタム重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニルラクタム重合体及びその製造方法に関する。より詳しくは、増粘剤等としての作用を有し、医薬品や化粧品等の分野において好適に用いることができるビニルラクタム重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビニルラクタム重合体は、生体適合性、安全性、親水性等の利点があり、また、増粘剤、凝集剤等としての作用を有するものであることから、医薬品や化粧品、食品等の添加剤の他、粘接着剤、塗料、分散剤、インキ、電子部品等の製造原料として有用なものである。このようなビニルラクタム重合体をこれらの各種の用途に好適に用いることができるようにするためには、その品質や性能、安全性等を向上させることが重要であり、例えば、ポリビニルピロリドンやビニルピロリドン共重合体等のビニルラクタム重合体においては、増粘剤、凝集剤等としての優れた作用を発揮するものが求められている。
【0003】
このようなビニルラクタム重合体においては、通常では、K値によりその特性が示されている。K値とは、ビニルラクタム重合体の1質量%水溶液について、毛細管粘度計により測定した相対粘度をフィッケンチャーの式に当てはめて計算した値であり、重合体の分子量と相関性を有するものであると考えられている。ビニルラクタム重合体の場合、アミド結合を有し、これがゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)のカラムに吸着して分子量を的確に示すことができないことから、K値が用いられている。これまで製品化されたポリビニルピロリドンでは、K値が120のものが最高である。
【0004】
ところで、ポリビニルピロリドンの製造においては、製品中に有機溶剤や分散剤としての界面活性剤、無機成分等が不純物として混入する場合がある。しかしながら、ポリビニルピロリドンは、その安全性から、化粧品や医薬品等の人体に接触する用途に広く用いられていることから、有機溶剤や界面活性剤の含有量を低減して化粧品や医薬品等の用途に好適に適用したり、無機成分の含有量を低減して医薬原料としての適性を向上させたりする工夫の余地があった。また、ビニルピロリドンを重合してポリビニルピロリドンを得る場合において、通常では生成物中に未反応単量体が残存することになり、これが不純物として製品中に存在しないようにするための工夫の余地もあった。
【0005】
従来のビニルラクタム重合体の製造方法に関し、AIBN存在下でのN−ビニルピロリドン(NVP)の光塊状重合について開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。この製造方法において製造される重合体は、K値等が特定されていないものである。しかしながら、この製造方法では、N−ビニルピロリドンを100%濃度で重合しているために生成物中に未反応単量体が残存しやすいことから、生成する重合体が化粧品や医薬品等の安全性が要求される用途において好適に用いることができるようにする工夫の余地があり、また、増粘剤、凝集剤等としての優れた作用を発揮できるようにするための工夫の余地があった。
【0006】
N−ビニルピロリドンの塊状、水及びアルコール溶液中の放射線誘起重合に関し、放射線誘起法による開始剤や添加剤等を用いないN−ビニルピロリドンの塊状重合について開示されている(例えば、非特許文献2参照。)。このような塊状重合においては、水溶媒中(単量体含有量30〜70%)での重合が検討されており、重量平均分子量(Mw)で最大148万のポリビニルピロリドン(PVP)が得られることが記載されている。この場合において、BASF社カタログに記載のK値とMwの相関から得られる以下の式から計算すると、Mw148万はK値で105に相当することとなる。
y=0.0003x5−0.061x4+1.1293x3+508.71x2−20239x+205427
(式中において、xは、K値であり、yは、重量平均分子量(Mw)である。)しかしながら、このようなポリビニルピロリドンにおいては、増粘剤、凝集剤等としての優れた作用を発揮できるようにするための工夫の余地があった。
【0007】
ビニルピロリドンポリマーの分子量を増大させる方法に関し、炭化水素系の溶媒中での逆相懸濁重合による製法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この製法においては、溶媒の除去操作が必要であり、プロセスコストが高価となる。また、分散剤としての懸濁助剤が必要であり、重合時に使用した懸濁助剤や微量の有機溶媒が製品中に残ることから、各種の用途において好適に適用することができるようにする工夫の余地があった。
【0008】
