JP4145004B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱箱体内に構成された貯蔵室を冷却器と交熱的に設けられた蓄冷剤の放冷作用によって冷却する冷却貯蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種の冷却貯蔵庫は、断熱箱体内に貯蔵室を構成し、この貯蔵室の下部に蓄冷室を構成し、更にこの貯蔵室の下方には、圧縮機や凝縮器などによって構成される冷却装置を設置するための機械室を構成している。そして、蓄冷室内には、前記圧縮機等と共に冷却装置を構成する冷却器が設けられており、この冷却器は、蓄冷剤と交熱的に配設されている。
【0003】
前記蓄冷剤は、例えばアルミシート内にゲル状の蓄冷剤を密封したもので、前記冷却器と交熱的に配置するために、蓄冷剤箱体内に収納して、設置されている。そして、冷却器の放冷作用によって蓄冷剤が凍結され、その後、冷却装置の運転を停止した後に、蓄冷剤の放冷作用によって貯蔵室内の冷却を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の蓄冷剤箱体は、熱良導性の板状部材によって構成される本体と、この本体の前面に合致されるカバーとによって構成されていたが、これら本体及びカバーはネジの先端が蓄冷剤箱体の内方に突出してネジ止めされていたため、蓄冷剤箱体内には、ネジの先端が露出された状態とされていた。
【0005】
また、蓄冷剤箱体は、複数の蓄冷剤箱体を並設して設けることが考えられるが、この場合にも、例えば左右に接続部材がネジ止めによって行われる。そのため、係る接続部材と蓄冷剤箱体の接続によってもネジの先端が蓄冷剤箱体の内方に突出した状態とされるため、蓄冷剤箱体内に収納される蓄冷剤のアルミシートがネジの先端によって破損される問題がある。
【0006】
更に、蓄冷剤は、蓄冷剤箱体内から出し入れされる際に、前記ネジの先端と接触するため、蓄冷剤のアルミシートが破損され、これにより、アルミシート内に充填されたゲル状の蓄冷剤が外部に漏出する不都合が生じる。
【0007】
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、蓄冷剤箱体内に収納された蓄冷剤が、蓄冷剤箱体の固定に使用されるネジの先端によって損傷する不都合を未然に回避することができる冷却貯蔵庫を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷却貯蔵庫は、断熱箱体内に構成された貯蔵室と、圧縮機や冷却器などから冷媒回路が構成された冷却装置と、冷却器と交熱的に設けられた蓄冷剤と、これら冷却器及び蓄冷剤と熱交換した冷気を貯蔵室内に循環させるための送風機と、これら圧縮機や送風機を制御する制御装置を備え、制御装置は、時限手段により予め設定された時刻に圧縮機を運転して冷却器により蓄冷剤を凍結させる蓄冷剤凍結モードと、圧縮機を停止して蓄冷剤の放冷作用により貯蔵室内を冷却する蓄冷剤冷却モードを実行するものであって、蓄冷剤は熱良導性の蓄冷剤箱体内に収容されると共に、この蓄冷剤箱体は、外面に冷却器が添設される本体と、この本体の縁部に形成されたフランジにネジ止めされるカバーとから構成され、フランジは、斜め内方に延在する傾斜部と、この傾斜部先端から連続して外側に延在する外向部とから成り、カバーは、この外向部にネジ止めされ、且つ、その状態で当該ネジは傾斜部の外側に位置することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、断熱箱体内に構成された貯蔵室と、圧縮機や冷却器などから冷媒回路が構成された冷却装置と、冷却器と交熱的に設けられた蓄冷剤と、これら冷却器及び蓄冷剤と熱交換した冷気を貯蔵室内に循環させるための送風機と、これら圧縮機や送風機を制御する制御装置を備え、制御装置は、時限手段により予め設定された時刻に圧縮機を運転して冷却器により蓄冷剤を凍結させる蓄冷剤凍結モードと、圧縮機を停止して蓄冷剤の放冷作用により貯蔵室内を冷却する蓄冷剤冷却モードを実行する冷却貯蔵庫において、蓄冷剤は熱良導性の蓄冷剤箱体内に収容されると共に、この蓄冷剤箱体は、外面に冷却器が添設される本体と、この本体の縁部に形成されたフランジにネジ止めされるカバーとから構成され、フランジは、斜め内方に延在する傾斜部と、この傾斜部先端から連続して外側に延在する外向部とから成り、カバーは、この外向部にネジ止めされ、且つ、その状態で当該ネジは傾斜部の外側に位置するので、蓄冷剤箱体内に収納された蓄冷剤をネジの先端によって損傷する不都合を未然に回避することができるようになる。
