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JP4150575B2 - 結束補助具 - Google Patents

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JP4150575B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新聞や雑誌等の束を、結束用紐を用いて十文字型結束するための結束補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、新聞、雑誌、段ボール等の古紙を回収し、リサイクルして再生紙として使用する取り組みが進められ、実用化されている。特に、新聞紙は、紙質が単一で供給量も多いため、安定してリサイクル資源として活用しやすく、回収及び再生が一般的に行われている。
これらの古紙は、およそ新聞紙八つ折り大に折りたたみ、新聞約1か月分、すなわち40〜45cm程度の厚さに積み重ね、ビニール紐等により十文字型に結束してから回収されるのが一般的である。しかしながら、運搬中に結束が解けないように硬く結束することは困難であり、十文字に紐をかけたり、結束中に紐がゆるまないようにしたりすることは非常に困難であった。
【0003】
このような問題点を解決するために、例えば、装置の片面上に設けた鉤状突起を利用して紐の結束方向を90°転換し、さらに装置に別途設けられた孔を利用して紐を締め上げる緊縛装置が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実開平5−61066号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1において提案された緊縛装置には、紐の結束方向を90°転換するための鉤状突起が設けられているため、取り扱い時に手等を傷つけるおそれがあり危険である。また、結束時にかかる紐の負荷に耐えられるだけの強度を有する鉤状突起である必要があるため、金属等の硬質の素材で装置を作成する必要があり、古紙と共にそのままリサイクルできる紙等の素材で装置を作成することはできなかった。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、結束用紐を用いた十文字型結束を容易に行うことができ、古紙と共にリサイクルが可能であり、低コストで簡便に製造できる結束補助具を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、平板状部材の特定箇所に結束用紐を通すための開口部を設け、該開口部を通すことによって紐の結束方向を略90°転換することにより、十文字型結束を容易に行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、結束用紐を用いて十文字型結束を行うための結束補助具であって、平板状部材の平面上略中心点において略90°の角度をもって交差する直線である2本の領域境界線によって分割された第一領域乃至第四領域からなる4つの領域を右回りに昇順に有し、第二領域に接して第一領域に設けられた第一開口部、第四領域に接して第一領域に設けられた第二開口部、第二領域に接して第三領域に設けられた第三開口部、及び第四領域に接して第三領域に設けられた第四開口部を有し、領域境界線に対して略45°の角度を有する切り離し線が、領域境界線の交差点を通って第一及び第三領域を通るように設けられ、切り離されるべき加工が施されており、更に、切り離し線上に、結束用紐の一端を固定するための紐固定用開口部が、第一乃至第四開口部のいずれとも別に設けられていることを特徴とする結束補助具である。
【0008】
本発明の結束補助具は、上述のように第一乃至第四開口部を有しているため、結束用紐を開口部に通すことによって、紐の結束方向を略90°転換することができ、十文字型結束を容易に行うことができる。
【0009】
また、本発明の結束補助具は切り離し線が設けられているため、結束補助具をなす素材が、結束する紙束等の素材と異なっており一緒にリサイクルすることができない場合に、結束用補助具として使用した後、切り離して取り去り、結束補助具と紙束等とを別々に処理することができる。
【0010】
