JP4143976B2 - モジュール - Google Patents
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Description
このブルートゥースは2.4GHzの前記ISM周波数帯を複数の無線チャンネルに分割して使用し、さらに各無線チャンネルを単位時間(1/1600秒)ごとに分割してタイムスロットとし、使用する無線チャンネルをタイムスロットごとに切り替える耐ノイズ性に優れた周波数ホッピング方式が採用されている。送受信の切り替えは、PHS(PersonalHandy Phone System)等と同様に時分割複信(TDD;Time Division Duplex)方式が採用され、このTDD方式は送信と受信を同一のキャリア周波数とする方式である。
前記高周波スイッチSWは、ブルートゥースの通信がTDD方式で行われること、送信時の電力が30mWと極めて省電力であることがら、GaAsスイッチが広く用いられている。スイッチ回路によりアンテナと受信回路間、送信回路とアンテナ間との接続が切換えられ、高周波信号はそれぞれの回路に適宜導かれる。RFICのスイッチ回路側の入出力部は雑音指数をさげ、受信感度を上げるように、それぞれ差動動作する様に2本の信号端子にて構成されている。そして前記RFICの入出力インピーダンスは50Ω〜200Ω程度であるため、各部品の特性インピーダンスが異なる場合には、インピーダンス変換回路も必要となり、スイッチ回路とRFICとの間には平衡−不平衡回路として前記バルントランスBalun1,2が配置されている。
また、RF回路が用いられる機器は、携帯電話などに複合化されるようになってきている。無線LANやブルートゥースが利用するISM周波数帯域は、工作機械や電子レンジ等からの放射ノイズが多い帯域であることから、無線システムとして、もともと通信方式として耐ノイズ性に優れた周波数ホッピング方式が採用されている。しかしながら、他の通信機器、例えばPCS(Personal Communication Services)やDCS(Digital Cellular System)等の携帯電話の高周波信号がごく近傍に存在する場合には、その高周波信号がノイズとして作用し、前記周波数方式であっても少なからず影響を受けてしまう。他方、通信機器にとっても同様に、ブルートゥースの高周波信号がノイズとして作用する。このためアンテナから放射される帯域外の高周波信号は、ブルートゥースでは例えば2倍波で30dB以上の減衰量が望まれている。しかしながら前記スイッチ回路としてGaAsスイッチを用いる場合には、広帯域な挿入損失で帯域外の減衰量も小さいといった特性から、アンテナトップに配置される高周波フィルタは、その帯域外減衰量の大きなものが必要とされるが、大きな帯域外減衰量を得ようとすれば、フィルタを構成する回路素子を増やさざるを得ず、挿入損失が劣化し、形状も大きくせざるを得ず、更なるRF回路の小型化には限界があった。
また無線LANやブルートゥースは、携帯電話やノート型コンピュータのように、バッテリーで駆動させる機器において使用される場合が多い。この為更なる低消費電力化も望まれているが、前記の理由から困難な状況にあった。そこで本発明の目的は、部品点数を削減し、高調波の減衰特性に優れ、かつ低消費電力であるRF回路と小型のRF段モジュールを提供することである。
第2の発明は、電極パターンと誘電体でなる積層体に、フィルタと、バルントランスを形成したモジュールであって、前記フィルタが前記電極パターンで形成されたインダクタとコンデンサとでなる帯域通過フィルタ又は低域通過フィルタであり、前記バルントランスは平衡−不平衡変換回路であって、不平衡端側に前記フィルタの一端側がスイッチ回路やパワーアンプを介さずに直列接続され、前記フィルタの他端側にスイッチ回路を接続し、前記スイッチ回路の能動素子を前記積層体に搭載してなることを特徴とするモジュールである。
第3の発明は、電極パターンと誘電体でなる積層体に、フィルタと、バルントランスを形成したモジュールであって、前記フィルタは前記電極パターンで形成され、前記バルントランスは平衡−不平衡変換回路であって、第1の伝送線路と、当該第1の伝送線路と電磁結合する第2の伝送線路と第3の伝送線路を備え、第1の伝送線路は、一端が不平衡端に接続され、他端が接地又は開放端となり、第2の伝送線路は一端が接地され、他端が第1の平衡端に接続され、第3の伝送線路は一端が接地され、他端が第2の平衡端に接続され、前記第2の伝送線路と、前記第3の伝送線路の一端同士を共通の接地コンデンサに接続し、前記不平衡端側に前記フィルタが直列接続されたことを特徴とするモジュールである。前記コンデンサのホット側から前記第2、第3の伝送線路に直流電圧を供給し、第1及び第2の平衡端子から直流電圧を出力するようにしても良い。本発明のモジュールでは、この直流電圧により、RFICのパワーアンプを動作させていることが出来る。
前記積層体は、低温焼成可能なセラミック誘電体材料をグリーンシートとし、前記グリーンシートに導電ペーストで、前記伝送線路とコンデンサを電極パターンとし、これを積層、一体焼成して構成するのが好ましい。
