JP4161257B2 - 光ディスク用紫外線硬化型組成物及びそれを用いた光ディスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク用紫外線硬化型組成物に関し、更に詳しくは、銀又は銀を主成分とする合金の薄膜を情報記録層に有する光ディスクに使用する光ディスク用紫外線硬化型組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
貼り合わせ型光ディスクの代表例としてDVD(ディジタルバーサタイルディスク又はディジタルビデオディスク)がある。この貼り合わせ型のDVDは、少なくとも一方の基板の表面に金属の薄膜が形成された情報記録層を有する2枚の基板を、金属の薄膜を接着面にして、接着剤により貼り合わせる方法で作製する。その際に使用する接着剤としては、紫外線硬化型組成物を使用することが一般的であり、該紫外線硬化型組成物は金属薄膜の保護層としての役割も果たしている。
【0003】
なお、情報記録層は、ポリカーボネート等の光ディスク用合成樹脂基板の表面に形成された記録情報を担うピットと称する凹凸、又は該基板の表面に設けられた相変化材料等からなる層の上に、金属又は金属合金の薄膜からなる半透明膜又は反射膜の層を積層することにより形成されている。
【0004】
ところで、DVDにおいては、再生専用型の場合、貼り合わせる2枚の光ディスク基板の構成に基づき、各種のタイプが存在する。例えば、貼り合わせる2枚の基板として、共に基板の片面に記録情報を担うピットと称する凹凸を設け、情報読み取りのためのレーザー光の反射膜として、例えばアルミニウム等の層をピットの凹凸を覆うように設けることにより情報記録層(反射層)を形成し、該情報記録層を対向させて貼り合わせたもの(DVD−10)、又は2枚の内の片方には情報記録層を持たない透明な基板を使用したもの(DVD−5)、或いは一方の基板に記録情報を担うピットを設け、これを覆うように金又は金を主成分とする合金、或いはケイ素化合物等からなる半透明膜による情報記録層(半透明反射層)を形成し、他方の基板にはアルミニウムの情報記録層(反射層)を形成したもの(DVD−9)がある。さらに、片面に反射層と半透明反射層との2層を有する基板を2枚貼り合わせた構造を有するもの(DVD−18)もあり、用途によって使い分けられている。
【0005】
特に、上記の「DVD−9」及び「DVD−18」(以下、「DVD−9等」と略記する)の半透明膜としては、金又はケイ素化合物が主として使用されている。しかしながら、金は材料の値段が非常に高くコスト面で不利であり、またケイ素化合物は成膜が非常に困難であるという欠点があり、他の材料が模索されていた。
【0006】
このような中で、銀又は銀を主成分とする合金(以下、「銀系の材料」と略記する)は、記録情報を読み取るために用いられる光の反射率が他の金属に比べて高く、かつ価格が安く、成膜が容易であるという長所を持つため、DVD−9等の半透明膜に使用する材料として着目されてきた。しかしながら、銀系の材料は不安定であり、従来の紫外線硬化型接着剤を基板の貼り合わせ剤として使用した場合には、特に、高温高湿環境下に長時間暴露されると、銀系の材料からなる半透明膜の表面が変質して信号の読み取りエラーの増加や外観不良などが生じ、DVD−9等の耐久性が著しく低下するという問題があった。
【0007】
このような問題に加え、最近、半透明膜に銀系の材料を用いたDVD−9等を太陽光に暴露した場合、読み取り面側、すなわち半透明膜側から見た場合の外観変色度合いが大きくなり、L0側すなわち半透明膜側の反射率が低下し、信号特性が大幅に劣化する新たな欠点が指摘されるようになった。また、蛍光灯やハロゲン灯のような室内灯に暴露した場合にも、L0側すなわち半透明膜側の反射率が低下し、信号特性が大幅に劣化する現象も指摘されるようになった。この問題はアルミニウムの層を情報記録層に使用している従来のDVD−5や金やケイ素化合物の半透明膜を使用したDVD−9等では全く起こらず、半透明膜に銀系の材料を用いたDVD−9等の開発が検討されるようになって初めて現れた現象である。以上の状況から、高温高湿環境下に長時間暴露された場合のみではなく、太陽光や室内灯に曝露した場合でも外観変化や反射率低下が起こらない銀系の材料を情報記録層に用いたDVD−9等の開発、及びそれに使用される紫外線硬化型組成物の開発が強く望まれていた。
【0008】
銀系の材料の薄膜を形成した光ディスク用の紫外線硬化型組成物としてこれまで種々の検討が行われてきた。例えば、銀系の材料の薄膜を形成した光ディスクの高温高湿環境下における長期耐久性を改善するため、全塩素含有量を1500ppm以下とした原料から合成したエポキシアクリレートを含有する紫外線硬化型組成物で保護コーティング層を形成する技術が開示されている(特許文献1参照。)。
【0009】
また、銀系の材料の薄膜を形成した光ディスクの耐久性(信頼性)を追求するため、フェニルチオエチル(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする接着剤組成物が提案されている(特許文献2参照。)。
【0010】
更に、銀系の材料の薄膜を形成した光ディスクの接着性及び耐湿熱性を改善するため、平均分子量650のポリテトラメチレングリコールを原料成分とするウレタンアクリレートを含有する接着剤組成物が提案されている(特許文献3参照。)。
【0011】
