JP4153208B2 - Cdma方式における基地局アンテナ指向性制御装置およびcdmaセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアンテナ素子を有するアンテナ装置を適用したCDMA(Code Division Multiple Access)セルラー移動体無線通信システム等に用いるCDMA方式およびCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置に関するものである。
特に、FDD(FrequencyDivision Duplex)方式、あるいは、上り回線と下り回線の伝送速度が異なる方式において、送信ウエイトを計算する必要がある基地局に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
第3世代移動通信方式の1つにW-CDMAがあり、音声のみならず動画像等の高速・広帯域の通信が期待されている。さらに最近では第3世代方式の約10倍程度の高速・広帯域伝送を目指した第4世代移動通信方式の検討が始まっている。有限の周波数資源で高速のサービスを提供するためには、一層の周波数有効利用を図る必要があり、その対応策の1つとして基地局にアダプティブアレーアンテナ(AAA)を適用することが検討されている。
DS-CDMA通信システムにおいては、同一の周波数帯においても、異なる拡散符号を用いることにより多数のユーザが同時に通信することができる。しかし、符号間干渉は、同時通信ユーザ数が多くなると無視できなくなる。そのため、アダプティブアレーアンテナを適用することにより、空間的に希望波のみを選択し干渉波を選択しないようなビームパターンを生成することにより、干渉信号の少ない通信が可能となる。
【0003】
図11は、従来のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置の一例を説明するためのブロック構成図である。
図中、1は基地局であって、カバーエリア(セル)61を有している。2はユーザ1の移動局、3はユーザ2の移動局である。4a〜4dは基地局1の複数のアレーアンテナエレメントであって、全体として1つのアレーアンテナを構成し、受信時に各エレメントの出力信号に乗算するアンテナウエイト(複素数)を制御したり、送信時に各エレメントへの入力信号に乗算するアンテナウエイト(複素数)を制御したりすることによって、ビームパターンを自由に制御することができる。
【0004】
ビームパターンの方向について単純化して説明する。各移動局からの送信波を基地局1で受信する上り回線において、ユーザ1の移動局2に対しては、ユーザ1指向性62として模式的に示したようなビームパターンを生成して受信する。ユーザ2の移動局3に対しては、ユーザ2指向性63として模式的に示したビームパターンを生成して受信する。
ユーザ1指向性62は、ユーザ1の移動局2の方向にメインローブを有し、ユーザ2の移動局3の方向にビームヌルを有するようにされる。同様に、ユーザ2指向性63は、ユーザ2の移動局3の方向にメインローブを有し、ユーザ1の移動局2の方向にビームヌルを有するようにされる。
【0005】
一方、各移動局への送信情報を基地局1から送信する下り回線においては、送信相手とするユーザの移動局方向にメインローブを有し、他のユーザの移動局方向にビームヌルを有した、上述したユーザ1指向性62、ユーザ2指向性63というビームパターンが生成されて使用される。
しかし、アダプティブアレーアンテナによって制御できるビームヌルの数は、(アレーアンテナの素子数−1)という自由度で決まるので、送信相手以外の移動局の総数が自由度以内であるという制限がある。ところが、CDMA通信システムでは、通常、アレーアンテナの自由度を超えるユーザと同時通信することになる。
【0006】
そのため、アレーアンテナによりビームパターンを生成しても、他ユーザ方向とビームヌルの方向が一致せず、十分に干渉波の除去ができず、収容可能なユーザ数を増やすにも限度があり、周波数利用効率の向上に限度があった。
特に、基地局1から各移動局に向けて送信する下り回線においては、移動局における到来波の方向や大きさがわからない状況で、送信ビームパターンを生成するので、アンテナウエイトを計算する精度が劣化しやすい。したがって、下り回線の各移動局の干渉特性を最適化するアンテナウエイトの決定は難しい。
【0007】
下り回線において最適なアンテナウエイトを比較的簡単に決定する方法として、(1)上り回線で得たアンテナウエイトを利用して、そのまま、あるいは較正を行って、下り回線のアンテナウエイトを決定する方法がある。
また、(2)上り回線で得た受信信号から各移動局からの到来波を推定して、その情報に基づいて下り回線のアンテナウエイトを決定する方法がある(北原 他、“W-CDMA下り回線用アダプティブアレーアンテナ”2001信学総全,B-5-15、北原 他,“W-CDMA下り回線用アダプティブアレーアンテナにおけるパス選択の検討”信学技報、A・P2001-117(2001)参照)
【0008】
上述した(1)の方法では、上り回線と下り回線の搬送波周波数差が大きくなるにしたがって、最適アンテナウエイトに誤差が生じる。また、マルチレートサービスを行う場合、上り回線と下り回線とで伝送速度が非対称であるときに、上り回線と下り回線の送信電力とは相関がないので、下り回線の基地局受信特性と上り回線の移動局受信特性との対称性が成立しない。その結果、上り回線で求めた最適アンテナウエイトは、下り回線における最適アンテナウエイトではないため、アダプティブアレーアンテナの適用効果が小さくなる。
【0009】
一方、上述した(2)の方法は、上り回線を利用して推定した伝搬損失を用いて、下り回線における各移動局の受信電力を推定する。ただし、下り回線の送信電力は各移動局の下り回線の伝送速度に応じて異なっている。次に、下り回線の各移動局の受信電力と、推定した到来方向とを用いて、最適ウエイトを計算する。
この方法は、上り回線と下り回線とで伝送速度が異なるような、受信特性の対称性が成立しない場合においても、比較的良好な最適アンテナウエイトを求めることができる。
【0010】
図12は、従来のCDMAセルラー方式における基地局の一例を示すブロック構成図である。上り回線で得た受信信号から、各移動局の到来方向および伝搬損失を推定した情報から下り回線のアンテナウエイトを決定する。
図11中の部分と対応する部分には同じ符号を付している。
5a〜5dはデュプレクサ、6a〜6dはRF受信部である。いずれもアレーアンテナエレメント4a〜4d毎に設けられ、添字はアレーアンテナエレメント4a〜4dの添字と対応する。エレメント数は複数であれば任意でよい。
デュプレクサ5a〜5dは、アンテナを送受信共用にするために挿入されたものであって、アレーアンテナエレメント4a〜4dの出力をRF受信部6a〜6dに供給する。RF受信部6a〜6dは、増幅、周波数変換、および、デジタル復調し、A/D変換して出力する。
【0011】
7は分配器、81〜8Kはユーザ別処理部である。ユーザ毎に同一の構成が設けられ、添字はユーザ番号1〜Kを示す。分配器7は、RF受信部6a〜6dの各出力をユーザ別処理部81〜8Kのいずれにも分配する。
各ユーザ別処理部81〜8Kは、いずれも、アレーアンテナエレメント4a〜4dに対応するRF受信部6a〜6dが出力する受信信号を入力し、後述するAAA受信部11において各ユーザ1〜Kの拡散符号を用いた逆拡散処理および受信ウエイト乗算を行い、後述する復号部12において各ユーザ1〜Kの復元データを出力する。
【0012】
また、各ユーザ1〜Kの送信データを入力して、後述する符号化部16でエラー訂正符号化を行い、後述するAAA送信部17において複数系統に分配したものに送信ウエイト乗算および、各系統について当該ユーザに対する拡散符号を用いた拡散処理を行い、アレーアンテナエレメント4a〜4dに対応する複数系統の送信信号を生成し、合成器9に出力する。
合成器9は、各ユーザ別処理部81〜8Kから出力された送信信号を、アレーアンテナエレメント4a〜4dの系統別に加算合成して、RF送信部10a〜10dに出力する。RF送信部10a〜10dは、周波数変換および増幅を行い、デュプレクサ5a〜5dを介して、アレーアンテナエレメント4a〜4dに供給して送信する。
【0013】
ユーザ別の処理について、ユーザ別処理部81を対象として説明する。
AAA(アダプティブアレーアンテナ)受信部11においては、アレーアンテナエレメント4a〜4dの受信出力にユーザ1に対する拡散符号を乗算して逆拡散を行った後に、アンテナウエイトで重み付け合成する。必要に応じてフェージング変動推定およびRAKE合成、デ・インターリーブを行って、復号部12に出力する。復号部12では、エラー訂正のための復号を行って送信されたデータを復元する。また、AAA受信部11は、到来方向推定を行い、その結果の情報を送信ウエイト計算部18に出力する。