更に、本発明の結束補助具は、紐固定用開口部が、第一乃至第四開口部のいずれとも別に設けられているため、結束用紐の始端を、結束時に邪魔にならない場所に、容易に固定することができる。
【0011】
本発明の結束補助具においては、平板状部材が、紙であることが好ましい。部材として紙が用いられていれば、新聞等の紙束を結束した後、そのまま一緒に回収してリサイクルすることができるからである。
【0012】
また、第一開口部と第二開口部とが一緒になって第一領域に1つの開口として形成された第一領域開口部、及び/又は、第三開口部と第四開口部とが一緒になって第三領域に1つの開口として形成された第三領域開口部を有することが好ましい。
第一領域及び / 又は第三領域に1つの開口部を設けることにより、開口部をより大きくすることができるため、結束用紐を通しやすくすることができる。
【0013】
さらに、前記第二領域及び第四領域に、運搬用の持ち手となるべき欠損部が存在するか、又は、該欠損部を形成するための加工が施されていることが好ましい。運搬用の持ち手を形成させることにより、結束した後の紙束等を、より容易に運搬することができるからである。
欠損部が存在又は形成された際には、第一領域から第三領域に向かう幅が,第二領域から第四領域に向かう幅よりも長くされていることが好ましい。
【0014】
本発明の結束補助具は、新聞紙、折り込み広告、雑誌、段ボールから選ばれる1種以上を含む紙束を結束するために用いられることが好ましい。本発明の結束補助具は、これらの紙束に容易に十文字型結束をおこなうことができ、リサイクル資源の運搬、回収に有用だからである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。なお、この実施形態は本発明の要旨を説明するためのものであり、特に限定のない限り本発明を限定するものではない。
【0016】
図1は、本発明にかかる結束補助具の一実施形態の平面模式図である。図1に示すように、本実施形態の結束補助具1は、平板状の部材10からなっている。部材10は、その平面上略中心点において略90°の角度をもって交差する直線である2本の領域境界線A−A’及びB−B’によって分割された4つの領域から構成される。すなわち、第一領域11は、図1において、領域境界線A−A’の上側でかつ領域境界線B−B’の右側の領域、第二領域12は、領域境界線A−A’の下側でかつ領域境界線B−B’の右側の領域、第三領域13は、領域境界線A−A’の下側でかつ領域境界線B−B’の左側の領域、第四領域14は、領域境界線A−A’の上側でかつ領域境界線B−B’の左側の領域である。
【0017】
部材10としては、紙、木製の板、プラスチック板等を用いることができるが、特に紙を用いることが好ましい。部材として紙を用いると、結束した紙束と共にそのままリサイクルに提供することができる。紙の中でも特に板紙を用いることが好ましい。これは、板紙は、結束用紐を締めるときの力に対して適当な摩擦抵抗及び強度を有しており、かつ低コストで製造することができるからである。部材10の外形は、例えば、10cm×10cm×厚さ約5mmの図1に示されたような略正方形の平板状であるが、形状や寸法はこれに限定されず任意である。例えば、後述するように、第二領域及び第四領域に、運搬用の持ち手となるべき欠損部が存在していてもよい。また、図1に示すように、角を丸めた略正方形としておくと、手等を傷つけることなく安全であるため好ましい。
部材10が、平板状の紙である場合には、部材10の表面上に、結束補助具1の使用方法等を印刷しておくことができる。また、新聞社のサービス品等として、新聞結束用の補助具とする場合には、部材10の表面上に新聞社の社名や広告等を掲載することができる。
【0018】
第一領域11には、部材10の表面から裏面に貫通する略円形の開口部である第一領域開口部21が設けられている。この第一領域開口部21は、領域境界線A−A’上の21aにおいて第二領域12と接しており、また、領域境界線B−B’上の21bにおいて第四領域14と接している。すなわち、第一領域開口部21は、本発明における第一開口部及び第二開口部が、一緒に形成された開口部である。
