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JP4037582B2 - 電気手術装置及び電気手術装置の出力制御方法 - Google Patents

電気手術装置及び電気手術装置の出力制御方法 Download PDF

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JP4037582B2
JP4037582B2 JP34369199A JP34369199A JP4037582B2 JP 4037582 B2 JP4037582 B2 JP 4037582B2 JP 34369199 A JP34369199 A JP 34369199A JP 34369199 A JP34369199 A JP 34369199A JP 4037582 B2 JP4037582 B2 JP 4037582B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気手術装置、更に詳しくは高周波電流の出力制御部分に特徴のある電気手術装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気メス等の電気手術装置は、外科手術あるいは内科手術で生体組織の切開や凝固、止血等の処置を行う際に用いられる。
この様な電気手術装置には、高周波焼灼電源装置と、この高周波焼灼電源装置に接続される処置具が設けられており、処置具を患者に接触させて高周波焼灼電源装置から高周波電流を供給することで上記処置を行う。
【0003】
上述した電気手術装置は従来より種々提案されており、例えば特開平8−98845号公報では、凝固する組織の炭化を防止し、組織の電極への付着を防止するため、凝固の終了を組織インピーダンスより判定し、高周波出力を停止する技術が示されている。
また、特開平10−225462号公報の電気手術装置では、特開平8−98845号公報と同様の目的を達成するため高周波出力を低下させる技術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
組織インピーダンスの変化は、組織と電極の接触面積が小さくなる程、速くなって行く。上記特開平8−98845号公報、及び特開平10−225462号公報の電気手術装置では、組織と電極の接触面積が小さい場合、組織インピーダンスの測定、凝固の終了の判定を行っている期間に、組織の炭化及び組織の電極への付着が発生してしまうという問題があった。
【0005】
また、特開平10−225462号公報には、凝固の終了の判定を行った後、高周波電流の出力を停止せず低下させる技術が示されている。この技術により、電気手術装置の凝固の終了の判定後、術者が凝固が不十分と判断した場合、処置を継続できる。
その際には、高周波出力が低下しているため組織の変性のスビードが遅く、術者は所望の凝固状態が得られた時点で処置を終了することが可能になる。
【0006】
しかしながら、組織と電極の接触面積が小さい場合は組織の変性のスピードが速くなり、術者が所望の凝固状態が得られた時点で処置を終了することが難しかった。また、接触面積が大きい場合は組織の変性のスピードが過度に遅くなり、所望の凝固状態が得られるまでの時間が長くなるという問題があった。
【0007】
(発明の目的)
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電極と組織の接触面積によらず、確実に凝固の終了の判定を行い、組織の炭化及び組織の電極への付着を防止できる電気手術装置を提供することを目的としている。
また別の目的は、電極と組織の接触面積によらず、組織の変性のスビードを術者が判断し易い範囲に保ち、凝固状態の判断が容易である電気手術装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気手術装置は、治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から出力される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置において、前記高周波電流発生手段の出力する高周波電流を検出する検出手段と、出力開始の指示に応じて所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始し、その開始後に前記検出手段の検出した前記高周波電流の最大値が第1の閾値以上の場合は、前記設定電力値よりも大きい第1の電力値で前記高周波電流を出力し、さらに、前記開始後に前記検出手段の検出した前記高周波電流の前記最大値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値未満の場合は、前記設定電力値よりも小さい第2の電力値で前記高周波電流を出力するように、前記調節手段を制御する制御手段と、を具備した。
【0009】
また、本発明の電気手術装置の出力制御方法は、治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から出力される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置の出力制御方法において、出力開始の指示に応じて所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始する出力開始工程と、前記高周波電流の出力の開始後に前記高周波電流発生手段の出力する高周波電流を検出する検出工程と、前記検出工程において検出された前記高周波電流の最大値が第1の閾値以上の場合は、前記設定電力値よりも大きい第1の電力値で前記高周波電流を出力し、さらに、前記検出工程において検出された前記高周波電流の前記最大値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値未満の場合は、前記設定電力値よりも小さい第2の電力値で前記高周波電流を出力するように、前記調節手段を制御する制御工程と、を具備した。
【0010】
また、本発明の電気手術装置は、治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から発生される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置において、前記高周波電流発生手段の動作に基づき、前記高周波電流を流した場合の生体組織のインピーダンスを検出する検出手段と、出力開始の指示に応じて凝固処置のための所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始し、その開始後に前記検出手段の検出した前記インピーダンスの最小値が、第1の閾値と該第1の閾値よりも小さい第2の閾値との間の範囲から外れると、前記最小値が前記第1の閾値以上の場合は前記高周波電流が供給される2つの電極と凝固処置対象の前記生体組織との接触面積が所定の面積より小さいとし、その小さい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記所定の設定電力値よりも小さい第1の電力値に変更して出力し、前記最小値が前記第2の閾値以下の場合は前記高周波電流が供給される2つの電極と凝固処置対象の前記生体組織との前記接触面積が前記所定の面積より大きいとし、その大きい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記第1の電力値よりも大きい第2の電力値に変更して出力するように、前記調節手段を制御する制御手段と、を具備した。
また、本発明の電気手術装置の出力制御方法は、治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から発生される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置の出力制御方法において、出力開始の指示に応じて凝固処置のための所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始する出力開始工程と、前記高周波電流の出力の開始後に前記高周波電流発生手段の動作に基づき、前記高周波電流を流した場合の生体組織のインピーダンスを検出する検出工程と、前記検出工程において検出された前記インピーダンスの最小値が、第1の閾値と該第1の閾値よりも小さい第2の閾値との間の範囲から外れると、前記最小値が前記第1の閾値以上の場合は前記高周波電流が供給される2つの電極と凝固処置対象の前記生体組織との接触面積が所定の面積より小さいとし、その小さい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記所定の設定電力値よりも小さい第1の電力値に変更して出力し、前記最小値が前記第2の閾値以下の場合は前記高周波電流が供給される2つの電極と凝固処置対象の前記生体組織との前記接触面積が前記所定の面積より大きいとし、その大きい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記第1の電力値よりも大きい第2の電力値に変更して出力するように、前記調節手段を制御する制御工程と、を具備した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の電気手術装置の第1の実施の形態の高周波焼灼装置の全体構成を示す構成図、図2は高周波焼灼電源装置の構成を示すブロック図、図3は図2の制御回路の制御工程を示すフローチャート、図4(A)及び(B)は高周波電源装置の時間的な変化に対する電力の設定値と電流変化の様子を示す説明図、図5は電流の変化率測定の処理内容の詳細を示すフローチャートを示し、図6は電流最大値と電力の設定値の関係を示す。
【0012】
図1に示すように、本発明の電気手術装置の第1の実施の形態の高周波焼灼装置1は、高周波焼灼電力を供給する高周波焼灼電源装置2を備え、この高周波焼灼電源装置2は先端に電極3を設けた接続ケーブル4とコネクタ部5で接続され、電極3を介してベッド6に載置される患者7に治療のための高周波焼灼電力が供給を供給して治療処置を行えるようにしている。
また、高周波焼灼電源装置2には、高周波焼灼電力のON/OFFの制御操作を行う例えばフットスイッチ8が接続されている。なお、電極3としては、単極、多極いずれの電極を用いても良い。
【0013】
図2に示すように、図示しない商用電源と接続され、直流電源に変換してこの直流電源を供給する直流電源回路11と、直流電源回路11からの直流電源により駆動し、高周波で発振して高周波電力(高周波電流)を発生する高周波発生回路12と、高周波発生回路12に対して出力される高周波電流の波形を制御する波形生成回路13と、高周波発生回路12からの高周波電流を電極3に出力する出力トランス14と、出力トランス14より出力される出力電流を検出する電流センサ15a,15bと、電流センサ15a,15bにより検出された電流値をA/D変換するA/D変換回路16と、A/D変換回路16からのデジタル化された電流データに基づいて直流電源回路11及び波形生成回路13を制御する制御回路17とを備えて構成される。
【0014】
そして、接続ケーブル4をコネクタ部5に接続し、電極3で患者7の患部組織18等に対して高周波焼灼処置を行えるようにしている。
なお、2つの電流センサ15a,15bは例えば電流センサ15aが一方の電極3から患者7(生体組織18)側に流れる電流を検出し、他方の電流センサ15bが他方の電極3から出力トランス14側に回収される電流を検出する。
【0015】
また、制御回路17は切開、凝固等の処置するモードに応じて、波形生成回路13で生成される波形を制御できるようにしている。
【0016】
また、制御回路17にはフットスイッチ8が接続され、フットスイッチ8のONスイッチが踏まれた場合には、制御回路17は高周波電流が出力されるように制御する。またOFFスイッチが踏まれた場合には、高周波電流の出力を停止する。
【0017】
本実施の形態では以下に説明するように制御回路17は患者7の生体組織18に対して高周波処置を行う場合、フットスイッチ8をONして治療のための高周波電流を流した場合に、生体組織18に流れる電流を時間的に監視して、その監視出力に基づき高周波電流の変化量を検出することにより、治療状態の変化量を把握(検出)して高周波電力を調整して変更制御することにより接触面積等に依らず、適切な治療処置を行うようにしている。
