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JP4148614B2 - Acrylic resin gloves - Google Patents

Acrylic resin gloves Download PDF

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JP4148614B2
JP4148614B2 JP30761099A JP30761099A JP4148614B2 JP 4148614 B2 JP4148614 B2 JP 4148614B2 JP 30761099 A JP30761099 A JP 30761099A JP 30761099 A JP30761099 A JP 30761099A JP 4148614 B2 JP4148614 B2 JP 4148614B2
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acrylic resin
glove
resin
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gloves
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亜衣 松浦
芳明 宮本
敦子 越智
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装着性および脱着性に優れた手袋に関し、より詳しくは、アクリル系樹脂エマルジョン製の手袋に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
家庭用、作業用、検査用、手術用等の用途に汎用される手袋には、大きく分けてゴム製のものと塩化ビニル樹脂製のものとがある。
このうち、天然ゴム(NR)製のものや、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴム製のものは、一般に粘着性が高いため、手との密着性が高くなってべた付き感が生じ、スムーズに装着および脱着することができない問題があった。また、天然ゴム(NR)製の手袋については、天然ゴム中に含まれる蛋白質に起因してアレルギー症状が引き起こされる問題もあった。
【0003】
これに対し、モジュラスの大きい塩化ビニル樹脂製の手袋は、手袋の装着性や脱着性に優れるものの、廃棄・焼却処理時にダイオキシンが発生する原因となるという問題があり、環境問題への関心が強まる中、近年その使用が抑制されつつある。
そこで、塩化ビニル樹脂以外の材料を用いつつ、装着性および脱着性に優れた手袋を得ることが求められており、従来のゴム製手袋本体の内面に滑性樹脂層を設けたもの(特開平11−61527号公報)や、従来のゴム製手袋本体の内面に変性ウレタンエマルジョンからなる皮膜とフッ素系界面活性剤が添加された合成樹脂液からなる表面処理膜との2層の乾燥皮膜を設けたもの(実開平6−4014号公報)、あるいは、滑性を付与することを目的として手袋の内面にイオン性ポリウレタンおよび当該ポリウレタンと他のポリマーとのブレンドからなるコーティングを施したもの(特許第2677850号公報)といった、種々の手袋が提案されている。
【0004】
しかしながら、上記公報に開示の手袋は、いずれも浸漬や塗布により新たな皮膜を形成する工程や、コーティング等による積層工程が必要になるため、製造工程が煩雑になって製造コストがかかるという問題がある。また、塩化ビニル樹脂製の手袋に比べて装着性や脱着性が低いという問題も解消することができない。一方、塩化ビニル樹脂以外の材料を用いた手袋として、特開平8−283522号公報には、分子中にカルボキシル基を有する不飽和ニトリルと共役ジエンとの共重合体のラテックスと、ポリウレタン樹脂エマルジョンとを含む組成物を成形した手袋が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記公報に記載の発明は耐油性、耐溶剤性の向上を目的としたものであって、当該発明に係る手袋の装着性や脱着性は塩化ビニル樹脂製の手袋に比べて不十分であった。
そこで、本発明の目的は、とりわけ装着性および脱着性において塩化ビニル樹脂製の手袋と同等またはそれ以上の物性を有するとともに、廃棄・焼却時にダイオキシンが発生するおそれのない手袋を提供することである。
【0006】
また、本発明の他の目的は、上記目的を達成するとともに、さらに皮膜の機械的特性を維持しつつ、耐洗剤性にも優れた手袋を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂エマルジョンを用いて架橋構造を有する皮膜を形成したときは、とりわけ装着性および脱着性において塩化ビニル樹脂製の手袋と同等またはそれ以上の物性を有するとともに、浸漬法による簡易な製造方法でもって、廃棄・焼却時にダイオキシンが発生するおそれのない手袋を提供することができるという全く新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明のアクリル樹脂手袋は、アクリル系樹脂エマルジョンを用いて成膜された、皮膜中に架橋構造を有するものであることを特徴とする。
上記本発明の手袋によれば、所定のアクリル系樹脂エマルジョンに感熱化剤やアノード凝着剤を配合し、これに加熱した型を浸漬して前記エマルジョンをゲル化させ、乾燥処理を施すことにより、すなわち従来の浸漬法を用いたゴム手袋の製造と同様な、簡易な製造工程を経ることによって、塩化ビニル樹脂製の手袋と同等またはそれ以上の物性を有する手袋を得ることができる。
【0009】
上記本発明のアクリル樹脂手袋は、簡易な工程によって製造するためにも、感熱法によって成膜されたものであるのが好ましい。
また、本発明において成膜に用いられるアクリル系樹脂エマルジョンは、架橋剤を含有するものであるのが好ましく、かかる架橋剤としては、亜鉛華と樹脂架橋剤であるのが好ましい。この場合において、樹脂架橋剤の含有量は、アクリル樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して0.5〜5重量部であるのがより好ましい。
【0010】
上記本発明のアクリル樹脂手袋は、使用するアクリル樹脂エマルジョンの種類や、架橋剤(特に、亜鉛華および樹脂架橋剤)の種類と配合量を適宜調整することにより、手袋として必要な性質である伸びをより一層良好なものとすることができる。さらに、洗剤に対する耐性についても良好なものとすることができ、ひいては手袋の耐久性を高めることができる。
アクリル樹脂エマルジョンの種類や、架橋剤の種類と配合量を調整した本発明のアクリル樹脂手袋は、