しかしながら、上記の先行技術では、高温高湿環境下における耐久性については満足しうる改善が為されておらず、特に、太陽光に暴露した場合においては激しく黄変し、L0側の反射率が低下したり、室内灯に曝露した場合にはL0側の反射率が低下する等の問題が発生し、実用性に欠けるものであった。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−230136号公報(実施例1−実施例5)
【特許文献2】
特開2002−212514号公報
【特許文献3】
特開2002−129113号公報(第76段落(合成例1)、第83段落(実施例7、8))
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、銀又は銀を主成分とする合金を使用した情報記録層の防食性に優れた光ディスク用紫外線硬化型組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高温高湿の過酷な環境条件下、或いは、太陽光又は蛍光灯若しくはハロゲン灯のような室内灯に曝露した後でも、銀又は銀を主成分とする合金を使用した情報記録層における反射率の低下や信号の読み取りエラー(PIエラー)の増加が無く、更に、外観の変化が無い光ディスクを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記の紫外線硬化型組成物を使用することにより上記目的が達成できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0015】
すなわち本発明は、ラジカル重合性オリゴマー(A)とラジカル重合性モノマー(B)と光重合開始剤(C)を含有する紫外線硬化型組成物であって、前記ラジカル重合性オリゴマー(A)が、テトラメチレングリコール又は末端基定量法によって算出される数平均分子量が600以下のポリテトラメチレングリコール、ジイソシアネート化合物、及び同一分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させたウレタン(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする光ディスク用紫外線硬化型組成物を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、銀又は銀を主成分とする合金の薄膜が形成された情報記録層を有する光ディスクであって、前記銀又は銀を主成分とする合金の薄膜に請求項1、2又は3のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物の硬化層が直接接するように積層されていることを特徴とする光ディスクを提供するものである。
【0017】
更に、本発明は、少なくとも一方の基板の表面に銀又は銀を主成分とする合金の薄膜が形成された情報記録層を有する2枚の基板を、前記銀又は銀を主成分とする合金の薄膜を接着面にして、接着剤により貼り合わせた光ディスクであって、前記接着剤が上記光ディスク用紫外線硬化型組成物であることを特徴とする光ディスクを提供するものである。
【0018】
従来、光ディスク用の紫外線硬化型組成物には種々のウレタン(メタ)アクリレートが用いられているが、中でも、ポリテトラメチレングリコールを原料成分として使用したウレタン(メタ)アクリレートが、光ディスク用の紫外線硬化型組成物として要求される種々の特性が優れているため一般的に用いられてきた。ポリテトラメチレングリコールとしては、これまで数平均分子量として1000〜3000程度のものが使用されていた。アルミニウムや金といった反射膜や半透明膜を使用した従来の光ディスクの場合は、そのような比較的高い数平均分子量を有するポリテトラメチレングリコールを用いたウレタン(メタ)アクリレートを使用しても太陽光や蛍光灯下での外観変化やL0側の反射率の低下が無く、使用する上で何等問題が生じなかった。
【0019】
しかしながら、銀又は銀を主成分とする合金を使用したDVD−9等を開発する場合、高分子量のポリテトラメチレングリコールを原料として使用したウレタン(メタ)アクリレートを用いると、太陽光や室内灯下での外観変化やL0側の反射率の低下が起こることが判明した。そのため、銀又は銀を主成分とする合金を使用して、金やケイ素化合物を半透明膜に使用した光ディスクと同等の耐久性を有するDVD−9等を実用化するのが非常に困難な状況に陥った。このような問題を解決するため、種々検討した結果、テトラメチレングリコール又は末端基定量法によって算出される数平均分子量が600以下のポリテトラメチレングリコールを原料として使用したウレタン(メタ)アクリレートを含有する紫外線硬化型組成物が有効であることを見出し、本発明に至った。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物(以下、「本発明の組成物」という)に用いるラジカル重合性オリゴマー(A)は、必須成分としてテトラメチレングリコール又は末端基定量法によって算出される数平均分子量が600以下のポリテトラメチレングリコール、ジイソシアネート化合物と同一分子内に水酸基、及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させたウレタン(メタ)アクリレートを含有する。
【0021】
なお、本願では、アクリル酸エステル(アクリレート)とメタクリル酸エステル(メタクリレート)を併せた総称として(メタ)アクリレートと記載する。