さらに、上記と同様にして、第三領域13には、部材10の表面から裏面に貫通する略円形の開口部である第三領域開口部23が設けられている。この第三領域開口部23は、領域境界線B−B’上の23aにおいて第二領域12と接しており、また、領域境界線A−A’上の23bにおいて第四領域14と接している。すなわち、第三領域開口部23は、本発明における第三開口部及び第四開口部が、一緒に形成された開口部である。
上記第一領域開口部及び第二領域開口部の形状は、例えば、図1に示すように、直径3cmの略円形であるが、形状や寸法はこれに限定されず任意であり、楕円形等の開口部とすることも可能である。また、図1に示すような閉じられた開口部ではなく、部材10の第一領域及び第三領域をそれぞれ分断するようなU字型の開口部であっても構わない。
第一領域開口部21及び第三領域開口部23が領域境界線A−A’に接する位置は21a、23bの位置に限定されず、領域境界線A−A’上 であれば接する位置は任意である。また、第一領域開口部21及び第三領域開口部23が領域境界線B−B’に接する位置は21b,23aの位置に限定されず、領域境界線B−B’上であれば接する位置は任意である。
【0019】
また、部材10の略中心点である、領域境界線A−A’とB−B’との交差点上には、部材の表面から裏面に貫通する略円形の開口部である紐固定用開口部25が設けられている。
この紐固定用開口部25は、例えば、図1に示すような直径2mmの略円形である。この紐固定用開口部25は、結束用紐の始端を、結束が行えて、かつ結束時に邪魔にならないように固定するための開口部であれば、形状、大きさ等は問わず、閉じた開口部のみならず、切り欠き型の開口部であってもよい。上記のように直系2mmの略円形であれば、固定用紐の始端を開口部に通した後、結束補助具1の片面側で玉結びをすることによって、結束用紐を容易に固定することができるため好ましい。
【0020】
さらに、領域境界線A−A’、B−B’に対して略45°の角度を有する切り離し線30が、領域境界線の交差点を通って、第一領域及び第三領域を通るように設けられている。すなわち、切り離し線30は、第一領域と第三領域とを、部材10の対角線上に、第一領域開口部21、第三領域開口部23、及び紐固定用開口部25を横断するように通って形成されている。
上記切り離し線30には、切り離されるべき加工がなされている。切り離されるべき加工とは、例えば、ミシン目加工や、切り離すための線を印刷により表示することなどが挙げられるが、ミシン目加工が施されていると、使用者が道具を使わずに容易に切り離すことができるため好ましい。このように切り離されるべき加工が施されていると、板紙等の部材10からなる結束補助具1と、結束する紙束等とが、一緒にリサイクルのための回収を行うことができない場合に、結束終了時に結束補助具1を切り離して取り去ることにより、結束した紙束等のみを回収することができるため好ましい。
【0021】
また、第二領域12及び第四領域14には、運搬用の持ち手となるべき欠損部を形成するためのミシン目加工が、図1に示すように、それぞれミシン目32,34のように施されている。このようなミシン目加工が施されていると、結束前又は結束終了後に使用者が切り離して運搬用の持ち手とすることができ、紙束のような重たく持ちにくいものを容易に運べるため好ましい。
運搬用の持ち手となるべき欠損部を形成するための加工としては、上記のようなミシン目加工のほか、切り離すため又は折り曲げるための線を印刷により表示することなどが挙げられるが、ミシン目加工が施されていると、使用者が道具を使わずに容易に切り離すことができるため好ましい。また、予めこの運搬用の持ち手となるべき欠損部が存在している部材10を用いてもよいが、ミシン目加工を施す方が、欠損部を切り離すよりも製造が容易で低コストであり、かつ、部材の平面面積が広い方が、上述したように使用方法や広告等を印刷することができるため好ましい。
上記運搬用の持ち手となるべき欠損部の形状としては、図1に示すように、略4分の1円状であってもよいし、直線や任意の曲線でもよく、運搬用に持ち手となるよう、手で握りやすい形状となっていれば形状は任意である。
【0022】
次に、本実施形態の結束補助具1の製造方法を説明する。
まず、部材10を、10cm×10cmの角を丸めた略正方形に裁断する。そして、第一領域開口部21、第三領域開口部23、及び紐固定用開口部25となるべき孔を穿つ。さらに、切り離し線30、ミシン目32,34となるべき線にミシン目加工を施す。以上のように、簡易な方法により、低コストで、結束補助具1を製造することができる。この方法は簡便に行うことができるため、量産にも好適に用いられる。なお、上記の裁断、穿孔、及びミシン目加工を行う順序は任意である。
