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JP4036012B2 - 経路案内システム、経路案内を行うクライアント端末、同クライアント端末と通信を行うサーバ、経路案内方法及び経路一致判定方法 - Google Patents

経路案内システム、経路案内を行うクライアント端末、同クライアント端末と通信を行うサーバ、経路案内方法及び経路一致判定方法 Download PDF

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JP4036012B2 JP2002059525A JP2002059525A JP4036012B2 JP 4036012 B2 JP4036012 B2 JP 4036012B2 JP 2002059525 A JP2002059525 A JP 2002059525A JP 2002059525 A JP2002059525 A JP 2002059525A JP 4036012 B2 JP4036012 B2 JP 4036012B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センタ内のサーバとクライアント端末との間で通信を行い、同クライアント端末の利用者に対して出発地から目的地までの経路案内を行う経路案内システム、クライアント端末、サーバ、経路案内方法、及び経路一致判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両等に搭載されたナビゲーション装置等の経路案内装置(クライアント端末)が情報センタ(サーバ)と情報(データ)の送受信を行い、これにより経路案内装置の有するデータを補充して、出発地Pから目的地Gまでの経路案内をより適正に行う経路案内システムが提案されている。ところが、このようなシステムにおいては、情報センタからナビゲーション装置に送信される情報量(データ量)が大きく、通信コストが高くなるという問題がある。
【0003】
特開2000−18955号公報に開示されたシステムは、このような問題に対処するものであって、同システムの情報センタは、利用者が過去に通過したことのない経路に関する情報のみを同経路案内装置に送信し、同利用者が過去に通過したことのある経路に関する情報は同経路案内装置に送信しないようにすることで、送信データ量の低減を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示された情報センタは、経路案内装置が同情報センタと実質的に同一の経路に関する情報を有している場合であっても、利用者が過去に通過したことのない経路であれば、同情報を同経路案内装置に送信するため、結果として、送信するデータ量を十分に低減できないという問題を有している。本発明の目的は、経路案内装置(クライアント端末)の有するデータを有効に利用することで、情報センタから同経路案内装置に送信されるデータ量を削減し得る経路案内システム、クライアント端末、サーバ、経路案内方法、及び経路一致判定方法を提供することにある。
【0005】
【本発明の概要】
以下、本発明の概要について、サーバ及びクライアント端末を備えた経路案内システムを代表例として説明し、このシステムを構成するサーバ、クライアント端末、及び同システムの実行する方法に係る発明についての説明は同システムについての説明をもって代用する。
【0006】
本発明の特徴の一つは、センタ内のサーバとクライアント端末との間で通信を行い、同クライアント端末の利用者に対して出発地から目的地までの経路案内を行う経路案内システムであって、前記サーバは、サーバ側データベースと、前記サーバ側データベース内の情報を用いて前記出発地から前記目的地までの経路であるサーバ経路を案内地点とともに求めるサーバ経路決定手段とを含み、前記クライアント端末は、クライアント端末側データベースと、前記クライアント端末側データベース内の情報を用いて前記出発地から前記目的地までの経路であるクライアント経路を案内地点とともに求めるクライアント経路決定手段とを含み、前記サーバ又は前記クライアント端末は、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かを、少なくとも同サーバ経路の案内地点の位置と同クライアント経路の案内地点の位置とを比較することにより判定する比較判定手段を含み、更に、前記クライアント端末は、前記サーバ経路についての前記サーバ側データベース内の情報と前記クライアント経路についての前記クライアント端末側データベース内の情報とを選択的に利用して前記経路案内を行う経路案内手段であって、前記比較判定手段が前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致すると判定した同隣接する案内地点間の経路については前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行う経路案内手段を備えたことにある。なお、上記サーバ経路決定手段を含むサーバと、上記比較判定手段を含むサーバは、必ずしも物理的に一体のものである必要はなく、互いに通信可能に接続された物理的に別のコンピュータからなっていてもよい。
【0007】
これによれば、サーバは自己のデータベースであるサーバ側データベース内の情報(データ)を用いて出発地から目的地までの経路であるサーバ経路を求める。このサーバ経路には案内地点が含まれている。クライアント端末は、自己のデータベースであるクライアント端末側データベース内の情報(データ)を用いて前記出発地から前記目的地までの経路であるクライアント経路を求める。このクライアント経路にも案内地点が含まれている。
【0008】
一方、サーバ又はクライアント端末に備えられた比較判定手段により、前記サーバ経路の案内地点の位置と前記クライアント経路の案内地点の位置とが比較されて、同サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と同クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かが判定され、その判定結果に基いて前記サーバ経路に関する前記サーバ側データベース内の情報と前記クライアント経路に関する前記クライアント端末側データベース内の情報とが選択的に利用され、これにより経路案内が実行される。
【0009】
従って、少なくとも、サーバ経路の案内地点とクライアント経路の案内地点とが一致して、クライアント経路の隣接する案内地点間の経路がサーバ経路の隣接する案内地点間の経路と実質的に同一であると判定される場合には、クライアント経路に関するクライアント端末側の情報を有効に利用することが可能となるので、サーバからクライアント端末に対して送信されるサーバ経路に関するデータ量(情報量)を低減することが可能となる。
【0010】
この場合において、前記比較判定手段は、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かを、少なくとも同サーバ経路の前記隣接する案内地点のうちの退出側案内地点の位置と同クライアント経路の前記隣接する案内地点のうちの退出側案内地点の位置、及び同サーバ経路の前記隣接する案内地点のうちの進入側案内地点の位置と同クライアント経路の前記隣接する案内地点のうちの進入側案内地点の位置をそれぞれ比較することにより判定するように構成され、前記経路案内手段は、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致すると判定された場合、同隣接する案内地点間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成されることが好適である。
【0011】
これによれば、退出側案内地点の位置、及び各退出側案内地点に隣接している進入側案内地点の位置がサーバ経路とクライアント経路とで一致しているとき、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致すると判定され、一致すると判定された場合には、同隣接する案内地点間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報が利用されて前記経路案内が行われる。従って、前記隣接する案内地点間のサーバ経路に関する情報をクライアント端末に送信する必要がないので、サーバからクライアント端末に対して送信される情報量を低減することができる。
【0012】
この場合において、前記比較判定手段は、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かを、同サーバ経路の退出側案内地点からの退出方向と同クライアント経路の退出側案内地点からの退出方向、及び同サーバ経路の進入側案内地点への進入方向と同クライアント経路の進入側案内地点への進入方向をそれぞれ比較することで判定するように構成されることが好適である。
【0013】
サーバ経路決定手段によりサーバ経路の上で互いに隣接する案内地点A(退出側案内地点)から案内地点B(進入側案内地点)に向う経路が得られ、クライアント経路決定手段によりクライアント経路上で互いに隣接する案内地点a(退出側案内地点)から案内地点b(進入側案内地点)に向う経路が得られたとする。このとき、案内地点Aの位置と同案内地点Aに対応する案内地点aとの位置(緯度、経度等により表されるがこれに限定されない)とが一致し、案内地点Bの位置と同案内地点Bに対応する案内地点bとの位置とが一致したとしても、両案内地点内に例えば2つの道路が実在する場合には、その間の経路(道路)が一致するとは限らない。
【0014】
そこで、上記のように、案内地点Aからの退出方向と案内地点aからの退出方向が一致し、且つ、案内地点Bへの進入方向と案内地点bへの進入方向とが一致するかを更に判定するように構成すれば、両案内地点A〜B間の経路と、両案内地点a〜b間の経路とが一致していることをより精度よく判定することができる。また、上記案内地点A〜Bのサーバ経路と、上記案内地点a〜bのクライアント経路が一致する場合、同案内地点a〜bのクライアント経路につていのデータを使用して同案内地点A〜Bのサーバ経路についてのデータを使用したときと同じ経路案内が実行できるので、同案内地点A〜Bのサーバ経路に関するデータをクライアント端末に送信する必要がなく、サーバからクライアント端末に送信する情報量を低減することができる。
【0015】
また、前記比較判定手段は、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かを、同サーバ経路の隣接する案内地点間の距離と同クライアント経路の隣接する案内地点間の距離を比較することで判定するように構成されることが好適である。
【0016】
これによれば、隣接する案内地点間の距離がサーバ経路とクライアント経路とで等しいか否かを判定するので、同案内地点間のサーバ経路とクライアント経路が一致しているか否かをより精度良く判定することができる。
【0017】
また、前記比較判定手段は、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かを、同サーバ経路の隣接する案内地点間の道路の種類と同クライアント経路の隣接する案内地点間の道路の種類を比較することで判定するように構成されることが好適である。上記道路の種類には、高速道路、国道、県道等の道路種別と国道1号線、国道2号線等の同一道路種別下での道路の属性とを含む(以下、同じ。)。
【0018】
例えば、一般道路の直上に高速道路が併設されている場合、隣接する案内地点の位置、同案内地点間の距離、退出側案内地点からの退出方向、及び進入側案内地点への進入方向の総てが同じとなり得るが、案内すべき経路としては異なっている。従って、このような場合、上記のように案内地点間の道路の種類を比較することにより、同案内地点間のサーバ経路とクライアント経路が一致しているか否かをより精度良く判定することができる。
【0019】
また、前記比較判定手段は、前記サーバ経路の案内地点に一致する前記クライアント経路の案内地点に隣接する同クライアント経路の案内地点であって同サーバ経路の総ての案内地点と不一致の案内地点が同サーバ経路上に存在するか否かを検索する検索手段を含み、前記経路案内手段は、前記検索手段により前記クライアント経路の前記不一致の案内地点が前記サーバ経路上に存在すると判定されたとき、前記サーバ経路の案内地点に一致する前記クライアント経路上の案内地点と同不一致の案内地点との間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成されることが好適である。
【0020】
これによれば、クライアント経路の任意の案内地点がサーバ経路の案内地点の一つに一致し、前記クライアント経路の任意の案内地点に隣接する同クライアント経路の案内地点であって同サーバ経路の総ての案内地点と不一致の案内地点が同サーバ経路上に存在すると判定されたとき、前記クライアント経路上であって前記サーバ経路の案内地点に一致する案内地点と同不一致の案内地点との間の経路については、サーバ経路の同区間に対応する経路と一致していると判断できるので、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内が行われる。従って、この区間については、サーバ側データベースの情報をクライアント端末に送信する必要がないので、サーバからクライアント端末へ送信される情報量を低減することができる。
【0021】
同様に、前記比較判定手段は、前記クライアント経路の案内地点に一致する前記サーバ経路の案内地点に隣接する同サーバ経路の案内地点であって同クライアント経路の総ての案内地点と不一致の案内地点が同クライアント経路上に存在するか否かを検索する検索手段を含み、前記経路案内手段は、前記検索手段により前記サーバ経路の前記不一致の案内地点が前記クライアント経路上に存在すると判定されたとき、前記クライアント経路の案内地点に一致する前記サーバ経路上の案内地点と同不一致の案内地点との間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成されることが好適である。
【0022】
これによれば、サーバ経路の任意の案内地点がクライアント経路の案内地点の一つに一致し、前記サーバ経路の任意の案内地点に隣接する同サーバ経路の案内地点であって同クライアント経路の総ての案内地点と不一致の案内地点が同クライアント経路上に存在すると判定されたとき、前記サーバ経路上であって前記クライアント経路の案内地点に一致する案内地点と同不一致の案内地点との間の経路については、クライアント経路の同区間に対応する経路と一致していると判断できるので、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内が行われる。従って、この区間については、サーバ側データベースの情報をクライアント端末に送信する必要がないので、サーバからクライアント端末へ送信される情報量を低減することができる。
【0023】
本発明の他の特徴は、センタ内のサーバとクライアント端末との間で通信を行い、同クライアント端末の利用者に対して出発地から目的地までの経路案内を行う経路案内システムであって、前記サーバは、サーバ側データベースと、前記サーバ側データベース内の情報を用いて前記出発地から前記目的地までの経路であるサーバ経路を案内地点とともに求めるサーバ経路決定手段とを含み、前記クライアント端末は、クライアント端末側データベースと、前記求められたサーバ経路の案内地点についての情報を前記サーバから取得するとともに、同取得した案内地点についての情報で特定される隣接する案内地点の一つを退出側案内地点とし他の一つを進入側案内地点とする経路であるクライアント経路を前記クライアント端末側データベース内の情報を用いて求める案内地点間経路決定手段と、前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致するか否かを判定し、一致する場合、前記隣接する案内地点間については前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うとともに、一致しない場合、前記隣接する案内地点間についての一部又は全部の区間についての情報を前記サーバから取得して、同取得した情報に基いて前記経路案内を行う経路案内手段とを含んだことにある。
【0024】