【0014】
一方、送信データは、符号化部16においてエラー訂正符号化されて、AAA送信部17において、複数系統に分配出力され、ここで、アレーアンテナエレメント4a〜4dに対する送信ウエイトの重み付けが行われる。送信ウエイト計算部18は、到来方向推定結果情報に基づいて、送信ウエイトを計算して、各系統に設けられた図示しない乗算器に出力し、乗算器の各出力は、拡散部に入力され、それぞれの拡散部においてユーザ1の拡散符号を乗算してユーザ1の送信信号を出力する。
なお、AAA受信部11において、受信ウエイトの乗算後に逆拡散を行ってもよい。また、AAA送信部17において、エラー訂正符号を拡散した後に送信ウエイトの乗算を行ってもよい。
【0015】
図13は、到来方向推定を利用した従来のアダプティブアレーアンテナのウエイト計算を模式的に説明するブロック図である。
図12におけるユーザ別処理部81におけるウエイト計算を例に説明する。逆拡散部や拡散部等の図示を省略している。
図中、81は受信ウエイト計算部であって、図12のAAA受信部11内に設けられている。82a〜82dは乗算器であって、アレーアンテナエレメント4a〜4dの受信出力に、それぞれ、受信ウエイトw1〜w4を乗算し、加算器83において乗算結果を合成して、図12の復号部12に出力するとともに、受信ウエイト計算部18にも出力する。
【0016】
受信ウエイト計算部81においては、周知の最小2乗誤差法(MMSE:Minimum Mean Square Error)等によってアンテナウエイトを計算する。MMSE制御は、受信ウエイトの最適解を与えるが、実環境での制御の追随を考慮し、その他メインビーム方向のみを希望波方向に向けるステアリングビーム等による制御も提案されている。
同時に、周知のMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)やESPRIT(Estimation of SignalParameters via Rotational Invariance Techniques)、あるいは、ビームフォーマ(beamformer)法などによって全ユーザi(i=1〜K)からの受信波の到来波推定を行う。
【0017】
到来波推定の結果、ユーザiの移動局iからの受信波の推定された到来方向情報をθ’iとし、この到来方向θ’iの受信電力を測定して、この測定値を受信電力情報Pr’iとする。この受信電力情報に基づいて、基地局1は、移動局から基地局1までの伝搬損失を推定することができる。その最も簡単な方法としては、移動局側の送信電力の基準送信電力をあらかじめ設定して記憶しておき、受信電力でこの基準送信電力で割り算すれば伝搬損失が得られる。以降の説明では、伝搬損失情報L’iを用いて説明する。
したがって、全てのユーザの移動局1〜Kからの受信波に対して、全ての到来方向情報θ'1,θ'2,…θ'K、および、全ての伝搬損失情報L'1,L'2,……,L'Kが推定される。
【0018】
送信ウエイト計算については、図2,図3を参照して詳述することとし、ここでは、簡単に触れるに止める。
送信ウエイト計算部18においては、i番目のユーザの移動局の推定された信号到来方向と、下り回線周波数、および、アレー形状によって決まるアレー伝搬ベクトル(アレー方向ベクトル)を生成する。また、i番目のユーザの移動局に対する基地局送信電力および上述した伝搬損失情報に基づいてユーザ受信電力想定値を求める。
【0019】
上述した(2)に示した論文の方法によれば、上述したアレー方向ベクトルおよびユーザ受信電力想定値を用いて相関行列を生成し、この相関行列と送信相手となるユーザの移動局に対するアレー方向ベクトルを用いて送信アンテナウエイトを決定している。
送信ウエイト計算部18は、ユーザ1の移動局2に対する送信ウエイトw1 (1)〜w4 (1)を計算し、乗算器71a〜71dに出力する。
乗算器71a〜71dは、図12に示した符号化部16の出力に対し、それぞれの送信ウエイトw1 (1)〜w4 (1)を乗算して、それぞれに対応するアレーアンテナ4a〜4dに送信信号を出力する。
【0020】
上述した説明では、ユーザ別処理部81について説明した。基地局1では、各ユーザ1〜Kについても同様の処理を行う。したがって、送信ウエイト計算は、基地局1全体でみると図14のようになる。
図14は、図12の全てのユーザ別処理部81〜8Kにおける送信ウエイト計算の説明図である。この図では、ユーザ1とユーザ2の2つの移動局に対する送信ウエイトのみを図示している。
21は図12に示したRF送信部6a〜6dを1ブロックにまとめて表示したものである。分配器7については図示を省略し、結線の分岐で分配を示している。AAA受信部11および送信ウエイト計算部18には、それぞれ、ユーザ1,2を示す添字を付している。
【0021】
各ユーザ別処理部81〜8Kにおける、全ての到来方向情報および全ての伝搬損失情報は、図13を参照して説明したように、θ'1,θ'2,…θ'K、L'1,L'2,……,L'Kであった。ユーザ2のAAA受信部11でも同様の計算をすることによって、全到来方向推定値および全伝搬損失推定値θ"1,θ"2,……,θ"K、L"1,L"2,……,L"Kが得られる。
ユーザ1の送信ウエイト計算部181および、ユーザ2の送信ウエイト計算部182においては、これらの推定値に基づいて、ユーザ1,2の移動局に対するアンテナウエイトベクトルw(1),w(2)を計算する。
【0022】
しかし、上述した計算は、単一の孤立セルについて計算をしたものである。アダプティブアレーアンテナを実際のセルラーシステムに導入する場合には、周辺セルにいる移動局の影響を無視してアレーアンテナのウエイト計算を行うと、アダプティブアレーアンテナの適用効果が小さくなる。アダプティブアレイアンテナの制御法の評価は周辺セルを含めて行う必要がある。
また、各ユーザ別処理部81〜8Kにおいて、同様な到来波推定を重複して行っている。また、各ユーザ別処理部81〜8Kにおいて、希望波は干渉波よりも確実に高い電力で受信されるので推定精度が劣化しないが、干渉波の受信電力を小さくする処理を伴う場合には、干渉波の推定精度が劣化している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、干渉波の到来方向推定精度を向上させたり、周辺セルからの干渉波の影響を考慮したりすることにより、複数のアンテナ素子に対する最適な送信ウエイトを正確に計算できるCDMA方式における基地局アンテナ指向性制御装置およびCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置を提供することを目的とするものである。
また、距離に対する干渉波の影響の程度を考慮することにより、複数のアンテナ素子に対する最適な送信ウエイトを正確に計算できるCDMA方式における基地局アンテナ指向性制御装置およびCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置を提供することを目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、請求項1に記載の発明においては、複数のアンテナ素子を有するアンテナ装置を用いて、自セルの複数のユーザ通信装置との間で、基地局から各ユーザ通信装置への通信と各ユーザ通信装置から基地局への通信とで異なる搬送周波数、同じアンテナ素子を用いて通信を行うためのCDMA方式における基地局アンテナ指向性制御装置であって、
前記自セルの前記複数のアンテナ素子で受信された複数系統の受信信号に対し、各ユーザの拡散符号により逆拡散を行い、その結果得られた各ユーザの逆拡散後の複数系統の受信信号を用いて、前記自セルの各ユーザの希望波の到来波情報を推定して、該自セルの各ユーザ通信装置に関する到来波情報を出力する希望波推定手段と、前記自セルの複数のアンテナ素子で受信された複数系統の受信信号に基づいて周辺セルの前記各ユーザ通信装置から受信した到来波を推定して、該周辺セルの各ユーザ通信装置に関する到来波情報を出力する周辺セル到来波推定手段と、前記自セルの各ユーザ通信装置に関する到来波情報および該自セルの各ユーザ通信装置に送信する信号の送信電力情報、および、前記周辺セルの各ユーザ通信装置に関する到来波情報および前記周辺セルの基地局が該周辺セルの各ユーザ通信装置に送信する送信信号の送信電力情報を管理する情報管理手段と、管理された前記自セルの各ユーザ通信装置に関する情報、および、管理された前記周辺セルの各ユーザ通信装置に関する情報を用いて、送信相手となる前記自セルのユーザ通信装置への指向性利得が大きく、前記自セルの他の前記ユーザ通信装置および周辺セルのユーザ通信装置に対する指向性利得が小さくなるようなビームパターンを生成するように、前記自セルの各アンテナ素子に対するアンテナウエイトを、前記送信相手となる自セルのユーザ通信装置毎に計算して出力するアンテナウエイト出力手段、を有するものである。
