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JP4151258B2 - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents

プラズマディスプレイ装置 Download PDF

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JP4151258B2
JP4151258B2 JP2001340683A JP2001340683A JP4151258B2 JP 4151258 B2 JP4151258 B2 JP 4151258B2 JP 2001340683 A JP2001340683 A JP 2001340683A JP 2001340683 A JP2001340683 A JP 2001340683A JP 4151258 B2 JP4151258 B2 JP 4151258B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマディスプレイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマディスプレイ装置においては大型化、高精細化が進む傾向にあるため、プラズマディスプレイ装置駆動回路が高速化しても、より安定した表示動作が要求される。
【0003】
従来、プラズマディスプレイ装置の安定動作を目的とした駆動方法としては、各種のものが知られており、以下のその一例について図7〜図10を用いて説明する。
【0004】
図7に示すように、プラズマディスプレイパネル(以下PDPという)1を用いたプラズマディスプレイ装置は、2値表示が基本であるため、多階調画像を表示する場合、駆動電極タイミング発生回路2が入力画像信号3の1フィールド分を複数のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドに所定の輝度重みをもたせて各サブフィールド毎の発光をオン制御またはオフ制御するサブフィールド信号に変換して階調表示を行う。なお、各サブフィールド画像は2値画像である。
【0005】
さらに、駆動電極タイミング発生回路2は、各々のサブフィールドを初期化期間、アドレス期間及び表示期間とに分け、アドレス・表示電極駆動回路4と表示電極駆動回路5とデータ電極駆動回路6に各種駆動タイミング信号を出力する。このうち実際に表示が行われるのは表示期間だけで、アドレス期間には表示は行われない。なお、7はアドレス・表示電極のタイミング信号、8は表示電極のタイミング信号、9はアドレス・表示電極の駆動信号、10は表示電極の駆動信号、11は直列に並んだデータ信号、12,13は第1クロック信号及び第2クロック信号、14はデータ電極の駆動信号である。
【0006】
また、図8〜図10に図7に示すプラズマディスプレイ装置の動作を説明するための各種信号のタイミングを示しており、図8には入力画像信号3、データ電極駆動信号14、アドレス・表示電極駆動信号9、表示電極駆動信号10の各信号において、初期化期間tr1〜trn、アドレス期間ta1〜tan、表示期間tw1〜twnにおけるタイミングを示し、図9にはデータ電極駆動信号14、アドレス・表示電極駆動信号9のタイミングに対する直列データ信号11、第1、第2クロック信号12,13の各タイミングを示し、図10には入力画像信号の垂直周波数を65Hz、60Hzの場合の1フィールド期間における各サブフィールドの初期化期間tr1〜trn、アドレス期間ta1〜tan、表示期間tw1〜twnのタイミングを示している。
【0007】
初期化期間では、まずすべての放電セルに対して、壁電荷を取り除くために、プラズマ放電を発生させ、これにより放電セルを初期化する。
【0008】
その後、サブフィールド順序に対応したサブフィールド画像に応じて選択した放電セルのみに書き込み放電を発生させて壁電荷を蓄積する。壁電荷の蓄積がすべてのアドレス・表示電極に対して終了した後、表示期間に移行する。
【0009】
表示期間では、すべての放電セルに対して表示パルスを印加することになるが、その時点で壁電荷の蓄積されているセルのみが選択的にプラズマ放電を発生し、表示光を得る。表示パルスの数と発光パルス数は一致し、発光パルス数は各サブフィールドの輝度重みに比例している。この初期化期間、アドレス期間及び表示期間はサブフィールドの数だけ繰り返され、1フィールドの合計の発光パルス数は入力信号のレベルに比例することになる。
【0010】
なお、各サブフィールドの初期化期間及びアドレス期間は一定値であり、1フィールドの初期化期間とアドレス期間の合計値は、サブフィールド数が多くなるにつれて大きくなる。
