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JP4036946B2 - リフィル容器、用時充填システム、及び、リフィル容器の製造方法 - Google Patents

リフィル容器、用時充填システム、及び、リフィル容器の製造方法 Download PDF

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JP4036946B2 JP36524697A JP36524697A JP4036946B2 JP 4036946 B2 JP4036946 B2 JP 4036946B2 JP 36524697 A JP36524697 A JP 36524697A JP 36524697 A JP36524697 A JP 36524697A JP 4036946 B2 JP4036946 B2 JP 4036946B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は用時充填システムならびにそれに用いる原液補充装置およびリフィル容器に関する。さらに詳しくは、家庭などで少量の原液を小容量の容器に充填して、プロペラントの圧力でその原液を噴霧ないし吐出させうる用時充填システムならびにそれに好適に採用しうる原液補充装置およびリフィル容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエアゾール製品は、耐圧性の容器本体の開口部にエアゾールバルブを取り付け、容器本体内に原液とプロペラントとを充填し、エアゾールバルブのステムに押しボタンを取り付けて構成される包装容器である。このものは押しボタンを押すことによりエアゾールバルブを開放して、充填した原液(半流動体を含む)を噴霧状態、発泡状態あるいは液体のままで噴出させることができる。そして原液がなくなると、残存するプロペラントを抜いた上で、エアゾール製品全体を廃棄する。なお規格上、エアゾール製品として分類されない低圧のプロペラントで吐出するエアゾールタイプのディスペンサ装置についても、上記と同様に使用されている。
【0003】
プロペラントには窒素ガスや空気、炭酸ガスなどの圧縮ガスや、LPG、液化天然ガス、ジメチルエーテル、フロン類などの液化ガスが使用されている。また、プロペラントと原液とを一緒に充填するタイプの通常のエヤゾール製品の外、可撓性を有する内袋や、シリンダとピストンなどで原液とプロペラントとを分離して収容する二重エアゾール製品が使用されている。
【0004】
また、染毛剤や接着剤などでは、複数の原液を分離して収容しておき、使用の直前にそれらの原液を混合して使用するものがある。このような2液混合タイプの原液をエアゾール製品として使用する場合、2本のエアゾール装置に別個に収容しておき、各吐出口から導いた原液を途中で混合させながら1個のスパウトなどから噴出させるようにしている。
【0005】
他方、シャンプーや液体歯磨きなどでは、ポンプを設けた容器が包装容器として使用されている。このものはポンプのピストンを押し込むときにシリンダ内の液体(半流動体を含む)をピストンの上端の吐出口から吐出させ、バネでピストンを戻すときにポンプに設けたチューブで容器内の液体をシリンダ内に吸い上げるようにしている。このようなピストン付きの容器の場合は、内容物を使いきった場合でも、ラミネートシートなどに液体を収容したリフィルパック(詰め替え用パック)から液体を充填して、繰り返し使用することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来使い捨てで使用されていたエアゾール製品あるいはディスペンサ製品を、ポンプ付き容器と同じように、家庭内でも繰り返し使用できるようにすること、とくに使用の直前に使用する分量だけ充填することができるようにすることを技術課題としている。さらに本発明は、そのような用時充填システムに好適に採用しうる原液補充装置およびリフィル容器を提供することを技術課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のリフィル容器は、透光性を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に取り付けたエアゾールバルブと、下端側が容器本体内と連通するように前記エアゾールバルブの内部側に連結した透光性を有するシリンダと、そのシリンダ内に摺動自在に嵌合されるピストンとを備えており、前記シリンダ内のピストン上部に原液が充填され、シリンダ内のピストンの下部およびシリンダと容器本体の間に圧縮ガスが充填され、前記ピストンがシリンダの下端に達したとき、傾くように構成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項2のリフィル容器では、前記ピストンの下面に突起が偏心して突設されている。また請求項3のリフィル容器では、前記容器本体が、有底筒状の合成樹脂製であり、その上端開口部にエアゾールバルブが接着されている。さらに請求項4のリフィル容器では、前記エアゾールバルブに、一定量噴射することができる定量噴射機構を設けている。そして、請求項5のリフィル容器では、前記エアゾールバルブに、エアゾールバルブを開閉操作するための押しボタンを取り付けている。
【0009】
本発明の用時充填システムは、上述した本発明のリフィル容器と、そのリフィル容器のシリンダ内に原液を充填するための原液補充装置とを備えており、前記原液補充装置が、原液を収容するための原液容器と、原液を加圧する手段と、前記リフィル容器のエアゾールバルブの出口側に着脱自在に連結する連結手段とを備えていることを特徴としている。請求項7の用時充填システムは、前記加圧手段が、原液容器の口部に取り付けたポンプである。請求項8の用時充填システムは、前記加圧手段が、原液容器の内部を少なくとも2室に容積可変に隔離する隔壁と、原液を充填する第1室と外部とを連通/遮断操作するバルブと、前記第1室を加圧するべく他室に充填した圧縮ガスとからなる。請求項9の用時充填システムでは、前記原液補充装置に、リフィル容器側からの逆流を遮断する逆止弁が設けられている。
