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JP4159294B2 - 流体移送用ホース - Google Patents

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JP4159294B2
JP4159294B2 JP2002049397A JP2002049397A JP4159294B2 JP 4159294 B2 JP4159294 B2 JP 4159294B2 JP 2002049397 A JP2002049397 A JP 2002049397A JP 2002049397 A JP2002049397 A JP 2002049397A JP 4159294 B2 JP4159294 B2 JP 4159294B2
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海上で油などの流体を移送する流体移送用ホースに関し、更に詳しくは、漏洩流体がホース外部に漏出するのを防止するようにした流体移送用ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、海上で油などの流体を移送するのに用いられる流体移送用ホースは、内面ゴム層と外面ゴム層との間に主補強層と補助補強層を設けた構成になっている。主補強層は、補助補強層より内周側に配置され、内面ゴム層の内周側を移送される流体に対して、耐圧力層として作用している。他方、主補強層の外周側に配置される補助補強層は、主補強層が破損した際に主補強層に代わって耐圧力層として働き、破損した主補強層から漏洩する流体がホース外部へ漏れ出すのを防ぐものである。
【0003】
ところで、上述した流体移送用ホースは、海上あるい海中の浮遊物などが衝突し、その衝撃により外周側に配置した補助補強層が破損するということがしばしば発生する。その破損が補助補強層の内部まで及んでいると、主補強層が疲労により破損し、流体が主補強層から漏出した際に、補助補強層で漏出流体を防ぐことができず、破損箇所からホース外部に漏洩するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、主補強層が破損しても移送流体がホース外部に漏出するのを補助補強層により確実に防止することが可能な流体移送用ホースを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、内面ゴム層(1)と外面ゴム層(6)との間に、主補強層(5)と補助補強層(2)とを前記補助補強層(2)が前記主補強層(5)の内周側になるように配置し、これら主補強層(5)と補助補強層(2)とを、それぞれホース長手方向(X)に対して傾斜配列した補強コード(n、m)をゴム被覆した複数の補強層を、隣接する補強層間で補強コード(n、m)がホース長手方向(X)に対して互いに逆向きに傾斜交差するように積層した構成にし、前記主補強層(5)の補強コード(n)のホース長手方向(X)に対する傾斜角度βをβ≦54.73°、前記補助補強層(2)の補強コード(m)のホース長手方向(X)に対する傾斜角度αを前記傾斜角度βより大きく、α≧54.73°にし、前記外面ゴム層(6)の内周側に前記主補強層(5)を接着する一方、前記内面ゴム層(1)の外周側に前記補助補強層(2)、ワイヤ補強層(3)及びカバーゴム層(4)の順に積層接着し、前記主補強層(5)と前記カバーゴム層(4)との間に無接着層(7)を配置したことを特徴とする。
【0006】
このように補助補強層を内周側に、主補強層を外周側に配置することで、補助補強層が衝撃などの外部要因により破損することがない。そのため、耐圧層として作用する主補強層が疲労、あるいは衝撃などの外部要因により破損しても、主補強層に代わって作用する補助補強層により移送流体を内面ゴム層の内周側に確実に保持することができる。従って、主補強層が破損しても移送流体がホース外部に漏出するのを確実に防止することが可能になる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明の流体移送用ホースの一例を示し、円管状の内面ゴム層1の外周側に補助補強層2が配設され、この補助補強層2の外周側にワイヤ補強層3を介してカバーゴム層4が積層されている。カバーゴム層4の外周側には主補強層5が配置され、この主補強層5の外周側に外面ゴム層6が設けられている。
【0009】
内面ゴム層1、補助補強層2、ワイヤ補強層3、及びカバーゴム層4の各層間は、それぞれ接着されて一体構造になっている。他方、主補強層5と外面ゴム層6が接着され、両者は一体構造にしてある。カバーゴム層4と主補強層5との間は接着されておらず、その層間は無接着にした無接着層7になっている。
【0010】
補助補強層2は、ホース長手方向に対して傾斜配列した補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層から構成されている。隣接する補強層は、図2に示すように、補強コードmがホース長手方向Xに対する傾斜方向を逆向きにして交差するように積層され、補強コードmのホース長手方向Xに対する傾斜角度αがα≧54.73°で、静止角度以上になっている。この補助補強層2に使用される補強層の層数としては、例えば、20層前後にすることができる。
【0011】
ワイヤ補強層3は、スチールワイヤwを補助補強層2の外周に螺旋状に巻回した構造にしている。
【0012】
主補強層5は、補助補強層2と同様に、ホース長手方向に対して傾斜配列した補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を、隣接する補強層の補強コードnがホース長手方向Xに対する傾斜方向を逆向きにして交差するように積層してある。補強コードnのホース長手方向Xに対する傾斜角度βはβ≦54.73°で、静止角度以下に設定されている。傾斜角度α,βが上記のような範囲において、傾斜角度αと傾斜角度βの差は5°以上あり、傾斜角度αが傾斜角度βより5°以上大きくなっている。この主補強層5に使用される補強層の層数としては、例えば、14〜20層にすることができる。
【0013】
主補強層5の補強コードnは、補助補強層2の補強コードmより弾性率が大きいコード材料から構成されている。例えば、主補強層5の補強コードnをポリエステルコードにするのに対して、補助補強層2の補強コードmをナイロンコードにすることができる。また、主補強層5の補強コードnをスチールコード、補助補強層2の補強コードmをポリエステルコードにしてもよい。
【0014】
上述した流体移送用ホースによれば、内面ゴム層1内を移送される流体に対して、従来と同様に、主補強層5が耐圧層として作用し、補助補強層2は主補強層5が破損した際に主補強層5に代わって耐圧力層として作用(主補強層5が耐圧層として作用している間は、補助補強層2の補強コードmには負荷が加わらず、主補強層5が破損して始めて補助補強層2の補強コードmに負荷が加わり、耐圧力層として作用)する。
【0015】
内周側に配置された補助補強層2は、衝撃などの外部要因により破損することがないので、高圧で移送される流体を保持していた主補強層5が疲労、あるいはホース外部からの衝撃などにより破損しても、補助補強層2により内面ゴム層1内に流体が保持されるので、ホース外部に流体が漏出することがない。
【0016】
主補強層5が破損してそれが内部まで進行すると、主補強層5の切断された補強コードnが張力バランスを失って補強コードnの傾斜角度βを小さくしながらホース長手方向Xに伸びるため、外面ゴム層6もそれに引きずられて伸長し、ホース外観が変化する。その外観変化から、主補強層5の破損を知ることができるため、その外観変化を発見した際に、流体移送用ホースを交換すればよい。
【0017】
即ち、従来の補助補強層を主補強層の外周側に配置した流体移送用ホースでは、外部要因により補助補強層が破損しても、主補強層が作用しているため、補助補強層は変形せずにそのままの形状を維持し、上述したようなホース外観変化は起こらない。そのため、補助補強層の破損が内部まで進行していることがわからないので、前述した問題があったが、上記のように補助補強層2を内周側、主補強層5を外周側に配置することで、主補強層5の破損時に必ず補助補強層2を作用させ、移送流体がホース外部に漏れ出すのを確実に防止できるのである。
【0018】
主補強層5と補助補強層2との間には無接着層7が設けられているので、主補強層5が上記のように伸長しても、補助補強層2はその影響を受けることがない。
【0019】
図3は、本発明の流体移送用ホースの他の例を示す。この流体移送用ホースは、上述した無接着層7の代わりに、スポンジゴムや発泡ポリウレタンなどからなる気泡を有するフロート層8を設けたものである。このフロート層8はホースを海上に浮遊させる働きをするが、このようなフロート層8を設けたホースであっても、上述と同様の効果を得ることができる。
【0020】
本発明において、移送流体の漏出防止を一層確実にするため、無接着層7またはフロート層8に補助補強層2の破損を検知する検知手段を設けるようにしてもよい。
【0021】
即ち、製造不良などにより補助補強層2に欠陥が生じている場合があり得る。その場合に補助補強層2が主補強層5よりも早く破損してしまうと、主補強層5が破損した際に移送流体がホース外部に漏出する。それを防ぐために、上記検知手段を設置するのである。
【0022】
補助補強層2の破損により無接着層7またはフロート層8に漏出した流体を検知手段により検知することで、補助補強層2の破損を知ることができる。この検知手段としては、従来公知のものが使用でき、例えば、無接着層7またはフロート層8に漏出した流体の圧力を検出して回路をオンあるいはオフにするトランスポンダなどを使用することができる。
【0023】
【発明の効果】
上述したように本発明は、内面ゴム層と外面ゴム層との間に主補強層と補助補強層を設けた流体移送用ホースにおいて、補助補強層を主補強層の内周側に配置したので、主補強層が破損しても移送流体がホース外部に漏れ出すのを補助補強層により確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体移送用ホースの一例を示す要部半断面図である。
【図2】補助補強層と主補強層の補強コードの傾斜角度を示す要部説明図である。
【図3】本発明の流体移送用ホースの他の例を示す要部半断面図である。
【符号の説明】
1 内面ゴム層 2 補助補強層
3 ワイヤ補強層 4 カバーゴム層
5 主補強層 6 外面ゴム層
7 無接着層 8 フロート層
X ホース長手方向 m,n 補強コード
α,β 傾斜角度

