JP4143047B2 - 換気機能付き窓 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された窓は、四周枠組みされた窓枠と、この窓枠内に支持された引違い障子とを備えた引き違い窓であって、窓枠のうちの左右の縦枠に換気装置(換気扇)が内蔵された構成を備えている。そして、縦枠の室内外側面には、室内外を連通する換気口が設けられ、縦枠の内部には、開閉切り換え用のシャッタ、回転羽根車およびモータが設けられており、スイッチのONによりシャッタが開状態となるとともに、モータが回転羽根車を回転させることで、外気を導入または内気を排出することができるようになっている。
すなわち、窓枠は、窓の形式(嵌殺し窓、引違い窓、開き窓、辷り出し窓等)によってそれぞれ形態が異なるため、換気装置を内蔵しない通常の縦枠に加えて、換気装置を内蔵する縦枠を窓の形式ごとに製造しなければならなくなり、枠部材の部品点数が膨大なものとなってしまう。このため、枠部材の設計や製造コストが増大するとともに、膨大な部品点数の枠部材を保管、管理するための管理コストも増大してしまうという問題がある。
また、換気装置を内蔵するために縦枠に各種の加工、例えば換気口を形成するための穴開け加工や、シャッタ、回転羽根車、モータ、スイッチ等の取付部を形成するための加工などが必要になり、この点でも製造コストが増大してしまう。
さらに、換気装置を縦枠に内蔵したことで、換気装置に故障等の不具合や部品交換の必要が生じた場合には、建物から窓枠を外さなければ修理や部品交換等ができないため、メンテナンスに多大な手間がかかってしまうという問題も生じる。
また、換気ユニットとサッシユニットとが各々別体で構成され、縦支持部材(例えば、方立等)を介して隣り合って配置されているので、換気部材に故障等の不具合や部品交換の必要が生じた場合にも、サッシユニットを取り外す必要がなく、換気部材のメンテナンスを容易に実施することができる。
さらに、窓の開口部を構成するサッシと換気装置とがそれぞれユニット化されていることで、これらの各ユニットを縦支持部材に支持させるだけの取付作業により容易に換気機能付き窓を構成することができる。
また、上下に延びる回転軸を中心に回転体を回転させることで、連通状態と被連通状態とが切り換えられるので、簡単に開閉操作することができる。さらに、回転体の上下寸法をサッシユニットの高さ寸法と略同一寸法まで最大限に長く設定すれば、回転体の略全長に渡って連通部を設けたり、所定長さの連通部を設けたりすることができ、換気ユニットの換気性能(換気量)を適宜設定することができる。
このような構成によれば、サッシユニットおよび換気ユニットにおける略同一の断面形状を有した被支持部が縦支持部材に支持されるので、各ユニットの縦支持部材への取付構造を共通化することができ、取付部材や取付作業の標準化による作業効率の向上を図ることができる。
さらに、サッシユニットおよび換気ユニットの縦支持部材への取付構造が共通化されることで、サッシユニットの窓枠(縦枠)および換気ユニットの枠材の外観が共通化でき、換気機能付き窓の外観意匠性を良好にすることができる。
このような構成によれば、回転体に断熱材を介して操作部が取り付けられていることで、冬期における室内外の温度差によって換気部材が冷却された場合でも、操作部が冷却されることがなく、操作部における結露の発生が防止できる。
また、操作部を回転体の略全長に渡って設けておけば、任意の高さ位置で操作部を操作することができ、背の高い大人から背の低い子供までが容易に操作できる。
また、換気装置と窓部とが隣り合って配置されているので、換気部材に故障等の不具合や部品交換の必要が生じた場合にも、窓部の枠材等を取り外す必要がなく、換気装置のメンテナンスを容易に実施することができる。
また、操作部を回転体の略全長に渡って設けておけば、任意の高さ位置で操作部を操作することができ、背の高い大人から背の低い子供までが容易に操作できる。
このような構成によれば、回転体の室外側の連通孔から雨水等が浸入した場合でも、室内側の連通孔が高い位置に設けられていることで、浸入した雨水等が室内側に入り込むことを防止して室外側に排水することができる。また、回転体の内部を清掃するための清掃水を室内側の連通孔から注入して室外側の連通孔から排水させることができる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、主要構成部品の断面を示すハッチングが省略されている。
本発明の第1実施形態に係る換気機能付き窓について、図1ないし図16に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る換気機能付き窓1を示す外観姿図および横断面図である。図2は、換気機能付き窓1を拡大して示す横断面図である。図3は、換気機能付き窓1を示す縦断面図であり、図2に矢視III−III線で示す断面図である。
固定窓部20は、それぞれアルミ押出形材製の上枠21、下枠22、および左右の縦枠23を四周枠組みした窓枠24と、この窓枠24の内側に嵌め込んだ面材であるガラスパネル25とを備えて構成された嵌殺し窓である。この固定窓部20は、窓枠24およびガラスパネル25がユニット化された固定窓ユニット(サッシユニット)20Aとなっている。
