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JP4161657B2 - 動力伝達機構の滑り検出装置 - Google Patents

動力伝達機構の滑り検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力側部材と出力側部材との間でトルクを伝達する動力伝達機構において、これら入力側部材と出力側部材との相対的な滑りを検出するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の動力伝達機構として、摩擦力やオイルのせん断力などを利用してトルクを伝達する摩擦クラッチや無段変速機が知られており、これらの動力伝達機構では、噛み合いに依らないでトルクを伝達するから、その伝達トルク(もしくはトルク容量)を超えてトルクが作用することにより、過剰な滑りが生じることがある。そのような過剰な滑りが生じると、動力の伝達効率が低下したり、あるいは耐久性が損なわれたりし、特に無段変速機では、ベルトなどの伝動部材やトルク伝達面の摩耗などが大きくなる場合が考えられる。
【0003】
従来、ベルト式無段変速機における滑りに起因する状態を検出するように構成された装置が、特開昭62−2059号によって提案されている。この公報に記載された発明は、無段変速機の故障を診断する装置であって、主プーリと従プーリとの回転数をセンサによって検出するとともに、変速比を算出し、その変速比の値もしくは変速比の変化速度の値が通常生じない極端な値になった場合に、故障と判断するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−2059号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
無段変速機によれば、変速比を連続的に変化させることできるので、その入力側に接続されているエンジンの回転数を走行状態に応じて変化させることができる。そのため、通常は、エンジン回転数を燃費が良好になる回転数に設定するように変速比が制御されており、したがって変速比は比較的頻繁に変化している。このような通常の走行状態での変速比の変化は、例えばアクセル開度の変化量など要求駆動量の変化によって生じ、その変化量は要求駆動量に応じたものとなるので、このような通常の走行状態での変速比の変化と、滑りなどの故障に起因する変化比の変化とを確実に識別するためには、故障判定のための判断基準値(変速比に基づく故障判定のしきい値)を大きい値に設定する必要がある。
【0006】
その結果、上述した従来の装置では、故障に起因する滑りが軽度である場合や滑りに伴う回転数の変化が緩慢な場合には、変速比の変化が判断基準値以下となり、故障を検出することができない。すなわち、従来の装置では、過剰な滑りが生じるまでは滑りを検出することができず、無段変速機の摩耗が進行してしまうなどの可能性があった。
【0007】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、無段変速機などの動力伝達機構での滑りを迅速かつ正確に検出することのできる装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、相関係数に基づいて滑りを検出し、かつその相関係数に基づく滑りの判断を変速時と非変速時とで異ならせたことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、相互にトルク伝達する入力側部材と出力側部材とが、許容値以上のトルクが作用した場合に相対滑りを生じる動力伝達機構の滑り検出装置において、入力側回転速度と出力側回転速度とから求まる相関係数と、車速と変速の種類と変速速度とのいずれか少なくとも一つとに基づいて、前記入力側部材と出力側部材との間における滑りを判定する滑り判定手段を備えていることを特徴とする滑り検出装置である。
【0009】
したがって請求項1の発明では、入力側回転速度と出力側回転速度とによる相関係数と、車速や変速の種類あるいは変速速度とに基づいて滑りが判定される。言い換えれば、相関係数のみによらずに、車速や変速の種類あるいは変速速度を加味して滑りが判定されるので、滑りが要因とならずに相関係数が変化することがあっても、そのような状態と滑りとを峻別して滑りが正確に判定される。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1における前記滑り判定手段が、車速と変速の種類と変速速度とのいずれか少なくとも一つに基づいて判定基準値を設定し、かつその判定基準値を変速速度が大きいほど小さい値に設定する判定基準値設定手段を備えるとともに、その判定基準値と前記相関係数とを比較して前記相関係数が前記判定基準値を下回る場合に前記滑りが生じていることを判定するように構成されていることを特徴とする滑り検出装置である。
【0011】
したがって請求項2の発明では、相関係数に基づいて滑りを判定する基準値が、車速と変速の種類と変速速度とのいずれか少なくとも一つに基づいて設定され、その判定基準値と相関係数との比較結果に基づいて滑りが判定される。そのため、車速や変速の種類あるいは変速速度に起因して相関係数が変化する場合であっても、滑りの誤判定が回避され、滑りが正確に判定される。
【0012】
さらに、請求項3の発明は、相互にトルク伝達する入力側部材と出力側部材とが、許容値以上のトルクが作用した場合に相対滑りを生じる動力伝達機構における滑りを、入力側の回転速度と出力側の回転速度とから求まる相関係数に基づいて判定する動力伝達機構の滑り検出装置であって、変速速度が予め定めた所定値より大きい場合には、前記相関係数に基づく滑りの判定をおこなわないように制御する滑り判定禁止手段を備えていることを特徴とする滑り検出装置である。