したがって、送信相手ではない自セルの他のユーザ通信装置に関する到来波情報を、この他のユーザ通信装置から受信した希望波を推定することにより出力しているので、干渉波の推定精度が向上する。
また、周辺セルのユーザ通信装置に関する到来波情報を管理しているので、周辺セルに及ぼす影響を加味して送信ウエイトを計算することができる。その結果、従来法よりも優れた干渉量軽減効果が実現でき、周波数利用率が向上する。特に、アレーアンテナの自由度を超える干渉波が存在する環境において、最も干渉波を軽減できるようなアンテナウエイト計算を行うことができる。
なお、周辺セルの各ユーザ通信装置から受信した到来波を推定する方法としては、例えば、自セルのアンテナ受信信号から既知の到来方向推定手段を用いて推定する方法がある。
一方、周辺セルの基地局がこの周辺セルの各ユーザ通信装置に送信する送信信号の送信電力情報については、受信電力やセル半径等の情報から推定するか、あらかじめ定められている移動局への基準送信電力を用いる。なお、周辺セルの基地局から上述した送信電力情報を周辺セルの各ユーザ通信装置の位置情報も含めて収集できる場合もある。周辺セルのユーザ通信装置に関して、その到来波情報とその送信電力情報との突き合わせない場合は、上述した到来波情報においても、どの周辺セルのどの移動局からのものであるかを特定する必要はない。この場合、送信電力として、上記のあらかじめ定められている移動局への基準送信電力を用いる。
【0030】
請求項2に記載の発明においては、請求項6に記載のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置において、前記希望波推定手段は、前記希望波の到来方向のみを推定して、前記各ユーザ通信装置に関する到来波情報として到来方向情報のみを出力するものであり、前記周辺セル到来波推定手段は、前記到来波の到来方向のみを推定して、前記周辺セルの各ユーザ通信装置に関する到来波情報として到来方向情報のみを出力するものである。
したがって、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏する。
【0031】
請求項3に記載の発明においては、請求項1または2に記載のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置において、前記情報管理手段から、前記送信相手となる自セルのユーザ通信装置に関する前記到来波情報、および、前記送信電力情報を選択するとともに、前記自セルの他のユーザ通信装置および前記周辺セルのユーザ通信装置に関する、前記到来波情報、および、前記送信電力情報を絞り込んで、前記アンテナウエイト出力手段に出力する情報選択手段を有するものである。
したがって、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏する。
【0032】
請求項4に記載の発明においては、請求項3に記載のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置において、前記情報選択手段は、前記自セルの他のユーザ通信装置および前記周辺セルのユーザ通信装置からの前記到来波情報に関しては、到来角の近接したものを合成することにより前記到来波情報の数を減少させるとともに、合成された前記到来波情報に応じて前記送信電力情報を合成して、前記合成された前記到来波情報に関する前記到来方向情報、および、合成された前記送信電力情報を、前記自セルの他のユーザ通信装置および周辺セルのユーザ通信装置に関する情報として出力するものである。
したがって、送信ウエイトを計算する際に考慮すべき干渉波の数を、容易に削減することができるとともに、削減の影響を最小限に止めることができる。
この他、送信電力の高いものから順に所定数の、自セルの他のユーザ通信装置および周辺セルのユーザ通信装置に関する情報を選択して、所定数の送信電力の高い他ユーザ通信装置に対する指向性利得が小さくなるようなビームパターンを生成するようにしたり、逆に、送信電力の低いものから順に所定数の、自セルの他のユーザ通信装置および周辺セルのユーザ通信装置に関する情報を選択して、所定数の送信電力の低い他ユーザ通信装置に対する指向性利得が小さくなるようなビームパターンを生成するようにしたりすることができる。
【0033】
請求項5に記載の発明においては、請求項1から4までのいずれか1項に記載のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置において、前記自セルの複数のアンテナ素子によって受信された複数系統の受信信号に基づいて受信相手となる自セルのユーザ通信装置毎に前記各アンテナ素子に対する受信ウエイトを計算することにより受信情報を出力する受信手段を有し、前記希望波推定手段は、前記受信手段での途中計算結果を利用して、前記各ユーザ通信装置から受信した希望波を推定するものである。
したがって、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏する。
【0034】
請求項6に記載の発明においては、複数のアンテナ素子を有するアンテナ装置を用いて、複数のユーザ通信装置との間で、基地局から各ユーザ通信装置への通信と各ユーザ通信装置から基地局への通信とで異なる搬送波周波数、同じアンテナ素子を用いて通信を行うCDMA方式における基地局アンテナ指向性制御装置であって、前記各ユーザ通信装置に関する到来方向情報、伝搬損失情報、送信電力情報、および、基地局からの距離が遠いほど前記各ユーザ通信装置へ与える干渉を軽減するための基地局からの距離が遠いほど前記各ユーザ通信装置の重み付けを大きくする重み付け関数を用いて、送信相手となる前記ユーザ通信装置への指向性利得が大きく、他の前記ユーザ送信装置に対する指向性利得が小さくなるようなビームパターンを生成するように、前記各アンテナ素子に対するアンテナウエイトを、前記送信相手となるユーザ通信装置毎に計算して出力するものである。
したがって、上述した重み付け関数を用いることにより、距離の影響を考慮したアンテナ指向性パターンを生成できる。その結果、従来法よりも優れた干渉量軽減効果が実現でき、周波数利用率が向上する。
なお、各ユーザ通信装置から受信した到来波を推定する方法は、どのような方法を用いてもよい。
【0035】
請求項7に記載の発明においては、請求項4に記載の基地局アンテナ指向性制御装置において、請求項11に記載のCDMA方式における基地局アンテナ指向性制御装置において、前記各ユーザ通信装置に対する送信電力に前記重み付け関数を乗算し、伝搬損失を考慮した値を該各ユーザ通信装置の受信電力想定値とみなして各ユーザ通信装置の受信信号に関する相関行列を生成して、前記各アンテナ素子に対するアンテナウエイトを、前記送信相手となるユーザ通信装置毎に計算するものである。
したがって、距離の影響を考慮したアンテナ指向性パターンを容易に実現することができる。
【0036】
請求項8に記載の発明においては、複数のアンテナ素子を有するアンテナ装置を用いて、自セルの複数のユーザ通信装置との間で、基地局から各ユーザ通信装置への通信と各ユーザ通信装置から基地局への通信とで異なる搬送波周波数、同じアンテナ素子を用いて通信を行うCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置であって、前記自セルの各ユーザ通信装置に関する到来方向情報、伝搬損失情報、送信電力情報、前記周辺セルの各ユーザ通信装置に関する到来方向情報、伝搬損失情報、前記周辺セルの基地局が該周辺セルの各ユーザ通信装置に送信する送信電力に関する送信電力情報、および、前記自セルの基地局からの距離が遠いほど、前記自セルの各ユーザ通信装置および前記周辺セルの各ユーザ通信装置へ与える干渉を軽減するための基地局からの距離が遠いほど前記各ユーザ通信装置の重み付けを大きくする重み付け関数を用いて、送信相手となる前記自セルのユーザ通信装置への指向性利得が大きく、前記自セルの他のユーザ通信装置および前記周辺セルのユーザ通信装置に対する指向性利得が小さくなるようなビームパターンを生成するように、前記各アンテナ素子に対するアンテナウエイトを、前記送信相手となる自セルのユーザ通信装置毎に計算して出力するものである。
したがって、周辺セルのユーザ通信装置に関する到来波情報、伝搬損失情報、周辺セルの基地局が該周辺セルの各ユーザ通信装置に送信する送信電力に関する送信電力情報を得ているので、周辺セルに及ぼす影響を加味して送信ウエイトを計算することができる。
