JP4159700B2 - シクロヘキシルメタノール - Google Patents
シクロヘキシルメタノール Download PDFInfo
- Publication number
- JP4159700B2 JP4159700B2 JP11076099A JP11076099A JP4159700B2 JP 4159700 B2 JP4159700 B2 JP 4159700B2 JP 11076099 A JP11076099 A JP 11076099A JP 11076099 A JP11076099 A JP 11076099A JP 4159700 B2 JP4159700 B2 JP 4159700B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fragrance
- compound
- cyclohexylmethanol
- formula
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 C[C@](CC(NC1)=C)[C@@]1C1CCC(C*)CC1 Chemical compound C[C@](CC(NC1)=C)[C@@]1C1CCC(C*)CC1 0.000 description 1
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Detergent Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Fats And Perfumes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はボリューム感のあるフローラル香気を有し、トイレタリー用品等への賦香成分として有用な新規化合物及びそれを含有する香料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、シクロヘキシルアルカノール類には有用な香料化合物が知られている。例えば、特公昭55−23242 号公報には4−イソプロピルシクロヘキシルメタノールが鈴蘭の花を想起させる匂いを有すること、特公昭62−7176号公報には4−t−ブチルシクロヘキシルメタノールが白檀様の芳香を有することが記載されている。また、特公昭60−7495号公報には、種々のシクロヘキシルメタノール類が悪臭除去作用を持つことが記載されている。しかし、化合物の香気はわずかな構造の違いにより全く異なるのが一般的であり、そのため種々の化合物を合成しその香気を検討することは新しい香料を得るためには極めて重要である。
【0003】
また香料の調合素材に関しては低価格であること、化学的に安定であること、新しい香りであること等の様々な要望が存在する。従来、フローラル様香気を有する香料素材は数多く知られているが、よりボリューム感のある素材が求められていた。
【0004】
本発明の課題は、ボリューム感のあるフローラル香気を有し、トイレタリー用品等への賦香成分として有用な新規化合物及びそれを含有する香料組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式(I)で表されるシクロヘキシルメタノール(以下シクロヘキシルメタノール(I)という)及びそれを含有する香料組成物を提供する。
【0006】
【化2】
【0007】
【発明の実施の形態】
シクロヘキシルメタノール(I)は、例えば以下の方法によって製造することができる。
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、R1は前記の意味を示す。)
即ち、まず4−ヒドロキシメチルシクロヘキサンカルバルデヒド(II)を水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基性触媒存在下、アセトン又はメチルエチルケトン(III) と反応させ、α, β−不飽和ケトン(IV)を得る。この反応は0〜50℃の温度で行うのが好ましい。次に三塩化セリウム等のセリウム塩の存在下、カルボニル基のみを還元して化合物(V)を得た後、脱水することで、シクロヘキシルメタノール(I)を得る。カルボニル基のみの還元は、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用い、0〜60℃の温度で、メタノール等の溶媒中で行うのが好ましい。脱水は、リン酸、硫酸等の無機酸又はp−トルエンスルホン酸等の有機酸の存在下、トルエン、キシレン、アセトン等の溶媒中、50〜150 ℃の温度で行うのが好ましい。
【0010】
このような方法によると、シクロヘキシルメタノール(I)は、オレフィン非共役体、オレフィン共役トランス体及びシス体の混合物として得られるが、混合物のままで香料組成物の賦香成分として用いることができる。
【0011】
シクロヘキシルメタノール(I)はボリューム感のあるフローラル香気を有することから、単独でまたは他の成分と組み合わせて、石鹸、シャンプー、リンス、洗剤、化粧品、スプレー製品、芳香剤等のトイレタリー用品の賦香成分として使用できる。
【0012】
本発明の香料組成物は、所望組成の調合香料にシクロヘキシルメタノール(I)を配合して得られる。シクロヘキシルメタノール(I)の配合量は、調合香料の種類、目的とする香気の種類及び香気の強さ等により異なるが、組成物中0.1 〜90重量%が好ましく、特に 0.5〜50重量%が好ましい。
【0013】
【実施例】
例中の部及び%は特記しない限り重量基準である。
【0014】
実施例1(本発明化合物1の合成)
【0015】
【化4】
【0016】
フラスコに、2.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液5mLとアセトン20mLを加え攪拌した。ここに12.8gの4−ヒドロキシメチルシクロヘキサンカルバルデヒドを30mLのアセトンに溶解させた溶液を10℃で3時間かけ滴下した。室温で1時間攪拌後、20mLの飽和塩化アンモニウム水溶液をゆっくり滴下して反応を止めた。反応混合物に酢酸エチルを加え抽出操作を行い、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、トルエン350mL 、p−トルエンスルホン酸0.75g、硫酸マグネシウム15gを加え、80℃で3時間攪拌した後、 110℃で脱水操作を1時間行った。放冷後、水洗し、蒸留を行い、対応するα, β−不飽和ケトン体を 3.9g得た。得られたα, β−不飽和ケトンを50mLのメタノールに溶かし 7.6gの三塩化セリウム六水和物を加えて攪拌した。氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム0.81gを15分で加えた。3時間攪拌後、氷水を加え反応を止めた。反応混合物を酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、トルエン300mL 、p−トルエンスルホン酸 0.3gを加え、 110℃で脱水操作を1時間行った。放冷後、水洗し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル1/ヘキサン4)で精製し、本発明化合物1を 2.8g得た(収率19%)。このものは式(1-1) で表されるオレフィン非共役体2%、式(1-2) で表されるオレフィン共役トランス体82%、式(1-3) で表されるシス体16%の組成を有していた。
【0017】
【化5】
【0018】
1H−NMR(CDCl3 ,d ppm):
0.9-2.4(m,10H), 3.45(d,2H), 4.9-5.2(m,1H), 5.5-5.7(m,2H), 5.9-6.4(m,2H)
IR(KBr, neat, cm-1):
