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JP4039218B2 - 自動販売機 - Google Patents

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JP4039218B2
JP4039218B2 JP2002328691A JP2002328691A JP4039218B2 JP 4039218 B2 JP4039218 B2 JP 4039218B2 JP 2002328691 A JP2002328691 A JP 2002328691A JP 2002328691 A JP2002328691 A JP 2002328691A JP 4039218 B2 JP4039218 B2 JP 4039218B2
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栄一 森
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、陳列状態で格納された物品を金銭収受に伴う販売指令により順次払出す自動販売機に関し、たとえば清涼飲料や薬用ドリンク剤などの一品種を省スペースで陳列しながらセルフ販売するのに利用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
販売物品を外部から透視可能な陳列状態で格納(ストック)しながらセルフ販売する自動販売機は、いわゆるシースルー型の自動販売機として従来から提供されている。従来のシースルー型自動販売機は全体が四側面を有する直方体の筐体によって構成され、その筐体の前面に断熱透明パネルを配置することにより、その前面から内部の物品を透視できるようにしてある。これにより、顧客は販売物品の実物を目で確認してセルフ購入することができる。このように、実物を陳列状態でセルフ販売するシースルー型自動販売機は、実物と見本が異なるといった間違いの回避や、実物展示による販売促進等の効果が期待される。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−188107号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平11−250341号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシースルー型自動販売機は、上述したように、全体が四側面を有する直方体の筐体によって構成され、その筐体の前面だけに断熱透明パネルが配置されているため、内部に格納されている販売物品は前面に立って見なければ視認することができない。つまり、格納されている物品は一方向からしか透視することができず、いわゆるアメニティ性のある陳列効果を得るには不十分であった。
【0006】
また、上述した従来のシースルー型自動販売機は背面を壁面に向けて設置することを前提にして構成されているものが多いが、たとえばコンビニエンスストアのように、比較的狭いスペースに商品棚を高密度に配置する店舗においては、その自動販売機を設置するための壁面前スペースを新たに確保することは非常に困難である。
【0007】
さらに、従来のシースルー型自動販売機は多品種多販売を中心に開発されていたため、外観が画一的でアメニティ性に乏しく、また、一品種の自動販売機として使うにはコスト的に高価なものになってしまうという問題があった。
【0008】
この発明は以上のような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、一品種の自動販売機として低コストに構成可能であるとともに、省スペースで設置の自由度が高く、かつ陳列効果が高くてアメニティ性にすぐれたシースルー型の自動販売機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、物品格納部に外部からの透視が可能な陳列状態で格納された複数の物品を、金銭収受装置が所定額の金銭投入を検出するごとに払出し口へ順次搬出させる自動販売機において、前記物品を前記払出し口へ搬送するための物品落とし穴を有し、前記物品格納部の底面を形成する断熱床と、前記断熱床上で、円陣に配列された複数の物品列を保持しながら、販売指令に応じて前記物品落とし穴上に位置する物品列の物品のみが落下するように回転移動するドラム状の多連ホルダと、前記多連ホルダの内側に配置され、前記物品格納部を冷却する冷却器と、を備えたことを特徴とする自動販売機である。この自動販売機によれば、多連ホルダの内側のスペースを有効活用して、物品格納部の略中央に冷却器を配置することによって、物品格納部内の物品を均一且つ効果的に冷却することが可能となる。さらに、一品種の自動販売機として低コストに構成することができるとともに、省スペースで設置の自由度が高いという効果が得られる。