【0010】
本発明のリフィル容器の製造方法は、容器本体と、前記容器本体の開口部に取り付けたエアゾールバルブと、下端側が容器本体内と連通するように前記エアゾールバルブの内部側に連結したシリンダと、そのシリンダ内に摺動自在に嵌合されるピストンとを備えており、ピストンがシリンダの下端に達したとき、ピストンが傾くように構成されたリフィル容器の製造方法であって、エアゾールバルブを介してシリンダ内に圧縮ガスを充填し、それにより、ピストンがシリンダ内を下降し、ピストンが容器本体の底面に当接し、ピストンが傾き、ピストンの上下を連通し、圧縮ガスが容器本体とシリンダとの間の空間に充填され、その後、エアゾールバルブを介してシリンダ内の圧縮ガスを抜き、それにより、ピストンがシリンダ内を上昇し、ピストンがシリンダ内のピストンの上下をシールすることを特徴としている。
請求項11のリフィル容器の製造方法では、前記ピストンの下面に突起が偏心して突設されており、ピストンの下面が容器本体の底面に当接し、ピストンが傾く。また、請求項12のリフィル容器の製造方法では、前記ピストンがシリンダ内を上昇し、ピストンがシリンダ内のピストンの上下をシールした後、エアゾールバルブから原液をシリンダ内に加圧充填する。
【0011】
本発明のリフィル容器の製造方法の第2の態様は、容器本体と、前記容器本体の開口部に取り付けたエアゾールバルブと、下端側が容器本体内と連通するように前記エアゾールバルブの内部側に連結したシリンダと、そのシリンダ内に摺動自在に嵌合されるピストンとを備えたリフィル容器の製造方法であって、底面が平坦な容器本体に、シリンダ及びピストンを挿入し、容器本体の開口部にエアゾールバルブを取り付け、そのエアゾールバルブを介してシリンダ内に圧縮ガスを充填し、それにより、ピストンをシリンダ内で下降させ、ピストンが容器本体の底面に当接し、ピストンの上下を連通し、圧縮ガスが容器本体とシリンダとの間の空間に充填され、エアゾールバルブを介してシリンダ内の圧縮ガスを抜き、その後、容器本体の底部中央に、シリンダと対向するように、かつ、ピストンが下端に下りたときに圧縮ガスがシリンダ内に混入しないように、湾曲突部を形成することを特徴としている。
請求項14のリフィル容器の製造方法では、前記リフィル容器が、ピストンに設けられ、ピストンの上下をシールするピストンシールを備えており、前記ピストンが容器本体の平坦な底面に当接したとき、ピストンシールがシリンダの下端より下方に位置し、前記容器本体の底部中央に湾曲突部を形成した後、ピストンが下端に下りたとき、ピストンシールがシリンダの下端より上方に位置している。また請求項15のリフィル容器の製造方法は、前記湾曲突部を形成した後、エアゾールバルブから原液をシリンダ内に加圧充填する。
【0012】
【作用および発明の効果】
請求項1のリフィル容器は、透光性を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に取り付けたエアゾールバルブと、下端側が容器本体内と連通するように前記エアゾールバルブの内部側に連結した透光性を有するシリンダと、そのシリンダ内に摺動自在に嵌合されるピストンとを備えているため、原液の使用量や残存量がピストンの位置により外部から直ちにわかる。そのため、過度の使用を防止することができ、また再充填すべき時期が容易にわかる。また、再充填の時にリフィル容器が満杯になったことが外部から容易に分かる。さらにシリンダに容量の目盛りや1回の使用量の目盛りを付ける場合は、さらに1回の使用量を正確に計ることができる。また、請求項1のリフィル容器は、前記シリンダ内のピストン上部に原液が充填され、シリンダ内のピストンの下部およびシリンダと容器本体の間に圧縮ガスが充填され、前記ピストンがシリンダの下端に達したとき、傾くように構成されているため、バルブおよびシリンダを介してシリンダと容器本体の間に圧縮ガスを充填するときに、ピストンが下端に達して傾き、シリンダ内とシリンダと容器本体の間の空間が連通状態が向上する。そのため充填作業が容易である。
【0013】
請求項2のリフィル容器では、前記ピストンの下面に突起が偏心して突設されているため、ピストンが容器本体の底面にピストンの突起が当接し、ピストンが傾く。
【0014】
請求項4のリフィル容器では、前記エアゾールバルブに、一定量噴射することができる定量噴射機構を設けているため、エアゾールバルブを開くたびにほぼ一定量の原液を噴射することができる。
【0015】
請求項6の用時充填システムのリフィル容器に原液を充填するには、リフィル容器のバルブの出口側に原液補充装置の連結部を取り付けて、原液補充装置から原液を充填する。そのとき、シリンダ内に原液が充填されるにつれて、ピストンが下降する。そしてシリンダと容器本体の間の空間はその充填量に応じて容積が少なくなり、圧縮ガスが加圧される。充填が完了すると、原液補充装置の連結部を外す。このリフィル容器に押しボタンを取り付け、押しボタンを操作してバルブを開くと、通常のエアゾール製品やディスペンサ製品と同じように、圧縮ガスの加圧力で押しボタンのノズルやスパウトから原液が噴出され、押しボタンを離すと噴出が止まる。
また、リフィル容器の原液を使い切った場合は、再び原液補充装置から原液を補充する。このように請求項6の用時充填システムでは、原液のみ噴出させ、プロペラントである圧縮ガスはピストンで隔離したシリンダと容器本体の間の空間から出さないので、繰り返し使用が可能である。
請求項7の用時充填システムは、原液補充装置として、いわゆるポンプ付き容器を採用している。そのため、原液補充装置への再充填作業が容易であり、何度でも詰め替えることができる。請求項8の用時充填システムは、いわゆる多室容器(あるいは二重エアゾール装置)を原液容器として使用するものであり、使用者はバルブの操作だけで容易に原液を送り出すことができる。また、ポンプ付き容器とは異なり、原液は空気と遮断された状態で保存されるので、空気に接触すると分解したり活性を失う成分を含んだ原液でも利用できる利点がある。