また、重み付け関数を用いることにより、距離の影響を考慮したアンテナ指向性パターンを形成できる。特に、周辺セルのユーザ通信装置に与える干渉が軽減される。その結果、従来法よりも優れた干渉量軽減効果が実現でき、周波数利用率が向上する。
なお、周辺セルの各ユーザ通信装置に関する到来方向情報は、周辺セルの各ユーザ通信装置に送信する送信電力情報は、請求項6に記載の発明について説明したように、どのような方法で得てもよい。
【0037】
請求項9に記載の発明においては、請求項8に記載のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置において、前記自セルの各ユーザ通信装置に対する送信電力に前記重み付け関数を乗算し、伝搬損失を考慮した値を該自セルの各ユーザ通信装置の受信電力想定値とみなし、かつ、前記周辺セルの各ユーザ通信装置に対する該周辺セルの基地局からの送信電力に前記重み付け関数を乗算し、伝搬損失を考慮した値を該周辺セルの各ユーザ通信装置の受信電力想定値とみなして各ユーザ通信装置の受信信号に関する相関行列を生成して、前記各アンテナ素子に対するアンテナウエイトを、前記送信相手となるユーザ通信装置毎に計算して出力するものである。
したがって、距離の影響を考慮したアンテナ指向性パターンを容易に実現することができる。
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置の、第1の実施の形態を説明するためのブロック構成図である。
図中、従来の図12と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。13は希望波推定部であって、図12においては、AAA受信部11内に含まれていたものを明示したものである。
ただし、従来の構成では、図13,図14に示したように、ユーザ別処理部81 〜8K において、同一セル内の全ユーザの到来方向推定を重複して行っていた。
これに対し、この実施の形態では、ユーザ別処理部81 〜8K のそれぞれが、それぞれのユーザの移動局から受信した信号を希望波のみを推定する。例えば、ユーザ別処理部81 においては、到来方向情報θ1 および伝搬路損失情報L1のみを、送信ウエイト計算のために推定する。
【0038】
到来波推定は、受信ウエイト計算処理と部分的に同じ処理を行うことがあるので、その場合、処理を共通化することができる。その結果、到来波推定部13では、希望波推定自体の構成が簡単になる。
あるいは、図中、破線で示した矢印のように、AAA受信部11を通さないか、あるいは、AAA受信部11内を素通りして、分配器7の出力、すなわち、アレーアンテナエレメント4a〜4dの受信出力を、希望波推定部13に出力し、ここで、対象とするユーザの移動局から送信された希望波のみを対象として、到来方向推定のための全ての処理を行うようにしてもよい。
【0039】
情報管理部14は、各ユーザ別処理部81〜8Kの各ユーザの到来方向推定部13が出力する、到来方向情報θ1,θ2,…θKおよび伝搬損失情報L1,L2,……,LKを管理し、同時に、基地局1の図示しない構成部分が保有している、基地局送信に関する情報として、各ユーザ1〜Kの移動局に対する送信レート情報Psiを管理して、これらをリスト化する。情報管理部14は、このように、各ユーザの通信装置に関する到来方向情報と伝搬損失情報を集中管理するので、これらの情報を利用することにより、最適なビームパターンを生成することが可能となる。
例えば、DS-CDMAの場合、送信レートを大きくするほど、送信電力を大きくする必要がある。同じ変調方式であれば、伝送速度に比例した送信電力が必要である。
【0040】
15は変換部であって、送信レート情報Psiを送信電力情報Ti(相対的な送信電力)に変換して、送信ウエイト計算部18に出力する。到来方向情報θi,伝搬損失情報Liに関してはそのまま出力する。
なお、情報管理部14において、送信レート情報Psiに代えて、送信チャネル数の情報を管理してもよい。送信チャネル数と送信レート情報は、通常、対応関係がある。あるいは、送信電力情報Tiを管理すれば、変換部15が不要となる。
送信ウエイト計算部18は、送信ウエイトを計算し、AAA送信部17に出力する。
【0041】
図2は、図1の全てのユーザ別処理部81〜8Kにおけるアレーアンテナのウエイト計算を示す説明図である。
図中、AAA受信部11および送信ウエイト計算部18について、ユーザを示す添字を付している。
AAA受信部11には、図1の希望波推定部13を含めている。また、希望波推定部13が分配器11から直接的にアレーアンテナエレメントの受信信号を得る場合をある。22は情報管理部であって、図1の情報管理部14と変換部15とを1つにまとめたものである。
【0042】
各ユーザの送信ウエイト計算部181〜18Kに入力される到来方向情報および伝搬損失情報は、一見すると、図12に示した従来と同様な情報を入力しているように見えるが、この発明の実施の形態では、到来方向情報θiおよび伝搬損失情報Liを、それぞれが干渉波よりも確実に高い電力で受信される希望波として最も精度よく推定されたものをユーザ別処理部81〜8Kから得ている。その結果、送信ウエイト計算の精度が向上することになる。
【0043】
ここで、各ユーザの移動局に対する送信ウエイトw(1)〜w(K)の計算方法について説明を加えておく。基本的には、従来技術において示した文献の計算方法を用いる。
上り回線の信号を用い、基地局1で各移動局からの電波到来方向θiと伝搬損失Liとを推定する。
電波到来方向推定方法は、どのような方法を用いてもよい。例えば、既知のMUSICやESPRIT等の方法を利用してもよい。伝搬路損失推定方法も、どのような方法を用いてもよい。
【0044】
図3は、本発明の、第1の実施の形態において使用する伝搬損失推定の一例に関する概念図である。図3(a)は基地局の送信電力と移動局での受信電力、および、伝搬損失との関係、図3(b)は、移動局の送信電力と基地局での受信電力、および、伝搬損失との関係を示したものである。
図3(a)において、伝搬損失Liは、基地局1でユーザiの移動局の送信電力Tmiを把握していれば、次式の関係式を用いて、受信電力から容易に推定することができる。
【数1】
なお、図3(b)に示すように、基地局1から送信電力Tiで送信したとき移動局が受信電力Pmiで受けるときも同じ伝搬損失Liである。
【0045】
推定されたユーザiの移動局の信号到来方向と下り回線周波数およびアレー形状によって決まるアレー伝搬ベクトル(アレー方向ベクトル)をviと表す(アレー伝搬ベクトルについては、菊間,“アレーアンテナによる適応信号処理”,科学技術出版(1998)p.30―31参照)。
Piを「i番目のユーザ電力として想定する値」、fiを自セルのi番目のユーザの重み付け関数、Pnを熱雑音電力としたとき、ウエイト計算のための相関行列Rxxを、
【数2】
と定義する。
ここで、ユーザkの移動局を送信相手とするアンテナウエイトwkを、
【数3】
と与える。Rxx -1は、Rxxの逆行列を表す。
【0046】
上述した「i番目のユーザ電力として想定する値」Piには、基地局1のユーザiの移動局に対する送信電力や伝搬損失等のパラメータに依存した値が用いられる。
すなわち、図3(b)に示したPmi(=Ti/Li)のように、基地局から自セル内のユーザiの移動局を送信相手とするときの推定希望受信電力を代入してもよいし、図3(b)に示したTiのように、基地局1から自セル内のユーザiの移動局を送信相手とした希望波送信電力の値を代入してもよい。したがって、上述した式(1)から得られるLiは必ずしも必要とはされない。
一般的には、k番目の移動局を希望波移動局とした場合、その他の移動局に対して、Piの値を大きくすることで、i番目のユーザ方向(すなわちθi)に指向性のヌルを意図的に設けることができる。
【0047】
一方、fiは重み付け関数であり、詳細は後述するとして、ここでは、簡単な例を示す。従来技術の説明において引用した文献(2)を解釈すると、Rxxを全ユーザ1〜Kのアレー応答ベクトルと電力とを用いて計算する場合は、全てのユーザについて、fi=1とした場合に対応する。また、Rxxを下り回線で高速となるユーザのみのアレー応答ベクトルと電力とを用いて計算する場合は、高速ユーザに対してはfi=1、低速ユーザに対してはfi=0と設定した場合に対応する。
【0048】
図4は、本発明の、第2の実施の形態を説明するためのブロック構成図である。
図中、図12,図1と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
この実施の形態は、周辺セルのユーザの移動局に対する干渉も考慮して上で、送信ウエイトを決定するものである。
31は周辺セルの移動局からの到来波推定部、32は情報管理部である。周辺セルの移動局を自セルからどの程度離れた移動局までとするかは、任意に決定できる。セル単位で収集する移動局の範囲を決めたり、自セルの基地局から所定距離にある移動局までを周辺セルの範囲としたりすることもできる。