【0011】
また従来の構成では、対向する入力画像信号3の垂直周波数が最も高い周波数、すなわち対応する入力画像信号3の1フィールド期間が最も短い条件で各サブフィールドのアドレス期間を設定し、垂直周波数がより低い条件下でも図8や図10に示すようにアドレス期間を一定に固定することで、水平画素データを直列に並べたデータ信号11と、この直列データ信号11を水平方向に並列に並んだデータ電極に印加するデータ電極駆動信号14に変換するためのデータ転送用の2種類のクロック信号である第1クロック信号12及び第2クロック信号13の周期を、入力画像信号3が対応する全ての垂直周波数において一定にすることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の構成では、対応する垂直周波数が最も高い周波数、すなわち対応する1フィールド期間が最も短い条件で各サブフィールドのアドレス期間を固定しているため、データ電極駆動回路6に入力する直列に並んだデータ信号11のデータ数が増えると、データを取り込むためのクロック周波数が高くなり、データ電極駆動回路6の消費電力が増加するとともに、データ電極駆動回路6の不要輻射が増加するという問題点を有している。
【0013】
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、データ電極駆動回路の消費電力を低減させるとともに、不要輻射を低減することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は映像信号の各1フィールド期間から周期が最も短い基準となる1フィールド期間を差し引いて映像信号の各1フィールド期間内にできる残り時間を求め、その残り時間を各フィールドの各サブフィールドのアドレス期間に振り分けるように構成したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルにデータ電極駆動信号を出力するデータ電極駆動回路、アドレス・表示電極駆動信号を出力するアドレス・表示電極駆動回路、及び表示電極駆動信号を出力する表示電極駆動回路を備え、かつ映像信号の1フィールドを複数個のサブフィールドに分割し、各サブフィールド毎の発光をオン制御またはオフ制御するサブフィールド信号に変換して階調表示を行うプラズマディスプレイ装置において、前記映像信号の各1フィールド期間から周期が最も短い基準となる1フィールド期間を差し引いて前記映像信号の各1フィールド期間内にできる残り時間を求め、その残り時間を各フィールドの各サブフィールドアドレス期間に振り分けるアドレス期間可変部と、振り分けたアドレス期間の長さに応じてアドレス・表示電極駆動回路及び表示電極駆動回路から出力される駆動信号のタイミングを変更する駆動電極タイミング発生部と、振り分けたアドレス期間の長さに比例して1走査ラインのアドレス期間を長くするとともに、その1走査ラインのアドレス期間に比例して、前記駆動電極タイミング発生部から前記データ電極駆動回路に出力される直列に並んだデータ信号及びデータ転送用クロック信号の周期を長くするデータ電極タイミング可変部と、周期を長くした直列に並んだデータ信号とデータ転送用クロック信号の位相を比較し、比較した位相差に応じて前記直列に並んだデータ信号に対する前記データ転送用クロック信号の位相を可変することで前記直列に並んだデータ信号と前記データ転送用クロック信号の位相関係を一定に保持する手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、アドレス期間可変部により振り分けたアドレス期間の長さに比例して駆動時間を長くしたアドレス・表示電極信号とデータ電極駆動信号の間で発生するプラズマディスプレイパネルのアドレス放電電流を検出し、かつ検出した放電電流と基準となるアドレス放電電流とを比較するとともに、比較した電流差に応じて前記データ電極駆動信号に対する前記アドレス・表示電極信号の位相を可変することにより前記データ電極駆動信号と前記アドレス・表示電極信号の位相関係を一定に保持する手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0017】
このような本発明の構成によって、映像信号の1フィールド期間を検出し、映像信号の1フィールド期間から基準となる周期が最も短い1フィールド期間を差し引いてできる残り時間を全てのアドレス期間に振り分け、振り分けたアドレス期間の長さに応じて各電極の駆動信号のタイミングを変更し、振り分けたアドレス期間の長さに比例して各サブフィールドの1走査ライン当たりのアドレス期間を長くすることで、データ電極駆動回路がデータを転送するためのクロック周波数を下げることができるため、データ電極駆動回路の消費電力を低減することができる。