これによれば、サーバは、サーバ側データベース内の情報を用いて出発地から目的地までの経路であるサーバ経路を求める。この経路には案内地点が含まれている。また、クライアント端末は、前記サーバ経路の案内地点についての情報をサーバから取得するとともに、クライアント端末側データベース内の情報を用いて前記サーバから取得した案内地点についての情報で特定される隣接する案内地点間の経路であるクライアント経路を求める。このクライアント経路を求めるときには、前記案内地点の一つが退出側案内地点とされ、前記案内地点の他の一つが進入側案内地点とされる。
【0025】
そして、クライアント端末は、前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致するか否かを判定し、一致する場合、前記隣接する案内地点間については前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うとともに、一致しない場合、前記隣接する案内地点間についての一部又は全部の区間についての情報を前記サーバから取得して、同取得した情報に基いて前記経路案内を行う。この取得する前記隣接する案内地点間についての一部又は全部の区間についての情報は、経路案内を行うに必要な最低限の情報を含んでいれば十分であるが、同情報を含む同区間周辺の地図データであってもよい。
【0026】
従って、少なくとも、前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致する部分については前記クライアント端末側データベース内の情報が利用され、その部分についての情報をサーバからクライアント端末へ送信する必要がないので、サーバからクライアント端末へ送信する情報量を低減することができる。また、クライアント端末は、サーバ経路の隣接する案内地点毎にクライアント経路を求めるので、出発地から目的地までの経路をクライアント端末側データベース内の情報を用いて一時に求める場合に比べ、サーバ経路とクライアント経路とが一致する可能性が高くなる。この意味においても、上記構成によれば、サーバからクライアント端末へ送信される情報量を低減することが可能となる。
【0027】
この場合において、前記クライアント端末の経路案内手段は、少なくとも、前記案内地点間経路決定手段により求められたクライアント経路に前記退出側案内地点及び前記進入側案内地点以外の他の中間案内地点が存在せず、且つ、同求められたクライアント経路の距離と前記隣接する案内地点間の前記サーバ経路の距離が一致するとき、前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致すると判定するように構成されることが好適である。
【0028】
サーバ経路の隣接する案内地点間について求めたクライアント経路が、同サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と一致するならば、同求められたクライアント経路上に他の中間案内地点は存在しないはずである。従って、求められたクライアント経路に前記他の中間案内地点が存在しないとき、前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とは一致している蓋然性が高い。ただし、前記他の中間案内経路が存在しない場合であっても、前記隣接する案内地点間に2つの異なる道路が実在する場合には、その間の経路(道路)が一致するとは限らない。その一方、経路(道路)が異なれば、それら隣接する案内地点間の距離は異なるはずである。
【0029】
そこで、上記のように、求められたクライアント経路上に他の中間案内地点が存在せず、且つ、同求められたクライアント経路の案内地点間の距離と前記サーバ経路の案内地点間の距離が一致するとき、前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致すると判定するように構成することで、サーバ経路に沿った経路案内を確実に行うことができる。
【0030】
また、前記クライアント端末の経路案内手段は、少なくとも、前記案内地点間経路決定手段により求められたクライアント経路に前記退出側案内地点及び前記進入側案内地点以外の他の中間案内地点が存在せず、同求められたクライアント経路の距離と前記隣接する案内地点間の前記サーバ経路の距離とが一致し、且つ、同クライアント経路の道路の種類と同隣接する案内地点間の前記サーバ経路の道路の種類とが一致するとき、前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致すると判定するように構成されることも好適である。
【0031】
例えば、一般道路の直上に併設された高速道路が存在している場合には、経路(道路)が異なっていても、前記求められたクライアント経路に前記他の中間案内地点が存在せず、求められたクライアント経路の距離と前記隣接する案内地点間の前記サーバ経路の距離とが一致する。従って、上記構成のように、道路の種類が一致するか否かを判定項目に加えることで、経路の違いをより確実に区別することが可能となる。
【0032】
また、この場合において、前記クライアント端末の経路案内手段は、前記案内地点間経路決定手段により求められたクライアント経路に前記他の中間案内地点が存在する場合、同他の中間案内地点と同中間地点に隣接する前記進入側案内地点又は同中間地点に隣接する前記退出側案内地点についての情報を前記サーバに送信するように構成され、前記サーバは、前記クライアント端末から送信された情報により、同他の中間案内地点から同他の中間地点に隣接する前記進入側案内地点までの経路、又は同他の中間地点から同他の中間地点に隣接する前記退出側案内地点までの経路が前記サーバ経路上に存在するか否かを前記サーバ側データベース内の情報に基いて判定し、同判定結果に応じて同他の中間案内地点から同他の中間地点に隣接する前記進入側案内地点までの経路、又は同他の中間地点から同他の中間地点に隣接する前記退出側案内地点までの経路についての情報を前記クライアント端末に送信するように構成されることが好適である。
【0033】
サーバ経路の隣接する案内地点に対して求められたクライアント経路に他の中間案内地点が存在する場合、同クライアント経路と同サーバ経路とは異なっている。しかしながら、前記他の中間案内地点がサーバ経路上に存在し、同他の中間案内地点から同他の中間地点に隣接する前記進入側案内地点までの経路、又は同他の中間地点から同他の中間地点に隣接する前記退出側案内地点までの経路がサーバ経路上の一部と一致するならば、同区間については、クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うことが可能であり、従って、同区間の経路についての情報は前記クライアント端末に送信せず、残りの区間の経路についての情報をクライアント端末に送信するように構成することで、サーバからクライアント端末に送信される情報量を低減することができる。
【0034】
本発明の他の特徴は、サーバ側データベースを備えたサーバとクライアント端末側データベースを備えたクライアント端末との間で通信を行い、前記クライアント端末の利用者に対して出発地から目的地までの経路案内を前記サーバ側データベース及び前記クライアント端末側データベースの情報を選択的に利用しながら実行する経路案内システムであって、前記クライアント端末は、少なくとも前記出発地と前記目的地とを特定するための情報を前記サーバに送信する目的地送信手段と、前記出発地に隣接する案内地点である第1案内地点となり得る地点を前記クライアント端末側データベース内の情報を検索することにより第1案内候補地点として求める第1案内候補地点検索手段とを含み、前記サーバは、前記クライアント端末から送信された前記出発地及び前記目的地を特定するための情報に基いて同出発地から同目的地までの経路であるサーバ経路を前記サーバ側データベース内の情報を用いて求めるサーバ経路決定手段と、前記求めたサーバ経路に含まれる案内地点についての情報を前記クライアント端末に送信する案内地点情報送信手段とを含み、更に、前記クライアント端末は、前記求められたサーバ経路の案内地点についての情報を受信し、前記求めた第1案内候補地点の中に同受信したサーバ経路の案内地点についての情報により特定される前記第1案内地点と一致する地点が存在するか否かを判定し、同第1案内地点と一致する同第1案内候補地点が存在する場合、前記出発地から同第1案内地点との間について前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うとともに、同第1案内地点と一致する同第1案内候補地点が存在しない場合、同出発地から同第1案内地点との間についての情報を前記サーバから取得して前記経路案内を行う経路案内手段を含んだことにある。
【0035】
これによれば、クライアント端末は、少なくとも出発地と目的地とを特定するための情報を前記サーバに送信するとともに、前記出発地に隣接する案内地点である第1案内地点となり得る地点をクライアント端末側データベース内の情報を検索することにより第1案内候補地点として求める。前記出発地はクライアント端末にとって既知である。従って、クライアント端末はこの第1案内候補地点をクライアント側データベース内の情報のみを用いて求めることができる。換言すると、クライアント端末は、サーバから何らかの情報を取得する前の段階から、第1案内候補地点を求める処理を開始することができる。
【0036】
一方、サーバは、前記クライアント端末から送信された前記出発地及び前記目的地を特定するための情報に基いて、同出発地から同目的地までの経路であるサーバ経路を前記サーバ側データベース内の情報を用いて求める。一般に、このような経路を求めるためには、単なるデータ検索よりも複雑で時間を要する経路計算と呼ばれる処理が必要である。従って、クライアント端末は、サーバがサーバ経路を求めている間に、前記第1案内候補地点の検索を開始することにより、同検索を総べて終了するか、又は、少なくとも同検索の一部を終了することができる。
【0037】
また、クライアント端末は、サーバがサーバ経路を求めた後、同サーバ経路の案内地点についての情報を受信し、前記第1案内候補地点の中に同取得したサーバ経路の案内地点についての情報により特定される前記第1案内地点(サーバ経路の第1案内地点)と一致する地点が存在するか否かを判定する。
【0038】
そして、クライアント端末は、サーバ経路の第1案内地点と一致する第1案内候補地点が存在する場合、前記出発地から同第1案内地点(即ち、前記一致した第1案内候補地点)との間について前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うとともに、同サーバ経路の第1案内地点と一致する同第1案内候補地点が存在しない場合、同出発地から同第1案内地点との間についての情報を前記サーバから取得して前記経路案内を行う。
【0039】
このように、クライアント端末は、サーバがサーバ経路を求めている間に前記第1案内候補地点の検索を開始することで、同サーバ経路の案内地点についての情報を受信したとき、第1案内候補地点の検索を総べて終了するか、又は、少なくとも同検索の一部を終了していることができるから、同受信時点から短時間内に、前記出発地から前記第1案内地点との間について利用すべき情報が前記クライアント端末側データベース内に存在するか、前記サーバ側データベース内に存在するかを判定することができる。この結果、クライアントは、経路案内が要求されてから(即ち、出発してから)短期間内に、少なくとも第1案内地点についての情報を迅速に取得することができるから、利用者に対して適切な経路案内を行うことができる。また、サーバ経路の第1案内地点と一致する同第1案内候補地点が存在し、クライアント端末側データベース内の情報を利用できるとき、同区間の情報が送信されることがなく、結果として、サーバ経路の案内地点を特定するための情報のみが通信されることになるので、通信される情報量を低減することができる。
【0040】
この場合、第1案内候補地点の中にサーバ経路の第1案内地点と一致する地点が存在するか否かを判定するためには、前記第1案内地点の位置と前記第1案内候補地点の位置とが一致するか否かについての判定を行うようにすることが好適である。
【0041】
更に、第1案内候補地点の中にサーバ経路の第1案内地点と一致する地点が存在するか否かを判定するためには、前記第1案内地点への進入方向と前記第1案内候補地点への進入方向とが一致するか否かについての判定、前記第1案内地点に対する前記出発地からの退出方向と前記第1案内候補地点に対する前記出発地からの退出方向とが一致するか否かについての判定、前記出発地と前記第1案内地点間の距離と前記出発地と前記第1案内候補地点間の距離とが一致するか否かについての判定、及び前記出発地と前記第1案内地点間の道路の種類と前記出発地と前記第1案内候補地点間の道路の種類とが一致するか否かについての判定のうちの少なくとも一つの判定を行うようにすることが好適である。
【0042】
これらによれば、上述した理由と同様の理由により、第1案内地点と各第1案内候補地点とが一致するか否かを精度よく判定することが可能となる。
【0043】
本発明の他の特徴は、サーバ側データベースを備えたサーバとクライアント端末側データベースを備えたクライアント端末との間で通信を行い、前記クライアント端末の利用者に対して出発地から目的地までの経路案内を前記サーバ側データベース及び前記クライアント端末側データベースの情報を選択的に利用しながら実行する経路案内システムであって、前記クライアント端末は、少なくとも前記出発地と前記目的地とを特定するための情報を前記サーバに送信する目的地送信手段を含み、前記サーバは、前記クライアント端末から送信された前記出発地及び前記目的地を特定するための情報に基いて同出発地から同目的地までの経路であるサーバ経路を前記サーバ側データベース内の情報を用いて求めるサーバ経路決定手段と、前記求めたサーバ経路に含まれる案内地点についての情報を前記クライアント端末に送信する案内地点情報送信手段とを含み、更に、前記クライアント端末は、前記サーバ経路の案内地点についての情報を前記サーバから取得するとともに、同取得した案内地点についての情報により特定される案内地点のうちの任意の案内地点から前記目的地に向う側に隣接する案内地点である隣接案内地点となり得る地点を前記クライアント端末側データベース内の情報を検索することにより隣接案内候補地点として求める隣接案内候補地点検索手段と、前記求めた隣接案内候補地点の中に前記任意の案内地点から前記目的地に向う側に隣接する案内地点であって前記取得した案内地点についての情報により特定されるサーバ経路の隣接案内地点と一致する地点が存在するか否かを判定し、同サーバ経路の隣接案内地点と一致する同隣接案内候補地点が存在する場合、前記任意の案内地点から同サーバ経路の隣接案内地点との間について前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うとともに、同サーバ経路の隣接案内地点と一致する同隣接案内候補地点が存在しない場合、同任意の案内地点から同サーバ経路の隣接案内地点との間についての情報を前記サーバから取得して前記経路案内を行う経路案内手段とを含んだことにある。
【0044】
これによれば、クライアント端末は、少なくとも出発地と目的地とを特定するための情報を前記サーバに送信する。サーバは、そのクライアント端末から送信されてきた前記出発地及び前記目的地を特定するための情報に基いて、同出発地から同目的地までの経路であるサーバ経路を前記サーバ側データベース内の情報を用いて求める。一般に、このような経路を求めるためには、単なるデータ検索よりも複雑で時間を要する経路計算と呼ばれる処理が必要である。そして、サーバは、前記求めたサーバ経路に含まれる案内地点についての情報を前記クライアント端末に送信する。
【0045】
一方、クライアント端末は、前記求められたサーバ経路の案内地点ついての情報を受信するとともに、同受信した案内地点についての情報により特定される案内地点のうちの任意の案内地点から目的地に向う側に隣接する案内地点である隣接案内地点となり得る地点を前記クライアント端末側データベース内の情報を検索することにより隣接案内候補地点として求める。この処理は、データの検索処理であるから、隣接する案内地点間の経路計算に比べても短時間内に終了する場合が多い。
【0046】
そして、クライアント端末は、隣接案内候補地点の中に前記受信した案内地点についての情報により特定されるサーバ経路の隣接案内地点と一致する地点が存在するか否かを判定し、その判定結果に応じて、前記任意の案内地点から同サーバ経路の隣接案内地点との間について前記クライアント端末側データベース内の情報を利用するか、又は同区間についての情報を前記サーバから取得し、同取得した情報を利用して前記経路案内を行う。