【0017】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明の用時充填システムおよびリフィル容器の実施の形態を説明する。図1は本発明の用時充填システムの一実施形態を示す一部断面側面図、図2aは本発明のリフィル容器の一実施形態を示す断面図、図2bはその充填時の様子を示す要部断面図、図3および図4はそれぞれ本発明に関わるアダプタの実施形態を示す断面図、図5aおよび図5bはそれぞれ本発明に関わるポンプ付き容器の一実施形態およびその操作状態を示す要部断面図、図6は本発明に関わるポンプ付き容器のさらに他の実施形態を示す要部断面図、図7はその操作状態説明図、図8は本発明に関わる原液補充装置の他の実施形態を示す要部側面図、図9はその原液補充装置における二重エアゾール製品を示す断面図、図10は本発明に関わるリフィル容器のさらに他の実施形態を示す断面図、図11aおよび図11bならびに図12aおよび図12bは、図10のリフィル容器に圧縮ガスおよび原液を充填する手順を示す説明図、図13は本発明の用時充填システムのさらに他の実施形態を示す正面図、図14aは本発明のリフィル容器に用いる押しボタンの他の実施形態を示す断面図、図14bおよび図14cはその作動状態を示す説明図、図15aは本発明のリフィル容器に用いる押しボタンのさらに他の実施形態を示す断面図、図15bはその要部拡大断面図、図16および図17はそれぞれ本発明のリフィル容器のさらに他の実施形態を示す要部断面図である。
【0018】
図1の用時充填システムAはリフィル容器1と、原液補充装置2とから構成されている。この実施形態では、リフィル容器1はいわば小容量のエアゾール製品であり、たとえば図2に示す形態を有する。原液補充装置2は、ポンプ付きの容器3と、そのポンプの出口に連結されるチューブ4と、そのチューブの先端に連結されるアダプタ5とからなる。
【0019】
リフィル容器1は図2aに示すように、容器本体7と、その上端開口部にガスケット8を介して取り付けたバルブ9とを備えている。そのバルブのステム10には、押しボタン11が着脱自在に取り付けられている。さらにバルブ9の下端には、シリンダ12が同心状に連結され、そのシリンダ12の内部にピストン13が摺動自在に収容されている。ピストン13はピストンロッドを有しない、いわゆるフリーピストンである。ピストン13の周囲にはピストンシール14が嵌着されている。シリンダ12の上部はバルブ9に取り付けるためにいくらか細くされており、下端は開放されている。ピストン13はその下端側から挿入すればよい。
【0020】
このリフィル容器1の内部は、ピストン13によって、シリンダ12内のピストンから上側の範囲である第1室19と、他の部分である第2室20とに気密状態で容積可変に区画されている。そして第1室に19には噴出させるべき原液Gが充填され、第2室20には圧縮ガスEが充填されている。また、容器本体7の底部中央は、シリンダ12と対向するように湾曲突部7aが突設されているが、これはピストン13が下端に降りたときに、容器本体1の底面よりいくらか離れた状態に維持するためのものである。
【0021】
すなわちこの実施形態では、圧縮ガスEを充填する場合には、図2bに示すように容器本体の底面7bを平坦にしておき、図2aのバルブ9から圧縮ガスEを充填する。それによりピストン13の下端が底面7bに接触した状態ではピストンシール14がシリンダ12の下端より下方に位置し、シリンダの内部と外部とが連通する。そのため、シリンダ12の外部の第2室20に容易に圧縮ガスEを充填することができる。ついでシリンダ12内の圧縮ガスEをバルブ9を通じて抜くと、ピストン13が上昇する。この状態で上記の湾曲突部7aを形成する。そのため、つぎに使用者などがバルブ9からシリンダ12内に原液Gを充填するとき、ピストン13が下端まで下降せず、原液Gが第2室20に漏れたり、圧縮ガスEが原液Gに混入したりしない。なおピストンシール14として逆止弁の作用を奏するものを採用してもよい。その場合はシリンダ12の下端を容器の底部近くまで延ばしてもよい。
【0022】
前記バルブ9は従来公知のものであり、ハウジング15と、そのハウジング内に上下に摺動自在に設けられる前述のステム10と、そのステムを常時上向きに付勢するバネ16と、ハウジング15とステム10の間に介在されるバルブラバー17と、ハウジング15を容器本体に取り付けるためのマウンティングキャップ18とを備えている。なおステム10は上下に摺動するものの外、傾動操作により開弁するものであってもよい。
【0023】
第1室19に充填する原液Gの種類はとくに限定されないが、リフィル容器1が小型であるので、外出時にハンドバッグなどに入れて携帯する医薬品、医薬部外品、化粧品、雑品などが好適である。原液は通常の液体のほか、クリーム状ないしジェル状などの高粘度のもの、発泡するフォーム状のものなど、いずれも使用しうる。
【0024】
前述の医薬品としては、たとえば消炎鎮痛剤、点鼻薬、点眼薬、傷薬などがあり、医薬部外品としては、染毛剤、口内清涼剤、腋臭防止剤、制汗剤、育毛剤、パーマネントウエーブ剤、浴用剤、薬用化粧品、薬用歯磨き、忌避剤、殺虫剤などがあげられる。化粧品としては、ヘアクリーム、ヘアスプレー、ヘアフォーム、ヘアトニック、染毛料などの頭髪用、アフターシェービングローション、一般化粧水、オーデコロン、日焼け(止め)ローションなどの化粧水、クレンジングクリーム、シェービングクリーム、乳液、コールドクリーム、ハンドクリームなどのクリーム類、ベビーオイルなどの化粧用油、パック用化粧品などがあげられる。雑品としては、工業用品、車用品、消臭剤やガラスクリーナなどの家庭用品などがあげられる。
【0025】