【0022】
ポリテトラメチレングリコールとしては、末端基定量法によって算出される数平均分子量が150〜500であることが好ましく、200〜400であることがより好ましい。中でも、200〜300であることが特に好ましい。末端基定量法によって算出される数平均分子量が、このような範囲であると、銀系の材料を使用した情報記録層の耐腐食性に優れ、かつ太陽光や蛍光灯での曝露下においても反射率の低下が少なく、銀系の材料を使用したDVD−9用の接着剤として優れている。
【0023】
なお、末端基定量法によって算出される数平均分子量はJIS K 1577に記載された方法により水酸基価を測定し、以下の計算式で求めた値である。
数平均分子量=1分子中に存在する水酸基の個数×56.11×1000×1/水酸基価=2×56110×1/水酸基価
【0024】
なお、本発明で使用するウレタン(メタ)アクリレートを製造するためのジオールとしては、テトラメチレングリコール又は末端基定量法によって算出される数平均分子量が600以下のポリテトラメチレングリコール以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、他のジオールを併用することもできる。そのような化合物としては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、3−メチルペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、等がある。併用する化合物としては、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオールが好ましい。また、併用する量としては、ジオール全体に対し、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。中でも、10質量%以下であることが特に好ましい。
【0025】
また、上記のウレタン(メタ)アクリレートを製造するためのジイソシアネート化合物としては、公知の化合物を使用することができる。そのような化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジメチルジイソシアネート等のジイソシアネートが挙げられる。中でも、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートを用いることが好ましく、2,4−トリレンジイソシアネートを用いることが最も好ましい。
【0026】
同一分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等を用いることができる。中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを用いることが最も好ましい。
【0027】
テトラメチレングリコール又は末端基定量法によって算出される数平均分子量が600以下のポリテトラメチレングリコールとジイソシアネート化合物と同一分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させる方法としては、公知の方法を用いることができる。特に制限はされないが、例えば以下(A)から(C)の方法によって行われる。
(A)テトラメチレングリコール又は末端基定量法によって算出される数平均分子量が600以下のポリテトラメチレングリコールとジイソシアネート化合物とを反応させ、続いて同一分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させる。
(B)テトラメチレングリコール又は末端基定量法によって算出される数平均分子量が600以下のポリテトラメチレングリコールとジイソシアネート化合物と同一分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を一括に仕込んで反応させる。
(C)同一分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物とジイソシアネート化合物を反応させ、続いてテトラメチレングリコール又は末端基定量法によって算出される数平均分子量が600以下のポリテトラメチレングリコールを反応させる。
【0028】
また、これらを反応させたウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量としては、700〜4000であることが好ましく、800〜1500であることがより好ましい。中でも、900〜1200であることが特に好ましい。なお、ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量はGPCによる測定値である。測定条件は以下の通りである。
GPC装置:東ソー(株)社製 HLC8020
カラム:GMHXL + GMHXL + G2000HXL + G1000HXL
濃度:100mg / 5ml (≒2.5%)
流速:1ml / 分
溶媒:テトラヒドロフラン
【0029】
ラジカル重合性オリゴマー(A)としては、他の公知のオリゴマーを併用することができる。そのようなオリゴマーとしては、例えば、原料成分としてポリエチレングリコール、又はポリプロピレングリコールを用いたウレタン(メタ)アクリレート、あるいは種々の構造のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等がある。
