JP4144241B2 - 太陽電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池に係り、例えば高効率の太陽電池の製造技術に関し、多結晶シリコン太陽電池の製造原価低減に有効な技術である。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来の住宅用等に使用されるシリコン太陽電池の表面、裏面側の概略図であり、図7(A)はそのシリコン太陽電池の表面側の概略図、図7(B)はそのシリコン太陽電池の裏面側の概略図である。図8は図7(A)に示すA1−A2線におけるシリコン太陽電池の断面図、図9、10は図8に示すシリコン太陽電池の主な製造工程を示す断面構造図である。
【0003】
図7〜10において、101はp型シリコン基板であり、102はp型シリコン基板101上部に形成されたテクスチャーであり、103はp型シリコン基板101とテクスチャー102間に形成されたn層である。104はテクスチャー102上に形成された反射防止膜であり、110はn層103と接続されるように形成された焼結後の表銀グリッド電極であり、111は反射防止膜104上に形成されたスクリーン印刷後の表銀グリッド電極用ペーストである。
【0004】
112はn層103と接続されるように形成された表銀バス電極である。120はp型シリコン基板101裏面側に形成された焼結後の裏アルミ電極であり、121はp型シリコン基板101裏面に形成されたスクリーン印刷後の裏アルミ電極用ペーストである。122はp型シリコン基板101と裏アルミ電極120間に形成されたp+層であり、130はp+層122と接続されるように形成された焼結後の裏銀バス電極であり、140は表銀グリッド電極110表面に形成されたハンダである。
【0005】
図7(A)に示す太陽電池の表側では、p型シリコン基板101上に太陽光をできるだけ多く発電に寄与させるべく、通常、入射される光の反射を抑制させるために、反射防止膜104を設けている。更に、太陽電池の表側には、シリコン基板101中で発電された電気を局所的に集電するための表銀グリッド電極110と、表銀グリッド電極110で集電された電気を取り出すための表銀バス電極112とが配置されている。
【0006】
ここで、太陽電池の表側電極となる表銀グリッド電極110と表銀バス電極112は、太陽電池の表側に入射される太陽光を遮ってしまうため、太陽電池の表側に可能な限り小さく配置することが、太陽電池における発電効率の向上の観点で望ましい。
【0007】
そこで、太陽電池の表側に太陽光を多く入射させることを考慮すると、例えば、図7(A)のような櫛型のグリッド電極110とバス電極112を、太陽電池の表面に配置して構成するのが一般的である。また、グリッド電極110とバス電極112の電極材料としては、例えば、銀を主成分として構成する場合がコスト及び性能の観点で一般的である。
【0008】
図7(B)に示す太陽電池の裏側では、裏側で発生した電気が抵抗によるロスで低減してしまうことを抑制するために、裏アルミ電極120を広範囲に設け、裏アルミ電極120で発電された電気を集電させるために裏銀バス電極130を更に配置して構成している。
【0009】
裏アルミ電極120は、BSF(Back Surface Field)効果による発電能力を改善するために、一般にアルミ材料を使用する場合が多い。裏銀バス電極130は、裏アルミ電極120で発電された電気を引き出すための電気引き出し導線として機能させる場合、半田付き銅線を利用するのが一般的であるが、ここでは、裏アルミ電極120との接着加工性が良好な裏バス電極として、例えば、銀電極を用いて構成している。
【0010】
一般的に、低価格の太陽電池は、シリコン基板を使用して単純なpn接合で太陽光を発電させ、数百μm厚程度のp型シリコン基板101にリン(P)等のV族元素による拡散等を行うことにより、数百nm厚程度のn層103を形成する。 ここでは、 p型シリコン基板101は単結晶、多結晶のいずれであってもよいが、以下の説明では(100)面方位の単結晶基板を例示して説明する。
【0011】
この太陽電池では、比抵抗0.1〜5Ω・cm程度のp型シリコン101基板表面に、n層103と基板101側の光を閉じ込める凹凸構造のテクスチャー102を設け、そのテクスチャー102上に反射防止膜104を配置する。基板101裏側には裏アルミ電極120を配置し、 BSF(Back Surface Field)効果を期待してp+層122を設けてp+層122中の電子が消滅しないように、バンド構造の電界でp+層122の電子濃度を高めるように構成する。