【0018】
このため、制御回路17は時間的な電流監視部と、その電流監視部により高周波電流の変化量を検出し、検出された変化量に基づき、高周波電力の調整を行う調整部を制御して電力調整制御を行う電力制御部との機能を備えている。
【0019】
より具体的には、制御回路17はA/D変換回路16からのデジタル化された電流データを時間的に監視するために入力される電流データを時間的に内部のメモリ等に記憶し、電流データの時間的な変化からその電流データが最大値となる値及び最大値に達した後に最大値より少し低下した値の基準値に降下するまで、電流データを監視して組織変性の変化の様子を把握推定し、また電流データの変化率の絶対値を監視する。
【0020】
そして、基準値以下になったら、電流最大値の値から治療処置の状態、より具体的には電極3と生体組織18との治療の接触面積の程度と共に組織変性の進行状態を判断し、判断された接触面積の場合の凝固処置に適した設定出力値に高周波電力を設定するように調整を行い、その設定出力で凝固処置を続行し、かつ凝固終了時に対応した目標値(或いは閾値)の値まで電流が低下したか否かの変化量で(凝固処置に対する治療状態の変化量)を判断し、判断結果に応じて目標値以下に達しない場合には設定出力で凝固処置を続行し、凝固処置の終了時と判断して設定出力を半分程度に低減する電力調節を行うことにより、面積に依存することなく、確実に凝固処置を行えるようにしている。
【0021】
つまり、電極3で把持等した生体組織18との接触面積が小さい場合には、流れる電流の最大値は小さく、接触面積が大きい程、電流の最大値は大きくなる。従って、本実施の形態では電流を時間的に監視して、測定された電流の最大値の値に応じて治療処置の接触面積の大きさの程度を把握して、その把握した値に対応した値の設定出力に可変設定して凝固処置を続行することにより、接触面積の大きさに対応した設定出力で凝固処置を行うことにより、接触面積が異なる場合にも結果的に接触面積に依らず確実に凝固処置を行えるようにしている。
【0022】
また、上記接触面積に応じて可変設定した設定出力で凝固処置を行い、その設定出力の場合での電流の変化量から目標とする凝固処置の終了時を(各設定出力の場合に応じて予め設定した目標値と測定電流値を比較して)判断し、凝固処置の終了時には設定出力を低減する変更制御を行うようにして、接触面積に依存しないで確実に凝固処置を行えるようにしている。
【0023】
また、接触面積が大きい場合には、小さい場合よりも電力を増加させた設定出力で処置を行うことにより、凝固処置に時間がかかりすぎるようなことなく、短縮できるようにしている。また、接触面積が小さい場合には、設定出力を小さくして、組織の変性のスピードを術者が把握し易い範囲に保持し、凝固状態の判断などが容易となるようにしている。
また、測定された電流の変化率(の絶対値)を測定してその値が規定値以下であるかを判定することにより、電極3と生体組織18との接触が不安定となった状態で凝固終了時と誤って判定するような事を防止している。
【0024】
この様に構成された本実施の形態の作用について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
フットスイッチ8が踏まれると、図3に示す出力開始後の処理に従って制御を開始する。
【0025】
具体的にはフットスイッチ8が踏まれると、制御回路17はステップS1で最大電流値Imaxに0を設定する。次のステップS2で、制御回路は出力される電力が設定された設定出力値になる様に、直流電源回路11、波形生成回路13を制御する。
【0026】
図4(A)、(B)は凝固処置を行った場合における高周波電力と高周波電流の時間的な変化の一例を示す。時間がT0の時点で、高周波電力は設定値通りに出力されている。
この後ステップS3の電流Iの測定処理からステップS5までの処理を測定された電流値I(電流Iとも記す)が最大電流値Imax×90%より小さくなるまで繰り返す。
【0027】
つまり、ステップS3の電流Iの測定処理において、高周波電流は電流センサ15a,15bで検出され、A/D変換回路16でデジタルデータに変換されて、電流値Iが制御回路17に渡される。
【0028】
この後、制御回路17は、ステップS4で、電流Iの変化率の絶対値|ΔI|(以下では単に電流Iの変化率|ΔI|と略記)の判定を行う。このステップS4の詳細を図5のステップS21〜S25に示す。
【0029】
変化率判定の処理が開始すると、ステップS21で前回の(電流Iの)測定値と今回の測定値より電流Iの変化率|ΔI|を計算し、予め定められた規定値(或いは閾値)より小さいか否かを判定(比較)する。
【0030】
そして、この変化率|ΔI|が規定値(或いは閾値)より小さいと、この変化率判定の処理を終了して図3のステップS5に移り、逆に|ΔI|が規定値(或いは閾値)より大きければ、変化率|ΔI|が規定値(或いは閾値)より小さくなるまでステップS22からステップS25の処理を繰り返し、ステップS5には進まない。
【0031】
つまり、変化率|ΔI|が規定値(或いは閾値)より大きければ、ステップS22で待ち時間を200msecを設定し、次のステップS23で電流Iの測定を行い、さらに次のステップS24で変化率|ΔI|が規定値(或いは閾値)より大きいかを判定し、これに該当しない(変化率|ΔI|が規定値より小さい)と、次のステップS25に進み、逆にこの条件を満たす(変化率|ΔI|が規定値より大きい)場合にはステップS22に戻る。
【0032】
このようにして、変化率|ΔI|が規定値(或いは基準値)より小さくなった場合には、さらにステップS25で待ち時間の経過を待って、変化率|ΔI|が規定値(或いは閾値)より小さくなって安定した後に、変化率判定の処理を終了して図3のステップS5に進む。
【0033】
ステップS5では、電流Iが電流最大値Imax×90%と比較され、もし電流Iが電流最大値Imax×90%の基準値より小さかったら、次のステップS6に進む。逆に電流最大値Imax×90%より大であれば、ステップS3に戻り、同じ処理を繰り返す。