【0010】
また、蓄冷剤を蓄冷剤箱体内から出し入れを行う場合であっても、ネジの先端が蓄冷剤に接触することがないため、蓄冷剤が損傷する恐れを回避することができるようになる。
【0011】
請求項2の発明の冷却貯蔵庫は、請求項1の発明に加えて、蓄冷剤箱体は複数並設され、これら複数の蓄冷剤箱体を接続部材により、所定の間隔を存して接続したことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明に加えて、蓄冷剤箱体は、複数並設され、これら複数の蓄冷剤箱体を接続部材により、所定の間隔を存して接続するので、接続部材に複数の蓄冷剤箱体を接続するのみで、それぞれの蓄冷剤箱体の配置を容易に決定することができるようになると共に、隣接する蓄冷剤箱体と蓄冷剤箱体と所定の間隔を確保することができ、これら蓄冷剤箱体間に通過する冷気量を十分に確保することができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用した実施例としての冷却貯蔵庫1の正面図、図2は同じく本発明を適用した実施例としての冷却貯蔵庫1の斜視図、図3は冷却貯蔵庫1の縦断側面図、図4は冷却貯蔵庫1の透視斜視図を示している。冷却貯蔵庫1は例えば、飲食店などの店内に設置される低温ショーケースで、前面に開口した断熱箱体2より本体が構成されている。この断熱箱体2は前面に開口する鋼板製の外箱3と、この外箱3内に間隔を存して組み込まれた前面に開口する鋼板若しくは硬質合成樹脂製の内箱4と、外箱3及び内箱4間に発泡充填された発泡ウレタンから成る断熱材9とから構成されている。
【0014】
そして、前記内箱4内には貯蔵室5が構成されると共に、貯蔵室5の前面開口6には引き戸式のガラス扉7、8にて開閉自在に閉塞されている。また、貯蔵室5内には商品を陳列するための棚10が架設されている。本実施例では一つの棚10のみが示されているが、複数段の棚10を架設してもよい。
【0015】
また、貯蔵室5の底面には、断熱箱体2の底面と所定間隔を存して断熱仕切板11が架設され、これによって、断熱箱体2の下部には貯蔵室5と区画された蓄冷室12が構成される。この蓄冷室12には、詳細は後述する蓄冷剤13及び冷却器34とにより構成される蓄冷ユニット49が収納されている。また、断熱仕切板11の上面には、図3に示す如く電気ヒータ25が設けられているものとする。
【0016】
貯蔵室5の内箱4の両側壁には、内箱4の側壁とそれぞれ所定間隔を存してダクト板15、15がそれぞれ取り付けられている。一方のダクト板15、本実施例では右側に取り付けられるダクト板15は、下端が前記蓄冷室12と連通されるダクト18を形成すると共に、上部には、貯蔵室4内に冷気を吐出するための吐出口16が形成されている。そして、このダクト18の吐出口16に対応する位置には、空気循環用送風機20が設けられている。また、他方のダクト板15、本実施例では左側に取り付けられるダクト板15は、同じく下端が前記蓄冷室12と連通されるダクト19が形成されると共に、上部には、貯蔵室4内の冷気を吸い込むための吸込口17が形成されている。このダクト19内の上方には、ダクト19内に吸い込まれた冷気の温度を検出するための温度センサ30が取り付けられており、制御装置24に接続されている。
【0017】
また、それぞれのダクト板15、15の後方下部、即ち、貯蔵室5の底面後方の左右隅角部には、それぞれ複数の冷気流通孔21、22が形成されている。これら冷気流通孔21、22はそれぞれ蓄冷室12と連通されている。更に、それぞれのダクト板15、15の後方には、上下に渡って貯蔵室5内を照明するための照明灯26、26が設けられている。
【0018】
一方、断熱箱体2の下方には、機械室31が形成されている。この機械室31について図5を参照して説明する。図5は冷却貯蔵庫1下部の透視斜視図を示している。機械室31は前面に開口しており、この開口は、吸込口32が形成されたパネル33により開閉自在に閉じられている。
【0019】
機械室31内には、本実施例では右から順に前記冷却器34と共に冷却装置を構成する凝縮器35と、係る凝縮器35を冷却するための凝縮器用送風機36と、圧縮機37とが配設されている。そして、これら圧縮機37、凝縮器35及び冷却器34等の冷却装置は、それぞれ冷媒配管42によって接続されていわゆる冷凍サイクルを構成している。ここで、前記冷却器34と機械室31内に設置される凝縮器35とを接続する冷媒配管42は、機械室31の左側方から後述する蒸発装置38上方に配設されている。そして、圧縮機37の左側方には、蒸発装置38が配設されている。また、機械室31内には、前記制御装置24も配設されているものとする。