高粘度を示すポリビニルピロリドンの水溶液の製法に関し、ポリビニルピロリドン水溶液を水不溶性有機過酸化物の存在下で熱処理する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このポリビニルピロリドンの水溶液においては、得られるポリビニルビロリドンを2重量%水溶液として20℃で測定したときの粘度は、1000mPa・s以上であり、多くは1500〜2000mPa・sであることが記載され、また、K値90で1mPa・s、K値200で23mPa・sであることが記載されていることから、K値が200をはるかに超えるような分子量のものが得られることになる。しかしながら、この方法においては、重合体であるポリビニルピロリドンに対し、ビニルピロリドンの存在下に熱処理することことから、分子量の制御が困難である。また、増粘剤、凝集剤等としての優れた作用を発揮できるようにするための工夫の余地があった。
【0009】
高分子量ポリビニルピロリドンの製造方法に関し、キレート緩衝液の存在下、重合中反応混合物の粘度をほぼ一定に維持してなるポリビニルピロリドンの製造方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この製造方法においては、キレート緩衝液の含有量を最初の反応混合物における水の重量に対して100〜5000ppm(実施例の記載では100〜1000ppm)とし、K値が120〜150、残留単量体含有量が0.1重量%以下のものが得られることが記載されている。しかしながら、キレート緩衝液を用いて高分子量ポリビニルピロリドンの製品を製造すると、アルカリ(土類)金属元素により製品中の灰分が多くなり、用途が限定されてしまうことから、このような不純物が製品中に入らないようにして高分子量のものを製造するための工夫の余地があった。例えば、初期の単量体濃度が25〜40重量%(実施例の記載では27重量%)であり、転化率が8割となった時点で20重量%に希釈し、粘度が57℃で40000cps、K値105のものが得られることや、重合反応の開始剤種としては過酸化物を使用したことが記載され、また、重合において、かき混ぜ機を110rpmに設定し、トルクを少なくとも210分維持したことが記載されているが、これらの点について工夫の余地があった。
【0010】
【非特許文献1】
Natalia Davidenko他、「メタクリル酸フルフリル及びN−ビニルピロリドンの光開始単独重合及び共重合(Photoinitiated Homopolymerization and Copolymerization of Furfuryl Methacrylate and N−Vinylpyrrolidone)」、J.Poly.Sci.Part A、John Wiley & Sons,Inc.、1996年、vol.34(9)、p.1753−1761
【非特許文献2】
E.F.Panarin他、「N−ビニルピロリドンの塊状、水及びアルコール溶液中の放射線誘起重合(RADIATION−INDUCED POLYMERIZATION OF N−VINYLPYRROLIDONE IN BULK,IN AQUEOUS AND ALCOHOL SOLUTIONS)」、Radiat.Phys.Chem.、Elsevier Science Ltd、1994年、vol43(5)、p.509−513
【特許文献1】
特開昭51−144480号公報(第1−2頁)
【特許文献2】
特開昭56−67357号公報(第1頁)
【特許文献3】
特表平5−507097号公報(第1−2頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、増粘剤や凝集剤等としての作用に優れ、しかも特定の不純物の含有量が低減されて化粧品や医薬品等の用途に好適なビニルラクタム重合体、及び、該ビニルラクタム重合体を簡便にかつ効率的に製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ビニルラクタム重合体を検討するうち、特定のK値を有するものが増粘剤や凝集剤等としての作用に優れ、高い分子量が要求される用途において好適なものとなり、かつ実際に容易に取り扱えることを見いだした。
これまで製品化されたポリビニルピロリドンでは、K値が120のものが最高であり、その理由としては、120を超えるK値のポリビニルピロリドンは、製造時の分子量制御が困難であること等が考えられる。しかしながら、ポリビニルピロリドン等のビニルラクタム重合体は、増粘剤や凝集剤等の用途にも利用されていることから、用途によっては既存製品にない、より分子量の高く、K値の高いグレードとすれば、従来のものよりもこれらの用途により好適なものとなる。他方、ポリビニルピロリドンは通常粉体で流通されており、使用時に水に溶解する場合が多い。その際、分子量すなわちK値が極端に高すぎると、溶解操作が非常に困難を極めることとなる。従って、特に高い分子量のポリビニルピロリドンにおいては、実際に容易に取り扱えるK値を有するポリビニルピロリドンとすることが望ましい。
【0013】