【0030】
テトラメチレングリコール又は末端基定量法によって算出される数平均分子量が600以下のポリテトラメチレングリコールを原料成分として反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの使用量は、本発明の組成物全体に対して、5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。中でも、20〜40質量%であることが特に好ましい。5質量%より少ない場合、銀系の材料を半透明膜に使用した光ディスクの耐久性が不十分となり、また60質量%より多い場合は基板との接着性が低下するので好ましくない。
【0031】
ラジカル重合性モノマー(B)としては、公知の化合物が使用できるが、単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】
また、多官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0033】
以上の中でも、好ましい化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートがある。特に好ましい化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートである。これらの化合物は、銀又は銀を主成分とする合金を使用した情報記録層の防食性に優れているため好ましい。
【0034】
ラジカル重合性モノマー(B)の使用量は、本発明の組成物全体に対して、5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。中でも、30〜70質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると銀又は銀を主成分とする合金を使用した情報記録層の防食性に優れているため好ましい。
【0035】
本発明の組成物に使用する光重合開始剤(C)は、公知慣用のものがいずれも使用できるが、分子開裂型又は水素引き抜き型の化合物が好適である。
【0036】
光重合開始剤(C)としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6―トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等が好適に用いられ、また、これら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらには、水素引き抜き型光重合開始剤であるベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
【0037】
本発明の組成物では増感剤を使用することができる。例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を使用することができる。もちろん、上記光重合開始剤や増感剤は、本発明の組成物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
【0038】
以上の中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルが好ましい。光重合開始剤(C)の使用量は、本発明の組成物全体に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。中でも、3〜8質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると十分な硬化性を有するため好ましい。
【0039】
(A)〜(C)成分の含有量が、本発明の組成物中、(A)成分が5〜60質量%、(B)成分が5〜95質量%、(C)成分が0.1〜20質量%であることが好ましい。(A)成分として水酸基価換算で250のポリテトラメチレングリコール、2,4−トリレンジイソシアネート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを反応させたウレタン(メタ)アクリレート(B)成分としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレート、及びテトラヒドロフルフリルアクリレート、(C)成分として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを併用することが特に好ましい。
【0040】
また、本発明の組成物には、必要に応じて、他の添加剤を使用することができる。例えば、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、ホスファイト等に代表される酸化防止剤、可塑剤およびエポキシシラン、メルカプトシラン、(メタ)アクリルシラン等に代表されるシランカップリング剤等を、各種特性を改良する目的で配合することもできる。これらは、本発明の組成物への溶解性に優れたもの、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いる。
【0041】
本発明の組成物としては、常温〜40℃において、液状であることが好ましい。溶媒は用いない方が好ましく、用いたとしても極力少量に留めるのがよい。また、本発明の組成物をスピンコーターで塗布する場合には、粘度を20〜10000mPa・sとなるように調整するのが好ましく、比較的厚膜とする場合は100〜1000mPa・sに調整するのが良い。