(i) JIS S 2042に規定の「引張試験」により求めた切断時伸びが300%以上である、および/または
(ii)JIS S 2042に規定の「耐洗剤性試験」により求めた切断時引張荷重残留率と切断時伸び残留率とが70%以上である
ことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の手袋は、前述のように、アクリル系樹脂エマルジョンを用いて成膜されたものである。
(アクリル系樹脂エマルジョン)
本発明に用いられるアクリル系樹脂エマルジョンとしては、例えば
(1) アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、またはメタクリル酸エステルの単独ポリマーのエマルジョン
(2) 上記(1) に開示の、4種のモノマーのうち少なくとも2種を組み合わせて得られる共重合体ポリマーのエマルジョン
(3) 上記(1) および(2) に開示のポリマーのいずれかと、酢酸ビニル、スチレンまたはアクリロニトリルとの共重合体のエマルジョン
(4) 上記(1) 〜(3) に開示のポリマーに、水酸基、カルボキシル基、N−メチロール基、N−メチロールエーテル基等の架橋性基を有するモノマーを共重合させたポリマーのエマルジョン
等の、硬質から軟質までの種々のグレードのものが挙げられる。特に、上記(3) および(4) のように 自己架橋性 を有するアクリル系樹脂エマルジョンを用いたときは、後述する架橋剤を配合しなくても、モジュラスの高い手袋を得ることができる。
【0012】
上記アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルにおけるエステル部分を構成する置換基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル等の炭素数が1〜4のアルキル基等が挙げられる。
上記アクリル系樹脂エマルジョンの具体例としては、日本ゼオン(株)製の商品名「LX851」(Tg=15℃)、「LX852」(Tg=−6℃、軟質)、「LX854」(Tg=−10℃)、「LX857」(Tg=43℃、硬質)等が挙げられる(商品名の後に、そのガラス転移温度Tgと、硬質もしくは軟質のいずれのグレードに属するかを示した)。
【0013】
本発明において、上記アクリル系樹脂エマルジョンには、アクリル系樹脂の架橋性を十分なものとし、かつ手袋の強度を向上させるために、架橋剤を含有するのが好ましい。
アクリル系樹脂エマルジョンとして上記(3) および(4) のエマルジョン、すなわち自己架橋性を有するエマルジョンを用いた場合には、架橋剤が存在しなくても成膜することができるが、架橋剤を配合することによって手袋の強度をより一層向上させることができる。
【0014】
(架橋剤)
アクリル系樹脂エマルジョンに含有させる架橋剤としては、例えば
(a) 亜鉛華、あるいは
(b) メラミン樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン系樹脂、ブロックイソシアネート等の樹脂架橋剤
といった、ポリマーの加工に用いられる従来公知の種々の架橋剤が挙げられる。
【0015】
架橋剤の含有量は特に限定されないが、上記(a) の亜鉛華と、上記(b) の樹脂架橋剤との総量が、アクリル系樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して1〜10重量部、特に1〜5重量部であるのが好ましい。
上記(a) の亜鉛華および上記(b) の樹脂架橋剤は、それぞれ単独でアクリル系樹脂エマルジョンに含有させることもできるが、両者を併用するのがより好ましい。亜鉛華はアクリル系樹脂エマルジョンの感熱法による成膜性を良好なものとし、一方、上記(b) の樹脂架橋剤はアクリル樹脂手袋の耐洗剤性を良好なものとするというように、それぞれ異なる付加的作用を有するからである。
【0016】
従って、アクリル系樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対する架橋剤の含有量は、上記範囲の中でも特に、亜鉛華を0.5〜5重量部程度とし、樹脂架橋剤を0.5〜5重量部程度とするのがより好ましい。なお、亜鉛華の含有量が上記範囲を超えると手袋の伸びが低下するおそれがある。一方、樹脂架橋剤の含有量が上記範囲を超えると手袋の耐洗剤性が低下するおそれがある。
(その他の添加剤)
本発明のアクリル樹脂手袋の製造に用いるアクリル系樹脂エマルジョンには、上記架橋剤のほかに、例えば老化防止剤、充填剤、分散剤等の、従来公知の種々の添加剤を配合してもよい。
【0017】
上記老化防止剤としては、一般に、非汚染性のフェノール類が好適に用いられるが、アミン類を使用してもよい。老化防止剤の配合量は、アクリル系樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度であるのが好ましい。上記充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム等があげられる。その配合量は、上記樹脂固形分100重量部に対して10重量部以下であるのが好ましい。また、上記各添加剤のアクリル系樹脂エマルジョン中への分散を良好にするために分散剤を配合してもよい。かかる分散剤としては、例えば各種陰イオン系界面活性剤等があげられる。分散剤の配合量は、分散対象である成分における重量の0.3〜1.0重量%程度であるのが好ましい。
【0018】
(手袋の物性)
本発明のアクリル樹脂手袋においては、手袋のモジュラス、柔軟性、伸び等の種々の特性をより一層良好なものとするという観点から、JIS K 6251(加硫ゴムの引張試験方法)に規定の300%伸び時の引張応力M300 (すなわちモジュラス)が7.0MPa以上、とりわけ7.0〜8.0MPaの範囲となるように設定されているのが好ましい。
【0019】
なお、前記引張応力M300 が7.0MPaを下回ると、塩化ビニル樹脂製の手袋と同等またはそれ以上の装着性および脱着性を得ることができなくなるおそれがある。
本発明のアクリル樹脂手袋は、使用するアクリル樹脂エマルジョンや架橋剤を上記記載のものから適宜選択することにより、さらには、亜鉛華と樹脂架橋剤のと配合量を前述の範囲内で適宜調整することにより、手袋として必要な性質である伸びをより一層良好なものとすることができ、あるいは洗剤に対する耐性を良好なものとすることができる。
【0020】
本発明のアクリル樹脂手袋は、装着時の柔軟性や手へのフィット感を良好なものとする上で、JIS S 2042に規定の「引張試験」により求めた切断時伸びEB が300%以上であるのが好ましい。
