JP4148316B2 - 人工膝関節 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、慢性関節リウマチ、変形性膝関節症などによる高度に変形した膝関節あるいは交通事故、災害等により破壊された関節を正常な機能に回復させるために用いられる人工膝関節に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図6に示すように、疾患や事故により変形・破壊された膝関節の大腿骨Aの遠位部と脛骨Bの近位部の骨切りを行い大腿骨コンポーネント1と脛骨コンポーネント11をそれぞれ挿入固定する人工膝関節置換手術が行われており、人の正常な関節運動を再現するものとして、脛骨コンポーネント11の上面(「関節面」という)12に接しつつ大腿骨コンポーネント1の下面の凸面部8が転動及び/又は滑動することにより、屈曲可能となるような構造の人工膝関節が用いられてきた(汎用品)。
【0003】
ところで現在、日本で使用されている人工膝関節は、欧米で開発されたものが95%近くを占め(例えば、特許文献1〜3参照)、したがってその人工膝関節は、欧米の椅子、ベッドを利用した生活に必要な屈曲角度(前後方向の曲げ角度)を重視して開発されたため、臨床的には120度程度までの屈曲角度しか得られないものが多かった。
【0004】
しかし、日本人の高齢者などは日常的に正座することが多く、そのため150度以上の屈曲角度まで可能な人工膝関節が望まれている。
【0005】
また実際の生体膝関節では、屈曲に際して、関節面に対して水平方向への回転(「回旋」という)も同時に生じており、屈曲角度に対応した回旋角度が誘導されることにより滑らかに屈曲できるものである。そして150度以上の高屈曲角度において、より自然で滑らかな屈曲を実現するためには、10度以上の回旋角度を確保することが望ましい。
【0006】
特許文献4に開示された人工関節(図7、8参照)は、160度の高屈曲角度を実現すべく提案されたものである(従来例1)。この人工関節を構成する大腿骨コンポーネント1は、図7に示すように、上記汎用品と同様、一対の顆状突起部材2a、2bを所定の間隔9(図示せず)をあけて横(水平方向)に設け、それらの後部6同士を結合部材(「カム」という)3で結合して一体としたものであるが、その後部6を汎用品より後方に膨らませ、その後部6の上部に前部5側に巻き込まれるように凸面部7が形成されている。一方、脛骨コンポーネント11には、図8に示すように、汎用品と同様、関節面12と突起部(「スパイン」という)4とが形成されている。これにより、図8に示すように、屈曲角度が130度を超えたときにも、カム3がスパイン4に接触し支持される一方、凸面部7が関節面12に滑らかに接触しつつ摺動するので、大腿骨コンポーネント1が脛骨コンポーネント11から脱落することなく160度まで高屈曲角度が得られるとしている。
【0007】
ところが、この提案の人工関節では回旋については全く考慮されておらず、単に前後方向への屈曲のみが可能となるものである。そして、このような屈曲のみが可能な人工関節を施術した場合、靭帯を含む軟部組織がある程度健全な症例に対しては、軟部組織による回旋が幾分確保され屈曲もある程度確保され得るが、軟部組織の状態が悪い症例に対しては、回旋は生じ難く屈曲の点で改良の余地があった。
【0008】
一方、特許文献5には、図9に示すような人工膝関節が開示されている(従来例2)。上記従来例1と同様、大腿骨コンポーネント1と脛骨コンポーネント11とから構成されるものであるが、上記従来例1と異なりスパインおよびカムを用いていない。脛骨コンポーネント11の関節面12に設けられた一対の凹面部12a、12bのうち、一方の凹面部12aの有意の部分の曲率と、大腿骨コンポーネント1を構成する一対の顆状突起部材2a、2bのうち凹面部12aと接する方の顆状突起部材2aの凸面部8aの有意の部分の曲率とを概ね等しくし、他方の凹面部12bの有意の部分の曲率をこの凹面部12bと接する方の顆状突起部材2bの凸面部8bの有意の部分の曲率より小さくした(言い換えると、なだらかにした)ことにより、前者の凹面部12aに一方の顆状突起部材2aの凸面部8aが嵌まり込んでここを支点として他方の顆状突起部材2bが水平方向に回転でき、すなわち回旋が可能となるものである。しかし、この人工膝関節は、歩行時の比較的小さな屈曲角度の範囲で必要な回旋角度を確保することを目的としており、高屈曲角度にまで適用できるものではない。また、屈曲角度に応じて回旋角度が誘導されるものではない。