【0034】
図4(B)の例では時間がT1で電流Iは電流最大値Imaxを取り、その後減少する。時間T2で電流Iが最大値Imax×90%より小さくなるので、時間T2の時点でステップS6では、電流最大値Imaxが0.7Aり小さいか否かの判定処理に進んでいる。この例では時間T1とT2の間の時間TaとTbの間で変化率|ΔI|が規定値(或いは閾値)より大きくなっている。
【0035】
このように時間Taと時間Tbの間で、電流Iが電流最大値Imax×90%より小さくなっているが、ステップS5の電流Iが電流最大値Imax×90%より小さいか否かの判断の前のステップS4、つまり図5のステップS21からステップS25の処理ではステップS5の判断を行っていない。
【0036】
図3のステップS6からステップS7では、それそれ電流最大値Imaxが0.7Aより小さいか、最大値Imaxが0.3Aより小さいかをそれぞれ判断してそれらの条件に対応した結果に応じて電力の変更を行う。
【0037】
ステップS6の最大値Imaxが0.7Aより小さいか否かの判断により、0.7Aより大きいと、ステップS8で接触面積が大きいと判断して電力を設定出力の120%に上昇させる。また、最大値Imaxが0.7A以上で、かつ0.3A以上の大きさの場合にはステップS9に示すように接触面積の大きさが普通であると判断して、電力を設定出力にする。
さらに、最大値Imaxが0.3A未満の場合にはステップS10に示すように接触面積が小さいと判断して電力を設定出力の80%に落とす。
【0038】
電流最大値Imaxと電力の設定値の関係を図6に示す。上述のように測定で検出された電流最大値Imaxの値に応じて、治療状態としての接触面積の大きさの程度を判断して、判断された接触面積に対応した設定電力の値に設定するようにしている。
また、図4(A)、(B)の例では、Imaxが0.3Aより小さかった為、電力が設定の80%まで下げられている。このように電流最大値Imaxの値に応じて、ステップS8〜S10で電力の値が可変設定される。
【0039】
そして、例えばステップS8の後のステップS11で(ステップS3と同じように)電流Iの測定、その次のステップS12で(ステップS4と同じように)変化率|ΔI|の判定、その次のステップS13で電流Iが電流最大値Imax×77%の閾値より小さいか否かで凝固終了時かの判断を行い、これに該当しない場合にはステップS11に戻り、高周波電流を流す状態を継続して凝固処置を続行し、電流最大値Imax×77%より小さくなった場合には凝固処置の終了時と判断してステップS20の電力を設定出力の50%迄低下させる。
【0040】
また、ステップS9の後の、ステップS14からステップS16でも、ステップS3と同様の電流Iの測定と、ステップS4と同様の変化率|ΔI|の判定、電流IがImaxの70%の閾値より小さいか否かで凝固終了時かの判断を行い、これに該当しない場合にはステップS14に戻り、高周波電流を流す状態を継続して凝固処置を続行し、逆にこの条件を満たす場合には凝固処置の終了時と判断してステップS20に進み電力を設定値の50%迄低下させる。
【0041】
また、ステップS10の後のステップS17からステップS19でも、ステップS3と同様の電流Iの測定と、ステップS4と同様の変化率|ΔI|の判定、電流IがImaxの63%の閾値より小さいか否かで凝固終了時かの判断を行い、これに該当しない場合にはステップS17に戻り、高周波電流を流す状態を継続して凝固処置を続行し、逆にこの条件を満たす場合には凝固処置の終了時と判断してステップS25に進み電力を設定の50%迄低下させる。
【0042】
ステップS6からステップS20のステップは、図4(A)、(B)ではT2からT3の期間に当たる。時間T3の時点で電流Iは電流最大値Imaxの63%より小さくなっている為、制御回路17は凝固処置の終了時と判断して電力を設定の50%まで低下させている。
【0043】
本実施の形態は以下の効果を有する。
この様に本実施の形態では、高周波電流の出力の変化量が前記制御回路17からの測定値で決定される為、電極3と組織との接触面積によらず、確実に凝固の終了の判定を行い、組織の炭化及び組織の電極への付着を防止できる。
【0044】
また、電極3と組織との接触面積が極端に大きい場合、凝固に時間がかかる問題点があったが、本実施の形態では、最大電流値が大きい場合には電力を増加させるので、凝固にかかる時間を短縮できる。また、接触面積が小さい場合にはそれに応じて電力を小さくしているので、組織の変性のスピードを術者が判断し易い範囲に保持でき、凝固処置をし易くできる。
本実施の形態では電流値を使用したが、インピーダンスが低い場合に電力を増加させる等、他の測定値を使用しても同様の効果が得られる。
【0045】
更に、電極3と組織との接触が安定しない場合、その影響で組織インピーダンスが変化する。その結果、誤って凝固の終了の判定を行ってしまうという問題点があったが、本実施の形態では電流Iの変化の大きさを判定しているので、電極3と組織との接触が不安定になっても、確実に凝固の終了の判定が出来る。
また、本実施の形態では電流値を使用したが、インピーダンスの変化の大きさによって同様の制御を行う等、他の測定値を使用した場合も同様の効果が得られる。
【0046】
(第2実施の形態)
図7〜図12を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。図7は高周波焼灼電源装置の構成を示すブロック図、図8は電極の拡大図、図9は図7の制御回路の制御工程を示すフローチャート、図10は厚みに応じて設定される閾値を示す説明図、図11は高周波電流を流した場合における時間の経過に対する電力の設定値及びインピーダンスの変化の具体例を示す説明図、図12はインピーダンス最小値に応じて設定される電力の値を示す説明図である。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の形態とほとんど同じ構成であるので、異なる点のみを説明し、同一の構成には同じ符号を付け、その説明を省略する。
【0047】