【0049】
周辺セルの移動局からの到来波推定部31においては、周辺セルに位置する移動局からの到来波に関し、その到来方向を推定しその受信電力を測定する。到来方向推定値を到来方向情報とし、受信電力から伝搬損失情報を得る。
周辺セルの各ユーザ通信装置から受信した到来波を推定する方法としては、例えば、自セルのアンテナ受信信号から、MUSIC,ESPRITなどの既知の到来方向推定手段を利用する方法がある。
【0050】
図5は、図2に示した周辺セルの移動局からの到来波推定部31において、推定された複数の到来方向の中から、周辺セルの移動局からの到来波を抽出する一例の説明図である。図中、横軸は到来波の到来角θ、縦軸は到来波の受信電力Prである。
例えば、ビームフォーマ法によって、メインビームを走査することによって全ての到来方向θを推定し、その到来方向θの電力Prを測定する。その中から、ユーザ1のAAA受信部111〜ユーザKのAAA受信部11Kにおいて得られた各希望波の受信電力Pr1,Pr2,……,PrKの成分(到来方向情報θ1,θ2,……,θK、図中、実線で示した矢印)以外の成分(図中、破線で示した矢印)について、周辺セルの移動局からの到来波を推定する。
【0051】
あるいは、自セル内ユーザによる信号を打ち消した後に、MUSIC,ESPRITなどの既知の到来方向推定を用いることで、さらに、正確に到来波を推定することができる。すなわち、受信電力Pr1,Pr2,……,PrK(到来方向情報θ1,θ2,……,θK)の成分や、自セルのユーザの復元データ等に基づいて、各希望波(受信電力Pr1,Pr2,……,PrK、到来方向情報θ1,θ2,……,θK)が、RF受信部21(図1では、RF受信部6a〜6d)から出力されるときの受信信号のレプリカを生成する。次に、RF受信部6a〜6dの出力からレプリカを減算した信号について、MUSIC,ESPRITなどの既知の到来方向推定を行うようにしてもよい(例えば、北原 他「多ユーザ環境におけるDS-CDMAシステムの下り回線用アダプティブアレーアンテナ」RCS99-216(2000))
【0052】
図5を参照して説明すると、図示の各希望波の受信電力Pr1,Pr2,……,PrKの成分(到来方向情報θ1,θ2,……,θK、図中、実線で示した矢印)の電力が除去されたものについて、改めて到来波推定を行うことを意味する。
すなわち、自セルユーザの移動局の到来波が除去されたものについて到来波推定を行うことになるので、推定する必要のある到来波の総数が少なくなるので、アレーアンテナによる到来波情報推定精度が向上する。
【0053】
周辺セルの移動局からの到来波推定部31は、周辺セルの移動局(ユーザ1〜ユーザMまでの移動局とする。いずれの周辺セルの移動局であるかを区別する必要はない)からの到来波推定結果として、到来方向情報θΔ 1,θΔ 2,……,θΔ M、受信電力情報PrΔ 1,PrΔ 2,……,PrΔ Mを、情報管理部32に出力する。その際、図示の例では、受信電力情報PrΔ 1,PrΔ 2,……,PrΔ Mを伝搬損失情報LΔ 1,LΔ 2,……,LΔ Mに置き換えて管理している。
情報管理部32は、また、周辺セルの移動局(ユーザ1〜ユーザM)に対する送信レート(送信チャネル数)情報を管理する。この送信レートは、この移動局が在圏するセルの基地局からの下り回線の送信レートである。
この送信レート(送信チャネル数)情報は、送信電力情報TΔ 1,TΔ 2,……,TΔ Mに変換して情報管理してもよいし、情報管理後に、送信電力情報に変換してもよい。
【0054】
周辺セルの基地局がこの周辺セルの各ユーザ通信装置に送信する送信信号の送信電力情報については、自セルの基地局1で受信電力やセル半径等の情報から推定するか、あらかじめ定められている移動局の基準送信電力値を管理しておく。この送信電力情報が、基準送信電力値のように、どの周辺セルのどの移動局が送信したものであるかを特定しないものであるときには、周辺セルのユーザ通信装置に関して、その到来波情報とその送信電力情報との対応付けができないので、MUSIC,ESPRITなどの既知の到来方向推定を利用する際も、どの周辺セルのどの移動局からの到来波であるかを特定する必要はなく、ある到来方向からある受信電力の到来波があることがわかればよい。
【0055】
また、基地局1に、周辺セルの基地局から、この周辺セルの各ユーザ通信装置に送信する送信信号の送信レート情報(チャネル数)あるいは送信電力情報、を収集できる機能を持たせた場合は、到来波の推定の際に、どの周辺セルのどの移動局からの到来波であるかを、何らかの方法で特定して、到来波情報と上述した送信信号の送信電力情報との対応付けを行うようにすればよい。
到来波推定の際に、どの周辺セルのどの移動局からの到来波であるかを特定するには、周辺セルの基地局から、例えば、周辺セルの各ユーザ通信装置が送信に使用している拡散符号を入手したり、周辺セルの各ユーザ通信装置の位置情報を入手したりすればよい。
【0056】
アダプティブアレーアンテナを動作させる場合には、振幅情報よりも、位相情報(到来方向)が優勢であるので、少なくとも位相情報(到来方向)が正確に推定できればよい。
なお、情報管理部32は、また、自セル内ユーザ1〜Kの移動局に対する重み付け関数f1〜fK、および、周辺セルユーザの移動局に対する重み付け関数fΔ 1〜fΔ Mを管理していてもよい。
【0057】
次に、自セルおよび周辺セル移動局からの到来波推定によって、どのように、自セル内の各ユーザの移動局に対する送信ウエイト(下り回線)ウエイトを決定するかについて説明を加えておく。基本的には、従来技術において示した文献(2)の計算方法が用いられる。
上り回線の信号を用い、基地局1で各移動局からの電波到来方向θiと伝搬損失Liを推定する。電波到来方向推定や伝搬損失推定にはどのような方法を用いてもよい。
【0058】
図6は、本発明の、第2の実施の形態において使用する伝搬損失推定手段の一例に関する概念図である。図6(a)は基地局の送信電力と移動局での受信電力、および、伝搬損失との関係、図6(b)は、移動局の送信電力と基地局での受信電力、および、伝搬損失との関係を示したものである。
図3を参照して説明した送信ウエイト計算の概念が周辺セルまで拡張されている。自セルのユーザには添字i(i=1〜K)を使用し、周辺セルのユーザには添字j(j=1〜M)を使用して区別する。
【0059】
伝搬損失Liの推定方法については、基地局1で自セルのユーザiの移動局の送信電力Tmiを把握していれば、次式の関係式を用いて、受信電力Priから容易に求めることができる。
【数4】
周辺セルのユーザj(jは周辺セルのユーザを表す)の移動局42についても、同様な関係式を用いて、受信電力から容易に求めることができる。この場合は周辺セルからの干渉波として基地局1で受信される電力である。
【数5】
推定されたi番目およびj番目のユーザの信号到来方向と下り回線周波数およびアレー形状によって決まるアレー伝搬ベクトル(アレー方向ベクトル)をvi,vjと表す。
【0060】
Piを自セルの「i番目のユーザ電力として想定する値」、fiを自セルのi番目のユーザの重み付け関数、Pjを周辺セルの「j番目のユーザ電力として想定する値」、fjを周辺セルのj番目のユーザの重み付け関数、Pnを熱雑音電力としたとき、ウエイト計算のための相関行列Rxxを、
【数6】
と定義する。
ここで、k番目のユーザ(kは自セル内のユーザ)のアンテナウエイトwkを、
【数7】
と与える。Rxx -1は、Rxxの逆行列を表す。
【0061】
上述した自セルの「i番目のユーザ電力として想定する値」Piには、図6(b)に示されている、Pmi(=Ti/Li)が代入される。
一方、周辺セルの「j番目のユーザ電力として想定する値」Pjには、図6(b)に示されたPmj(=Tj/Lj)が代入される。ここで、Ljは基地局1と周辺セルのユーザjの移動局42との間の伝搬損失であり、Tjは周辺セルの基地局41が周辺セルのユーザjの移動局42を送信相手として送信するときの送信電力の値である。
基地局1は実際に周辺セルのユーザjの移動局42を送信相手として送信電力Tjで送信するわけではないが、仮想的にこのように考えたとしたときに周辺セルのユーザjの移動局42が受信する受信電力の値を計算して用いる。
また、図6(b)に示したTiのように、基地局1から自セル内のユーザiの移動局を送信相手とした希望波送信電力の値を代入してもよい。したがって、上述した式(4)から得られるLiは必ずしも必要とはされない。同様に、図6(b)に示したTjのように、周辺セルの基地局41から周辺セル内のユーザjの移動局42を送信相手とした希望波送信電力の値を代入してもよい。したがって、上述した式(5)から得られるLjは必ずしも必要とはされない。