【0010】
また、かかる自動販売機において、前記物品格納部には、冷却サイクルを構成する吸熱部が前記冷却器として配置され、前記断熱床の下部には、前記冷却サイクルを構成する放熱部が配置される。また、前記多連ホルダの内側に配置され、冷気を上方へ吹き上げることによって前記多連ホルダの内側と外側との間を循環させるファンを、備えることも可能である。さらに、前記断熱床は、層状空間部を有する二重床からなり、前記ファンによって上方へ吹き上げられる冷気は、前記多連ホルダの外側から内側へ前記層状空間部を通って循環することとしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態を図を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施例による自動販売機の外観構成を示す。
図2は同自動販売機の外装の一部を取外して示す。
同図に示す自動販売機10は、その全体が正6角(多角)柱状のタワー型筐体11をなすように構成されている。筐体11は、正6角形(多角)の基台21と、この正6角形基台21の各頂点位置からそれぞれ垂直に立設する6本(多数本)の支柱22と、各支柱22の上端をそれぞれ上記正6角形の頂点上に拘束して固定する正6角形の上部枠部材23とにより、全体の構造フレーム(骨格)が形成されている。
【0012】
上部枠部材23は断熱性を備えるために樹脂(プラスチックス)の一体成形品により形成され、その内側には円形の窓枠部が形成されている。窓枠部には断熱性の円盤状天蓋24が上方から嵌着されている。天蓋24には施錠機構(図示せず)が組込まれていて、その上側面(外側面)の中央に設けた鍵穴25から特定キーを差し込んで施錠/解錠の操作が行えるようになっている。天蓋24は施錠により上部枠部材23に係止される一方、解錠によりその係止が解除されて着脱可能となる。
【0013】
上記筐体11の上部には、自動販売機10の主要スペースを占める物品格納部(ストック部)12が配置されている。この物品格納部12の下には機械室13が配置されている。機械室13には、冷却サイクル30のコンプレッサおよび凝縮器(コンデンサ)などが組込まれている。また、金銭収受装置33と物品払出し口34がこの機械室13に配設されている。物品格納部12と機械室13の間は二重床(断熱床)40で仕切られている。
【0014】
二重床40は、断熱板41と床板44の間に層状空間部を介在させた状態で構成される。この場合、断熱板41は機械室13側に配置され、床板44は物品格納部12側に配置されている。このような構造により、二重床40は機械強度と断熱性が共に良好な断熱床を形成する。そして、この二重床40により、物品格納部12が機械室13から熱的に絶縁されている。基台21、二重床40、上部枠部材23はそれぞれ、頂点同士および辺同士が互いに重なり合う正6角形(多角形)の輪郭をなしている。
【0015】
物品格納部12は、各支柱22の間をそれぞれに塞ぐ6面の透明断熱パネル35により囲繞されることにより、内部に正6角柱状の断熱室(断熱空間)を形成している。断熱室の上方は上記天蓋24で覆われて断熱され、底面は上記二重床40で断熱される。透明断熱パネル35としては、2枚(複数枚)のガラス間に断熱空気層を挟んだ、いわゆるペアガラスが好適である。ペアガラスは温度差による曇りが発生しにくく、断熱性と透視性が共に良好である。このペアガラスの一部にリボンあるいはフィルム状の電気ヒータを貼り付け、これに弱電力を通電して常時加温するようにすれば、常に良好な透視性を確保することができる。
【0016】
機械室13は、鋼板などの金属製側板36で囲繞されることにより、内部に正6角形の収納スペースを形成している。側板36には凝縮器からの放熱を逃がす通気スリットなどが適宜設けられている。この機械室13の外側は物品格納部12の外側とほぼ同一面となす正6角柱状をなすが、その1面が開窓され、ここに物品払出し口34と金銭収受装置33が配置されている。
【0017】
図3は上記物品格納部12の構成部分を取り出して示す。
同図において、二重床40は床板44(図2)を取り外してその下の断熱板41だけを示す。断熱板41は厚手で剛性を有する硬質発泡樹脂により構成され、その上に床板44を重ねたときに層状の空間が形成されるように、縁部を除いた主要面部は平坦な凹底面42となっている。この凹底面42には偏平な凸面部43が島状に形成されているが、これは床板44を平坦に支持するスペーサとして機能する。断熱板41の輪郭は基台21と重なり合う正6角形であるが、その正6角の一辺に沿って長円形の物品落し穴45が形成されている。この落し穴45は前記物品払出し口34への落下通路であって、床板44の対応位置にも同一形状で形成されている。