本発明では、これらの点に着目し、ポリビニルピロリドン等のビニルラクタム重合体のK値の範囲を特定することにより、増粘剤や凝集剤等としての作用に優れるものとなることを見いだし、また、ビニルラクタム重合体の製造において製品中に不純物として混入する有機溶剤や分散剤としての界面活性剤、無機成分等に着目し、有機溶剤や分散剤の含有割合が特定値以下であると、化粧品や医薬品等の用途に好適であり、無機成分としてのアルカリ(土類)金属元素の含有割合が特定値以下であると、医薬原料等としての適性が向上することを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
なお、従来のポリビニルピロリドン等のビニルラクタム重合体では、空気と接触する状態で保存する場合、酸化劣化しやすいことから、K値が高いものほどK値を維持しにくく、品質保証期間が短いものとなるが、本発明のビニルラクタム重合体においては、不純物としての分散剤及びアルカリ(土類)金属元素の含有量が少ないことに起因して、K値が高いにもかかわらず、従来のものに比較して安定性が高く、K値を維持しやすくて品質保証期間を長くすることが可能である。
【0014】
すなわち本発明は、K値が130〜200であり、不純物としての分散剤の含有量が5000ppm以下であり、かつアルカリ(土類)金属元素の含有量が1000ppm以下であるビニルラクタム重合体である。
以下に本発明を詳述する。
【0015】
本発明のビニルラクタム重合体は、K値が130〜200であり、130未満であると、増粘剤や凝集剤等としての作用を充分には発揮しないこととなり、200を超えると、粘度が高すぎて容易に取り扱うことができないこととなる。好ましくは、135以上であり、また、180以下である。より好ましくは、140以上であり、また、160以下である。
【0016】
上記K値とは、ビニルラクタム重合体の1質量%水溶液について、25℃で毛細管粘度計により測定した相対粘度を次のフィッケンチャーの式に当てはめて計算した値である。
K=(1.5logηrel−1)/(0.15+0.003c)+(300clogηrel+(c+1.5clogηrel)2)1/2/(0.15c+0.003c2)
ηrel:ポリビニルピロリドン水溶液の水に対する相対粘度
c:ポリビニルピロリドン水溶液中のポリビニルピロリドン濃度(%)
【0017】
本発明において、「ビニルラクタム重合体」との用語は、ビニルラクタム重合体を製造する際に混入又は発生する不純物を含めたものを意味する。ここで前記不純物とは、分散剤及びアルカリ(土類)金属元素からなる特定の不純物(以下「特定の不純物」という)と、前記特定の不純物以外の不純物(以下「その他の不純物」という)からなる。本発明のビニルラクタム重合体は、前記の特定の不純物の含有量が少なくなるように特定され、実質的に前記特定の不純物を含まないものである。また、本発明における「含有量」とは、不純物を含まない純粋なビニルラクタム重合体に対する量を指す。
前記特定の不純物のうち、分散剤が5000ppmを超えたり、アルカリ(土類)金属元素が1000ppmを超えたりすると、医薬品や化粧品等の分野において安全性等を向上して好適に用いることができないこととなる。好ましくは、分散剤が1000ppm以下、アルカリ(土類)金属元素が200ppm以下である。より好ましくは、分散剤が200ppm以下、アルカリ(土類)金属元素が50ppm以下である。
また、前記その他の不純物の含有量としては特に制限はないが、合計で20000ppm以下であるのが好ましく、10000ppm以下であるのがより好ましく、5000ppm以下であるのがさらに好ましい。
【0018】
上記特定の不純物における分散剤としては、ビニルラクタム重合体の製造において、単量体を重合する際に単量体を溶媒中に分散するために用いられ、生成するビニルラクタム重合体中に混入している分散剤のことを示すが、一般的に界面活性剤、懸濁助剤と呼ばれることもある。分散剤の具体例としては、たとえばステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルアリルエーテル系;ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル等のアルキルエーテル系;ポリオキシエチレンオレエー卜等のアルキルエステル系;ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアルキルアミン系;ソルビタンラウレート等のソルビタン誘導体系;ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル等の多環フェニルエーテル系;ドデシルベンゼンスルホン酸塩等のスルホン酸系;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル系;ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル系;アルキルベタイン等の陽イオン界面活性剤;アルキル変性ポリビニルピロリドン等のビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。また、前記特定の不純物においてアルカリ(土類)金属元素とは、ビニルラクタム重合体中にイオン、塩、ゼロ価金属等の任意の状態として含まれるものであり、例えば、ビニルラクタム重合体を製造する際にキレート緩衝液を用いる場合には、生成するビニルラクタム重合体中に混入しているナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の該キレート緩衝液に由来するアルカリ(土類)金属元素等が挙げられる。