【0062】
式(6)のPi,Pjおよび式(7)のPkはk番目のユーザの送信アンテナ指向性を決定するにあたり、それぞれ、i,j,k番目のユーザに関する影響度を表すものである。一般的には、自セルのユーザkの移動局を希望波移動局とした場合、Pi(i≠k),Pjの値を大きくすることで、自セルのユーザiの移動局,周辺セルのユーザjの移動局42方向に、指向性のヌルを意図的に向けることができる。
一方、fi,fjは重み付け関数であり、例えばfjに0でない正の値を入れることで、周辺セルに対する干渉を考慮することができる。特に、周辺セルへの干渉を大きく押さえたい場合には、fjに大きな値を入れればよい。
【0063】
次に、上述した重み付け関数fi,fjについて詳述する。
既に説明したように、短区間変動や瞬時変動は考慮していないが、基地局1と移動局との距離による伝搬損失は、伝搬損失情報として考慮していた。
すなわち、基地局1とユーザiの移動局間の距離をriとすると、受信電力変動E(ri)は次式で決まる。
E(ri)=Ar- α (8)
ここで、Aは送信電力等で決まる定数であり、αは伝搬定数である。伝搬定数αの市街地での標準的な値は、α=3.5である。
したがって、上述した伝搬損失情報Liは、基本的には次式のように表される。
Li=Brα (9)
Bは定数である。
【0064】
ところが、最後に説明するシミュレーションによれば、上述した伝搬損失情報Liを考慮しただけでは、干渉が遠いところにある移動局に及ぼす影響が大きいことがわかった。そのため、基地局から距離riにあるユーザiの移動局に対して、重み付け関数fiを次のように定義する。
fi =ri γ (γ>0) (10)
なお、図4に示す情報管理部32では周辺セルの移動局に対して、fjの代わりにfi Δの記号を用いているが同じ関数である。
式(10)の場合の重み付け関数fiの値は、伝搬損失情報Liと同じ距離riの関数であるから、伝搬路損失を推定する際に、伝搬損失情報Liと同様に、受信電力情報Prから推定する。あるいは、伝搬損失情報Liからriを得て計算することもできる。
【0065】
図4では、重み付け付け関数fi,fjをどこのブロックで計算するかについては記載していない。設定する重み付け関数の内容に依存するが、ユーザ毎に一度計算しておいて情報管理部32で保持しておく。あるいは、ウエイト計算をする直前の時点で求めることも可能である。
あるいは、図1で説明すれば、変換部15の後に重み付け部を設けて重み付け関数fi ,fjを乗算し、ユーザ別処理部81〜8Kの送信ウエイト計算部18に出力するようにしてもよい。
ただし、式(10)のような距離の関数、あるいは到来方向の関数とした場合には、到来波を推定するブロックで距離を求めて重み付け関数を計算する方法が可能である。
【0066】
この関数は、基地局から遠い移動局ほど受信電力が大きくなるように作用する。すなわち基地局から近い移動局よりも基地局から遠い移動局の干渉を抑圧するように作用する。
したがって、特に、周辺セルの移動局を考慮する場合に、この重み付け関数fi Δを導入することは有効である。しかし、図1〜図3を参照して説明した第1の実施の形態にも適用可能である。
【0067】
なお、上述した伝搬損失情報Liと合わせて1式とすると、
fi /Li=Bri γ - α (γ>0) (11)
となる。
したがって、式(12)を新たに伝搬損失情報とすることも可能である。
なお、上述した式(11),(12)の重み付け関数fi,fi Δは、単なる一例であって、fi,fi Δ=1であるときよりも良好な結果が得られる関数であれば、他の特性の関数であってもよい。
【0068】
図7は、本発明の、第3の実施の形態を説明するためのブロック構成図である。図中、図12,図1と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
この実施の形態は、図1ないし図3を参照して説明した実施の形態の構成に変更を加えたものであって、送信ウエイト計算に考慮する干渉ユーザ数を減らすことにより、干渉量低減効果を改善するものである。
51は選択部であって、511,512,……,51Kは、ユーザ1,2,……Kの選択部である。各選択部は、各ユーザに対応する到来波(希望波)の情報を選択するのは当然として、それ以外に、干渉波抑圧のために他のユーザに対応する到来波の情報を選択する。
【0069】
その際、到来波の情報の数を、希望波を含めてKs(Ks≦K)に絞り込む。したがって、送信時にアレーアンテナのビーム制御の自由度が増大する。その結果、干渉量低減効果が大きくなる。なお、Ks=Kのときは絞り込みを行っていないが、状況によっては、絞り込みを行わずに、全ユーザの到来波(希望波+干渉波)を選択する場合がありうるので、この実施の形態では、このような場合を想定してKs=Kとしている。
例えば、選択する到来波の数Ksを、アレーアンテナの自由度未満に減らせば、干渉波を与えてしまう移動局に対してビームヌルを向けることができる。
【0070】
ユーザ数Kは、通常、アレーアンテナの自由度よりもかなり多いので、干渉波抑圧のために選択する干渉波の情報を絞り込む基準が必要である。
干渉波の第1の絞り込み方法は、基地局送信電力の高いユーザ(高速レート受信ユーザ)の移動局情報を、上位から順に(Ks−1)個を選択するというものである。これらの情報を用いて、下り回線の低速レート受信ユーザにメインローブを向けて送信する時に、(Ks−1)個の高速レート受信ユーザに対して、ヌルを生成するビームパターンを生成すると、高速レート受信ユーザに対する干渉が低減する。
その結果、高速レート受信ユーザにメインローブを向けて送信する際の送信電力を低減することが可能となり、ひいては、高速レート受信ユーザにメインローブを向けて送信する時に、低速レート受信ユーザへの干渉が低減する。
【0071】
干渉波の第2の絞り込み方法は、上述した第1の方法とは逆である。基地局送信電力の低い干渉ユーザ(低速レート受信ユーザ)の移動局情報を、下位から順に(Ks−1)個を選択するというものである。
これらの情報を用いて、下り回線の高速レート受信ユーザにメインローブを向けて送信する時に、(Ks−1)個の低速レート受信ユーザに対して、ヌルを生成するビームパターンを生成すると、低速レート受信ユーザへの干渉が直接的に低減される。
いずれの場合でも、考慮する干渉波数を絞り込むことにより、所望の方向にビームヌルを向けることができ、干渉波抑圧の効果が高まることになる。
【0072】
干渉波の第3の絞り込み方法は、基地局で受信された多数の到来波の到来角について、計算に用いる到来波をまとめ上げるものである。
図8は、図7に示した第3の実施の形態において、計算に用いる干渉波を絞り込む第3の方法の原理的説明図である。10ユーザが同時に通信しているとし、そのうち、ユーザ10の選択部51について例示的に説明する。
図8(a)は、情報管理部22で管理された、到来波の到来角と受信電力を示す線図である。ユーザiからの到来波の到来角をθ'i,受信電力をP'iとする。i=10がユーザ10に対する参照波に関するものであり、i=1〜9がユーザ10に対しては干渉波として受信されたものである。
【0073】
ここで、到来角θの全範囲をΔθで分割し、分割された小区間に複数の干渉波があった場合には、その小区間内の近接する到来波をまとめ上げて、1つの干渉波に置き換えたものを選択することによって、到来波の情報の数を減らした上で送信ウエイト計算に用いる。
まとめ上げの方法としては、例えば、図8(b),図8(c),図8(d)の方法がある。以下、置き換えられて選択される1つの干渉波の到来角及び受信電力を、各小区間ごとに、(θ1,P1),(θ2,P2),(θ3,P3),(θ4,P4)……とする。
【0074】
いずれの場合も、選択される受信電力P1,P2,P3は、図示するように、各小区間内の受信電力の和とする。すなわち、
P1=P'1+P'2+P'3
P2=P'4
P3=P'5+P'6+P'7
P4=P'8+P'9
【0075】
図8(b)においては、選択される干渉波の到来角θを、各小区間における受信電力最大のパス(到来波)の到来角とする。すなわち、
θ1=θ'2 ,θ2=θ'4 ,θ3=θ'7 ,θ4=θ'9
図8(c)においては、選択される干渉波の到来角θを、各小区間における受信電力を重みとして重み付け合成された到来角とする。すなわち、
θ1=(P'1θ'1+P'2θ'2+P'3θ'3)/(P'1+P'2+P'3)
θ2=θ'4
θ3=(P'5θ'5+P'6θ'6+P'7θ'7)/(P'5+P'6+P'7)
θ4=(P'8θ'8+P'9θ'9)/(P'8+P'9)
図8(d)においては、選択される干渉波の到来角θを、各小区間の中央値とする。すなわち、縦軸の位置する到来角を0とすると、
θ1=(1/2)Δθ,θ2=(3/2)Δθ,θ3=(5/2)Δθ,θ4=(7/2)Δθ