【0047】
従って、クライアント端末は、計算負荷が大きく比較的長い時間を要する経路計算を行うことなく単なるデータ検索を行うことにより、利用すべき経路の情報を決定し且つ同情報を取得することができるから、経路案内を迅速且つ的確なタイミングにて遂行することが可能となる。
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明による経路案内システムの各実施形態について説明する。図1に全体構成を示した第1実施形態に係る経路案内システムは、「経路融合アルゴリズム」と称するアルゴリズムを実行して経路案内を行うものであって、各車両に搭載された経路案内装置としてのナビゲーションユニット10と、情報センタ20内のコンピュータとを含んで構成されている。
【0048】
ナビゲーションユニット10は、図2に示したように、マイクロコンピュータ11を主たる構成としていて、このマイクロコンピュータ11は互いにバスで接続されたCPU11a、ROM11b、RAM11c、及び入出力インターフェース11dを含んでいる。CPU11aは、ROM11bに格納された後述するプログラム(ルーチン)を、RAM11cのデータ格納機能を利用しながら実行するようになっている。なお、本明細書において、ナビゲーションユニット10はクライアント端末10又は移動端末10とも呼ばれ、コンピュータ11は単にクライアントとも呼ばれる。
【0049】
また、ナビゲーションユニット10は、前記CPU11aへの信号の入出力が可能となるように前記入出力インターフェース11dに接続されたGPS装置12、地上波通信装置13、表示装置14、音声装置15、外部メモリ16、及び操作部17とを含んで構成されている。
【0050】
GPS装置12は、図1に示したGPS用衛星31、32、33からのGPS信号を受信するアンテナ12aと接続されていて、所定時間の経過毎に同アンテナ12aを介して受信したGPS信号により自己の車両が存在している位置を特定し、同特定した車両位置Pに関するデータをマイクロコンピュータ11に送信するようになっている。
【0051】
地上波通信装置13は、地上波用のアンテナ13aと接続されていて、図1に示した情報センタ20からの無線信号を受信するとともに、マイクロコンピュータ11の指示に従って同情報センタ20に所定の情報を送信するようになっている。表示装置14は、図示しないディスプレイを含んでいて、マイクロコンピュータ11の指示信号に従って必要な地図情報等を表示するようになっている。音声装置15は、スピーカ15aと接続されていて、マイクロコンピュータ11の指示に従って必要な音声を発生するようになっている。
【0052】
外部メモリ16は、ハードディスク、MO等からなるデータベース(クライアント端末側データベース)であり、経路に関するデータを含む地図データ、及びプログラム等の必要な情報を格納していて、同データ等をマイクロコンピュータ11に供給するとともに、CPU11aの指示に応じて必要な情報を格納するようになっている。操作部17は、操作スイッチを含んでいて、目的地Gの入力、及び経路の選択等の指示を行うことができるようになっている。
【0053】
そして、各車両のナビゲーションユニット10は、車両(ナビゲーションユニット10)の利用者により目的地Gが入力されたとき、同目的地Gとともに、その車両を特定するIDコード(以下「車両ID」という。)と同車両の車両位置Pとを情報センタ20に送信するようになっている。また、ナビゲーションユニット10は、経路案内を実行する際、情報センタ20と後述する種々のデータ交換(情報の通信)を行って、適切な経路案内を行うようになっている。
【0054】
情報センタ20には、図3に示したコンピュータ21が備えられている。このコンピュータ21は、互いにバスで接続されたCPU21a、ROM21b、RAM21c、ハードディスク21d、及び入出力インターフェース21eを含んでいる。なお、このコンピュータ21は、本明細書においてサーバとも呼ばれる。
【0055】
CPU21aは、ROM21b又はハードディスク21dに格納された後述するプログラム(ルーチン)を、RAM21cのデータ格納機能を利用しながら実行するようになっている。また、CPU21aは、前記入出力インターフェース21eを介し、地上波通信装置22、有線通信装置23、及びデータベース24と接続されている。
【0056】
地上波通信装置22は、アンテナ22aを備え、同アンテナ22aを介して車両のナビゲーションユニット10からの信号を受信してコンピュータ21に提供するとともに、同コンピュータ21の指示に従って経路に関する情報を同ナビゲーションユニット10に送信するようになっている。有線通信装置23は、図示しない気象情報センタ等の他のセンタと接続されていて、これらのセンタからの情報をコンピュータ21の指示に従って受信し、同受信した結果を同コンピュータ21に提供するようになっている。
【0057】
データベース(サーバ側データベース)24は、データの読み書きが可能な外部記憶装置であって、最新地図データ、最新交通情報(広域)等のデータを蓄積するようになっている。前記地図情報には、道路形状及び周辺の店舗や建築物情報を始め、経路計算(経路決定)のためのデータ等が含まれている。経路計算のためのデータには、各道路Xに対して付与された道路番号Rn、各道路Xの形状、各道路Xの両端の地点を示すノードnn、同ノードnnの位置(緯度x、経度y、高度z)、各道路Xの距離(隣接するノードnn間の距離)LX、及び、各道路Xの種別(高速道路、有料道路、国道、県道、一般道路)と道路Xの属性(高速道路であればその高速道路の名称、国道であれば国道の号線番号)等を含んでいる。なお、道路種別と道路属性とを「道路の種類」と総称する。
【0058】
次に、上記経路案内システムの作動について説明すると、ナビゲーションユニット10のコンピュータ11、即ちクライアントは、車両の利用者がナビゲーションユニット10に対して目的地Gを入力すると、図4にフローチャートにて示したクライアント実行ルーチンを実行するようになっている。一方、情報センタ20のコンピュータ21、即ち、サーバは、所定時間の経過毎に図5にフローチャートにより示したサーバ実行ルーチンを繰り返し実行するようになっている。
【0059】
従って、利用者が目的地Gまでの経路案内を希望して、同目的地Gをナビゲーションユニット10に入力すると、クライアントはステップ400から処理を開始してステップ405に進み、その車両を特定する車両ID、現在位置である出発地P、及び目的地Gをサーバに送信する。
【0060】
次いで、クライアントはステップ410に進み、同ステップ410にて出発地P、目的地G、及びクライアント端末側データベース16内のデータに基づいて同出発地Pから同目的地Gまでの経路を計算により決定する(求める。)。なお、以下において、クライアントがクライアント端末側データベースを用いて決定する経路をクライアント経路という。
【0061】
上記経路の計算(決定)について具体的に述べると、クライアントは出発地Pに最も近いノードnPから目的地Gに最も近いノードnGまでの経路を例えば合計距離の小さいものから所定の個数だけ選択し、各経路について指標値Costを下記数1に従って計算する。
【0062】
【数1】
Cost=Σ[Li・f(Ri)+g{n(Ri,Rj)}]
【0063】
ここで、Liは道路Riの距離であり、f(Ri)は道路Riの種類に応じて決められている所定値である。道路Riの種類とは、例えば、高速道路、有料道路、国道、県道、他の一般道路等の道路の種別であり、f(Ri)は、例えば、高速道路である場合に最も小さく、次いで、有料道路、国道、県道、他の一般道路の順に次第に大きな値となっている。また、g{n(Ri,Rj)}は道路Riと道路Rjとが連接するノードn(Ri,Rj)を通過する際の運転負荷(ターン,曲がり具合)に応じて決定される所定値である。通過する際の運転負荷とは、道路Riから道路Rjに移行するために必要とされる進行方向の変化であり、g{n(Ri,Rj)}は、その運転の困難性に基づいて、例えば、Uターンに対する値が最も大きく、次いで、右折、左折、直進等の順に次第に小さな値となっている。従って、本例においては、指標値Costは、目的地までの所要時間に比例して大きくなるように計算され、クライアントは、この指標値Costが最も小さい経路をクライアント経路として決定する。なお、上記経路決定方法は一例であり、これに限定されるものではない。
【0064】
図6(A)は、このようにして決定されるクライアント経路の一例を示している。この例では、案内地点はC1〜C7である。案内地点とは、図7に示したように、県道1から国道1へ、或いは国道2から有料道路へというように、道路種別が変化する場合のノードna、nb、又は国道1から国道2というように道路種別が同一であっても道路属性(道路種類)が変化する場合のノードnc等、利用者に対して案内を行う必要があるノード(地点)のことをいう。
【0065】
次いで、クライアントはステップ415に進み、サーバ経路の案内地点情報を受信したか否か判定し、受信していなければ同ステップ415を繰り返し実行する。サーバ経路とは、サーバがサーバ側データベース24を用いて、上記クライアント経路の決定手法と同様の方法を用いて決定する経路のことをいう。
【0066】
一方、サーバは所定のタイミングにて図5のステップ500からステップ505に進み、同ステップ505にて車両ID、出発地P、及び目的地Gを受信したか否かを判定するとともに、車両ID、出発地P、及び目的地Gを何れの車両からも受信していなければステップ505にて「No」と判定してステップ595に進み、本ルーチンを一旦終了する処理を繰り返し実行している。
【0067】
このため、利用者が目的地Gをクライアントに入力することで、車両ID、出発地P、及び目的地Gがサーバに送信され、サーバがこれらを受信すると、同サーバはステップ505に進んだとき「Yes」と判定してステップ510に進み、同ステップ510にて出発地Pから目的地Gまでのサーバ経路を決定する。図6(B)は、このように決定されたサーバ経路の一例を示していて、この例では案内地点はS1〜S4である。次いで、サーバはステップ515にて前記決定したサーバ経路の案内地点情報をステップ505で受信した車両IDにより特定される車両に送信する。案内地点情報とは、図8に示したように、案内地点であるノードnの位置POS(緯度x,経度y,高度z)、同ノードnへの進入方向(進入方位)、及び同ノードnからの退出方向(退出方位)と、図7に示した隣接する案内地点間の道路の距離Lのことである。
【0068】
上記ステップ515にてサーバからクライアントにサーバ経路の案内地点情報が送信されると、クライアントはステップ415にて「Yes」と判定し、ステップ420に進んでクライアント経路の案内地点情報と送信されてきたサーバ経路の案内地点情報とを比較することにより、サーバ経路の案内地点であってクライアント経路の案内地点となっている案内地点を特定する。
【0069】
このとき、クライアントは、サーバ経路の任意の隣接する案内地点とクライアント経路の任意の隣接する案内地点とについて、各案内地点(ノードn)の位置POS(x,y,z)、進入方向、退出方向、及び同隣接する案内地点間の距離Lが一致するか否かを判定し、これら総てが一致するとき(実質的に一致する場合も含む。)、そのクライアント経路の前記隣接する案内地点は、対応する前記サーバ経路の隣接する案内地点に一致しているものと判定し、同隣接する案内地点間のクライアント経路データ(同経路についてのクライアント端末側データベース16の情報)は利用可能であると決定する。
【0070】
図6に示した例においては、C1=S1(出発地P)、C2=S2、C6=S3、C7=S4(目的地G)であるから、クライアント経路のC1〜C2、及びC6〜C7については、同クライアント経路データが利用可能であると決定される(図6(C)の実線を参照)。
【0071】
次いで、クライアントはステップ425に進み、前記ステップ420において利用可能であると決定されたクライアント経路データの端部にある案内地点(図6の例では、案内地点C2,C6)と、同案内地点に隣接するクライアント経路の案内地点(即ち、前記サーバ経路の案内地点に一致する前記クライアント経路の案内地点(C2,C6)に隣接する同クライアント経路の案内地点であって同サーバ経路の総ての案内地点と不一致の案内地点であり、図6の例では案内地点C3,C5)の案内地点情報をサーバに送信する。
【0072】
一方、サーバはステップ520及びステップ525を実行することにより、前記ステップ515の実行から一定時間以内にクライアント経路の案内地点(前記不一致の案内地点)の案内地点情報を受信したか否かを判定している。従って、クライアントが上記ステップ425の処理を実行すると、サーバはクライアント経路の案内地点の案内地点情報を受信するから、ステップ520にて「Yes」と判定してステップ530に進み、受信したクライアント経路の前記不一致の案内地点がサーバ経路上に存在するか否かを判定する。具体的には、その位置に対応するサーバ経路上のノードを検索し、且つ、同ノードから同ノードと隣接する退出側案内地点又は隣接する進入側案内地点までの距離と、前記不一致の案内地点から同不一致の案内地点と隣接する退出側案内地点又は隣接する進入側案内地点までの距離が一致するとき、同不一致の案内地点が同サーバ経路上に存在すると判定する。
【0073】
次いで、サーバはステップ535に進んでその検索・判定結果を前記車両IDで特定される車両に送信する。図6の例においては、サーバ経路上にクライアント経路の案内地点C3と一致するノードS5が図6(C)に示したサーバ経路上に存在しているが、クライアント経路の案内地点C5と一致するノードは同サーバ経路上に存在していないので、サーバはその旨をクライアントに送信する。
【0074】
このとき、クライアントは図4のステップ430にてサーバからの判定結果を受信したか否かを繰り返し判定している。従って、サーバから上記判定結果が送信されると、クライアントはステップ430にて「Yes」と判定してステップ435に進み、同ステップ435にて受信した判定結果に基き利用可能なクライアント経路データを拡張(延長)する。即ち、前記検索・判定結果が、前記クライアント経路の前記不一致の案内地点が前記サーバ経路上に存在するとの内容であれば、前記クライアント経路上であって前記サーバ経路の案内地点に一致する案内地点と同不一致の案内地点との間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように決定する。これにより、図6の例においては、クライアント経路データのうち案内地点C1〜C2〜C3、及びC6〜C7が経路案内のために利用可能なデータとして最終的に決定される。
【0075】
次いで、クライアントはステップ440に進み、利用可能であると決定されたクライアント経路データの端部の案内地点(サーバ経路の案内地点であってクライアント経路の案内地点に一致する案内地点)に隣接するサーバ経路の案内地点がクライアント経路上に存在しているか否かを判定し、そのような案内地点がクライアント経路上に存在しているとの判定が得られると、ステップ445に進んで利用可能なクライアントデータ経路を同案内地点まで拡張する。なお、このステップ440での判定方法は、先に説明したステップ530の判定方法と同様である。また、ステップ440にて「No」と判定される場合には、クライアントはステップ450に直接進む。
【0076】
ここで、上記ステップ440,445の理解を容易にするため、図9に示した例を用いて説明すると、図9(A)はクライアント経路、図9(B)はサーバ経路である。この例では、図9(C)に示したように、ステップ420にてクライアント経路データのうち案内地点C11〜C12、及びC13〜C14が利用可能であると判定される。そして、上記ステップ425〜435の処理においては、利用可能であると決定されたクライアント経路データの端部の案内地点C12,C13に隣接する同クライアント経路の案内地点はC12,C13であって、クライアント経路に他の案内地点が存在しないので、利用可能なクライアント経路データは延長されない。
【0077】
一方、上記ステップ440によれば、利用可能であると決定されたクライアント経路データの端部の案内地点C12,C13に隣接するサーバ経路の案内地点S13,S15がクライアント端末側データベース内に存在しているか否かが判定され、案内地点S13に対応する案内地点C15がクライアント端末側データベース16内に存在しているので、利用可能なクライアント経路データ(クライアント端末側データベース16内の同クライアント経路に関する情報であって利用可能な情報)は案内地点C11〜C12〜C15,及びC13〜C14に拡張(決定)される。