圧縮ガスEとしては、空気、窒素ガス、二酸化炭素、亜酸化窒素など、あるいはそれらの混合物などがあげられる。圧縮ガスを充填している第2室20の圧力は、使用目的や原液の粘度などによっても異なるが、たとえば0.05〜1.0MPa 程度、さらに好ましくは0.2〜0.8MPa 程度とする。また原液Gの残量が少なくなっても適切な噴射圧力が維持できるように、圧縮ガスEを充填する第2室20の容積は、全容積(E+G)の30%以上とするのが好ましい。
【0026】
図2のリフィル容器1の容器本体7は透光性を有するもの、たとえば透明ないし半透明の合成樹脂あるいはガラスなどで構成している。シリンダ12も透光性を有する合成樹脂などの材料で構成しており、さらに原液Gの分量の目安となる目盛り12aが設けられている。このように透光性を有する容器本体7およびシリンダ12を採用すれば、ピストン13の位置によって、残存している原液の状態が外部から直ちに分かる。また充填する場合も適量が分かる。ただし本発明のリフィル容器は透光性を有するものに限定されるものではない。なお原液に着色しておいてもよい。
【0027】
図1の原液補充装置2のポンプ付き容器3は、容器本体21と、その上端開口部に取り付けたポンプ22とからなる。容器本体21およびポンプ22は従来公知のものを使用することができるが、ポンプ22は、リフィル容器1に対し、圧縮ガスEの圧力に抗して原液Gを充填できる程度の加圧力を発生するものとする。チューブ4は可撓性を有する合成樹脂製のものが好ましいが、合成樹脂パイプや金属パイプなど、剛性を有するものでもよい。
【0028】
アダプタ5は図3に詳細に示すように、内部に逆止弁24を有する。すなわちアダプタ5は互いにネジで螺合される上半体25および下半体26を有し、上半体25に形成された円柱状の空所27内にボール28とそのボールを上方に付勢するバネ29とが収容されている。空所27の上底面は、ボール28が当接するテーパ状の弁座30とされている。上半体25の上部にはチューブ4と連結するための連結突起31が設けられ、その連結突起31の先端から空所27まで連通孔32が形成されている。下半体26の下面には、リフィル容器1のステム10に嵌合する凹所33が形成され、その凹所から上面まで、連通孔34が形成されている。このアダプタ5は原液Gを原液補給装置2の側からポンプ22によりリフィル容器側に送るときは、ボール28が下方に逃げるのでその流れを妨げない。そしてポンプ22の発生圧力が低下したときは、バネ29の付勢力およびリフィル容器1側からの原液Gの圧力でボール28が弁座30に当接するので、原液Gは逆流しない。
【0029】
上記のごとく構成される図1〜3の用時充填システムAでは、リフィル容器1に原液Gが残存している間は、リフィル容器1は通常のエアゾール製品と同様に使用することができる。すなわち押しボタン11を押していない状態では、容器本体7内の圧縮ガスEの圧力によりピストン13が常時上向きに付勢されており、原液Gにも同等の圧力が加わっている。そして押しボタン11を押すと、ステム10が下降して、バルブラバー17が変形し、ステム10に形成した小孔(図2の符号10a)によってステム10の内部と容器本体7の内部とが連通する。それにより加圧されている原液Gは、ステム10内を通って押しボタン11のノズル(図2の符号11a)ないしスパウトから外部に噴出する。押しボタン11を離すと、バネ16の付勢力により、ステム10が上昇し、元の状態に戻る。
【0030】
原液Gが噴出されると、ピストン13はシリンダ12内を上昇する。そのときの原液Gの残量は、容器本体7およびシリンダ12が透光性を有するので、外部から直ちに分かる。原液Gの残量がなくなったり、少なくなったとき、あるいはつぎに使用するときに原液補充装置2から原液を補充する。すなわちまず押しボタン11をステム10から取り外し、アダプタ5をステム10に取り付ける。そしてアダプタ5でステム10を押し込みながらポンプ付き容器3のポンプ22を操作して、容器本体21内の原液Gをチューブ4を介してリフィル容器1に充填する。そのとき逆止弁24によりリフィル容器1側から原液補充装置2側に原液が逆流することが防止される。
【0031】
上記のようにリフィル容器1は、原液Gがなくなったとき、あるいは使用する直前にその都度充填することができるので、リフィル容器1自体の容量は小さくてよい。したがってリフィル容器1は携帯するのに便利な小型の製品とすることができ、しかも通常のエアゾール製品と同等の押しボタン操作だけで使用することができる。またリフィル容器1自体は何度でも再使用が可能であるので、環境保護の観点からも好ましい。さらにリフィル容器1は常時は原液を充填せず、使用の直前に原液補充装置2から使用する分だけ補充し、使い切るようにすることもできる。その場合はいつも新鮮な原液を使用することができる。さらに2液混合型の原液のそれぞれを別個の原液補充装置に充填しておき、使用する直前に、それぞれ1本のリフィル容器に充填し、撹拌混合した上で噴射させることもできる。2液混合型の原液としては、2液型染毛剤、2液型接着剤、2液反応型化粧品、たとえば水と接触すると活性を示す酵素を含んだしわ伸ばし剤、美白剤などがある。また原液は3液以上であってもよい。
【0032】
図3のアダプタ5ではボール28をバネ29で付勢しているが、下半体26の連通孔34がボール28よりも小径の場合は、バネ29を省略することもできる。また図4のように、連通孔34の径がボール28の径よりも大きい場合は、突条35を放射状に設けるなど、適切な脱落防止手段を設けてボール28の脱落を防止するようにすれば、バネを省略することができる。図3のアダプタ5でバネ29を省略した場合、および図4のアダプタ5Aの逆止弁24Aの逆流防止作用は、前述のバネ29を有する場合と実質的に同じである。
【0033】