3328, 2922, 2852, 1651, 1603
本発明化合物1はフローラル、グレープフルーツ様でボリューム感のある匂いを有していた。
【0019】
実施例2(本発明化合物2の合成)
【0020】
【化6】
【0021】
原料としてアセトンに代えてメチルエチルケトンを用い、実施例1と同様に合成して本発明化合物2を収率18%で得た。このものは式(2-1) で表されるオレフィン非共役体2%、式(2-2)で表されるオレフィン共役トランス体88%、式(2-3)で表されるシス体10%の組成を有していた。
【0022】
【化7】
【0023】
1H−NMR(CDCl3 ,d ppm):
0.9-2.4(m,10H), 1.80(s,3H), 3.46(d,2H), 4.9-5.7(m,3H), 6.2-6.5(m,1H)
IR(KBr, neat, cm-1):
3338, 2920, 2850, 1641, 1606
本発明化合物2はフローラル、グレープフルーツ様でボリューム感のある匂いを有していた。
【0024】
以下本発明の香料組成物の処方例を示す。
処方例1
下記柑橘タイプの調合香料 800部に本発明化合物1を 200部加えることにより、甘さ・ボリューム感のある、グレープフルーツ調の柑橘タイプの調合香料組成物が得られた。
【0025】
処方例2
下記ローズ・ミューゲタイプの調合香料 800部に本発明化合物2を 200部加えることにより、シトロネロール様の柔らかさとグレープフルーツ様のニュアンスを持ち、爽やかさとボリュームのあるローズ・ミューゲタイプの調合香料組成物が得られた。
【0026】
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11076099A JP4159700B2 (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | シクロヘキシルメタノール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11076099A JP4159700B2 (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | シクロヘキシルメタノール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000302712A JP2000302712A (ja) | 2000-10-31 |
JP4159700B2 true JP4159700B2 (ja) | 2008-10-01 |
Family
ID=14543882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11076099A Expired - Fee Related JP4159700B2 (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | シクロヘキシルメタノール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4159700B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002109180A (ja) | 2000-10-02 | 2002-04-12 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 市場調査システム及び商品情報評価システム並びにこれらを備えた電子商取引システム |
JP4102412B2 (ja) | 2006-06-26 | 2008-06-18 | 花王株式会社 | アルコール系化合物 |
-
1999
- 1999-04-19 JP JP11076099A patent/JP4159700B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000302712A (ja) | 2000-10-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4159700B2 (ja) | シクロヘキシルメタノール | |
JP3833347B2 (ja) | 香料組成物 | |
JP2653027B2 (ja) | 3−(ヘキセニルオキシ)−プロパン−ニトリル、その製造方法及び香料或いは香料組成物 | |
JP2837210B2 (ja) | 香料組成物又は賦香製品の芳香特性を授与、促進、改良又は変更する方法、香料組成物、賦香製品、脂環式エステル及びその製法 | |
JP3271785B2 (ja) | 8−ヒドロキシ−8−メチルノナナールを含有する香料組成物 | |
JPH0749593B2 (ja) | 2―シクロヘキシルプロピオン酸またはその誘導体を含有する調合香料組成物 | |
JP4027471B2 (ja) | 新規シクロヘキシルアルカノール類及びそれを含有する香料組成物 | |
JP5209307B2 (ja) | 香料におけるβ置換テトラヒドロピラン(テトラヒドロピラノン)及びその使用 | |
JP5014732B2 (ja) | アンテイソ脂肪族アルデヒドの製造方法およびこれを含有する香料組成物 | |
JPH045656B2 (ja) | ||
JP2000226357A (ja) | シス型不飽和エステル、その製造方法及びそれを含有する香料組成物 | |
JP3574861B2 (ja) | 3−(3−へキセニル)−2−シクロペンテノンを含有する香料組成物 | |
JP2838656B2 (ja) | ヒノキチオール及びその中間生成物の製造方法 | |
JP3462319B2 (ja) | 香料組成物 | |
JP2815893B2 (ja) | 3―および4―(4―ヒドロキシ―4―メチルペンチル)―3―シクロヘキセン―1―カルボキシアルデヒドのアセタール類並びに該化合物を有する香料組成物 | |
JP2630470B2 (ja) | 2―シクロヘキシルプロピルアセテートを含有する香料組成物 | |
JP3756332B2 (ja) | シクロヘキシルアルカノール類 | |
JP4156127B2 (ja) | アルキルシクロヘキサノン | |
JP5080776B2 (ja) | エステル化合物 | |
KR20140084082A (ko) | 신규한 사이클로알칸 알데하이드, 이의 제조 방법, 및 항료 산업에서 이의 용도 | |
JP2512401B2 (ja) | メチル−4,6−0−(7−ヒドロキシ―3,7−ジメチル)オクチリデン−d−グリコシド | |
JP2771241B2 (ja) | 3―および4―(4―ヒドロキシ―4―メチルペンチル)―3―シクロヘキセン―1―カルボキシアルデヒドジエチルアセタールを含有する香料組成物 | |
JP2686828B2 (ja) | 2―シクロヘキシルプロパノール誘導体及びこれを含有する香料組成物 | |
JPH10168029A (ja) | アルキル 5−ヒドロキシアルカノエートの製法および香料組成物 | |
JP2545289B2 (ja) | γーイオノン類の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050907 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050907 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080715 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080716 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |