JP4149463B2 - 燃料電池車両の制御装置および燃料電池車両の制御方法 - Google Patents
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Description
また、例えば並列に接続された燃料電池と2次電池とを、車両走行用モータ等の負荷に対する電源とした燃料電池自動車の制御装置において、燃料電池の上限発電量と、2次電池の残容量とに応じて負荷への電力供給を制限すると共に、車両走行用モータの回生動作を制御する燃料電池自動車の制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、例えば並列に接続された燃料電池と2次電池とを、車両走行用モータ等の負荷に対する電源とした燃料電池車両の制御装置において、燃料電池の出力電圧と、2次電池の上限電圧とに応じて負荷への電力供給を制限する燃料電池車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、例えば降雨や凍結等により相対的に摩擦抵抗が低い路面でタイヤが滑る場合等のように、車両走行用モータの出力が急激に増大する場合には、車両走行用モータで消費される実電力を検知してから車両走行用モータへの電力供給の制限を開始するまでに要する時間の間に、電源から上限電力を超える電力が出力されてしまい、燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下して燃料電池や2次電池を適切に保護することができなくなる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両走行用のモータの出力を過剰に制限することを防止しつつ、燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することが可能な燃料電池車両の制御装置および燃料電池車両の制御方法を提供することを目的としている。
つまり、システム電圧が第1電圧閾値以上となる状態であればモータの出力制限は禁止され、システム電圧が第1電圧閾値を超えて低下するとモータの出力制限が実行されることから、第1電圧閾値を増大させることによってモータの出力制限が実行され易くなる。このため、システム電圧の低下度合が増大することが推定された場合には、第1電圧閾値を増大傾向に変化させることにより、システム電圧が過剰に低下してしまうより以前のタイミングでモータの出力を制限することができる。
これにより、実際にモータの出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができると共に、システム電圧が過剰に低下してしまう可能性が低い状態でモータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
つまり、システム電圧が第1電圧閾値以上となる状態であればモータの出力制限は禁止され、システム電圧が第1電圧閾値を超えて低下するとモータの出力制限が実行されることから、第1電圧閾値を増大させることによってモータの出力制限が実行され易くなる。このため、システム電圧の低下度合が増大することが推定された場合には、第1電圧閾値を増大傾向に変化させることにより、システム電圧が過剰に低下してしまうより以前のタイミングでモータの出力を制限することができる。
これにより、実際にモータの出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができると共に、システム電圧が過剰に低下してしまう可能性が低い状態でモータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
また、燃料電池から出力可能な上限電力は燃料電池の温度に応じて変化し、相対的に低温状態では上限電力が低下し、相対的に高温状態では上限電力が増大する。このため、燃料電池が低い温度であるときに、モータ消費電力が急増して燃料電池から出力可能な上限電力よりも大きくなる可能性が高いことが推定された場合には、モータでの消費電力の増大に伴いシステム電圧が急激に低下する可能性があると判断して、モータの出力制限を実行するか否かを判定するための第1電圧閾値を、出力制限が実行され易くなるような値に設定する。一方、燃料電池が高い温度であって、モータ消費電力が燃料電池から出力可能な上限電力よりも大きくなることは抑制されることが推定された場合には、モータの出力制限を実行するか否かを判定するための第1電圧閾値を、出力制限が実行され難くなるような値に設定する。
つまり、システム電圧が第1電圧閾値以上となる状態であればモータの出力制限は禁止され、システム電圧が第1電圧閾値を超えて低下するとモータの出力制限が実行されることから、第1電圧閾値を増大させることによってモータの出力制限が実行され易くなる。このため、システム電圧の低下度合が増大することが推定された場合には、第1電圧閾値を増大傾向に変化させることにより、システム電圧が過剰に低下してしまうより以前のタイミングでモータの出力を制限することができる。
これにより、実際にモータの出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができると共に、システム電圧が過剰に低下してしまう可能性が低い状態でモータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
すなわち、システム電圧の低下度合を推定する処理は、推定精度を向上させるために相対的に煩雑な演算処理を要することから、この推定処理は、モータの出力変化の検出結果に応じてモータの出力制限を実行する制限処理とは独立に実行し、この推定結果を適宜のタイミングで第1演算装置から第2演算装置へと入力することで、制限処理の実行に要する時間を短縮することができる。これにより、モータの出力が急激に増大する場合であっても、モータの出力制限の実行開始が遅れてしまうことで燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができる。
つまり、システム電圧が第1電圧閾値以上となる状態であればモータの出力制限は禁止され、システム電圧が第1電圧閾値を超えて低下するとモータの出力制限が実行されることから、第1電圧閾値を増大させることによってモータの出力制限が実行され易くなる。このため、システム電圧の低下度合が増大することが推定された場合には、第1電圧閾値を増大傾向に変化させることにより、システム電圧が過剰に低下してしまうより以前のタイミングでモータの出力を制限することができる。
これにより、実際にモータの出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができると共に、システム電圧が過剰に低下してしまう可能性が低い状態でモータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
つまり、システム電圧が第1電圧閾値以上となる状態であればモータの出力制限は禁止され、システム電圧が第1電圧閾値を超えて低下するとモータの出力制限が実行されることから、第1電圧閾値を増大させることによってモータの出力制限が実行され易くなる。このため、システム電圧の低下度合が増大することが推定された場合には、第1電圧閾値を増大傾向に変化させることにより、システム電圧が過剰に低下してしまうより以前のタイミングでモータの出力を制限することができる。
これにより、実際にモータの出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができると共に、システム電圧が過剰に低下してしまう可能性が低い状態でモータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
また、燃料電池から出力可能な上限電力は燃料電池の温度に応じて変化し、相対的に低温状態では上限電力が低下し、相対的に高温状態では上限電力が増大する。このため、燃料電池が低い温度であるときに、モータ消費電力が急増して燃料電池から出力可能な上限電力よりも大きくなる可能性が高いことが推定された場合には、モータでの消費電力の増大に伴いシステム電圧が急激に低下する可能性があると判断して、モータの出力制限を実行するか否かを判定するための第1電圧閾値を、出力制限が実行され易くなるような値に設定する。一方、燃料電池が高い温度であって、モータ消費電力が燃料電池から出力可能な上限電力よりも大きくなることは抑制されることが推定された場合には、モータの出力制限を実行するか否かを判定するための第1電圧閾値を、出力制限が実行され難くなるような値に設定する。
つまり、システム電圧が第1電圧閾値以上となる状態であればモータの出力制限は禁止され、システム電圧が第1電圧閾値を超えて低下するとモータの出力制限が実行されることから、第1電圧閾値を増大させることによってモータの出力制限が実行され易くなる。このため、システム電圧の低下度合が増大することが推定された場合には、第1電圧閾値を増大傾向に変化させることにより、システム電圧が過剰に低下してしまうより以前のタイミングでモータの出力を制限することができる。
これにより、実際にモータの出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができると共に、システム電圧が過剰に低下してしまう可能性が低い状態でモータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
すなわち、システム電圧の低下度合を推定する推定処理は、推定精度を向上させるために相対的に煩雑な演算処理を要することから、この推定処理は、モータの出力変化の検出結果に応じてモータの出力制限を実行する制限処理とは独立したタイミングで実行し、この推定結果を適宜の記憶装置等に格納しておくことにより、制限処理の実行に要する時間を短縮することができる。これにより、モータの出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができる。
また、請求項2に記載の本発明の燃料電池車両の制御装置によれば、燃料電池が低い温度であるときに、モータ消費電力が急増して燃料電池から出力可能な上限電力よりも大きくなる可能性が高い場合には、モータの出力制限を開始する第1電圧閾値を増大傾向に変化させることから、モータの出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができると共に、モータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
また、請求項3に記載の本発明の燃料電池車両の制御装置によれば、モータの回転数が小さく、タイヤのスリップに至る大きなトルクを出力可能な回転数であるとき、あるいは、燃料電池が低い温度であるときに、モータ消費電力が急増して燃料電池から出力可能な上限電力よりも大きくなる可能性が高い場合には、モータの出力制限を開始する第1電圧閾値を増大傾向に変化させることから、モータの出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができると共に、モータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項6に記載の本発明の燃料電池車両の制御装置によれば、電力変換手段の昇圧動作により蓄電装置の端子電圧を昇圧することにより、燃料電池システムのシステム電圧の低下を抑制することができ、システム電圧の低下量の推定結果に応じてモータの出力を制限する際に、モータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
また、請求項8に記載の本発明の燃料電池車両の制御方法によれば、燃料電池が低い温度であるときに、モータ消費電力が急増して燃料電池から出力可能な上限電力よりも大きくなる可能性が高い場合には、モータの出力制限を開始する第1電圧閾値を増大傾向に変化させることから、モータの出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができると共に、モータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
また、請求項9に記載の本発明の燃料電池車両の制御方法によれば、モータの回転数が小さく、タイヤのスリップに至る大きなトルクを出力可能な回転数であるとき、あるいは、燃料電池が低い温度であるときに、モータ消費電力が急増して燃料電池から出力可能な上限電力よりも大きくなる可能性が高い場合には、モータの出力制限を開始する第1電圧閾値を増大傾向に変化させることから、モータの出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧が過剰に低下してしまうことを防止することができると共に、モータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項12に記載の本発明の燃料電池車両の制御方法によれば、電力変換手段の昇圧動作により蓄電装置の端子電圧を昇圧することにより、燃料電池システムのシステム電圧の低下を抑制することができ、システム電圧の低下量の推定結果に応じてモータの出力を制限する際に、モータの出力を過剰に制限してしまうことを防止することができる。
本実施の形態による燃料電池車両の制御装置10は、例えば図1に示すように、燃料電池11と、DC−DCコンバータ12と、蓄電装置13と、PDU(パワードライブユニット)15と、モータ16と、出力制御器17と、空気供給装置(S/C)18と、水素タンク19aおよび水素供給弁19bと、背圧弁20と、パージ弁21と、制御装置22と、燃料電池温度センサ31と、システム電圧センサ32と、モータ回転数センサ34と、アクセル開度センサ35とを備えて構成されている。
そして、制御装置22は、例えば燃料電池ECU41と、モータECU42と、マネジメントECU43とを備えて構成されている。
そして、アノードのアノード触媒上で触媒反応によりイオン化された水素は、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介してカソードへと移動し、この移動に伴って発生する電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギーとして利用される。このときカソードにおいては、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。
また、エアーコンプレッサー等からなる空気供給装置18は、例えば車両の外部から空気を取り込んで圧縮し、この空気を反応ガスとして燃料電池11のカソードに供給する。そして、エアーコンプレッサー等からなる空気供給装置18を駆動するモータ(図示略)の回転数は、制御装置22の燃料電池ECU41から入力される制御指令に基づき、例えばパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータを具備する出力制御器17により制御されている。
そして、燃料電池11の空気排出口11bから排出された未反応の排出ガスは、制御装置22の燃料電池ECU41により弁開度が制御される背圧弁20を介して外部(大気中等)へ排出される。
また、制御パルスのデューティが0%〜100%の間の適宜値に設定されると、DC−DCコンバータ12は、1次側電流とされる燃料電池11の出力電流を制御パルスのデューティに応じて適宜に制限し、制限して得た電流を2次側電流として出力する。
これにより、燃料電池システムを構成する燃料電池11および蓄電装置13は、モータ16の電源とされている。
なお、モータ16は、例えば界磁として永久磁石を利用する永久磁石式の3相交流同期モータとされており、PDU15から供給される3相交流電力により駆動制御されると共に、車両の減速時において駆動輪W側からモータ16側に駆動力が伝達されると、モータ16は発電機として機能して、いわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
なお、例えば図2に示す駆動要求出力マップでは、適宜のアクセル開度AC(例えば、AC1>AC2>AC3)毎に、モータ16の回転数NMの増大に伴い、所定の駆動要求出力上限値まで増大傾向に変化する駆動要求出力が設定されており、各アクセル開度AC毎の所定の駆動要求出力上限値(例えば、W1>W2>W3)は、アクセル開度ACの増大に伴い、増大傾向に変化するように設定されている。
このため、制御装置22のモータECU42には、例えばPDU15に対する入力電圧とされるシステム電圧VSを検出するシステム電圧センサ32から出力される検出信号と、モータ16の回転数NMを検出するモータ回転数センサ34から出力される検出信号と、アクセル開度ACを検出するアクセル開度センサ35から出力される検出信号とが入力されている。
また、制御装置22のマネジメントECU43は、例えば燃料電池11の温度TFとモータ16の回転数NMとに基づき、モータ16の運転状態に応じたシステム電圧VSの低下度合(つまりシステム電圧VSの低下量自体に加えてシステム電圧VSの低下量の時間変化等を含むシステム電圧VSの低下量に係る状態量)を推定する。
なお、モータ出力制限終了電圧VBに対応するモータ16の出力を制限する処理の実行終了は、例えばモータ16の出力をゼロに設定する処理である。
このため、制御装置22のマネジメントECU43には、例えば、燃料電池11の温度TFを検出する燃料電池温度センサ31から出力される検出信号と、モータ16の回転数NMを検出するモータ回転数センサ34から出力される検出信号とが入力されている。
なお、制御装置22のマネジメントECU43は、この電圧マップを作成する際に、モータ16の回転数NMに基づくモータ16の出力の変化量の最大値を推定し、さらに、燃料電池11の温度TFに基づくモータ16の運転状態に応じたシステム電圧VSの低下量の最大値を推定し、各推定結果に応じて複数のモータ出力制限開始電圧VA1,…,VAnおよびモータ出力制限終了電圧VB,…,VBnを設定する。
そして、システム電圧VSがモータ出力制限開始電圧VA未満かつモータ出力制限終了電圧VBよりも大きい場合には、設定した出力制限係数K(0%<K<100%)に応じてモータ16の出力を制限する。
一方、システム電圧VSがモータ出力制限終了電圧VB以下である場合には、出力制限係数K(%)=0%となって、モータ16の出力がゼロに設定される。
次に、ステップS02においては、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作量に係るアクセル開度ACおよびモータ16の回転数NMに基づき、例えば図2に示すマップ等を参照して、モータ16から出力されるトルクに対するトルク指令に応じた駆動要求出力を算出する。
次に、ステップS04においては、後述するように、システム電圧VSと、モータ出力制限開始電圧VAおよびモータ出力制限終了電圧VBとに基づき、モータ16の出力を制限する出力制限処理を実行し、一連の処理を終了する。