【0018】
物品落し穴45の下にはバネ復帰型の一方向弁蓋(図示せず)が介在させられている。この弁蓋は、落し穴45から前記物品払出し口34へ向う方向だけに物品50の重量で自動的に開くが、それ以外はバネ付勢によって常時閉じるようになっている。
【0019】
断熱室の側面を囲繞する各透明断熱パネル35はそれぞれ、図3に示すように、側部枠部材(サッシ)46,47により、各支柱22の間に挟持されている。支柱22はV字状断面を有する棒状に形成された鋼板により構成されている。側部枠部材46,47は、外側枠部材46と内側枠部材47とにより形成される。両枠部材はそれぞれ一様な断面形状をなす棒状であって、上記V字状断面の支柱22の内側と外側に沿って長手方向にスライド可能に嵌合している。この2つの枠部材46,47の間に上記透明断熱パネル35の両幅端が上下スライド可能に挟持されている。外側枠部材46は外観の体裁性(美観)と剛性および強度の両方を備えるために、アルミニウムの押し出し成形品を用いて構成されている。内側枠部材47は断熱と緩衝の効果を得るために、樹脂の押出し成形品を用いて構成されている。
【0020】
図4は前述した上部枠部材23の斜視図を示す。図5はその上部枠部材23の窓枠部に被さる天蓋24の斜視図を示す。同図に示すように、上部枠部材23の外側は基台21および二重床40と重なり合う正6角形であり、その内側は天蓋24が上方から嵌着する円形の窓枠部となっている。天蓋24は上記窓枠部に被さって断熱室の上方を塞ぐ。
【0021】
図6は、図1および図2に示した自動販売機10全体の内部を部分的に示す斜視図である。同図において、自動販売機の販売対象商品(たとえば、缶、瓶、ペットボトル等の清涼飲料商品)である物品50は、二重床40上にて3本(3個)ずつ上下に積み重ねられるとともに、その物品列が30度間隔で円陣に配置された状態で格納されるようになっている。これにより、図示の例では、3本×12列=36本まで格納可能となっている。二重床40は、前述したように、断熱板41に床板44を重ねて二重構造としたものであって、その上面は上下に積み重ねられた物品50列が摺動移動できるよう、平坦および平滑に形成されている。
【0022】
二重床40の中央面上にはドラム状の多連ホルダ51が軸を垂直に立てた状態で配置されている。この多連ホルダ51は、矩形U字状の金属製チャネル材52を円陣状に集合させて組立てたものであって、12本のチャネル材52がU字の開口側を外側に向けながら30度間隔で円陣に配列されている。各チャネル材52はそれぞれ、上記物品50列を側方から保持する列ホルダ部を形成する。矩形U字の両端はそれぞれ、物品50列を保持するために内側にほぼ直角に屈曲させられ、これにより物品50(ボトル)を抱き込んで保持するようになっている。このドラム状多連ホルダ51は二重床40の中央面上に載って水平回転するように設置されている。各チャネル材52はそれぞれ金属板(薄鋼板)を矩形に折曲加工して構成されている。
【0023】
二重床40の下には、前述したように、冷却サイクル30のコンプレッサや凝縮器などが配設されている。また、金銭収受装置33および物品払出し口34などが配設されている。物品払出し口34には、重力作動で開いてバネ復帰で閉じる自動開閉トレー60が取り付けられている。この自動開閉トレー60は、二重床40の落し穴45から物品50が落とされたときに、その物品50の重量で外側に押し倒されることにより、その物品50を取り出しやすいように自動的に外へ繰り出す一方、物品50が落とされてこないときは、常時作用のバネ付勢により起き上げられて物品払出し口34を自動的に閉じる。なお、同図では、物品落し穴45が落下制御板61により隠されている。
【0024】
図7は、物品落し穴45付近の構成を部分的に示す斜視図である。同図に示すように、物品落し穴45の外側近傍には落下制御板61が立設されている。落下制御板61は上端部が物品列側に水平に張り出していて、この張り出し部が上下に積み重ねられた物品50のうち、最下段の物品と2段目の物品との間に介在することにより、最下段の物品だけを上記落し穴45に選択的に落下させる。
【0025】
図8は、上記多連ホルダ51とその内側を部分的に示す斜視図である。同図に示すように、まず、多連ホルダ51を構成する上記チャネル材52は、金属板(薄鋼板)を略矩形U字断面のチャネル状に折曲加工したものが使用されている。各チャネル材52はそれぞれ、U字の底面側を中心側に向けた状態で円陣に配列されてドラム状に集合されるようになっている。
【0026】
各チャネル材52は、U字の側面同士が密に隣接しながら円陣に配列されてドラム状に組立てられる。したがって、各チャネル材52のU字角は直角ではなく、その直角よりも15度ずつ広く開いている。つまり、U字の両側面が互いに30度(15度+15度)の角度で開くように形成されている。このため、U字の一方の側板部には、そのU字の内側に向けて矩形に切り起された切り起し片53が形成されている。この切り起し片53により、各チャネル材52にはほぼ直角のU字状ホルダ部が形成されるようになっている。