【0042】
次に、本発明の組成物を用いた光ディスクの実施形態を好ましい様態に基づいて説明する。
【0043】
(DVD−9の製造)
記録情報を担うピットと称する凹凸の上に40〜60nmの金属薄膜(反射層)が積層された円盤状プラスチック基板(D)1枚と、記録情報を担うピットと称する凹凸の上に10〜30nmの銀系の材料の半透明膜(半透明反射層)が積層された円盤状プラスチック基板(E)1枚を用意する。
【0044】
なお、前記金属薄膜としては、例えばアルミニウムを主成分とするものや銀系の材料を使用することができる。また、前記円盤状プラスチック基板としては、光ディスク用基板として公知のものが使用できる。例えば、アモルファスポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等が挙げられるが、特にポリカーボネート基板を使用することが好ましい。
【0045】
また、本発明の組成物を使用した光ディスクに用いられる「銀を主成分とする合金」としては、純銀や銀合金が挙げられる。銀合金では例えばUSP6007889記載のものが挙げられる。製品名としてはターゲットテクノロジー社製TTP−40、TTP−46等が挙げられる。これらの中でもTTP−40、TTP−46を使用するのが好ましい。
【0046】
次いで、本発明の組成物を前記基板(D)の金属薄膜上に塗布し、更に、半透明膜が積層された前記基板(E)を、半透明膜の膜面が接着面となるように、金属薄膜面に塗布された本発明の組成物を介して基板(D)と貼り合わせ、この貼り合わせた2枚の基板の片面又は両面から紫外線を照射して、両者を接着させ「DVD−9」とする。
【0047】
更に、前記のDVD−9を製造した後に、基板(D)上に形成された金属薄膜(反射層)を基板(E)側に残したまま、基板(D)のみを剥離することにより、基板(E)/半透明膜(半透明反射層)/本発明の組成物の硬化膜/金属薄膜(反射層)が順次積層されたディスク中間体を作製する。そのようなディスク中間体を2枚用意する。次いで、この2枚のディスク中間体の金属薄膜(反射層)を接着面として、それらが対向するように接着し、その後、この貼り合わせた2枚のディスク中間体に紫外線を照射すると「DVD−18」が得られる。この際、金属薄膜(反射層)として銀系の材料を使用した場合には、ディスク中間体同士を貼り合わせる材料としても、本発明の組成物を用いることが好ましい。そうすることにより、金属薄膜の劣化を防止することができる。
【0048】
(DVD−10の製造)
記録情報を担うピットと称する凹凸の上に、銀系の材料による40〜60nmの薄膜が積層された円盤状プラスチック基板2枚(F1)及び(F2)を用意する。片方の基板(F1)の前記薄膜上に本発明の組成物を塗布し、もう片方の基板(F2)を薄膜の膜面が接着面となるように、基板(F1)の薄膜面に塗布された本発明の組成物を介して基板(F1)と貼り合わせ、この貼り合わせた2枚の基板の片面又は両面から紫外線を照射して、両者を接着させ「DVD−10」とする。
【0049】
(DVD−5の製造)
記録情報を担うピットと称する凹凸の上に、銀系の材料による40〜60nmの薄膜が積層された円盤状プラスチック基板(G)を用意する。別に、円盤状プラスチック基板(H)を用意する。基板(G)の前記薄膜上に本発明の組成物を塗布し、基板(H)を基板(G)の薄膜面に塗布された本発明の組成物を介して基板(G)と貼り合わせ、この貼り合わせた2枚の基板の片面又は両面から紫外線を照射して、両者を接着させ「DVD−5」とする。
【0050】
紫外線照射にあたっては、例えばメタルハライドランプ、高圧水銀灯などを用いた連続光照射方式で行うこともできるし、USP5904795記載の閃光照射方式で行うこともできる。効率よく硬化出来る点で閃光照射方式がより好ましい。
【0051】
本発明の組成物を使用する光ディスクのタイプとして、好ましくは、再生専用型DVDである「DVD−5」、「DVD−10」、「DVD−9」及び「DVD−18」、書き込み可能型のDVD−R、DVD+R、書き換え可能型のDVD−RW、DVD+RW、DVD−RAM等のDVDである。特に好ましくは「DVD−9」である。しかし、本発明の組成物を好適に使用できる光ディスクはこれらのみに限定されず、銀系の材料の薄膜を情報記録層(光反射層)とするCD−ROM又はCD−Rなどの保護コート剤として本発明の組成物を用いても良く、何れの場合でも優れた耐久性の光ディスクを得ることができる。勿論、本発明の組成物を保護コート剤として使用する場合も、本発明の組成物による硬化層を銀系の材料の薄膜に直接接するように積層する必要がある。
【0052】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下実施例中の「部」は「質量部」を表す。
【0053】
<実施例1>