図3の場合はアダプタ5に逆止弁24を設けているが、図5のようにポンプ付き容器3A側に逆止弁24Bを設けてもよい。このポンプ付き容器3Aは図5aに示すように、ポンプを操作するためのピストンロッド36を上半体36aと下半体36bとに分割し、その下半体36bの内部に逆止弁24Bを設けている。この逆止弁24Bは、ピストンロッド36の下半体36bに空所27、弁座30および連通孔32を設け、空所27内にボール28およびバネ29を設けることにより構成している。このものにおいては、図5bに示すように、ピストンロッド36の上端のハンドル38を下向きに押し込んで原液を送り出すと、ボール28がバネ29の付勢力に抗して弁座30から離れる。そして図5aのようにピストンロッド36を離すと、リフィル容器側の圧力に対し、ボール28が弁座30に当接して逆流を防ぐ。なお図5の逆止弁24Bについても、バネ29を省略することができ、その場合も実質的に同じ作用効果を奏する。
【0034】
なお図3、図4のアダプタ5側に設けた逆止弁24と、図5のポンプ付き容器3A側に設けた逆止弁24Bとは、いずれか片側があればよいが、両側に設けて2個の逆止弁24、24Bを併存させるようにしてもよい。その場合は一層確実に原液の逆流を防止することができる。
【0035】
図6は上記のポンプ付き容器3、3Aに好適に用いられる定量吐出ポンプの一実施形態を示している。このポンプ40は、容器本体22の上部にパッキン41を介して嵌合されるシリンダ42と、そのシリンダを固定するためのネジキャップ43と、シリンダ42内に摺動自在に収容される中空筒状のピストン44と、そのピストンを常時上向きに付勢するバネ45とを備えている。シリンダ42は上端にフランジ46を備えたカップ状を呈し、下部にはガイド筒部47が上向きに延びるように形成され、そのガイド筒部47の上端外面がピストン44の内面と液密に摺動自在に当接している。ガイド筒部47の下方には、ディップチューブ49を連結する筒状部50が下方に延びるように形成されている。
【0036】
さらにガイド筒部47の内部には、弁体51が上下に移動自在に収容されている。弁体51の下端には突起部52が設けられ、その突起部52は、ガイド筒部47の内面に形成した環状の弁座部53を貫通している。突起部52の下端はいくらか膨らんでおり、それにより弁体51の上下ストロークの上昇端が規制される。また、弁体51の下部のテーパ面54と弁座部53のテーパ面55とは下側のシール面を構成しており、ピストン44の下降時に両者が密接することにより原液の逆流を防ぐと共に、ピストン44の上昇時に開くことにより下方からの原液の吸入を可能としている。
【0037】
ピストン44は筒状の下部ピストン44aと、その上端に所定の範囲で上下移動自在に、かつ入れ子状に嵌合された、筒状の上部ピストン44bとに分かれている。上部ピストン44bの上部は内径を細くした連通孔56とされ、径が大きい部分の内部に、ニードル57が上下に摺動自在に嵌合されている。ニードル57の上端のテーパ面58と上部ピストン44bの内面に形成された段部の角部分59とは、上側のシール面を構成しており、ピストン44の上昇時に両者が密接することにより外部からの吸い込みを防止すると共に、ピストン44の下降時に開くことにより原液の送り出しを可能としている。
【0038】
ピストン44の内部は、前記下側のシール面と上側のシール面との間で区切られる所定容積のポンプ室60となっており、そのポンプ室60内に原液の撹拌用のボール61が収容されている。前記バネ45は下部ピストン44aの外周に設けた環状突起62とシリンダ42の内周面に形成した環状段部63との間に挟持されている。上部ピストン44bの上端には、吐出口64を備えた押しボタン64aないし操作ハンドルが取り付けられている。
【0039】
上記のごとく構成される定量吐出のポンプ40は、図7の左端の撹拌工程S1に示すように、使用の直前に容器本体ごとポンプ40を上下に振ると、ボール61がポンプ室60内の原液Gを撹拌する。それにより原液Gの内容物を充分に撹拌混合することができるので、パウダーを含有する原液など、分離しやすい原液にも使用しうる。なお容器本体22の内部の原液Gも同時に撹拌される。
【0040】
ついで押しボタン64aを押し込んで図7の噴出工程S2を行うことにより、原液をリフィル容器側に送ることができ、さらに押しボタンを押して離す操作により、圧抜き工程S3および吸い込み工程S4の順に行われる。この場合も前述のようにアダプタ4などに逆止弁24を設けているので、原液が逆流してくることもない。
【0041】
前記図3および図4のアダプタ5、5Aおよび図5のポンプ付き容器3Aの実施形態では、いずれもボール弁タイプの逆止弁24、24Bを備えているが、シート弁タイプないしニードル弁タイプの逆止弁であってもよい。
【0042】
前述の実施形態では、原液補充装置として手押し式のポンプ付き容器をあげているが、モータ駆動のポンプ付きの容器であってもよい。その場合は手動によるポンプ操作が不要であるので、リフィル容器への原液補充作業が容易になる。さらに原液補充装置は、容器本体内に原液と共に、あるいは原液と隔離してプロペラントを充填したエアゾール式の原液補充装置であってもよい。その場合もプロペラントの加圧力で原液をリフィル容器に補充することができるので、ポンプ操作が不要で、補充作業が容易である。
【0043】
図8はエアゾール式の原液補充装置65を示している。このものは二重エアゾール製品(多室容器)66と、そのバルブのステム67に取り付けた押しボタン68に連結したチューブ4と、そのチューブ4の先端に連結したアダプタ5とから構成されている。チューブ4およびアダプタ5は図1などに示すものと同じものを使用しうる。二重エアゾール製品66としては、たとえば図9に示すような、容器本体69と、その上端に取り付けたバルブ70と、上端部を容器本体69とバルブ70の間に挟着した可撓性を有する内袋71とからなる従来公知の内袋式のものが用いられる。内袋71の内部には原液Gが充填されており、内袋71と容器本体69との間には圧縮ガスE2が充填されている。
【0044】