上記切断時伸びEB を300%以上とするには、これに限定されるものではないが、手袋の成膜に使用するアクリル樹脂エマルジョンに対する亜鉛華の含有量を、前記樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して5重量部以下となるように設定すればよい。
【0021】
アクリル樹脂手袋の切断時伸びEB は、上記範囲の中でも特に350%以上であるのが好ましく、400%以上であるのがより好ましい。
本発明のアクリル樹脂手袋は、洗剤に対する耐性を高め、ひいては手袋の耐久性を良好なものとする上で、JIS S 2042に規定の「耐洗剤性試験」により求めた切断時引張荷重残留率SR と切断時伸び残留率SE とが70%以上であるのが好ましい。
【0022】
上記切断時引張荷重残留率SR や切断時伸び残留率SE をそれぞれ70%以上とするには、これに限定されるものではないが、手袋の成膜に使用するアクリル樹脂エマルジョンに対する樹脂架橋剤の含有量を、前記樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して0.5〜5重量部となるように設定すればよい。
アクリル樹脂手袋の切断時引張荷重残留率SR や切断時伸び残留率SE は、いずれも、上記範囲の中でも特に75%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましい。
【0023】
なお、JIS S 2042にも規定されているように、上記切断時引張荷重残留率SR (%)は、浸漬前の切断時引張荷重XA (N/cm)と、浸漬後の切断時引張荷重XB (N/cm)とから、式(1) により求められる。
R (%)=(XB /XA )×100 …(1)
一方、切断時伸び残留率SE %)は、浸漬前の切断時伸びXC (%)と、浸漬後の切断時伸びXD (%)とから、式(2) によって求められる。
E (%)=(XD /XC )×100 …(2)
(手袋の製造方法)
本発明の手袋は、前述のように、所定のアクリル系樹脂エマルジョンに感熱化剤やアノード凝着剤を配合し、さらに必要に応じて架橋剤を配合した後、加熱した型を浸漬して前記樹脂エマルジョンをゲル化させ、乾燥処理を施すことによって製造される。
【0024】
手袋の型の加熱温度は、使用するアクリル系樹脂エマルジョンの種類に応じて適宜設定されるものであるが、通常、型表面の温度が70〜100℃程度となるように設定される。なお、手袋の型には、例えば陶器製、セラミック製等、従来公知のものが使用可能である。
前記感熱化剤としては、例えば硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、亜鉛アンモニウム錯塩等の無機または有機のアンモニウム塩、あるいは例えばポリビニルメチルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリエーテルポリホルマール、官能性ポリシロキサン等の、曇点が常温以上、100℃以下の水溶性高分子が挙げられる。
【0025】
前記アノード凝着剤としては、例えば硝酸カルシウム、塩化カルシウム等の2価以上の金属塩、あるいはテトラメチルアンモニウム塩酸塩等の有機アルキルアミン塩等が挙げられる。
上記感熱化剤やアノード凝着剤の配合量は常法に従って設定すればよく、通常、樹脂エマルジョン中の樹脂固形分100重量部に対して0.5〜5重量部、特に0.5〜2.0重量部の範囲で設定される。
【0026】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。
〔手袋の製造および伸び・装着性・脱着性の評価〕
実施例1
アクリル系樹脂エマルジョンとして、日本ゼオン(株)製の商品名「LX852」と、同社製の商品名「LX857」とを、乾燥ポリマー(樹脂固形分)の重量比が20:80となるように混合した後、前記両乾燥ポリマーの合計量100重量部に対して、亜鉛華(架橋剤)5重量部、ポリビニルメチルエーテル(感熱化剤)0.5重量部および硝酸カルシウム(アノード凝着剤)1.5重量部を添加した。
【0027】
次いで、この樹脂エマルジョンに、あらかじめ100℃程度に加温した手袋の型を約5秒間浸漬し、さらに手袋の型を引き上げて室温で乾燥し、こうして得られた樹脂エマルジョンの皮膜を120℃、30分の条件でオーブン中に放置して完全に乾燥させることによって、アクリル樹脂手袋を得た。
実施例2
アクリル系樹脂エマルジョン「LX852」と「LX857」との乾燥ポリマー(樹脂固形分)の重量比を50:50とし、さらに亜鉛華の添加量を1重量部としたほかは、実施例1と同様にしてアクリル樹脂手袋を作製した。
【0028】
実施例3
亜鉛華に代えてメラミン樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製の商品名「ベッカミンPM−N」〕5重量部を配合したほかは、実施例1と同様にしてアクリル樹脂手袋を作製した。
実施例4
亜鉛華を添加しなかったほかは実施例2と同様にしてアクリル樹脂手袋を作製した。
【0029】
(引張試験)
上記実施例1〜4で得られたアクリル樹脂手袋を打ち抜いて、JIS K 6251(加硫ゴムの引張試験方法)に規定のダンベル状4号形試験片を作製した。
次いで、上記JIS K 6251に記載の試験方法に従って、300%伸び時における引張応力M300 (MPa)、引張強さTB (MPa)および切断時伸びEB (%)を測定した。
【0030】
また、天然ゴム製手袋〔ダンロップホームプロダクツ(株)製の商品名「さわやか天然ゴム薄手」〕(比較例1)と、塩化ビニル樹脂製手袋〔同社製の商品名「さわやかビニール薄手」〕(比較例2)とを用いて、それぞれ上記実施例と同様にして各種の測定を行った。
(手袋の装着性・脱着性)
上記実施例および比較例の手袋を5人の被験者に実際に装着してもらい、手袋の装着感(ゴム手袋を装着している際の作業のし易さ。手にかかる負担の程度や手を締め付ける度合い。いわゆる、フィット感)と着脱感(ゴム手袋を装着または脱着する際の取扱性)についての評価を求めた。
【0031】
装着性および脱着性は以下の基準で評価を行い、各被験者の評価の平均で表した。
・装着性
◎:装着感が極めてソフトで、指の曲げ伸ばしが自然に行え、あたかも手袋を装着していないように感じられた。
〇:装着感がソフトで、指の曲げ伸ばしが自然に行えた。
△:手袋が多少硬く感じられたものの、実用上問題はなかった。
×:装着感が極めて悪く、長時間の装着により手に疲労感が生じた。
【0032】
・脱着性
◎:非常に装着し易く(履き易く)、脱ぎ易い。
○:履き易く、脱ぎ易い。
△:履きにくく、脱ぎにくい。
×:極めて履きにくく、かつ脱ぎにくい。
以上の結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

Figure 0004148614
【0034】