【0018】
また、映像信号の1フィールド期間から基準となる周期が最も短い1フィールド期間を差し引いてできる残り時間を各サブフィールドのアドレス期間に振り分け、振り分けたアドレス期間の長さに比例して周期を長くした直列に並んだデータ信号と2種類のデータ転送用クロック信号の位相差に応じて、直列に並んだデータ信号に対する2種類のデータ転送用クロック信号の位相を可変することにより、位相関係を一定に保持し各画素データを取り込むためのタイミングマージンを広く確保することができるため、誤点灯を防止することができる。
【0019】
さらには、映像信号の1フィールド期間から基準となる周期が最も短い1フィールド期間を差し引いてできる残り時間を各サブフィールドのアドレス期間に振り分け、振り分けることで駆動時間を長くしたアドレス・表示電極信号とデータ電極駆動信号の間で発生するPDPのアドレス放電電流を、基準となるアドレス放電電流との電流差に応じてデータ電流駆動信号に対するアドレス・表示電極信号の位相を可変することにより、位相関係を一定に保持し、各PDPに対応してアドレス放電状態を安定させることができるため、PDPの歩留まりを向上させることができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置について図面を用いて説明する。
【0021】
図1に本発明によるプラズマディスプレイ装置のブロック図を示しており、図1において、1〜14は図7に示す従来の技術における各種機能ブロック及び各種信号と同一部分である。
【0022】
図1に示すように、本発明は、入力画像信号3の1フィールド期間を検出した垂直期間検出信号26を出力する垂直期間検出回路21と、基準となる周期が最も短い1フィールド期間を示す最小駆動時間設定信号27を出力する最小駆動時間設定回路22と、映像信号の1フィールド期間を示す垂直期間検出信号26から基準となる周期が最も短い1フィールド期間を示す最小駆動時間設定信号27を差し引いた時にできる残り時間をアドレス期間可変信号28として全てのアドレス期間に振り分けるアドレス期間可変回路23と、振り分けるアドレス期間の長さに応じて各電極の駆動信号のアドレス・表示電極タイミング信号29と表示電極タイミング信号30のタイミングを変更する駆動電極タイミング発生回路24と、振り分けるアドレス期間の長さに比例して1走査ラインのアドレス期間を長くするとともに、1走査ラインのアドレス期間に比例して直列に並んだ画素データである直列データ信号11及びデータ転送用クロックである第1クロック信号12と第2クロック信号13の周期を長くした直列データ信号31と第1クロック信号32と第2クロック信号33を出力するデータ電極タイミング可変回路25とを備えている。
【0023】
なお、34は、アドレス・表示電極の駆動信号、35は表示電極の駆動信号、36はデータ電極の駆動信号である。
【0024】
上記のように構成された図1のブロック図について、図2、図3を用いて以下その動作を説明する。
【0025】
図2、図3において、初期化期間をtr1〜trn、アドレス期間をta1〜tan、表示期間をtw1〜twnとする(nはサブフィールド数)。また、各サブフィールドのアドレス期間内の1走査ライン当たりのアドレス期間(以下単位アドレス期間という)をtb1〜tbmとする(mは駆動ライン数)。また、単位アドレス期間内の1画素データの期間を(以下単位データ期間という)をtc1〜tckとする(kは直列に並んだ画素データ信号1本分のデータ数)。
【0026】
入力画像信号3の最大の垂直周波数fvを65Hz、実際に入力する映像信号の垂直周波数fvを60Hz、表示ライン数を768ライン、駆動方法を上下2分割駆動し、サブフィールド数n=8、駆動ライン数m=384、直列に並んだ画素データ信号1本分のデータ数k=36と設定した場合を例にして動作を説明する
【0027】
最初に、最小駆動時間設定回路22は、入力画像信号3の最大垂直周波数が最大65Hzであるため、周期が最小の1フィールド期間が15385μsであることを示す最小駆動時間設定信号27を出力する。
【0028】
次に、垂直期間検出回路21が、実際に駆動する入力画像信号3が入力されると、垂直周波数が60Hzであることから1フィールド期間が約16667μsであることを示す垂直期間検出信号26を出力する。
【0029】