【0012】
また、裏アルミ電極120には、シリコン基板101を通過する長波長光を反射させて発電に再利用するBSR(Back Surface Reflection)効果も期待している。但し、裏アルミ電極120は、シリコン基板101の反りが顕著になる傾向があり、これに伴い基板101の割れを誘発する。このため、裏アルミ電極120は、基板101の割れを考慮して、熱処理でP+層22を形成した後に除去する場合も多い。
【0013】
ここで、シリコン基板101が反る理由について説明する。シリコン基板101裏面に裏アルミ電極120用のアルミニウム(Al)膜を形成すると、シリコン基板101中のSiとAl膜中のAlによるAl−Si合金化反応が生じる。その後、577℃程度の再凝固を行ってAl膜を焼結して裏アルミ電極120を形成する。この熱処理により、熱膨張係数の異なるシリコン基板101と裏アルミ電極120間で熱膨張差を生じて、裏アルミ電極120側で凹となるようにシリコン基板101が反る。
【0014】
次に、図8に示す太陽電池の製造プロセスについて、図9、10を用いて説明する。この図9、10は、低コスト化を考慮して製造工程数が少ない太陽電池の製造プロセスを例示したものである。ここでは、表銀グリッド電極110、表銀バス電極112は反射防止膜104上に銀ペーストをスクリーン印刷法で付着乾燥させ、さらに、裏アルミ電極120、裏銀バス電極130もスクリーン印刷法で付着乾燥させる。
【0015】
続いて、表裏各電極ペーストを同時に焼成することにより、各電極110、112、120、130を形成する。この焼成により、表銀電極110、112は反射防止膜104を貫通してn層103の中で留まる。また、裏アルミ電極120とシリコン基板101は、この焼成により溶融かつ再凝固することにより、裏アルミ電極120とシリコン基板101間にp+層122を形成する。以下に、この太陽電池の製造方法を具体的に説明する。
【0016】
まず、図9(A)に示すp型シリコン基板101を用い、鋳造インゴットからスライスした際に発生するシリコン基板101表面のダメージ層を、例えば数〜20wt%苛性ソーダや炭酸苛性ソーダで10〜20μm厚程度除去した後、同様のアルカリ低濃度液にIPA(イソプロピルアルコール)を添加した溶液でシリコン基板101表面の異方性エッチングを行ない、シリコン(111)面が出るようにテクスチャー102をシリコン基板101表面に形成する(図9(B))。
【0017】
続いて、例えばオキシ塩化リン(POCl3)、窒素、酸素の混合ガス雰囲気で800〜900℃/数十分程度の熱処理を行うことにより、シリコン基板101表面全面に一様にn層103を形成する。この時、シリコン基板101表面に形成されたn層103におけるシート抵抗の範囲は、30〜80Ω/□程度と太陽電池として良好な電気特性が得られる。
【0018】
次に、受光面として必要な受光面側のn層103を保護するために、その受光面部分のn層103を覆うように、高分子レジストペーストをスクリーン印刷法で付着して乾燥させる。この時、受光面部分のn層103を覆うようにレジストマスクが選択的に形成されるとともに、受光面部分以外の部分のn層103が露出される。
【0019】
その後、受光面部分のn層103を覆ったレジストマスクを用い、シリコン基板101裏面等の所望以外(受光面部分以外)のシリコン基板101表面に形成されたn層103を、例えば、20wt%水酸化カリウム溶液中へ数分間浸漬を施して選択的に除去した後、マスクとして使用したレジストを有機溶剤で除去する(図9(C))。これにより、受光面部分のn層103が残り、受光面部分以外のn層103が除去されてシリコン基板101が露出される。
【0020】
さらに、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜や酸化チタン膜などからなる反射防止膜104を、残された受光面部分のn層103表面に一様な厚みで形成する(図10(A))。例えば、反射防止膜104をシリコン窒化膜で形成する場合は、プラズマCVD法でSiH4ガス及びNH3ガスを原材料にして300℃以上、減圧下でシリコン酸化膜を成膜形成する。
【0021】