【0023】
次に、この結束補助具1を使用した、結束紐を用いての十文字型結束の方法について説明する。以下に、図2を参照しながら、新聞紙束を十文字結束する場合の結束方法の一例を示す。なお、下述するのは結束方法の1例であり、開口部に穴を通す順序や紐による結束の方向等は、本発明の特徴であるように開口部を利用して紐の角度を90°転換するものであれば、その他の結束方法もありえる。
【0024】
(a)まず、予めミシン目32,34に沿って部材を切り離し、第二及び第四領域に運搬用の持ち手となるべき欠損部を形成した結束補助具1を用意する。次に、結束用紐Sの始端側を紐固定用開口部25の表面から裏面に通し、結束紐Sの始端Sbを15cm程度残した状態で玉結びSaを行い、紐Sの始端を固定する。このように紐Sの始端が固定された結束補助具1を、新聞紙束Pの上面の略中央部に、領域境界線A−A’が新聞紙束Pの巾方向と平行になるように配置する。
(b)紐固定用開口部25から結束補助具1の表面側に出ている結束用紐Sの他端を、A−A’線と略水平にA’方向へ引く。そして、紐Sを新聞紙束Pの側面に沿って略垂直方向へ下ろした後、新聞紙束Pの底面の下を通ってA−A’線と略水平にA方向へ導き、紐Sを新聞紙束Pの側面に沿って持ち上げる。次に、新聞紙束P表面上に配置された結束補助具1の表面から第三領域開口部23を通って裏面へ、続けて第一領域開口部21を通って表面へと紐Sを通す。
(c)上記のように通した紐SをB方向へ引っ張ると、結束補助具1の第一領域開口部23の23b及び第三領域開口部21の21bと接することにより、紐Sが略90°方向転換される。続いて、紐Sを新聞紙束P側面に沿って垂直方向へ下ろし、新聞紙束Pの底面の下を通ってB’−B線と略水平にB’方向へ導く。紐Sを新聞紙束Pの側面に沿って持ち上げ、新聞紙束P表面上に配置された結束補助具1の表面から第三領域開口部23を通って裏面へ、続けて第一領域開口部21を通って表面へと紐を通す。
(d)上記のように通した紐SをA’方向へ引っ張ると、結束補助具1の第一領域開口部23の23a及び第三領域開口部21の21aと接することにより、紐が略90°方向転換される。さらに、上記(b)〜(c)の操作を1度以上繰り返し行う。次に、23bに接している紐束及び23aに接している紐束をまとめるように、紐Sを巻いて通し、紐Sの終端を巻いた輪の中に通す。
(e)紐の終端を引っ張って締め付けることにより、結束が終了する。
【0025】
さらに、部材10が、新聞紙と共にリサイクルすることができない素材である場合には、以下の操作により結束補助具1を新聞紙束Pから除去する。
(f)ミシン目加工が施されている切り離し線30のミシン目に沿って、部材10を切り離すことにより、結束補助具1’,1’を新聞紙束Pから除去する。その後、始めに15cm程度残しておいた紐の始端Sbを、終端と結んで結束が解けないようにする。
【0026】
以上のように、本実施形態の結束補助具1を用いると、紐を開口部21,23に通すことにより、紐の方向を略90°転換させることができ、かつ、部材10との接触部分の摩擦抵抗により、無理な力をかけることなく容易に締めを行うことができる。また、上記方法によると、結束の最終段階で紐をはじめて結び合わせるので、最終的な増し締めと結束を同時に行うことができ、結束のゆるみの発生を最小限に押さえることができる。
【0027】
上記のような結束補助具1を用いる十文字型結束方法において、結束用紐としては、ビニール紐、布紐、紙紐等を用いることができるが、紙紐を用いると紙束を結束したままリサイクルを行うことができるため好ましい。
【0028】
次に、本発明にかかる結束補助具の第二実施形態を図3に示す。
本実施形態の結束補助具2は、第一実施形態の結束補助具1と同様に略正方形の平板状の部材10からなっている。この結束補助具2では、部材の表面から裏面に貫通する略円形の開口部として、第二領域に接して第一領域に設けられた第一開口部41、第四領域に接して第一領域に設けられた第二開口部42、第二領域に接して第三領域に設けられた第三開口部43、及び第四領域に接して第三領域に設けられた第四開口部44を有している。また、紐固定用開口部25が、領域境界線の交差点上に設けられている。この第一開口部41、第二開口部42、第三開口部43、及び第四開口部44は、上記第一領域開口部21及び第三領域開口部23と同様に、形状や大きさは任意である。