次にアドレス期間可変回路23が、前記垂直期間検出信号26から前記最小駆動時間設定信号27を差し引いて、1フィールド期間内にできる残り時間約1282μsを算出し、残り時間の約1282μsを8個の各サブフィールドのアドレス期間に平均して振り分けるアドレス期間可変信号28を出力する。上記に示す入力条件では、各サブフィールドのアドレス期間に平均して振り分けられるアドレス期間可変信号28は約160μsとなる。
【0030】
次に、駆動電極タイミング発生回路24が、振り分けられたアドレス期間可変信号28をもとにアドレス・表示電極タイミング信号29、表示電極タイミング信号30を変更して、アドレス・表示電極駆動信号34、表示電極駆動信号35の各サブフィールドのアドレス期間に約160μsを追加する。
【0031】
データ電極側では、データ電極タイミング可変回路25が、振り分けられたアドレス期間可変信号28をもとに、直列に並んだ画素データのデータ数に応じて直列データ信号11、第1クロック信号12、第2クロック信号13の周期を長くした直列データ信号31、第1クロック信号32、第2クロック信号33を出力してデータ電極駆動回路6に入力する。
【0032】
仮に単位アドレス期間を2μs、データ電極駆動回路6に入力する直列に並んだ画素データ信号1本分のデータ数を36とした場合、従来は直列データ信号11、第1クロック信号12、第2クロック信号13の周期が約56nsとなるため、データ転送周波数は約18MHzであった。
【0033】
図1に示す構成によれば、アドレス期間可変回路23で算出した約83μsを各サブフィールドのアドレス期間に振り分けることで、単位アドレス期間が約2.4μsとなり、直列データ信号31、第1クロック信号32、第2クロック信号33の周期が約67nsとなるため、データ転送周波数が約15%低減した約15MHzとなる。
【0034】
よってデータ電極駆動回路6の駆動電力はデータ転送周波数に比例するため、約15%の電力が低減できる。
【0035】
また、垂直周波数がさらに低くなると、1フィールド期間がさらに長くなり、1フィールド期間内に発生する残り時間もさらに長くなるため電力削減の効果はさらに増加する。
【0036】
このように図1において、垂直期間検出回路21と、最小駆動時間設定回路22と、アドレス期間可変回路23と、駆動電極タイミング発生回路24と、データ電極タイミング可変回路25を設けることにより、映像信号の1フィールド期間を検出し、映像信号の1フィールド期間から基準となる周期が最も短い1フィールド期間を差し引いてできる残り時間を全てのアドレス期間に振り分け、振り分けたアドレス期間の長さに応じて各電極の駆動信号のタイミングを変更し、振り分けたアドレス期間の長さに比例して各サブフィールドの1走査ライン当たりのアドレス期間を長くすることで、データ電極駆動回路6が画素データを転送するクロック周波数を下げることができるため、データ電極駆動回路6の消費電力を低減することができるという有利な効果が得られる。
【0037】
図4に本発明の実施の形態による全体構成を示しており、図1と同一部分については同一番号を付している。
【0038】
図4に示すように本実施の形態においては、図1の構成に加え、直列データ信号31と第1クロック信号32との位相差を比較する位相比較回路41と、位相比較回路41で検出された位相差に応じて直列データ信号31に対する第1クロック信号32の位相を変えた第1位相可変クロック信号47を出力する位相可変回路43と、直列データ信号31と第2クロック信号33との位相差を比較する位相比較回路42と、位相比較回路42で検出された位相差に応じて直列データ信号31に対する第2クロック信号33の位相を変えた第2位相可変クロック信号48を出力する位相可変回路44を備えている。なお、45は位相比較回路41の出力信号、46は位相比較回路42の出力信号である。
【0039】
上記のように構成された本発明の実施の形態について、図5を用いて以下その動作を説明する。
【0040】
また、図5において直列データ信号31の1画素データ期間内の第1位相可変クロック信号47や第2位相可変クロック信号48に対するセットアップ時間をts、ホールド時間をth、タイミングマージンをtdaとする。
【0041】
入力画像信号の最大垂直周波数を65Hz、実際に入力する映像信号の垂直周波数を60Hz、表示ライン数を768ライン、駆動方法を上下2分割駆動、サブフィールド数n=8、駆動ライン数m=384、直列に並んだ画素データ信号1本分のデータ数k=36と設定した場合を例にして本発明の動作を説明する。
【0042】
図1の例では、上記に示す駆動条件下で、従来に比べ単位アドレス時間が約0.4μs長い2.4μsを確保しているため、従来に比べ図5に示すように第1位相可変クロック信号47や第2位相可変クロック信号48に対する直列データ信号31のタイミングマージンtdaが従来の駆動時のタイミングマージンtdbに比べて約11ns長く確保することができる。
【0043】
しかし、単位アドレス期間がさらに短く、直列に並んだ画素データ信号1本分のデータ数がさらに増加した場合、従来に比べてデータ転送周波数は低減するが、データを取り込む際のタイミング特性を示すセットアップ/ホールド時間の条件を満足していなければ、各画素データを取り込む際に取り込みミスを生ずる可能性がある。
【0044】
そこで、本発明では、位相比較回路41が直列データ信号31と第1クロック信号32の位相関係を比較し、データ電極駆動回路6のセットアップ/ホールド時間の条件を満足する時間範囲外である場合は、位相可変回路43が第1クロック信号32の位相を可変して、データ電極駆動回路6のセットアップ/ホールド時間を満足する範囲に第1位相可変クロック信号47の位相を調整することができるため、タイミングマージンを広げることができる。
【0045】
同様に、位相比較回路42が直列データ信号31と第2クロック信号33の位相関係を比較し、データ電極駆動回路6のセットアップ/ホールド時間の条件を満足する時間範囲外である場合は、位相可変回路44が第2クロック信号33の位相を可変して、データ電極駆動回路6のセットアップ/ホールド時間を満足する範囲に第2位相可変クロック信号48の位相を調整することができるため、タイミングマージンを広げることができる。
【0046】
この結果、単位アドレス時間を1.5μs、直列に並んだ画素データ信号1本分のデータ数k=72と設定した場合、従来に比べ、第1位相可変クロック信号47や第2位相可変クロック信号48に対する直列データ信号31のタイミングマージンtdaは従来駆動時のタイミングマージンtdbに比べ約6ns長く確保することができる。
【0047】
また、垂直周波数がさらに低くなると、1フィールド期間がさらに長くなり、1フィールド期間内に発生する残り時間もさらに長くなるため、タイミングマージンはさらに広がる。
【0048】
このように図4において、第1の位相比較回路41と、第2の位相比較回路42と、第1の位相可変回路43と、第2の位相可変回路44を設けることにより、映像信号の1フィールド期間を検出し、映像信号の1フィールド期間から基準となる周期が最も短い1フィールド期間を差し引いてできる残り時間を各サブフィールドのアドレス期間に振り分け、振り分けたアドレス期間の長さに比例して周期を長くした直列に並んだデータ信号と2種類のデータ転送用クロック信号の位相差に応じて、直列に並んだデータ信号に対する2種類のデータ転送用クロック信号の位相を可変することで、位相関係を一定に保持し、各画素データを取り込むためのタイミングマージンを広く確保することができるため、誤点灯を防止することができるという有利な効果が得られる。
【0049】
図6に本発明の他の実施の形態による全体構成を示しており、図1と同一部分については同一番号を付している。
【0050】
図6に示すように本実施の形態においては、上記実施の形態の構成に加え、PDP1のアドレス・表示電極駆動信号56とデータ電極駆動信号36との間で生じるアドレス放電電流の平均値を示す放電電流検出信号57を出力する放電電流検出回路51と、PDP1が安定したアドレス放電を繰り返しているときに生じる基準となる放電電流の平均値を示す放電電流基準信号58を記憶しておく基準電流設定回路52と、放電電流検出信号57と放電電流基準信号58を比較する比較器53と、この比較器53の出力信号59に基づき放電電流検出信号57が放電電流基準信号58に比較して小さいとき、データ電極駆動信号36に対して、アドレス・表示電極駆動信号56のアドレス期間の位相を可変する位相可変回路54を備えている。なお、55はアドレス・表示電極の位相可変信号である。
【0051】
上記のように構成された実施の形態について、図6を用いてその動作を説明する。
【0052】
入力画像信号3の最大垂直周波数を65Hz、実際に入力する映像信号の垂直周波数を60Hz、表示ライン数を768ライン、駆動方法を上下2分割駆動、サブフィールド数n=8、駆動ライン数m=384、直列に並んだ画素データ信号1本分のデータ数k=36と設定した場合を例にして本発明の動作を説明する。 PDP1が安定したアドレス放電を繰り返しているときは、PDP1のデータ電極とアドレス・表示電極の間で充放電する際に一定した放電電流が流れる。
【0053】
図1の構成では、上記に示す駆動条件下で、従来に比べ単位アドレス時間が約0.4μs長い2.4μsを確保しているため、従来に比べ安定したアドレス放電を得ることができる。
【0054】