表1より明らかなように、実施例1〜4によれば、比較例2の塩化ビニル樹脂製手袋と同等またはそれ以上の、優れた装着性および脱着性を有する手袋を得ることができた。
これに対し、比較例1の天然ゴム製手袋ではモジュラスが低く、十分な装着性および脱着性を得ることができなかった。
〔手袋の製造および伸び・耐洗剤性の評価〕
実施例5
アクリル系樹脂エマルジョンとして、日本ゼオン(株)製の商品名「LX852」と、同社製の商品名「LX854」とを、乾燥ポリマー(樹脂固形分)の重量比が80:20となるように混合した後、前記両乾燥ポリマーの合計量100重量部に対して、亜鉛華(架橋剤)3重量部、メラミン樹脂(樹脂架橋剤)1重量部、ポリビニルメチルエーテル(感熱化剤)0.5重量部および硝酸カルシウム(アノード凝着剤)1.5重量部を添加した。
【0035】
なお、メラミン樹脂には大日本インキ化学工業(株)製の商品名「ベッカミンPM−N」を用いた。
次いで、この樹脂エマルジョンに、あらかじめ100℃程度に加温した手袋の型を約5秒間浸漬し、さらに手袋の型を引き上げて室温で乾燥し、こうして得られた樹脂エマルジョンの皮膜を100℃、30分の条件でオーブン中に放置して完全に乾燥させることによって、手袋を得た。
【0036】
実施例6
メラミン樹脂の含有量を5重量部としたほかは、実施例5と同様にしてアクリル樹脂手袋を得た。
実施例7
樹脂架橋剤として、メラミン樹脂に代えてエポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製の商品名「CR−5L」〕5重量部を用いたほかは、実施例5と同様にしてアクリル樹脂手袋を得た。
【0037】
実施例8
樹脂架橋剤として、メラミン樹脂に代えてオキサゾリン系樹脂〔(株)日本触媒製の商品名「エポクロスWS−500」〕5重量部を用いたほかは、実施例5と同様にしてアクリル樹脂手袋を得た。
実施例9
樹脂架橋剤として、メラミン樹脂に代えてブロックイソシアネート〔住友バイエルウレタン(株)製の商品名「バイヒジュールBL116」〕5重量部を用いたほかは、実施例5と同様にしてアクリル樹脂手袋を得た。
【0038】
実施例10
メラミン樹脂(樹脂架橋剤)を配合しなかったほかは、実施例5と同様にしてアクリル樹脂手袋を得た。
実施例11
メラミン樹脂の含有量を8重量部としたほかは、実施例5と同様にしてアクリル樹脂手袋を得た。
【0039】
実施例12
樹脂架橋剤として、メラミン樹脂に代えて前出のオキサゾリン系樹脂「エポクロスWS−500」8重量部を用いたほかは、実施例5と同様にしてアクリル樹脂手袋を得た。
(引張試験)
上記実施例5〜12で得られたアクリル樹脂手袋を打ち抜いて、JIS K 6251(加硫ゴムの引張試験方法)に規定のダンベル状4号形試験片を作製した。
【0040】
次いで、上記JIS K 6251に記載の試験方法に従って、切断時伸びEB (%)を測定した。
(耐洗剤性の評価試験)
上記実施例および比較例で得られたアクリル樹脂手袋について、JIS S 2042「家庭用ゴム手袋」(または、JIS S 2045「家庭用ビニル手袋の耐洗剤性試験」)に記載の「耐洗剤性試験」の規定に準拠して、その耐洗剤性の評価を行った。
【0041】
試験は、2%のn−ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液を55±1℃に調整した上で、この溶液中に22±0.25時間全面浸漬することによって行い、切断時引張荷重残留率SR (%)と切断時伸び残留率SE とを求めた。
(感熱性の評価)
上記実施例5〜12について、アクリル系樹脂エマルジョンから感熱法によって成膜する際の成膜性を評価し、これを感熱性とした。
【0042】
評価は○〔成膜性(感熱性)が良好で、厚みの均一な皮膜の形成が可能であった。〕、△〔成膜性(感熱性)が十分ではなく、厚みの不均一な皮膜しか形成できなかった。〕および×〔成膜性(感熱性)が低く、皮膜を形成できなかった。〕の3段階で行った。
以上の結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0004148614
【0044】
表2より明らかなように、アクリル系樹脂エマルジョンにおける亜鉛華および樹脂架橋剤の含有量を、それぞれ前記エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲に設定した実施例5〜9によれば、感熱法による簡易な製造方法によって、装着性や脱着性に優れていることはもとより、伸びや耐洗剤性にも優れたアクリル系樹脂製の手袋を得ることができた。
一方、実施例10で得られたアクリル樹脂手袋は、アクリル系樹脂エマルジョン中に樹脂架橋剤を含有させなかったため、装着性や脱着性、伸び等に関して実用上十分な物性を有するものの、耐洗剤性については実施例5〜9で得られた手袋のように優れたものとすることができなかった。
【0045】
また、実施例11および12で得られたアクリル樹脂手袋は、アクリル系樹脂エマルジョンにおける樹脂架橋剤の含有量(および架橋剤全体の含有量)が多いため、耐洗剤性等に関して実用上十分な物性を有するものの、伸びを実施例5〜9で得られた手袋のように大きくすることができなかった。また、装着性や脱着性についても、実施例5〜9で得られた手袋のように優れたものとすることができなかった。
上記本発明のアクリル樹脂手袋によれば、とりわけ装着性および脱着性において塩化ビニル樹脂製手袋と同等またはそれ以上の物性を有するアクリル樹脂手袋を得ることができる。また、アクリル樹脂手袋の製造に用いるアクリル系樹脂エマルジョンにおける亜鉛華や樹脂架橋剤の含有量を適宜調整することにより、十分な伸びと優れた耐洗剤性をも付与することができる。
【0046】
かかるアクリル樹脂手袋は、製造方法が簡易であるとともに、塩化ビニル樹脂を含まないことから廃棄・焼却時にダイオキシンが発生して、環境を汚染するおそれがない。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a glove excellent in wearability and detachability, and more particularly to a glove made of an acrylic resin emulsion.
[0002]
[Background Art and Problems to be Solved by the Invention]
Gloves widely used for home use, work use, inspection use, operation use, and the like are roughly classified into rubber and vinyl chloride resin.