【0076】
上述した干渉波の絞り込み方法において、干渉電力が、平均電力等に応じて決まる所定の閾値以上でなければ選択しないようにしてもよい。このようにした場合、あるユーザからの希望波の受信電力がこの閾値以下であるとき、絞り込み方法やそのときの受信電力の分布によっては、このユーザの干渉波選択数Ksの値が、他ユーザの干渉波選択数Ksの値と異なる場合がある。
【0077】
図9は、本発明の、第4の実施の形態を説明するためのブロック構成図である。図中、図12,図1,図4,図7と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
この実施の形態は、図4〜図6を参照して説明した実施の形態の構成に変更を加えたものであって、図7と同様に、送信ウエイト計算に考慮する干渉ユーザの情報数を減らすことにより、干渉量低減効果を上げるものである。
すなわち、周辺セルユーザからの到来波も含めた(K+M)の中から送信ウエイト計算に考慮する到来波の情報を希望波も含めてKs個だけ選択するものである。
選択の基準は、図7の場合と同様である。また、第3の方法をとるときには、図8に例示したような到来波の到来角のまとめ上げを行うことができる。
【0078】
図10は、周辺セルの移動局を考慮することによる干渉波抑圧の効果を評価するシミュレーション結果を説明するため線図である。本発明を実施した結果を表すものではないが、本発明を適用することにより期待できる作用効果が推定できる。
セル構成はセル半径をR [km]とした正六角形セルとする。移動局はセル内に一様分布している。伝搬変動として距離変動だけを考慮し、伝搬定数α=3.5とした。アレイアンテナ構成はリニアアレーアンテナとし、アンテナ素子は無指向性とする。
【0079】
符号間干渉は、拡散符号が完全に直交していれば0となるが,直交関係が崩れれば1/PG(PG:拡散率)だけの干渉が生じる。一般に、同一基地局から送信した電波は,直交関係が保たれ干渉は0となる。しかし伝搬遅延波があれば拡散符号間の直交関係が崩れるため干渉を生じる。
簡単のため干渉率(以下、非直交係数という)をβとして定義して用いる。すなわち,干渉量はβ/PGとなる。一方,異なる基地局から送信された信号は、一般に直交関係が保てないので1/PGの干渉を生じる。
【0080】
(1)各セル毎の移動局数を2つの伝送速度移動局群(高速伝送移動局群,低速伝送移動局群)に分類し,送信電力を決定する.続いて各セル毎に移動局の位置を一様乱数で決定する。
(2)基地局において、各移動局の到来方向と伝搬損失とは、基地局側で理想的に推定できるものと仮定する。推定した情報を基に、移動局毎に伝送速度に応じた下り送信電力の変換及び重み付け関数の追加を行い、アレーベクトルを作成して,アンテナパターンを求める。
(3)各移動局においては、下り回線のアンテナパターン,送信電力,伝搬損失に基づいて希望波電力と干渉波電力を求める。干渉波電力は,自セルの干渉波(セル内全ユーザ数−1)と他セルからの干渉波(セル内全ユーザ数×他セルの数)の総電力であり,自セルの干渉波に関しては、非直交成分β/PGを考慮し,他セルの干渉波に対しては1/PG(β=1)を考慮して計算する。
(1)〜(3)の試行を繰返し行い,希望波電力対干渉波電力比CIRの分布を求める.ただし、評価は干渉が最も厳しい中心セルの移動局に対してだけ行った。
【0081】
シミュレーション条件は、次の通りである。日本における第3世代移動体通信の割り当て周波数に着目すれば、上り回線の搬送波周波数に対してアンテナ素子間隔dがλ/2となるように設定した場合、下り回線の搬送波周波数に対しては約0.55λとなる。また,アンテナ素子数は8、各セルの移動局数は20としている。ここでは例示していないが、特に伝送速度を考慮した場合には、高速伝送移動局数を5,低速伝送移動局数を15としている。また,高速伝送移動局群の送信電力は低速伝送移動局群に対して15dB高い送信電力を設定している。
【0082】
評価は以下に示す方法と比較する。
(i)上り回線で計算したアンテナウエイトを下り回線のウエイトとして用いる方法(下りCOPY法)
(ii)各移動局の電波到来方向と伝搬損失は完全に推定できるものとして、下り回線の送信電力を補正し,最適アンテナウエイトを計算する方法(下り最適法)とする。すなわち、fi=1(γ=0)の場合である。
(iii)参考までに、fi=1(γ=0)で、かつ、送受信の搬送波周波数が等しい時分割多元接続TDDの場合(TDD法)も示した。
【0083】
図10(a)は重み付け関数の指数部γをパラメータとした場合の希望波電力対干渉波電力比CIR/PGの累積分布を示す。
ただし、移動局は全て低速伝送移動局群に属しているものとし、非直交係数βはβ=0.4としている。例えば、累積確率の20%値で比較すると、γ=3.5〜5において大きなCIR/PGの改善が得られている。例えばγ=3.5とすれば、提案法は、下りCOPY法や下り最適法(γ=0の場合と等価)に比べてCIR/PGを大幅に改善できることがわかる。
【0084】
ところで、上述した結果は、全移動局の到来方向と伝搬損失とが既知である場合のシミュレーション結果であった。しかし、全移動局の到来方向と伝搬損失とが既知となる場合は、必ずしも現実的ではない。そこで、移動局の到来方向および伝搬損失の情報が得られる範囲を限定した評価も行った。
図10(b)は、移動局情報を得られる範囲Rthを、セル半径Rの1,1.2,1.5倍,及び∞とした場合の、CIR/PGの累積分布を示す。ただし、移動局は全て低速伝送移動局群に属しているものとし、重み付け関数の指数部をγ=3.5,非直交係数をβ=0.4としている。
【0085】
この線図からわかるように、移動局情報を得られる範囲Rthを大きくする程、CIR/PGは改善される。例えば、累積確率の20%値で比較すると、提案法は、下りCOPY法に比べてRth=Rで約3dB、Rth=1.2Rで約5 dBの改善が得られている。また、TDD法に比べても、Rth=1.2Rで約1 dBの改善効果が得られている。
図示を省略するが、高速伝送移動局と低速伝送移動局とが併存している場合も、提案法は、従来法に比べてCIR/PGを大幅に改善できている。
Rth=Rのときは、ほぼ自セルの範囲になるが、自セルは1辺がRの正6角形セルであるので、周辺セルの移動局の影響も一部含まれることになる。
【0086】
以上の説明では、基地局から下り回線方向の送信アレーアンテナウエイトの計算について説明した。しかし、到来波推定を行うことによってアレーアンテナのビームパターンを所望の特性になるように制御するものであればよい。
本発明は、アレーアンテナの形状、取り扱う偏波については特に制約がない。また、アレーアンテナエレメント数やエレメント間隔についても特に制約はない。また、FDD方式、TDD方式いずれにも適用することができる。
上述した説明は、複数のセルで構成されたCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置について説明した。しかし、独立した1つのカバーエリア内に複数の移動局が存在するようなCDMA方式における基地局アンテナ指向性制御装置に用いることもできる。また、CDMAセルラー方式であっても、周辺セルの移動局の影響を考慮しない場合は、実質的に、上述したCDMA方式における基地局装置と同じである。
【0087】
【発明の効果】
上述した説明から明らかなように、本発明によれば、干渉波の推定精度を向上させたり、周辺セルからの干渉波の影響を考慮したりすることにより、複数のアンテナ素子に対する最適な送信ウエイトを正確に計算できるという効果がある。
また、距離に対する干渉波の影響の程度を考慮することにより、複数のアンテナ素子に対する最適な送信ウエイトを正確に計算できるという効果がある。
複数のアンテナ素子を有するアンテナ装置に対する最適な送信ウエイトにより、干渉量抑圧の効果がこれまでよりも向上する結果、セルに収容可能なユーザ数を増やして周波数利用率が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置に関する第1の実施の形態を説明するためのブロック構成図である。
【図2】図1の全てのユーザ別処理部におけるアレーアンテナのウエイト計算を示す説明図である。
【図3】本発明の、第1の実施の形態において使用する伝搬損失推定の一例に関する概念図である。
【図4】本発明の、第2の実施の形態を説明するためのブロック構成図である。
【図5】図2に示した周辺セルの移動局からの到来波推定部において、推定された複数の到来方向の中から、周辺セルの移動局からの到来波を抽出する一例の説明図である。
【図6】本発明の、第2の実施の形態において使用する伝搬損失推定の一例に関する概念図である。
【図7】本発明の、第3の実施の形態を説明するためのブロック構成図である。