なお、キレート緩衝液とは、キレート作用と緩衝作用とを併せ持つ添加剤である。
【0019】
本発明のビニルラクタム重合体においては、残存単量体の含有量が、0.2質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.01質量%以下であり、さらに好ましくは、0.001質量%以下である。またビニルラクタム重合体において、重合体から遊離した状態にある不純物であるラクタムの含有量としては、0.5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.2質量%以下である。不純物としてのラクタムは、ビニルラクタム系単量体を用いてビニルラクタム重合体を製造する際に、該単量体の加水分解等により生じるものである。なお、ラクタムの含有量は、副生物の含有量の指標となる。
更にビニルラクタム重合体を製造する際に有機溶剤を用いる場合、ビニルラクタム重合体に混入する有機溶剤の含有量としては、0.1質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.01質量%以下である。
これらの含有量は、ビニルラクタム重合体を100質量%とした場合の含有量である。
【0020】
上記不純物の測定方法としては、液体クロマトグラフィーを用いることが好適である。なお、本発明のビニルラクタム重合体は、ビニルラクタム重合体が媒体中に存在する溶液の形態であってもよく、乾燥した固形物の形態であってもよいものであるが、固形物の形態の場合には、適当な媒体中に溶解して液体クロマトグラフィーにより上記の含有量を測定することができる。
【0021】
本発明のビニルラクタム重合体は、下記一般式(1);
【0022】
【化1】
【0023】
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。mは、1〜3の整数を表す。)で表されるN−ビニルラクタム構造の1種又は2種以上を必須の構成単位(繰り返し単位)として有する重合体である。このようなビニルラクタム重合体としては、例えば、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン)、ポリ(N−ビニル−2−ピペリドン)、ポリ(N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン)、ポリ(N−ビニル−ε−カプロラクタム)、ポリ(N−ビニル−7−メチル−ε−カプロラクタム)等のビニルラクタム系単量体の1種を重合して得られるホモポリマーや、ビニルラクタム系単量体の2種以上を共重合して得られるコポリマー、ビニルラクタム系単量体の1種又は2種以上とビニルラクタム系単量体以外の単量体とを共重合して得られるコポリマーが挙げられる。これらの中でも、ビニルラクタム系単量体の1種または2種以上を70モル%以上を含むコポリマーが好ましく、ビニルラクタム系単量体の1種を重合して得られるホモポリマーがより好ましい。
【0024】
本発明においては、上述したようにK値を特定の範囲内とし、かつ不純物としての分散剤及びアルカリ(土類)金属元素の含有量を特定値以下とすることにより、ビニルラクタム重合体が増粘剤や凝集剤等としての作用に優れ、このような特性が要求される用途において好適なものとなり、特に、化粧品や医薬品等の安全性が要求される用途に好適に用いることができるものとなる。
このようなビニルラクタム重合体は、ビニルラクタム系単量体を必須とする単量体成分の1〜15質量%水溶液を塊状重合する工程を含んでなるビニルラクタム重合体の製造方法により製造されたものであることが好ましく、このようなビニルラクタム重合体の製造方法もまた、本発明の1つである。
【0025】
本発明のビニルラクタム重合体の製造方法においては、ビニルラクタム系単量体を必須とする単量体成分の水溶液を塊状重合する工程を含んでなる。本発明における塊状重合とは、重合反応中に重合反応液が攪拌されず、静置状態で行われる重合方法を指す。したがって、得られる重合体が塊状となる必要はない。該重合方法においては、生成する重合体分子が攪拌によりせん断されることがないことから、ポリビニルラクタム重合体のK値を高めやすい。攪拌翼やニーダー等の混練機を使用する等して、重合反応液の攪拌を行うと、生成するビニルラクタム重合体の分子がせん断され、高分子量のビニルラクタム重合体が生成しにくくなり、K値が低下するおそれがある。ただし、重合反応を均一に行うため、重合開始時に後述する任意の開始剤を添加した後に、短時間の混合を行うのが好ましい。本発明における塊状重合反応は、任意の容器内で行うことができ、重合反応液をキャストフィルム状等にすることにより、容器を用いずに行ってもよい。さらに本発明においては、分散剤としての界面活性剤や無機成分等を用いる必要がないことから、製品中に不純物が混入しにくいという有利な効果を奏することとなる。このような製造方法において、水溶液における重合初期の単量体濃度を低く特定すると、塊状重合とすることの効果と相まってK値をより高くすることができることとなる。