【0078】
このように、利用可能なクライアント経路データが拡張された後、クライアントはステップ450に進み、同ステップ450にてクライアント経路データが利用できない部分のサーバ経路についての詳細データをサーバに要求する。即ち、図6の例では、案内地点S5(C3)〜S3(C6)の部分の詳細データの要求が行われ、図9の例では、案内地点S13(C15)〜S14〜S15〜S16(C13)の部分の詳細データの要求がなされる。
【0079】
このとき、サーバはステップ540及びステップ545を実行することにより、前記ステップ535の実行から一定時間以内にクライアントからクライアント経路が利用できない部分のサーバ経路の詳細データの要求を受信したか否かを判定している。
【0080】
従って、クライアントがサーバに対し前記サーバ経路の詳細データの要求を行うと、サーバはステップ540にて「Yes」と判定してステップ550に進み、同ステップ550にて要求された詳細データを車両IDで特定される車両に対し送信し、ステップ595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0081】
このとき、クライアントはステップ455にてサーバから詳細データを受信したか否かを判定しているので、同サーバから同詳細データが送信されると、ステップ455にて「Yes」と判定してステップ460に進み、同ステップ460にて受信したデータ(情報)を経路案内に利用することを決定した後、ステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了する。なお、ステップ460の後にステップ465に進み、後述するアペンドアルゴリズムルーチンを実行した後にステップ495にて本ルーチンを一旦終了してもよい。
【0082】
以上、説明したように、第1実施形態によれば、出発地Pから目的地Gまでの経路を、サーバはサーバ側データベースを用いてサーバ経路として案内地点とともに求め、クライアントはクライアント端末側データベースを用いてクライアント経路として案内地点とともに求める。そして、経路案内を行う際に必要とされる詳細情報に対して極めて少ないデータ量の経路の案内地点情報のみがサーバからクライアント端末へ(またはその逆へ)送信され、この案内地点情報に基づいてサーバ経路とクライアント経路の一致が判定され、これらの経路のうち一致している部分についてはサーバからクライアント端末へ詳細情報を送ることなく、クライアント端末側データベースの情報を用いた経路案内が実行される。従って、サーバからクライアントへ送信される情報量(データ量)を低減することができる。
【0083】
また、案内地点の一致を判定する際、案内地点の位置、案内地点間の距離、退出側案内地点からの退出方向、及び進入側案内地点への進入方向が比較されるので、対応する案内地点の一致・不一致を確実に判定することができる。ただし、これらの総ての項目を必ず比較する必要はなく、これらの一部の項目を選択して案内地点の一致を判定してもよい。
【0084】
なお、上記第1実施形態においては、ステップ420にてクライアント経路データを決定した後にステップ425〜ステップ445を実行していたが、ステップ420の実行後に直ちにステップ450に進んでサーバに詳細データを要求するように構成してもよい。この場合であっても、クライアント側データベース16の情報が有効に活用され、同クライアント端末側データベースに存在するデータについてはサーバから通信により送信されないので、サーバからの通信量を低減することができる。
【0085】
また、上記ステップ515及び上記ステップ425にてサーバとクライアント間で授受される案内地点情報等に、道路Xの種別及び属性を含ませ、上記ステップ420及び上記ステップ530での判定に、同道路Xの種別及び属性の一致、不一致を考慮して経路の一致について判定してもよい。
【0086】
例えば、一般道路の直上に高速道路が併設されている場合、隣接する案内地点の位置、同案内地点間の距離、退出側案内地点からの退出方向、及び進入側案内地点への進入方向の総てが同じとなり得るが、案内すべき経路としては異なっている。従って、このような場合、上記のように案内地点間の道路の種別(及び属性)を比較することにより、同案内地点間のサーバ経路とクライアント経路が一致しているか否かをより精度良く判定することができる。
【0087】
なお、上記実施形態において、ステップ510はサーバ経路決定手段を、ステップ410はクライアント経路決定手段を、ステップ420の一部は案内地点同士を比較する比較判定手段に対応している。また、ステップ420の一部、ステップ435、ステップ445、ステップ460は、サーバ側データベース内の情報とクライアント端末側データベースの情報とを選択的に利用する経路案内手段の一部を構成している。更に、ステップ530はクライアント経路の案内地点であってサーバ経路の総ての案内地点と不一致の案内地点がサーバ経路上に存在するか否かを判定する検索手段の一部を構成し、ステップ440はサーバ経路の案内地点であって同クライアント経路の総ての案内地点と不一致の案内地点が同クライアント経路上に存在するか否かを検索する検索手段の一部を構成している。
【0088】
次に、本発明による第2実施形態に係る経路案内システムについて説明する。この経路案内システムは、ハードウエアに関する限り、第1実施形態の経路案内システムと同一構成を備え、上記図4のステップ465に示した「アペンドアルゴリズム」を実行して経路案内を行うものであって、第1実施形態の「経路融合アルゴリズム」を補助するように用いることもでき、出発地Pから目的地Gまでの経路案内を行うために「経路融合アルゴリズム」とは独立して用いることもできる。以下においては、「アペンドアルゴリズム」を出発地Pから目的地Gまでの経路案内を行うように独立して使用する場合を例にとって、その作用について説明する。
【0089】
第2実施形態のクライアントは、車両の利用者が目的地Gをクライアントに入力すると、図10にフローチャートにて示したクライアント実行ルーチンを実行するようになっている。従って、利用者が目的地Gまでの経路案内を希望して、同目的地Gを入力すると、クライアントはステップ1000から処理を開始してステップ1005に進み、その車両を特定する車両ID、現在位置である出発地P、及び目的地Gをサーバに送信する。
【0090】
一方、サーバは、クライアントから車両ID、現在位置である出発地P、及び目的地Gを受信すると、前述した図5のステップ510及びステップ515と同様に、出発地Pから目的地Gまでのサーバ経路を決定するとともに同決定したサーバ経路の案内地点情報をクライアントに送信する。
【0091】
このとき、クライアントはステップ1010にてサーバ経路の案内地点情報を受信したか否かを判定していて、同案内地点情報を受信するとステップ1015に進み、同ステップ1015にて受信したサーバ経路の最初の2つの案内地点Ss〜Sg(ここでは、出発地PがSs、同出発地Pに隣接する案内地点がSgに相当する。)間の経路をクライアント端末側データベース16内のデータをもとに決定する。案内地点Ssは車両の進行上、退出(脱出、離脱)する案内地点であるから退出側案内地点Ssと呼び、案内地点Sgは車両の進行上、進入する案内地点であるから進入側案内地点Sgと呼ぶ。また、上記ステップ1015での経路決定の方法は、上記図4のステップ410と基本的に同様であるが、退出側案内地点からの退出方向、及び進入側案内地点への進入方向が一致する経路のみが選択される。換言すると、退出側案内地点からの退出方向、及び進入側案内地点への進入方向の少なくとも一方が異なる経路は、決定される経路から除外される。このステップ1015は、案内地点間経路決定手段の機能を達成している。
【0092】
次いで、クライアントはステップ1020に進み、上記ステップ1015で決定したクライアント経路内に、他の(サーバ経路の2つの案内地点Ss,Sgに相当する案内地点とは異なる)中間案内地点が存在するか否かを判定する。そして、他の中間案内地点が存在しない場合、クライアントはステップ1020にて「Yes」と判定してステップ1025に進み、同ステップ1025にてクライアント経路の退出側案内地点Csと進入側案内地点Cgとの間の距離Lcがサーバ経路の退出側案内地点Ssと進入側案内地点Sgとの間の距離Lsと等しいか否かを判定する。更に、クライアント経路の距離Lcがサーバ経路の距離Lsと等しい場合、クライアントはステップ1025にて「Yes」と判定してステップ1030に進み、上記2つの案内地点Ss,Sgの間についてはクライアント経路の案内地点Cs,Cg間のクライアント経路データを利用することを決定し、ステップ1035に進む。
【0093】
図11は、上記ステップ1020及び上記ステップ1025の両ステップにて「Yes」と判定され、上記ステップ1030に進む場合を例示したものであって、図11(A)はサーバ経路を、図11(B)はクライアント経路を示している。即ち、サーバ経路の隣接する案内地点Ss〜Sgについて、クライアント経路を計算(決定)した結果、同クライアント経路に他の中間案内地点は存在せず、且つ、クライアント経路Cs〜Cgの距離Lcはサーバ経路Ss〜Sgの距離Lsと等しい。従って、クライアントは、図11(C)に示したように、このサーバ経路の2つの案内地点Ss〜Sgについては、クライアント経路の案内地点Cs〜Cgのデータを利用するように決定する。
【0094】
一方、クライアント経路内に他の中間案内地点が存在している場合、クライアントはステップ1020にて「No」と判定してステップ1040に進み、ステップ1040にて同他の中間案内地点がサーバ経路上に存在しているか否かを確認する。具体的に述べると、クライアントは前記他の中間案内地点の案内地点情報(同中間案内地点に隣接している進入側案内地点の位置及び同進入側案内地点までの距離、又は同中間案内地点に隣接している退出側案内地点の位置及び同退出側案内地点までの距離を含む)をサーバに送信し、サーバは同クライアントから送信されて来た案内地点情報に基いて、同他の中間案内地点がサーバ経路上に存在しているか否かを判定し、その判定結果をクライアントに送信する。
【0095】
換言すると、前記他の中間案内地点と同中間案内地点に隣接している前記退出側案内地点間の経路、又は、前記他の中間案内地点と同中間案内地点に隣接している前記進入側案内地点間の経路が、サーバ経路上に存在しているか否かが判定され、その判定結果がクライアントに送信される。そして、クライアントは送信されてきた判定結果に基いて、前記他の中間案内地点がサーバ経路上にあるか否かを判定する。
【0096】
その結果、前記他の中間案内地点がサーバ経路上に存在していれば、クライアントはステップ1040にて「Yes」と判定してステップ1045に進み、同ステップ1045にて前記他の中間案内地点と同中間案内地点に隣接している前記退出側案内地点間の経路、又は、前記他の中間案内地点と同中間案内地点に隣接している前記進入側案内地点間の経路についてはクライアント経路データを利用することを決定する。そして、クライアントはステップ1050に進み、同ステップ1050にて上記までのステップによってもクライアント経路が利用できない部分のサーバ経路の詳細データをサーバに要求し、サーバはこれに対してサーバ側データベース24内の同詳細データをクライアント端末に送信し、クライアントは同送信された詳細データを経路案内に利用することを決定する。
【0097】
図12は、上記ステップ1020、1040、1045、1050と進む場合を例示したものである。図12(A)はサーバ経路を、図12(B)はクライアント経路を示している。この場合、サーバ経路の隣接する案内地点Ss〜Sgについて、クライアント経路を計算(決定)した結果、同クライアント経路に他の中間案内地点Ca,Cbが存在し、他の中間案内地点Caはサーバ経路上に存在している。従って、クライアントは、クライアント経路の案内地点Cs〜Caはクライアントのデータを経路案内に利用するように決定し、残りの経路の案内地点Ca〜Cgについては、サーバから詳細データを通信により受信して経路案内に利用する。
【0098】
なお、図13も、上記ステップ1020、1040、1045、1050と進む場合を例示したものであり、図13(A)はサーバ経路を、図13(B)はクライアント経路を示している。この場合は、サーバ経路の隣接する案内地点Ss〜Sgについて、クライアント経路を計算(決定)した結果、同クライアント経路に他の中間案内地点Cc,Cdが存在し、他の中間案内地点Cdがサーバ経路上に存在している。従って、クライアントは、クライアント経路の案内地点Cd〜Cgはクライアント経路のデータを経路案内に利用するように決定し、残りの経路の案内地点Cs〜Cdについては、サーバから詳細データを通信により受信して経路案内に利用する。
【0099】
他方、前記他の中間案内地点がサーバ経路上になければ、クライアントはステップ1040にて「No」と判定してステップ1055に進み、同ステップ1055にてこの隣接する2つの案内地点間についは、サーバ経路の詳細データをサーバに要求し、サーバはこれに対して同詳細データを送信し、クライアントは同送信された詳細データを経路案内に利用することを決定する。なお、ステップ1055にて取得する詳細データは、前記隣接する案内地点間のサーバ経路に沿った経路案内を行うに必要な最低限の情報を含んでいれば十分であるが、同情報を含む同区間周辺の地図データであってもよい。
【0100】
図14は、上記ステップ1020、1040、1055と進む場合を例示したものであり、図14(A)はサーバ経路を、図14(B)はクライアント経路を示している。この場合、クライアント経路上に他の中間案内地点Ce,Cfが存在しているが、同案内地点Ce,Cfの何れもサーバ経路上に存在していない。従って、クライアントはサーバ経路の案内地点Ss〜Sgの総ての詳細データをステップ1055にて要求及び受信して、この詳細データを経路案内に利用することを決定する。
【0101】
一方、上記ステップ1025にて「No」と判定された場合には、クライアントはステップ1055に進み、同ステップ1055にてサーバ経路の案内地点Ss〜Sgの総ての詳細データをステップ1050にて要求及び受信して、この詳細データを経路案内に利用することを決定する。
【0102】
図15は、上記ステップ1020、1025、1055と進む場合を例示したものであり、図15(A)はサーバ経路を、図15(B)はクライアント経路を示している。この場合、クライアント経路上に他の中間案内地点は存在しないが、クライアント経路の距離Lcとサーバ経路の距離Lsとが異なっている。即ち、案内地点は一致しているものの、クライアント経路とサーバ経路は全く異なる経路である。従って、クライアント経路のデータは利用できないので、クライアントはサーバ経路の案内地点Ss〜Sgの総ての詳細データをステップ1050にて要求及び受信して、この詳細データを経路案内に利用することを決定する。
【0103】
その後、クライアントはステップ1035に進み、サーバ経路に次の案内地点が存在しているか否か、換言すると、利用者により入力された目的地Gまでクライアント経路の計算が終了したか否かを判定する。そして、クライアントは、次の案内経路がある場合、ステップ1035にて「Yes」と判定してステップ1060に進み、同ステップ1060にて先の進入側案内地点Sgを今回の退出側案内地点Ssとするとともに、サーバ経路の次の(隣接する)案内地点を今回の進入側案内地点Sgとして、その間のクライアント経路を計算し、ステップ1020に戻る。
【0104】
このような処理が繰り返され、出発地Pからサーバ経路の案内地点毎にクライアント経路を計算し、利用可能なクライアント経路データが決定されるとともに、クライアント経路データが利用できない部分についてはサーバから詳細情報を受信される。そして、目的地Gまでクライアント経路の計算が終了し、必要な情報の入手を終了すると、クライアントはステップ1035にて「No」と判定してステップ1095に進み、同ステップ1095にて本ルーチンを終了する。
【0105】