先ず、例えば図6に示すステップS11においては、パラメータ取得処理として、システム電圧VSと、モータ16の回転数NMと、駆動要求出力と、モータ出力制限開始電圧VAおよびモータ出力制限終了電圧VBとを取得する。
次に、ステップS12においては、システム電圧VSと、モータ出力制限開始電圧VAおよびモータ出力制限終了電圧VBとを、例えば上記数式(1)に適用して、出力制限係数Kを算出する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS15に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS14に進み、このステップS14では、出力制限係数K(%)に100%を設定して、ステップS15に進む。
そして、ステップS15においては、出力制限係数K(%)が0%未満であるか否かを判定する。
ステップS15の判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS17に進む。
一方、ステップS15の判定結果が「YES」の場合には、ステップS16に進み、このステップS16では、出力制限係数K(%)に0%を設定して、ステップS17に進む。
そして、ステップS19においては、モータ16に対する駆動要求出力が出力上限値よりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS20に進み、このステップS20においては、モータ16に対する駆動要求出力に出力上限値を設定して、一連の処理を終了する。
この変形例において、DC−DCコンバータ14は、燃料電池11の発電あるいはモータ16の回生動作に係るシステム電圧VSを降圧して蓄電装置13を充電可能であると共に蓄電装置13の端子電圧VEを昇圧可能である。そして、蓄電装置13の端子電圧VEを検出する端子電圧センサ33から出力される検出信号が制御装置22のマネジメントECU43に入力されている。
そして、マネジメントECU43から、例えば、モータ出力制限開始電圧VAおよびモータ出力制限終了電圧VBに加えて、DC−DCコンバータ14による昇圧可能電圧がモータ出力制限開始電圧VAよりも大きいか否かの判定結果が入力されたモータECU42は、昇圧可能電圧がモータ出力制限開始電圧VA以下である場合に、上述したステップS04の出力制限処理を実行する。
先ず、例えば図10に示すステップS21においては、入力処理として、各センサ31,32,33,34,35から、燃料電池11の温度TFと、システム電圧VSと、端子電圧VEと、モータ16の回転数NMと、アクセル開度ACとの各検出値を取得する。
そして、ステップS22においては、上述したステップS02と同等の処理を実行する。
次に、ステップS23においては、上述したステップS03と同等の処理を実行する。
次に、ステップS24においては、蓄電装置13の端子電圧VEに基づき、例えば図9に示す昇圧可能電圧デーブル等を参照して、DC−DCコンバータ14の昇圧可能電圧を算出する。
この判定結果が「YES」の場合には、例えばモータ16の出力が急激に増大したとしても、DC−DCコンバータ14の昇圧動作により、システム電圧VSが過剰に低下してしまうことを抑制することができると判断して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS26に進む。
そして、ステップS26においては、上述したステップS04と同等の処理を実行し、一連の処理を終了する。
この場合、モータ16の回転数NMに基づくモータ16の出力の変化量の最大値を推定し、さらに、燃料電池11の温度TFに基づくモータ16の運転状態に応じたシステム電圧VSの低下量の最大値を推定し、各推定結果に応じてモータ出力制限開始電圧VAおよびモータ出力制限終了電圧VBを設定する推定処理と、モータ出力制限開始電圧VAおよびモータ出力制限終了電圧VBに基づきモータ16の出力を制限する出力制限処理とを、互いに独立したタイミングで実行することにより、例えば推定処理において推定精度を向上させるために相対的に煩雑な演算処理を要する場合であっても、出力制限処理の実行に遅れが生じてしまうことを防止することができる。つまり、適宜のタイミングで実行される推定処理により設定されたモータ出力制限開始電圧VAおよびモータ出力制限終了電圧VBは適宜の記憶装置に格納され、モータ16の運転状態の検出結果を取得した際には、記憶装置に格納されているモータ出力制限開始電圧VAおよびモータ出力制限終了電圧VBを参照して、直ちにモータ16の出力制限を実行することができ、モータ16の出力が急激に増大する場合であっても燃料電池システムのシステム電圧VSが過剰に低下してしまうことを防止することができる。