【0027】
また、各チャネル材52はそれぞれ、上記落下制御板61(図7)の水平張り出し部に位置対応する部分に、水平切欠部54が設けられている。この切欠部54は、多連ホルダ51が二重床40上で水平回転させられたときに、上記水平張り出し部と位置干渉するのを回避させるためであって、物品50の保持に支障無い幅で設けられている。
【0028】
二重床40には物品落し穴45が設けられているが、この物品落し穴45の手前に物品センサ62が配設されている。物品センサ62は落し穴45手前の定位置に物品が位置したか否かを検出する。物品センサ62にはマイクロスイッチ(リミットスイッチとも呼ばれる)等の機械作動式のスイッチが使用されているが、たとえば光学センサあるいはタッチセンサなどであってもよい。
【0029】
図9は、上記多連ホルダ51の断面方向における要部を抽出して示す。
図10は、上記多連ホルダ51の側面方向における要部を抽出して示す。
図8では部分的にしか示していないが、多連ホルダ51は、図10に断面を示すように、上部円盤状フレーム70と下部環状フレーム71を用いて組立てられている。両フレーム70,71は、図9に示すように、いずれも外側輪郭形状が正12角形(多角形)に形成されていて、各チャネル材52はその正12角形の各辺にネジ止め固定されることにより、互いに隣接状態で円陣に集合されてドラム状に組立てられている。なお、図9では、図の理解のため、チャネル材52だけの断面図も示している。
【0030】
上部円盤状フレーム70の中央には、図9に示すように、大歯車72が設けられている。この大歯車72の中心軸位置には貫通ガイド孔73が設けられている。また、上部フレーム70と下部フレーム71にはそれぞれ、固定側の定位置に軸支されたガイドローラが内接するローラリング74,75が設けられている。
【0031】
図8および図10において、多連ホルダ51の内側には前記冷却サイクル30の蒸発器31と冷却ファン32が配設されている。蒸発器31は冷却サイクル30の一部をなし、二重床40下の凝縮器に配管接続されている。蒸発器には熱交換フィン(図示省略)が取り付けられて、その上方には冷却ファン32(電動ファン)が配設されている。
【0032】
冷却ファン32は、物品格納部12の下部から空気を吸い上げて蒸発器の熱交換フィンを通過させる。熱交換フィンを通過させられ冷却された空気(冷気)は、冷却ファン32の上方へ吹き上げられる。吹き上げられた冷気は、図10に矢印で示すように、多連ホルダ51の内側から外側に回って物品50列を冷却しながら物品格納部12の下部に循環する。
【0033】
多連ホルダ51は、上述したように、複数(12本)のチャネル材52を円陣に配列してドラム状に組み立てたものであるが、図8に示すように、各チャネル材52のU字低面部にはそれぞれ矩形の通気窓55が穿設されていて、この通気窓55を通しても冷気が流通させられるようになっている。
【0034】
二重床40を形成する断熱板41と床板44の間は層状空間部が形成されているが、この層状空間部は床板44に設けた通気孔によって物品格納部12内に連通している。この通気孔は図示されていないが、多連ホルダ51の外側と内側の間に通気ダクトを形成するように設けられている。多連ホルダ51の内側から外側に回り込んで物品50を冷却した空気は、上記二重床40内の通気ダクトを通って蒸発器(冷却器)31に循環し、再度冷却される。これにより、多連ホルダ51の外側に保持されている物品50を均一に冷却させることができる。
【0035】
このように、ファン32によって吹き上げられた冷気は、上記通気窓55から多連ホルダ51の外側へ回り込んで、その多連ホルダ51の外側に格納されている物品を効率良く冷却しながら物品格納部12内を循環させられる。
【0036】
また、金属製のチャネル材52の熱伝導性は良好であるため、このチャネル材52も上記冷気よって冷却される。冷却されたチャネル材52は、U字状の内側に保持している物品を均等に冷却する。このようにして、小さな冷却容量すなわち少ない消費電力でもって物品群を効率良く冷却させることができる。
【0037】
上記多連ホルダ51の下端部には、図9および図10に示すように、少なくとも3個のローラ車輪81が等間隔で取付けられている。多連ホルダ51はそのローラ車輪81に載って二重床40面上を水平方向に回動させられるようになっている。つまり、上記ローラ車輪81は多連ホルダ51を二重床40上にて回転可能に支持する一種のスラスト軸受けとして機能する。
【0038】