【0029】
本実施形態の結束補助具2を用いても、上記第一実施形態の場合と同様の方法により結束を行うことができる。この場合は、上記(b)において、第四開口部44から第二開口部42に、及び(c)において第三開口部43から第一開口部41に紐を通すことによって、上述の方法と同様に紙束を結束することができる。
【0030】
次に、本発明にかかる結束補助具の第三実施形態を図4に示す。
本実施形態の結束補助具3においては、ひょうたん型の部材10が用いられており、第一実施形態と同様に、第一領域11には、部材10の表面から裏面に貫通する略円形の開口部である第一領域開口部21が設けられている。この第一領域開口部21は、領域境界線A−A’上の21aにおいて第二領域12と接しており、また、領域境界線B−B’上の21bにおいて第四領域14と接している。すなわち、第一領域開口部21は、本発明における第一開口部及び第二開口部が、一緒に形成された開口部である。
さらに、上記と同様にして、第三領域13には、部材10の表面から裏面に貫通する略円形の開口部である第三領域開口部23が設けられている。この第三領域開口部23は、領域境界線B−B’上の23aにおいて第二領域12と接しており、また、領域境界線A−A’上の23bにおいて第四領域14と接している。すなわち、第三領域開口部23は、本発明における第三開口部及び第四開口部が、一緒に形成された開口部である。
この結束補助具3を用いて、第一実施形態の場合と同様にして紙束を結束することができる。
【0031】
さらに、本発明にかかる結束補助具の第四実施形態を図5に示す。
本実施形態の結束補助具4においては、第一領域開口部21及び第三領域開口部23が、上記第一乃至第三実施形態のように部材の表面から裏面に貫通する略円形の開口部ではなく、部材10の第一領域及び第三領域をそれぞれ分断するようなU字型の開口部となっている。このU字型の第一領域開口部21は、領域境界線A−A’上の21aにおいて第二領域12と接しており、また、領域境界線B−B’上の21bにおいて第四領域14と接している。すなわち、第一領域開口部21は、本発明における第一開口部及び第二開口部が、一緒に形成された開口部である。また、U字型の第三領域開口部23は、領域境界線B−B’上の23aにおいて第二領域12と接しており、また、領域境界線A−A’上の23bにおいて第四領域14と接している。すなわち、第三領域開口部23は、本発明における第三開口部及び第四開口部が、一緒に形成された開口部である。
上記のように第一及び第三領域開口部がU字型の開口部となっている場合でも、図5に示すように、開口部が11a,11b,13a,13bのように鉤型に加工されていると紐がずれて結束が解けることを防ぐことができる。この結束補助具4を用いても、第一実施形態の場合と同様にして紙束を結束することができる。
【0032】
なお、上述の第一乃至第4の実施形態において、いずれの場合も紐固定用開口部25は、部材の略中心点すなわち領域境界線の交差点上に設けたが、開口部を設ける場所は任意である。ただし、切り離し線30を設ける場合には、切り取り線により部材10が2つに分断されるようにするため、紐固定用開口部5は切り離し線30上に設ける。
また、第二乃至第四実施形態においては、切り離し線30を設けていないが、リサイクル用に部材を切り離せるようにするため、切り離し線30を設けてもよい。
【0033】
次に、本発明にかかる結束補助具の第五実施形態(参考実施形態)を図6に示す。
本実施形態の結束補助具5においては、上述の結束補助具1における第一領域開口部21と第三領域開口部23とが連通して、図6に示すようなひょうたん型の連通開口部20となっている。この連通開口部20は、領域境界線A−A’上の21aにおいて第二領域12と接しており、また、領域境界線B−B’上の21bにおいて第四領域14と接している。さらに、連通開口部20は、領域境界線B−B’上の23aにおいて第二領域12と接しており、また、領域境界線A−A’上の23bにおいて第四領域14と接している。すなわち、連通開口部20は、本発明における第一開口部、第二開口部、第三開口部、及び第四開口部が、一緒に形成された開口部である。