図4は、換気装置30を示す分解斜視図であり、図5は、換気装置30を示す横断面図である。
換気装置30の一対の縦枠33は、互いに略左右対称に形成されており、各縦枠33の室内側には、見付け方向内方側(シリンダ35側)に向かって突出した第1突出片部331が形成され、各縦枠33の室外側には、見付け方向内方側に向かって突出した第2突出片部332が形成されている。第1および第2の突出片部331,332の各先端部には、断面略凹状の気密材保持部333,334が形成されており、これらの気密材保持部333,334には、それぞれ室内側気密材(ウインドバリア用シール材)335、および室外側気密材(レインバリア用シール材)336が保持されている。これら室内外の気密材335,336は、シリンダ35の表面に当接しており、これによって室内空間の気密性および水密性が確保されるようになっている。
また、上枠31および下枠32には、それぞれ下方または上方に延出する延出片部31B,32Bが設けられ、これらの延出片部31B,32Bには、円弧状に形成された室内側気密材31C,32Cが保持されている。これらの室内側気密材31C,32Cは、シリンダ本体351の小径部351Aに当接するとともに、前記縦枠33に設けられた室内側気密材335に連続するようになっている。
また、ブラケット38の室外側側面には、上下に延びるとともに断面略T字形に形成されたパネル係止部38Bが2箇所に形成されている。これらのパネル係止部38Bには、パネル材36の室内側側面に形成された断面略L字形の被係止部36A(図5)が係合可能になっている。そして、パネル材36は、被係止部36Aをブラケット38のパネル係止部38Bに係合させた状態で、四隅部分がアングルピース36Bを介して縦枠33の第2突出片部332室外側側面にビス止め固定され、枠体34に取り付けられるようになっている。
固定部352Aと側壁部351Dとの間には、断熱材としてのゴムシート354が介装されている。このゴムシート354は、シリンダ本体351と操作部材352との間の熱伝導を抑制する、すなわちヒートブリッジ(熱橋)を遮るためのもので、操作部材352の結露を防止することができるようになっている。なお、断熱材としては、ゴムシート354に限らず、樹脂製の板材等を固定部352Aと側壁部351Dとの間に介装してもよい。
図6、7は、それぞれシリンダ35の一部を示す縦断面図、および分解斜視図である。図8は、シリンダ35に設けられるフィルタ部材353を示す斜視図である。図9〜12は、それぞれ換気装置30の排水構造を示す室内側斜視図、横断面図、縦断面図、および室外側斜視図である。
なお、フィルタ部材353は、図8に示すように、フィルタ353Aと、このフィルタ353Aの室内側を覆うスリット部材353Cとを有して構成されてもよい。この際、スリット部材353Cには、その室内側側面に複数のスリット353Dが形成され、その側端縁に係合突起353Eが形成されていることが好ましい。そして、シリンダ本体351の室内側の側壁部351Eの室内側に係合凹部351G(図7)を形成しておけば、この係合凹部351Gにスリット部材353Cの係合突起353Eを係合させることで、フィルタ部材353がシリンダ本体351に着脱自在に取り付けられる。従って、フィルタ部材353の交換をより簡単に実施することができる。
図13、14は、本実施形態の変形例に係るシリンダ35を示す横断面図、および斜視図である。
このシリンダ35は、シリンダ本体356が室内側シリンダ部材356Aと、室外側シリンダ部材356Bと、これら室内外のシリンダ部材356A,356Bを連結する連結シリンダ部材356Cとを備えて構成されている。室内外のシリンダ部材356A,356Bは、長尺のアルミ形材製であり、互いの対向面に連結シリンダ部材356Cと係合する係合爪が形成されている。また、室内側シリンダ部材356Aには、前記と同様の操作部材352が取り付けられている。
連結シリンダ部材356Cは、樹脂製の短尺ピース部材であって、断面略角筒状に形成されており、その四隅には、室内外のシリンダ部材356A,356Bの係合爪に対応した係合爪が形成されている。そして、本変形例では、シリンダ本体356に連通孔が設けられておらず、連結シリンダ部材356Cの上下の空間が室内外を連通する連通部356Dになっている。また、本変形例では、連結シリンダ部材356Cが樹脂製であるため、室内外のシリンダ部材356A,356B間における熱の伝達が抑制され、室内側シリンダ部材356Aや操作部材352における結露が防止できるようになっている。
図15(A),(B)は、本実施形態の変形例に係る換気装置30を示す横断面図である。
換気装置30の一対の縦枠33における、第1および第2の突出片部331,332の気密材保持部333,334間には、それぞれ案内部材としてのガイドブロック338が固定されている。このガイドブロック338は、樹脂製のピース部材であって、シリンダ35の長さ方向(上下方向)に関して1箇所または複数箇所(例えば、2箇所)に設けられている。そして、ガイドブロック338は、シリンダ本体351の側面に両側から当接し、回転操作した際にシリンダ35が左右にぶれないようにシリンダ35を案内できるようになっている。なお、このガイドブロック338は、回転操作中のシリンダ35のシリンダ本体351に当接していればよいため、図15(B)に示す非連通状態において、シリンダ本体351から離れてもよい。