1,4−ブタンジオール(1,4BD):1モルと2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)2モル反応後、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)2モルを反応させて得たウレタンアクリレート30部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(TCDMA)25部、4モルのEO変性ビスフェノールA型ジアクリレート(EOBPA)20部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)18.5部、エチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート(EOPMA)0.2部、ジメチルアミノ安息香酸エチル(DMAEB)0.3部、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(TMBPPO)2部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(HCHPK)4部を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
【0054】
<実施例2>
上記実施例1において1,4−ブタンジオールに変えて末端基定量法によって算出される数平均分子量250のポリテトラメチレングリコール(BASFジャパン株式会社製 POLYTHF250)を用いた以外は実施例1と同様にして紫外線硬化型組成物を調製した。
【0055】
<実施例3>
上記実施例1において1,4−ブタンジオール:1モルと2,4−トリレンジイソシアネート2モル反応後、ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレートに変えてポリテトラメチレングリコール(末端基定量法によって算出される数平均分子量250):(BASFジャパン株式会社製POLYTHF250)2モルと2,4−トリレンジイソシアネート3モル反応後、ヒドロキシエチルアクリレート2モルを用いた以外は実施例1と同様にして紫外線硬化型組成物を調製した。
【0056】
<実施例4>
上記実施例2に添加剤としてIrganox1520L(チバスペシャルティケミカルズ社製 )0.2部を追加した以外は実施例2と同様にして紫外線硬化型組成物を作成した。
【0057】
<実施例5>
上記実施例1において1,4−ブタンジオールに変えて末端基定量法によって算出される数平均分子量450のポリテトラメチレングリコールを(BASFジャパン株式会社製 POLYTHF250とBASFジャパン(株)会社製 POLYTHF650を組み合わせ)用いた以外は実施例1と同様にして紫外線硬化型組成物を調製した。
【0058】
<実施例6>
上記実施例1において1,4−ブタンジオールに変えて末端基定量法によって算出される数平均分子量550のポリテトラメチレングリコール(BASFジャパン株式会社製 POLYTHF250とBASFジャパン(株)会社製 POLYTHF850を組み合わせ)を用いた以外は実施例1と同様にして紫外線硬化型組成物を調製した。
【0059】
<比較例1>
上記実施例1において1,4−ブタンジオールに変えてポリテトラメチレングリコール(末端基定量法によって算出される数平均分子量650):(保土ヶ谷化学株式会社製 PTG 650SN)を用いた以外は実施例1と同様にして、紫外線硬化型組成物を調製した。
【0060】
<比較例2>
上記実施例1において1,4−ブタンジオールに変えてポリテトラメチレングリコール(末端基定量法によって算出される数平均分子量850):(保土ヶ谷化学株式会社製 PTG 850SN)を用いた以外は実施例1と同様にして、紫外線硬化型組成物を調製した。
【0061】
<比較例3>
上記実施例1において1,4−ブタンジオールに変えてポリテトラメチレングリコール(末端基定量法によって算出される数平均分子量1000):(保土ヶ谷化学株式会社製 PTG 1000SN)を用いた以外は実施例1と同様にして、紫外線硬化型組成物を調製した。
【0062】
<比較例4>
上記実施例1において1,4−ブタンジオールに変えてポリテトラメチレングリコール(末端基定量法によって算出される数平均分子量2000):(保土ヶ谷化学株式会社製 PTG 2000SN)を用いた以外は実施例1と同様にして、紫外線硬化型組成物を調製した。
【0063】
<比較例5>
上記実施例1において1,4−ブタンジオールに変えてポリプロピレングリコール(末端基定量法によって算出される数平均分子量8000):(保土ヶ谷化学株式会社製 PPG 8000)を用いた以外は実施例1と同様にして、紫外線硬化型組成物を調製した。
【0064】
実施例1〜6及び比較例1〜5の組成物を用いて、下記試験方法により銀合金の半透明膜を用いた「DVD−9」の貼り合わせディスクの耐久性を評価した。実施例1〜6及び比較例1〜5の組成を表1に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
≪銀合金の「DVD−9」貼り合わせディスク耐久性試験≫
1.DVD−9サンプルの作製
記録情報のピットが形成され、アルミニウムが50nm積層されたポリカーボネート円盤に上記各実施例および比較例の紫外線硬化型組成物をディスペンサで塗布し、半透明膜として銀を主成分とする合金が積層されたポリカーボネート円盤を重ね合わせた。次いでスピンコーターで硬化塗膜の膜厚が約50〜60μmになるよう回転させた。次いで、ウシオ電機株式会社製「クセノンフラッシュ照射装置 SBC−04型」を用い、設定電圧1800Vで、銀合金半透明膜付きの基板側から空気中で10ショット紫外線を照射して、各組成物のDVD−9サンプルを作製した。
【0067】
2.高温・硬湿試験