【0020】
一方、冷却器34の下側には、該冷却器34から発生するドレン水を貯蔵室5外に排水を行うための図示しないドレンパンが形成されており、このドレンパンの下端には、ドレンソケット39が設けられている。そしてこのドレンソケット39を介して蒸発装置38にドレン水が排水される。この蒸発装置38は、蒸発皿40及び蒸発皿40に貯留されたドレン水を毛細管現象により吸水を行う蒸発板41とから構成されている。
【0021】
ここで、蒸発装置38の上方に位置する断熱箱体2の底壁2Aには、風向板45が取り付けられている。この風向板45について図6及び図7を参照して説明する。図6は本実施例の風向板45の斜視図、図7は本実施例の風向板45の部分拡大斜視図を示している。この風向板45は、例えば鋼板性材料にて構成される板状部材であり、前端及び後端は下方に向けて略直角に折曲される下向きフランジ46、46が形成されている。この下向きフランジ46の下端は、図7に示す如く所定角度で更に内側上方に向けて折曲される折返部47Aが形成されている。また、風向板45の蒸発装置38側の端部、即ち、本実施例では左側端部は、下方に向けて傾斜して形成される傾斜部48が形成されている。尚、風向板45の上面に形成される本実施例では二つの孔は断熱箱体2の底壁2Aに取り付けるための取付孔57、57である。
【0022】
以上の構成により、機械室31内の冷却装置が運転されると、圧縮機37及び凝縮器35の暖気(廃熱)は凝縮器用送風機36によって蒸発装置38側に向かって吹き付けられる。このとき、機械室31の上方に位置する暖気は、断熱箱体2の底壁2Aに取り付けられる風向板45の本実施例では右端部から侵入する。風向板45内に侵入した暖気は、風向板45の左端部に形成された傾斜部48に沿って、風向板45の下方、即ち、蒸発装置38の蒸発板41に吹き付けられる。
【0023】
これにより、効率的に機械室31内の暖気を風向板45によって蒸発装置38の蒸発板41に吹き付けることができるようになり、蒸発板41が吸水したドレン水の蒸発効果を向上させることができる。これにより、蒸発皿40に貯留されたドレン水の蒸発を効果的に行うことができるようになる。
【0024】
また、風向板45は、前端及び後端に下向きフランジ46、46が形成されているため、風向板45と例えば冷媒配管42などの機械室31内の機器等との間隔を十分に確保することができるため、蒸発装置38の蒸発板41に吹き付ける暖気量を容易に確保することができ、より一層蒸発皿40の蒸発を促進することができるようになる。
【0025】
更にまた、風向板45の下向きフランジ46の下端には、所定角度で更に内側上方に向けて折曲される折返部47Aが形成されているため、例えば、機械室31内のメンテナンス作業などにより、風向板45の下方に位置する機器等、例えば冷媒配管42などが風向板45のフランジ46下縁に接触した場合であっても、風向板45の折返部47Aが接触されることにより、フランジ46の端部が接触することによって生じる冷媒配管42等の損傷を未然に回避することができるようになり、更には、冷媒配管42などの損傷による冷媒漏れ等の不都合を未然に回避することができるようになる。
【0026】
また、風向板45のフランジ46の端部に折返部47Aが形成されているため、機械室31内のメンテナンス作業も容易に行うことができるようになる。
【0027】
図8乃至図12は、それぞれ風向板45の他の実施例を示している。図8に示される他の実施例の風向板45は、下向きフランジ46の下端に上記実施例とは逆側に、即ち、所定角度で外側上方に向けて折曲される折返部47Bが形成されている。
【0028】
また、図9に示される他の実施例の風向板45は、下向きフランジ46の下端に所定曲率で内側に折曲される折返部47Cが形成されている。更に、図10に示される他の実施例の風向板45は、下向きフランジ46の下端に所定曲率で外側に折曲される折返部47Dが形成されている。
【0029】
これにより、風向板45の下向きフランジ46の下端が、内側又は外側に湾曲して形成される折返部47C及び47Dが形成されているため、フランジ46の下端に風向板45の下方に位置する冷媒配管42等の機器等が接触した場合であっても、より一層、冷媒配管42等の損傷を回避することができるようになる。