以上、説明したように、第2実施形態によれば、出発地Pから目的地Gまでのサーバ経路を求め、同サーバ経路上の隣接する案内地点毎にクライアント経路を計算し、同クライアント経路とサーバ経路との一致・不一致に応じて利用可能なクライアント経路データが決定されるとともに、クライアント経路データが利用できない部分についてはサーバからクライアント端末に詳細情報が送信される。また、上記クライアント経路とサーバ経路との一致・不一致は、データ量の小さい案内地点情報の送受信により行われる。この結果、クライアント端末側データベースの情報が有効に利用されるので、サーバからクライアント端末に送信される情報量を低減することができる。また、クライアント端末は、サーバ経路の隣接する案内地点毎にクライアント経路を求めるので、出発地から目的地までの経路をクライアント端末側データベース内の情報を用いて一時に求める場合に比べ、サーバ経路とクライアント経路とが一致する可能性が高くなる。この意味においても、上記構成によれば、サーバからクライアント端末へ送信される情報量を低減することが可能となる。
【0106】
なお、上記ステップ1015にてクライアント経路が計算される際、上述したように退出側案内地点からの退出方向、又は進入側案内地点への進入方向の少なくとも一方が異なる経路は除外されるので、クライアント経路が求められない場合が存在する。このような場合には、クライアントはステップ1055に進み、その案内地点間(退出側案内地点Ssから進入側案内地点Sgの間)の総ての詳細データをサーバから取得する。また、このように退出側案内地点からの退出方向、又は進入側案内地点への進入方向の少なくとも一方が異なる経路は、決定される経路から除外される結果、ステップ1020及びステップ1025に加えて退出側案内地点からの退出方向、及び進入側案内地点への進入方向がクライアント経路とサーバ経路との間で一致しているか否かを判定する必要がない。
【0107】
また、ステップ1020及びステップ1025にて「Yes」と判定された場合に、退出側案内地点Ssから進入側案内地点Sgの間のサーバ経路の種類(及び/又は属性)と、退出側案内地点Csから進入側案内地点Cgの間のクライアント経路の道路の種別(及び/又は属性)が一致しているか否かを更に判定し、道路の種別が異なる場合にはステップ1055に進んでサーバ経路の総ての詳細情報を取得するように構成してもよい。
【0108】
次に、本発明の第3実施形態に係る経路案内システムについて説明する。この経路案内システムは、ハードウエアに関する限り、第1,第2実施形態の経路案内システムと同一構成を備え、利用者の計算結果待ち時間(経路案内が開始されるまでの時間)を短縮するために第2実施形態の「アペンドアルゴリズム」を同第2実施形態とは異なるソフトウエアにより実行することで、出発地Pから目的地Gまでの経路案内を行うものである。
【0109】
以下、本実施形態の作動の概略について、クライアントとサーバの作動の概略を時系列的に示した図16を参照しながら説明する。先ず、クライアントの利用者が経路案内の開始を希望し、時刻t0にて同クライアントに目的地Gを入力すると、同クライアントはその直後の時刻t1にて同クライアントを搭載した車両の車両ID、同車両の現在位置である出発地P、及び入力された目的地Gを特定する情報をサーバに送信する。
【0110】
これらの情報を時刻t2にて受信したサーバは、出発地Pから目的地Gまでのサーバ経路を上述した第1,第2実施形態のサーバと同様に上記数1に基いて計算して決定する。サーバは、かかるサーバ経路の計算に所定の時間を要する。この所定の時間が経過して時刻t3になると、サーバは決定したサーバ経路の案内地点についての情報(案内地点を特定する情報、「案内地点情報」とも称呼する。)を、図5のステップ515と同様に、前記車両IDにより特定される車両に送信する。なお、この実施形態においても、サーバからクライアントに送信される案内地点情報は、案内地点であるノードnの位置POS(緯度x,経度y,高度z)、同ノードnへの進入方向(進入方位)、同ノードnからの退出方向(退出方位)、及び隣接する案内地点間の道路の距離Lからなっている。クライアントは、この案内地点情報を時刻t4にて受信する。
【0111】
一方、クライアントは、時刻t1から時刻t4までの間に、クライアント端末側データベース内で第1案内候補地点に該当する地点を検索するとともに、検索した地点を特定するためのデータ(以下、「第1案内候補地点特定データ」と云うことがある。)を収集し、収集した各データを第1案内候補地点C1(i)(iは自然数)のデータとして内蔵メモリに格納する処理を行う。第1案内候補地点とは、出発地P(便宜上、「第0案内地点」と云うこともある。)に隣接する案内地点(出発後の最初の案内地点)である第1案内地点となり得るクライアント端末側データベースに含まれている地点(ノード)のことである。
【0112】
ところで、上述したように、案内地点は「出発地Pから目的地Gに至る経路に含まれる地点であって、道路種別が異なる道路へ変化する地点(例えば、国道から県道へ道路が変化する地点)、道路種別が同一でも道路属性が変化する地点(例えば国道1号線から国道2号線へ道路が変化する地点)、及び左折・右折・Uターン等を行う地点等、利用者に対して案内を行う必要がある地点」である。
【0113】
従って、この案内地点の定義に基けば、第1案内候補地点は、車両が出発地Pにおいて走行している道路(同車両が交差点上にあれば、その交差点で交差する総べての道路)上であって、その道路が他の道路と交差する地点(分岐する地点を含む。)、又は、他の道路と交差していなくても道路種別或いは道路属性が変化する地点である。また、統計上、第1案内地点は出発地Pから所定の距離範囲内に存在すると考えられることから、第1案内候補地点は同出発地Pから同第1案内候補地点までの距離が前記所定の距離以下である地点に限られる。
【0114】
図17は、かかる第1案内候補地点C1(i)についての一例を示すための図である。図17に示した例では、車両は、出発地Pにあるとき、道路Xと道路Yの交差点上に存在している。従って、上記案内地点の定義から、第1案内候補地点は、道路X上の交差点(分岐点)C1(1)〜C1(8)、及び道路Y上の交差点(分岐点)C1(9)〜C1(16)となる。
【0115】
一方、図18は第1案内候補地点C1(i)についての他の例を示すための図である。図18に示した例では、車両は、出発地Pにあるとき、道路X2と道路Y2の交差点上に存在している。このとき、例えば、車両が道路X2上の一方向に走行していることが明らかであるとすると、同車両は少なくとも第1案内地点に到達するまで同進行方向を維持すると考えられる。従って、この場合、第1案内候補地点は道路X2上の交差点(分岐点)C1(1)〜C1(4)に限定され得る。
【0116】
クライアントは、上述した考えに基いて第1案内候補地点を検索し、その検索した各地点の位置(緯度x,経度y,高度z)、同各地点への進入方向、出発地Pから同各地点への退出方向、及び出発地Pから同各地点までの距離に関する情報をクライアント側データベースから読み出し、同各データを同各第1案内候補地点C1(1),C1(2),・・・C1(n)(nは自然数)の案内候補地点特定データとして内蔵メモリに格納する。このような処理は、データ検索とデータ収集・データ格納処理であるから、複雑な経路計算に比べ短時間内に終了する。即ち、通常、クライアントは、第1案内候補地点の検索・データ収集・データ格納処理を、サーバが経路計算を終了し、同クライアントがその結果としての案内地点情報を受信する時刻t4までに終了することができる。
【0117】
そして、クライアントは時刻t4にてサーバ経路の案内地点情報を受信すると、受信した案内地点情報により特定される第1案内地点と前記第1案内候補地点C1(i)(i=1〜n)とを比較し、同第1案内地点と一致する同第1案内候補地点C1(i)が存在するか否かを決定する。その結果、第1案内地点と一致する第1案内候補地点C1(i)が存在する場合、出発地Pから前記一致した第1案内候補地点C1(i)(即ち、第1案内地点)まではクライアント端末側データベース内の情報を利用して経路案内を行うことを決定する。また、クライアントは、第1案内地点と一致する第1案内候補地点C1(i)が存在しない場合、出発地Pから第1案内地点まではサーバ側データベース内の情報を利用して経路案内を行うことを決定し、同サーバに同区間の経路案内に必要な情報を要求し、同情報をサーバから受信する。
【0118】
以降、クライアントは、第(k−1)案内地点(kは2以上の整数)を基準として第k案内候補地点Ck(i)を、出発地P(第0案内地点)を基準として第1案内候補地点C1(i)を検索した場合と同様にして検索し、そのデータを収集・格納する。そして、第k案内地点と一致する第k案内候補地点が存在すれば、第(k−1)案内地点から第k案内地点(即ち、第k案内地点と一致した第k案内候補地点)までは、クライアント端末側データベース内の情報を利用して経路案内を行い、第k案内地点と一致する第k案内候補地点が存在しなければ、第(k−1)案内地点から第k案内地点まではサーバ側データベース内の情報を受信し、その受信したデータを利用して経路案内を行う。
【0119】
なお、クライアントは、第1案内地点から目的地Gまでは、第2実施形態と同様、サーバ経路上の隣接する案内地点毎にクライアント経路を計算し、同クライアント経路とサーバ経路との一致・不一致に応じて利用可能なクライアント経路データを決定し、クライアント経路データが利用できない部分についてはサーバから詳細情報を受信するように構成してもよい。以上が、本実施形態の作動の概要である。
【0120】
このように、本実施形態によれば、サーバがサーバ経路を計算し、クライアントがその結果を待っている時間(図16の時刻t1〜t4)に、同クライアントは第1案内候補地点についての検索・データ収集・データ格納を行う。従って、クライアントは、第2実施形態のようにサーバ経路の案内地点情報を受信した後に出発地Pから第1案内地点までの比較的長い時間を要する経路計算を行う必要がなく、第1案内地点と一致する第1案内候補地点が存在するか否かを直ちに判定できるので、出発地Pから第1案内地点までに対して利用すべき情報を直ちに得ることができる。従って、本実施形態によれば、特に、出発直後において経路案内の開始を速やかに行うことができる。
【0121】
次に、上述した第3実施形態のより具体的な作動について説明する。クライアントは、図19にフローチャートにて示した経路案内データ取得開始ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、クライアントはステップ1900から処理を開始してステップ1905に進み、同ステップ1905にて利用者が目的地Gまでの経路案内を希望して、同目的地Gを新たに入力したか否かを判定する。このとき、利用者が目的地Gを入力していなれば、クライアントはステップ1905にて「No」と判定してステップ1995に進み本ルーチンを一旦終了する。即ち、クライアントは所定時間の経過毎に目的地Gの入力があったか否かをモニタすることで、経路案内を開始すべきか否かをモニタしている。
【0122】
従って、利用者が目的地Gまでの経路案内を希望して同目的地Gを入力すると(図16の時刻t0を参照。)、クライアントはステップ1905にて「Yes」と判定してステップ1910に進み、その車両を特定する車両ID、現在位置である出発地P、及び目的地Gを特定する情報をサーバ経路要求信号としてサーバに送信する(図16の時刻t1を参照)。このステップ1910は、目的地送信手段の機能を達成する。
【0123】
クライアントは、次いでステップ1915に進み、経路案内開始フラグFSTの値を「1」に設定した後、ステップ1995にて本ルーチンを一旦終了する。なお、この経路案内開始フラグFSTの値は、図示しないイグニッションスイッチが「オフ」状態から「オン」状態へと変更されたとき、及び、後述する第1案内候補地点の検索が終了したとき、「0」に設定されるようになっている。
【0124】
一方、サーバは、図5に示したステップと同一のステップに同一の符号を付した図20にフローチャートにより示したサーバ実行ルーチンを、所定時間の経過毎に繰り返し実行し、ステップ505で車両ID、出発地P、及び目的地Gを特定する情報を受信したか否かをモニタしている。このため、利用者が目的地Gをクライアントに入力することで、車両ID、出発地P、及び目的地Gを特定する情報がサーバに送信され、サーバがこれらを受信すると(図16の時刻t2を参照。)、同サーバはサーバ経路決定手段としてのステップ510に進んで上記数1に基いてサーバ経路を計算して決定し、案内地点情報送信手段としてのステップ515にて前記決定したサーバ経路の案内地点を特定するための情報(案内地点情報)をステップ505で受信した車両IDにより特定される車両に送信する(図16の時刻t3を参照)。前述したように、このステップ510の処理には所定の時間(図16の時刻t2〜時刻t3の時間を参照。)が必要である。
【0125】
他方、クライアントは図21にフローチャートにて示したデータ受信判定ルーチンを、何らかの信号を受信する毎に実行するようになっている。従って、何らかの信号を受信すると、クライアントはステップ2100から処理を開始してステップ2105に進み、受信した信号が前記サーバ経路要求信号に対してサーバから送信された新たなサーバ経路の案内地点情報であるか否かを判定する。そして、クライアントは受信した情報が前記案内地点情報であることを確認すると、同受信した情報を案内地点情報として内蔵メモリ内に格納する(この機能が、サーバ経路案内地点取得手段の機能に相当する。)。なお、このとき、クライアントは第i案内地点情報をS(i)として記憶する。次いで、クライアントは、ステップ2110に進んで受信完了フラグFRCVの値を「1」に設定し、その後ステップ2195に進んで本ルーチンを一旦終了する。なお、受信完了フラグFRCVの値は、図示しないイグニッションキーが「オフ」状態から「オン」状態へと変更されたとき、及び、後述するように、経路案内が終了したとき、「0」に設定されるようになっている。他方、クライアントは受信した信号が前記案内地点情報でなければ、ステップ2105からステップ2195に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0126】
従って、現時点が、車両ID、出発地P、及び目的地Gを特定する情報がクライアントからサーバに送信された時点(図16の時刻t2を参照)の直後であるとすると、サーバは上述したステップ510を実行している最中であり、その結果である案内地点情報をクライアントに送信していない。これにより、クライアントは上述したステップ2105とステップ2195を繰り返し実行することになるから、受信完了フラグFRCVの値は「0」に維持される。
【0127】
また、クライアントは図22の第1案内候補地点検索ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、クライアントは、所定のタイミング毎にステップ2200からステップ2205に進み、経路案内開始フラグFSTの値が「1」であるか否かを判定し、同経路案内開始フラグFSTの値が「1」でなければ、ステップ2295に直接進んで本ルーチンを一旦終了している。
【0128】
いま、利用者が目的地Gをクライアントに入力した時点(図16の時刻t0を参照。)の直後であるとすると、経路案内開始フラグFSTの値は上記図19のステップ1915により「1」に設定されている。従って、クライアントはステップ2205を実行するとき、同ステップ2205にて「Yes」と判定してステップ2210に進み、同ステップ2210にて変数「i」の値を「1」に設定する。次いで、クライアントはステップ2215に進み、第0案内地点(即ち、出発地P)に対する第1案内候補地点C1(i)(=C1(1))の検索をクライアント側データベース内のデータに基いて行い、同地点C1(1)の位置(緯度x,経度y,高度z)、同地点への進入方向、出発地Pから同地点への退出方向、及び出発地Pから同地点までの距離に関するクライアント側データベース内の情報を、C1(1)に関する第1案内候補地点特定情報(データ)としてクライアントの内蔵メモリ内に格納する。
【0129】
次いで、クライアントはステップ2220に進み、第1案内候補地点C1(i)についての検索・データ収集・データ格納を総べて完了したか否かを判定する。現時点では、一つ目の(i=1)第1案内候補地点C1(1)を検索した直後であり、通常の場合、複数の第1案内候補地点C1(i)が存在しているから、クライアントはステップ2220にて「No」と判定し、ステップ2225に進んて変数「i」の値を「1」だけ増大した後、上記ステップ2215に戻り、次の第1案内候補地点C1(2)についての検索・データ収集・データ格納を行う。
【0130】
このようにして、クライアントは総べての第1案内候補地点C1(i)の検索を完了すると、ステップ2220にて「Yes」と判定してステップ2230に進み、同ステップ2230にてその時点の変数「i」の値を記憶値i1に格納する。なお、ステップ2210〜ステップ2230までは、第1案内候補地点検索手段の機能を達成している。その後、クライアントはステップ2235に進んで上記経路案内開始フラグFSTの値を「0」に設定し、続くステップ2240にて第1案内候補地点の検索が終了したことを示すために、検索終了フラグFENDの値を「1」に設定し、ステップ2295にて本ルーチンを一旦終了する。なお、前記検索終了フラグFENDの値は、図示しないイグニッションスイッチが「オフ」状態から「オン」状態へと変更されたとき、及び、後述するように、経路案内が終了したとき、「0」に設定されるようになっている。
【0131】
以上により、第1案内候補地点C1(i)(i=1〜i1)の案内候補地点特定データがクライアント側データベースから収集され、クライアントの内蔵メモリ内に格納される。このような処理は、検索(データ収集)を主たる処理としていて経路計算のような複雑な計算を含まないから、殆どの場合、サーバがサーバ経路の計算を終了する前に終了する。
【0132】
また、クライアントは図23に示した利用データ取得・決定ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。即ち、クライアントは、所定時間の経過毎にステップ2300からステップ2305に進み、上記受信完了フラグFRCVの値が「1」であるか否かを判定し、同受信完了フラグFRCVの値が「0」であるとき同ステップ2305にて「No」と判定してステップ2395に直接進むようになっている。また、受信完了フラグFRCVの値が「1」であるとき、クライアントはステップ2305にて「Yes」と判定してステップ2310に進み、検索終了フラグFENDの値が「1」であるか否かを判定し、上記検索終了フラグFENDの値が「0」であるとき同ステップ2310にて「No」と判定してステップ2395に直接進むようになっている。
【0133】
換言すると、クライアントは、サーバから送信されたサーバ経路の案内地点情報を受信して前記受信完了フラグFRCVを上記図21のステップ2110にて「1」に設定し、且つ、第1案内候補地点C1(i)の検索を終了して検索終了フラグFENDの値を上記図22のステップ2240にて「1」に設定したときにのみ、上記ステップ2305、2310を経由してステップ2315、及び同ステップ2315以降の処理を行う。
【0134】
いま、クライアントがサーバから送信されたサーバ経路の案内地点情報を受信していて、且つ、第1案内候補地点C1(i)の検索を終了しているとして説明を続けると、同クライアントはステップ2300〜2310を経由してステップ2315に進み、同ステップ2315にて変数kの値を「1」に設定し、続くステップ2320にて受信したサーバ経路の第k案内地点S(k)と一致する第k案内候補地点Ck(i)(i=1〜i1)が存在するか否かを判定する。この場合、変数kの値は「1」であるから、クライアントは第1案内候補地点C1(i)(i=1〜i1)の中に第1案内地点S(1)と一致する地点が存在するか否かを判定する。従って、ステップ2320は、第1案内候補地点の中にサーバ経路情報により特定される第1案内地点と一致する地点が存在するか否かを判定する判定手段を構成している。
【0135】
第k案内地点S(k)と第k案内候補地点Ck(i)とは、以下の(1)〜(4)が総べて成立したときに一致していると判定される。
(1)第k案内地点S(k)と第k案内候補地点Ck(i)の位置(緯度、経度、高度)が一致する。
(2)第(k−1)案内地点S(k−1)から第k案内地点S(k)に向うときの同第(k−1)案内地点S(k−1)での退出方向と、第(k−1)案内地点S(k−1)から第k案内候補地点Ck(i)へ向うときの同第(k−1)案内地点S(k−1)での退出方向が一致する。
(3)第(k−1)案内地点S(k−1)から第k案内地点S(k)へ進入するときの進入方向と、第(k−1)案内地点S(k−1)から第k案内候補地点Ck(i)へ進入するときの進入方向が一致する。
(4)第(k−1)案内地点S(k−1)から第k案内地点S(k)までの距離と、第(k−1)案内地点S(k−1)から第k案内候補地点Ck(i)までの距離が一致する。
【0136】
なお、第k案内地点S(k)と第k案内候補地点Ck(i)とが一致していると判定するための他の条件として、「(5)第(k−1)案内地点S(k−1)から第k案内地点S(k)までの道路種別及び道路属性(道路の種類)と、第(k−1)案内地点S(k−1)から第k案内候補地点Ck(i)までの道路種別及び道路属性(道路の種類)とがそれぞれ一致すること」を含めてもよい。また、第k案内地点S(k)と第k案内候補地点Ck(i)とが一致していると判定するための条件は、上記(1)の条件を必須とし、これに対し上記(2)〜(5)の何れか一つ、又は任意のニ以上の条件を組合せた条件とすることもできる。
【0137】
そして、第k案内候補地点Ck(i)(i=1〜i1)の中に第k案内地点S(k)と一致する地点Ck(m)が存在する場合、クライアントはステップ2325に進み、第(k−1)案内地点S(k−1)から第k案内地点S(k)(即ち、地点Ck(m))までは、クライアント側データベースの詳細情報を経路案内に利用することを決定し、その区間については、この詳細情報に従って経路案内を行う。即ち、この場合、変数kの値は「1」であるから、第0案内地点(出発地P)から第1案内地点S(1)と一致した第1案内候補地点C1(m)までは、クライアント側データベースの詳細情報を経路案内に利用する。
【0138】
また、第k案内候補地点Ck(i)(i=1〜i1)の中に第k案内地点S(k)と一致する地点が存在しない場合、クライアントはステップ2320からステップ2330に進み、第(k−1)案内地点S(k−1)から第k案内地点S(k)までについてはサーバ側データベースの詳細情報を経路案内に利用することを決定し、その区間についての詳細情報をサーバに対し要求し、これに応答してサーバから送信されてくる詳細情報に従って経路案内を行う。即ち、この場合、変数kの値は「1」であるから、第0案内地点(出発地P)から第1案内地点S(1)までは、サーバ側データベースの詳細情報を経路案内に利用する。このように、主としてステップ2320〜2330は、経路案内手段の機能を達成する。
【0139】
クライアントは、ステップ2325又はステップ2330の処理を実行すると、ステップ2335に進んでサーバ経路に次の案内地点である第(k+1)案内地点S(k+1)が存在するか否かを判定する。現時点は、第1案内地点までについて利用すべきデータを決定した後であり、通常は案内地点は複数地点存在する。従って、クライアントはステップ2335にて「Yes」と判定し、ステップ2340に進んで変数kの値を「1」だけ増大し、続くステップ2345にて変数iの値を再び「1」に設定する。
【0140】
次いで、クライアントはステップ2350に進み、上述したステップ2215と同様に、第(k−1)案内地点に対する第k案内候補地点Ck(i)(即ち、第(k−1)案内地点から目的地G側に向う側に隣接する隣接案内候補地点)をクライアント側データベースの情報内で検索し、その第k案内候補地点特定データを収集して同クライアントの内蔵メモリに格納する。なお、この時点では、変数kの値は「2」であるから、第2案内候補地点C2(i)の検索・データ収集・データ格納を行うことになる。
【0141】
次に、クライアントはステップ2355に進み、第k案内候補地点Ck(i)の検索を終了したか否かを判定し、検索が終了していなければステップ2360にて変数iの値を「1」だけ増大してステップ2350に戻る。即ち、ステップ2345〜ステップ2360は、隣接案内候補地点検索手段としての機能を達成する。このようにして、第k案内候補地点Ck(i)の検索が終了すると、クライアントはステップ2355にて「Yes」と判定してステップ2365に進み、記憶値i1にその時点の変数iの値を格納した後、再びステップ2320に戻り、同ステップ2320の結果に応じてステップ2325又はステップ2330を実行することで、第(k−1)案内地点S(k−1)から第k案内地点S(k)までについて、クライアント側データベース内の詳細情報を利用するか、又はサーバ側データベース内の詳細情報を利用するかを決定するとともに、必要に応じサーバに同区間の詳細情報を要求し、同情報をサーバから受信する。
【0142】
なお、クライアントがサーバから同区間の詳細情報を要求する場合、サーバは図20に示したステップ2005〜ステップ2015を実行することによって、サーバ側データベース内の詳細情報を送信する。即ち、サーバは、ステップ515の実行後、所定時間が経過するまでにクライアントから所定の案内地点間の詳細情報の要求があったか否かを判定し(ステップ2005,ステップ2015)、同要求があればステップ2010にて同要求に応じたサーバ側データベース内の詳細情報をクライアントに送信する。
【0143】
以上の処理が繰り返されることにより、目的地Gまでの利用データの取得が完了すると、クライアントは、ステップ2335にて「No」と判定してステップ2370に進み、同ステップ2370にて受信完了フラグFRCVの値を「0」に設定するとともに、続くステップ2375にて検索終了フラグFENDの値を「0」に設定し、ステップ2395にて本ルーチンを終了する。
【0144】
以上、説明したように、第3実施形態によれば、サーバがサーバ経路を計算している時間を利用して、クライアントは第1案内候補地点の検索・データ収集・データ格納を行う。従って、クライアントは、サーバ経路の案内地点情報を受信したときに、出発地Pから第1案内候補地点までの経路検索を行う必要がなく、同区間について利用し得る情報がクライアント側データベース内にあるかサーバ側データベース内にあるかを直ちに判定することができる。この結果、出発地Pから第1案内地点までの経路案内を短時間内に開始することができる。
【0145】
また、クライアントは、第1案内地点のみでなく、第2,第3,・・・第n案内地点についても、クライアント側データベース内の情報を検索・収集することで対応する案内候補地点を特定し、サーバ経路の案内地点と一致する案内地点が存在するか否かにより、利用し得る情報を決定して行く。その結果、クライアントは、時間を要する経路計算を行う必要がないので、短時間内に利用し得る情報を決定でき、同情報を取得することができ、利用者に対し適切な経路案内を行うことが可能となる
【0146】
なお、上記第3実施形態においては、サーバから案内地点情報を取得する前の時点で検索する対象が第1案内候補地点のみであったが、同時点までに第1案内候補地点の検索が終了した場合には、更に、各第1案内候補地点に対する第2案内候補地点、第2案内候補地点に対する第3案内候補地点等を順次予め検索しておくこともできる。
【0147】
以上に説明したように、本発明による各実施形態によれば、クライアント端末側データベースの情報とサーバ側データベースの情報とが一致する部分を、データ量の小さい案内地点情報(の送受信)に基いて検出し、一致する部分についてはクライアント端末側データベース内の情報を経路案内に有効に利用するので、サーバからクライアント端末に送信される情報量を低減することができる。
【0148】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内で種々の変形例を採用することができる。例えば、案内地点の一致・不一致を、位置、距離、退出・進入方向等の各項目が一致するか否かにより判定していたが、この場合、各項目の値が完全に一致する場合だけでなく、ある程度の許容差以内であれば両地点は一致すると判定するように構成してもよい。
【0149】
また、上記実施形態において、サーバ経路とクライアント経路とが一致するか否かは、案内地点の位置、隣接する案内地点間の距離、進入又は退出方向、隣接する案内地点間の道路種別等の項目が一致するか否かに基いて判定されていたが、これらの項目の任意の一つ以上の項目が一致するか否か(例えば、位置のみ、位置と進入・退出方向、位置と隣接する案内地点間の距離、位置と隣接する案内地点間の道路種別、又は位置と進入・退出方向と道路種別等の各組合わせ項目が一致するか否か)に基いて判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る経路案内システムの全体構成図である。
【図2】 図1に示したナビゲーションユニット(クライアント端末)のブロック図である。
【図3】 図1に示した情報センタ内のコンピュータ(サーバ)のブロック図である。
【図4】 図2に示したクライアントが実行するルーチンを示すフローチャートである。
【図5】 図3に示したサーバが実行するルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 図6(A)はクライアント経路、図6(B)はサーバ経路、図6(C)は利用可能なクライアント経路と残りのサーバ経路、図6(D)は拡張された利用可能なクライアント経路と送受信されたサーバ経路を示す図である。
【図7】 案内地点を説明するための概念図である。
【図8】 案内地点情報を説明するための図である。
【図9】 図9(A)はクライアント経路、図9(B)はサーバ経路、図9(C)は利用可能なクライアント経路と残りのサーバ経路、図9(D)は拡張された利用可能なクライアント経路と送受信されたサーバ経路を示す図である。
【図10】 本発明の第2実施形態に係る経路案内システムのクライアントが実行するルーチンを示すフローチャートである。
【図11】 図11(A)はサーバ経路、図11(B)はクライアント経路、図11(C)は利用可能なクライアント経路を示す図である。
【図12】 図12(A)はサーバ経路、図12(B)はクライアント経路、図12(C)は利用可能なクライアント経路と残りの(送受信された)サーバ経路を示す図である。
【図13】 図13(A)はサーバ経路、図13(B)はクライアント経路、図13(C)は利用可能なクライアント経路と残りの(送受信された)サーバ経路を示す図である。
【図14】 図14(A)はサーバ経路、図14(B)はクライアント経路、図14(C)は送受信されたサーバ経路を示す図である。
【図15】 図15(A)はサーバ経路、図15(B)はクライアント経路、図15(C)は送受信されたサーバ経路を示す図である。
【図16】 本発明の第3実施形態の経路案内システムの作動を時系列的に示した概念図である。
【図17】 第1案内候補地点の一例を説明するための図である。
【図18】 第1案内候補地点の他の例を説明するための図である。
【図19】 本発明の第3実施形態に係る経路案内システムのクライアントが実行する経路案内データ取得開始ルーチンを示すフローチャートである。
【図20】 本発明の第3実施形態に係る経路案内システムのサーバが実行するルーチンを示すフローチャートである。
【図21】 本発明の第3実施形態に係る経路案内システムのクライアントが実行するデータ受信判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図22】 本発明の第3実施形態に係る経路案内システムのクライアントが実行する第1案内候補地点検索ルーチンを示すフローチャートである。
【図23】 本発明の第3実施形態に係る経路案内システムのクライアントが実行する利用データ取得・決定ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…ナビゲーションユニット、11…マイクロコンピュータ(クライアント)、12…GPS装置、13…地上波通信装置、14…表示装置、15…音声装置、16…外部メモリ(クライアント端末側データベース)、17…操作部、20…情報センタ、21…コンピュータ(サーバ)、21d…ハードディスク、22…地上波通信装置、23…有線通信装置、24…サーバ側データベース。

Claims (34)

  1. センタ内のサーバとクライアント端末との間で通信を行い、同クライアント端末の利用者に対して出発地から目的地までの経路案内を行う経路案内システムであって、
    前記サーバは、
    サーバ側データベースと、
    前記サーバ側データベース内の情報を用いて前記出発地から前記目的地までの経路であるサーバ経路を案内地点とともに求めるサーバ経路決定手段とを含み、
    前記クライアント端末は、
    クライアント端末側データベースと、
    前記クライアント端末側データベース内の情報を用いて前記出発地から前記目的地までの経路であるクライアント経路を案内地点とともに求めるクライアント経路決定手段とを含み、
    前記サーバ又は前記クライアント端末は、