【0013】
したがって請求項3の発明では、変速速度が所定値より大きい場合には、相関係数に基づく滑りの判定が禁止される。そのため、変速速度が大きいことによって相関係数が変化しても、これを滑りと誤判定することが回避される。
【0014】
そして、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおける前記変速速度が、目標変速速度であることを特徴とする滑り検出装置である。
【0015】
したがって請求項4の発明では、無段変速機で実行するべき変速についての目標変速速度が大きい場合には、その変速速度を加味した相関係数に基づく滑りの判定が実行される。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする車両の駆動系統およびその制御系統について説明すると、図3は、ベルト式無段変速機1を変速機として含む駆動系統を模式的に示しており、その無段変速機1は、前後進切換機構2を介して動力源3に連結されている。
【0017】
その動力源3は、内燃機関、あるいは内燃機関と電動機、もしくは電動機などによって構成され、要は、走行のための動力を発生する駆動部材である。なお、以下の説明では、動力源3をエンジン3と記す。また、前後進切換機構2は、エンジン3の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転して出力するように構成されている。
【0018】
図3に示す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、サンギヤ4と同心円上にリングギヤ5が配置され、これらのサンギヤ4とリングギヤ5との間に、サンギヤ4に噛合したピニオンギヤ6とそのピニオンギヤ6およびリングギヤ5に噛合した他のピニオンギヤ7とが配置され、これらのピニオンギヤ6,7がキャリヤ8によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具体的にはサンギヤ4とキャリヤ8と)を一体的に連結する前進用クラッチ9が設けられ、またリングギヤ5を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ10が設けられている。
【0019】
無段変速機1は、従来知られているベルト式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置された駆動プーリ11と従動プーリ12とのそれぞれが、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ13,14によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって構成されている。したがって各プーリ11,12の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリ11,12に巻掛けたベルト15の巻掛け半径(プーリ11,12の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。そして、上記の駆動プーリ11が前後進切換機構2における出力要素であるキャリヤ8に連結されている。
【0020】
なお、従動プーリ12における油圧アクチュエータ14には、無段変速機1に入力されるトルクに応じた油圧(ライン圧もしくはその補正圧)が、図示しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給されている。したがって、従動プーリ12における各シーブがベルト15を挟み付けることにより、ベルト15に張力が付与され、各プーリ11,12とベルト15との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。これに対して駆動プーリ11における油圧アクチュエータ13には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定するようになっている。
【0021】
上記の従動プーリ12が、ギヤ対16を介してディファレンシャル17に連結され、このディファレンシャル17から駆動輪18にトルクを出力するようになっている。
【0022】
上記の無段変速機1およびエンジン3を搭載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各種のセンサーが設けられている。すなわち、エンジン3の回転数を検出して信号を出力するエンジン回転数センサー19、駆動プーリ11の回転数を検出して信号を出力する入力回転数センサー20、従動プーリ12の回転数を検出して信号を出力する出力回転数センサー21が設けられている。また、特には図示しないが、アクセルペダルの踏み込み量を検出して信号を出力するアクセル開度センサー、スロットルバルブの開度を検出して信号を出力するスロットル開度センサー、ブレーキペダルが踏み込まれた場合に信号を出力するブレーキセンサーなどが設けられている。
【0023】
上記の前進用クラッチ9および後進用ブレーキ10の係合・解放の制御、および前記ベルト15の挟圧力の制御、ならびに変速比の制御をおこなうために、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)22が設けられている。この電子制御装置22は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定などの制御を実行するように構成されている。