【0026】
通常では単量体濃度を低くする場合、生成する重合体のK値が低くなると考えられているが、本発明者らは、重合初期の単量体濃度を低く特定の範囲とすると、K値が高くなることを見いだした。この理由は、連鎖移動反応を受けにくくなることに起因するものと考えられる。なお、本発明の製造方法においては、例えば、N−ビニルピロリドンの10〜15質量%水溶液をアゾ系開始剤を用いて塊状重合することにより、K値が130〜200の重合体を得ることや、生成物としての重合体において、残存単量体の含有量を低減することができる。また、重合後に後述するような酸処理や吸着剤処理を行うことにより、速やかに残存単量体をより低減することができる。一方、通常では、N−ビニルピロリドンの20〜30質量%水溶液をアゾ系開始剤を用いて塊状重合した場合、K値が110〜120と上がりにくく、重合後の反応液は流動性が低い塊状となる。この反応液を前記の酸処理や吸着剤処理を行うためには水等の溶媒で希釈する必要があるが、極めて流動性が低いため、希釈して液が均一になるまで長時間(24時間以上)を要することになる。従って、この点においても、本発明は、有利な効果を奏するものである。
【0027】
本発明のビニルラクタム重合体の製造方法において、上記ビニルラクタム系単量体とは、環内に−CON(−CH=CH2)−で表される原子団を有する環式炭素化合物であって、そのメチレン基に置換基を有さない化合物であるビニルラクタムと、該ビニルラクタムのメチレン基に置換基を有する化合物とを意味し、本発明においては、これらの1種又は2種以上を用いて重合することになる。
【0028】
本発明の製造方法においては、単量体成分の1〜15質量%水溶液を塊状重合することとなる。単量体成分が1質量%未満であると、単量体成分の濃度が低すぎてビニルラクタム重合体のK値を充分に高めることができないこととなる。また、単量体成分が15質量%を超えると、重合反応における連鎖移動の比率が高まることに起因して分子量が低下し、K値を充分に高めることができないこととなる。好ましくは、8質量%以上であり、また、13質量%以下である。
なお、「単量体成分の1〜15質量%水溶液」とは、重合初期の重合反応液中の単量体成分濃度を意味し、重合が進行して単量体成分濃度が低くなった後の濃度を意味するものではない。
【0029】
上記ビニルラクタム系単量体としては、下記一般式(2);
【0030】
【化2】
【0031】
(式中、R及びmは、上記と同じ。)で表される化合物が好適である。
上記単量体成分におけるビニルラクタム系単量体の含有量としては、単量体成分を100質量%とすると、より好ましくは、80質量%以上であり、更に好ましくは、100質量%である。
このようなビニルラクタム系単量体としては、ビニルピロリドン、ビニルピペリドン、ビニルカプロラクタム等が好ましく、ビニルピロリドンがより好ましい。
【0032】
上記ビニルラクタム系単量体を必須とする単量体成分においては、その他の単量体を含んでいてもいなくてもよいが、その他の単量体としては、ビニルラクタム系単量体と共重合可能な単量体であればよく、以下の(1)〜(13)の化合物等の1種又は2種以上を用いることができる。
(1)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(2)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体類;(3)ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸エステル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基性不飽和単量体及びその塩又は第4級化物;(4)ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルオキサゾリドン等のビニルアミド類;(5)(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体及びその塩;(6)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物類;(7)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(8)ビニルエチレンカーボネート及びその誘導体;(9)スチレン及びその誘導体;(10)(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチルエステル及びその誘導体;(11)ビニルスルホン酸及びその誘導体;(12)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(13)エチレン、プロピレン、オクテン、ブタジエン等のオレフイン類等が挙げられる。これらの中でも、一般式(2)で表されるビニルピロリドンやビニルカプロラクタム等のビニルラクタム系単量体との共重合性等の点からは、上記(1)〜(8)が好適である。