11 燃料電池
13 蓄電装置
14 DC−DCコンバータ(電力変換手段)
15 PDU(モータ制御手段)
16 モータ
17 出力制御器(出力制御手段)
18 空気供給装置(反応ガス供給手段)
19a 水素タンク(反応ガス供給手段)
19b 水素供給弁(反応ガス供給手段)
31 燃料電池温度センサ(温度センサ)
34 モータ回転数センサ(回転数センサ)
41 燃料電池ECU(出力制御手段)
42 モータECU(モータ制御手段、第2演算装置)
43 マネジメントECU(第1演算装置)
ステップS03、ステップS23 電圧低下度合推定手段
ステップS04、ステップS26 モータ出力制限手段
Claims (12)
- 車両を駆動可能なモータと、該モータの駆動および回生動作を制御するモータ制御手段と、前記モータの電源をなす燃料電池システムとして、反応ガス供給手段により反応ガスが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池と、該燃料電池の発電電力および前記モータの回生電力により充電される蓄電装置と、前記燃料電池の出力を制御する出力制御手段とを備える燃料電池車両の制御装置であって、
モータ駆動回路への入力電圧であるシステム電圧を検出するシステム電圧センサと、前記モータの回転数を検出する回転数センサと、
前記回転数センサにより検出される前記回転数が小さく、タイヤのスリップに至る大きなトルクを出力可能な回転数であるときには、前記モータの出力制限を開始する第1電圧閾値を増大傾向に変化させる電圧閾値設定手段と、
前記システム電圧センサによって検出された前記システム電圧が前記第1電圧閾値未満である場合に前記モータの出力を制限するモータ出力制限手段と
を備えることを特徴とする燃料電池車両の制御装置。 - 車両を駆動可能なモータと、該モータの駆動および回生動作を制御するモータ制御手段と、前記モータの電源をなす燃料電池システムとして、反応ガス供給手段により反応ガスが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池と、該燃料電池の発電電力および前記モータの回生電力により充電される蓄電装置と、前記燃料電池の出力を制御する出力制御手段とを備える燃料電池車両の制御装置であって、
モータ駆動回路への入力電圧であるシステム電圧を検出するシステム電圧センサと、前記燃料電池の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサにより検出される温度が低く、モータ消費電力が急増したときに前記システム電圧の低下に至る低い温度であるときには、前記モータの出力制限を開始する第1電圧閾値を増大傾向に変化させる電圧閾値設定手段と、
前記システム電圧センサによって検出された前記システム電圧が前記第1電圧閾値未満である場合に前記モータの出力を制限するモータ出力制限手段と
を備えることを特徴とする燃料電池車両の制御装置。 - 車両を駆動可能なモータと、該モータの駆動および回生動作を制御するモータ制御手段と、前記モータの電源をなす燃料電池システムとして、反応ガス供給手段により反応ガスが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池と、該燃料電池の発電電力および前記モータの回生電力により充電される蓄電装置と、前記燃料電池の出力を制御する出力制御手段とを備える燃料電池車両の制御装置であって、
モータ駆動回路への入力電圧であるシステム電圧を検出するシステム電圧センサと、前記モータの回転数を検出する回転数センサと、前記燃料電池の温度を検出する温度センサと、
前記回転数センサにより検出される前記回転数が小さく、タイヤのスリップに至る大きなトルクを出力可能な回転数であるとき、あるいは、前記温度センサにより検出される温度が低く、モータ消費電力が増大したときに前記システム電圧の低下に至る低い温度であるときには、前記モータの出力制限を開始する第1電圧閾値を増大傾向に変化させる電圧閾値設定手段と、
前記システム電圧センサによって検出された前記システム電圧が前記第1電圧閾値未満である場合に前記モータの出力を制限するモータ出力制限手段と
を備えることを特徴とする燃料電池車両の制御装置。 - 前記電圧閾値設定手段は、前記第1閾値よりも小さい第2閾値を設定し、前記モータ出力制限手段は、前記システム電圧センサによって検出された前記システム電圧が前記第1閾値未満かつ前記第2閾値よりも大きい場合に、前記モータの出力を制限する際の制限率を前記システム電圧センサによって検出された前記システム電圧に応じて設定することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の燃料電池車両の制御装置。