このRF回路は、不要な高周波信号を減衰させる高周波フィルタ(FILTER)と、送信信号と受信信号を切り換える高周波スイッチ(SW)、平衡−不平衡変換回路としてのバルントランスBalun1、Balun2を備える。
図2に送信側に用いるバルントランスの一例を示す。送信側(TX)のバルントランスBalun1は、第1の伝送線路L1と、この第1の伝送線路L1と電磁結合する第2の伝送線路L2と第3の伝送線路L3を備え、前記第1の伝送線路L1は、一端が不平衡端101に接続され他端が接地され、第2の伝送線路L2は、一端が接地され他端が第1の平衡端102に接続され、第3の伝送線路L3は、一端が接地され他端が第2の平衡端103に接続される。前記第1の平衡−不平衡回路を構成するバルントランスの前記第1、第2の伝送線路の一端同士が接続して、コンデンサC1を介して接地されるとともに、前記コンデンサのホット側から、第2の伝送線路L2と第3の伝送線路L3に、直流電圧を供給できるように電圧供給端Vddが形成されている。この電圧供給端Vddからみて、前記第2の伝送線路L2と前記第3の伝送線路L3はほぼ等しい線路長を有しており、前記電圧供給端Vddから直流電圧が供給されると、第2の伝送線路L2と前記第3の伝送線路L3には、ほぼ同じ大きさの電流が逆方向に流れ、第1の平衡端102と第2の平衡端103には略等しい直流電圧が出力される。前記第1の平衡端102と第2の平衡端103はRFICの送信側出力部に接続されており、電圧供給端Vddから直流電圧を印加した場合にRFICの送信出力部の2本の平衡端子に、同時にほぼ等しい直流電圧を印加できる。このため従来必要であったチョークコイルを準備する必要がない。
本発明のRF回路及びモジュールによれば、従来電圧供給のために必要であった複数のディスクリート部品を削減することが出来るため、RF段モジュールを小型かつ軽量化出来、価格も低廉化出来る。また、前記コンデンサC1は第1の平衡端102と第2の平衡端103に入力される高周波信号の位相差を調整するように機能させることも出来る。
また、このバルントランスは図14に示すように、2.4GHzの2倍波帯域で減衰極をもつ。バルントランス単体でも不要な高周波信号を減衰させることができ、前段に配置される高周波フィルタに求められる帯域外減衰量、特に通過帯域よりも高周波側の減衰量は、それほど大きなものを用いなくてもよい。この為、高周波フィルタを少ない回路素子で構成出来るので小型化でき、また低挿入損失となるので低消費電力化も実現することができる。それほど大きな帯域外減衰量が必要とされない場合に、前記高周波フィルタとして積層LCフィルタ、弾性表面波フィルタを用いることができ、これらは共に安価に構成できるので、その結果としてモジュールも安価に提供することが出来る。
L2 第2の伝送線路
L3 第3の伝送線路
C1 コンデンサ
101 不平衡端
102 第1の平衡端
103 第2の平衡端
Vdd 電圧供給端
Claims (4)
- 電極パターンと誘電体でなる積層体に、フィルタと、バルントランスを形成したモジュールであって、前記フィルタが前記電極パターンで形成されたインダクタとコンデンサとでなる帯域通過フィルタ又は低域通過フィルタであり、前記バルントランスは平衡−不平衡変換回路であって、不平衡端側に前記フィルタがスイッチ回路やパワーアンプを介さずに直列接続され、平衡端側にパワーアンプが接続され、前記パワーアンプを含むRFICが前記積層体に搭載されたことを特徴とするモジュール。
- 電極パターンと誘電体でなる積層体に、フィルタと、バルントランスを形成したモジュールであって、前記フィルタが前記電極パターンで形成されたインダクタとコンデンサとでなる帯域通過フィルタ又は低域通過フィルタであり、前記バルントランスは平衡−不平衡変換回路であって、不平衡端側に前記フィルタの一端側がスイッチ回路やパワーアンプを介さずに直列接続され、前記フィルタの他端側にスイッチ回路を接続し、前記スイッチ回路の能動素子を前記積層体に搭載してなることを特徴とするモジュール。
- 電極パターンと誘電体でなる積層体に、フィルタと、バルントランスを形成したモジュールであって、前記フィルタは前記電極パターンで形成され、前記バルントランスは平衡−不平衡変換回路であって、第1の伝送線路と、当該第1の伝送線路と電磁結合する第2の伝送線路と第3の伝送線路を備え、第1の伝送線路は、一端が不平衡端に接続され、他端が接地又は開放端となり、第2の伝送線路は一端が接地され、他端が第1の平衡端に接続され、第3の伝送線路は一端が接地され、他端が第2の平衡端に接続され、前記第2の伝送線路と、前記第3の伝送線路の一端同士を共通の接地コンデンサに接続し、前記不平衡端側に前記フィルタが直列接続されたことを特徴とするモジュール。
- 前記積層体は、低温焼成可能なセラミック誘電体材料をグリーンシートとし、前記グリーンシートに導電ペーストで、前記伝送線路とコンデンサを電極パターンとして構成し、これを積層、一体焼成してなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のモジュール。
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