このものは図1などのリフィル容器1の押しボタン11を外し、アダプタ5を連結し、アダプタ5を押し込んでリフィル容器のバルブを開きながら二重エアゾール製品66の押しボタン68を押すだけで、原液Gを圧縮ガスE2の圧力でリフィル容器に充填することができる。そのため取り扱いが一層容易である。また押しボタン68を通常のノズルないしスパウトを備えた押しボタンと交換可能に構成する場合は、たとえば家庭内では二重エアゾール製品66から直接原液を噴射させ、出かけるときにはリフィル容器に原液を充填して持ち運ぶといった使用形態も採用することができる。
【0046】
図10は図1のリフィル容器よりも製造が容易なリフィル容器を示している。このリフィル容器1は、有底円筒状の合成樹脂製の容器本体7と、その上端開口部に接着剤あるいは熱接着により接着したバルブ9とを備えている。そのバルブのステム10には、押しボタン11が着脱自在に取り付けられている。さらにバルブ9のハウジングの下端には、いわゆる使い捨てタイプの注射器のシリンダ(シリンジ)12の先端部が嵌合挿入され、接着剤などにより接着固定されている。そのシリンダ12の内部に摺動自在に収容されているピストン13の下面の周縁部近辺には、突起73が突設されている。この突起73はピストン13が下端に来たとき、第1室19と第2室20とを連通するためのものである。
【0047】
すなわち図11aに示す充填前の状態から、図11bのようにバルブ9を介して圧縮ガスEをシリンダ12内に充填すると、ピストン13が下降し、突起73が容器本体7の底面に当接する。その場合、突起73は偏心して設けられているので、ピストン13が傾く。それによりピストン13の上下が連通し、圧縮ガスEは第2室20にも充填される。
【0048】
ついで図12aのようにバルブ9を介してシリンダ12内のピストン13より上側の圧縮ガスEを抜くと、ピストン13はシリンダ12の上端まで上昇する。この状態ではピストン13とシリンダ12の内面がシールされているので、第2室20の圧縮ガスEは抜けない。リフィル容器1は通常この状態で販売される。ただしリフィル容器にあらかじめ原液を充填した状態で販売してもよい。
【0049】
使用者はさらに図12bのように、バルブ9から原液Gをシリンダ12内に加圧充填する。その操作は原液補充装置を用いて行う。その場合、ピストン13がシリンダ12の下端に達しないように注意する。この充填により、第2室20の圧縮ガスEはいくらか圧縮される。このように原液Gを充填した後、原液補充装置のアダプタを外して図10のように押しボタン11を取り付ける。そして押しボタン11を押すことにより原液Gを噴射させることができる。なお図10および図12bでは、理解しやすいように、原液Gの部分にのみハッチングを施している。
【0050】
図1などの実施形態では、チューブ4の先端にアダプタ5を取り付けており、リフィル容器1と原液容器とをチューブで連結して充填するようにしているが、図13に示すように、ポンプ付き容器3のポンプ操作用のハンドルにアダプタ5を設け、チューブを用いずにリフィル容器1をポンプ付き容器3に直接連結するようにしてもよい。なおポンプ付き容器3に代えて、図9のようなエアゾール製品を採用し、その押しボタンにアダプタを設けることもできる。図13の実施形態では、リフィル容器1を上下逆にして、原液容器の出口側、すなわちポンプのハンドルに設けたアダプタ5に連結する。そのためリフィル容器1を押し下げることにより、リフィル容器1のバルブとポンプを同時に操作することができ、リフィル容器1内に原液を充填することができる。図9のようなエアゾール製品を採用する場合も、リフィル容器を押し込むことにより、リフィル容器のバルブとエアゾール製品のバルブを同時に開閉することができる。
【0051】
図14aはリフィル容器1の押しボタンの他の実施形態を示している。この押しボタン11Aは、上端に原液補充装置のアダプタに連結するための供給口75を備えている。そしてバルブ9のステム10と連通する通路76が、ノズル77と連通する通路78と供給口75と連通する通路79のいずれか一方に選択的に連通させ得るように、三方コック80で切り替えられるようにしている。なお供給口75には、外部から内部への流れは許すが逆方向の流れを止める逆止弁81が設けられている。逆止弁81はたとえばボール82とバネ83とから構成することができる。
【0052】
このリフィル容器1は通常の場合は図14bに示すように、ステム10とノズル77とが連通して供給口75を遮断するように三方コック80を切り替えておく。この状態では、押しボタン11Aを押すことにより、リフィル容器1内の原液をノズル77から噴出させることができる。他方、原液を原液補充装置から充填する場合は、図14cに示すように、三方コック80を切り替えて、ステム10と供給口75とを連通させ、ノズル77側の通路78を遮断する。その場合、逆止弁81があるので、内部に残存している原液が外部に噴出することがない。ついで、供給口75に原液供給装置のアダプタを連結して、原液をリフィル容器1に充填する。このようにこの実施形態では、押しボタン11Aを取り外さずに原液を再充填することができる利点がある。
【0053】
図15aに示す押しボタン11Bには、供給口75を塞ぐための蓋85が支軸85aによって回動自在に設けられている。そして前述の三方コック80に代えて、図15bに示すスライド式の切換バルブ(スプール)86により、ステム10と連通する通路76をノズル77と連通する通路78または供給口75と連通する通路79のいずれか一方に選択的に連通させるように構成している。さらにスプール86は蓋85を閉じたときに後退してステム10とノズル77を連通し、蓋85を開けたときに前進してステム10と供給口75とが連通するように、蓋85に対してリンク87で連結されている。このものは供給口75のまわりが汚れず、しかも原液補充装置と連結したときに、三方コックの切換忘れなどによる誤操作を防ぐことができる。なお図14aの押しボタン11Aにおいても、三方コック80を支軸として押しボタン11Aの上方と前方との間で回動する蓋を設けてもよい。その場合も蓋の開閉で三方コックを操作することができる。
【0054】