本実施の形態における高周波焼灼電源装置2′では、図7に示すように、出カトランス14の両端にその両端の電圧を検出する電圧センサ21が取付けられており、電圧センサ21の信号は電流センサ15aの信号と共にA/D変換回路16を介して、制御回路17に入力され、制御回路17は電圧を電流で除したインピーダンスを監視する。
つまり、第1の実施の形態では電流を監視したが、本実施の形態ではインピーダンスを監視するようにしている。
【0048】
また、本実施の形態における電極3には、図8にも示すように、両電極3に、該両電極3間の距離を測定する為の距離センサ22が取付けられており、その信号は接続ケーブル4内の信号線を経て図7のコネクタ部5から高周波焼灼電源装置2′内のA/D変換回路16に距離情報(生体組織18の処置される部分の厚み情報)が入力され、この距離情報(厚み情報)はA/D変換されて、制御回路17に取り込まれる。
【0049】
ここで距離センサ22は、磁気を利用したホールセンサ、反射光を利用する光学的なセンサ、または機械的な接点を持ったセンサ等、任意のセンサが利用可能である。例えば、磁気を利用した場合には、距離センサ22の(2つの)一方が所定の強度の磁気を発生し、他方のホールセンサにより、その磁気の強度に応じた検出出力により距離を検出する。
【0050】
この様に構成された本実施の形態の作用について説明する。制御回路は図9に示すフローチャートに従って制御を行う。
ステップS31からステップS33は第1の実施の形態とほぼ同様である。但し、本実施の形態では、電圧値を電流値で割る事によりインピーダンスZを求め、この値を制御に使用する。
【0051】
具体的にはステップS31でインピーダンスZの最小値(インピーダンス最小値)Zminに0を代入し、次のステップS32で(高周波)電力を設定された出力値に設定し、ステップS33でインピーダンスZの測定を行う。
次のステップS34では、距離センサ22による厚み情報から両電極3で処置される電極3間の組織の厚み(距離)を求め、次のステップS35からステップS39で組織の厚みにより電力を低下させる為の、インピーダンスZの閾値を決定する。
【0052】
具体的には、ステップS35で厚みが5mm未満かを判断し、さらに5mm未満の場合にはステップS36で厚みが1mm未満かを判断し、ステップS35で厚みが5mm未満でない(5mm以上の)場合はステップS37で閾値をインピーダンスZの最小値Zmin×280%に設定し、ステップS36で厚みが1mm未満でない(厚みが1mm以上で5mm未満の)場合にはステップS38で閾値をインピーダンスZの最小値Zmin×200%に設定し、ステップS36で厚みが1mm未満の場合は、ステップS39で閾値をインピーダンスZの最小値Zmin×140%に設定する。
このように設定した厚みと閾値の関係を図10に示す。
【0053】
また、図11(A)、(B)は高周波電力と、インピーダンスZの時間的な変化の一例を示す。ここには、組織と電極の接触面積が小さい場合と、通常面積の場合の2通りで示す。どちらも厚さが1から5mmの間だった為、閾値はZmin×200%となっている。
【0054】
上記ステップS37〜39で厚みに応じた閾値に設定した後、次のステップS40では、インピーダンスZが前述の閾値を上回ったか比較を行う。
そして、上回わらない場合には、ステップS33に戻り、ステップS33〜S39の処理を繰り返し行い、逆にインピーダンスZが前述の閾値を上回った場合には、次のステップS41に移る。
【0055】
ステップS41から45では、インピーダンスZの最小値Zminの値によって決められた値に電力を落とす。
具体的には、ステップS41でインピーダンスZの最小値Zminが300Ω未満であるか判断し、300Ω未満であるとステップS42でインピーダンスZの最小値Zminが60Ω未満であるか判断する。
【0056】
そして、ステップS41でインピーダンスZの最小値Zminが300Ω未満でない(300Ω以上の)場合にはステップS43で電力を設定出力×30%に設定し、インピーダンスZの最小値Zminが300Ω未満でステップS42でさらにインピーダンスZの最小値Zminが60Ω未満でない(つまり60Ωから300Ωの)場合にはステップS44で電力を設定出力×50%に設定し、さらにステップS42でインピーダンスZの最小値Zminが60Ω未満である場合にはステップS45で電力を設定出力×80%に設定する。
このように設定したインピーダンスZの最小値Zminと電力の関係を図12に示す。
【0057】
また、上述の図11(A)、(B)では、面積が小さい場合はインピーダンスZの最小値Zminが300Ω以上、面積が通常面積であった場合はインピーダンスZの最小値Zminが60Ωから300Ωの間であった為、それぞれ設定×30%、設定×50%に電力を低下させている。
【0058】
本実施の形態は以下の効果を有する。
第1の実施の形態の効果に加え、本実施の形態では、高周波電流の出力の変化量が前記制御回路17からの測定値で決定される為、電極3と組織の接触面積によらず、ほぼ同様の組織変性スピードを得る事が出来る。
【0059】
また、組織の厚さが著しく厚い場合、組織インピーダンスの変化量が減少する。通常の条件で判定を行うと、組織の炭化及び組織の電極への付着が発生してしまうような問題点があったが、本実施の形態では厚みを測定しているので、組織の厚みによっても影響をうけず、確実に凝固の終了の判定が出来る。
尚、本実施の形態ではインピーダンス測定と組み合わせたが、電流値の測定等、他の測定値を使用しても同様の効果が得られる。
【0060】
[付記]
1.治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から出力される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置において、
前記高周波電流発生手段の出力する高周波電流の変化量を検出する変化量検出手段と、
前記変化量検出手段で検出された変化量に基づき、前記調節手段を予め設定された状態に変更制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする電気手術装置。