【図8】図7に示した第3の実施の形態において、計算に用いる干渉波を絞り込む第3の方法の原理的説明図である。
【図9】本発明の、第4の実施の形態を説明するためのブロック構成図である。
【図10】周辺セルの移動局を考慮することによる干渉波抑圧の効果を評価するシミュレーション結果を示す線図である。
【図11】アダプティブアレーアンテナを用いたCDMAセルラー移動通信システムの一例を示す説明図である。
【図12】従来のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置の一例を説明するためのブロック構成図である。
【図13】到来方向推定を利用した従来のアダプティブアレーアンテナのウエイト計算を模式的に説明するブロック図である。
【図14】図12の全てのユーザ別処理部における送信ウエイト計算の説明図である。
【符号の説明】
1…基地局、2…ユーザ1の移動局、3…ユーザ2の移動局、4a〜4d…アレーアンテナエレメント、81〜8K…ユーザ別処理部、11…AAA(アダプティブアレーアンテナ)受信部、13…希望波推定部、14,22,32…情報管理部、15…変換部、17…AAA送信部、18…送信ウエイト計算部、21…RF受信部、41…周辺セルの基地局、42…周辺セルユーザ1の移動局、51…選択部
Claims (9)
- 複数のアンテナ素子を有するアンテナ装置を用いて、自セルの複数のユーザ通信装置との間で、基地局から各ユーザ通信装置への通信と各ユーザ通信装置から基地局への通信とで異なる搬送周波数、同じアンテナ素子を用いて通信を行うためのCDMA方式における基地局アンテナ指向性制御装置であって、
前記自セルの前記複数のアンテナ素子で受信された複数系統の受信信号に対し、各ユーザの拡散符号により逆拡散を行い、その結果得られた各ユーザの逆拡散後の複数系統の受信信号を用いて、前記自セルの各ユーザの希望波の到来波情報を推定して、該自セルの各ユーザ通信装置に関する到来波情報を出力する希望波推定手段と、前記自セルの複数のアンテナ素子で受信された複数系統の受信信号に基づいて周辺セルの前記各ユーザ通信装置から受信した到来波を推定して、該周辺セルの各ユーザ通信装置に関する到来波情報を出力する周辺セル到来波推定手段と、前記自セルの各ユーザ通信装置に関する到来波情報および該自セルの各ユーザ通信装置に送信する信号の送信電力情報、および、前記周辺セルの各ユーザ通信装置に関する到来波情報および前記周辺セルの基地局が該周辺セルの各ユーザ通信装置に送信する送信信号の送信電力情報を管理する情報管理手段と、管理された前記自セルの各ユーザ通信装置に関する情報、および、管理された前記周辺セルの各ユーザ通信装置に関する情報を用いて、送信相手となる前記自セルのユーザ通信装置への指向性利得が大きく、前記自セルの他の前記ユーザ通信装置および周辺セルのユーザ通信装置に対する指向性利得が小さくなるようなビームパターンを生成するように、前記自セルの各アンテナ素子に対するアンテナウエイトを、前記送信相手となる自セルのユーザ通信装置毎に計算して出力するアンテナウエイト出力手段、を有することを特徴とするCDMA方式における基地局アンテナ指向性制御装置。 - 前記希望波推定手段は、前記希望波の到来方向のみを推定して、前記各ユーザ通信装置に関する到来波情報として到来方向情報のみを出力するものであり、前記周辺セル到来波推定手段は、前記到来波の到来方向のみを推定して、前記周辺セルの各ユーザ通信装置に関する到来波情報として到来方向情報のみを出力するものである、ことを特徴とする請求項1に記載のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置。
- 前記情報管理手段として、前記送信相手となる自セルのユーザ通信装置に関する前記到来波情報、および、前記送信電力情報を用いるとともに、前記自セルの他のユーザ通信装置および前記周辺セルのユーザ通信装置に関する、前記到来波情報、および、前記送信電力情報を絞り込んで、前記アンテナウエイト出力手段に出力する情報選択手段を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置。
- 前記情報選択手段は、前記自セルの他のユーザ通信装置および前記周辺セルのユーザ通信装置からの前記到来波情報に関しては、到来角の近接したものを合成することにより前記到来波情報の数を減少させるとともに、合成された前記到来波情報に応じて前記送信電力情報を合成して、前記合成された前記到来波情報に関する前記到来方向情報、および、合成された前記送信電力情報を、前記自セルの他のユーザ通信装置および周辺セルのユーザ通信装置に関する情報として出力する、ことを特徴とする請求項3に記載のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置。
- 前記自セルの複数のアンテナ素子によって受信された複数系統の受信信号に基づいて受信相手となる自セルのユーザ通信装置毎に前記各アンテナ素子に対する受信ウエイトを計算することにより受信情報を出力する受信手段を有し、前記希望波推定手段は、前記受信手段での途中計算結果を利用して、前記各ユーザ通信装置から受信した希望波を推定する、ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置。
- 複数のアンテナ素子を有するアンテナ装置を用いて、複数のユーザ通信装置との間で、基地局から各ユーザ通信装置への通信と各ユーザ通信装置から基地局への通信とで異なる搬送周波数、同じアンテナ素子を用いて通信を行うためのCDMA方式における基地局アンテナ指向性制御装置であって、前記各ユーザ通信装置に関する到来方向情報、伝搬損失情報、送信電力情報、および、基地局からの距離が遠いほど前記各ユーザ通信装置へ与える干渉を軽減するための基地局からの距離が遠いほど前記各ユーザ通信装置の重み付けを大きくする重み付け関数を用いて、送信相手となる前記ユーザ通信装置への指向性利得が大きく、他の前記ユーザ送信装置に対する指向性利得が小さくなるようなビームパターンを生成するように、前記各アンテナ素子に対するアンテナウエイトを、前記送信相手となるユーザ通信装置毎に計算して出力する、ことを特徴とするCDMA方式における基地局アンテナ指向性制御装置。
- 前記各ユーザ通信装置に対する送信電力に前記重み付け関数を乗算し、伝搬損失を考慮した値を該各ユーザ通信装置の受信電力想定値とみなして各ユーザ通信装置の受信信号に関する相関行列を生成して、前記各アンテナ素子に対するアンテナウエイトを、前記送信相手となるユーザ通信装置毎に計算する、ことを特徴とする請求項6に記載のCDMA方式における基地局アンテナ指向性制御装置。
- 複数のアンテナ素子を有するアンテナ装置を用いて、自セルの複数のユーザ通信装置との間で、基地局から各ユーザ通信装置への通信と各ユーザ通信装置から基地局への通信とで異なる搬送周波数、同じアンテナ素子を用いて通信を行うCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置であって、前記自セルの各ユーザ通信装置に関する到来方向情報、伝搬損失情報、送信電力情報、前記周辺セルの各ユーザ通信装置に関する到来方向情報、伝搬損失情報、前記周辺セルの基地局が該周辺セルの各ユーザ通信装置に送信する送信電力に関する送信電力情報、および、前記自セルの基地局からの距離が遠いほど、前記自セルの各ユーザ通信装置および前記周辺セルの各ユーザ通信装置へ与える干渉を軽減するための基地局からの距離が遠いほど前記各ユーザ通信装置の重み付けを大きくする重み付け関数を用いて、送信相手となる前記自セルのユーザ通信装置への指向性利得が大きく、前記自セルの他のユーザ通信装置および前記周辺セルのユーザ通信装置に対する指向性利得が小さくなるようなビームパターンを生成するように、前記各アンテナ素子に対するアンテナウエイトを、前記送信相手となる自セルのユーザ通信装置毎に計算して出力する、ことを特徴とするCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置。
- 前記自セルの各ユーザ通信装置に対する送信電力に前記重み付け関数を乗算し、伝搬損失を考慮した値を該自セルの各ユーザ通信装置の受信電力想定値とみなし、かつ、前記周辺セルの各ユーザ通信装置に対する該周辺セルの基地局からの送信電力に前記重み付け関数を乗算し、伝搬損失を考慮した値を該周辺セルの各ユーザ通信装置の受信電力想定値とみなして各ユーザ通信装置の受信信号に関する相関行列を生成して、前記各アンテナ素子に対するアンテナウエイトを、前記送信相手となるユーザ通信装置毎に計算して出力する、ことを特徴とする請求項8に記載のCDMAセルラー方式における基地局アンテナ指向性制御装置。
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