【0009】
【特許文献1】
特公昭61−50625号公報
【特許文献2】
特公昭62−36696号公報
【特許文献3】
特公平2−45456号公報
【特許文献4】
特開平11−313845号公報
【特許文献5】
米国特許第5,219,362号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、屈曲角度に対応した回旋角度が誘導されることにより高屈曲角度まで円滑に屈曲できる人工膝関節を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、大腿骨の遠位部に装着される大腿骨コンポーネントと脛骨の近位部に装着される脛骨コンポーネントとからなる人工膝関節において、前記大腿骨コンポーネントが、互いに間隔をあけて横に設けられた一対の顆状突起部材と、該一対の顆状突起部材の互いの後部を結合する、概ね前方に向かう案内面を有する結合部材とを備え、前記脛骨コンポーネントが、前記各顆状突起部材の凸面部が摺動及び/又は転動する一対の凹面部と、前記一対の顆状突起部材の間隔に嵌入され該間隔の長手方向に可動自在となるように形成された、概ね後方に向かう案内面を有する突起部とを備え、該人工膝関節の屈曲角度が変化したとき、前記突起部と前記結合部材との互いの案内面の接触部位の位置が変化することにより、該人工膝関節の回旋角度が変化するように構成された人工膝関節である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記結合部材の案内面と前記突起部の案内面のうち少なくとも一つが、捩じれた形状である請求項1に記載の人工膝関節である。
【0014】
〔作用〕
以下において、大腿骨コンポーネントと脛骨コンポーネントとの相対的な動きや位置関係の把握を容易にするため、脛骨コンポーネントは、その関節面を水平にした状態で固定されたものとみなし、大腿骨コンポーネントのみが屈曲・回旋するものとして説明する。
【0015】
本発明の人工膝関節は、屈曲角度の変化に対応して該人工膝関節の回旋角度が変化するように構成しているので、屈曲角度に応じて回旋角度が誘導され円滑な屈曲が可能となる。
【0016】
例えば、屈曲角度が変化したときに前記突起部と前記結合部材との互いの案内面の接触部位の位置が変化することにより該人工膝関節の回旋角度が変化するように構成すれば、屈曲角度に応じて回旋角度が誘導され円滑な屈曲が可能となる。
【0017】
また例えば、前記結合部材の案内面を捩じった形状に形成すれば、屈曲角度を変化させたときに、その屈曲角度の変化量に対応して前記突起部の案内面と接触する、前記結合部材の案内面の接触部位の高さ方向の位置が移動することによりその接触部位の水平方向の位置も移動し、その水平方向への移動量分だけ脛骨コンポーネントに対して大腿骨コンポーネントが水平方向(関節面方向)に回転(回旋)する。したがって屈曲角度に対応する回旋角度が生じることになる。
【0018】
上記において、前記結合部材の案内面に替えて、前記突起部の案内面の方を捩った形状に形成しても同様の作用効果を奏することは明らかである。
【0019】
さらに上記において、前記結合部材の案内面と前記突起部の案内面との両方を捩った形状に形成すれば、上記と同様の作用により屈曲角度に対応する回旋角度が生じることに加え、双方の案内面の捩りの度合いをそれぞれ単独で捩った場合に比べて小さくできるので、大腿骨コンポーネントと脛骨コンポーネントとの間に生じる集中応力が前記結合部材と前記突起部とに分散され、各コンポーネントの疲労寿命が延長される。