2.治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から出力される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置の出力制御方法において、
前記高周波電流発生手段の出力する高周波電流の変化量を検出する変化量検出工程と、
前記変化量検出工程で検出された変化量に基づき、前記調節手段を予め設定された状態に変更制御する制御工程と、
を具備したことを特徴とする電気手術装置の出力制御方法。
【0061】
3.治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から発生される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置において、
前記高周波電流発生手段の動作に基づき、前記高周波電流による治療状態の変化量を検出する変化量検出手段と、
前記変化量検出手段で検出された変化量に基づき、前記調節手段を予め設定された状態に変更制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする電気手術装置。
4.治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から発生される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置の出力制御方法において、
前記高周波電流発生手段の動作に基づき、前記高周波電流による治療状態の変化量を検出する変化量検出工程と、
前記変化量検出工程で検出された変化量に基づき、前記調節手段を予め設定された状態に変更制御する制御工程と、
を具備したことを特徴とする電気手術装置の出力制御方法。
【0062】
5.治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から出力される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置において、
前記高周波電流発生手段の出力する高周波電流によって治療される被検体のインピーダンスの変化量を検出する変化量検出手段と、
前記変化量検出手段で検出された変化量に基づき、前記調節手段を予め設定された状態に変更制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする電気手術装置。
6.治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から出力される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置の出力制御方法において、
前記高周波電流発生手段の出力する高周波電流によって治療される被検体のインピーダンスの変化量を検出する変化量検出工程と、
前記変化量検出工程で検出された変化量に基づき、前記調節手段を予め設定された状態に変更制御する制御工程と、
を具備したことを特徴とする電気手術装置の出力制御方法。
【0063】
7.高周波電流を発生する発生手段と、
前記高周波電流に関連した物理量(電流、電圧、インピーダンス、電力、位相差)を測定する測定手段と、
前記高周波電流の出力を調整する調整手段と、
前記測定手段からの測定値の変化により、前記高周波電流の出力を変化させるように前記調整手段を制御する制御回路と、
を有し、手術具に前記高周波電流を供給する電気手術装置において、
前記制御回路は、前記高周波電流の出力の変化量を、前記測定手段からの測定値より決定される所望の値になる様に変化させて、前記調整手段を制御することを特徴とする電気手術装置。
【0064】
8.測定手段は電流センサであり、測定値は電流値である付記7の電気手術装置。
9.測定手段からの測定値の最大値及び/または最小値を基に、高周波電流の出力の変化量を決定する7乃至8の電気手術装置。
10.測定手段からの測定値の変化により、高周波電流の出力を変化し、
その際の変化量を、前記測定手段からの測定値の最大値及び/または最小値を基に決定し、
更に測定手段からの測定値の変化により、再度高周波電流の出力を変化する付記9の電気手術装置。
【0065】
11.高周波電流を発生する発生手段と、
前記高周波電流に関連した物理量(電流、電圧、インピーダンス、電力、位相差)を測定する測定手段と、
前記高周波電流の出力を調整する調整手段と、
前記測定手段で測定した過去の測定値から閾値を決定し、現在の測定値と比較し、その結果によって前記高周波電流)出力を変化させるように前記調整手段を制御する制御回路と、
を有し、手術具に前記高周波電流を供給する電気手術装置において、
前記制御回路は、前記測定手段で測定した測定値の変化率より、前記閏値を変更することを特徴とする電気手術装置。
12.高周波電流を発生する発生手段と、
前記高周波電流の出力を調整する調整手段と、
前記調整手段を制御する制御回路と、
前記高周波電流を組織に伝達する少なくとも二つの電極と、
を有する電気手術装置において、
前記電極間の組織の厚さを測定する測定手段と、
制御回路が、前記測定手段からの測定値より、前記高周波電流の出力が変化する様に変化させて、前記調整手段を制卸することを特徴とする電気手術装置。
【0066】
13.付記12において、
高周波電流に関連した物理量(電流、電圧、インピーダンス、電力、位相差)を測定する第二の測定手段を持ち、
制御回路は、電極間の組織の厚さを測定する測定手段と、前記第二の測定手段からの測定値により、前記高周波電流の出力を変化させるように前記調整手段を制御する電気手術装置。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から出力される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置において、
前記高周波電流発生手段の出力する高周波電流の変化量を検出する変化量検出手段と、
前記変化量検出手段で検出された変化量に基づき、前記調節手段を予め設定された状態に変更制御する制御手段と、