- 前記電圧閾値設定手段を具備する第1演算装置と、
前記モータ出力制限手段を具備する第2演算装置と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載の燃料電池車両の制御装置。 - 前記蓄電装置の端子電圧を昇圧可能な電力変換手段と、前記蓄電装置の端子電圧を検出する端子電圧センサとを備え、前記端子電圧センサにより検出される前記端子電圧に基づいて昇圧可能電圧を算出し、算出された前記昇圧可能電圧が前記第1電圧閾値よりも大きい場合には、前記モータの出力制限を禁止することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1つに記載の燃料電池車両の制御装置。
- 車両を駆動可能なモータと、該モータの駆動および回生動作を制御するモータ制御手段と、前記モータの電源をなす燃料電池システムとして、反応ガス供給手段により反応ガスが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池と、該燃料電池の発電電力および前記モータの回生電力により充電される蓄電装置と、前記燃料電池の出力を制御する出力制御手段とを備える燃料電池車両の制御方法であって、
前記モータの回転数が小さく、タイヤのスリップに至る大きなトルクを出力可能な回転数であるときには、前記モータの出力制限を開始する第1電圧閾値を増大傾向に変化させ、
モータ駆動回路への入力電圧であるシステム電圧が前記第1電圧閾値未満である場合に前記モータの出力を制限することを特徴とする燃料電池車両の制御方法。 - 車両を駆動可能なモータと、該モータの駆動および回生動作を制御するモータ制御手段と、前記モータの電源をなす燃料電池システムとして、反応ガス供給手段により反応ガスが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池と、該燃料電池の発電電力および前記モータの回生電力により充電される蓄電装置と、前記燃料電池の出力を制御する出力制御手段とを備える燃料電池車両の制御方法であって、
前記燃料電池の温度が低く、モータ消費電力が急増したときにモータ駆動回路への入力電圧であるシステム電圧の低下に至る低い温度であるときには、前記モータの出力制限を開始する第1電圧閾値を増大傾向に変化させ、
前記システム電圧が前記第1電圧閾値未満である場合に前記モータの出力を制限することを特徴とする燃料電池車両の制御方法。 - 車両を駆動可能なモータと、該モータの駆動および回生動作を制御するモータ制御手段と、前記モータの電源をなす燃料電池システムとして、反応ガス供給手段により反応ガスが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池と、該燃料電池の発電電力および前記モータの回生電力により充電される蓄電装置と、前記燃料電池の出力を制御する出力制御手段とを備える燃料電池車両の制御方法であって、
前記モータの回転数が小さく、タイヤのスリップに至る大きなトルクを出力可能な回転数であるとき、あるいは、前記燃料電池の温度が低く、モータ消費電力が急増したときにモータ駆動回路への入力電圧であるシステム電圧の低下に至る低い温度であるときには、前記モータの出力制限を開始する第1電圧閾値を増大傾向に変化させ、
前記システム電圧が前記第1電圧閾値未満である場合に前記モータの出力を制限することを特徴とする燃料電池車両の制御方法。 - 前記第1閾値よりも小さい第2閾値を設定し、前記システム電圧が前記第1閾値未満かつ前記第2閾値よりも大きい場合に、前記モータの出力を制限する際の制限率を前記システム電圧に応じて設定することを特徴とする請求項7から請求項9の何れか1つに記載の燃料電池車両の制御方法。
- 前記モータの回転数が小さく、タイヤのスリップに至る大きなトルクを出力可能な回転数であるとき、あるいは、前記燃料電池の温度が低く、モータ消費電力が急増したときにモータ駆動回路への入力電圧であるシステム電圧の低下に至る低い温度であるときには、前記モータの出力制限を開始する前記第1電圧閾値を増大傾向に変化させる処理と、
前記システム電圧が前記第1電圧閾値未満である場合に前記モータの出力を制限する処理とを、互いに独立したタイミングで実行することを特徴とする請求項7から請求項10の何れか1つに記載の燃料電池車両の制御方法。 - 前記蓄電装置の端子電圧に基づいて昇圧可能電圧を算出し、算出された前記昇圧可能電圧が前記第1電圧閾値よりも大きい場合には、前記モータの出力制限を禁止することを特徴とする請求項7から請求項11の何れか1つに記載の燃料電池車両の制御方法。
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