Of these, those made of natural rubber (NR) and those made of synthetic rubber such as acrylonitrile-butadiene rubber (NBR), styrene-butadiene rubber (SBR) are generally highly tacky and therefore have good adhesion to the hand. There was a problem that the feeling of stickiness was increased and the device could not be smoothly attached and detached. In addition, natural rubber (NR) gloves have a problem that allergic symptoms are caused by proteins contained in natural rubber.
[0003]
On the other hand, gloves made of vinyl chloride resin with a large modulus are excellent in the wearability and detachability of the gloves, but there is a problem that dioxins are generated during disposal and incineration, and interest in environmental issues is strengthened. In recent years, its use is being suppressed.
Therefore, it is required to obtain a glove excellent in wearability and detachability while using a material other than vinyl chloride resin, and a conventional rubber glove body provided with a slipping resin layer (Japanese Patent Laid-Open No. 11-61527) or a conventional rubber glove body provided with a two-layer dry film consisting of a film made of a modified urethane emulsion and a surface treatment film made of a synthetic resin solution to which a fluorosurfactant is added. Or a coating made of ionic polyurethane and a blend of the polyurethane and other polymers on the inner surface of the glove for the purpose of imparting lubricity (Patent No. 6-4014) Various gloves have been proposed such as No. 2,677,850.
[0004]
However, all of the gloves disclosed in the above publication require a process of forming a new film by dipping or coating, or a laminating process by coating or the like, so that the manufacturing process becomes complicated and the manufacturing cost increases. is there. In addition, the problem that the wearability and the detachability are low as compared with gloves made of vinyl chloride resin cannot be solved. On the other hand, as a glove using a material other than a vinyl chloride resin, JP-A-8-283522 discloses a latex of a copolymer of an unsaturated nitrile having a carboxyl group in its molecule and a conjugated diene, a polyurethane resin emulsion, Disclosed is a glove molded from a composition comprising:
[0005]
However, the invention described in the above publication is intended to improve oil resistance and solvent resistance, and the wearability and detachability of the gloves according to the invention are insufficient compared to gloves made of vinyl chloride resin. there were.
Accordingly, an object of the present invention is to provide a glove that has physical properties equivalent to or higher than those of a vinyl chloride resin glove, in particular, in terms of wearability and detachability, and that does not cause dioxins during disposal and incineration. .
[0006]
Another object of the present invention is to provide a glove having excellent detergent resistance while achieving the above object and further maintaining the mechanical properties of the film.
[0007]
[Means for Solving the Problems and Effects of the Invention]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the inventors of the present invention, when forming a film having a crosslinked structure using an acrylic resin emulsion, are particularly made of a vinyl chloride resin in terms of wearability and detachability. The present invention has found a completely new fact that a glove having a physical property equivalent to or higher than that of a glove and having no fear of generating dioxin at the time of disposal / incineration can be provided by a simple manufacturing method using a dipping method. It came to complete.
[0008]
That is, the acrylic resin glove of the present invention is characterized in that it has a crosslinked structure in the film formed using an acrylic resin emulsion.
According to the glove of the present invention, a heat-sensitive agent and an anode coagulant are blended in a predetermined acrylic resin emulsion, and a heated mold is immersed in this to gel the emulsion, followed by drying treatment. That is, a glove having physical properties equivalent to or higher than that of a vinyl chloride resin glove can be obtained through a simple manufacturing process similar to that for manufacturing a rubber glove using a conventional dipping method.
[0009]
The acrylic resin glove of the present invention is preferably formed by a heat-sensitive method in order to produce it by a simple process.
The acrylic resin emulsion used for film formation in the present invention preferably contains a cross-linking agent, and as such a cross-linking agent, zinc white and a resin cross-linking agent are preferable. In this case, the content of the resin crosslinking agent is more preferably 0.5 to 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin solid content of the acrylic resin emulsion.
[0010]
The acrylic resin glove of the present invention is an elongation characteristic that is necessary for a glove by appropriately adjusting the type of acrylic resin emulsion to be used and the type and blending amount of a crosslinking agent (particularly zinc white and a resin crosslinking agent). Can be made even better. Furthermore, the resistance to the detergent can be improved, and the durability of the glove can be improved.
The acrylic resin gloves of the present invention in which the type of acrylic resin emulsion and the type and amount of crosslinking agent are adjusted,
(i) The elongation at break determined by the “tensile test” defined in JIS S 2042 is 300% or more, and / or
(ii) It is characterized in that the tensile load residual ratio at cutting and the residual elongation percentage at cutting determined by the “detergent resistance test” defined in JIS S 2042 are 70% or more.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The glove of the present invention is formed using an acrylic resin emulsion as described above.
(Acrylic resin emulsion)
As an acrylic resin emulsion used in the present invention, for example,
(1) Emulsion of acrylic acid, acrylic ester, methacrylic acid, or methacrylic ester homopolymer
(2) An emulsion of a copolymer polymer obtained by combining at least two of the four types of monomers disclosed in (1) above
(3) Copolymer emulsion of any of the polymers disclosed in (1) and (2) above and vinyl acetate, styrene or acrylonitrile
(4) Polymer emulsions obtained by copolymerizing monomers having a crosslinkable group such as a hydroxyl group, a carboxyl group, an N-methylol group, and an N-methylol ether group with the polymers disclosed in the above (1) to (3) And various grades from hard to soft. In particular, when an acrylic resin emulsion having self-crosslinking properties as in the above (3) and (4) is used, gloves having a high modulus can be obtained without blending a crosslinking agent described later.
[0012]
Examples of the substituent constituting the ester moiety in the acrylic acid ester and methacrylic acid ester include alkyl groups having 1 to 4 carbon atoms such as methyl, ethyl, n-propyl, i-propyl, n-butyl, and t-butyl. Etc.
Specific examples of the acrylic resin emulsion include trade names “LX851” (Tg = 15 ° C.), “LX852” (Tg = −6 ° C., soft), “LX854” (Tg = −) manufactured by Zeon Corporation. (10 ° C.), “LX857” (Tg = 43 ° C., hard), and the like (after the trade name, the glass transition temperature Tg and whether the grade belongs to hard or soft).
[0013]
In the present invention, the acrylic resin emulsion preferably contains a crosslinking agent in order to make the acrylic resin sufficiently crosslinkable and improve the strength of the glove.