Claims (4)

  1. 内面ゴム層(1)と外面ゴム層(6)との間に、主補強層(5)と補助補強層(2)とを前記補助補強層(2)が前記主補強層(5)の内周側になるように配置し、これら主補強層(5)と補助補強層(2)とを、それぞれホース長手方向(X)に対して傾斜配列した補強コード(n、m)をゴム被覆した複数の補強層を、隣接する補強層間で補強コード(n、m)がホース長手方向(X)に対して互いに逆向きに傾斜交差するように積層した構成にし、前記主補強層(5)の補強コード(n)のホース長手方向(X)に対する傾斜角度βをβ≦54.73°、前記補助補強層(2)の補強コード(m)のホース長手方向(X)に対する傾斜角度αを前記傾斜角度βより大きく、α≧54.73°にし、前記外面ゴム層(6)の内周側に前記主補強層(5)を接着する一方、前記内面ゴム層(1)の外周側に前記補助補強層(2)、ワイヤ補強層(3)及びカバーゴム層(4)の順に積層接着し、前記主補強層(5)と前記カバーゴム層(4)との間に無接着層(7)を配置した流体移送用ホース。
  2. 前記傾斜角度αが前記傾斜角度βより5°以上大きい請求項1に記載の流体移送用ホース。
  3. 前記主補強層(5)の補強コード(n)の弾性率が、前記補助補強層(2)の補強コード(m)の弾性率よりも大きい請求項1又は2に記載の流体移送用ホース。
  4. 前記主補強層(5)と補助補強層(2)との間の無接着部分に気泡を有するフロート層(8)を介在させた請求項1〜のいずれかに記載の流体移送用ホース。
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