図16に示すリフィル容器1は、図10のリフィル容器のバルブ9内に定量噴出機構を設けたものである。このようなリフィル容器1は、口腔内に味覚、薬効などを付与する有効成分を1回分ずつ噴出させるためなどに好適に使用される。図16のバルブ9では、ハウジング15内に隙間をあけて有底筒状のガイドブッシュ88が収容されており、ハウジング15とガイドブッシュ88の間に有底筒状の可撓性を有するタンク89が収容されている。ステム10の下端はガイドブッシュ88の底部に形成した孔90を貫通して下方に突出している。タンク89の下端部はステム10の下端が嵌入することにより塞がれる下部シール(下部弁)91となっている。またタンク89の底部はハウジング15とガイドブッシュ88の間をシールしている。ハウジング15の側壁には、容器本体7内と連通する連通孔92が形成されている。ガイドブッシュ88の側壁にも、タンク89内と連通する連通孔93が形成されている。なおタンク89の内壁あるいはガイドブッシュ88の外壁からは複数本の突条ないしリブ94が放射状に突出している。それらのリブ94は、タンク89が内向きに撓んだとき、その形状を安定させるための形状安定材となっている。タンク89はゴム、エラストマー、軟質合成樹脂などから形成しうる。
【0055】
このものは押しボタン11を押すまではガイドブッシュ88の内部とシリンダ12の第2室が連通しているので、タンク89はその内外の圧力がバランスして、図16のように外側に広がった形状になっている。この状態から押しボタン11を押し込むと、ステム10の下端が下部シール91内に嵌入し、シリンダ12とガイドブッシュ88の間がシールされる。さらに押しボタン11を押すと、ステム10の上部の小孔10aがガイドブッシュ88内と連通し、ガイドブッシュ88内およびタンク89内の原液がステムおよび押しボタンのスパウトを通って外部に噴出する。そしてガイドブッシュ88内が大気圧と同程度まで減圧すると、噴出が止まる。したがって1回の噴射量は、ガイドブッシュ88およびタンク89の容積により制限され、定量噴出作用が奏される。
【0056】
上記の噴出作用のとき、タンク89の外側はハウジングの連通孔で容器内の内圧と同じで、タンク89内はガイドブッシュ88内と同じ圧力である。そのためその圧力差によりタンク89は弾力的に収縮変形し、その分だけガイドブッシュ88内の圧力降下が遅くなる。すなわちタンク89はいわばアキュムレータ(蓄圧器)の作用を奏し、ガイドブッシュ88の容積が少ない場合でも、比較的安定した定量噴出作用が奏される。またタンク89とガイドブッシュ88の間の放射状のリブ94により、タンク89が収縮したときの形状が安定しているので、一層安定した定量噴出作用が奏される。
【0057】
なお上記の定量噴出機構において、ガイドブッシュ88を通常のハウジングと考えることもでき、その場合は上記のハウジング15はタンク89を保護する保護カバーと考えることができる。したがってタンク89はハウジングの外側ないしはバルブの外部に設けた定量噴出機構であるともいえる。
【0058】
図17のリフィル容器1はハウジング15の下部にステム10の下端部によって塞がれる下部シール91を設けている点では図16のリフィル容器と同じであるが、ハウジング15の外側に管路96を経由してタンク89を連結している点で異なる。このタンク89は側面の中央部に断面円弧状の環状の空室97を形成した本体98と、その本体の周囲に嵌合させたゴムなどの弾性変形可能な円筒体99と、その外側に設けたカバー100とから構成されている。このものの定量噴出作用は図16のリフィル容器の場合と同じである。すなわち押しボタン11を押してステム10の下部が下部シール91を塞いだ後は、ハウジング15およびタンク89内の原液が、もとの内圧およびタンク89の円筒体99の弾性変形に基づく加圧作用により、外部に噴出する。このものも図16のリフィル容器と同じく、口腔内へ薬液を噴出させるためなどに利用することができる。
【0059】
【実施例】
図11aのリフィル容器(シリンダ容積6ml)に対し、図11bの要領で圧力0.15MPa となるまで圧縮空気を充填し、ついで図12aのようにシリンダ内の圧縮空気を排出した。さらに原液補充装置と連結して、図12bのようにして5mlの乳液を充填した。原液補充装置の加圧圧力は0.3MPa とした。ついでバルブに押しボタンを取り付けて、乳液を全量噴出させた。さらに前述と同様にして、乳液の充填と噴出とを10回繰り返したところ、滞りなく繰り返し噴出させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の用時充填システムの一実施形態を示す一部断面側面図である。
【図2】 本発明のリフィル容器の一実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明に関わるアダプタの一実施形態を示す断面図である。
【図4】 本発明に関わるアダプタの一実施形態を示す断面図である。
【図5】 図5aおよび図5bはそれぞれ本発明に関わるポンプ付き容器の一実施形態およびその操作状態を示す要部断面図である。
【図6】 本発明に関わるポンプ付き容器のさらに他の実施形態を示す要部断面図である。
【図7】 図6のポンプ付き容器の操作状態説明図である。
【図8】 本発明に関わる原液補充装置の他の実施形態を示す要部側面図である。
【図9】 図8の原液補充装置における二重エアゾール製品を示す断面図である。
【図10】 本発明に関わるリフィル容器のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図11】 図11aおよび図11bは図10のリフィル容器に圧縮ガスを充填する手順を示す説明図である。
【図12】 図12aおよび図12bは、図11bの状態のリフィル容器から圧縮ガスを排出して原液を充填する手順を示す説明図である。
【図13】 本発明の用時充填システムのさらに他の実施形態を示す正面図である。
【図14】 図14aは本発明のリフィル容器に用いる押しボタンの他の実施形態を示す断面図、図14bおよび図14cはその作動状態説明図である。