When the above emulsions (3) and (4), that is, emulsions having self-crosslinkability, are used as the acrylic resin emulsion, the film can be formed even in the absence of a crosslinking agent. By doing so, the strength of the glove can be further improved.
[0014]
(Crosslinking agent)
As a crosslinking agent to be included in the acrylic resin emulsion, for example,
(a) Zinc flower or
(b) Various conventionally known crosslinking agents used for polymer processing, such as resin crosslinking agents such as melamine resins, epoxy resins, oxazoline resins, and blocked isocyanates.
[0015]
The content of the crosslinking agent is not particularly limited, but the total amount of the zinc white (a) and the resin crosslinking agent (b) is 1 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the resin solid content of the acrylic resin emulsion. It is preferably 1 part by weight, especially 1 to 5 parts by weight.
The zinc white (a) and the resin cross-linking agent (b) can be contained alone in the acrylic resin emulsion, but it is more preferable to use both in combination. Zinc flower makes the film-forming property of the acrylic resin emulsion good by the heat-sensitive method, while the resin cross-linking agent (b) mentioned above makes the acrylic resin gloves have good detergent resistance. This is because it has an additional effect.
[0016]
Accordingly, the content of the cross-linking agent with respect to 100 parts by weight of the resin solid content of the acrylic resin emulsion is, in the above range, particularly about 0.5 to 5 parts by weight of zinc white and 0.5 to 5% by weight of the resin cross-linking agent. More preferably, it is about part. In addition, when content of zinc white exceeds the said range, there exists a possibility that the elongation of a glove may fall. On the other hand, if the content of the resin crosslinking agent exceeds the above range, the detergent resistance of the gloves may be lowered.
(Other additives)
The acrylic resin emulsion used for the production of the acrylic resin gloves of the present invention may contain various conventionally known additives such as anti-aging agents, fillers, dispersants, etc. in addition to the above-mentioned crosslinking agent. .
[0017]
In general, non-fouling phenols are preferably used as the anti-aging agent, but amines may be used. The blending amount of the anti-aging agent is preferably about 0.5 to 3 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin solid content of the acrylic resin emulsion. Examples of the filler include kaolin clay, hard clay, calcium carbonate, and the like. The blending amount is preferably 10 parts by weight or less with respect to 100 parts by weight of the resin solid content. Further, a dispersant may be blended in order to improve the dispersion of each of the above additives in the acrylic resin emulsion. Examples of such a dispersant include various anionic surfactants. The blending amount of the dispersant is preferably about 0.3 to 1.0% by weight of the weight of the component to be dispersed.
[0018]
(Physical properties of gloves)
In the acrylic resin glove of the present invention, 300 specified in JIS K 6251 (Tensile test method for vulcanized rubber) from the viewpoint of further improving various characteristics such as modulus, flexibility and elongation of the glove. It is preferable that the tensile stress M 300 (that is, the modulus) at the time of% elongation is set to be 7.0 MPa or more, particularly 7.0 to 8.0 MPa.
[0019]
If the tensile stress M 300 is less than 7.0 MPa, it may not be possible to obtain wearability and detachability equivalent to or higher than those of gloves made of vinyl chloride resin.
In the acrylic resin glove of the present invention, by appropriately selecting the acrylic resin emulsion and the crosslinking agent to be used from those described above, the blending amount of zinc white and the resin crosslinking agent is appropriately adjusted within the aforementioned range. Thus, the elongation, which is a necessary property for gloves, can be further improved, or the resistance to the detergent can be improved.
[0020]
Acrylic resin glove of the present invention, in order to fit into the connecting state of the flexibility and hand made favorable, JIS S 2042 to the provisions of the "tensile test" by the elongation at break E B is 300% or more as determined Is preferred.
To a 300% more than the elongation at break E B include, but are not limited to, the content of zinc white to acrylic resin emulsion used for forming the gloves, the resin solid content of the resin emulsion What is necessary is just to set so that it may become 5 weight part or less with respect to 100 weight part.
[0021]
Elongation at break E B of the acrylic resin glove is preferably in particular 350% or more among the above-mentioned range, more preferably 400% or more.
The acrylic resin glove according to the present invention increases the resistance to detergent and, in turn, improves the durability of the glove, so that the tensile load residual ratio S at the time of cutting determined by the “detergent resistance test” defined in JIS S 2042 is used. It is preferable that R and the residual elongation at break S E are 70% or more.
[0022]
The above-mentioned tensile load residual ratio S R during cutting and residual elongation ratio S E during cutting are not limited to 70% or more, but are not limited to this. What is necessary is just to set content of an agent so that it may become 0.5-5 weight part with respect to 100 weight part of resin solid content of the said resin emulsion.
In the acrylic resin gloves, the tensile load residual ratio S R and the elongation residual ratio S E during cutting are preferably 75% or more, more preferably 80% or more, particularly within the above range.
[0023]
In addition, as prescribed in JIS S 2042, the tensile load residual rate S R (%) at the time of cutting is equal to the tensile load X A at cutting before immersion (N / cm) and the tensile at cutting after immersion. From the load X B (N / cm), it is obtained by the equation (1).
S R (%) = (X B / X A ) × 100 (1)
On the other hand, the elongation retention ratio S E %) at the time of cutting is obtained by the equation (2) from the elongation at break X C (%) before immersion and the elongation at break X D (%) after immersion.
S E (%) = (X D / X C ) × 100 (2)
(Glove manufacturing method)
As described above, the glove of the present invention is blended with a heat-sensitive agent and an anode cohesive agent in a predetermined acrylic resin emulsion, further blended with a crosslinking agent as necessary, and then immersed in a heated mold. It is produced by gelling a resin emulsion and subjecting it to a drying treatment.
[0024]
The heating temperature of the glove mold is appropriately set according to the type of acrylic resin emulsion to be used, but is usually set so that the mold surface temperature is about 70 to 100 ° C. In addition, conventionally well-known things, such as ceramics and ceramics, can be used for the type | mold of a glove, for example.