【0030】
更にまた、図11に示される他の実施例の風向板45は、下向きフランジ46の下端が内側に向けて略直角に折曲された後、更に係る端部が上方に向けて略直角に折曲される折返部47Eが形成されている。図12に示される他の実施例の風向板45は、下向きフランジ46の下端が外側に向けて略直角に折曲された後、更に係る端部が上方に向けて略直角に折曲される折返部47Fが形成されている。
【0031】
これにより、風向板45の下向きフランジ46の端面による冷媒配管42等の損傷を回避することができるようになると共に、機器等が接触することにより、フランジ46の下端に形成される折返部47E又は47Fが変形し難くなる。これにより、確実に風向板45と例えば冷媒配管42などの機械室31内の機器等との間隔を十分に確保することができるため、蒸発装置38の蒸発板41に吹き付ける暖気量を容易に確保することができ、より一層蒸発皿40の蒸発を促進することができるようになる。
【0032】
次に、図13乃至図21を参照して蓄冷室12に配設される蓄冷剤13及び冷却器34について説明する。図13は蓄冷ユニット49の分解斜視図を示している。蓄冷ユニット49は、蓄冷室12に配設される複数の蓄冷剤13と、前記冷却器34と、冷気循環用送風機53とから構成される。蓄冷剤13はゲル状を呈していると共に、このゲル状の蓄冷剤は、袋状のアルミシート内に充填され密封されている。そして、この袋に充填された蓄冷剤13は、図14に示す如き蓄冷剤箱体50に収容される。
【0033】
ここで、図14乃至図17を参照して蓄冷剤箱体50について説明する。図14は蓄冷剤箱体50の斜視図、図15は蓄冷剤箱体50の分解斜視図、図16は蓄冷剤箱体50上部の拡大分解斜視図、図17は蓄冷剤箱体50下部の拡大分解斜視図を示している。蓄冷剤箱体50は、熱良導性の板状部材によって構成される本体54と、この本体54の前面に合致されるカバー55と、本体54の外面に添設される前記冷却器34と、この冷却器34を本体54に保持するための押さえ部材56とから構成されている。前記冷却器34は、蛇行状に配設される冷却パイプによって構成され、この冷却器34を本体54に保持する押さえ部材56は、係る冷却器34の蛇行形状に合致するように左右に渡って形成される溝を上下に複数形成して構成される。
【0034】
本体54は、左右縁部にフランジ58が形成されている。このフランジ58は、前方に少許折曲された後、斜め内方に延在する傾斜部59と、この傾斜部59の先端から連続して本体54と平行に外側に延在する外向部60とから形成されている。この外向部60には、上下方向に複数のネジ孔61が形成されている。
【0035】
また、本体51の下端部には、前方に略直角に折曲された後、前記フランジ58の外向部60の前端と略同一位置まで延在し、更に上方に略直角に折曲されるフランジ62が形成されている。このフランジ62の下面には、複数の冷気流通孔63が形成されている。
【0036】
カバー55は、左右縁部が少許後方に折曲したフランジ64が形成されており、このカバー55の前面には、前記本体51の外向部60に形成されたネジ孔61と合致してネジ止めするためのネジ孔65が複数形成されている。そして、このフランジ64には後述する送風機側接続部材51及び吸込側接続部材52とネジ止めにより固定するためのネジ孔68が形成されている。また、カバー55の下端部には、後方に略直角に折曲したフランジ66が形成されている。このフランジ66には、前記本体51のフランジ62に形成された冷気流通孔63と合致する位置に同じく冷気流通孔67が複数形成されている。
【0037】
以上の構成により、蓄冷剤箱体50は、本体54のフランジ58の外向部60とカバー55の後面を合致させた後、本体54のネジ孔61とカバー55のネジ孔65を合致させネジ69にて固定する。また、本体54の背面には、冷却パイプにて構成される冷却器34を前記押さえ部材56によって添設され、これにより、蓄冷剤箱体50が完成される。
【0038】
このとき、ネジ69は、蓄冷剤箱体50の本体54のフランジ58に形成される傾斜部59の外側に位置してネジ止めされるため、係るネジ69の先端が蓄冷剤箱体50内部に侵入することなく、蓄冷剤箱体50の固定を行うことができる。
【0039】