【0033】
上記塊状重合における溶媒としては、主に水を用いることとなるが、その他に水系溶媒を含有していてもよい。水系溶媒とは、水と混じり合うことができる化合物の1種又は2種以上の混合溶媒や、このような化合物に水が主成分となるように混合した混合溶媒を意味する。水と混じり合うことができる化合物としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール等のジオール;グリセリン等のトリオール類等の多価アルコール等が好適である。なお、これらの化合物に混じり合う反応物を混合した溶液を水系溶媒としてもよい。これらの中でも、水、又は、水とアルコールとの混合溶媒を用いることが好ましい。
【0034】
上記塊状重合における開始剤としては、水溶性アゾ系開始剤を用いることが好ましい。水溶性アゾ系開始剤としては、そのままで水溶性を示すアゾ系化合物や、中和されて塩になると水溶性を示すアゾ系化合物であればよく、酸性基及び/又は塩基性基を有するアゾ系化合物が好ましく、1種又は2種以上を用いることができる。このような水溶性アゾ系開始剤としては、例えば、下記一般式(3)〜(6)で表される水溶性アゾ化合物からなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好適である。
【0035】
【化3】
【0036】
式中、R1、R3及びR6は、同一若しくは異なって、炭素数1〜6のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。R2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を表す。R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。R5及びR7は、同一若しくは異なって、炭素数1〜6のアルキレン基又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキレン基を表す。
【0037】
上記水溶性アゾ系開始剤の具体的な化合物名としては、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)、2,2′−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2′−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}、2,2′−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドキシム)、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等が挙げられ、これらを用いることが好適である。
【0038】
上記水溶性アゾ系開始剤の使用量としては、単量体成分100質量%に対して、0.001質量%以上とすることが好ましく、また、10質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.005質量%以上であり、また、5質量%以下である。更に好ましくは、0.01質量%以上であり、また、3質量%以下である。また、重合を行う際には、必要に応じて連鎖移動剤等を用いることもできる。
【0039】
本発明における塊状重合の好ましい重合方法としては、水等の溶媒及び単量体成分を仕込み、水溶性アゾ系開始剤を一括添加して適宜攪拌し、その攪拌を停止後、静置状態で重合させる方法が好適である。重合条件としては、単量体成分や溶媒の組成等に応じて適宜設定すればよく、重合温度としては、0〜250℃とすることが好ましい。より好ましくは、20〜150℃であり、更に好ましくは、40〜100℃である。また、反応圧力としては、高温反応の場合には常圧としてもよく、加圧してもよいが、厳密な温度制御を必要とする場合には常圧とすることが好ましい。
【0040】
本発明の製造方法においては、例えば、上記重合反応を行う工程の後に、生成物中の残存単量体を除去する工程や精製工程等を含んでもよい。残存単量体を除去する方法としては、(1)酸を添加し、加水分解することにより反応液中に含まれる残存単量体を低減する方法、(2)吸着剤処理により残存単量体を低減する方法等が好適であり、前記の処理に際し任意の溶媒で反応液を任意の濃度に希釈してもよい。