また、本実施形態の結束補助具5においては、結束補助具1における紐固定用開口部25及び切り離し線30が設けられていないが、その他の構成は、結束補助具1と同様である。
【0034】
本実施形態の結束補助具5を用いて新聞紙束Pの結束を行う場合、まず、部材10の連通開口部20に突出した部分である突出部31に、紐Sの始端を巻きつけて結んで固定する。その後、上記結束補助具1を使用した結束方法の場合と同様に、23bから21bへ、及び21aから23aへ紐Sを通して略90°方向転換させることにより、十文字結束を行う。最後に、上記と同様に23bに接している紐束及び23aに接している紐束をまとめるように、紐Sを巻いて通し、紐Sの終端を巻いた輪の中に通す。このとき、突出部31に巻いて固定しておいた紐Sの始端を引き抜いて突出部31からはずし、紐Sの始端と終端部を結んで結束を終了させる。このように十文字結束を行うと、結束した紐Sと結束補助具5とは分離された状態になっているため、結束補助具5を水平方向に移動させることにより簡単に新聞紙束Pから除去することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の結束補助具を用いると、結束紐を用いた十文字型結束を容易に行うことができる。また、本発明の結束補助具は、低コストで簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の結束補助具の第一実施形態を示す平面模式図である。
【図2】 本発明の結束補助具を用いた結束方法の一例を示す模式図である。
【図3】 本発明の結束補助具の第二実施形態を示す平面模式図である。
【図4】 本発明の結束補助具の第三実施形態を示す平面模式図である。
【図5】 本発明の結束補助具の第四実施形態を示す平面模式図である。
【図6】 本発明の結束補助具の第五実施形態を示す平面模式図である。
【符号の説明】
1・・結束補助具、10・・部材、11・・第一領域、12・・第二領域、13・・第三領域、14・・第四領域、21・・第一領域開口部、23・・第二領域開口部、25・・紐固定用開口部、30・・切り離し線、32,34・・ミシン目、41・・第一開口部、42・・第二開口部、43・・第三開口部、44・・第4開口部

Claims (5)

  1. 結束用紐を用いて十文字型結束を行うための結束補助具であって、平板状部材の平面上略中心点において略90°の角度をもって交差する直線である2本の領域境界線によって分割された第一領域乃至第四領域からなる4つの領域を右回りに昇順に有し、第二領域に接して第一領域に設けられた第一開口部、第四領域に接して第一領域に設けられた第二開口部、第二領域に接して第三領域に設けられた第三開口部、及び第四領域に接して第三領域に設けられた第四開口部を有し、領域境界線に対して略45°の角度を有する切り離し線が、領域境界線の交差点を通って第一及び第三領域を通るように設けられ、切り離されるべき加工が施されており、更に、切り離し線上に、結束用紐の一端を固定するための紐固定用開口部が、第一乃至第四開口部のいずれとも別に設けられていることを特徴とする結束補助具。
  2. 前記平板状部材が、紙であることを特徴とする請求項1に記載の結束補助具。
  3. 前記第一開口部と前記第二開口部とが一緒になって第一領域に1つの開口として形成された第一領域開口部、及び/又は、前記第三開口部と前記第四開口部とが一緒になって第三領域に1つの開口として形成された第三領域開口部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の結束補助具。
  4. 前記第二領域及び第四領域に、運搬用の持ち手となるべき欠損部が存在するか、又は、該欠損部を形成するための加工が施されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の結束補助具。
  5. 新聞紙、折り込み広告、雑誌、段ボールから選ばれる1種以上を含む紙束を結束するために用いられることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の結束補助具。
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