しかし、アドレス期間において、データ電極駆動信号36とアドレス・表示電極駆動信号56の位相がずれると、各電極間で充放電が十分に行われないため、放電電流が減少する。
【0055】
そこで、本発明では、検出放電電流検出回路51がPDP1のアドレス・表示電極駆動信号56とデータ電極駆動信号36との間で流れるアドレス放電電流の平均値を示す放電電流検出信号57を出力し、PDP1が安定したアドレス放電を繰り返しているときの放電電流の平均値を示す放電電流基準信号58と比較し、放電電流基準信号58よりも低い場合は、データ電極駆動信号36に対するアドレス・表示電極駆動信号56の位相を放電電流基準信号58以上になる範囲に可変し、常にアドレス・表示電極駆動信号56とデータ電極駆動信号49の位相関係を一定に保持することで、各種PDPのアドレス放電状態を安定させることができるため、PDPの歩留まりを向上させることができるという有利な効果が得られる。
【0056】
また、垂直周波数がさらに低くなると、1フィールド期間はさらに長くなるため、アドレス放電の調整範囲はさらに広がる。
【0057】
このように図6において、放電電流検出回路51と、基準電流設定回路52と、比較器53と、位相可変回路54を設けることにより、映像信号の1フィールド期間から基準となる周期が最も短い1フィールド期間を差し引いてできる残り時間を各サブフィールドのアドレス期間に振り分け、振り分けたアドレス期間の長さに比例して駆動時間を長くしたアドレス・表示電極信号とデータ電極駆動信号の間で発生するPDPのアドレス放電の放電電流を、基準となるアドレス放電電流との電流差に応じてデータ電極駆動信号に対するアドレス・表示電極信号の位相を可変することで、位相関係を一定に保持し、表示パネルに応じてプラズマディスプレイのアドレス放電状態を安定させることができるため、プラズマディスプレイパネルの歩留まりを向上させることができるという有利な効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のPDP表示装置によれば、次のような効果を奏することができる。
【0059】
(1)垂直期間検出回路と、最小駆動時間設定回路と、アドレス期間可変回路と、駆動電極タイミング発生回路と、データ電極タイミング可変回路を設けることにより、映像信号の1フィールド期間を検出し、映像信号の1フィールド期間から基準となる周期が最も短い1フィールド期間を差し引いてできる残り時間を全てのアドレス期間に振り分け、振り分けたアドレス期間の長さに応じて各電極の駆動信号のタイミングを変更し、振り分けたアドレス期間の長さに比例して各サブフィールドの1走査ライン当たりのアドレス期間を長くすることにより、データ電極駆動回路がデータを転送する際のクロック周波数を下げることができるため、データ電極駆動回路の消費電力を低減することができるという効果を有している。
【0060】
なお、データ電極駆動回路のデータ転送周波数を下げ、消費電力を低減することで、データを転送する際に発生する不要輻射を低減することができることはいうまでもない。また、データ電極駆動回路のデータ転送用のクロック信号が1本の場合でも、同様に消費電力を低減することはいうまでもない。
【0061】
(2)第1位相比較回路と、第2位相比較回路と、第1位相可変回路と、第2位相可変回路を設けることにより、映像信号の1フィールド期間から基準となる周期が最も短い1フィールド期間を差し引いてできる残り時間を全てのアドレス期間に振り分け、振り分けたアドレス期間の長さに比例して周期を長くした直列に並んだデータ信号と2種類のデータ転送用クロック信号の位相差に応じて直列に並んだデータ信号に対する2種類のデータ転送用クロック信号の位相を可変することにより、位相関係を一定に保持し、各画素データを取り込むためのタイミングマージンを広く確保することができるため、誤点灯を防止することができるという効果を有している。
【0062】
なお、データ電極駆動回路のデータ転送用クロック信号が1本の場合でも、同様に誤点灯を防止することができることはいうまでもない。
【0063】
(3)放電電流検出回路と、基準電流設定回路と、比較器と、位相可変回路を設けることにより、映像信号の1フィールド期間から基準となる周期が最も短い1フィールド期間を差し引いてできる残り時間を全てのアドレス期間に振り分け、振り分けたアドレス期間の長さに応じて駆動時間を長くしたアドレス・表示電極信号とデータ電極駆動信号の間で発生するPDPのアドレス放電の放電電流を、基準となるアドレス放電電流との電流差に応じてデータ電極駆動信号に対するアドレス・表示電極信号の位相を可変することで、位相関係を一定に保持し、各PDPに対応してアドレス放電状態を安定させることができるため、PDPの歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるプラズマディスプレイ装置のブロック図