を具備しているので、高周波電流の変化量から調節手段により対応した出力状態等に設定することにより、接触面積に依存しないで治療処置を行える。
【0068】
また、治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から出力される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置の出力制御方法において、
前記高周波電流発生手段の出力する高周波電流の変化量を検出する変化量検出工程と、
前記変化量検出工程で検出された変化量に基づき、前記調節手段を予め設定された状態に変更制御する制御工程と、
を具備しているので、高周波電流の変化量から調節手段により対応した出力状態等に設定することにより、接触面積に依存しないで治療処置を行える。
また、治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から発生される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置において、
前記高周波電流発生手段の動作に基づき、前記高周波電流による治療状態の変化量を検出する変化量検出手段と、
前記変化量検出手段で検出された変化量に基づき、前記調節手段を予め設定された状態に変更制御する制御手段と
を具備しているので、前記高周波電流による治療状態の変化量を検出して、調節手段により対応した出力状態等に設定することにより、接触面積に依存しないで治療処置を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気手術装置の第1の実施の形態の高周波焼灼装置の全体構成図。
【図2】高周波焼灼電源装置の構成を示すブロック図。
【図3】図2の制御回路の制御工程を示すフローチャート図。
【図4】高周波電源装置の時間的な変化に対する電力の設定値と電流変化の様子を示す説明図。
【図5】電流の変化率測定の処理内容の詳細を示すフローチャート図。
【図6】電流最大値と電力の設定値の関係を示す図。
【図7】高周波焼灼電源装置の構成を示すブロック図。
【図8】電極の拡大図。
【図9】制御回路の制御工程を示すフローチャート図。
【図10】厚みに応じて設定される閾値を示す説明図。
【図11】高周波電流を流した場合における時間の経過に対する電力の設定値及びインピーダンスの変化の具体例を示す説明図。
【図12】インピーダンス最小値に応じて設定される電力の値を示す説明図。
【符号の説明】
1…高周波焼灼装置
2…高周波焼灼電源装置
3…電極
4…接続ケーブル
5…コネクタ部
8…フットスイッチ
11…直流電源回路
12…高周波発生回路
13…波形生成回路
14…出力トランス
15a,25b…電流センサ
16…A/D変換回路
17…制御回路
21…電圧センサ
22…距離センサ

Claims (8)

  1. 治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から出力される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置において、
    前記高周波電流発生手段の出力する高周波電流を検出する検出手段と、
    出力開始の指示に応じて所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始し、その開始後に前記検出手段の検出した前記高周波電流の最大値が第1の閾値以上の場合は、前記設定電力値よりも大きい第1の電力値で前記高周波電流を出力し、さらに、前記開始後に前記検出手段の検出した前記高周波電流の前記最大値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値未満の場合は、前記設定電力値よりも小さい第2の電力値で前記高周波電流を出力するように、前記調節手段を制御する制御手段と、
    を具備したことを特徴とする電気手術装置。
  2. 治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から出力される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置の出力制御方法において、
    出力開始の指示に応じて所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始する出力開始工程と、
    前記高周波電流の出力の開始後に前記高周波電流発生手段の出力する高周波電流を検出する検出工程と、
    前記検出工程において検出された前記高周波電流の最大値が第1の閾値以上の場合は、前記設定電力値よりも大きい第1の電力値で前記高周波電流を出力し、さらに、前記検出工程において検出された前記高周波電流の前記最大値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値未満の場合は、前記設定電力値よりも小さい第2の電力値で前記高周波電流を出力するように、前記調節手段を制御する制御工程と、を具備したことを特徴とする電気手術装置の出力制御方法。
  3. 治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から発生される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置において、
    前記高周波電流発生手段の動作に基づき、前記高周波電流を流した場合の生体組織のインピーダンスを検出する検出手段と、
    出力開始の指示に応じて凝固処置のための所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始し、その開始後に前記検出手段の検出した前記インピーダンスの最小値が、第1の閾値と該第1の閾値よりも小さい第2の閾値との間の範囲から外れると、前記最小値が前記第1の閾値以上の場合は前記高周波電流が供給される2つの電極と凝固処置対象の前記生体組織との接触面積が所定の面積より小さいとし、その小さい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記所定の設定電力値よりも小さい第1の電力値に変更して出力し、前記最小値が前記第2の閾値以下の場合は前記高周波電流が供給される2つの電極と凝固処置対象の前記生体組織との前記接触面積が前記所定の面積より大きいとし、その大きい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記第1の電力値よりも大きい第2の電力値に変更して出力するように、前記調節手段を制御する制御手段と、