【0020】
さらに、前記一対の凹面部のうち、一方の凹面部の有意の部分の曲率をこの凹面部に接する前記顆状突起部材の凸面部の有意の部分の曲率と概ね等しくし、他方の凹面部の有意の部分の曲率をこの凹面部と接する前記顆状突起部材の凸面部の有意の部分の曲率より小さくすることにより、前者の凹面部に一方の顆状突起部材の凸面部が嵌まり込んでここを支点として他方の顆状突起部材が後者の凹面部上を摺動し得るので、回旋がより滑らかに行われる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る人工膝関節の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は本発明の実施に係る人工膝関節の斜視図である。図2〜4は本発明の実施に係る人工膝関節の動作状態を説明する図であり、図2は屈曲角度0度、図3は屈曲角度90度、図3は屈曲角度150度の状態を示す。なお、図2〜4の各(a)は図1における関節面12より上方はAA断面、関節面12より下方はCC断面を繋ぎ合わせた断面図であり、各(b)は図1における関節面12より上方はBB断面、関節面12より下方はDD断面を繋ぎ合わせた断面図である。
【0023】
図1において、本発明の人工関節は大腿骨コンポーネント1と脛骨コンポーネント11とからなる。大腿骨コンポーネント1は、一定の間隔9をあけて横(水平方向)に設けた一対の顆状突起部材2a、2bを、これらの互いの前部を一体に結合して膝蓋を形成するとともに、互いの後部を結合部材であるカム3により結合して形成されている。一方、脛骨コンポーネント11は、関節面12に一対の凹面部12a、12bと、突起部であるスパイン4とが形成されており、このスパイン4を大腿骨コンポーネントの間隔9に嵌入するとともに、各凹面部12a、12bそれぞれに各顆状突起部材2a、2bの各凸面部8a、8bそれぞれを当接させた状態で用いられる。
【0024】
間隔9に嵌入されたスパイン4が、膝関節の屈曲にしたがって前後方向に自在に動くように、間隔9の横(水平方向)の幅は突起部4の横方向の幅より少しだけ広目とし、間隔9の空間部の前後方向(長手方向)の長さは、関節面12の高さレベルでの突起部4の前後方向の長さ(すなわち裾部の長さ)より長くしておく。
【0025】
そしてスパイン4の、概ね後方に向かう案内面4sを左右対称の形状でなく、捩った形状、例えば、案内面4sを水平に切断したときの切断線が、スパイン4の下端(裾部)から上端(頂部)に向かうにしたがって、上方から見て反時計方向に回転するような形状に形成しておく。
【0026】
あるいは、上記スパイン4の案内面4sを捩った形状とする替わりに、カム3の、概ね全周に亘る案内面3sを左右対称の形状でなく、捩じった形状としてもよい。案内面3sを捩った形状とするためには、例えば、横に寝かせた円柱の中心軸を湾曲させたものをカム3として用いればよい。もしくは、カム3の中心軸は左右方向に真っ直ぐでカム3の左右の径を変化させ円錐台状にして捩りを加えてもよい。
【0027】
あるいは、図1に示すように、スパイン4の案内面4sとカム3の案内面3sの双方ともを捩った形状とすると、より一層回旋角度が得られさらに好ましい。
【0028】
まず、スパイン4の案内面4sを捩った形状とするためには、図2に示すように、スパイン4の案内面4sについて、その上部(近位部)においては右側(内側)が左側(外側)より前方に位置するようにし、その下部(遠位部)においては右側(内側)が左側(外側)より後方に位置するようにするとよい。なお、上部(近位部)と下部(遠位部)のうち一方のみを上記の位置関係としてもよい。次に、カム3の案内面3sを捩った形状とするためには、図2に示すように、カム3の案内面3sについて、その上部(近位部)と下部(遠位部)の右左側(内外側)が前後方向にほぼ等しい位置に位置するようにし、かつ右側(内側)の半径が左側(外側)の半径より小さくするとよい。
【0029】