そのため、蓄冷剤箱体50内に収納された蓄冷剤13をネジ69の先端によって損傷する不都合を未然に回避することができるようになる。また、蓄冷剤13を蓄冷剤箱体50内から出し入れを行う場合であっても、ネジ69の先端が蓄冷剤13に接触することがないため、蓄冷剤13のアルミシートを損傷し、アルミシートからゲル状の蓄冷剤が漏出する不都合を未然に回避することができるようになる。
【0040】
そして、上述の如く完成された蓄冷剤箱体50は、本実施例では5個並列すると共に、それぞれに添設された冷却器34を接合する。そして、係る蓄冷剤箱体50の両端をそれぞれ送風機側接続部材51及び吸込側接続部材52とにより固定する。ここで、送風機側接続部材51は、前端が送風機53側に略直角に設曲されるフランジ71が形成されていると共に、この送風機側接続部材51の前部から後方に開口される開口70が形成されている。そして、送風機側接続部材51の開口70の上縁及び下縁には、それぞれ蓄冷剤箱体50を固定するためのネジ孔76が形成されている。
【0041】
また、吸込側接続部材52は、縁部に側方に向けて略直角に設曲されるフランジ73が形成されていると共に、この吸込側接続部材52の前部から後部に渡って開口74が形成される。そして、吸込側接続部材52の開口74の上縁及び下縁には、それぞれ蓄冷剤箱体50を固定するためのネジ孔77が形成されている。
【0042】
尚、ここで中央付近に位置する蓄冷剤箱体50であって、蓄冷剤箱体50の下部には、予め蓄冷ユニット49の温度を検出するための温度センサ80が取り付けられている。
【0043】
次に、図18乃至図20を参照して、蓄冷ユニット49の組立手順について説明する。図18は蓄冷ユニット49の横断平面図、図19は蓄冷ユニット49の左側の拡大平面図、図20は蓄冷ユニット49の右側の拡大平面図、図21は蓄冷ユニット49の縦断側面図を示している。先ず、それぞれの蓄冷剤箱体50内に、蓄冷剤13を収納する。その後、蓄冷剤13が収納された蓄冷剤箱体50を本実施例では5個並列し、これらの上面に接続部材としての蓄冷剤箱体カバー81が載置される。
【0044】
このとき、蓄冷剤箱体カバー81の中央には、下方に切り起こすことにより形成される本実施例では4つの爪部82が形成されている。この爪部82はそれぞれの蓄冷剤箱体50の外側に添設される冷却器34の上方に位置していると共に、この爪部82の幅寸法は、冷却器34の幅寸法よりも少許大きい幅寸法で切り起こされて形成されている。
【0045】
これにより、この蓄冷剤箱体カバー81の爪部82の位置にそれぞれの冷却器34が位置するように蓄冷剤箱体50を載置することにより、それぞれの蓄冷剤箱体50の配置を容易に決定することができるようになる。
【0046】
また、この爪部82は、冷却器34の幅寸法よりも大きい幅寸法に形成されているため、隣接する蓄冷剤箱体50と蓄冷剤箱体50との間隔を確保することができ、これら蓄冷剤箱体50間に通過する冷気量を十分に確保することができるようになる。
【0047】
そして、これらの蓄冷剤箱体50の右端部を送風機側接続部材51により固定すると共に、左端部を吸込側接続部材52とにより固定する。このとき、それぞれの蓄冷剤箱体50と送風機側接続部材51及び吸込側接続部材52との固定は、蓄冷剤箱体50のカバー55のフランジ64に形成されたネジ孔68と、送風機側接続部材51に形成されたネジ孔76又は吸込側接続部材52に形成されたネジ孔77とを合致させ、ネジ78によってネジ止めにより行う。
【0048】
ここで、ネジ78は、蓄冷剤箱体50の本体54のフランジ58に形成される傾斜部59の外側に位置してネジ止めされるため、係るネジ78の先端が蓄冷剤箱体50内部に侵入することなく、蓄冷剤箱体50の固定を行うことができる。
【0049】
そのため、蓄冷剤箱体50内に収納された蓄冷剤13をネジ78の先端によって損傷する不都合を未然に回避することができるようになる。また、蓄冷剤13を蓄冷剤箱体50内から出し入れを行う場合であっても、ネジ78の先端が蓄冷剤13に接触することがないため、蓄冷剤13が損傷する恐れを回避することができるようになる。
【0050】
また、前記送風機側接続部材51の送風機側には、更に、冷気循環用送風機53を取り付けるための開口75が形成された送風機カバー72が取り付けられ、この送風機カバー72には、冷気循環用送風機53が取り付けられる。
【0051】
一方、前記制御装置24には、前記ダクト19内の温度(貯蔵室5内の温度)を検出する温度センサ30と、蓄冷ユニット49内の温度を検出する温度センサ80が接続されており、これらの出力を元に圧縮機37と、凝縮器36と、空気循環用送風機20と冷気循環用送風機53が制御される。また、制御装置24内には、時限装置としてのタイマが設けられている。そして、冷却貯蔵庫1には、図示しないコントロールパネルが設けられており、貯蔵室5内の温度や運転モードの時刻の設定をすることができる。