ここで形成されるシリコン窒化膜からなる反射防止膜104の屈折率は、2〜2.2程度であり、最適な反射防止膜104の厚さとしては、70〜90nm程度である。そして、このようにして形成されるシリコン窒化膜からなる反射防止膜104は、絶縁体として機能するため、この絶縁体の反射防止膜104上に表面電極を単に形成しただけでは、太陽電池として動作させることができない。そこで、以下に述べるような配線接続等の工程を行う。
【0022】
次に、表銀グリッド電極110形成用と表銀バス電極112形成用の銀ペーストをスクリーン印刷法で反射防止膜104上に付着して乾燥させる。これにより、反射防止膜104上に表銀グリッド電極用ペースト111及び表銀バス電極用ペーストが選択的に形成される。図10(B)では、表銀グリッド電極用ペースト111が反射防止膜104上に形成されていることを示している。なお、表銀バス電極用ペーストは、断面箇所の都合上、図10(B)に図示されていない。
【0023】
さらに、裏アルミ電極120、裏銀バス電極130を形成する場合も同様に、スクリーン印刷法で裏アルミ電極120形成用のアルミペーストと裏銀バス電極130形成用の銀ペーストを、シリコン基板101裏面に各々付着して乾燥させる。これにより、シリコン基板101裏面に裏アルミ電極形成用ペースト121と裏銀バス電極形成用ペーストが選択的に形成される。
【0024】
図10(B)では、裏アルミ電極用ペースト121がシリコン基板101裏面に形成されていることを示している。なお、裏銀バス電極用ペーストは、断面箇所の都合上、図10(B)に図示されていない。スクリーン印刷では、通常、メッシュ数200〜400番手のメッシュを用いる。通常、乾燥前のペースト厚みは、十〜数十μm厚程度であるが、このペースト厚みは、乾燥や焼成などで数割減少する。
【0025】
そして、最後に、表銀グリッド電極用ペースト111、表銀バス電極用ペースト、裏アルミ電極用ペースト121及び裏銀バス電極用ペーストを含む表裏電極用ペーストを、同時に600℃〜900℃程度で数分間程度、焼成する。この焼成により、シリコン基板101の表側では、表銀グリッド電極用ペースト111と表銀バス電極用ペーストを含む表銀ペースト中に含まれているガラス材料によって、反射防止膜104が溶融している間に、銀ペースト中の銀材料がシリコン基板101上部のn層103中のシリコンと接触して再凝固する。
【0026】
以上の焼成工程により、上記表裏電極用ペーストが焼成されて、表銀グリッド電極110、表銀バス電極112、裏アルミ電極120及び裏銀バス電極130が形成される。図10(C)では、表銀グリッド電極110と裏アルミ電極120が形成されていることを示しており、表銀バス電極112と裏銀バス電極130は、断面箇所の都合上、図10(C)に図示されていない。
【0027】
また、上記焼成工程により、表銀グリッド電極110/表銀バス電極112による表銀電極とシリコンのn層103の導通が確保される。このようなプロセスは、ファイヤースルー法と呼ばれている。また、この焼成工程により、裏アルミ電極用ペースト121もシリコン基板101中のシリコンと反応して、裏アルミ電極120が形成されるとともに、シリコン基板101と裏アルミ電極120間にp+層122が形成される。
【0028】
ここで、ファイヤースルー法で重要なのは、反射防止膜104が数十nm厚程度で形成され、n層103が数百nm厚程度でしか形成されないことである。焼成中に銀ペースト中のガラスが反射防止膜104のみならず、n層103中のシリコンとも反応するのが一般的であり、ガラス及び銀電極110、112をn層103内で留めるように焼成温度、時間を制御しなければならない。
【0029】
また、反射防止膜104が表面銀電極110、112直下及びその近傍だけ予め除去しておく製造方法や、反射防止膜104を後で形成する製造方法でも、同様に焼成時の制御性は重要である。焼成温度が低い、若しくは焼成時間が短い場合は、n層103中のシリコンと銀電極110、112の接触が不十分で接触抵抗が高くなる不具合が発生する。
【0030】
逆に、焼成温度が高い、若しくは焼成時間が長い場合は、n層103をガラス成分や銀電極110、112が突き抜けて、太陽電池における電気的特性の劣化を招き易い。また、表銀電極110、112直下が一様にn層103中のシリコンと導通がとれていないと、太陽電池における初期の電気的特性が劣化する。
【0031】
更には、樹脂やガラス等で太陽電池を密封してモジュール化しても、長期間の使用中に封止樹脂を透過した水分が太陽電池まで到達して、表銀電極110、112とシリコン界面を、酸化等の反応で劣化させてしまい、太陽電池の寿命を短くすることがあった。