【0024】
ここで、変速機用電子制御装置22に入力されているデータ(信号)の例を示すと、無段変速機1の入力回転数Ninの信号、無段変速機1の出力回転数No の信号が、それぞれに対応するセンサ(図示せず)から入力されている。また、エンジン3を制御するエンジン用電子制御装置(E/G−ECU)23からは、エンジン回転数Ne の信号、スロットル開度信号、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度信号などが入力されている。
【0025】
無段変速機1によれば、入力回転数であるエンジン回転数を無段階に制御できるので、これを搭載した車両の燃費を向上できる。例えば、アクセル開度などによって表される要求駆動量と車速とに基づいて目標駆動力が求められ、その目標駆動力を得るために必要な目標出力が目標駆動力と車速とに基づいて求められ、その目標出力を最適燃費で得るためのエンジン回転数が予め用意したマップに基づいて求められ、そして、そのエンジン回転数となるように変速比が制御される。
【0026】
上記の無段変速機1を対象としたこの発明の装置は、無段変速機1での滑りを検出するとともに、その検出結果に応じた制御を実行するように構成されている。図1はその制御例を示しており、この図1にフローチャートで示すルーチンは、所定の短い時間毎に繰り返し実行される。
【0027】
図1において、先ず、無段変速機1の入力回転数Ninと出力回転数Nout とが読み取られる(ステップS1)。また、その計測された回転数Nin,Nout を使用して相関係数Kが算出される(ステップS2)。なお、これらの入出力回転数Nin,Nout は、前記入力回転数センサー20および出力回転数センサー21によって検出された回転数である。また、相関係数Kは、無段変速機1についての入力回転数と出力回転数との関係を示す係数であって、一般式で示せば、式1のとおりであり、その詳細は例えば特願2001−302181号の願書に添付されている明細書に記載されている。
【式1】
Figure 0004161657
【0028】
ついで、ステップS3では、無段変速機1に急変速の要求があるか否かが判断される。この判断は、設定すべき変速比が現在時点の変速比と大きく離れていることに基づいて判断することができ、例えば、アクセルペダルが最大限に踏み込まれたキックダウンや、マニュアル操作によるダウンシフトなどの場合に急変速の要求のあったことが判断される。換言すれば、ステップS3では、変速の種類を判別している。
【0029】
このステップS3で肯定的に判断された場合、急変速用のしきい値が設定される(ステップS4)。このしきい値は、前述した相関係数Kに基づいて無段変速機1での滑りを判定するためのしきい値であり、一例として車速毎の変速速度に応じて予め定めた値である。
【0030】
すなわち、上記の式1を、n=3でかつ入力回転数Ninおよび変速速度Δγが一定として書き直すと、下記の式2となる。
【式2】
Figure 0004161657
ここで、γは入力回転数Nin(i) と出力回転数Nout(i)との比(Nin(i)/Nout(i) )であり、tは1ルーチンの演算時間である。したがって、相関係数Kは、Δγ/γの関数で表され、変速速度Δγが大きいほど、また変速比γが小さいほど、相関係数が小さくなる。
【0031】
相関係数のこのような変化に対応するために、無段変速機1での滑りを判定するしきい値を、時々刻々のΔγ/γの値により設定してもよいが、演算時間が短い場合には、変速速度Δγのバラツキが大きくなる可能性があるため、目標とする変速速度(車速のマップ値)に基づいて算出した変速速度Δγと変速比γとから相関係数のしきい値を設定する。こうすることにより、相関係数の変動に対応した判定が可能になって滑りの検出精度が向上する。
【0032】
しかしながら、キックダウンやマニュアルダウンなどの急な変速が要求される場合には、駆動プーリ11の目標回転数がステップ的に上昇して変速速度Δγが大きくなるため、急変速用に設定した他のしきい値を使用する。これは、例えば図2に示すマップ値として予め用意することができ、上記のステップS4でその急変速用マップに基づいてしきい値を設定する。
【0033】
一方、上記のステップS3で否定的に判断された場合には、通常変速用のしきい値が設定される(ステップS5)。そのしきい値は、変速速度および変速比あるいは車速に応じて、マップとして予め用意したものであってよい。
【0034】
滑り判定のためのしきい値を上記のようにステップS4あるいはステップS5で設定した後、前記ステップS2で算出した相関係数Kが、しきい値より小さいか否かが判断される(ステップS6)。相関係数Kは、上記の式1から知られるように、無段変速機1に滑りが生じて入力回転数と出力回転数とのいずれか一方が変化すると小さい値に変化する。したがって相関係数Kがしきい値より小さいことによりステップS6で肯定的に判断されると、ベルト滑りの生じたことの判断が成立する(ステップS7)。その場合、ベルト挟圧力の増大や無段変速機1に対する入力トルクの低下制御などのベルト滑りに対応した制御が実行される。これに対してステップS6で否定的に判断された場合には、ベルト滑りの生じていないことの判断が成立する(ステップS8)。
【0035】
したがって上記の図1に示す制御を実行するこの発明の滑り検出装置によれば、無段変速機1の入力回転速度と出力回転速度とに基づいて定まる相関係数が、変速速度や変速比あるいは変速の種類によって変化することを考慮し、相関係数に基づく滑り判定のしきい値を、変速速度や変速比あるいは変速の種類もしくは車速に基づいて設定するから、滑りの判定精度が向上し、例えば変速時での滑りの誤判定を回避もしくは抑制することができる。