【0052】
以上の構成により、図22を参照して、冷却貯蔵庫1の運転制御について説明する。図22は冷却貯蔵庫1のタイミングチャートを示している。本実施例における冷却貯蔵庫1は、蓄冷剤凍結モードと蓄冷剤冷却モードの2種類の運転制御を行うものであり、この蓄冷剤凍結モード及び蓄冷剤冷却モードは、前記コントロールパネルによってモード切替を行う時刻を設定する。例えば、本実施例における冷却貯蔵庫1が夕方から深夜にかけて営業される飲食店に設置される場合には、例えば、午前1時から午後5時までを蓄冷剤凍結モードとし、午後5時から午前1時までを蓄冷剤冷却モードとして設定する。これにより、営業時間には、圧縮機37などの冷却装置の運転を行わない冷却運転を行うため、設置現場における静音化を図ることができるようになる。
【0053】
前記蓄冷剤凍結モードでは、図22に示す如く、圧縮機37及び凝縮器用送風機36を運転し、冷却器34と交熱的に設けられた蓄冷剤13を冷却する。このとき、前記冷気循環用送風機53は、前記ダクト19内の温度(貯蔵室5内の温度)を検出する温度センサ30の出力に基づき、運転制御が行われる。即ち、貯蔵室5内の設定温度が例えば+9℃であった場合は、温度センサ30が検出した温度が上限温度Ta℃(この場合に+11.5℃)に達すると冷気循環用送風機53を起動する。これにより、貯蔵室5内の温度は低下する。この温度低下により温度センサ30が検出した温度が下限温度Tb℃(この場合+6.5℃)に達すると冷気循環用送風機53を停止する。これにより、貯蔵室5内の温度は、設定温度に保たれる。
【0054】
このとき、空気循環用送風機20は、連続して起動されるため、貯蔵室5内の冷気の流れは、図4に示される如く、冷気循環用送風機53が起動している場合には、蓄冷ユニット49の間を通過した冷気が冷気循環用送風機に53によって加速され、蓄冷室12から前記ダクト18内に進入しダクト18の上方に設置された空気循環用送風機20によって更に加速した後、吐出口16を介して貯蔵室5内に吐出される。貯蔵室5の侵入した冷気は、その後、吸込口17からダクト19内に侵入しダクト19を降下した後、蓄冷室12内に帰還する。
【0055】
また、冷気循環用送風機53が停止している場合には、ダクト18内の空気は空気循環用送風機20によって吐出口16から貯蔵室5内に吐出された後、吸込口16又は、貯蔵室5の底面後方に形成された冷気流通孔21、22に侵入し、再びダクト19内に侵入する。
【0056】
これにより、貯蔵室5内の空気が循環されない無風状態となることにより生じる温度むらを未然に回避することができるようになる。また、冷気循環用送風機53を停止して、空気循環用送風機20によって空気の循環を行うため、冷却器34及び蓄冷剤13による冷気を貯蔵室5内に引き込むことなく空気循環を行うことができるようになる。
【0057】
そのため、蓄冷剤凍結モードにおける貯蔵室5内の過度の冷却を未然に防止することができるようになると共に、貯蔵室5内の無風状態によって生じる温度むらを解消することができるようになる。
【0058】
尚、本実施例では、空気循環用送風機20は、連続運転としているが、冷気循環用送風機53が停止した場合に空気循環用送風機20を起動し、冷気循環用送風機53が起動した場合に空気循環用送風機20を停止する、冷気循環用送風機53と逆サイクルで起動又は停止を行う運転制御としてもよい。係る場合であっても、上記実施例と同様の効果が得られる。
【0059】
一方、蓄冷剤凍結モードにおいて、蓄冷剤13の凍結が進み、蓄冷ユニット49内に設置される温度センサ80が検出する温度が、蓄冷剤13の凍結温度以下である第1の温度、例えば−20℃に達すると、制御装置24は、圧縮機37の運転を停止する。冷却装置の圧縮機37の運転を停止すると、蓄冷剤13は、徐々に温度が上昇し蓄冷剤13の凍結温度以下である第2の温度、例えば−13℃に達すると、制御装置24は、圧縮機37の運転を再開する。これにより、蓄冷剤13の温度が再び第1の温度に達すると、同様に圧縮機37の運転を停止する。蓄冷剤凍結モードが終了し、蓄冷剤冷却モードとなる時刻まで係る温度制御を繰り返す。
【0060】