【0032】
そこで、その対策の1つとして、銀電極110、112の耐湿性向上を図るために、200〜250℃程度の鉛・スズ共晶ハンダ溶融槽に上記太陽電池を浸漬処理して、図8に示すように、表銀電極110、112上にハンダ140で被覆処理を行っている。これにより、表銀電極110、112における耐湿性の向上を図ることができる。
【0033】
図11は従来の太陽電池モジュールの全体構造を示す斜視図、図12は図11に示すB1−B2線における太陽電池モジュールの断面構造図である。図11、12において、151は太陽電池であり、152は太陽電池151の裏側に配置されるPVF(ポリビニルフルオライド)樹脂などが良く用いられる耐湿性バックシートであり、153は太陽電池151を相互接続するための銅が主成分の太陽電池相互接続タブ配線である。
【0034】
154は太陽電池151を相互接続する横タブ配線であり、155は太陽電池モジュールのプラス取り出し電極であり、156は太陽電池モジュールのマイナス取り出し電極である。157は太陽電池151の表側に配置される強化カバーガラスであり、158は太陽電池151を保護するように耐湿性バックシート152と強化カバーガラス157間に配置される太陽電池密封材(EVA:Ethylene-Vinyl-Acetateなど)である。
【0035】
太陽電池151は、受光面側がマイナス電極、裏面側がプラス電極となって構成されるので、図11では、横方向に隣接する太陽電池151の上下を銅が主成分のタブ配線153で相互接続を行なう。同様に、横方向に連なる太陽電池アレイも横タブ線154で電気的に接続し、最終的にプラス取り出し電極155、マイナス取り出し電極156で電気を取り出せるように構成する。
【0036】
また、太陽電池モジュールは、長期信頼性が要求されるため、図11、12に示すように、太陽電池アレイは、最表面に太陽光を透過させながら、雨等の侵入を防ぎ、落下物等の衝撃を吸収する機能を備えた強化カバーガラス157で覆うように構成する。
【0037】
また、太陽電池アレイの裏面側は、バックシート152を設ける。太陽電池151と強化カバーガラス157やバックシート152の間隙は、密封材158で充填されている。密封材158は一般的には、EVA(Ethylene-Vinyl-Acetate)などという光透過性が高い熱硬化型樹脂が用いられる。EVA剤は、作業性の良いシート状のものが好ましい。
【0038】
ここで、この従来の太陽電池モジュールの作製工程について説明する。まず、太陽電池151に相互接続タブ線153を接続して、横方向の太陽電池アレイを作製する。次に、太陽電池アレイに横タブ配線154とプラス、マイナス取り出し電極155、156を接続する。
【0039】
そして、最後に、太陽電池151を2枚のEVA等のシートで挿み、更に、太陽電池151の上下に配置された強化カバーガラス157とバックシート152で挿み込んで、脱泡と同時に加熱を行うと、図12に示すような間隙のない構造の太陽電池モジュールを得ることができる。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような従来のシリコン太陽電池では、太陽電池の電気特性の低下や図11のタブ配線153のピール強度(接着強度)が太陽電池セルの反り量の悪化を招かない程度以上の、必要量以上の銀ペーストを表裏面電極に使用していた。このように、太陽電池の各特性を悪化させないように必要以上の銀ペーストを使用していたため、太陽電池セルの製造コストが嵩むという問題があった。
【0041】
そこで、本発明は、セルの各特性を悪化させることなく、セルの性能を維持しつつ電極の銀ペーストの使用量を低減することができ、太陽電池の製造コストを低減することができる太陽電池を提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】
本発明による多結晶シリコン太陽電池は、受光した光エネルギーを光起電力に変換するものであって、p型シリコン基板の受光面側に配されて光起電力を収集する、銀からなる表銀バス電極とp型シリコン基板において受光面側と反対側に設けられた裏アルミ電極とを備え、表銀バス電極は直径は0.23mmでピッチは0.25mmであって千鳥格子状に並んだ銀を使用しない円形の空き部分を有し、表銀バス電極において、空き部分を含んだ表銀バス電極の面積に対する空き部分の面積の割合を6.3%にしたものである。