各ローラ車輪81はそれぞれ同一円周上にて円周方向を向いて回転するように取付けられ、その外周囲は円弧状または曲線状に湾曲形成されている。これによれば、ローラ車輪81は二重床40面上を小さな接触面積および少ない転がり抵抗で接触しながら円周方向に円滑に転動することができる。これにより、多連ホルダ51を比較的小さな駆動力でもって二重床40面上を水平方向に円滑かつ安定に回転させることができる。
【0039】
一方、上記多連ホルダ51の内側には、図8および図10に示すように、逆U字上をなす門型の枠具82が取り付けられている。この枠具82は鋼板等の構造材を用いて構成され、多連ホルダ51の内側にて、凝縮器31および冷気ファン32を跨いだ状態で二重床40に固定されている。この枠具82の上端部には減速ギヤ付モータ83(いわゆるギヤード・モータ)が取り付けられている。このギヤ付モータ83の減速出力軸には小歯車84が取り付けられ、この小歯車84が多連ホルダ51側の大歯車72に噛合させられている。
【0040】
また、上記枠具82には、多連ホルダ51側の上下2つのローラリング74,75にそれぞれ内接するガイドローラ85,86が取り付けられている。さらに、上記枠具82の上端中央部からは、上記大歯車72の貫通ガイド孔73に挿通する位置決めガイド軸87が垂直に突設されている。このガイド軸87と上記ガイドローラ85,86とにより、多連ホルダ51は物品格納部12内の中央に位置決めされるとともに、その位置決め状態にて水平方向に回転するように案内されている。そして、この状態でもって、上記減速ギヤ付モータ83により、物品を保持しながら回転駆動させられるようになっている。物品は上下に積み重ねられた状態で、多連ホルダ51の回転にしたがって旋回移動させられる。
【0041】
図11から図14はそれぞれ上述した自動販売機10の物品格納状態を展開図により示す。ドラム状の多連ホルダ51には、積み重ね状態の物品50列が円陣配列で格納されているが、この円陣配列の状態を平面展開して示すと、図11〜図14のようになる。図中の矢印は、多連ホルダ51の回転方向すなわち物品50の旋回移動方向を示し、最左端の物品50は次の移動ステップにより最右端に移動するものとする。
【0042】
同図において、多連ホルダ51は物品センサ62が物品を検出するまで回転駆動される。つまり、センサ62がいずれかの物品50を検出すると、その検出位置にて上記モータ83が停止され、これにより、物品50の旋回移動も停止する。ただし、モータ83の駆動回路には連続無検出時間検出タイマが介在させられていて、物品センサ62があらかじめ設定した時間以上連続して物品50を検出しない場合は、そのタイマの制御により、上記モータ83による駆動が停止されるようになっている。
【0043】
ここで、物品50が格納されている状態にて、金銭収受装置33が所定金額の金銭(コイン等)の投入を検出すると、その金銭収受装置33から商品の払出し指令が発せられ、これにより、上記モータ83が駆動されて物品50が旋回移動させられる。金銭投入の検出によるモータ83の駆動は、次の物品50が物品センサ62の検出位置に来るまで行われる。つまり、金銭収受装置33が所定金額の投入を検出するごとに、物品50列が二重床40上を一定ピッチだけ旋回移動させられる。これにより、センサ62の検出位置より先へ送り出された物品50が落とし穴45に落ち込んで物品払出し口34へ搬出(払出し)されるとともに、次の物品50が落とし穴45手前の検出位置に繰り出される。
【0044】
この場合、落し穴45に送り出された物品50の上に物品50が積み重ねられていても、前述した落下制御板61が最下段の物品50とその上の物品50との間に介在することにより、落し穴45に落とし込まれるのは最下段の1本だけである。2段目およびそれより上の段の物品50は、たとえば図11と図12に示すように、次の金銭投入検出によって物品50列が再度一定ピッチだけ繰り出されたときに、その落し穴45を飛び越えた前方にてそれぞれ一段下に落下する。
【0045】
以上のようにして、多連ホルダ51に保持されている物品50が金銭投入ごとに1本ずつ物品払出し口34へ払い出される。そして、図14に示すように、多連ホルダ51に保持されている最後の1本が払い出されると、モータ83は少なとも多連ホルダ51が一周するのに足りる時間だけタイマー駆動された後、停止させられる。なお、金銭収受装置33は上記物品センサ62の検出に連動していて、多連ホルダ51に物品50が残っている場合だけ、金銭投入の受入れを行うように構成されている。
【0046】
物品50の補充は、物品格納部12の上部から天蓋24を開けて行うことができる。このとき、その物品の補充個所は多連ホルダ51のどの場所でもよい。多連ホルダ51に保持された物品50は、図11〜図14に示すように、どの位置にあっても1本残さず払い出すことができる。
【0047】