【0036】
ここで、上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS3ないしステップS6の機能的手段が、この発明の滑り判定手段に相当し、特にステップS4およびステップS5の機能的手段が、請求項2の発明における判定基準値設定手段に相当する。
【0037】
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。すなわち、前述した相関係数は、変速速度が大きいほど小さくなるから、変速時に非変速時に使用している判定しきい値を使用すると、滑りが生じていないにも関わらず、滑りの判定が成立することがある。また、通常の変速時に使用している判定しきい値を、急変速時の判定しきい値として使用すると、同様の誤判定が生じることがある。そこで上記の具体例では、急変速用しきい値として、通常変速用のしきい値より小さいしきい値(言い換えれば、滑り判定が成立しにくいしきい値)を設定することとしている。これは、通常走行あるいは通常の変速速度の下での相関係数に基づく滑りの判定を禁止する制御に置き換えることができる。そのような構成とすれば、急変速時にベルト滑りを検出できないが、滑りの誤判定を回避できる。なお、変速時間が短いので、実用上の支障は少ない。
【0038】
また、この発明で対象とする動力伝達機構は、図3に示すベルト式無段変速機に限定されないのであって、トラクション式無段変速機の滑りを検出する装置にも適用することができ、さらには摩擦式のクラッチやブレーキなどの伝動機構の滑りを検出する装置にも適用することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、相関係数のみによらずに、車速や変速の種類あるいは変速速度を加味して滑りを判定するので、滑りが要因とならずに相関係数が変化することがあっても、そのような状態と滑りとを峻別して滑りを正確かつ迅速に判定することができ、換言すれば、滑りの誤判定を防止もしくは抑制することができる。
【0040】
また、請求項2の発明によれば、相関係数に基づいて滑りを判定する基準値が、車速と変速の種類と変速速度とのいずれか少なくとも一つに基づいて設定され、その判定基準値と相関係数との比較結果に基づいて滑りが判定されるため、車速や変速の種類あるいは変速速度に起因して相関係数が変化する場合であっても、滑りの誤判定を回避でき、滑りの検出精度を向上させることができ、また相関係数に基づいて滑りを検出するので、迅速に滑りを検出することができる。
【0041】
さらに、請求項3の発明によれば、変速速度が所定値より大きい場合には、相関係数に基づく滑りの判定をおこなわないので、変速時における滑りの誤検出する回避もしくは抑制することができる。
【0042】
そして、請求項4の発明によれば、無段変速機で実行するべき変速についての目標変速速度が大きい場合には、その変速速度を加味した相関係数に基づく滑りの判定をおこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の滑り検出装置による制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 滑り判定しきい値を変速比と車速とをパラメータとして定めたマップの一例を示す概念図である。
【図3】 この発明で対象とする無断変速機を含む駆動装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…無段変速機、 11…駆動プーリー、 12…従動プーリー、 15…ベルト、 18…駆動輪、 22…変速機用電子制御装置(CVT−ECU)。

Claims (4)

  1. 相互にトルク伝達する入力側部材と出力側部材とが、許容値以上のトルクが作用した場合に相対滑りを生じる動力伝達機構の滑り検出装置において、
    入力側回転速度と出力側回転速度とから求まる相関係数と、車速と変速の種類と変速速度とのいずれか少なくとも一つとに基づいて、前記入力側部材と出力側部材との間における滑りを判定する滑り判定手段を備えていることを特徴とする動力伝達機構の滑り検出装置。
  2. 前記滑り判定手段は、車速と変速の種類と変速速度とのいずれか少なくとも一つに基づいて判定基準値を設定し、かつその判定基準値を変速速度が大きいほど小さい値に設定する判定基準値設定手段を備えるとともに、その判定基準値と前記相関係数とを比較して前記相関係数が前記判定基準値を下回る場合に前記滑りが生じていることを判定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達機構の滑り検出装置。
  3. 相互にトルク伝達する入力側部材と出力側部材とが、許容値以上のトルクが作用した場合に相対滑りを生じる動力伝達機構における滑りを、入力側の回転速度と出力側の回転速度とから求まる相関係数に基づいて判定する動力伝達機構の滑り検出装置であって、
    変速速度が予め定めた所定値より大きい場合には、前記相関係数に基づく滑りの判定をおこなわないように制御する滑り判定禁止手段を備えていることを特徴とする動力伝動機構の滑り検出装置。
  4. 前記変速速度が、目標変速速度であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の動力伝達機構の滑り検出装置。
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