【0043】
また、受光面側に対して反対側に配されて光起電力を収集する、銀からなる裏銀バス電極を備え、裏銀バス電極は千鳥格子状に並んだ銀を使用しない円形の空き部分を有し、裏銀バス電極において、空き部分を含んだ裏銀バス電極の面積に対する空き部分の面積の割合は2.5%にしたものである。
【0044】
また、千鳥格子状に並んだ円形の空き部分の直径は0.23mmであって、ピッチは0.25mmにしたものである。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1における太陽電池の表電極配置を示す上面図、図2は実施の形態1における表銀バス電極部を拡大した詳細図、図3は実施の形態1における太陽電池の裏電極配置を示す上面図、図4は実施の形態1における裏銀バス電極部を拡大した詳細図である。図1〜4において、10は表銀グリッド電極、12は表銀バス電極、30は裏銀バス電極である。バス電極12、30は、受光した光エネルギーを光起電力に変換する太陽電池の受光面側の光起電力を収集して出力する機能を有する。
【0046】
図1〜4に示すように、本実施の形態では、全面に銀を配するのではなく銀を配さない千鳥格子状に円形抜きパターンをバス電極12、30に配したことが、表裏電極全面に銀電極を配した従来のものと比較して大きく異なる点である。バス電極12、30には、電極に使用している銀において、銀を配さない千鳥格子状に円形抜きパターンを部分的に配することにより、全面ではなく一部に銀を使用しない空き部分が形成される。
【0047】
図1〜4に示した表銀電極10、12、裏銀電極30はスクリーン印刷で形成されるが、バス電極12、30上の抜きパターンの形状を調整することにより、必要とされる銀ペースト量を制御することができる。これにより、バス電極12、30に使用される銀ペーストの使用量を低減することができる。
【0048】
以下、実際に検討を行った3種類の表裏電極の組み合わせについて説明する。図5中従来例Aは表銀、裏銀電極(全面に銀電極を配した)ともに従来の形状の太陽電池セルであり、図5中本発明Bは表銀が図1、2の抜きパターン形状で裏銀(全面に銀電極を配した)が従来の形状の太陽電池セルであり、図5中本発明Cは表銀が図1、2の抜きパターン形状、裏銀が図3、4の抜きパターン形状の太陽電池セルであり、それぞれの太陽電池セルについて、それぞれの電気特性、ピール強度、セル反り量を調べたものである。
【0049】
図6には今回実験した表裏銀ペーストの使用量低減率を示している。銀面積低減率の計算値の方は、パターンの全面積と抜きパターンの面積から求めたものである。実測値は、セルの表面、裏面に使用した銀ペーストの重量を従来パターンと抜きパターンそれぞれについてはかり、その差から求めたものである。銀ペーストの使用量低減の信頼性は、実測値の方が計算値よりも高い。図6から判るように、表面も裏面も実測値から略同等な銀ペーストの低減率が得られた。
【0050】
図5中でVocとは開放電圧のことであり、これは太陽電池の正極と負極との間に何も接続しない状態での電圧である。図5中でJscとは短絡電流密度のことであり、太陽光を入射した状態で太陽電池の正負両極を導線で接続し、短絡したときの電流をその太陽電池の面積で割った値である。
【0051】
また、図5中でFFとは曲線因子のことであり、ある負荷に対して供給し得る最大電力の開放電圧(Voc)と短絡電流密度(Jsc)の積の比で表される。図5中でEffは変換効率のことであり、前述した開放電圧(Voc)と短絡電流密度(Jsc)と曲線因子(FF)を乗じて得られ、最終的な太陽電池セルの性能を表す値である。
【0052】
前述したように、図5に示す従来例Aは表銀、裏銀電極ともに従来の形状の場合であり、本発明Bは表銀が抜きパターン形状で裏銀が従来の場合であり、本発明Cは表銀、裏銀ともにが抜きパターン形状の場合である。従来例A、本発明B、Cのいずれの場合も、開放電圧Voc、短絡電流Jsc、曲線因子FF、変換効率Effの各特性は大差なく、表裏電極の銀ペースト使用量低減の可能性が見出せることが判った。
【0053】
また、上記図5中A、B、C3種類の表裏電極パターンの太陽電池セルについて、そのピール強度を測定した。その結果は、裏銀ペーストの使用量を今回の割合で低減すると、若干ピール強度が低下するが、モジュール化したときに問題になるレベルではない。基板内8点についてセル反り量も測定したが、反り量についても、表裏銀ペーストの使用量を今回の割合で低減しても、反り量の悪化を招くことはなかった。