以上、本発明をその代表的な実施例に基づいて説明したが、本発明は上述した以外にも種々の態様が可能である。
たとえば、自動販売機10の外観形状は、正6角形以外の正多角形状であってもよい。しかし、6角未満の多角形の場合は、角部での無駄なスペースが大きくなり、6角形を越える多角形の場合は、支柱22や透明断熱パネル35等の部点数が多くなるため、スペース効率および構成の合理性においては正6角形が最適で望ましい。冷却サイクル30としては、コンプレッサ、凝縮器、蒸発器による冷却サイクル以外に、ペルチェ素子などの冷却システムも利用可能である。また、本発明による自動販売機は物品を冷却して販売する用途だけではなく、物品を加温して販売する用途にも利用可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、多連ホルダの内側のスペースを有効活用して、物品格納部の略中央に冷却器を配置することによって、物品格納部内の物品を均一且つ効果的に冷却することが可能となる。さらに、一品種の自動販売機として低コストに構成することができるとともに、省スペースで設置の自由度が高いという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による自動販売機の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した自動販売機の外装の一部を取外して示す斜視図である。
【図3】物品格納部の構成部分を取り出して示す斜視図である。
【図4】上部枠部材の構成を示す斜視図である。
【図5】天蓋の斜視図の構成を示す斜視図である。
【図6】図1および図2に示した自動販売機全体の内部を部分的に示す斜視図である。
【図7】物品落し穴付近の構成を部分的に示す斜視図である。
【図8】多連ホルダとその内側を部分的に示す斜視図である。
【図9】多連ホルダの断面方向における要部を抽出して示す。
【図10】多連ホルダの側面方向における要部を抽出して示す。
【図11】自動販売機内における物品格納の第1の状態を示す平面展開図である。
【図12】上記物品格納の第2の状態を示す平面展開図である。
【図13】上記物品格納の第3の状態を示す平面展開図である。
【図14】上記物品格納の第4の状態を示す平面展開図である。
【符号の説明】
10 自動販売機 11 筐体
12 物品格納部(ストック部) 13 機械室
21 正6角形の基台 22 支柱(6本)
23 正6角形の上部枠部材 24 断熱性の円盤状天蓋
25 鍵穴 30 冷却サイクル
31 蒸発器 32 冷却ファン
33 金銭収受装置 34 物品払出し口
35 透明断熱パネル 36 金属製側板
40 二重床 41 断熱板
42 凹底面 43 凸面部
44 床板 45 物品落し穴
46 外側枠部材 47 内側枠部材
50 物品 51 多連ホルダ
52 金属製チャネル材 53 切り起し片
54 水平切欠部 55 矩形の通気窓
60 自動開閉トレー 61 落下制御板
62 物品センサ 70 上部円盤状フレーム
71 下部環状フレーム 72 大歯車
73 貫通ガイド孔 74 ローラリング
75 ローラリング 81 ローラ車輪
82 門型の枠具 83 減速ギヤ付モータ
84 小歯車 85 ガイドローラ
86 ガイドローラ 87 ガイド軸

Claims (4)

  1. 物品格納部に外部からの透視が可能な陳列状態で格納された複数の物品を、金銭収受装置が所定額の金銭投入を検出するごとに払出し口へ順次搬出させる自動販売機において、
    前記物品を前記払出し口へ搬送するための物品落とし穴を有し、前記物品格納部の底面を形成する断熱床と、
    前記断熱床上で、円陣に配列された複数の物品列を保持しながら、販売指令に応じて前記物品落とし穴上に位置する物品列の物品のみが落下するように回転移動するドラム状の多連ホルダと、
    前記多連ホルダの内側に配置され、前記物品格納部を冷却する冷却器と、
    を備えたことを特徴とする自動販売機。
  2. 前記物品格納部には、冷却サイクルを構成する吸熱部が前記冷却器として配置され、前記断熱床の下部には、前記冷却サイクルを構成する放熱部が配置されることを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
  3. 前記多連ホルダの内側に配置され、冷気を上方へ吹き上げることによって前記多連ホルダの内側と外側との間を循環させるファンを、備えたことを特徴とする請求項1または2記載の自動販売機。
  4. 前記断熱床は、層状空間部を有する二重床からなり、前記ファンによって上方へ吹き上げられる冷気は、前記多連ホルダの外側から内側へ前記層状空間部を通って循環することを特徴とする請求項3記載の自動販売機。
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