Examples of the heat-sensitive agent include inorganic or organic ammonium salts such as ammonium nitrate, ammonium acetate, and zinc ammonium complex, or cloud points such as polyvinyl methyl ether, polyalkylene glycol, polyether polyformal, and functional polysiloxane. A water-soluble polymer having a temperature of normal temperature or higher and 100 ° C. or lower is exemplified.
[0025]
Examples of the anode coagulant include divalent or higher metal salts such as calcium nitrate and calcium chloride, and organic alkylamine salts such as tetramethylammonium hydrochloride.
What is necessary is just to set the compounding quantity of the said heat sensitive agent and an anode adhesive agent in accordance with a conventional method, Usually, 0.5-5 weight part with respect to 100 weight part of resin solid content in a resin emulsion, Especially 0.5-2. It is set in the range of 0.0 part by weight.
[0026]
【Example】
Next, an Example and a comparative example are given and this invention is demonstrated.
[Manufacture of gloves and evaluation of elongation, wearability, and detachability]
Example 1
As an acrylic resin emulsion, the product name “LX852” manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd. and the product name “LX857” manufactured by the same company are mixed so that the weight ratio of the dry polymer (resin solid content) is 20:80. After that, 5 parts by weight of zinc white (crosslinking agent), 0.5 parts by weight of polyvinyl methyl ether (heat sensitive agent) and calcium nitrate (anode coagulant) 1 with respect to 100 parts by weight of the total amount of both dry polymers. .5 parts by weight were added.
[0027]
Next, a glove mold preheated to about 100 ° C. is immersed in this resin emulsion for about 5 seconds, and then the glove mold is pulled up and dried at room temperature. The film of the resin emulsion thus obtained is 120 ° C., 30 ° C. Acrylic resin gloves were obtained by allowing them to dry completely in an oven under the condition of minutes.
Example 2
The same as in Example 1 except that the weight ratio of the dry polymer (resin solid content) of the acrylic resin emulsions “LX852” and “LX857” was 50:50 and the addition amount of zinc white was 1 part by weight. Acrylic resin gloves were prepared.
[0028]
Example 3
An acrylic resin glove was produced in the same manner as in Example 1 except that 5 parts by weight of melamine resin [trade name “Beccamin PM-N” manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc.] was used instead of zinc white.
Example 4
An acrylic resin glove was produced in the same manner as in Example 2 except that zinc white was not added.
[0029]
(Tensile test)
The acrylic resin gloves obtained in Examples 1 to 4 were punched out, and dumbbell-shaped No. 4 test pieces defined in JIS K 6251 (vulcanized rubber tensile test method) were produced.
Then, according to the test method described in JIS K 6251, a tensile stress M 300 at elongation 300% (MPa), the tensile strength T B (MPa) and elongation at break E B (%) were measured.
[0030]
Also, natural rubber gloves (trade name “Sawayaka Natural Rubber Thin” manufactured by Dunlop Home Products Co., Ltd.) (Comparative Example 1) and vinyl chloride resin gloves (trade name “Sawayaka Vinyl Thin” manufactured by the company) (Comparison) Using Example 2), various measurements were performed in the same manner as in the above examples.
(Glove wear / removability)
Have five subjects actually wear the gloves of the examples and comparative examples described above, and feel the wearing of the gloves (ease of work when wearing rubber gloves. The degree of tightening, so-called fit feeling, and evaluation of attachment / detachment feeling (handleability when wearing or removing rubber gloves) were sought.
[0031]
Wearability and detachability were evaluated according to the following criteria, and expressed as an average of the evaluation of each subject.
-Wearability ◎: The feeling of wearing was extremely soft, the fingers could bend and stretch naturally, and it seemed as if gloves were not worn.
◯: The wearing feeling was soft and the fingers were able to bend and stretch naturally.
Δ: Although the gloves felt somewhat hard, there was no practical problem.
X: A feeling of wearing was extremely bad, and a feeling of fatigue was generated in the hand by wearing for a long time.
[0032]
・ Removability ◎: Very easy to put on (easy to wear) and easy to take off.
○: Easy to put on and take off.
Δ: It is difficult to wear and take off.
X: It is extremely difficult to put on and take off.
The results are shown in Table 1.
[0033]
[Table 1]
Figure 0004148614
[0034]
As is apparent from Table 1, according to Examples 1 to 4, gloves having excellent wearability and detachability equivalent to or higher than those of the vinyl chloride resin gloves of Comparative Example 2 could be obtained.
On the other hand, the natural rubber glove of Comparative Example 1 had a low modulus and could not obtain sufficient wearability and detachability.
[Production of gloves and evaluation of elongation and detergent resistance]
Example 5
As an acrylic resin emulsion, the product name “LX852” manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd. and the product name “LX854” manufactured by the same company are mixed so that the weight ratio of the dry polymer (resin solid content) is 80:20. Thereafter, 3 parts by weight of zinc white (crosslinking agent), 1 part by weight of melamine resin (resin crosslinking agent), 0.5 part by weight of polyvinyl methyl ether (heat sensitive agent) with respect to 100 parts by weight of the total amount of the dry polymers. And 1.5 parts by weight of calcium nitrate (anode coagulant) were added.
[0035]
The trade name “Beccamin PM-N” manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc. was used as the melamine resin.
Next, a glove mold preheated to about 100 ° C. is dipped in this resin emulsion for about 5 seconds, and then the glove mold is pulled up and dried at room temperature. The film of the resin emulsion thus obtained is 100 ° C., 30 ° C. A glove was obtained by leaving it to dry completely in an oven under the condition of minutes.
[0036]
Example 6
An acrylic resin glove was obtained in the same manner as in Example 5 except that the content of the melamine resin was 5 parts by weight.
Example 7
Acrylic resin gloves in the same manner as in Example 5 except that 5 parts by weight of an epoxy resin [trade name “CR-5L” manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.] was used instead of the melamine resin as the resin crosslinking agent. Got.
[0037]
Example 8
An acrylic resin glove was used in the same manner as in Example 5 except that 5 parts by weight of an oxazoline-based resin [trade name “Epocross WS-500” manufactured by Nippon Shokubai Co., Ltd.] was used instead of the melamine resin. Obtained.