【0041】
上記(1)の酸を添加する方法により残存単量体を低減させる方法において、添加する酸としては有機酸を用いることが好ましい。このような酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、グリコール酸、サリチル酸、乳酸、L−アスコルビン酸、安息香酸等の1分子内に1つカルボキシル基を有する有機酸;しゅう酸、マロン酸、コハク酸、アスパラギン酸、クエン酸、グルタミン酸、フマル酸、リンゴ酸等の1分子内に2つ以上のカルボキシル基を有する有機酸;これらの有機酸の水和物等が好適であり、これらは1種又は2種以上を用いることができる。また、有機の二塩基酸を用いると、高温でも酸が揮発することなく、また、反応液中のpHが一定となるため、残存単量体を速やかに低減させることが可能となり、より好ましい。
【0042】
上記(1)の方法においては、酸を添加した後、反応系を静置しておいても構わないが、効果的に残存単量体を除去するためには、反応系を攪拌することが好ましく、パドル翼、アンカー翼、タービン翼、スパイラル翼等の任意の攪拌翼を用いることができる。この場合、反応液の粘度を100Pa・s以下とすることが好ましい。100Pa・sを超えると、通常の方法では攪拌が困難となり、残留単量体を低減する効果が充分とはならないおそれがある。一方、反応液の粘度が0.1Pa・s以上の場合には、高粘度攪拌用の攪拌翼で攪拌することが好ましい。高粘度攪拌用の攪拌翼としては、例えば、住友重機械工業社製のマックスブレンド翼やスーパーブレンド翼(いずれも商品名)等を用いることができる。更に、反応液の温度を25〜150℃とすることが好ましく、50〜100℃が更に好ましい。残存単量体を除去する時間は5分〜24時間とすることが好ましく、10分〜6時間が更に好ましい。上記温度や時間の範囲未満であると、残存単量体を低減する効果が充分でなくなるおそれがあり、上記温度や時間の範囲を超えると、ビニルラクタム重合体の分子量を低下させたり、着色を引き起こしたりするおそれがある。
【0043】
上記(1)の方法においては、酸を添加して残存単量体の低減した後に、塩基を添加して、反応液のpHを好ましくは5〜10、より好ましくは6〜9とすることができる。この中和工程でのpH調整により、ビニルラクタム重合体の分子量や着色等の経時変化を抑制することができる。
【0044】
上記塩基としては、従来公知のものを用いることができ、有機塩基を用いることが好ましく、また、着色が少なくてpH調節が容易であることから、炭酸グアニジンがより好ましい。
【0045】
本発明の製造方法において、特に上記(1)の方法による残存単量体の低減工程及び上記中和工程においては、反応系中の気相部の酸素濃度を5質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、1質量%以下であり、更に好ましくは、0.1質量%以下である。反応液のpHが7未満、特に5以下である場合には、ビニルラクタム重合体のK値が、加熱により低下しやすくなるが、反応系中の酸素濃度を上記の量に制限することにより、分子量の低下を抑制することができる。具体的には、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガス、好ましくは、窒素ガスを反応系内に導入することで実施することが可能である。この場合、上記ガスを気相部に流通させてもよいし、反応液中にバブリングしてもよく、ガスの流量についてはガスの導入方法等により適宜設定すればよい。
【0046】
上記(2)については、例えば特公平7−59606号公報に記載されているように、活性炭や酸性イオン交換樹脂等の任意の吸着剤を用いることができる。吸着剤処理の方法については特に制限はなく、例えば重合反応液に吸着剤を混合してもよく、または吸着剤が充填されたカラムに重合反応液を通過させてもよく、任意の処理温度で実施することができる。重合反応液に吸着剤を混合して処理を行った場合は、処理後に従来公知の任意の方法にて吸着剤を分離してやればよい。
【0047】
本発明のビニルラクタム重合体は、K値が高く、高粘度を示すことができることから、増粘剤、凝集剤等として優れた作用を有するものであり、また、残存単量体やその他の不純物の含有量が少ないものであることから、安全性が高く、医薬品や化粧品、食品等の添加剤の他、粘接着剤、塗料、分散剤、インキ、電子部品等の製造原料として好適に用いることができるものである。
【0048】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0049】
<実施例1>