なお、一般的な膝の回旋は、大腿骨と脛骨の内側を軸として外側が回旋(外旋)する。しかし、本発明は、回旋の制御を外旋のみに限定するものではなく、カム3とスパイン4の形状を適切に設計することにより、大腿骨と脛骨の外側を軸として内側が回旋する内旋を制御することも可能である。
【0030】
このように、案内面3sと4sのうちの少なくとも一つの案内面を捩った形状としておくと、屈曲にしたがって回旋が誘導される。例えば図2〜4に示すように、案内面3sと4sの双方ともを捩った形状とした場合において、膝関節の屈曲角度が0度のとき(図2)には、カム3とスパイン4とは接触せず、顆状突起部材2aと2bとは前後方向にずれがなく(δ=0)、回旋は生じていない。屈曲角度を増加させていくと、やがてカム3とスパイン4とが互いの案内面同士(3sと4s)で接触するが、案内面3s、4s双方が捩られた形状をしているので、図3の(a)、(b)で示すように、図1のAA断面およびBB断面における前後方向の接触位置が異なり、顆状突起部材2aと2bとの前後方向のずれδが生じ、回旋が生じ始める(図3)。そして、さらに屈曲角度が増大すると、前記接触位置が上方に移動し、ずれδの量が増加して回旋角度も増加する(図4)。このようにして、屈曲にしたがって回旋が誘導される。なお、上記図2〜4の場合において、案内面3s、4sのうち一方のみを捩った形状とし、他方を左右対称の形状としても、上記と同様の機構で回旋が誘導されることは明らかである。ただし、一方のみを捩った形状として、上記双方を捩った形状とする場合と同程度の回旋を生じさせるためには、その捩りの度合いを、双方を捩った形状とする場合に比べ大きくする必要があり、接触部位への応力集中が増加するおそれがある。
【0031】
なおカム3およびスパイン4の断面形状は、図2〜4に示すものに限られるものではなく、屈曲角度の変化によって旋回角度が変化するように構成されれば、どのような形状であってもかまわないが、荷重による応力に耐える形状とすることが好ましい。例えば、カム3の断面形状は、図2〜4の円形の他に楕円形等であってもよく、スパイン4の断面形状は、図2〜4のような略三角形の他に、略四角形等であってもよい。
【0032】
また、案内面3sと4sとは、互いに接触したときに集中荷重を生じさせず、また摩耗をできるだけ少なくするため、角のない滑らかな表面形状としておくことがよい。
【0033】
また、図1に示すように、膝関節ができるだけ滑らかに屈曲するよう、顆状突起部材2a、2bの凸面部8a、8bは球面状とし、これらが当接しつつ摺動/転動する凹面部12a、12bも、集中荷重を生じさせず摩耗をできるだけ小さくするため、球面状とすることがよい。
【0034】
さらに、凹面部12a、12bのうち一方の凹面部(図1では12a)の有意の部分の曲率をこれと接する凸面部(図1では8a)の有意の部分の曲率と概ね等しくし、他方の凹面部(図1では12b)の有意の部分の曲率をこれと接する凸面部(図1では8b)の有意の部分の曲率より小さくする(言い換えると、なだらかにする)ことが好ましい。ここに「有意の部分」とは、当該人工膝関節の屈曲角度および回旋角度の範囲で凸面部12a(または12b)と凹面部8a(または8b)とが互いに接触し得る部分を意味する。これにより、凹面部12aに凸面部8aが嵌まり込んでここを支点とする一方、凹面部12b内を凸面部8bが前後方向に摺動し得るので、回旋がより滑らかに行われる。なお凹面部12bの有意の部分の曲率は、案内面3s、4sの形状との組み合わせに応じて、より円滑な回旋が可能となるよう適宜調整すればよい。
【0035】
なお、本発明に係る人工膝関節は、生体適合性、機械的強度、耐摩耗性等を考慮して、この分野で通常用いられている公知の材料で通常行われている公知の加工法により形成すればよい。すなわち材料としては、例えばチタン、チタン合金、ステンレス鋼、Co−Cr合金等の金属材料、あるいはセラミックス素材、超高分子量ポリエチレン等の合成樹脂材料等を用い、各部材の表面(凸面部8a、8b、凹面部12a、12b)を鏡面・研磨加工等しておくことが好ましい。
【0036】