    前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かを、少なくとも同サーバ経路の案内地点の位置と同クライアント経路の案内地点の位置とを比較することにより判定する比較判定手段を含み、
    更に、前記クライアント端末は、
    記サーバ経路についての前記サーバ側データベース内の情報と前記クライアント経路についての前記クライアント端末側データベース内の情報とを選択的に利用して前記経路案内を行う経路案内手段であって、前記比較判定手段が前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致すると判定した同隣接する案内地点間の経路については前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行う経路案内手段を備えた経路案内システム。
  2. 請求項1に記載の経路案内システムにおいて、
    前記比較判定手段は、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かを、少なくとも同サーバ経路の前記隣接する案内地点のうちの退出側案内地点の位置と同クライアント経路の前記隣接する案内地点のうちの退出側案内地点の位置、及び同サーバ経路の前記隣接する案内地点のうちの進入側案内地点の位置と同クライアント経路の前記隣接する案内地点のうちの進入側案内地点の位置をそれぞれ比較することにより判定するように構成され、
    前記経路案内手段は、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致すると判定された場合、同隣接する案内地点間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成された経路案内システム。
  3. 請求項2に記載の経路案内システムにおいて、
    前記比較判定手段は、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かを、同サーバ経路の退出側案内地点からの退出方向と同クライアント経路の退出側案内地点からの退出方向、及び同サーバ経路の進入側案内地点への進入方向と同クライアント経路の進入側案内地点への進入方向を更にそれぞれ比較することで判定するように構成された経路案内システム。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の経路案内システムにおいて、
    前記比較判定手段は、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かを、同サーバ経路の隣接する案内地点間の距離と同クライアント経路の隣接する案内地点間の距離を更に比較することで判定するように構成された経路案内システム。
  5. 請求項2乃至請求項4の何れか一項に記載の経路案内システムにおいて、
    前記比較判定手段は、前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かを、同サーバ経路の隣接する案内地点間の道路の種類と同クライアント経路の隣接する案内地点間の道路の種類を更に比較することで判定するように構成された経路案内システム。
  6. 請求項2乃至請求項5の何れか一項に記載の経路案内システムにおいて、
    前記比較判定手段は、前記サーバ経路の案内地点に一致する前記クライアント経路の案内地点に隣接する同クライアント経路の案内地点であって同サーバ経路の総ての案内地点と不一致の案内地点が同サーバ経路上に存在するか否かを検索する検索手段を含み、
    前記経路案内手段は、前記検索手段により前記クライアント経路の前記不一致の案内地点が前記サーバ経路上に存在すると判定されたとき、前記サーバ経路の案内地点に一致する前記クライアント経路上の案内地点と同不一致の案内地点との間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成された経路案内システム。
  7. 請求項2乃至請求項5の何れか一項に記載の経路案内システムにおいて、
    前記比較判定手段は、前記クライアント経路の案内地点に一致する前記サーバ経路の案内地点に隣接する同サーバ経路の案内地点であって同クライアント経路の総ての案内地点と不一致の案内地点が同クライアント経路上に存在するか否かを検索する検索手段を含み、
    前記経路案内手段は、前記検索手段により前記サーバ経路の前記不一致の案内地点が前記クライアント経路上に存在すると判定されたとき、前記クライアント経路の案内地点に一致する前記サーバ経路上の案内地点と同不一致の案内地点との間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成された経路案内システム。
  8. センタ内のサーバとクライアント端末との間で通信を行い、同クライアント端末の利用者に対して出発地から目的地までの経路案内を行う経路案内システムであって、
    前記サーバは、
    サーバ側データベースと、
    前記サーバ側データベース内の情報を用いて前記出発地から前記目的地までの経路であるサーバ経路を案内地点とともに求めるサーバ経路決定手段とを含み、
    前記クライアント端末は、
    クライアント端末側データベースと、
    前記求められたサーバ経路の案内地点についての情報を前記サーバから取得するとともに、同取得した案内地点についての情報で特定される隣接する案内地点の一つを退出側案内地点とし他の一つを進入側案内地点とする経路であるクライアント経路を前記クライアント端末側データベース内の情報を用いて求める案内地点間経路決定手段と、
    前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致するか否かを判定し、一致する場合、前記隣接する案内地点間については前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うとともに、一致しない場合、前記隣接する案内地点間についての一部又は全部の区間についての情報を前記サーバから取得して、同取得した情報に基いて前記経路案内を行う経路案内手段とを含んだ経路案内システム。
  9. 請求項8に記載の経路案内システムにおいて、
    前記クライアント端末の経路案内手段は、少なくとも、前記案内地点間経路決定手段により求められたクライアント経路に前記退出側案内地点及び前記進入側案内地点以外の他の中間案内地点が存在せず、且つ、同求められたクライアント経路の距離と前記隣接する案内地点間の前記サーバ経路の距離とが一致するとき、前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致すると判定するように構成された経路案内システム。
  10. 請求項8に記載の経路案内システムにおいて、
    前記クライアント端末の経路案内手段は、少なくとも、前記案内地点間経路決定手段により求められたクライアント経路に前記退出側案内地点及び前記進入側案内地点以外の他の中間案内地点が存在せず、同求められたクライアント経路の距離と前記隣接する案内地点間の前記サーバ経路の距離とが一致し、且つ、同クライアント経路の道路の種類と同隣接する案内地点間の前記サーバ経路の道路の種類とが一致するとき、前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致すると判定するように構成された経路案内システム。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の経路案内システムにおいて、
    前記クライアント端末の経路案内手段は、前記案内地点間経路決定手段により求められたクライアント経路に前記他の中間案内地点が存在する場合、同他の中間案内地点と同中間地点に隣接する前記進入側案内地点又は同中間地点に隣接する前記退出側案内地点についての情報を前記サーバに送信するように構成され、前記サーバは、前記クライアント端末から送信された情報により、同他の中間案内地点から同他の中間地点に隣接する前記進入側案内地点までの経路、又は同他の中間地点から同他の中間地点に隣接する前記退出側案内地点までの経路が前記サーバ経路上に存在するか否かを前記サーバ側データベース内の情報に基いて判定し、同判定結果に応じて同他の中間案内地点から同他の中間地点に隣接する前記進入側案内地点までの経路又は同他の中間地点から同他の中間地点に隣接する前記退出側案内地点までの経路についての情報を前記クライアント端末に送信するように構成された経路案内システム。
  12. サーバ側データベース内の情報を用いて出発地から目的地までの経路であるサーバ経路を案内地点とともに求めるサーバ経路決定手段を含んだサーバと通信を行い、利用者に対し同出発地から同目的地までの経路案内を行うクライアント端末であって、
    クライアント端末側データベースと、
    前記クライアント端末側データベース内の情報を用いて前記出発地から前記目的地までの経路であるクライアント経路を求めるクライアント経路決定手段と、
    記サーバ経路についての前記サーバ側データベース内の情報と前記クライアント経路についての前記クライアント端末側データベース内の情報とを選択的に利用して前記経路案内を行う経路案内手段であって、少なくとも前記サーバ経路の案内地点の位置と前記クライアント経路の案内地点の位置とを比較することにより同サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と同クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致すると判定された同隣接する案内地点間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行う経路案内手段とを備えたクライアント端末。
  13. 請求項12に記載のクライアント端末において、
    前記経路案内手段は前記サーバ経路の退出側案内地点の位置と前記クライアント経路の退出側案内地点の位置、及び同サーバ経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置と同クライアント経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置をそれぞれ比較することにより、同サーバ経路の同退出側及び同進入側案内地点間の経路と前記クライアント経路の同退出側及び同進入側案内地点間の経路とが一致していると判定された部分の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成されたクライアント端末。
  14. 請求項12に記載のクライアント端末において、
    前記経路案内手段は、前記サーバ経路の退出側案内地点の位置と前記クライアント経路の退出側案内地点の位置、同サーバ経路の退出側案内地点からの退出方向と同クライアント経路の退出側案内地点からの退出方向、同サーバ経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置と同クライアント経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置、及び同サーバ経路の進入側案内地点への進入方向と同クライアント経路の進入側案内地点への進入方向をそれぞれ比較することにより、同サーバ経路の同退出側及び同進入側案内地点間の経路と前記クライアント経路の同退出側及び同進入側案内地点間の経路とが一致していると判定された部分の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成されたクライアント端末。
  15. 請求項12に記載のクライアント端末において、
    前記経路案内手段は、前記サーバ経路の退出側案内地点の位置と前記クライアント経路の退出側案内地点の位置、同サーバ経路の退出側案内地点からの退出方向と同クライアント経路の退出側案内地点からの退出方向、同サーバ経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置と同クライアント経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置、同サーバ経路の進入側案内地点への進入方向と同クライアント経路の進入側案内地点への進入方向、及び、同サーバ経路の同退出側及び同進入側案内地点間の距離と同クライアント経路の同退出側及び同進入側案内地点間の距離を比較することにより、同サーバ経路の同退出側及び同進入側案内地点間の経路と前記クライアント経路の同退出側及び同進入側案内地点間の経路とが一致していると判定された部分の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成されたクライアント端末。
  16. 請求項12に記載のクライアント端末において、
    前記経路案内手段は、前記サーバ経路の退出側案内地点の位置と前記クライアント経路の退出側案内地点の位置、同サーバ経路の退出側案内地点からの退出方向と同クライアント経路の退出側案内地点からの退出方向、同サーバ経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置と同クライアント経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置、同サーバ経路の進入側案内地点への進入方向と同クライアント経路の進入側案内地点への進入方向、同サーバ経路の同退出側及び同進入側案内地点間の距離と同クライアント経路の同退出側及び同進入側案内地点間の距離、及び同サーバ経路の同退出側及び同進入側案内地点間の道路の種類と同クライアント経路の同退出側及び同進入側案内地点間の道路の種類を比較することにより、同サーバ経路の同退出側及び同進入側案内地点間の経路と前記クライアント経路の同退出側及び同進入側案内地点間の経路とが一致していると判定された部分の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成されたクライアント端末。
  17. 請求項13乃至請求項16の何れか一項に記載のクライアント端末において、前記経路案内手段は、前記サーバ経路の案内地点に一致する前記クライアント経路の案内地点に隣接する同クライアント経路の案内地点であって同サーバ経路の総ての案内地点と不一致の案内地点が同サーバ経路上に存在するとき、前記クライアント経路上であって前記サーバ経路の案内地点に一致する案内地点と同不一致の案内地点との間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成されたクライアント端末。
  18. 請求項13乃至請求項16の何れか一項に記載のクライアント端末において、前記経路案内手段は、前記クライアント経路の案内地点に一致する前記サーバ経路の案内地点に隣接する同サーバ経路の案内地点であって同クライアント経路の総ての案内地点と不一致の案内地点が同クライアント経路上に存在するとき、前記サーバ経路上であって前記クライアント経路の案内地点に一致する案内地点と同不一致の案内地点との間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うように構成されたクライアント端末。
  19. サーバ側データベース内の情報を用いて出発地から目的地までの経路であるサーバ経路を求めるサーバ経路決定手段を含んだサーバと通信を行い、利用者に対し同出発地から同目的地までの経路案内を行うクライアント端末であって、
    クライアント端末側データベースと、
    前記求められたサーバ経路の案内地点についての情報を前記サーバから取得するとともに、同取得した案内地点についての情報で特定される隣接する案内地点の一つを退出側案内地点とし他の一つを進入側案内地点とする経路であるクライアント経路を前記クライアント端末側データベース内の情報を用いて求める案内地点間経路決定手段と、
    前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致するか否かを判定し、一致する場合、前記隣接する案内地点間については前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うとともに、一致しない場合、前記隣接する案内地点間についての一部又は全部の区間についての情報を前記サーバから取得して、同取得した情報に基いて前記経路案内を行う経路案内手段とを含んだクライアント端末。
  20. 請求項19に記載のクライアント端末において、