作製したDVD−9サンプルを80℃・85%RHの環境に設定した環境試験器中に1000時間放置した。各サンプルについて、高温・硬湿試験前後のPIエラー(信号特性の評価)、反射率及び外観特性を評価した。環境試験器としては楠本化成株式会社製「エタック恒温恒湿器SD01」を使用した。また、PIエラー、及び反射率の測定は、ソニー・プレシジョン・テクノロジー株式会社製「DVDテスター DQL−300D」により行った。なお、PIエラーは銀合金半透明膜付き基板側(L0側)の最大値とアルミニウム反射膜付き基板側(L1側)の最大値とを評価値とした。外観特性は、外観の状態および銀合金半透明膜の変質状況について目視観察し、評価した。
【0068】
3.太陽光(サンテスト)暴露試験
太陽光暴露試験器として東洋精機株式会社製 サンテストXLS+を使用して、550W/m2、BST=65℃にて5日間の曝露試験を行った。暴露試験前後の各サンプルについて、上記の方法にてPIエラー、反射率、外観特性を評価した。
【0069】
4.蛍光灯暴露試験
蛍光灯暴露試験として20Wの蛍光灯2本の前に、蛍光灯の中心から10cmの距離の位置で読みとり面側を蛍光灯に対向させ、5日間の曝露試験を行った。暴露試験前後の各サンプルについて、上記の方法にてPIエラー、反射率、外観特性を評価した。
【0070】
さらに、上記環境曝露負荷前後での前記各評価結果から、貼り合わせ光ディスクとしての総合評価を行った。評価結果は表2及び表3に示した。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
表2、表3中で、◎は最も良好、○は良好、×は不良の評価結果を表わす。NGは測定不能であった。また、( )内は目視観察状態の結果を示す。
【0073】
表1の結果より、テトラメチレングリコール又は末端基定量法によって算出される数平均分子量が600以下のポリテトラメチレングリコールを原料として反応させたウレタン(メタ)アクリレートを含有する実施例1〜6の組成物は銀合金の半透明膜を用いたDVD−9による耐久性評価結果でPIエラーおよび外観特性、サンテスト暴露試験、蛍光灯暴露試験の全評価項目が良好であり、高耐久性であることが判る。これに対し、比較例1〜5では、PIエラーおよび外観特性、サンテスト暴露試験、蛍光灯暴露試験において評価は著しく不良であり、低耐久性のディスクであった。
【0074】
【発明の効果】
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は銀又は銀を主成分とする合金を使用した情報記録層の防食性に優れているため、該情報記録層を有する光ディスクにおいて、高温高湿下で長時間曝露されたり、太陽光、蛍光灯又はハロゲン灯等に曝露された後でも、銀又は銀を主成分とする合金を使用した情報記録層における反射率の低下、信号の読み取りエラー(PIエラー)の増加及び外観の変化が起こらない。このため、半透明膜又は反射膜材料として、銀又は銀を主成分とする合金を使用することが可能となり、低価格で信頼性の高い光ディスクの生産が実現できるという著しい効果を奏する。
Claims (5)
- 銀又は銀を主成分とする合金の薄膜が形成された情報記録層を有する光ディスクに使用する光ディスク用紫外線硬化型組成物であって、ラジカル重合性オリゴマー(A)とラジカル重合性モノマー(B)と光重合開始剤(C)を含有する紫外線硬化型組成物であって、前記ラジカル重合性オリゴマー(A)が、テトラメチレングリコール又は末端基定量法によって算出される数平均分子量が600以下のポリテトラメチレングリコール、ジイソシアネート化合物、及び同一分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させたウレタン(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする光ディスク用紫外線硬化型組成物。
- 前記ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量が、700〜4000である請求項1記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
- 前記ジイソシアネート化合物が、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートであり、前記同一分子内に水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート又は2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートである請求項1又は2のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
- 前記ラジカル重合性モノマー(B)がトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
- 少なくとも一方の基板の表面に銀又は銀を主成分とする合金の薄膜が形成された情報記録層を有する2枚の基板を、前記銀又は銀を主成分とする合金の薄膜を接着面にして、接着剤により貼り合わせた光ディスクであって、前記接着剤が請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物であることを特徴とする光ディスク。
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