また、本発明の人工膝関節を実際に患者体内に埋設・装着するにあたっては、ポリメタクリル酸メチル等の骨セメントを用いて残存生体骨と接着する方法、あるいは骨セメントを用いずに人工膝関節の表面に凹凸をつけて生体骨を侵入させ固着する方法等、従来の人工膝関節に用いられている公知の技術を適宜採用すればよい。
【0037】
【実施例】
図1に示した形状と同様の人工関節(カム3とスパイン4との双方を捩った形状とし、凹面12aは凸面8aと互いの有意の部分を略合同とし、凹面12bは凸面8bよりなだらかな形状としたもの)を3種類のサイズについて製作し、それぞれのサイズごとに屈曲角度を0度から150度まで順次増加させ、各屈曲角度における回旋角度を実測し、屈曲角度と回旋角度との関係を求め、その結果を図5に示した。
【0038】
図5に示すように、各サイズの人工膝関節(図5の折れ線a、b、c)とも屈曲角度約70度までは回旋が生じないが、屈曲角度約90度に達すると回旋が生じ始め、以後、屈曲角度の増加とともに回旋角度も増加し、屈曲角度150度において回旋角度18〜22度が得られ、屈曲角度150度以上の高屈曲角度においてより自然で滑らかな屈曲を実現できる10度以上の回旋角度を確保できることを確認した。
【0039】
なお、一般的な歩行に必要な最大屈曲角度は約60度でそのときの回旋角度は約3度である。したがって、歩行時に必要な屈曲角度の範囲においても回旋角度を制御することが好ましいが、スパインにカムが常に接触しつづけると、スパインの摩耗および破損、カムの折損等の危険性が増す。そのため、本実施例では屈曲角度約70度まではスパインとカムとを接触させず回旋が生じない構造とした。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、屈曲角度に対応した回旋角度が誘導され150度以上の高屈曲角度まで円滑に屈曲できる人工膝関節を提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に係る人工膝関節の斜視図である。
【図2】本発明の実施に係る人工膝関節の、屈曲角度0度における動作状態を説明する図である。
【図3】本発明の実施に係る人工膝関節の、屈曲角度90度における作動状態を説明する図である。
【図4】本発明の実施に係る人工膝関節の、屈曲角度150度における作動状態を説明する図である。
【図5】実施例の人工膝関節における、屈曲角度と回旋角度との関係を示す図である。
【図6】人工膝関節を生体に取り付けた状態を説明する図である。
【図7】従来例1の人工膝関節の大腿骨コンポーネントの側面図である。
【図8】従来例1の人工膝関節の屈曲角度約130度における側面図である。
【図9】従来例2の人工膝関節の斜視図である。
【符号の説明】
1…大腿骨コンポーネント
2a、2b…顆状突起部材
3…結合部材(カム)
3s…案内面
4…突起部(スパイン)
4s…案内面
5…前部
6…後部
7…凸面部
8、8a、8b…凸面部
9…間隔
11…脛骨コンポーネント
12…関節面
12a、12b…凹部
A…大腿骨
B…脛骨
Claims (2)
- 大腿骨の遠位部に装着される大腿骨コンポーネントと脛骨の近位部に装着される脛骨コンポーネントとからなる人工膝関節において、
前記大腿骨コンポーネントが、互いに間隔をあけて横に設けられた一対の顆状突起部材と、該一対の顆状突起部材の互いの後部を結合する、概ね全周に案内面を有する結合部材とを備え、
前記脛骨コンポーネントが、前記各顆状突起部材の凸面部が摺動及び/又は転動する一対の凹面部と、前記一対の顆状突起部材の間隔に嵌入され該間隔の長手方向に可動自在となるように形成された、概ね後方に向かう案内面を有する突起部とを備え、
該人工膝関節の屈曲角度が変化したとき、前記突起部と前記結合部材との互いの案内面の接触部位の位置が変化することにより、該人工膝関節の回旋角度が変化するように構成された人工膝関節。 - 前記結合部材の案内面と前記突起部の案内面のうち少なくとも一つが、捩じれた形状である請求項1に記載の人工膝関節。
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