Example 9
An acrylic resin glove was obtained in the same manner as in Example 5 except that 5 parts by weight of blocked isocyanate (trade name “Baihijur BL116” manufactured by Sumitomo Bayer Urethane Co., Ltd.) was used instead of the melamine resin as the resin crosslinking agent. .
[0038]
Example 10
An acrylic resin glove was obtained in the same manner as in Example 5 except that no melamine resin (resin crosslinking agent) was added.
Example 11
An acrylic resin glove was obtained in the same manner as in Example 5 except that the content of the melamine resin was 8 parts by weight.
[0039]
Example 12
An acrylic resin glove was obtained in the same manner as in Example 5 except that 8 parts by weight of the above-mentioned oxazoline-based resin “Epocross WS-500” was used in place of the melamine resin as the resin crosslinking agent.
(Tensile test)
The acrylic resin gloves obtained in Examples 5 to 12 were punched out, and dumbbell-shaped No. 4 test pieces defined in JIS K 6251 (vulcanized rubber tensile test method) were produced.
[0040]
Next, the elongation at break E B (%) was measured according to the test method described in JIS K 6251.
(Evaluation test for detergent resistance)
About the acrylic resin gloves obtained in the above Examples and Comparative Examples, the “detergent resistance test” described in JIS S 2042 “Home Rubber Gloves” (or JIS S 2045 “Detergent Resistance Test of Home Vinyl Gloves”). The detergent resistance was evaluated in accordance with the provision of "."
[0041]
Test, 2% n- lauryl benzene sulfonate solution of sodium after adjusting to 55 ± 1 ° C., carried out by 22 ± 0.25 hours entirely immersed in this solution at break tensile load residual ratio S R (%) And elongation elongation at cutting S E were obtained.
(Evaluation of heat sensitivity)
About the said Examples 5-12, the film formability at the time of forming into a film from an acrylic resin emulsion by the thermal method was evaluated, and this was made into heat sensitivity.
[0042]
As for evaluation, ○ [film forming property (heat sensitivity) was good, and a film having a uniform thickness could be formed. ], Δ [Film formability (heat sensitivity) was not sufficient, and only a film having a non-uniform thickness could be formed. ] And x [film formation property (heat sensitivity) was low, and a film could not be formed. It was performed in three stages.
The results are shown in Table 2.
[0043]
[Table 2]
Figure 0004148614
[0044]
As is apparent from Table 2, the contents of the zinc white and the resin cross-linking agent in the acrylic resin emulsion were set in the range of 0.5 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin solid content of the emulsion, respectively. According to Examples 5 to 9, it is possible to obtain an acrylic resin glove having excellent elongation and detergent resistance as well as excellent wearability and detachability by a simple manufacturing method using a thermal method. It was.
On the other hand, since the acrylic resin glove obtained in Example 10 did not contain a resin cross-linking agent in the acrylic resin emulsion, it had practically sufficient physical properties with respect to wearability, desorption properties, elongation, etc., but was resistant to detergent. As for the glove obtained in Examples 5 to 9, it could not be made excellent.
[0045]
Moreover, since the acrylic resin gloves obtained in Examples 11 and 12 have a large content of the resin cross-linking agent (and the total content of the cross-linking agent) in the acrylic resin emulsion, practically sufficient physical properties with respect to detergent resistance and the like. However, the elongation could not be increased as in the gloves obtained in Examples 5-9. Moreover, also about the mounting | wearing property and detachability, it was not able to be made into the thing excellent like the glove obtained in Examples 5-9.
According to the acrylic resin glove of the present invention, it is possible to obtain an acrylic resin glove having physical properties equivalent to or higher than those of a vinyl chloride resin glove, particularly in wearability and detachability. Moreover, sufficient elongation and excellent detergent resistance can be imparted by appropriately adjusting the content of zinc white and resin cross-linking agent in the acrylic resin emulsion used for the production of acrylic resin gloves.
[0046]
Such an acrylic resin glove has a simple manufacturing method and does not contain a vinyl chloride resin, so that dioxins are generated at the time of disposal / incineration and there is no possibility of polluting the environment.

Claims (7)

アクリル系樹脂エマルジョンを用いて成膜された、皮膜中に架橋構造を有することを特徴とするアクリル樹脂手袋。An acrylic resin glove formed by using an acrylic resin emulsion and having a crosslinked structure in a film. 感熱法によって成膜された請求項1記載のアクリル樹脂手袋。The acrylic resin glove according to claim 1, which is formed by a thermal method. 前記アクリル系樹脂エマルジョンが架橋剤を含有する請求項1または2記載のアクリル樹脂手袋。The acrylic resin glove according to claim 1 or 2, wherein the acrylic resin emulsion contains a crosslinking agent. 前記架橋剤が亜鉛華と樹脂架橋剤とである請求項3記載のアクリル樹脂手袋。The acrylic resin glove according to claim 3, wherein the crosslinking agent is zinc white and a resin crosslinking agent. 前記亜鉛華の含有量がアクリル系樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して0.5〜5重量部であり、かつ前記樹脂架橋剤の含有量がアクリル系樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して0.5〜5重量部である請求項4記載のアクリル樹脂手袋。The zinc white content is 0.5 to 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin solid content of the acrylic resin emulsion, and the content of the resin crosslinking agent is 100 weights of the resin solid content of the acrylic resin emulsion. The acrylic resin glove according to claim 4, which is 0.5 to 5 parts by weight with respect to the part. JIS S 2042に規定の「引張試験」により求めた切断時伸びが300%以上である請求項1または2記載のアクリル樹脂手袋。The acrylic resin glove according to claim 1 or 2, wherein the elongation at break determined by a "tensile test" defined in JIS S 2042 is 300% or more. JIS S 2042に規定の「耐洗剤性試験」により求めた切断時引張荷重残留率と切断時伸び残留率とが、いずれも70%以上である請求項1または2記載のアクリル樹脂手袋。The acrylic resin glove according to claim 1 or 2, wherein a tensile load residual ratio at cutting and an elongation residual ratio at cutting calculated by a "detergent resistance test" defined in JIS S 2042 are both 70% or more.
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