    前記経路案内手段は、少なくとも、前記案内地点間経路決定手段により求められたクライアント経路に前記退出側案内地点及び前記進入側案内地点以外の他の中間案内地点が存在せず、且つ、同求められたクライアント経路の距離と前記隣接する案内地点間の前記サーバ経路の距離とが一致するとき、前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致すると判定するように構成されたクライアント端末。
  21. 請求項19に記載のクライアント端末において、
    前記経路案内手段は、少なくとも、前記案内地点間経路決定手段により求められたクライアント経路に前記退出側案内地点及び前記進入側案内地点以外の他の中間案内地点が存在せず、同求められたクライアント経路の距離と前記隣接する案内地点間の前記サーバ経路の距離とが一致し、且つ、同クライアント経路の道路の種類と同隣接する案内地点間の前記サーバ経路の道路の種類とが一致するとき、前記隣接する案内地点間のサーバ経路と前記求められたクライアント経路とが一致すると判定するように構成されたクライアント端末。
  22. 請求項20又は請求項21に記載のクライアント端末において、
    前記経路案内手段は、前記案内地点間経路決定手段により求められたクライアント経路に前記他の中間案内地点が存在する場合であって、同他の中間案内地点と同他の中間案内地点から同他の中間地点に隣接する前記進入側案内地点までの経路、又は同他の中間地点から同他の中間地点に隣接する前記退出側案内地点までの経路が前記サーバ経路上に存在するとき、同サーバ経路上に存在する経路については前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うクライアント端末。
  23. クライアント端末側のデータベース内の情報を用いてクライアント端末の利用者の出発地から目的地までの経路であるクライアント経路を案内地点とともに決定し、同決定したクライアント経路についての同データベース内の情報と、受信した他のデータベース内の情報とを選択的に利用して同出発地から同目的地までの経路案内を行う同クライアント端末と通信を行うサーバであって、
    サーバ側データベースと、
    前記サーバ側データベース内の情報を用いて前記出発地から前記目的地までの経路であるサーバ経路を案内地点とともに求めるサーバ経路決定手段と、
    記サーバ経路についての前記サーバ側データベース内の情報を前記クライアント端末に送信する送信手段であって、前記サーバ経路の案内地点の位置と前記クライアント経路の案内地点の位置との比較に基いて同サーバ経路と同クライアント経路とが一致していると判定される部分についての同サーバ側データベース内の情報を同クライアント端末に送信しないように構成された送信手段とを備えたサーバ。
  24. サーバ側データベースを有するサーバとクライアント端末側データベースを有するクライアント端末との間で通信を行い、前記サーバ側データベース内の情報と前記クライアント端末側データベース内の情報とを選択的に利用して、同クライアント端末の利用者に対して出発地から目的地までの経路案内を行う経路案内方法であって、
    前記サーバ側データベース内の情報を用いて求められる前記出発地から前記目的地までの経路であるサーバ経路の隣接する案内地点間の経路と、前記クライアント端末側データベース内の情報を用いて求められる同出発地から同目的地までの経路であるクライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致しているか否かを、少なくとも同サーバ経路の案内地点の位置と同クライアント経路の案内地点の位置とを比較することにより判定し、
    前記サーバ経路の隣接する案内地点間の経路と前記クライアント経路の隣接する案内地点間の経路とが一致すると判定された同隣接する案内地点間の経路については、前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行う経路案内方法。
  25. サーバ側データベースを有するサーバが同サーバ側データベース内の情報を用いて求めた案内地点を含むサーバ経路データと、クライアント端末側データベースを有するクライアント端末が同クライアント端末側データベース内の情報を用いて求めた案内地点を含むクライアント経路データとが一致しているか否かを判定する経路一致判定方法であって、
    前記サーバ経路の退出側案内地点の位置と前記クライアント経路の退出側案内地点の位置、及び前記サーバ経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置と前記クライアント経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置とが一致していると判定されたとき前記両経路データが一致していると判定する経路一致判定方法。
  26. サーバ側データベースを有するサーバが同サーバ側データベース内の情報を用いて求めた案内地点を含むサーバ経路データと、クライアント端末側データベースを有するクライアント端末が同クライアント端末側データベース内の情報を用いて求めた案内地点を含むクライアント経路データとが一致しているか否かを判定する経路一致判定方法であって、
    前記サーバ経路の退出側案内地点の位置と前記クライアント経路の退出側案内地点の位置、同サーバ経路の退出側案内地点からの退出方向と同クライアント経路の退出側案内地点からの退出方向、同サーバ経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置と同クライアント経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置、及び同サーバ経路の進入側案内地点への進入方向と同クライアント経路の進入側案内地点への進入方向がそれぞれ一致していると判定されたとき、前記両経路データが一致していると判定する経路一致判定方法。
  27. サーバ側データベースを有するサーバが同サーバ側データベース内の情報を用いて求めた案内地点を含むサーバ経路データと、クライアント端末側データベースを有するクライアント端末が同クライアント端末側データベース内の情報を用いて求めた案内地点を含むクライアント経路データとが一致しているか否かを判定する経路一致判定方法であって、
    前記サーバ経路の退出側案内地点の位置と前記クライアント経路の退出側案内地点の位置、同サーバ経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置と同クライアント経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置、及び、同サーバ経路の同退出側及び同進入側案内地点間の距離と同クライアント経路の同退出側及び同進入側案内地点間の距離がそれぞれ一致していると判定されたとき、前記両経路データが一致していると判定する経路一致判定方法。
  28. サーバ側データベースを有するサーバが同サーバ側データベース内の情報を用いて求めた案内地点を含むサーバ経路データと、クライアント端末側データベースを有するクライアント端末が同クライアント端末側データベース内の情報を用いて求めた案内地点を含むクライアント経路データとが一致しているか否かを判定する経路一致判定方法であって、
    前記サーバ経路の退出側案内地点の位置と前記クライアント経路の退出側案内地点の位置、同サーバ経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置と同クライアント経路の前記退出側案内地点に隣接する進入側案内地点の位置、及び、同サーバ経路の同退出側及び同進入側案内地点間の道路の種類と同クライアント経路の同退出側及び同進入側案内地点間の道路の種類がそれぞれ一致していると判定されたとき、前記両経路データが一致していると判定する経路一致判定方法。
  29. サーバ側データベースを備えたサーバとクライアント端末側データベースを備えたクライアント端末との間で通信を行い、前記クライアント端末の利用者に対して出発地から目的地までの経路案内を前記サーバ側データベース及び前記クライアント端末側データベースの情報を選択的に利用しながら実行する経路案内システムであって、
    前記クライアント端末は、
    少なくとも前記出発地と前記目的地とを特定するための情報を前記サーバに送信する目的地送信手段と、
    前記出発地に隣接する案内地点である第1案内地点となり得る地点を前記クライアント端末側データベース内の情報を検索することにより第1案内候補地点として求める第1案内候補地点検索手段とを含み、
    前記サーバは、
    前記クライアント端末から送信された前記出発地及び前記目的地を特定するための情報に基いて同出発地から同目的地までの経路であるサーバ経路を前記サーバ側データベース内の情報を用いて求めるサーバ経路決定手段と、
    前記求めたサーバ経路に含まれる案内地点についての情報を前記クライアント端末に送信する案内地点情報送信手段とを含み、
    更に、前記クライアント端末は、
    前記求められたサーバ経路の案内地点についての情報を受信し、前記求めた第1案内候補地点の中に同受信したサーバ経路の案内地点についての情報により特定される前記第1案内地点と一致する地点が存在するか否かを判定し、同第1案内地点と一致する同第1案内候補地点が存在する場合、前記出発地から同第1案内地点との間について前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うとともに、同第1案内地点と一致する同第1案内候補地点が存在しない場合、同出発地から同第1案内地点との間についての情報を前記サーバから取得して前記経路案内を行う経路案内手段を含んだ経路案内システム。
  30. サーバ側データベースと、出発地及び目的地を特定する情報が与えられたとき前記サーバ側データベース内の情報を用いて同出発地から同目的地までの経路であるサーバ経路を求めるサーバ経路決定手段と、前記求めたサーバ経路に含まれる案内地点についての情報を外部に送信する案内地点情報送信手段とを備えたサーバと通信を行い、利用者に対して同出発地から同目的地までの経路案内を行うクライアント端末であって、
    クライアント端末側データベースと、
    少なくとも前記出発地と前記目的地とを特定する情報を前記サーバに送信する目的地送信手段と、
    前記出発地に隣接する案内地点である第1案内地点となり得る地点を前記クライアント端末側データベース内の情報を検索することにより第1案内候補地点として求める第1案内候補地点検索手段と、
    前記求められたサーバ経路の案内地点についての情報を前記サーバからの送信により取得するサーバ経路案内地点取得手段と、
    前記求めた第1案内候補地点の中に前記取得したサーバ経路の案内地点についての情報で特定される前記第1案内地点と一致する地点が存在するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記第1案内地点と一致する前記第1案内候補地点が存在すると判定された場合、前記出発地から同第1案内地点との間について前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うとともに、同判定手段により同第1案内地点と一致する同第1案内候補地点が存在しないと判定された場合、同出発地から同第1案内地点との間についての情報を前記サーバから取得して前記経路案内を行う経路案内手段とを含んだクライアント端末。
  31. 請求項30に記載のクライアント端末において、
    前記判定手段は、前記第1案内地点の位置と前記第1案内候補地点の位置とが一致するか否かについての判定を行うように構成されたクライアント端末。
  32. 請求項31に記載のクライアント端末において、
    前記判定手段は、更に、前記第1案内地点への進入方向と前記第1案内候補地点への進入方向とが一致するか否かについての判定、前記第1案内地点に対する前記出発地からの退出方向と前記第1案内候補地点に対する前記出発地からの退出方向とが一致するか否かについての判定、前記出発地と前記第1案内地点間の距離と前記出発地と前記第1案内候補地点間の距離とが一致するか否かについての判定、及び前記出発地と前記第1案内地点間の道路の種類と前記出発地と前記第1案内候補地点間の道路の種類とが一致するか否かについての判定のうちの少なくとも一つの判定を行うように構成されたクライアント端末。
  33. サーバ側データベースを備えたサーバとクライアント端末側データベースを備えたクライアント端末との間で通信を行い、前記クライアント端末の利用者に対して出発地から目的地までの経路案内を前記サーバ側データベース及び前記クライアント端末側データベースの情報を選択的に利用しながら実行する経路案内システムであって、
    前記クライアント端末は、
    少なくとも前記出発地と前記目的地とを特定するための情報を前記サーバに送信する目的地送信手段を含み、
    前記サーバは、
    前記クライアント端末から送信された前記出発地及び前記目的地を特定するための情報に基いて同出発地から同目的地までの経路であるサーバ経路を前記サーバ側データベース内の情報を用いて求めるサーバ経路決定手段と、
    前記求めたサーバ経路に含まれる案内地点についての情報を前記クライアント端末に送信する案内地点情報送信手段とを含み、
    更に、前記クライアント端末は、
    前記サーバ経路の案内地点ついての情報を前記サーバから取得するとともに、同取得した案内地点についての情報により特定される案内地点のうちの任意の案内地点から前記目的地に向う側に隣接する案内地点である隣接案内地点となり得る地点を前記クライアント端末側データベース内の情報を検索することにより隣接案内候補地点として求める隣接案内候補地点検索手段と、
    前記求めた隣接案内候補地点の中に前記任意の案内地点から前記目的地に向う側に隣接する案内地点であって前記取得した案内地点についての情報により特定されるサーバ経路の隣接案内地点と一致する地点が存在するか否かを判定し、同サーバ経路の隣接案内地点と一致する同隣接案内候補地点が存在する場合、前記任意の案内地点から同サーバ経路の隣接案内地点との間について前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うとともに、同サーバ経路の隣接案内地点と一致する同隣接案内候補地点が存在しない場合、同任意の案内地点から同サーバ経路の隣接案内地点との間についての情報を前記サーバから取得して前記経路案内を行う経路案内手段とを含んだ経路案内システム。
  34. サーバ側データベースと、出発地及び目的地を特定する情報が与えられたとき前記サーバ側データベース内の情報を用いて同出発地から同目的地までの経路であるサーバ経路を求めるサーバ経路決定手段とを備えたサーバと通信を行い、利用者に対して同出発地から同目的地までの経路案内を行うクライアント端末であって、
    クライアント端末側データベースと、
    少なくとも前記出発地と前記目的地とを特定する情報を前記サーバに送信する目的地送信手段と、
    前記求められたサーバ経路の案内地点についての情報を受信するとともに、同受信した案内地点についての情報により特定される案内地点のうちの任意の案内地点から目的地に向う側に隣接する案内地点である隣接案内地点となり得る地点を前記クライアント端末側データベース内の情報を検索することにより隣接案内候補地点として求める隣接案内候補地点検索手段と、
    前記求めた隣接案内候補地点の中に前記任意の案内地点から前記目的地に向う側に隣接する案内地点であって前記受信した案内地点についての情報により特定されるサーバ経路の隣接案内地点と一致する地点が存在するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記サーバ経路の隣接案内地点と一致する前記隣接案内候補地点が存在すると判定された場合、前記任意の案内地点から同サーバ経路の隣接案内地点との間について前記クライアント端末側データベース内の情報を利用して前記経路案内を行うとともに、同判定手段により同サーバ経路の隣接案内地点と一致する同隣接案内候補地点が存在しないと判定された場合、同任意の案内地点から同サーバ経路の隣接案内地点との間についての情報を前記サーバから取得して前記経路案内を行う経路案内手段とを含んだクライアント端末。
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