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた1Lのフラスコに、水450g及びN−ビニルピロリドン50gを入れ、窒素ガスを20ml/minの流量で30分バブリングした後、窒素ガスの供給をバブリングから気相部フローに切り換えた。フラスコ内温を35℃まで昇温し、同温度で加熱した後、水0.45gに2,2′−アゾビス[2−(2−イミタゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド0.05gを溶解させた溶液をフラスコ内に一括添加し、1分間攪拌した。攪拌を停止後、静置状態で重合させ、重合時の発熱により、攪拌停止から4時間経過した時点で、最高温度が36℃に到達したのを確認した。攪拌を停止してから、24時間経過した段階で冷却し、流動性のあるポリビニルピロリドン水溶液を得た。得られたポリビニルピロリドンのK値は146であり、残留モノマーはポリビニルピロリドンに対して1000ppmであった。
【0050】
<比較例1>
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた1Lのフラスコに、水100g及びN−ビニルピロリドン50gを入れ、窒素ガスを20ml/minの流量で30分バブリングした後、窒素ガスの供給をバブリングから気相部フローに切り換えた。フラスコ内温を35℃まで昇温し、同温度で加熱した後、水0.45gに2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド0.05gを溶解させた溶液をフラスコ内に一括添加し、一分間攪拌した。攪拌を停止後、静置状態で重合させ、重合時の発熱により、攪拌停止から3時間経過した時点で、最高温度が37.5℃に到達したのを確認した。攪拌を停止してから、24時間経過した段階で冷却し、塊状のポリビニルピロリドン(水溶液)を得た。得られたポリビニルピロリドンのK値は120であり、残留モノマーはポリビニルピロリドンに対して9000ppmと多かった。
【0051】
<実施例2>
実施例1に引き続き、フラスコ内に5%マロン酸水溶液を1.8g加えた後、攪拌しながら内温を95℃まで昇温し、2時間加熱保持した。更に5%炭酸グアニジン水溶液を3.0g加え、1時間経過後冷却して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。得られた水溶液中の残留モノマーはポリビニルピロリドンに対して2ppmであり、残留モノマー処理を速やかに行うことができた。
【0052】
<比較例2>
比較例1に引き続き、残留モノマー処理を行うため、水650gを加えた後、攪拌しながら80℃まで昇温してポリビニルピロリドンを希釈溶解した。完全に均一な状態となるまでに、約30時間が必要であった。フラスコ内に5%マロン酸水溶液を1.8g加えた後、攪拌しながら内温を95℃まで昇温し、2時間加熱保持した。更に5%炭酸グアニジン水溶液を3.0g加え、1時間経過後冷却して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。
得られた水溶液中の残留モノマーはポリビニルピロリドンに対して20ppmであり、比較的多くのモノマーが残留していた。
【0053】
【発明の効果】
本発明のビニルラクタム重合体は、上述したような構成であり、K値が高く、増粘剤や凝集剤等としての作用に優れ、しかも特定の不純物の含有量が低減されて化粧品や医薬品等の用途に好適なものであり、また、本発明のビニルラクタム重合体の製造方法は、このようなビニルラクタム重合体を簡便にかつ効率的に製造することができる方法である。
Claims (8)
- 前記重合工程は、重合開始時に開始剤を一括添加した後、静置状態で重合する工程である
ことを特徴とする請求項1に記載のビニルラクタム重合体の製造方法。 - 前記開始剤は、水溶性アゾ系開始剤である
ことを特徴とする請求項2に記載のビニルラクタム重合体の製造方法。 - 前記製造方法は、前記重合工程後、酸を添加し、加水分解することにより反応液中に含まれる残存単量体を低減する工程を含む
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビニルラクタム重合体の製造方法。 - 前記製造方法は、前記残存単量体の低減工程後、塩基を添加して反応液のpHを調整する中和工程を含む
ことを特徴とする請求項4に記載のビニルラクタム重合体の製造方法。 - 前記ビニルラクタム系単量体の含有量は、単量体成分を100質量%とすると、80質量%以上である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のビニルラクタム重合体の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られるビニルラクタム重合体であって、
該ビニルラクタム重合体は、K値が130〜200であり、不純物としての分散剤の含有量が5000ppm以下であり、かつアルカリ(土類)金属元素の含有量が1000ppm以下であって、全単量体成分100質量%に対し、ビニルラクタム系単量体を80質量%以上含む単量体成分を重合して得られるものである
ことを特徴とするビニルラクタム重合体。
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