これにより、蓄冷剤凍結モードにおける冷却器34及び蓄冷剤13の過冷却による冷却器34及び蓄冷剤13の破損などの不都合を未然に回避することができるようになる。また、一定温度(第1の温度)以下となると圧縮機37の運転を停止するため、必要以上に蓄冷剤13を冷却することによる余分な電力の消費を削減することができるようになる。
【0061】
次に、制御装置24によって蓄冷剤凍結モードが終了した後の蓄冷剤冷却モードについて説明する。この蓄冷剤冷却モードでは図22に示す如く、圧縮機37及び凝縮器用送風機36の運転を停止し、蓄冷剤凍結モードにおいて凍結された蓄冷剤13の融解潜熱によって貯蔵室5内の冷却を行う。このとき、冷気循環用送風機53は、前記ダクト19内の温度(貯蔵室5内の温度)を検出する温度センサ30の出力に基づき、運転制御が行われる。即ち、貯蔵室5内の設定温度が例えば+9℃であった場合は、温度センサ30が検出した温度が上限温度Ta℃(この場合に+11.5℃)に達すると冷気循環用送風機53を起動する。これにより、貯蔵室5内の温度は低下する。この温度低下により温度センサ30が検出した温度が下限温度Tb℃(この場合+6.5℃)に達すると冷気循環用送風機53を停止する。これにより、貯蔵室5内の温度は、設定温度に保たれる。
【0062】
このとき、空気循環用送風機20は、連続して起動されるため、貯蔵室5内の冷気の流れは、図4に示される如く、冷気循環用送風機53が起動している場合には、蓄冷ユニット49の間を通過した冷気が冷気循環用送風機53によって加速され、蓄冷室12から前記ダクト18内に進入しダクト18の上方に設置された空気循環用送風機20によって更に加速した後、吐出口16を介して貯蔵室5内に吐出される。貯蔵室5に侵入した冷気は、その後、吸込口17からダクト19内に侵入しダクト19を降下した後、蓄冷室12内に帰還する。
【0063】
また、冷気循環用送風機53が停止している場合には、ダクト18内の空気は空気循環用送風機20によって吐出口16から貯蔵室5内に吐出された後、吸込口16又は、貯蔵室5の底面後方に形成された冷気流通孔21、22に侵入し、再びダクト19内に侵入する。
【0064】
これにより、貯蔵室5内の空気が循環されない無風状態となることにより生じる温度むらを未然に回避することができるようになる。また、冷気循環用送風機53を停止して、空気循環用送風機20によって空気の循環を行うため、冷却器34及び蓄冷剤13による冷気を貯蔵室5内に引き込むことなく空気循環を行うことができるようになる。
【0065】
そのため、蓄冷剤冷却モードにおける貯蔵室5内の過度の冷却を未然に防止することができるようになり、貯蔵室5内に陳列された商品を過度に冷却し、商品の品質を劣化させることを未然に回避することができるようになる。
【0066】
また、冷気循環用送風機53が運転されない場合であっても、空気循環用送風機20が運転されるため、貯蔵室5内が無風状態となり、温度むらが生じることを未然に回避することができるようになる。これにより、貯蔵室5内に陳列される商品が陳列される位置によって温度が異なるという不都合を回避することができる。
【0067】
制御装置24のタイマにより、蓄冷剤冷却モードが終了する時刻となると、請求項24は、圧縮機37の運転を再開し、ホットガスを冷却器34に流すことによるホットガスデフロスト運転を行う。これにより、冷却器34及び蓄冷剤13は完全に融解される。その後、制御装置24は、蓄冷剤凍結モードに入り、蓄冷剤13の凍結運転を開始する。これにより、翌日の営業に備えて蓄冷剤13を凍結し、貯蔵室5内の冷却を行うことができるようになる。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、断熱箱体内に構成された貯蔵室と、圧縮機や冷却器などから冷媒回路が構成された冷却装置と、冷却器と交熱的に設けられた蓄冷剤と、これら冷却器及び蓄冷剤と熱交換した冷気を貯蔵室内に循環させるための送風機と、これら圧縮機や送風機を制御する制御装置を備え、制御装置は、時限手段により予め設定された時刻に圧縮機を運転して冷却器により蓄冷剤を凍結させる蓄冷剤凍結モードと、圧縮機を停止して蓄冷剤の放冷作用により貯蔵室内を冷却する蓄冷剤冷却モードを実行する冷却貯蔵庫において、蓄冷剤は熱良導性の蓄冷剤箱体内に収容されると共に、この蓄冷剤箱体は、外面に冷却器が添設される本体と、この本体の縁部に形成されたフランジにネジ止めされるカバーとから構成され、フランジは、斜め内方に延在する傾斜部と、この傾斜部先端から連続して外側に延在する外向部とから成り、カバーは、この外向部にネジ止めされ、且つ、その状態で当該ネジは傾斜部の外側に位置するので、蓄冷剤箱体内に収納された蓄冷剤をネジの先端によって損傷する不都合を未然に回避することができるようになる。