【0054】
以上の結果から、表裏電極の銀ペースト量を今回実験した割合で低減しても、上記各特性が悪化することはなく、太陽電池セルの製造コストを低減することが可能である。なお、上記実施の形態では、銀を配さない抜きパターンを表銀のみに設ける場合と、表銀、裏銀の両面に抜きパターンを設ける場合を本発明の資料として示したが、抜きパターンを裏銀のみに設ける場合であっても、表銀のみの場合と同様、セルの各特性を悪化させることなく、セルの性能を維持しつつ電極の銀ペーストの使用量を低減することができ、太陽電池の製造コストを低減することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明による多結晶シリコン太陽電池によれば、受光面側に配されて光起電力を収集する、銀からなる表銀バス電極を備え、表銀バス電極は直径は0.23mmでピッチは0.25mmであって千鳥格子状に並んだ銀を使用しない円形の空き部分を有し、表銀バス電極において、空き部分を含んだ表銀バス電極の面積に対する空き部分の面積の割合を6.3%にしたことにより、セルの各特性を悪化させることなく、セルの性能を維持しつつ受光面側の電極の銀ペーストの使用量を低減することができ、多結晶シリコン太陽電池の製造コストを低減することができる。
【0056】
また、受光面側に対して反対側に配されて光起電力を収集する、銀からなる裏銀バス電極を備え、裏銀バス電極は直径は0.23mmでピッチは0.25mmであって千鳥格子状に並んだ銀を使用しない円形の空き部分を有し、裏銀バス電極において、空き部分を含んだ裏銀バス電極の面積に対する空き部分の面積の割合は2.5%にしたことにより、セルの各特性を悪化させることなく、セルの性能を維持しつつ受光面側および裏側の電極の銀ペーストの使用量を低減することができ、多結晶シリコン太陽電池の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における太陽電池の表電極配置を示す上面図である。
【図2】 実施の形態1における太陽電池の表銀バス電極部を拡大した詳細図である。
【図3】 実施の形態1における太陽電池の裏電極配置を示す上面図である。
【図4】 実施の形態1における太陽電池の裏銀バス電極部を拡大した詳細図である。
【図5】 従来例資料と本発明資料における電気特性、ピール強度、セル反り量を示す図である。
【図6】 銀を配さない抜きパターンをセル表面、裏面に形成した場合におけるセル表裏銀の低減率を示す図である。
【図7】 従来の住宅用等に使用されるシリコン太陽電池の表面、裏面側の概略図である。
【図8】 図7(A)に示すA1−A2線におけるシリコン太陽電池の断面図である。
【図9】 図8に示すシリコン太陽電池の主な製造工程を示す断面構造図である。
【図10】 図8に示すシリコン太陽電池の主な製造工程を示す断面構造図である。
【図11】 従来の太陽電池モジュールの全体構造を示す斜視図である。
【図12】 図11に示すB1−B2線における太陽電池モジュールの断面構造図である。
【符号の説明】
10 表銀グリッド電極、12 表銀バス電極、30 裏銀バス電極。
Claims (2)
- 受光した光エネルギーを光起電力に変換する多結晶シリコン太陽電池において、
p型シリコン基板の受光面側に配され、光起電力を収集する、銀からなる表銀バス電極と、
前記p型シリコン基板において受光面側と反対側に設けられた裏アルミ電極とを備え、
前記表銀バス電極は、直径は0.23mmでピッチは0.25mmであって千鳥格子状に並んだ銀を使用しない円形の空き部分を有し、
前記表銀バス電極において、前記空き部分を含んだ前記表銀バス電極の面積に対する前記空き部分の面積の割合は6.3%である多結晶シリコン太陽電池。 - 受光面側に対して反対側に配され、光起電力を収集する、銀からなる裏銀バス電極を備え、
前記裏銀バス電極は、直径は0.23mmでピッチは0.25mmであって千鳥格子状に並んだ銀を使用しない円形の空き部分を有し、
前記裏銀バス電極において、前記空き部分を含んだ前記裏銀バス電極の面積に対する前記前記空き部分の面積の割合は2.5%である、請求項1に記載の多結晶シリコン太陽電池。
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