【図2】 同プラズマディスプレイ装置の動作説明のための各種信号のタイミング図
【図3】 同じく動作説明のためのタイミング図
【図4】 本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置のブロック図
【図5】 同プラズマディスプレイ装置の動作説明のための各種信号のタイミング図
【図6】 本発明の他の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置のブロック図
【図7】 従来のプラズマディスプレイ装置のブロック図
【図8】 同プラズマディスプレイ装置の動作説明のための各種信号のタイミング図
【図9】 同じく動作説明のための各種信号のタイミング図
【図10】 同じく動作説明のためのタイミング図
【符号の説明】
1 プラズマディスプレイパネル
3 入力画像信号
4 アドレス・表示電極駆動回路
5 表示電極駆動回路
6 データ電極駆動回路
11 直列データ信号
12 第1クロック信号
13 第2クロック信号
21 垂直期間検出回路
22 最小駆動時間設定回路
23 アドレス期間可変回路
24 駆動電極タイミング発生回路
25 データ電極タイミング可変回路
26 垂直期間検出信号
27 最小駆動時間設定信号
28 アドレス期間可変信号
29 アドレス・表示電極タイミング信号
30 表示電極タイミング信号
31 直列データ信号
32 第1クロック信号
33 第2クロック信号
34 アドレス・表示電極駆動信号
35 表示電極駆動信号
36 データ電極駆動信号
41 位相比較回路
42 位相比較回路
43 位相可変回路
44 位相可変回路
47 第1位相可変クロック信号
48 第2位相可変クロック信号
51 放電電流検出回路
52 基準電流設定回路
53 比較器
54 位相可変回路
55 アドレス・表示電極位相可変信号
56 アドレス・表示電極駆動信号
57 放電電流検出信号
58 放電電流基準信号

Claims (2)

  1. プラズマディスプレイパネルにデータ電極駆動信号を出力するデータ電極駆動回路、アドレス・表示電極駆動信号を出力するアドレス・表示電極駆動回路、及び表示電極駆動信号を出力する表示電極駆動回路を備え、かつ映像信号の1フィールドを複数個のサブフィールドに分割し、各サブフィールド毎の発光をオン制御またはオフ制御するサブフィールド信号に変換して階調表示を行うプラズマディスプレイ装置において、前記映像信号の各1フィールド期間から周期が最も短い基準となる1フィールド期間を差し引いて前記映像信号の各1フィールド期間内にできる残り時間を求め、その残り時間を各フィールドの各サブフィールドアドレス期間に振り分けるアドレス期間可変部と、振り分けたアドレス期間の長さに応じてアドレス・表示電極駆動回路及び表示電極駆動回路から出力される駆動信号のタイミングを変更する駆動電極タイミング発生部と、振り分けたアドレス期間の長さに比例して1走査ラインのアドレス期間を長くするとともに、その1走査ラインのアドレス期間に比例して、前記駆動電極タイミング発生部から前記データ電極駆動回路に出力される直列に並んだデータ信号及びデータ転送用クロック信号の周期を長くするデータ電極タイミング可変部と、周期を長くした直列に並んだデータ信号とデータ転送用クロック信号の位相を比較し、比較した位相差に応じて前記直列に並んだデータ信号に対する前記データ転送用クロック信号の位相を可変することで前記直列に並んだデータ信号と前記データ転送用クロック信号の位相関係を一定に保持する手段とを設けたことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  2. アドレス期間可変部により振り分けたアドレス期間の長さに比例して駆動時間を長くしたアドレス・表示電極信号とデータ電極駆動信号の間で発生するプラズマディスプレイパネルのアドレス放電電流を検出し、かつ検出した放電電流と基準となるアドレス放電電流とを比較するとともに、比較した電流差に応じて前記データ電極駆動信号に対する前記アドレス・表示電極信号の位相を可変することにより前記データ電極駆動信号と前記アドレス・表示電極信号の位相関係を一定に保持する手段とを設けたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
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