【図15】 図15aは本発明のリフィル容器に用いる押しボタンのさらに他の実施形態を示す断面図、図15bはその要部拡大斜視図である。
【図16】 本発明のリフィル容器のさらに他の実施形態を示す要部断面図である。
【図17】 本発明のリフィル容器のさらに他の実施形態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
A 用時充填システム
1 リフィル容器
2 原液補充装置
3 ポンプ付き容器
4 チューブ
5 アダプタ
7 容器本体
9 バルブ
11 押しボタン
12 シリンダ
13 ピストン
19 第1室
20 第2室
G 原液
E 圧縮ガス
21 容器本体
22 ポンプ
24 逆止弁
5A アダプタ
24A 逆止弁
3A ポンプ付き容器
24B 逆止弁
11A 押しボタン
11B 押しボタン
89 タンク
91 下部シール

Claims (15)

  1. 透光性を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に取り付けたエアゾールバルブと、下端側が容器本体内と連通するように前記エアゾールバルブの内部側に連結した透光性を有するシリンダと、そのシリンダ内に摺動自在に嵌合されるピストンとを備えており、前記シリンダ内のピストン上部に原液が充填され、シリンダ内のピストンの下部およびシリンダと容器本体の間に圧縮ガスが充填され、前記ピストンがシリンダの下端に達したとき、傾くように構成されている、リフィル容器。
  2. 前記ピストンの下面に突起が偏心して突設されている、請求項1記載のリフィル容器。
  3. 前記容器本体が、有底筒状の合成樹脂製であり、その上端開口部にエアゾールバルブが接着されている、請求項1記載のリフィル容器。
  4. 前記エアゾールバルブに、一定量噴射することができる定量噴射機構を設けている、請求項1記載のリフィル容器。
  5. 前記エアゾールバルブに、エアゾールバルブを開閉操作するための押しボタンを取り付けている、請求項1記載のリフィル容器。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載のリフィル容器と、
    前記リフィル容器のシリンダ内に原液を充填するための原液補充装置とを備えており、
    前記原液補充装置が、原液を収容するための原液容器と、原液を加圧する手段と、前記リフィル容器のエアゾールバルブの出口側に着脱自在に連結する連結手段とを備えている、用時充填システム。
  7. 前記加圧手段が、原液容器の口部に取り付けたポンプである、請求項6記載の用時充填システム。
  8. 前記加圧手段が、原液容器の内部を少なくとも2室に容積可変に隔離する隔壁と、原液を充填する第1室と外部とを連通/遮断操作するバルブと、前記第1室を加圧するべく他室に充填した圧縮ガスとからなる、請求項6記載の用時充填システム。
  9. 前記原液補充装置に、リフィル容器側からの逆流を遮断する逆止弁が設けられている、請求項6記載の用時充填システム。
  10. 容器本体と、前記容器本体の開口部に取り付けたエアゾールバルブと、下端側が容器本体内と連通するように前記エアゾールバルブの内部側に連結したシリンダと、そのシリンダ内に摺動自在に嵌合されるピストンとを備えており、ピストンがシリンダの下端に達したとき、ピストンが傾くように構成されたリフィル容器の製造方法であって、
    エアゾールバルブを介してシリンダ内に圧縮ガスを充填し、それにより、ピストンがシリンダ内を下降し、ピストンが容器本体の底面に当接し、ピストンが傾き、ピストンの上下を連通し、圧縮ガスが容器本体とシリンダとの間の空間に充填され、
    その後、エアゾールバルブを介してシリンダ内の圧縮ガスを抜き、それにより、ピストンがシリンダ内を上昇し、ピストンがシリンダ内のピストンの上下をシールする、リフィル容器の製造方法。
  11. 前記ピストンの下面に突起が偏心して突設されており、ピストンの下面が容器本体の底面に当接し、ピストンが傾く、請求項10記載のリフィル容器の製造方法。
  12. 前記ピストンがシリンダ内を上昇し、ピストンがシリンダ内のピストンの上下をシールした後、エアゾールバルブから原液をシリンダ内に加圧充填する、請求項10記載のリフィル容器の製造方法。
  13. 容器本体と、前記容器本体の開口部に取り付けたエアゾールバルブと、下端側が容器本体内と連通するように前記エアゾールバルブの内部側に連結したシリンダと、そのシリンダ内に摺動自在に嵌合されるピストンとを備えたリフィル容器の製造方法であって、
    底面が平坦な容器本体に、シリンダ及びピストンを挿入し、
    容器本体の開口部にエアゾールバルブを取り付け、
    そのエアゾールバルブを介してシリンダ内に圧縮ガスを充填し、それにより、ピストンを シリンダ内で下降させ、ピストンが容器本体の底面に当接し、ピストンの上下を連通し、圧縮ガスが容器本体とシリンダとの間の空間に充填され、
    エアゾールバルブを介してシリンダ内の圧縮ガスを抜き、
    その後、容器本体の底部中央に、シリンダと対向するように、かつ、ピストンが下端に下りたときに圧縮ガスがシリンダ内に混入しないように、湾曲突部を形成する、リフィル容器の製造方法。
  14. 前記リフィル容器が、ピストンに設けられ、ピストンの上下をシールするピストンシールを備えており、
    前記ピストンが容器本体の平坦な底面に当接したとき、ピストンシールがシリンダの下端より下方に位置し、前記容器本体の底部中央に湾曲突部を形成した後、ピストンが下端に下りたとき、ピストンシールがシリンダの下端より上方に位置している、請求項13記載のリフィル容器の製造方法。
  15. 前記湾曲突部を形成した後、エアゾールバルブから原液をシリンダ内に加圧充填する、請求項13記載のリフィル容器の製造方法。
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