図16は、本実施形態の変形例に係る換気機能付き窓1を示す外観姿図である。
この換気機能付き窓1では、窓部としての固定窓部20の左右両側に換気装置30が配置され、これらの固定窓部20と換気装置30との間に各々設けられた方立2に固定窓部20および換気装置30が支持されている。そして、固定窓部20および換気装置30は、それぞれ前述と同様にユニット化されている。
(1)すなわち、換気装置30が枠体34とシリンダ35とを有してユニット化されるとともに、可動窓部10および固定窓部20に隣り合って設けられ、可動窓部10や固定窓部20の窓枠14,24を構成する枠材11〜13,21〜23に内蔵されたものではないため、可動窓部10や固定窓部20の窓形式に関わりなく換気装置30を設けることができ、可動窓部10や固定窓部20における枠材11〜13,21〜23の部品点数の増加を抑制できる。
次に、本発明の第2実施形態に係る換気機能付き窓について、図17、18に基づいて説明する。
図17は、本発明の第2実施形態に係る換気機能付き窓1Bを示す内観姿図である。図18は、換気機能付き窓1Bの横断面図である。
可動障子60は、それぞれアルミ押出形材製の上框、下框(不図示)および左右の縦框63を四周框組みした内部に、面材であるガラスパネル64を嵌め込んで構成されている。そしてこの可動障子60は、換気装置70側の縦框63が上枠51および下枠52にヒンジ65を介して軸支され、反対側の縦框63に設けられたハンドル66を操作することで開閉可能に構成されている。なお、窓部としては、可動障子60に限らず、面材を窓枠に固定した嵌殺し窓でもよく、また可動障子の形式についても特に限定されす、引違い窓、開き窓、辷り出し窓等の各種形式を採用することができる。
(17)すなわち、換気装置70が可動障子60に隣り合って設けられ、可動障子60の縦框63や窓枠54の縦枠53に内蔵されたものではないため、可動障子60の窓形式に関わりなく換気装置70を設けることができ、可動障子60における框材63の部品点数の増加を抑制でき、可動障子60や換気装置70の設計や製造、部品管理に要するコストの増加を招かずに、換気装置70を各種形式の窓に取り付けることができる。
例えば、前記実施形態の換気装置30,70において、シリンダ35,75の内部に通風を妨げない範囲で吸音材等を設けてもよい。このようにすれば、換気装置を連通状態にした際にも、室外空間の騒音が吸音材で吸収され、室内空間の居住性を確保することができる。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- 四周枠組みされた窓枠およびこの窓枠に支持された面材を有するサッシユニットと、このサッシユニットの左右の少なくとも一方に隣り合って設けられる換気ユニットとを備えた換気機能付き窓であって、
前記サッシユニットおよび換気ユニットは、上下に延びる縦支持部材に支持され、この縦支持部材を介して互いに左右に隣り合って設けられ、
前記換気ユニットは、前記サッシユニットの高さ寸法と略同一の高さ寸法を有して四周枠組みされた枠体と、この枠体の内部に設けられた換気部材とを有して構成され、
前記換気部材は、上下に延びる回転軸を中心にして回転自在に支持され、かつ連通部が形成された回転体を有し、この回転体を回転させることによって、前記連通部を介して室内外が連通される連通状態と、この連通が遮断される非連通状態とが切り換え可能に構成されている換気機能付き窓。 - 前記サッシユニットの窓枠のうちの上下に延びる縦枠と、前記換気ユニットの枠体のうちの上下に延びる枠材とは、それぞれ略同一の断面形状に形成された被支持部を有し、これらの被支持部が前記縦支持部材に支持されている請求項1に記載の換気機能付き窓。
- 前記回転体には、室内側から回転操作するための操作部が設けられ、この操作部は、当該回転体とは別体から形成されるとともに、断熱材を介して当該換気部材に取り付けられている請求項1または請求項2に記載の換気機能付き窓。
- 面材を有する窓部と、この窓部の左右の少なくとも一方に隣り合って設けられて当該窓部の高さと略同一の高さ寸法を有した換気装置とを備え、
前記換気装置は、上下に延びる回転軸を中心にして回転自在に支持され、かつ連通部が形成された回転体を有し、この回転体を回転させることによって、前記連通部を介して室内外が連通される連通状態と、この連通が遮断される非連通状態とが切り換え可能に構成され、
前記回転体には、室内側から回転操作するための操作部が設けられ、この操作部は、当該回転体とは別体から形成されるとともに、断熱材を介して当該回転体に取り付けられている換気機能付き窓。 - 前記回転体の連通部は、室内側の連通孔と室外側の連通孔とを備えて構成されており、室内側の連通孔は、室外側の連通孔よりも高い位置に設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の換気機能付き窓。
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