【0069】
また、蓄冷剤を蓄冷剤箱体内から出し入れを行う場合であっても、ネジの先端が蓄冷剤に接触することがないため、蓄冷剤が損傷する恐れを回避することができるようになる。
【0070】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明に加えて、蓄冷剤箱体は、複数並設され、これら複数の蓄冷剤箱体を接続部材により、所定の間隔を存して接続するので、接続部材に複数の蓄冷剤箱体を接続するのみで、それぞれの蓄冷剤箱体の配置を容易に決定することができるようになると共に、隣接する蓄冷剤箱体と蓄冷剤箱体と所定の間隔を確保することができ、これら蓄冷剤箱体間に通過する冷気量を十分に確保することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例としての冷却貯蔵庫の正面図である。
【図2】同じく本発明を適用した実施例としての冷却貯蔵庫の斜視図である。
【図3】冷却貯蔵庫の縦断側面図である。
【図4】冷却貯蔵庫の透視斜視図である。
【図5】冷却貯蔵庫下部の透視斜視図である。
【図6】本実施例の風向板の斜視図である。
【図7】本実施例の風向板の部分拡大斜視図である。
【図8】他の実施例の風向板の部分拡大斜視図である。
【図9】他の実施例の風向板の部分拡大斜視図である。
【図10】他の実施例の風向板の部分拡大斜視図である。
【図11】他の実施例の風向板の部分拡大斜視図である。
【図12】他の実施例の風向板の部分拡大斜視図である。
【図13】蓄冷ユニットの分解斜視図である。
【図14】蓄冷剤箱体の斜視図である。
【図15】蓄冷剤箱体の分解斜視図である。
【図16】蓄冷剤箱体上部の拡大分解斜視図である。
【図17】蓄冷剤箱体下部の拡大分解斜視図である。
【図18】蓄冷ユニットの横断平面図である。
【図19】蓄冷ユニットの左側の拡大平面図である。
【図20】蓄冷ユニットの右側の拡大平面図である。
【図21】蓄冷ユニットの縦断側面図である。
【図22】冷却貯蔵庫のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 冷却貯蔵庫
2 断熱箱体
5 貯蔵室
12 蓄冷室
13 蓄冷剤
15 ダクト板
16 吐出口
17 吸込口
18、19 ダクト
20 空気循環用送風機
21、22 冷気流通孔
24 制御装置
30 温度センサ
31 機械室
34 冷却器
35 凝縮器
36 凝縮器用送風機
37 圧縮機
38 蒸発装置
49 蓄冷ユニット
50 蓄冷剤箱体
51 送風機側接続部材
52 吸込側接続部材
53 冷気循環用送風機
54 本体
55 カバー
56 押さえ部材
57 取付孔
58、62、64、66、71、73 フランジ
59 傾斜部
60 外向部
61、65、68、76、77 ネジ孔
63、67 冷気流通孔
69、78 ネジ
72 送風機カバー
80 温度センサ
81 蓄冷剤箱体カバー
82 爪部
Claims (2)
- 断熱箱体内に構成された貯蔵室と、圧縮機や冷却器などから冷媒回路が構成された冷却装置と、前記冷却器と交熱的に設けられた蓄冷剤と、これら冷却器及び蓄冷剤と熱交換した冷気を前記貯蔵室内に循環させるための送風機と、これら圧縮機や送風機を制御する制御装置を備え、
該制御装置は、時限手段により予め設定された時刻に前記圧縮機を運転して前記冷却器により前記蓄冷剤を凍結させる蓄冷剤凍結モードと、前記圧縮機を停止して前記蓄冷剤の放冷作用により前記貯蔵室内を冷却する蓄冷剤冷却モードを実行する冷却貯蔵庫において、
前記蓄冷剤は熱良導性の蓄冷剤箱体内に収容されると共に、この蓄冷剤箱体は、外面に前記冷却器が添設される本体と、この本体の縁部に形成されたフランジにネジ止めされるカバーとから構成され、前記フランジは、斜め内方に延在する傾斜部と、この傾斜部先端から連続して外側に延在する外向部とから成り、前記カバーは、この外向部にネジ止めされ、且つ、その状態で当該ネジは前記傾斜部の外側に位置することを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記蓄冷剤箱体は複数並設され、これら複数の蓄冷剤箱体を接続部材により、所定の間隔を存して接続したことを特徴とする請求項1の冷却貯蔵庫。
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