    を具備したことを特徴とする電気手術装置。
  4. 治療用高周波電流を発生する高周波電流発生手段と、前記高周波電流発生手段から発生される高周波電流を調節する調節手段と、を有する電気手術装置の出力制御方法において、
    出力開始の指示に応じて凝固処置のための所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始する出力開始工程と、
    前記高周波電流の出力の開始後に前記高周波電流発生手段の動作に基づき、前記高周波電流を流した場合の生体組織のインピーダンスを検出する検出工程と、
    前記検出工程において検出された前記インピーダンスの最小値が、第1の閾値と該第1の閾値よりも小さい第2の閾値との間の範囲から外れると、前記最小値が前記第1の閾値以上の場合は前記高周波電流が供給される2つの電極と凝固処置対象の前記生体組織との接触面積が所定の面積より小さいとし、その小さい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記所定の設定電力値よりも小さい第1の電力値に変更して出力し、前記最小値が前記第2の閾値以下の場合は前記高周波電流が供給される2つの電極と凝固処置対象の前記生体組織との前記接触面積が前記所定の面積より大きいとし、その大きい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記第1の電力値よりも大きい第2の電力値に変更して出力するように、前記調節手段を制御する制御工程と、を具備したことを特徴とする電気手術装置の出力制御方法。
  5. 前記検出手段の検出した前記高周波電流の出力値の変化率を計算し、計算して得られた前記変化率が、所定の値より小さくなるか否かを判定する判定手段を有し、
    前記制御手段は、前記所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始した後であって、前記判定手段により前記変化率が前記所定の値よりも小さくなったと判定された後に、前記検出手段の検出した前記高周波電流の前記最大値が前記第1の閾値以上の場合は、前記第1の電力値で前記高周波電流を出力し、さらに、前記検出手段の検出した前記高周波電流の前記最大値が前記第2の閾値未満の場合は、前記第2の電力値で前記高周波電流を出力するように、前記調節手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の電気手術装置。
  6. 前記検出工程において検出された前記高周波電流の出力値の変化率を計算し、計算して得られた前記変化率が、所定の値より小さくなるか否かを判定する判定工程を有し、
    前記制御工程は、前記所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始した後であって、前記判定工程において前記変化率が前記所定の値よりも小さくなったと判定された後に、前記検出工程において検出された前記高周波電流の前記最大値が前記第1の閾値以上の場合は、前記第1の電力値で前記高周波電流を出力し、さらに、前記検出工程において検出された前記高周波電流の前記最大値が前記第2の閾値未満の場合は、前記第2の電力値で前記高周波電流を出力するように、前記調節手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の電気手術装置の出力制御方法。
  7. 前記2つの電極間の前記生体組織の厚みを測定する測定手段を有し、
    前記制御手段は、前記所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始した後であって、前記インピーダンスが前記測定手段により測定された前記厚みに応じて設定された所定の閾値以上になった場合に、前記検出手段の検出した前記インピーダンスの前記最小値が前記範囲から外れると、前記最小値が前記第1の閾値以上の場合は前記小さい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記第1の電力値に変更して出力し、前記最小値が前記第2の閾値以下の場合は前記大きい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記第2の電力値に変更して出力するように、前記調節手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の電気手術装置。
  8. 前記電気手術装置が、さらに、前記2つの電極間の前記生体組織の厚みを測定する測定手段を有し、
    前記2つの電極間の前記生体組織の厚みを測定する測定工程を有し、
    前記制御工程は、前記所定の設定電力値で前記高周波電流の出力を開始した後であって、前記インピーダンスが前記測定工程において測定された前記厚みに応じて設定された所定の閾値以上になった場合に、前記検出工程において検出された前記インピーダンスの前記最小値が、前記範囲から外れると、前記最小値が前記第1の閾値以上の場合は前記小さい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記第1の電力値に変更して出力し、前記最小値が前記第2の閾値以下の場合は前記大きい面積に応じた出力で凝固処置が行われるように、前記所定の設定電力値を前記第2の電力値に変更して出力するように、前記調節手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の電気手術装置の出力制御方法。
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